JP6024421B2 - サーバ及びプログラム - Google Patents

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本発明は,画像処理装置を管理するサーバ及びサーバに実行させるプログラムに関する。さらに詳細には,管理対象となる画像処理装置をグループ化し,グループごとに画像処理装置の利用機能を管理するサーバ及びプログラムに関するものである。
従来から,画像処理装置をグループ化し,グループごとに画像処理装置の利用機能を管理する技術が知られている。例えば,特許文献1には,印刷装置をグループ化し,さらにユーザごとに印刷枚数を制限する制限情報をグループ内の個々の印刷装置に備え,グループ内のある印刷装置にて制限情報が変更された場合に,グループ内の他の印刷装置にもその変更を反映する技術が開示されている。
特開2008−143043号公報
しかしながら,前記した従来の技術では,次のような問題があった。すなわち,管理するグループが複数あり,管理対象となる画像処理装置の所属グループを変更する際の動作に改善の余地がある。例えば,ある画像処理装置の所属グループを管理者が変更する際に,その画像処理装置が変更先のグループで制限されている機能に関するジョブを実行している場合,そのジョブが終了するまでグループの変更ができないとすれば,管理者にとって不便である。一方で,所属グループの変更を優先して実行中のジョブをキャンセルすると,その画像処理装置のユーザが不満を覚える。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,画像処理装置をグループ化して管理するサーバについて,画像処理装置の所属グループの変更に伴う動作の改善を図る技術を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたサーバは,画像処理装置に関するグループの情報を記憶するグループ記憶部と,前記グループごとに,画像処理装置の機能とその機能の制限情報とを関連付けて記憶する制限記憶部と,前記グループ記憶部に記憶されている画像処理装置の所属する所属グループを現在所属する第1グループから第2グループへ変更する変更指示を受け付ける受付部と,制御部とを備え,前記制御部は,前記受付部が前記変更指示を受け付けた際,変更対象の画像処理装置である変更装置が,前記第2グループにて利用が制限される機能である制限機能に関するジョブである制限ジョブを実行しているか否かを前記制限情報に基づいて判断し,前記制限ジョブを実行していると判断した場合には,所属グループを変更する処理の一部を実行し,前記変更装置を前記制限機能の利用が許可されるグループに登録された状態にしてその制限ジョブの実行を継続し,その制限ジョブの実行が終了したことを条件として所属グループを変更する処理の残りを実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させ,前記制限ジョブを実行していないと判断した場合には,所属グループを変更する処理を全て実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させることを特徴としている。
本明細書に開示されるサーバは,画像処理装置の所属グループを第1グループから第2グループへ変更する変更指示を受けた場合に,変更装置が制限ジョブを実行中でなければ,そのまま所属グループを変更する処理を全て実行する。一方,変更装置が制限ジョブを実行中であれば,変更装置を一時的に制限機能の利用が許可されるグループに登録することにより,制限ジョブの実行を継続させ,制限ジョブの実行が終了してから,所属グループを変更する処理を完了させる。なお,画像処理装置のグループは,管理者によって,任意に振り分けられるグループであってもよいし,ユーザや設置場所ごとに分類されるグループであってもよい。また,画像処理装置の機能としては,例えば,コピー,スキャン,FAX送信,FAX受信,FAXタイマー送信,受信済みFAXの印刷,PCプリントが該当する。また,所属グループを変更する処理としては,例えば,第2グループへの登録や,第1グループからの削除が含まれる。さらに,ジョブの課金先の変更をも含んでもよい。なお,制限情報には,利用可否の情報の他,例えば,利用制限回数や利用残回数も該当する。
すなわち,本明細書に開示されるサーバでは,変更装置が,制限機能に関するジョブである制限ジョブを実行している場合であっても,所属グループを変更する処理の一部として,変更装置を制限機能の利用が許可されるグループに登録された状態とするので,制限ジョブの実行は継続される。従って,制限ジョブのユーザにとっては不便を感じない。一方,制限ジョブの実行が継続されても,所属グループを変更する処理は開始されることから,管理者は,所属グループを変更するにあたって,実行中の制限ジョブの終了を待つ必要がない。従って,管理者にとっては,変更処理を早期に開始でき,画像処理装置のユーザにとっては,実行中のジョブが継続して実行されるので,いずれにとっても好適である。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置を前記第1グループに所属させた状態で前記第2グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記第1グループから削除してもよい。このようにすれば,制限ジョブの実行中,変更装置を第1グループと第2グループとの両方に登録された状態となり,所属グループの変更が完了する前であっても,第1グループに基づいて制限ジョブの実行が継続できるとともに,第2グループに基づいて別の機能が利用可能になる。そのため,変更装置のユーザにとって利便性がより高まる。なお,「登録する」とは,グループ記憶部にデータを追加して記憶させることであり,「削除する」とは,グループ記憶部に記憶されているデータを消去させることである。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置を前記第1グループから削除し,さらに前記変更装置を少なくとも前記制限機能の利用が許可される作業グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記作業グループから削除し,さらに前記変更装置を前記第2グループに登録してもよい。このようにすれば,制限ジョブの実行中,少なくとも実行中の制限機能の利用が許可される作業グループに登録された状態となり,所属グループの変更が完了するまでの間,作業グループに基づいて制限ジョブの実行が継続できる。また,作業グループに基づいて他の機能の利用を制御できるため,管理者あるいは変更装置のユーザに応じた適切な動作が期待できる。なお,作業グループでは,制限機能以外の機能については,許可しても許可しなくてもよい。他の機能の利用を制限する方が,制限ジョブの実行中に他の機能に関するジョブが開始されることを防ぐことができ,制限ジョブの完了遅延を抑制できる。一方,他の機能の利用を制限しない方が,制限ジョブの実行中に他の機能に関するジョブを開始することができ,変更装置の利便性が向上する。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置に対して前記制限ジョブの実行が完了するまでの間に受け付けた新たなジョブの実行を許可するか否かを判断し,前記新たなジョブの実行を許可すると判断した場合には,前記制限ジョブを実行した後に前記新たなジョブの実行を開始し,前記新たなジョブの実行を許可しないと判断した場合には,前記新たなジョブの実行を制限してもよい。新たなジョブとしては,例えば,所属グループを変更する処理を開始した時点で既に受け付け済みで待機状態であったジョブ,または,所属グループを変更する処理を開始後で完了するまでの間に受け付けたジョブが該当する。制限ジョブの実行中における,新たなジョブの実行は,変更装置のユーザにとっては便利であるが,制御部の負荷が増大し,結果として所属グループの変更を遅延させるおそれがある。そのため,新たなジョブの実行許可を判断する処理を設け,必要に応じてそのジョブの実行可否を制限できる方が好ましい。
