JP6022117B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車等の車両に搭載される電動パワーステアリング装置、特にその制御装置に関するものである。
周知のように、電動パワーステアリング装置は、車両の運転者がステアリングホイールに加えた操舵トルクをトルクセンサにより検出し、この検出した操舵トルクに対応した駆動トルクをモータに発生させ、そのモータの駆動トルクを車両のステアリング機構に加えることにより、運転者による操舵輪の操作をアシストするようにしたものである。
通常、電動パワーステアリング装置は、トルクセンサからのトルク信号に対して車速に応じた位相遅れ若しくは位相進みを与えてゲインを調整するように構成されている。例えば特許文献1に開示された従来の電動パワーステアリングの制御装置では、トルクセンサからのトルク信号をハードウェアで構成された一段目の位相進み補償手段により操舵系の交差周波数付近での位相進み補償を行った後、ソフトウェアで構成された二段目の位相進み補償手段により実際の操舵で主に用いる低い周波数帯域での位相進み補償を行い、更に三段目の位相遅れ補償手段により位相余裕が更に増大するように位相遅れ補償を行うようにしている。ここで、二段目の位相進み補償手段と三段目の位相遅れ補償手段は、マイクロコンピュータのソフトウェアで構成されている。
このように構成された従来の電動パワーステアリング装置によれば、実際の操舵に用いられる周波数帯域でのゲインが高くなり操舵系の応答性を向上させることができるとともに、位相余裕も大きくなり操舵系の安定性も向上させることができる。
特許第3556083号公報
特許文献1に開示された従来の電動パワーステアリング装置は、前述のように3つの位相補償手段を備えているが、操舵系を安定させるための一段目の位相進み補償手段はハードウェアで構成され、例えば特許文献1の図2に示すように約30[Hz]の位相が最も進むように位相進み補償を行なっている。一段目の位相進み補償手段により位相進み補償が行われたトルク信号は、A/D変換されてマイクロコンピュータに取り込まれるが、そのとき操舵系を安定させるために位相補償が必要な前述の約30[Hz]の周波数に対して十分に高い周波波数、例えば1[kHz]の高周波でA/D変換される。その結果、マイクロコンピュータには高周波成分が増幅されたトルク信号が取り込まれる。この従来の装置の場合、一段目の位相進み補償手段はハードウェアで構成されているため、製品コストが高くなるという課題が存在する。
一方、製品のコスト低減のため、前述のハードウェアで構成された位相進み補償手段をソフトウェアで構成された位相進み補償手段に置き換えるようにした場合、トルクセンサからのトルク信号をA/D変換してからソフトウェアで構成された位相進み補償手段に取り込んで前述の特許文献1に於ける図2に示す特性に基づいて位相進み補償を行なうため、A/D変換するためのサンプリング周波数やノイズ等によって生じる量子化誤差を含んだ高周波成分が増幅されることになる。従って、特にハンドルを保舵した時、前述の量子化誤差による振動成分を含むトルク信号を用いてハンドルをアシストするモータのアシスト電流が計算されるため、特許文献1に開示された従来の装置と比較して保舵時の操舵トルクに振動成分が含まれることにより商品性が悪化することになる。その結果、前述の従来の装置に於けるハードウェアで構成された位相進み補償手段をソフトウェアで構成された位相進み補償手段に置き換えることが困難である等の課題があった。
この発明は、前述のような課題に解消するためになされたもので、操舵系の安定性を損なうことなく、マイクロコンピュータのAD変換の量子化誤差による操舵フィーリングの悪化を防ぐ、より安価な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
この発明による電動パワーステアリング装置は、
車両の運転者が前記車両の操舵系に加えた操舵トルクを検出してトルク信号を出力するトルクセンサと、
前記操舵系に連結され、前記運転者の操舵をアシストするアシストトルクを発生して前記操舵系に加えるモータと、
前記トルク信号に対応した前記アシストトルクを発生するように前記モータを駆動する電動パワーステアリングの制御手段と、
を備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記電動パワーステアリングの制御手段は、少なくとも、
ソフトウェアで構成され、前記トルクセンサから出力された前記トルク信号を位相補償する一段目の位相補償手段と、
ソフトウェアで構成され、前記一段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する二段目の位相補償手段と、
ソフトウェアで構成され、前記二段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する三段目の位相補償手段と、
を備え、
前記一段目の位相補償手段の伝達関数は、T1、T2を時定数としたときラプラス変換式(1+T1・s)/(1+T2・s)で表され、
前記二段目の位相補償手段の伝達関数は、T3、T4を時定数としたときラプラス変換式(1+T3・s)/(1+T4・s)で表され、
前記三段目の位相補償手段の伝達関数は、T5、T6を時定数としたときラプラス変換式(1+T5・s)/(1+T6・s)と表され、
前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段は、
前記一段目の位相補償手段の前記伝達関数から演算される位相が最大となる周波数と、前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段の伝達関数とから演算される位相が最大となる周波数と、
が一致するように構成され、
