JP6023309B2 - 蒸着用多層シーラントフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば酸素や水蒸気などの遮断性を有する包装用積層フィルムのシーラントフィルムとして好適に用いられ、アルミニウムなどの金属薄膜や、アルミニウム酸化物などの金属酸化物薄膜などの蒸着層を形成するための、蒸着用多層シーラントフィルムに関する。
酸素や水蒸気などの遮断性を有する包装用積層バリアフィルムを構成するシーラントフィルムとしては、無延伸ポリプロピレン樹脂であるCPPフィルム(キャストポリプロピレンフィルム)の一方の表面にアルミニウム薄膜などを蒸着した蒸着CPPフィルム(VMCPPフィルム)が知られている。この蒸着面側にさらに2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)や2軸延伸PETフィルムなどの基材フィルムが積層されて包装用積層バリアフィルムが構成されている。しかし、蒸着CPPフィルムのバリア性は充分でなく、さらに高いバリア性が要求されている。
一方、ポリエチレン系樹脂は平滑性や極性の観点からVMCPPに比べてさらにバリア性が悪く、蒸着用シーラントフィルムとしては不適とされてきたが、特許文献1に記載されているように、環状オレフィン系樹脂は蒸着適性に優れる。
特開平9−123351号公報
この環状オレフィン系樹脂の蒸着適性を生かして、環状オレフィン系樹脂層/シーラント層の多層化を行い、シーラントフィルムにおける蒸着適性(バリア性)とヒートシール性との両立を図る試みが行われている。しかし、非晶性の環状オレフィン系樹脂に比べて、結晶性のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は収縮率が高く、このため、環状オレフィン系樹脂層/シーラント層で多層化すると、蒸着用原反に大きなカールが発生する。後工程の蒸着工程においては、真空チャンバー内でロールtoロールの蒸着加工を高速で行う必要があるために、カールによる浮きが蒸着中に発生するような蒸着用原反は致命的欠点となり得るために使用できない。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、バリア性とヒートシール性との両立を図り、しかもカールの発生を抑制できる蒸着用多層シーラントフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、環状オレフィン系樹脂を含有の蒸着基材層とシーラント層とを少なくとも備える蒸着用多層シーラントフィルムにおいて、シーラント層にも所定の割合で環状オレフィン系樹脂を含有させることによって、効果的にカールを抑制し、シール性、バリア性、カール抑制の3つを同時に達成して上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 一方の表面に配置される蒸着基材層と、他方の表面に配置されるシーラント層とを少なくとも備える蒸着用多層シーラントフィルムであって、
前記蒸着基材層は、60質量%以上100質量%以下の環状オレフィン系樹脂を含有し、
前記シーラント層は、シーラント樹脂と、10質量%以上40質量%以下の環状オレフィン系樹脂とを含有する蒸着用多層シーラントフィルム。
(2) 前記蒸着基材層と前記シーラント層との間に、前記シーラント樹脂を含む中間層が配置されている(1)に記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(3) 前記シーラント樹脂が、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂である(1)又は(2)に記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(4) 前記シーラント樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン又は無延伸ポリプロピレン樹脂である(1)から(3)のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(5) 前記蒸着基材層が全層厚さの5%以上40%未満である(1)から(4)のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(6) 前記蒸着基材層に蒸着される層が、金属又は無機酸化物である(1)から(5)のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(7) 前記環状オレフィン系樹脂は、エチレンとノルボルネンとの共重合体である(1)から(6)のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルムの蒸着面側に金属又は無機酸化物が蒸着され、さらに、前記金属又は前記無機酸化物上に延伸基材フィルムを積層してなる、包装用積層バリアフィルム。
本発明によれば、バリア性とヒートシール性との両立を図り、しかもカールの発生を抑制できる蒸着用多層シーラントフィルムを提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<基本構成>
本発明の蒸着用多層シーラントフィルムは、蒸着基材層/シーラント層の2層構成を基本とするが、一方の最外層が蒸着基材層で他方の最外層がシーラント層であればよい。例えば、蒸着基材層/中間層/シーラント層の3層構成でもよく、さらに別の中間層を備える4層以上であってもよい。
本発明の蒸着用多層シーラントフィルム(以下、単に「本発明のフィルム」とも言う)は、後の蒸着工程によって、蒸着層/蒸着基材層/シーラント層のように蒸着面が形成されて蒸着シーラントフィルムとなる。この蒸着シーラントフィルムは、その後に、蒸着面側にOPPや2軸延伸PETなどの基材フィルムなどが積層されて、例えば、延伸基材フィルム/接着層/蒸着層/蒸着基材層/シーラント層などの構成の包装用積層バリアフィルムとなる。外側の延伸基材フィルム層は延伸により耐熱性を有しているため、外側からのヒートシールが可能となる。
