(詳細な説明)
本明細書に記した開示の理解を促進するために、多くの用語を以下に定義する。
一般に、本明細書に使用される命名法並びに本明細書に記載の有機化学、薬化学、及び薬理学における実験手法は、周知のものであり、且つ当該技術分野において一般に使用されるものである。別に定義しない限りは、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は全て、概して本開示が属する技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。
用語「対象」とは、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含むが、これらに限定されるものではない動物をいう。用語「対象」と「患者」は本明細書において、例えば、ヒト対象などの哺乳動物の対象に関して、一実施態様においてはヒトに関して、互換的に使用される。
用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、障害、疾患、若しくは状態を、又は障害、疾患、若しくは状態に関連した1つ以上の症状を軽減するか若しくは抑止すること;或いは、障害、疾患、若しくは状態の原因自体を軽減するか若しくは根絶することを含むことを意味する。
用語「予防する」、「予防している」及び「予防」は、障害、疾患、若しくは状態、及び/又はその随伴症状の開始を遅延及び/又は排除する方法;対象が障害、疾患、若しくは状態を獲得することを妨害する方法;或いは、障害、疾患、又は状態を獲得する対象のリスクを減らす方法を含むことを意味する。
用語「治療有効量」は、化合物が投与された場合に、治療される障害、疾患、又は状態の1つ以上の症状の発症を予防するか、又はある程度軽減するのに十分である化合物の量を含むことを意味する。用語「治療有効量」とはまた、研究者、獣医師、医師、又は臨床医により探求される、生物学的分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、又はDNA)、細胞、組織、体系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的反応を誘起するのに十分である化合物の量もいう。
用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」とは、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る物質、組成物、又は媒体をいう。一実施態様において、各成分は、医薬製剤の他の成分と相溶性があり、且つ妥当なベネフィット/リスク比に釣り合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、若しくは他の問題点或いは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は臓器と接触して使用するのに適しているという意味で、「医薬として許容し得る」。Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版;Lippincott Williams & Wilkins:フィラデルフィア、PA、2005年;「医薬賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」、第6版;Roweら編集;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009年;「医薬添加剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)」、第3版;Ash及びAsh編集;Gower Publishing Company:2007年;「医薬予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」、第2版;Gibson編集;CRC Press LLC:ボカラトン、FL、2009年を参照されたい。
用語「約」又は「およそ」は、当業者により決定される特定の値に関する許容誤差を意味し、これはある程度は値の測定される又は決定される方式によって左右される。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
用語「活性成分」及び「活性物質」とは、状態、障害、又は疾患の1つ以上の症状を治療、予防又は改善するために、単独で又は1種以上の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて、対象へ投与される、化合物をいう。本明細書において使用される「活性成分」及び「活性物質」は、本明細書に記載の化合物の光学活性のある異性体であってよい。
用語「薬物」、「治療薬」、及び「化学療法薬」とは、状態、障害、又は疾患の1つ以上の症状を治療、予防又は改善するために対象に投与される、化合物又はそれらの医薬組成物をいう。
用語「溶媒和物」とは、溶質、例えば本明細書に提供される化合物の1個以上の分子と、化学量論的量又は非化学量論的量で存在する溶媒の1個以上の分子により形成された複合体又は凝集体をいう。好適な溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及び酢酸を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施態様において、溶媒は医薬として許容し得る。一実施態様において、複合体又は凝集体は、結晶型である。別の実施態様において、複合体又は凝集体は、非結晶型である。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。水和物の例は、半水化物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、及び五水和物を含むが、これらに限定されるものではない。
用語「血液悪性疾患」とは、体の血液-形成系及び免疫系−骨髄及びリンパ組織の癌をいう。血液悪性疾患の例は、例えば、骨髄異形成症、リンパ腫、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも称される)、及び骨髄腫、例として急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化白血病(AUL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、前リンパ性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三血球系骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖症候群(MPD)、及び多発性骨髄腫(MM)を含む。
用語「白血病」とは、非限定的に、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含む、造血組織の悪性新生物をいう。白血病は、再発し、従来の療法に対し難治性又は抵抗性であり得る。
用語「再発した」とは、治療後癌の寛解を有した対象又は哺乳動物が、癌細胞の回復を有する状況をいう。
用語「難治性又は抵抗性」とは、対象又は哺乳動物が、集中治療後であっても、その体内に残存する癌細胞を有する状況をいう。
用語「薬物抵抗性」とは、疾患が、1種又は複数の薬物の治療に対し反応しない状態をいう。薬物抵抗性は、疾患が決して1種又は複数の薬物に反応しないことを意味する固有のものであるか、又は疾患が既に反応した1種又は複数の薬物に対し反応しなくなることを意味する獲得することができるかのいずれかである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性は固有のものである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性は獲得される。
(化合物)
本明細書に提供される方法における使用に適した化合物は、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物であり、これはシクロピロクスとしても公知であり、且つ下記構造を有する。