前記電動パワーステアリングの制御装置は、前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号に基づいて前記モータを制御する、
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
この発明による電動パワーステアリング装置によれば、量子化誤差の影響を低減することにより、安価な電動パワーステアリング制御装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、一段目の位相進み補償手段の周波数特性を示す特性図である。 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、二段目の位相進み補償手段のゲインの周波数特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、三段目の位相遅れ補償のゲインの周波数特性を示す説明図である。 の発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、二段目の位相進み補償手段の周波数特性と三段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を合成した周波数特性を示す特性図である。 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置の操舵トルクに対するアシスト電流の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。 この発明の実施の形態2、3及び4による電動パワーステアリング装置に於ける、2段目の位相進み補償手段の周波数特性と3段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を合成したときの、高周波時のゲインが「1」の場合の周波数特性を示す特性図である。 この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。 この発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置を、図に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。図1に於いて、トルクセンサ1は、車両の運転者がステアリングホィール(ハンドルとも称されるが、以下の説明ではステアリングホィールと称する)に対して加えた操舵トルクを検出し、トルク信号を出力する。車速センサ2は、車両の走行速度を検出し、車速信号を出力する。
モータ3は、トルクセンサ1からのトルク信号に基づいて電動パワーステアリングの制御装置12により制御され、ステアリング機構(図示せず)に加えるアシストトルクを出力する。電動パワーステアリングの制御手段12は、マイクロコンピュータ11と、電子回路により構成されたモータ駆動手段10と、電子回路により構成されたモータ電流検出手段8とを備えている。
マイクロコンピュータ11は、一段目の位相補償手段としての位相進み補償手段(以下、一段目の位相進み補償手段と称する)4と、二段目の位相補償手段としての位相進み補償手段(以下、二段目の位相進み補償手段と称する)5と、三段目の位相補償手段としての位相遅れ補償手段(以下、三段目の位相遅れ補償手段と称する)6と、モータ電流目標値演算手段7と、モータ電流制御手段9とを備えており、これ等の手段を夫々ソフトウェアで構成している。
ソフトウェアで構成された一段目の位相進み補償手段4は、例えば1「kHz」の高周波でA/D変換してマイクロコンピュータ11に取り込んだトルクセンサ1からのトルク信号を、操舵系全体の応答性及び安定性を向上させるために位相進み補償する。ソフトウェアで構成された二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6は、後述するように一段目の位相進み補償手段4の周波数特性を補償する。
モータ電流目標値演算手段7は、モータ3に供給する電流の目標値を演算する。モータ電流検出手段8は、モータ3の電流を検出する。モータ電流制御手段9は、モータ電流目標値演算手段7からのモータ電流目標値とモータ電流検出手段8からのモータ電流検出値を用いてモータ電流を制御するモータ電流制御信号を演算して出力する。モータ駆動手段10は、モータ電流制御手段9で演算されたモータ電流制御信号に基づいてモータ3を駆動する。
次に、前述のように構成された電動パワーステアリング装置の動作を説明する。先ず、電動パワーステアリングの制御手段12に入力されるトルクセンサ1からのトルク信号を、一段目の位相進み補償手段4により、位相補償する。図2は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、一段目の位相進み補償手段の周波数特性を示す特性図である。
伝達関数のラプラス変換式[(1+T1・s)/(1+T2・s)]の周波数に対する位相θ1は、下記の式(1)により演算できる。(例えば、相良節夫著「基礎自動制御」森北出版、参照)。
θ1=arctan(T2・ω)−arctan(T1・ω) ・・・・式(1)
但し、T1、T2:一段目の位相進み補償手段4の時定数、ω:角周波数
ここで、式(1)により演算される位相θ1が最大となる周波数は、位相θ1の変化量が「0」、即ち、式(1)を微分した値が「0」となるような角周波数ωを下記の式(2)により求めればよい。
T2/(T2・ω+1)−T1/(T1・ω+1)=0 ・・・式(2)
次に、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6の角周波数に対する位相θ2は、(3)式に示すように演算される。
θ2=arctan(T4・ω)−arctan(T3・ω)