次に、蒸着用多層シーラントフィルムを構成する、蒸着基材層とシーラント層について説明し、次いで任意の中間層につき説明し、最後に多層化の方法について説明する。
[蒸着基材層]
蒸着基材層は、60質量%以上100質量%以下の環状オレフィン系樹脂と、必要に応じてその他の樹脂からなる。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物などを挙げることができる。
また、環状オレフィン系樹脂としては、上記重合体に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものも含む。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基などを挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1以上10以下)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1以上10以下)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物が好ましい。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)などを挙げることができる。
環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体として、特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2以上20以下のα−オレフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分と、を含む共重合体を挙げることができる。
Figure 0006023309
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
〔〔1〕炭素数2以上20以下のα−オレフィン成分〕
炭素数2以上20以下のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分〕
一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。
一般式(I)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキル基などを挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基などの置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基などを挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などのアルキリデン基などを挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基などの置換基を有していてもよい。
一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。特に、環状オレフィン系樹脂として、ノルボルネンとエチレンとの共重合体を使用すれば、腰砕けの問題が起こり難くなるため好ましい。
〔1〕炭素数2以上20以下のα−オレフィン成分と〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒などの従来周知の触媒を用いて周知の方法により環状オレフィン系樹脂(B)を得ることができる。
〔その他共重合成分〕
環状オレフィン系樹脂(A)は、上記の〔1〕炭素数2以上20以下のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体などを挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は30℃以上140℃以下であることが好ましい。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が30℃以上であれば、コロナ処理のような蒸着前処理を行った後でも室温で前処理後の表面状態が保たれるため好ましい。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が140℃以下であれば、ポリエチレンやポリプロピレンとの加工温度と近いので、樹脂のブレンドや積層が容易であるという理由で好ましい。また、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が140℃以下であれば、各種ポリオレフィンとの密着性が良好であるので、積層フィルムを作る際に接着層が不要である。なお、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点の調整は、主鎖の環状オレフィン骨格の含有量を調整することで行うことができる。また、ガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
蒸着基材層中に含まれる環状オレフィン系樹脂の含有量は、60質量%以上100質量%以下、好ましくは70質量%以上である。60質量%未満では、バリア性や膜密着強度などの蒸着適性が低下するので好ましくない。本発明のフィルムにおける蒸着基材層中には、環状オレフィン系樹脂が含まれるので、フィルムに表面処理(コロナ放電処理など)を行うとフィルム表面が容易に活性化されて、フィルム表面の親水性が長期にわたって維持される。その結果、本発明のフィルムと金属膜との密着強度が向上する。
蒸着基材層中に含まれるその他の樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、変性ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、ポリエチレンエラストマーなどが挙げられる。上記の樹脂は、単独で、又は複数を組み合わせて使用してもよい。上記の樹脂を組み合わせて使用する場合、その割合は、得ようとするフィルムの加工性などに応じて適宜調整できる。上記の樹脂のうち、得られるフィルムの加工性に優れるなどの点で、線状低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとを組み合わせることが好ましい。