また,前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,前記第1グループと前記第2グループとの少なくとも一方で許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとしてもよい。このようにすれば,所属グループを変更する処理の実行中であってもできる限り新たなジョブの実行を許可する。従って,変更装置のユーザにとって好ましい。
また,本明細書に開示されるサーバは,前記グループごとに,該グループに所属する画像処理装置で実行されるジョブに対する課金に関する情報を記憶する課金記憶部を備え,前記制御部は,前記課金記憶部に記憶されている情報に基づいて,前記新たなジョブが前記第1グループで許可されている機能に関するジョブであれば,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第1グループに対応する課金先に決定し,前記新たなジョブが前記第1グループで許可されている機能に関するジョブでなければ,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第2グループに対応する課金先に決定するとしてもよい。所属グループの変更が完了する前に受け付けたジョブに関する課金であることから,第1グループで許可されている機能については,変更装置のユーザにとって第1グループに対応する課金先に課金する方が好ましい。
また,前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,前記第2グループで許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとしてもよい。判断対象となる新たなジョブが,第2グループで許可されている機能に関するジョブである限り,実行が許可される方が,管理者の意図に合致して好ましい。
また,本明細書に開示されるサーバは,前記グループごとに,該グループに所属する画像処理装置で実行されるジョブに対する課金に関する情報を記憶する課金記憶部を備え,前記制御部は,前記課金記憶部に記憶されている情報に基づいて,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第2グループに対応する課金先に決定してもよい。新たなジョブは,所属グループを変更する処理を受け付けた後に完了するジョブであることから,このジョブが第2グループで許可されている機能に関するジョブであれば,第2グループに対応する課金先に課金する方が好ましい。
また,前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,重要度が閾値より高い機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとしてもよい。新たなジョブの実行は,所属グループの変更を遅延させるおそれがあるため,そのジョブの実行を制限できる方が好ましいが,すべてのジョブの実行を制限してしまうと,FAX受信等,重要度が高いジョブについても失われてしまう。そのため,重要度が高い機能に関するジョブに限り実行を許可することで,管理者と変更装置のユーザとで利益のバランスを取ることができる。重要度の高低の判断は,例えば,重要度を表す値と閾値との大小の判断によるとしてもよい。
また,前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,(1)前記第1グループと前記第2グループとの少なくとも一方で許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば不許可しないとする条件と,(2)前記第2グループで許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとする条件と,(3)重要度が閾値より高い機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとする条件と,(4)全てのジョブを許可しないとする条件とのうちの少なくとも2つの条件から1つを選択し,選択した条件に従って判断するとしてもよい。これらの条件を選択可能にすることで,状況に応じてより好適な処理を実行することが期待できる。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記制限ジョブの実行が完了するまでの間に受け付けた,前記変更装置に対する新たなジョブの実行を制限してもよい。新たなジョブの実行は,所属グループの変更を遅延させるおそれがあるため,そのジョブの実行を制限できる方が好ましい。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断し,所属グループを変更する処理の一部を開始した後,所定時間を経過しても前記制限ジョブの実行が終了していない場合に,前記制限ジョブの実行を終了させてもよい。管理者が所属グループの変更指示を入力したにもかかわらず長期間変更されない状況,すなわち管理者の意図と異なる状況が長期間継続される状況は好ましくない。そのため,所定時間を経過しても制限ジョブが終了しない場合には,制限ジョブを強制終了し,所属グループの変更を優先させる方が好ましい。
また,前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,(1)前記変更装置を前記第1グループに所属させた状態で前記第2グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記第1グループから削除する処理と,(2)前記変更装置を前記第1グループから削除し,さらに前記変更装置を少なくとも前記制限機能の利用が許可される作業グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記作業グループから削除し,さらに前記変更装置を前記第2グループに登録する処理とのいずれか一方を選択し,選択した処理を実行してもよい。(1)と(2)とを選択可能にすることで,管理者あるいは変更装置のユーザに応じた適切な動作がより期待できる。