−arctan(T6・ω)+arctan(T5・ω) ・・・式(3)
但し、T3、T4:、二段目の位相進み補償手段5の時定数、T5、T6:三段目の位相進み補償手6段の時定数、ω:角周波数
ここで、位相θ2が最大となる周波数は、位相θ2の変化量が「0」、即ち、式(3)を微分した値が「0」、即ち、式(3)を微分した値が「0」となるような角周波数ωを下記の式(4)により求めればよい。
T4/(T4・ω+1)−T3/(T3・ω+1)
−T5/(T5・ω+1)+T6/(T6・ω+1)=0 ・・・・・式(4)
2段目の位相進み補償手段5の折点周波数は、下記の式(5)、式(6)のようにと表される。
f3=1/(2π・T3) ・・・・・・・式(5)
f4=1/(2π・T4) ・・・・・・・式(6)
図3は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、二段目の位相進み補償手段のゲインの周波数特性を示す説明図である。式(5)、式(6)に示す折点周波数f3、f4により、二段目の位相進み補償手段5のゲインと周波数の関係は、簡易的に図3に示すように考えることができ、その時の二段目の位相進み補償手段5によるゲイン増加分は簡易的に下記の式(7)に示すようになる。
G2=20・log(f4/f3) ・・・・・式(7)
但し、G2:二段目の位相進み補償手段5によるゲイン増加分の簡易演算値
次に、三段目の位相遅れ補償手段6の折点周波数は、下記の式(8)、式(9)のようにと表される。
f5=1/(2π・T5) ・・・・・・式(8)
f6=1/(2π・T6) ・・・・・・式(9)
図4は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、三段目の位相遅れ補償のゲインの周波数特性を示す説明図である。式(8)、式(9)に示す折点周波数f5、f6により、三段目の位相遅れ補償手段6のゲインと周波数の関係は、簡易的に図4に示すように考えることができ、その時の位相補償によるゲイン減少分は簡易的に下記の式(10)に示すようになる。
G3=−20・log(f5/f6) ・・・・・・式(10)
但し、G3:三段目の位相遅れ補償手段6によるゲイン減少分の簡易演算値
ここで、2段目の位相補償手段5と3段目の位相補償手段6を用いて位相補償したときのゲインは、式(7)+式(10)の値になることから、f4/f3<f5/f6と設定したときには、2段目の位相補償手段5と3段目の位相補償手段6の2つの位相補償によりゲインを下げることができる。
例えば式(2)及び式(4)式の関係式を用いて、f1=13.4[Hz]、f2=67[Hz]、f3=19[Hz]、f4=28.5[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]としたとき、一段目の位相進み補償手段4の位相θ1が最大となる周波数は、図2に示すように30[Hz]となる。一方、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6による位相θ2が最大となる周波数も図5に示すように30[Hz]となる。
即ち、図5は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置に於ける、二段目の位相進み補償手段の周波数特性と三段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を合成した周波数特性を示す特性図である。図5に示すように、トルクセンサ1からのトルク信号を例えば1「kHz」の高周波でA/D変換してマイクロコンピュータ11に取り込んでも、1[KHz]の高周波でゲインが低下しているため量子化誤差の影響を低減させることができる。
図1に於いて、一段目の位相補償手段である位相進み補償手段4、二段目の位相補償手段である位相進み補償手段5、及び三段目の位相補償手段である位相遅れ補償手段6により、位相補償されたトルク信号は、モータ電流目標値演算手段7に入力される。モータ電流目標値演算手段7は、前述のように位相補償されたトルク信号と車速センサ2から入力された車速信号に基づいて、例えば図6に示すようにモータ電流目標値を演算する。
即ち、図6は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置の操舵トルクに対するアシスト電流の関係を示す説明図であって、トルク信号と車速に基づいて演算するアシスト電流としてのモータ電流目標値の関係を示している。図6に示すように、一般的にモータ電流目標値は、車速が低速になればなるほど、アシスト電流が大きくなるように設定される。
図1に於いて、モータ電流制御手段9は、モータ電流目標値演算手段7からのモータ電流目標値とモータ電流検出手段8で検出されたモータ電流検出値に基づいて、モータ駆動信号を演算しモータ駆動手段10に出力する。モータ駆動手段10は、モータ電流制御手段9からのモータ駆動信号に基づいてモータ3を駆動し所望のアシストトルクを発生させる。
以上のべたように、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング装置によれば、3つの位相補償手段を組み合わせることにより、本来、位相補償手段により、位相進みが必要な周波数(例えば30[Hz])での位相進み角を低減させることなく、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])でのゲインを低減させることにより、従来ではハードウェアでしか実現できなかった一段目の位相補償手段をソフトウェアに置き換えることが可能となり、結果として、より安価な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
実施の形態2.