[シーラント層]
シーラント層は、シーラント樹脂と、10質量%以上40質量%以下の環状オレフィン系樹脂とからなる。
シーラント層における環状オレフィン系樹脂は、蒸着基材層において使用されるものと同様のものを使用できるため、詳細については割愛する。シーラント層に環状オレフィン系樹脂が含まれることで、蒸着基材層及びシーラント層の熱収縮の度合いが近くなるため、フィルム全体の収縮が抑制され、カールの少ないフィルムを得ることができる。
シーラント樹脂としては、フィルムに通常使用される公知の樹脂が使用できる。例えば、ポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、アクリル系共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(無延伸ポリプロピレン樹脂など)、ポリエチレンエラストマー、などが挙げられる。上記の樹脂は、単独で、又は複数を組み合わせて使用してもよい。上記の樹脂を組み合わせて使用する場合、その割合は、得ようとするフィルムの加工性などに応じて適宜調整できる。上記の樹脂のうち、得られるフィルムの熱収縮を特に抑制できるなどの点で、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂の使用が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)又はポリプロピレン樹脂(PP)の使用が特に好ましい。シーラント樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンを使用することで、フォルムに良好なヒートシール性を与えることができる。また、シーラント層の収縮を抑制できるという理由で、直鎖状低密度ポリエチレンにポリエチレンエラストマーをブレンドして使用することが好ましい。
[中間層]
蒸着基材層とシーラント層との間には、上記のシーラント樹脂を含む中間層が配置されていてもよい。中間層におけるシーラント樹脂は、シーラント層において使用されるものと同様のものを使用できるため、詳細については割愛する。本発明のフィルムに中間層が設けられていると、フィルムの加工性が向上する。
<多層化の方法>
本発明の各層の製造方法は特に限定されず、例えば、従来公知の押出成形法(Tダイ多層共押出法など)やインフレーション成形により製造することができる。
本発明のフィルムにおける蒸着基材層、シーラント層及び任意に中間層の厚さの構成比は、特に限定されないが、環状オレフィン系樹脂を多く含有する蒸着基材層を薄くすることで本発明のフィルムの表裏の熱収縮率の差(具体的には、蒸着基材層とシーラント層との熱収縮率の差)が小さくなり、カールの少ないフィルムを得ることができる。具体的には、蒸着基材層の厚さは、全層厚さの5%以上40%未満であることが好ましく、全層厚さの5%以上20%未満であることが好ましい。一例を挙げると、蒸着基材層の厚さ:中間層の厚さ:シーラント層の厚さ=1:3:4のような層構成が例示できる。本発明のフィルムの全層厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下が好ましい。
<蒸着シーラントフィルム>
上記の本発明のフィルムはいわゆる蒸着用原反であり、後の蒸着工程において、蒸着基材層には、バリア性の向上のために、後述するシーラント層が設けられる面とは他方の表面に、後の蒸着工程で蒸着層が設けられて、蒸着シーラントフィルムとなる。蒸着基材層に蒸着される層(蒸着層)は、例えば、金属(アルミニウム、銅など)又は無機酸化物(アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、ITO、又はこれらの混合物など)であってもよい。蒸着層の形成方法は特に限定されず、従来公知の物理蒸着法や化学蒸着法などが適用でき特に限定されない。
そして、このとき、本発明のフィルムはカールが少ないので蒸着装置内での浮きなどが生じず、ハンドリング性に優れ、蒸着工程における歩留まりが高い蒸着用原反となる。また、本発明のフィルムは、剛性の高い環状オレフィン系樹脂を含むため弾性率が高く、張力をかけても、しわが発生しにくい。このような効果は、幅1m以上で長さ数千m以上の原反を扱うバッチ式の蒸着工程においては極めて重要な意味を持つ。
このようにして得られる蒸着シーラントフィルムは、環状オレフィン系樹脂を多く含有する蒸着基材層の表面に蒸着層が形成されているため、膜密着強度が高く、その結果酸素バリア性が高い。なお、本発明におけるフィルムのバリア性は、フィルムを基材にラミネートなどによって貼り合わせた後にISO527−2/1Aに準拠して引っ張り試験を行い、フィルムの基材に対する密着強度を測定することで間接的にバリア性を評価したものである。
<包装用積層バリアフィルム>
上記の蒸着シーラントフィルムは、蒸着工程におけるカールが少ないため、酸素や水蒸気などの遮断性を有する包装用積層バリアフィルムのシーラントフィルムとして好適に用いることができる。具体的には、蒸着シーラントフィルムの蒸着面側に、OPPや2軸延伸PETなどの基材フィルムなどが、ポリエチレンや接着剤を介して積層されて、例えば、延伸基材フィルム/接着層/蒸着層/蒸着基材層/シーラント層などの構成の包装用積層バリアフィルムとなる。多層化は、押出コーティング法、ホットラミネーション法、ドライラミネーション法などの公知ラミネート方法を使用できる。このような包装用積層バリアフィルムは、菓子(ポテトチップス、キャンディー、チョコレートなど)などの、酸素バリア性、水蒸気バリア性を必要とする各種包装材として好適に使用できる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