また,本明細書には,画像処理装置に関するグループの情報を記憶するグループ記憶部と,前記グループごとに,画像処理装置の機能とその機能の制限情報とを関連付けて記憶する制限記憶部と,前記グループ記憶部に記憶されている画像処理装置の所属する所属グループを現在所属する第1グループから第2グループへ変更する変更指示を受け付ける受付部とを備えるサーバに,前記受付部が前記変更指示を受け付けた際,変更対象の画像処理装置である変更装置が,前記第2グループにて利用が制限される機能である制限機能に関するジョブである制限ジョブを実行しているか否かを前記制限情報に基づいて判断し,前記制限ジョブを実行していると判断した場合には,所属グループを変更する処理の一部を実行し,前記変更装置を前記制限機能の利用が許可されるグループに登録された状態にしてその制限ジョブの実行を継続し,その制限ジョブの実行が終了したことを条件として所属グループを変更する処理の残りを実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させ,前記制限ジョブを実行していないと判断した場合には,所属グループを変更する処理を全て実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させる手順を実行させることを特徴とするプログラムが開示されている。
本発明によれば,画像処理装置をグループ化して管理するサーバについて,画像処理装置の所属グループの変更に伴う動作の改善を図る技術が実現される。
実施の形態にかかる画像処理システムを示す説明図である。 サーバの電気的構成を示すブロック図である。 メンバ情報の例を示す説明図である。 制限情報の例を示す説明図である。 課金情報の例を示す説明図である。 グループ変更処理の手順を示すフローチャートである。 複数グループ登録による変更処理の手順を示すフローチャートである。 作業グループ登録による変更処理の手順を示すフローチャートである。 新たなジョブ判断処理の手順を示すフローチャートである。 重要度判断処理の手順を示すフローチャートである。
以下,本発明にかかるサーバを含む画像処理システムを具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,サーバと複数の画像処理装置とを含み,それらが互いに通信可能なシステムに本発明を適用したものである。
[画像処理システムの構成]
本形態の画像処理システム1は,図1に示すように,サーバ100と,PC200と,複数の画像処理装置とを有し,これらがインターネット400を介して互いに通信可能に接続されている。画像処理システム1は,複数の画像処理装置として,複合機11〜17を有している。本形態の画像処理システム1では,複数の画像処理装置は,図1に示すように,グループA〜Cの3つのグループに分けられている。具体的には,複合機11,12はグループAに所属し,複合機13〜15はグループBに所属し,複合機16,17はグループCに所属している。画像処理装置としては,複合機に限らず,画像処理機能を有するものであればよい。
本形態の画像処理システム1では,グループの作成や消去,および,各画像処理装置の所属先のグループの決定等のグループ編成の管理は,サーバ100によって行われる。以下では,グループの管理のためにサーバ100を使用する権限を有するユーザを,管理ユーザとする。一方,各画像処理装置に画像処理を実行させるためのジョブを投入するユーザを,使用ユーザとする。使用ユーザは,PC200から画像処理装置を指定して,あるいは,画像処理装置を直接操作して,ジョブの実行を指示する。
[サーバの電気的構成]
続いて,サーバ100の電気的構成について説明する。サーバ100は,図2に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(不揮発性RAM)34とを備えている。また,サーバ100は,ネットワークインターフェース37と,操作パネル40とを備え,これらがCPU31によって制御される。
ROM32には,サーバ100を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは,データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。NVRAM34には,各グループのメンバ情報51,制限情報52,課金情報53が記憶されている。メンバ情報51,制限情報52,課金情報53の内容については後述する。
CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,サーバ100の各構成要素を制御する。また,CPU31は,画像処理システム1に属する各複合機11〜17の所属グルー
プの管理を行う。CPU31は,制御部の一例である。
ネットワークインターフェース37は,インターネット400(図1参照)に接続される。つまり,サーバ100は,ネットワークインターフェース37を介して,画像処理システム1に接続されている各画像処理装置と通信する。また,サーバ100は,ネットワークインターフェース37を介して,管理対象となる各画像処理装置の所属グループを変更する変更指示を受け付けることもできる。その場合には,ネットワークインターフェース37は,受付部の一例である。
操作パネル40は,液晶ディスプレイおよびスタートキー,ストップキー,テンキー等から構成されるボタン群とを備え,変更指示等の管理ユーザによる指示入力を受け付ける。操作パネル40は,受付部の一例である。
次に,本形態のサーバ100のNVRAM34に記憶されているメンバ情報51,制限情報52,課金情報53について説明する。メンバ情報51の例を図3に示す。メンバ情報51は,画像処理装置に関するグループの情報を記憶するテーブルである。メンバ情報51には,グループごとに,そのグループに所属する全てのメンバの画像処理装置の識別符号が記憶されている。識別符号は,各装置を区別して示す名称や番号等とすればよい。サーバ100は,メンバ情報51を参照して,各画像処理装置について,その所属グループを判断することができる。メンバ情報51は,グループ記憶部の一例である。
サーバ100は,変更指示に基づいて,メンバ情報51を書き換える。例えば,サーバ100は,変更指示として新たなメンバの追加を受け付けると,そのメンバを指定されたグループに登録する。一方,変更指示として既存のメンバの削除を受け付けると,そのメンバを指定されたグループから削除する。また,変更指示として,既存のメンバの所属グループの変更を受け付けると,そのメンバを変更先のグループに登録し,変更元のグループから削除する。
なお,メンバをグループに「登録」するとは,メンバ情報51に対して,そのメンバの識別符号をグループに関連付けられたテーブルに追加して記憶させることである。また,メンバをグループから「削除」するとは,メンバ情報51に対して,そのグループに関連付けられたテーブルから,そのメンバの識別情報を消去させることである。