前述の実施の形態1に於いては、位相補償手段の周波数特性を固定していたが、この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置は、二段目の位相補償手段5と三段目の位相補償手段6のうちの少なくとも1つの位相補償手段の周波数特性を、車速による操舵状況に応じて変更するようにしたものであり、この構成により、より安定性と応答性を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置について、図に基づいて詳細に説明する。図7は、この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図であって、図1の実施の形態1の場合に対して、車速センサ2の車速信号を2段目の位相補償手段である位相進み補償手段5と、三段目の位相補償手段である位相遅れ補償手段6に夫々入力し、車速信号に応じてこれらの位相補償手段の周波数特性を変更できるように構成したものである。その他の構成は図1の実施の形態1の場合と同様である。
次に、実施の形態2による電動パワーステアリング装置の動作を説明する。先ず、電動パワーステアリングの制御手段12に入力されるトルクセンサ1からのトルク信号を一段目の位相進み補償手段4、二段目の位相進み補償手段5、三段目の位相遅れ補償手段6により、前述の実施の形態1の場合と同様に位相補償する。
この時、車速センサ2からの車速信号により、低車速時には、前述の図6に示すようにアシスト電流の傾きが大きくなるため、量子化誤差の振動成分によりトルク信号が振動した場合に運転者がアシストトルクの変動を感じやすくなる。このため、図7に示すこの発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置では、二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数を、f4/f3<f5/f6とした折点周波数、例えば図5に示すように、f3=19[Hz]、f4=28.5[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])でのゲインを低減させる。
一方、高車速時には、図6に示すようにアシスト電流の傾きが小さくなるため、量子化誤差の振動成分によりトルク信号が振動しても運転者がアシストトルクの変動を感じにくくなる。このため、図7に示す二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数を、f4/f3=f5/f6とした折点周波数を、例えば図8に示すように、f3=18.3[Hz]、f4=36.6[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、高周波のゲインを下げず、即ち応答性を下げなくとも、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])での影響を低減することができる。即ち図8は、この発明の実施の形態2、及び後述する実施の形態3及び実施の形態4による電動パワーステアリング装置に於ける、2段目の位相進み補償手段の周波数特性と3段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を合成したときの、高周波時のゲインが「1」の場合の周波数特性を示す特性図である。
このようにこの発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置に於いては、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数でのゲインを、図7に示す二段目の位相進み補償手段5の伝達関数の設定値を、車速センサ2からの車速信号に基づいて、低車速時にはゲインが下がるように変更し、高車速時には図6に示す操舵トルク−アシスト電流特性を低下させることにより、二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の周波数特性の設定値をゲインが下がらないように変更することにより、低車速時の安定性と高車速時の応答性を向上させることができる。
実施の形態3.
