JP6020838B2 - 帯状体の搬送装置および搬送方法 - Google Patents

帯状体の搬送装置および搬送方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続して走行する帯状体を非接触に支持して搬送する帯状体の搬送装置に関し、具体的には、連続して走行する帯状体の蛇行を効果的に抑制することができる帯状体の搬送装置と、その搬送装置を用いた搬送方法に関するものである。
鋼帯等の帯状体を搬送する方法としては、従来から、ロールなどの支持体に接触させて搬送する方法が用いられている。しかし、帯状体に支持体が接触すると、帯状体の表面に擦り傷が発生したり、形成した表面皮膜の破壊や剥離等を引き起こしたりするという問題がある。そこで、斯かる場合には、気体を高圧で噴射し、その圧力で帯状体を浮上させて非接触で搬送するフローター方式の搬送装置が使用されている。
しかし、フローター方式の搬送装置では、帯状体が浮上しているため、支持体との接触による摩擦力が働かないため、帯状体が横滑りを起こし、蛇行が発生し易いという問題がある。また、高圧で噴射された気体によって、帯状体が振動(バタつき)を起こし、安定した搬送が難しくなるという問題もある。そこで、浮上させた帯状体を安定して搬送するための検討が、従来からなされている。
例えば、特許文献1には、鋼帯の下方で鋼帯に対向する平坦面である受圧面と、鋼帯の下面に気体を衝突せしめる鋼帯の幅方向にわたって設けられたノズル開口と、該ノズル開口から鋼帯下面に噴出した気体流の側縁方向への逸出流を抑制するために受圧面上に複数列配列したバッフルプレート(本発明のリブに相当)と、フローター幅方向の両幅端部に配設された通常の鋼帯の搬送レベルより高さが高いサイドプレートを有するフローターを用い、鋼帯と受圧面の間に気体を噴出させて鋼帯を浮揚支持するとともに、鋼帯を水平方向に非接触搬送するに際して、前記サイドプレートとして、前記バッフルプレートより高さの高いサイドプレートを用い、かつ、蛇行する鋼帯の側縁がサイドプレートに接触することなく、サイドプレートの上方を乗り越えて浮上するに足る気体風量として搬送する鋼帯の搬送方法が提案されている。
ところで、鉄鋼業において、製品鋼帯(帯状体)を、接触式のロール搬送方式に代えて、非接触のフローター方式で搬送する場合、昨今の外観品質に対する要求の厳格化に対応するためには、優れた蛇行矯正能力が求められ、帯状体が中心から僅かに蛇行した場合でも中心へ戻す矯正力を働かせる必要がある。しかし、特許文献1の方法は、帯状体が板幅端部のサイドプレート近くに、蛇行を起こさない限り、帯状体を中心へ戻す駆動力が働き始めないという欠点があり、帯状体を幅方向の中心位置付近で安定して搬送することが難しいという問題がある。
一方、僅かな帯状体の中心位置からのずれに対しても中心に戻る矯正力を働かせる方法として、特許文献2には、走行帯状薄板の通板方向転換部に流体を噴出するパッドを配置して該薄板を非接触支持状態で保持する非接触支持装置において、前記パッドの薄板に対向する曲面に、走行方向に直交するスリット部の長さが薄鋼板の最小幅以下である矩形状の流体噴出スリットノズルを形成すると共に、該スリットノズルを設けたパッド本体曲面の薄板幅方向両側位置に、薄板の走行方向に平行なそれぞれ複数枚のカーブハードルプレート(本発明のリブに相当)をほぼ等間隔で設け、かつ、該複数枚のカーブハードルプレートをパッドの中心側から両端側に向うに従いその高さを高くした非接触支持装置が提案されている。この装置では、両幅端部に向かうにつれて順次高くなるよう設置されたリブ板により、帯状体端部付近で噴流が幅方向に流れ出るための流路が狭くなり静圧が上昇して鋼板が蛇行した側で高くなるように傾くため、帯状体の中心から僅かな蛇行に対しても帯状体を中心へと戻そうとする矯正力が働く。
特許第2953883号公報 特開平06−305619号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示の装置は、リブ板が両幅端部側に向かうにつれて順次高くなるように設置されているため、帯状体の形状変化などの外乱により、急激な蛇行が生じた場合には、気体の噴射圧力や浮上高さを応答性よくかつ精度よく制御しないと、帯状体がリブ板と接触を起こし、帯状体が損傷するという問題がある。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射した気体で帯状体を浮上させ、非接触に支持して搬送する際、帯状体の僅かな蛇行に対しても修正力が発生し、帯状体を安定して搬送することができる帯状体の搬送装置とその装置を用いた搬送方法を提案することにある。