また,制限情報52の例を図4に示す。制限情報52は,グループごとに,画像処理装置の機能とその機能の制限情報とを関連付けて記憶するテーブルである。本形態の画像処理システム1では,画像処理装置の機能には,コピー,スキャン,FAX送信,FAX受信,FAXタイマー送信,受信済みFAXの印刷,PCプリントの各機能がある。そして,グループごとに,各機能に対して利用が許可されているか否かを示す制限情報が設定されている。図4では,利用が許可されている機能を○で,利用が制限されている制限機能を×でそれぞれ示している。サーバ100は,制限情報52を参照して,各グループでの利用が許可されている機能であるか否かを判断することができる。制限情報52は,制限記憶部の一例である。
さらに本形態の画像処理システム1では,消耗品である印刷用紙について,グループごとに消費できる上限枚数も設定され,制限情報52に記憶されている。上限枚数は,1日等の一定期間ごとに設けられ,コピー,受信済みFAXの印刷,PCプリント等のジョブによって消費できる用紙の枚数の上限である。一定期間内に使用量が上限枚数に達すると,その期間の終了まで,そのグループの画像処理装置では用紙を消費するジョブを実行できない。上限枚数も制限情報の一例である。
図4に示した制限情報52の例では,グループAに所属する画像処理装置は,スキャンとPCプリントの機能の利用は許可されているが,それ以外の機能の利用は制限されている。また,グループBに所属する画像処理装置は,PCプリントの機能の利用だけが制限されており,それ以外の機能の利用は許可されている。グループCに所属する画像処理装置は,コピーとPCプリントが許可され,それ以外の機能の利用は制限されている。
例えば,グループAに所属する複合機11に対して,使用ユーザがスキャン機能を利用するジョブの実行を指示した場合,この機能の利用は許可されているので,ジョブは実行される。しかし,使用ユーザがFAX送信の機能を利用するジョブを実行したい場合には,複合機11ではFAX送信の機能が許可されていないので,複合機11を使用することはできない。また,例えば,グループAの上限枚数は100枚/日なので,グループAに所属する複合機11と12とで消費した用紙の枚数の合計が,1日で100枚に達したら,その日はPCプリント機能を使用できない。
さらに,制限情報52には,図4に示したように,機能ごとにその重要度が設定されて記憶されている。重要度とは,使用ユーザによってその機能を利用するジョブの実行を指示された場合に,他の機能を利用するジョブに比して優先的に実行するか否かを判断する基準となる数値である。重要度は,管理ユーザによって,機能ごとに予め決定されて記憶されている。
また,課金情報53の例を図5に示す。課金情報53は,グループごとに,そのグループに所属する画像処理装置で実行されるジョブに対する課金に関する情報を記憶するテーブルである。課金情報53には,例えば,グループごとに対応する課金先,今月の課金金額,今月の使用枚数の情報が記憶されている。課金先は,そのグループに所属する画像処理装置に課される課金を負担する負担先である。課金金額は,例えば,今月の使用枚数,トナーの使用量,通信料に基づいて決定される。課金情報53には,今月分のみでなく過去の課金に関する情報も記憶していてもよい。サーバ100は,課金情報53に基づいて,実行された各ジョブの課金先を決定する。課金情報53は,課金記憶部の一例である。
[グループ変更処理]
続いて,サーバ100が実行する,画像処理システム1に含まれる画像処理装置の所属グループを変更する処理であるグループ変更処理の手順について,図6のフローチャートを参照しつつ説明する。このグループ変更処理は,変更指示を受け付けたことを契機にCPU31によって実行される。以下の説明では,グループ変更処理による変更対象の画像処理装置を変更装置とし,変更装置の現在の所属グループを第1グループとし,変更先を第2グループとする。
グループ変更処理では,まず,変更装置が画像処理動作を実行中であるか否かを判断する(S101)。変更装置が動作中でないと判断した場合は(S101:No),所属グループを変更する処理を全て実行する。具体的には,変更装置を第2グループに登録し(S102),第1グループから削除する(S103)。つまり,サーバ100は,NVRAM34のメンバ情報51を書き換えて,変更装置の所属グループを変更した情報を記憶する。なお,S102とS103とは,逆順でもよい。
例えば,図3に示したメンバ情報51において,グループAに所属する複合機11の所属グループをグループBに変更する指示を受けた場合には,変更装置は複合機11であり,第1グループはグループA,第2グループはグループBである。サーバ100は,複合機11を,グループBのメンバに登録し,グループAのメンバから削除する。これにより,グループAのメンバは1台,グループBのメンバは4台となる。この場合には,これでグループ変更処理を終了する。
一方,変更装置が動作中であると判断した場合は(S101:Yes),実行中のジョブが制限ジョブであるか否かを判断する(S104)。制限ジョブは,第1グループでは利用が許可され,第2グループでは利用が制限される機能である制限機能を利用しているジョブである。すなわち,S104では,実行中のジョブで利用している機能に,第2グループにおいて利用が制限される機能が含まれているか否かを判断する。
例えば,グループAに属している複合機11をグループBに変更する場合,制限機能は,PCプリント機能である。そして,複合機11にて実行中のジョブが,PCプリント機能を利用しないジョブであれば,制限ジョブではないので,S104においてNoと判断される。一方,実行中のジョブがPCプリント機能を利用するジョブであれば,制限ジョブであるので,S104においてYesと判断される。
実行中のジョブが制限ジョブではないと判断した場合は(S104:No),動作中に所属グループを変更しても,そのジョブの実行を継続することができる。そこで,この場合には,サーバ100は,変更装置が動作中であっても所属グループを変更する処理を全て実行する。
ただし,動作中に所属グループを変更すると,実行中のジョブに関する課金先が問題となる。サーバ100では,装置の動作中に所属グループを変更した場合に,実行中のジョブの課金先を第2グループに対応する課金先に変更するか否かについて,管理ユーザによって予め決定され,記憶している。つまり,サーバ100は,予め設定されている内容に基づいて,動作中のジョブの課金先を変更するか否かを判断する(S105)。
課金先を変更しないと判断した場合は(S105:No),サーバ100は,実行中のジョブの課金先を変更しない。つまり,実行中のジョブの課金先は,第1グループに対応する課金先のままである。そして,サーバ100は,NVRAM34のメンバ情報51を書き換えて,変更装置を第2グループに登録し(S102),第1グループから削除する(S103)。この場合には,これでグループ変更処理を終了する。
課金先を変更すると判断した場合は(S105:Yes),実行中のジョブの課金先を第2グループに対応する課金先に変更する(S106)。そして,サーバ100は,NVRAM34のメンバ情報51を書き換えて,変更装置を第2グループに登録し(S102),第1グループから削除する(S103)。この場合には,これでグループ変更処理を終了する。