前述のこの発明の実施の形態2による電動パワーステアリング装置に於いては、車速に応じて、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6の2つの位相補償手段のうちの少なくとも1つの位相補償手段の周波数特性を変更することにより、操舵系の応答性と安定性を向上させていたが、舵角センサの微分信号、即ち舵角速度を用いて、位相補償手段の周波数特性を変更するようにしても同様の効果が得られる。この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置は、舵角センサの微分信号、即ち舵角速度を用いて、位相補償手段の周波数特性を変更するようにしたものである。その他の構成は図1の実施の形態1の場合と同様である。
図9は、この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。図9に示すこの発明の実施の形態3による電動パワーステアリングの制御装置は、図1に示す実施の形態1に対して、車速センサ2の変わりにステアリングホィールの角度を検出して舵角信号を出力する舵角センサ13を設けるとともに、この舵角センサ13からの舵角信号を、例えば、所定時間の差分演算を行なうことにより、舵角速度を演算して舵角速度信号を出力する微分演算器14を備え、微分演算器14からの舵角速度信号を二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6に夫々入力し、舵角速度に応じて、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6のうちの少なくとも一方の周波数特性を変更できるように構成したものである。その他の構成は図1の実施の形態1の場合と同様である。
次に、この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置の動作を説明する。先ず、電動パワーステアリングの制御手段12に入力されるトルクセンサ1からのトルク信号を、一段目の位相進み補償手段4、二段目の位相進み補償手段5、三段目の位相遅れ補償手段6により、前述の実施の形態1の場合と同様に位相補償する。
この時、微分演算器14からの舵角速度信号により、舵角速度が遅い時には、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])により位相補償した後のトルク信号を用いた場合に前述の図6に示すアシスト電流が微振動した際に生じる操舵トルク変動を運転者が感じやすいため、図9に示す二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数を、f4/f3<f5/f6とした折点周波数、例えば図5に示すようにf3=19[Hz]、f4=28.5[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])でのゲインを低減させる。
一方、舵角速度が速い時には、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1kHz)により、アシスト電流が微振動しても運転者には感じにくく、それよりは応答性を高める方が商品性を向上させる上で必要なため、図9に示す二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数をf4/f3=f5/f6とした折点周波数、例えば図8に示すようにf3=18.3[Hz]、f4=36.6[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、ゲインが下がらないように設定することにより、応答性が下がらないようにする。
このように、この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置に於いては、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数でのゲインを、図9に示す二段目の位相進み補償手段5と、三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数を変更することにより、舵角速度が低く、ハンドルの微振動が気になる場合にはゲインを下げ、ハンドルの微振動が気になるよりは応答性の悪化が気になるような舵角速度が大きい場合には二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6の周波数特性のゲインが下がらないよう設定することにより、応答性を下げないようにすることができる。
実施の形態4.
前述のこの発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置に於いては、舵角センサからの舵角信号に基づいて演算した舵角速度に応じて、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6のうちの少なくとも1つの周波数特性を変更することにより、操舵系の応答性と安定性を向上させていたが、トルクセンサからのトルク信号に基づく微分信号を用いて、位相補償手段の周波数特性を変更しても同様の効果が得られる。この発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置は、車速センサや舵角センサを用いず、トルクセンサからのトルク信号に基づく微分信号を用いて、位相補償手段の周波数特性を変更するようにしたものである。その他の構成は図1の実施の形態1の場合と同様である。
図10は、この発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。図10に示すこの発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置は、図1に示す実施の形態1に対して、車速センサ2を設けず、トルクセンサ1のみとし、このトルクセンサ1からのトルク信号を微分してトルク微分信号を出力する微分演算器14を設け、この微分演算器14からのトルク微分信号を、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6に入力し、トルク微分信号に応じて、二段目の位相進み補償手段5と三段目の位相遅れ補償手段6の位相補償手段の周波数特性を変更できるように構成したものである。
次に、図10に示すこの発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置の動作を説明する。先ず、電動パワーステアリングの制御手段12に入力されるトルクセンサ1からトルク信号を、一段目の位相進み補償手段4、二段目の位相進み補償手段5、及び三段目の位相遅れ補償手段6により、前述の実施の形態1の場合と同様に位相補償する。