ところで、実機の熱処理炉や乾燥炉等において、帯状体をフローターで浮上させて搬送する場合には、上記フローターを帯状体の走行方向に直列に複数配列した設備列にして搬送するのが一般的である。そこで、発明者らは、帯状体を浮上する個々のフローターの構造に加えて、直列に複数配設したフローター設備列としての搬送設備に求められる条件についても鋭意検討を重ねた。その結果、帯状体の走行方向に直列に複数配設したフローター設備列としての搬送設備を用いて帯状体を搬送する際、帯状体の僅かな蛇行に対しても蛇行修正力を生じさせ、帯状体を安定的に搬送するためには、上記フローターの天板上に立設したサイドプレートの幅方向間隔を、搬送設備の入側に位置するフローターよりも出側に位置するフローターを広く設定することが有効であることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、連続して走行する帯状体の下方に配設され、帯状体走行方向の前部と後部に設けられたノズルから、帯状体の下面に向かって気体を対向するように噴射して帯状体を浮上させ、非接触に支持して搬送するフローターを帯状体の走行方向に直列に配列してなる帯状体の搬送装置において、上記フローターの天板上に帯状体の走行方向に平行して帯状体の幅方向の両外側にサイドプレートを立設してなるとともに、上記直列に配列された個々のフローターのサイドプレートの幅方向の間隔を、搬送装置の入側に位置するフローターよりも出側に位置するフローターを広くしてなることを特徴とする帯状体の搬送装置である。
本発明の帯状体の搬送装置は、上記フローターの天板上のサイドプレートの内側に、上記サイドプレートに平行し、上記サイドプレートよりも高さが低いリブ板を複数立設してなることを特徴とする。
また、本発明の帯状体の搬送装置は、上記フローターの天板上に、上記サイドプレートに直交し、上記サイドプレートよりも高さが低いリブ板を複数立設してなることを特徴とする。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の搬送装置を用いて帯状体を搬送する際、帯状体幅方向の平均浮上高さを、フローター天板上にリブ板が無い場合は、フローターの天板からの高さで帯状体幅の1/200以上1/10以下に、フローター天板上にリブ板を有する場合は、リブ板頂上からの高さで帯状体幅の1/200以上1/10以下に調整することを特徴とする帯状体の搬送方法を提案する。ここで、上記平均浮上高さとは、帯状体の幅方向浮上高さの平均値のことをいう。
本発明によれば、連続して走行する帯状体の僅かな蛇行に対しても蛇行修正力を生じさせ、帯状体を搬送装置の幅方向中心位置へ戻すことができるので、擦り傷や被膜損傷に対して厳しい品質が求められる帯状体でも安定して搬送することが可能となる。
本発明の帯状体の搬送装置を構成するフローターを説明する図である。 本発明の帯状体の搬送装置を構成する他のフローターを説明する図である。 本発明のフローター天板上に立設する幅方向リブ板を説明する例図である。 本発明のフローター天板上に立設するリブ板を説明する他の例図である。 本発明のフローター天板上に立設するサイドプレートとリブ板の変形例を説明する図である。 帯状体が蛇行したときに生じる蛇行修正力を説明する図である。 フローターを直列に複数配設した本発明の搬送設備を説明する図である。 実施例に用いたフローター天板上のリブ板の組み合わせを説明する図である。 実施例に用いたフローター天板上のサイドプレートの高さとリブ板の高さの組み合わせを説明する図である。
本発明の帯状体の搬送装置は、連続して走行する帯状体の下方位置に、帯状体走行方向の前方および後方に設けられたノズルから帯状体の下面に向けて気体を対向するように噴射して帯状体を浮上させ、非接触に支持しつつ搬送するフローターを、帯状体の走行方向に直列の複数配設した搬送装置に関するものである。
図1は、本発明の搬送装置を構成するフローターの一例を説明する模式図であり、図1(a)は上記フローターの帯状体走行方向断面図を、図1(b)は上記フローターの平面図を、および、図1(c)は上記フローターの幅方向断面図である。連続して走行する帯状体1の下方には、フローター2が配設されており、そのフローター2の内部には、図示されていないファンやブロアなどによって高圧の気体が供給されている。そのため、フローター2に設けられたノズル開口5からは高圧の気体が帯状体1の下面に向かって噴射され、帯状体1とフローターの天板6との間には、帯状体1の自重を支える静圧が発生し、帯状体1は浮上した状態で非接触に支持されている。