一方,実行中のジョブが制限機能を利用している制限ジョブであると判断した場合は(S104:Yes),制限ジョブの実行を許容しつつ,所属グループを変更する処理を進める。具体的に,サーバ100は,制限ジョブを実行していると判断した場合のグループの変更方法を2種類備えている。複数グループ登録による変更処理と,作業グループ登録による変更処理である。各変更処理の詳細は後述する。グループ変更処理において選択される変更方法は,管理ユーザによって,予め選択されて,サーバ100に設定されている。なお,実行中の制限ジョブの課金先は,いずれの変更処理が選択された場合でも,第1グループに対応する課金先のままである。
そこで,サーバ100は,制限ジョブを実行中である場合には(S104:Yes),複数グループ登録による変更処理が選択されているか否かを判断する(S107)。複数グループ登録による変更処理は,一時的に,第1グループと第2グループとの両方のグループに登録する方法である。複数グループ登録による変更処理が選択されていると判断した場合には(S107:Yes),複数グループ登録による変更処理を実行する(S111)。
図7に,S111にて実行される複数グループ登録による変更処理の手順を示す。複数グループ登録による変更処理の実行を開始すると,サーバ100は,計時を開始する(S201)。変更処理に長時間を要することは好ましくないので,サーバ100は,変更処理に制限時間を設けている。そのため,この複数グループ登録による変更処理を開始してからの経過時間を計る。
次に,サーバ100は,変更装置を第2グループに登録する(S202)。これにより,変更装置は,第1グループと第2グループとの両方に登録された状態となる。この状態では,変更装置は,第1グループにも所属しているので,第1グループに基づいて,第1グループで許可されている機能を利用する。つまり,動作中の制限ジョブの実行を継続できる。また,それ以外の機能については,第1グループと第2グループとの少なくとも一方において許可されている機能であれば,利用できる可能性がある。
そして,制限ジョブの実行が終了し,動作が終了したか否かを判断する(S203)。動作が終了していると判断したら(S203:Yes),変更装置を第1グループから削除する(S204)。この結果,変更装置は第2グループのみに所属することになる。つまり,変更装置のグループの変更が終了したことになる。この場合は,これで複数グループ登録による変更処理を終了する。
一方,動作が終了していないと判断したら(S203:No),タイムアウトか否かを判断する(S205)。すなわち,S201で開始した計時の結果と,予め決めた所定時間とを比較し,所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過していなければ(S205:No),S203に戻って動作が終了したか否かを確認する。
動作が終了しないうちに所定時間が経過した場合には(S205:Yes),タイムアウトとなったと判断され,その制限ジョブを強制終了させる。つまり,サーバ100は,変更装置に,動作中のジョブの実行を停止させる指示を送出する(S206)。これにより,変更装置は,制限ジョブの実行を中止し,画像処理に関する動作を停止する。動作を停止させたら,サーバ100は,変更装置を第1グループから削除する(S204)。
つまり,複数グループ登録による変更処理が選択された場合には,グループを変更するための処理の一部として,S202にて第2グループへの登録を行い,グループを変更するための処理の残りとして,S204にて第1グループからの削除を行う。S204の後は,複数グループ登録による変更処理を終了する。そして,図6に戻り,グループ変更処理を終了する。
複数グループ登録による変更処理では,一時的に,第1グループと第2グループとの両方に登録された状態とすることで,所属グループの変更が完了する前であっても,第1グループに基づいて制限ジョブの実行が継続できるとともに,第2グループに基づいて別の機能を利用できる可能性がある。そのため,変更装置のユーザにとって利便性が高まる。
一方,図6のS107にて複数グループ登録による変更処理が選択されていないと判断した場合には(S107:No),作業グループ登録による変更処理を実行する(S112)。この変更方法は,一時的に作業グループを作成し,変更装置をその作業グループに登録する変更方法である。この点,第1グループと第2グループとの2つのグループに変更装置を所属させる複数グループ登録による変更処理とは異なる。
図8に,S112にて実行される作業グループ登録による変更処理の手順を示す。作業グループ登録による変更処理の実行を開始すると,前述した複数グループ登録による変更処理の場合と同様に,サーバ100は,計時を開始する(S301)。
次に,サーバ100は,メンバ情報51に記憶されているグループ以外の一時的なグループである作業グループを作成する(S302)。作業グループは,変更処理が完了するまでの間,一時的にメンバ情報51および制限情報52に追加される。そして,変更装置は,S302で作成された作業グループに,一時的に登録される(S303)。この段階での作業グループのメンバは,変更装置のみである。次に,サーバ100は,変更装置を第1グループから削除する(S304)。これにより,変更装置は,作業グループのみに所属することになる。
S302で作成する作業グループでは,少なくとも変更装置にて実行中の制限ジョブが利用する機能は,全て許可される。つまり,作業グループに登録された装置は,少なくとも,制限機能の利用が許可される。従って,変更装置は,実行中のジョブの動作をそのまま継続することができる。なお,変更装置が利用していない機能については,許可されていてもされていなくてもかまわない。
S304の後,動作の終了(S305)とタイムアウト(S306)とを監視する。つまり,図7のS203,S205,S206と同様に,動作が終了する(S305:Yes)か,あるいは,タイムアウトとなって(S306:Yes),動作を停止させる(S307)かのいずれかとなるまで待機する。
制限ジョブが終了するか,または,S307によって変更装置の動作が停止したら,変更装置を第2グループに登録する(S308)。さらに,変更装置を作業グループから削除し(S309),作業グループ自体をも削除する(S310)。
つまり,作業グループ登録による変更処理が選択された場合には,グループを変更するための処理の一部として,S303にて作業グループへの登録を行い,S304にて第1グループからの削除を行う。また,グループを変更するための処理の残りとして,S308にて第2グループへの登録を行い,S309にて作業グループからの削除を行う。S310の後は,作業グループ登録による変更処理を終了する。そして,図6に戻り,グループ変更処理を終了する。
作業グループ登録による変更処理では,一時的に,作業グループに登録された状態とすることで,少なくとも実行中の制限機能の利用が許可され,制限ジョブの実行が継続できる。また,作業グループに基づいて他の機能の利用を制御できるため,管理ユーザに応じた適切な動作が期待できる。一方,複数グループ登録による変更処理は,作業グループ用にメモリを確保する必要が無く,メモリ容量が小さくても適用可能性が高い。