この時、微分演算器14からのトルク微分信号により、トルクの変化量が小さい、即ちステアリングホィールを保舵するような時には、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1kHz)により、図6に示すアシスト電流が微振動した際に生じる操舵トルク変動を運転者が感じやすいため、図10に示す二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数をf4/f3<f5/f6とした折点周波数、例えば図5に示すようにf3=19[Hz]、f4=28.5[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば[1kHz])でのゲインを低減させる。
一方、トルクの変化量が大きい時には、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数(例えば1[kHz])により、アシスト電流が微振動した際に生じる操舵トルク変動に対して、もともと運転者が操舵しているときに発生する操舵トルクの方が十分大きいため運転者には感じにくく、それよりは応答性を高める方が商品性を向上させる上で必要なため、図9に示す2段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の伝達関数をf4/f3=f5/f6とした折点周波数、例えば図8に示すようにf3=18.3[Hz]、f4=36.6[Hz]、f5=3[Hz]、f6=1.5[Hz]とすることにより、ゲインを下がらないよう設定することにより、応答性を下げないようにすることができる。
以上の述べたように、この発明の実施の形態4による電動パワーステアリング装置に於いては、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数でのゲインを、図10に示す二段目の位相進み補償手段5及び三段目の位相遅れ補償手段6の周波数特性により、トルクの変化量が小さくハンドルの微振動が気になる場合にはゲインを下げ、ハンドルの微振動が気になるよりは応答性の悪化が気になるようなトルクの変化量が大きい場合には、ゲインが下がらない設定にすることにより、応答性を下げないようにすることができる。
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
以上述べたこの発明の各実施の形態による電動パワーステアリング装置は、下記の発明のうちの少なくとも一つを具体化したものである。
(1)車両の運転者が前記車両の操舵系に加えた操舵トルクを検出してトルク信号を出力するトルクセンサと、
前記操舵系に連結され、前記運転者の操舵をアシストするアシストトルクを発生して前記操舵系に加えるモータと、
前記トルク信号に対応した前記アシストトルクを発生するように前記モータを駆動する制御手段と、
を備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記電動パワーステアリングの制御手段は、少なくとも、
ソフトウェアで構成され、前記トルクセンサから出力された前記トルク信号を位相補償する一段目の位相補償手段と、
ソフトウェアで構成され、前記一段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する二段目の位相補償手段と、
ソフトウェアで構成され、前記二段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する三段目の位相補償手段と、
を備え、
前記一段目の位相補償手段の伝達関数は、T1、T2を時定数としたときラプラス変換式(1+T1・s)/(1+T2・s)で表され、
前記二段目の位相補償手段の伝達関数は、T3、T4を時定数としたときラプラス変換式(1+T3・s)/(1+T4・s)で表され、
前記三段目の位相補償手段の伝達関数は、T5、T6を時定数としたときラプラス変換式(1+T5・s)/(1+T6・s)と表され、
前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段は、
前記一段目の位相補償手段の前記伝達関数から演算される位相が最大となる周波数と、前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段の伝達関数とから演算される位相が最大となる周波数と、
が一致するように構成され、
前記制御手段は、前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号に基づいて前記モータを制御する、
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
(2)前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段は、前記トルク信号に対して位相進み補償を行なう位相進み補償手段であり、
前記三段目の位相補償手段は、前記トルク信号に対して位相遅れ補償を行なう位相遅れ補償手段である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の電動パワーステアリング装置。
(3)前記一段目の位相進み補償手段と前記二段目の位相進み補償手段の伝達関数は、折点周波数をf3、f4としたとき、
f3<f4、
f3=1/(2π・T3)、
f4=1/(2π・T4)
で表され、且つ、
前記三段目の位相遅れ補償手段の伝達関数は、折点周波数をf5、f6としたとき、
f5>f6、
f5=1/(2π・T5)、
f6=1/(2π・T6)
で表されるとしたとき、
前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段は、
f4/f3<f5/f6となるように前記折点周波数が設定されている、
ことを特徴とする上記(2)に記載の電動パワーステアリングの制御装置。
(4)前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
前記車両の車速が高くなるに従い、f4/f3<f5/f6とした折点周波数の設定値からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
ことを特徴とする上記(3)に記載の電動パワーステアリング装置。
このように構成された電動パワーステアリング装置によれば、車速センサの出力信号にもとづいて、2段目の位相進み補償手段、三段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を変更することにより、低車速時の量子化誤差の影響が大きい場合にはゲインを低減させることにより対応し、高速時にはゲインを下げないことにより応答性を下げないようにすることができる。
(5)前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