また、フローターの天板6の上面には、帯状体の走行方向に平行して帯状体の幅方向の両幅端部にサイドプレート3が立設されており、このサイドプレート3によって、ノズル開口5から噴射された気体が帯状体の幅方向に流出するのが抑制され、帯状体1とフローターの天板6との間に静圧が安定的に発生するので、帯状体1を安定して浮上させることが可能となる。
また、上記フローターの天板6の上面には、上記サイドプレート3の内側に、図2(a)〜(c)に示したように、サイドプレート3に平行し、かつ、サイドプレート3より高さが低いリブ板4(走行方向リブ板)を帯状体幅方向に複数立設するのが好ましい。このリブ板4を立設することにより、ノズル開口5から噴射された気体が帯状体の幅方向に流出するのがより抑制され、帯状体1とフローターの天板6との間に静圧がより安定的に発生するので、帯状体1をより安定して浮上させることができる。
また、上記フローターの天板6の上面には、図3に示したように、サイドプレート3に直交し、かつ、サイドプレート3より高さが低いリブ板4´(幅方向リブ板)を帯状体走行方向に複数立設するが好ましい。この幅方向リブ板4´は、ノズルから噴射された気体が、帯状体の長手方向に流出することを抑制する効果を有するので、帯状体下面側の静圧がより高くなるので、帯状体をより安定して浮上させることができる。
さらに、上記フローターの天板6の上面には、図4に示したように、上記した走行方向リブ板と幅方向リブ板を複数併設するのがより好ましい。これにより、ノズルから噴射された気体が帯状体の走行方向および幅方向に流出するのを抑制することができるので、帯状体下面の静圧がさらに安定して高くなり、帯状体をさらに安定して浮上・搬送することができる。
なお、上記帯状体の走行方向に平行するリブ板(走行方向リブ板)および直交するリブ板(幅方向リブ板)の高さは、5〜50mmの範囲であることが好ましい。5mm未満では、気体の水平方向の流れを防止する効果が小さく、一方、50mmを超えると、帯状体の浮上高さが大きくなり、安定して浮上することが難しくなるからである。
また、走行方向リブ板の設置数は5以上、幅方向リブ板の設置数は2以上とするのが好ましい。ただし、走行方向リブ板の設置数が10を超えると、また、幅方向リブ板の設置数が3を超えると、いずれも効果が飽和する。
また、上記走行方向リブ板の両外側に立設したサイドプレートの高さは、リブ板の高さより5〜50mm高いことが好ましい。5mm未満では、リブ板との差が小さ過ぎて、帯状体を傾けて蛇行を修正する効果が十分に得られず、一方、50mmを超えると、帯状体を傾ける効果が大きくなり過ぎ、帯状体のエッジがフローターに接触するおそれが出てくるからである。
また、リブ板やサイドプレートは、フローター天板上における気体の流れを抑制するための必要最小限の面積を有していればよく、例えば、図5に示すような湾曲した形状でも、また、一部に切り欠きを有する形状であっても構わない。
また、上記リブ板およびサイドプレートの素材は、例えば、鋼、SUS、セラミックス等の中から、強度、加工性、使用環境に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
ここで、図2に示した帯状体走行方向に平行するリブ板(走行方向リブ板)を有するフローターにおいて、帯状体が蛇行したときに発生する蛇行修正力について、図6を用いて説明する。帯状体1が幅方向の一方の側に蛇行した場合(図6では左側)、蛇行した側のサイドプレート3と帯状体1との間の流路が狭くなるため、帯状体の下面に発生する静圧が蛇行した側で高くなる。そのため帯状体1の浮上高さは蛇行した側で高くなって、帯状体1は傾いた状態となる。帯状体1の下面に働く静圧は、帯状体の下面に垂直な方向の力として作用する。この力は、鉛直方向と水平方向の力に分けて考えることができ、鉛直方向の力は帯状体1の自重を支える浮力となり、水平方向の力は、帯状体1の蛇行を矯正する修正力として働く。そのため、フローター2の上では、帯状体1は蛇行し続けることなく走行することができる。
しかしながら、上記のリブ板やサイドプレートが存在していても、蛇行修正力が働くようになるには、帯状体1がある程度以上蛇行し、帯状体1のエッジが十分にサイドプレート3に十分に近づく必要がある。そのため、僅かな量の蛇行に対しては、修正力がほとんど生じないため、帯状体の安定通板は難しいという問題があった。