[新たなジョブ判断処理]
続いて,新たなジョブ判断処理の手順について,図9のフローチャートを参照しつつ説明する。新たなジョブ判断処理は,グループ変更処理(図6参照)の実行を開始した時点で,変更装置が動作中(S101:Yes)であった場合に,新たなジョブの実行を許可するか否かを判断する処理である。
新たなジョブとは,変更装置に対して,グループ変更処理が終了するまでの間に受け付けたジョブである。具体的には,グループ変更処理を開始した時点で既に受け付け済みで待機状態であったジョブ,または,グループ変更処理にて動作中のジョブの実行を継続している間に受け付けたジョブが,新たなジョブに相当する。新たなジョブ判断処理は,サーバ100において,待機中のジョブが存在する状態でグループ変更処理を開始したこと,あるいは,グループ変更処理を実行中に新たなジョブを受け付けたことを契機にCPU31によって実行される。
サーバ100は,新たなジョブの実行を許可するか否かの判断のための機能制限方法として,後述するように4種類の方法を有している。その1つは,全てのジョブを不許可とすることであり,それ以外の機能制限方法では,新たなジョブが利用する機能に応じて,実行を許可するか否かを判断する。そして,管理ユーザは,これら4種類の機能制限方法から,1つを予め選択して設定しておくことができる。
新たなジョブ判断処理では,サーバ100は,新たなジョブの実行は許可しないと設定されているか否かを判断する(S401)。グループ変更処理の実行時に新たなジョブの実行は許可しないと設定されている場合には(S401:Yes),ジョブの実行が許可されないことを通知する(S402)。通知方法は,ジョブの実行を指示した使用ユーザに宛てて,電子メール等を送信してもよいし,変更装置のパネルに表示してもよい。つまり,受け付け済みのジョブがシステムの都合により実行されないこと,あるいは,システムの都合で現在ジョブの受け付けを行っていないことを使用ユーザに通知する。この場合には,これで,新たなジョブ判断処理を終了する。なお,新たなジョブは,保留してもよいし,消去してもよい。
一方,新たなジョブの実行を全て不許可とする設定ではないと判断した場合は(S401:No),新たなジョブにて利用する機能の種類を取得する(S403)。そして,S403で取得された機能の種類に基づいて,新たなジョブの実行を許可するか否かを判断する。サーバ100は,管理ユーザにより選択されている機能制限方法が,第1〜第3のいずれの方法であるかを判断する(S405)。
具体的に,第1の方法は,新たなジョブが利用する機能が第1グループと第2グループとの少なくとも一方で許可されていれば許可する方法である。第2の方法は,新たなジョブが利用する機能が第2グループで許可されていれば許可する方法である。第3の方法は,新たなジョブが利用する機能の重要度が高ければ許可する方法である。
第1の方法を選択すると判断した場合には(S405:第1の方法),サーバ100は,S403で取得された機能の利用が,第1グループのメンバに対して許可されているか否かを判断する(S406)。第1グループで許可されていると判断した場合は(S406:Yes),新たなジョブの実行を許可する。そして,新たなジョブの課金先を,課金情報53に基づいて,第1グループに対応する課金先に決定する(S407)。
一方,S406にて,第1グループで許可されていないと判断した場合には(S406:No),機能が第2グループのメンバに対して許可されているか否かを判断する(S409)。第2グループで許可されていると判断した場合は(S409:Yes),新たなジョブの実行を許可する。そして,新たなジョブの課金先を,課金情報53に基づいて,第2グループに対応する課金先に決定する(S410)。
新たなジョブの実行を許可すると決定した場合には,サーバ100は,変更装置に対し,新たなジョブの実行を指示する(S411)。新たなジョブは,実行中の制限ジョブと並行して実行可能なジョブであれば,並行して実行される。並行して実行可能でないジョブであれば,動作中の制限ジョブが終了したら,実行開始される。S411の後は,新たなジョブ判断処理を終了する。
S409にて,第2グループでも許可されていないと判断した場合は(S409:No),新たなジョブの実行を不許可とする。そして,ジョブの実行を指示した使用ユーザに宛てて,ジョブの実行が許可されないことを通知する(S402)。S402の後は,新たなジョブ判断処理を終了する。
上述したように,第1の方法では,第1グループで許可される機能を利用するジョブでも,第2グループで許可される機能を利用するジョブでも,できる限り新たなジョブの実行を許可する。そして,新たなジョブに関する課金は,第1グループで許可されている機能を利用するジョブであれば第1グループに対応する課金先に課金し,第2グループで許可されている機能を利用するジョブであれば第2グループに対応する課金先に課金する。新たなジョブは,グループ変更処理の完了前に受け付けたジョブであるため,できるだけ許可した方が,変更装置の使用ユーザにとって好ましい。
一方,S405にて,第2の方法を選択すると判断した場合には(S405:第2の方法),サーバ100は,S403で取得された機能の利用が,第2グループのメンバに対して許可されているか否かを判断する(S409)。第2グループで許可されていると判断した場合は(S409:Yes),新たなジョブの実行を許可する。そして,新たなジョブの課金先を,第2グループに対応する課金先とする(S410)。そして,第1の方法の場合と同様に,変更装置に対して,新たなジョブの実行を指示する(S411)。S411の後は,新たなジョブ判断処理を終了する。
S409にて,S403で取得された機能の利用が第2グループで許可されていないと判断した場合は(S409:No),新たなジョブの実行を不許可とする。そして,ジョブの実行を指示した使用ユーザに宛てて,ジョブの実行が許可されないことを通知する(S402)。S402の後は,新たなジョブ判断処理を終了する。
上述したように,第2の方法では,第1グループでのみ許可される機能を利用するジョブの実行を許可しないので,第1の方法より早期にグループ変更処理の関連処理が終了する。従って,管理ユーザの意図に合致して好ましい。また,新たなジョブが,第2グループで許可されている機能に関するジョブでなければ実行が許可されないので,他の使用ユーザにとって受け入れやすい。
一方,S405にて,第3の方法を選択すると判断した場合には(S405:第3の方法),重要度判断処理を実行する(S412)。図10に,S412にて実行される重要度判断処理の手順を示す。重要度判断処理の実行を開始すると,サーバ100は,利用する機能の重要度を制限情報52から読み出す(S501)。例えば,図4に示した制限情報52では,FAXに関わる機能の重要度は高く,プリントやコピーの重要度は低い。FAXに関わる機能は,ジョブを再送し難いことから,その重要度は高いことが好ましい。