前記車両のステアリングの舵角の変化量が大きくなるに従い、f4/f3<f5/f6とした折点周波数の設定値からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
ことを特徴とする上記(3)に記載の電動パワーステアリング装置。
このように構成された電動パワーステアリング装置によれば、舵角速度に基づいて、ステアリングの微振動が気になるような舵角速度は低い場合にはゲインを下げ、ステアリングの微振動が気になるよりは応答性の悪化が気になるようは舵角速度が大きい場合には二段目の位相進み補償手段、三段目の位相遅れ補償手段の周波数特性を、ゲインが下がらないよう設定することにより、応答性を下げないようにすることができる。
(6)前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
前記車両のステアリングの操舵トルクの変化量が大きくなるに従い、f4/f3<f5/f6からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
することを特徴とする上記(3)に記載の電動パワーステアリング装置。
このように構成された電動パワーステアリング装置によれば、量子化誤差の影響が懸念される高い周波数でのゲインを、二段目の位相進み補償手段、三段目の位相遅れ補償手段の周波数特性により、トルクの変化量が小さく、ステアリングの微振動が気になる場合にはゲインを下げ、ステアリングの微振動が気になるよりは応答性の悪化が気になるようなトルクの変化量が大きい場合には、ゲインが下がらない設定にすることにより、応答性を下げないようにすることができる。
この発明は、自動車等の車両に搭載される電動パワーステアリング装置の分野、ひいては自動車産業の分野に利用することができる。
1 トルクセンサ、2 車速センサ、3 モータ、
4 一段目の位相補償進み手段、5 二段目の位相進み補償手段、
6 三段目の位相遅れ補償手段、7 モータ電流目標値演算手段、
8 モータ電流検出手段、9 モータ電流制御手段、
10 モータ駆動手段、11 マイクロコンピュータ、
12 電動パワーステアリングの制御手段、13 舵角センサ、
14 微分演算器。

Claims (6)

  1. 車両の運転者が前記車両の操舵系に加えた操舵トルクを検出してトルク信号を出力するトルクセンサと、
    前記操舵系に連結され、前記運転者の操舵をアシストするアシストトルクを発生して前記操舵系に加えるモータと、
    前記トルク信号に対応した前記アシストトルクを発生するように前記モータを駆動する制御手段と、
    を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、少なくとも、
    ソフトウェアで構成され、前記トルクセンサから出力された前記トルク信号を位相補償する一段目の位相補償手段と、
    ソフトウェアで構成され、前記一段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する二段目の位相補償手段と、
    ソフトウェアで構成され、前記二段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号を位相補償する三段目の位相補償手段と、
    を備え、
    前記一段目の位相補償手段の伝達関数は、T1、T2を時定数としたときラプラス変換式(1+T1・s)/(1+T2・s)で表され、
    前記二段目の位相補償手段の伝達関数は、T3、T4を時定数としたときラプラス変換式(1+T3・s)/(1+T4・s)で表され、
    前記三段目の位相補償手段の伝達関数は、T5、T6を時定数としたときラプラス変換式(1+T5・s)/(1+T6・s)と表され、
    前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段は、
    前記一段目の位相補償手段の前記伝達関数から演算される位相が最大となる周波数と、前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段の伝達関数とから演算される位相が最大となる周波数と、
    が一致するように構成され、
    前記制御手段は、前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段と前記三段目の位相補償手段により位相補償されたトルク信号に基づいて前記モータを制御する、
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記一段目の位相補償手段と前記二段目の位相補償手段は、前記トルク信号に対して位相進み補償を行なう位相進み補償手段であり、
    前記三段目の位相補償手段は、前記トルク信号に対して位相遅れ補償を行なう位相遅れ補償手段である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記一段目の位相進み補償手段と前記二段目の位相進み補償手段の伝達関数は、折点周波数をf3、f4としたとき、
    f3<f4、
    f3=1/(2π・T3)、
    f4=1/(2π・T4)
    で表され、且つ、
    前記三段目の位相遅れ補償手段の伝達関数は、折点周波数をf5、f6としたとき、
    f5>f6、
    f5=1/(2π・T5)、
    f6=1/(2π・T6)
    で表されるとしたとき、
    前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段は、
    f4/f3<f5/f6となるように前記折点周波数が設定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリングの制御装置。
  4. 前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
    前記車両の車速が高くなるに従い、f4/f3<f5/f6とした折点周波数の設定値からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
    前記車両のステアリングの舵角の変化量が大きくなるに従い、f4/f3<f5/f6とした折点周波数の設定値からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記二段目の位相進み補償手段と前記三段目の位相遅れ補償手段の前記伝達関数は、
    前記車両のステアリングの操舵トルクの変化量が大きくなるに従い、f4/f3<f5/f6からf4/f3=f5/f6となるように前記折点周波数の設定値が変更される、
    することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
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