上記問題点を解決するには、帯状体の両側に設置されたサイドプレートの間隔を狭め、帯状体の幅端部(エッジ)にできるだけ近づけることが有効である。しかし、フローターを帯状体の走行方向に直列に複数配設した搬送装置の前後、即ち、フローターセクションの上流側および下流側には、図7に示したように、接触式の搬送ロール7が配設されており、搬送装置の入側の搬送ロールの位置では、図示されていないEPC(Edge Position Control)やCPC(Center Position Control)等の蛇行修正装置等によって、蛇行量が最小となるよう制御されているのが一般的であり、蛇行量が大きくなるのは、フローターを直列に複数配設したフローターセクションに入ってからである。これは、帯状体が浮上した状態では、横滑りに対する摩擦力が無いため、帯状体の形状不良などによる幅方向張力分布のバランス崩れやフローターから噴出する流体の振動現象などで、容易に蛇行を起こすからである。そのため、サイドプレートの間隔を狭め過ぎると、サイドプレートと帯状体の幅端部(エッジ)とが接触し、帯状体に擦り傷や破断が発生するおそれがある。
そこで、フローターセクションにおいては、サイドプレートの幅方向間隔を、上流側(入側)よりも下流側(出側)を大きくしておく必要がある。サイドプレートと帯状体の幅端部(エッジ)との接触を確実に防止するためには、図7に示すように、フローターセクションの入側における帯状体の最大幅端部(エッジ)位置(図7では、入側の接触式搬送ロール7の位置)と、フローターセクションの出側に設置された蛇行防止プレート8(あるいは炉壁)などの許容できる蛇行の最大幅の位置(図7では、出側の接触式搬送ロール7の位置)とを結ぶ線上よりも帯状体の幅方向外側にサイドプレートを設置すればよい。
具体的には、帯状体の最大幅をW、入側の蛇行最小位置における最大蛇行量をD、フローターセクションの出側に設置された蛇行防止プレートの幅(最大蛇行許容幅)をG、フローターセクション入側の蛇行最小位置と出側の蛇行最大位置との間の距離をL、フローターセクション入側からn番目のフローターの出側端部までの距離をFとしたとき、n番目のフローターのサイドプレートの間隔は、下記式で求められるAより大きく設定すればよい。
={(G−W−2D)/L}*F+W+2D
次に、上記フローターから構成される搬送装置を用いて、帯状体を搬送するときの条件について説明する。
本発明の搬送装置を用いて帯状体を搬送するときには、帯状体の浮上高さは、図1に示したようなリブ板を有しないフローターの場合には、フローターの天板上面から、帯状体の幅の1/200以上1/10以下となるように調整することが好ましい。また、図2に示したようなリブ板を有するフローターの場合には、リブ板の頂上から、帯状体の幅の1/200以上1/10以下となるように調整することが好ましい。なお、上記浮上高さは、リブ板の頂上から(リブ板が無い場合は天板の上面から)鋼板の幅方向平均高さの平均値までの垂直方向の距離をいう。
上記浮上高さが、帯状体の幅の1/200未満では、帯状体は安定して浮上しているが、帯状体が傾く余裕がほとんどなく、十分な蛇行矯正能力が得られない。一方、帯状体の幅の1/10より大きくなると、ノズルから噴射された気体が、帯状体の幅方向や走行方向に流出するのを抑制するリブ板の効果が弱くなり、安定した浮上が得られなくなる。そのため、帯状体がふらついて蛇行が増幅されたり、ばたつきが生じたりするため、炉壁やフローターのリブ板、サイドプレート、天板と帯状体のエッジとが接触するおそれがでてくる。
これは、帯状体の浮上高さが高くなると、帯状体の浮上高さが多少変化しても帯状体幅方向に抜ける気体の流れの変化、つまり、帯状体の浮上高さを代表長さとするレイノルズ数Reの変化が小さくなるため、準定常的な流れであっても、僅かな蛇行や帯状体の形状変化で帯状体の両エッジの浮上高さに差が発生し、帯状体の傾きが変化して、バタつきやふらつきが発生するためと考えられる。
そのため、帯状体の浮上高さは、帯状体の幅に対して、つまり、帯状体に衝突し、横方向に流れる気体の流量に対して、ある程度低くする必要があり、発明者らの検討結果によれば、その上限値は板幅の1/10程度である。
なお、フローターのノズルから噴射する気体は、例えば、室温の空気や加熱した空気、燃焼ガス、COガス、COガス、HO(水蒸気)、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス等の中から、フローターを使用する設備の用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