そして,S501にて取得した重要度の値が,管理ユーザによって予め設定された閾値以上であるか否かを判断する(S502)。閾値は可変であり,管理ユーザによって予め設定される。重要度が閾値以上ではないと判断した場合は(S502:No),サーバ100は,新たなジョブの実行を許可しない。従って,新たなジョブを投入した使用ユーザに不許可を通知し(S503),この重要度判断処理を終了する。なお,S503の内容は,図9のS402と同様である。
一方,重要度が閾値以上であると判断した場合は(S502:Yes),新たなジョブの実行を許可する。そして,利用する機能が第1グループのメンバに対して許可されているか否かを判断する(S505)。第1グループで許可されていると判断した場合は(S505:Yes),課金先を第1グループに対応する課金先とする(S506)。一方,第1グループで許可されていないと判断した場合は(S505:No),課金先を第2グループに対応する課金先とする(S507)。S507の場合,その機能が第2グループで許可されているか否かには関わらない。
S506またはS507にて課金先が決定したら,サーバ100は新たなジョブの実行を変更装置に指示する(S508)。なお,S508の内容は,図9のS411と同様である。これで,重要度判断処理を終了する。S503またはS508の後,図9に戻って,新たなジョブ判断処理を終了する。
上述したように,第3の方法では,グループ変更処理の完了前に受け付けたジョブであっても,重要度が高いと判断されるジョブに限り,実行が許可される。従って,データが失われる可能性は小さいので好ましい。また,重要度が低いジョブは実行されないので,グループ変更処理の早期完了が期待できる。
以上,詳細に説明したように,サーバ100によれば,画像処理システム1の画像処理装置に対して,所属グループを第1グループから第2グループへ変更する指示を受けた場合に,変更装置が制限ジョブを実行中でなければ,そのまま所属グループを変更する処理を全て実行する。一方,変更装置が制限ジョブを実行中であれば,変更装置を一時的に制限機能の利用が許可されるグループに登録することにより,制限ジョブの実行を継続させ,制限ジョブの実行が終了してから,所属グループを変更する処理を完了させる。そのため,管理ユーザにとってはグループ変更処理を早期に開始でき,使用ユーザにとってはジョブの実行が継続されるので,いずれにとっても不満はない。従って,画像処理装置をグループ化して管理するサーバ100について,画像処理装置の所属グループの変更に伴う動作の改善を図る技術が実現される。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えばグループの数や,各グループに所属するメンバの種類は一例であり,種々の画像処理システムに適用可能である。
グループ変更処理においては,2種類の方法から選択されるとしたが,いずれか一方のみを備えていてもよい。また,機能制限方法の条件は,4種類のうち少なくとも1種類を備えていればよい。少なくとも2種類以上備えていれば,管理ユーザは,そのうちから1つを選択できる。多くの種類を備えていれば,それだけ選択の幅が広がるので好ましい。
制限情報52に示した画像処理装置の機能の種類として,7種類を例示したが,これに限るものではない。機能の種類は,少なくとも2種類以上であればよく,7種類よりさらに多くの種類があってもよい。ただし,システムに所属する全ての画像処理装置において利用可能な機能を網羅していることが好ましい。また,上限枚数の制限は設けなくてもよい。
また,タイムアウトによって,制限ジョブの実行を継続させる時間を制限するとしたが,この制限はしなくてもよい。制限しておけば,グループ変更処理に長時間を要することがないので好ましい。
また,新たなジョブとしては,グループ変更処理を開始した時点で既に受け付け済みで待機状態であったジョブ,または,グループ変更処理にて動作中のジョブの実行を継続している間に受け付けたジョブのいずれか一方のみとしてもよい。つまり,グループ変更処理を開始した時点で待機しているジョブは,全て不許可としてもよい。あるいは,グループ変更処理を開始した後は,グループ変更処理が完了するまでジョブを受け付けないこととしてもよい。またあるいは,新たなジョブはすべて不許可としてもよい。例えば,所属グループを変更する処理の実行を開始した旨を使用ユーザに通知し,処理の終了後に改めてジョブを投入してもらうこととしてもよい。ただし,実行を許可できるジョブについては実行することにより,使用ユーザの利便性が高い。
また,重要度判断処理では,重要度を数値で規定して閾値と比較するとしたが,単に許可するかしないかの情報を記憶するとしてもよい。ただし,重要度を数値化しておけば,閾値のみを変更することにより許可される機能を一斉に変更することができるので,管理ユーザにとって設定が容易である可能性が高い。
また,実施の形態に開示されている処理は,単一のCPU,複数のCPU,ASICなどのハードウェア,またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。
31 CPU
34 NVRAM
37 ネットワークインターフェース
40 操作パネル
51 メンバ情報
52 制限情報
53 課金情報
100 サーバ

Claims (14)

  1. 画像処理装置に関するグループの情報を記憶するグループ記憶部と,
    前記グループごとに,画像処理装置の機能とその機能の制限情報とを関連付けて記憶する制限記憶部と,
    前記グループ記憶部に記憶されている画像処理装置の所属する所属グループを現在所属する第1グループから第2グループへ変更する変更指示を受け付ける受付部と,
    制御部と,
    を備え,
    前記制御部は,
    前記受付部が前記変更指示を受け付けた際,変更対象の画像処理装置である変更装置が,前記第2グループにて利用が制限される機能である制限機能に関するジョブである制限ジョブを実行しているか否かを前記制限情報に基づいて判断し,
    前記制限ジョブを実行していると判断した場合には,所属グループを変更する処理の一部を実行し,前記変更装置を前記制限機能の利用が許可されるグループに登録された状態にしてその制限ジョブの実行を継続し,その制限ジョブの実行が終了したことを条件として所属グループを変更する処理の残りを実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させ,
    前記制限ジョブを実行していないと判断した場合には,所属グループを変更する処理を全て実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させる
    ことを特徴とするサーバ。
  2. 請求項1に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置を前記第1グループに所属させた状態で前記第2グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記第1グループから削除することを特徴とするサーバ。