インフレーション成形機(トミー機械工業株式会社製、商品名「Three−layered blown film machine」;ダイス口径、106mm;ダイスリップクリアランス、2.5mm;スクリュー、φ=40mm L/D=26;巻取り速度、14m/min)を用いて、表1に示す材料を、表2及び3に示す割合で含むシーラント層、中間層及び蒸着基材層からなるインフレーションフィルム(このフィルムは、本発明の「蒸着用多層シーラントフィルム」に相当し、全層厚さは50μmである)を作製した。表1中の「シリンダー温度」は、シーラント層、中間層及び蒸着基材層の成形時におけるシリンダーの温度を指す。表1中の密度の単位は「g/cm」である。表2及び3中の数字の単位は「質量%」である。
なお、表中の略称は、それぞれ下記の内容を指す。
「LLDPE」:直鎖状低密度ポリエチレン
LLDPE−1:住友化学株式会社製、商品名「Evolue SP0511」
LLDPE−2:日本ポリエチレン株式会社製、商品名「Harmolex NF324A」
LLDPE−3:日本ポリエチレン株式会社製、商品名「Novatec UF421」
「PEエラストマー」:ポリエチレンエラストマー、三井化学株式会社製、商品名「Tafmer DF610」
「COC」:環状オレフィンコポリマー、Topas Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS 8007F−500」(ガラス転移温度 78℃)
「HDPE」:高密度ポリエチレン、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「Novatec HY331」
「MFR」:メルトフローレート(単位:g/10min、190℃)
(カールの程度の判定)
本発明のフィルムのカールの度合いは、蒸着処理の前(又は後)のフィルムの一端を固定したときの、他端の浮きを測定することで判定し、具体的には下記に従って測定した。
得られた各フィルム(10cm×10cm、蒸着処理は行っていない)のカールの程度を下記の基準に従って判定した。その結果を表2及び3に示す。
○ フィルムの一端を固定したときに、他端の浮きが1cm未満である
△ フィルムの一端を固定したときに他端の浮きが1cm以上5cm未満である
× フィルムの一端を固定したときの他端の浮きが5cm以上である
×× フィルムが筒状に丸まってしまう
(蒸着フィルムの作成)
真空下で、得られた各フィルムの蒸着基材層をアルミニウム蒸気に晒し、蒸着層を形成し(蒸着速度:200m/分、蒸着膜厚:800Å)、蒸着フィルムを作製した。
(密着強度の測定)
得られた各蒸着フィルムの基材に対する密着強度を下記の方法で測定した。基材(ポリエチレンテレフタラート製)にドライラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製、商品名「TM−386」)を塗布(塗布量:約2g/m)し、上記蒸着フィルムの蒸着層にラミネートした。次いで、40〜50℃で1日間エージングを行い、得られた試験片を15mm幅の短冊にカットし、ISO527−2/1Aに準拠して引っ張り試験を行い、各フィルムの基材に対する密着強度を測定した。その結果を表2及び3に示す。
Figure 0006023309
Figure 0006023309
Figure 0006023309
表2及び3に示される通り、本発明の蒸着用多層シーラントフィルムは、シーラント層及び蒸着基材層に環状オレフィン系樹脂を含むので、カールが少なく、かつ密着強度が高く、バリア性に優れていると言える。

Claims (7)

  1. 一方の表面に配置される蒸着基材層と、他方の表面に配置されるシーラント層とを少なくとも備える蒸着用多層シーラントフィルムであって、
    前記蒸着基材層は、60質量%以上100質量%以下の環状オレフィン系樹脂を含有し、
    前記シーラント層は、シーラント樹脂と、10質量%以上40質量%以下の環状オレフィン系樹脂とを含有し、
    前記蒸着基材層と前記シーラント層との間に、シーラント樹脂を含む中間層が配置されており、
    前記中間層中のシーラント樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン及び無延伸ポリプロピレン樹脂を少なくとも含む、
    蒸着用多層シーラントフィルム。
  2. 前記シーラント層中の前記シーラント樹脂が、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂である請求項に記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
  3. 前記シーラント層中の前記シーラント樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン又は無延伸ポリプロピレン樹脂である請求項1又は2に記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
  4. 前記蒸着基材層が全層厚さの5%以上40%未満である請求項1から3のいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
  5. 前記蒸着基材層に蒸着される層が、金属又は無機酸化物である請求項1からのいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
  6. 前記環状オレフィン系樹脂は、エチレンとノルボルネンとの共重合体である請求項1からのいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルム。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の蒸着用多層シーラントフィルムの蒸着面側に金属又は無機酸化物が蒸着され、さらに、前記金属又は前記無機酸化物上に延伸基材フィルムを積層してなる、包装用積層バリアフィルム。
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