帯状体幅方向長さが1500mm、帯状体走行方向のノズル間隔が1100mm、ノズル開口部のスリット幅が20mmで、図1に示したように、天板の上面幅方向両端部にサイドプレートを立設したフローターを、帯状体の走行方向に直列に5台(上流側から下流側に向かって#1〜#5)、6m間隔で配設した乾燥炉に、板厚0.25mm×板幅1200mmの帯状鋼板を、表1に記載したように、鋼板の浮上高さを変えた各種条件で通板し、鋼板の平均蛇行量および鋼板への擦り傷発生有無について調査した。
Figure 0006020838
ここで、上記実験に用いた#1〜#5のフローターは、天板上面の幅両端部に立設したサイドプレートの幅方向間隔を表1に示したように変化させた。因みに、下記式;
={(G−W−2D)/L}*F+W+2D
(ただし、G:1500mm、W:1200mm、D:3mm、L:36m、F:6.7m、F:12.7m、F:18.7m、F:24.7m、F:30.7m)
から求められる各フローターのサイドプレートの幅方向間隔Aは、A:1261mm、A:1310mm、A:1359mm、A:1408mmおよびA:1457mmである。
また、上記フローターの天板上面幅両端部のサイドプレート間には、帯状体の走行方向に平行した走行方向リブ板と、帯状体の走行方向に直交した幅方向リブ板との組み合わせを、図8に示したように、a〜cの4条件に変えて立設した。
さらに、上記フローターの天板上のサイドプレートおよびリブ板の高さは、図9に示したように、A:サイドプレート高さ40mm、リブ板高さ20mm、B:サイドプレート高さ100mm、リブ板高さ50mmおよびC:サイドプレート高さ40mm、リブ板無しの3条件に変化させた。
なお、鋼板の搬送条件は、搬送速度を60m/min、鋼板張力を5.9MPaとし、フローターの内圧は、各条件の鋼板浮上高さに応じてブロア出力を0.2〜2.0kPaの間で適宜調整した。
また、鋼板の平均蛇行量の測定は、乾燥炉の最下流にある#5フローターの下流側にて、2次元レーザーセンサーを用いて鋼板エッジ位置を検出することにより測定した。なお、1条件あたりの通板時間は、蛇行発生頻度から考えて十分に平均化処理が可能である1時間以上とした。
また、擦り傷の発生有無は、乾燥炉出側において、十分に明るい蛍光灯の下で、目視検査し、判定した。
上記平均蛇行量および擦り傷の発生有無の調査結果を、搬送条件とともに表1に示した。表1から、本発明に適合する搬送装置を用いて、本発明に適合する条件で搬送することによって、蛇行量が小さく、かつ、擦り傷の発生もなく、鋼板(帯状体)を安定して通板できることがわかる。
本発明の技術は、実施例に用いた鋼帯の搬送に限定されるものではなく、AlやCu等の金属板や、紙、プラスチック等のフィルムなどの様々な帯状体にも適用することができる。
1:帯状体
2:フローター
3:サイドプレート
4:帯状体の走行方向に平行なリブ板(走行方向リブ板)
4´:帯状体の走行方向に直交するリブ板(幅方向リブ板)
5:ノズル開口部
6:フローター天板
7:接触式搬送ロール
8:蛇行防止プレート(または炉壁)

Claims (4)

  1. 連続して走行する帯状体の下方に配設され、帯状体走行方向の前部と後部に設けられたノズルから、帯状体の下面に向かって気体を対向するように噴射して帯状体を浮上させ、非接触に支持して搬送するフローターを帯状体の走行方向に直列に配列してなる帯状体の搬送装置において、
    上記フローターの天板上に帯状体の走行方向に平行して帯状体の幅方向の両外側にサイドプレートを立設してなるとともに、
    上記直列に配列された個々のフローターのサイドプレートの幅方向の間隔を、搬送装置の入側に位置するフローターよりも出側に位置するフローターを広くしてなることを特徴とする帯状体の搬送装置。
  2. 上記フローターの天板上のサイドプレートの内側に、上記サイドプレートに平行し、上記サイドプレートよりも高さが低いリブ板を複数立設してなることを特徴とする請求項1に記載の帯状体の搬送装置。
  3. 上記フローターの天板上に、上記サイドプレートに直交し、上記サイドプレートよりも高さが低いリブ板を複数立設してなることを特徴とする請求項1または2に記載の帯状体の搬送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置を用いて帯状体を搬送する際、帯状体幅方向の平均浮上高さを、フローター天板上にリブ板が無い場合は、フローターの天板からの高さで帯状体幅の1/200以上1/10以下に、フローター天板上にリブ板を有する場合は、リブ板頂上からの高さで帯状体幅の1/200以上1/10以下に調整することを特徴とする帯状体の搬送方法。ここで、上記平均浮上高さとは、帯状体の幅方向浮上高さの平均値のことをいう。
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