  3. 請求項1に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置を前記第1グループから削除し,さらに前記変更装置を少なくとも前記制限機能の利用が許可される作業グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記作業グループから削除し,さらに前記変更装置を前記第2グループに登録することを特徴とするサーバ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,
    前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記変更装置に対して前記制限ジョブの実行が完了するまでの間に受け付けた新たなジョブの実行を許可するか否かを判断し,
    前記新たなジョブの実行を許可すると判断した場合には,前記制限ジョブを実行した後に前記新たなジョブの実行を開始し,
    前記新たなジョブの実行を許可しないと判断した場合には,前記新たなジョブの実行を制限する
    ことを特徴とするサーバ。
  5. 請求項4に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,前記第1グループと前記第2グループとの少なくとも一方で許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないことを特徴とするサーバ。
  6. 請求項5に記載するサーバにおいて,
    前記グループごとに,該グループに所属する画像処理装置で実行されるジョブに対する課金に関する情報を記憶する課金記憶部を備え,
    前記制御部は,前記課金記憶部に記憶されている情報に基づいて,前記新たなジョブが前記第1グループで許可されている機能に関するジョブであれば,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第1グループに対応する課金先に決定し,前記新たなジョブが前記第1グループで許可されている機能に関するジョブでなければ,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第2グループに対応する課金先に決定することを特徴とするサーバ。
  7. 請求項4に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,前記第2グループで許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないことを特徴とするサーバ。
  8. 請求項7に記載するサーバにおいて,
    前記グループごとに,該グループに所属する画像処理装置で実行されるジョブに対する課金に関する情報を記憶する課金記憶部を備え,
    前記制御部は,前記課金記憶部に記憶されている情報に基づいて,前記新たなジョブに関する課金の課金先を前記第2グループに対応する課金先に決定することを特徴とするサーバ。
  9. 請求項4に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,重要度が閾値より高い機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないことを特徴とするサーバ。
  10. 請求項4に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記新たなジョブの実行について,
    (1)前記第1グループと前記第2グループとの少なくとも一方で許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば不許可しないとする条件と,
    (2)前記第2グループで許可されている機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとする条件と,
    (3)重要度が閾値より高い機能に関するジョブであれば許可し,それ以外のジョブであれば許可しないとする条件と,
    (4)全てのジョブを許可しないとする条件と,
    のうちの少なくとも2つの条件から1つを選択し,選択した条件に従って判断することを特徴とするサーバ。
  11. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,前記制限ジョブの実行が完了するまでの間に受け付けた,前記変更装置に対する新たなジョブの実行を制限することを特徴とするサーバ。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1つに記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断し,所属グループを変更する処理の一部を開始した後,所定時間を経過しても前記制限ジョブの実行が終了していない場合に,前記制限ジョブの実行を終了させることを特徴とするサーバ。
  13. 請求項1に記載するサーバにおいて,
    前記制御部は,前記制限ジョブを実行していると判断した場合に,
    (1)前記変更装置を前記第1グループに所属させた状態で前記第2グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記第1グループから削除する処理と,
    (2)前記変更装置を前記第1グループから削除し,さらに前記変更装置を少なくとも前記制限機能の利用が許可される作業グループに登録し,前記制限ジョブの実行が終了したことを条件として,前記変更装置を前記作業グループから削除し,さらに前記変更装置を前記第2グループに登録する処理と,
    のいずれか一方を選択し,選択した処理を実行することを特徴とするサーバ。
  14. 画像処理装置に関するグループの情報を記憶するグループ記憶部と,
    前記グループごとに,画像処理装置の機能とその機能の制限情報とを関連付けて記憶する制限記憶部と,
    前記グループ記憶部に記憶されている画像処理装置の所属する所属グループを現在所属する第1グループから第2グループへ変更する変更指示を受け付ける受付部と,
    を備えるサーバに,
    前記受付部が前記変更指示を受け付けた際,変更対象の画像処理装置である変更装置が,前記第2グループにて利用が制限される機能である制限機能に関するジョブである制限ジョブを実行しているか否かを前記制限情報に基づいて判断し,
    前記制限ジョブを実行していると判断した場合には,所属グループを変更する処理の一部を実行し,前記変更装置を前記制限機能の利用が許可されるグループに登録された状態にしてその制限ジョブの実行を継続し,その制限ジョブの実行が終了したことを条件として所属グループを変更する処理の残りを実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させ,
    前記制限ジョブを実行していないと判断した場合には,所属グループを変更する処理を全て実行し,前記変更装置の所属グループの変更を完了させる
    手順を実行させることを特徴とするプログラム。
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