シクロピロクスは、市販されている。シクロピロクスは、当業者に公知の任意の方法により、調製するか、単離するか、又は入手することもできる。例として、シクロピロクスは、米国特許第3,883,545号及び第3,972,888号に説明された方法に従い調製することができ、これらの各特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
一実施態様において、本明細書に提供される方法において使用されるシクロピロクスは、遊離塩基である。一実施態様において、この遊離塩基は固体である。別の実施態様において、この遊離塩基は、非晶質型の固体である。更に別の実施態様において、この遊離塩基は、結晶型の固体である。
別の実施態様において、本明細書に提供される方法において使用するシクロピロクスは、その遊離塩基の医薬として許容し得る溶媒和物である。一実施態様において、溶媒和物は水和物である。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される方法において使用されるシクロピロクスは、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、又は水酸化ナトリウム、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、第二級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンを含むが、これらに限定されるものではない、医薬として許容し得る塩である。
いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの無機塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの有機塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの第一級アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの第二級アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの第三級アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの第四級アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの脂肪族アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスの芳香族アミン塩である。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩は、シクロピロクスエタノールアンモニウムである。
(医薬組成物)
一実施態様において、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;を、医薬として許容し得る媒体、担体、希釈剤、賦形剤、若しくはそれらの混合物と組合せて含有する医薬組成物が本明細書において提供される。
シクロピロクスを含有する医薬組成物は、経口、非経口、及び局所投与のために、様々な剤形で製剤することができる。医薬組成物は、遅延放出、拡大放出、延長放出、持続放出、パルス放出、制御された放出、促進放出、高速放出、標的指向放出、プログラムされた放出の剤形、及び胃滞留剤形を含む、改変された放出剤形として製剤することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる(Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲;「改変された放出の薬物送達技術(Modified-Release Drug Delivery Technology)」、第2版、Rathboneら編集、Marcel Dekker, Inc.:ニューヨーク、NY、2008年を参照されたい)。
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;及び、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、経口投与のための剤形で製剤される。
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;及び、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、経口投与のための懸濁剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供される懸濁剤は、シクロピロクスエタノールアミン塩、並びに、水、グリセリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、キサンタンガム、香味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びソルビン酸カリウムからなる群から選択される2種以上の賦形剤又は担体を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供される懸濁剤は、シクロピロクスエタノールアミン塩、並びに、水、グリセリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、キサンタンガム、香味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びソルビン酸カリウムを含有する。更に別の実施態様において、本明細書に提供される懸濁剤は、水、グリセリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、キサンタンガム、香味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びソルビン酸カリウムからなる溶液中に、シクロピロクス100mg/Lを含有する。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;及び、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、非経口投与のための剤形として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、静脈内投与のための剤形で製剤される。別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、皮下投与のための剤形で製剤される。更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、筋肉内投与のための剤形で製剤される。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;及び、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、局所投与のための剤形で製剤される。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;及び、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、局所投与のためのクリーム剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるクリーム剤は、シクロピロクスエタノールアミン塩、並びに、水、オクチルドデカノール、鉱油、ステアリルアルコール、コカミドDEA、ポリソルベート60、ミリスチルアルコール、ソルビタンモノステアレート、乳酸、及びベンジルアルコールからなる群から選択される2種以上の賦形剤又は担体を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるクリーム剤は、シクロピロクスエタノールアミン塩、並びに、水、オクチルドデカノール、鉱油、ステアリルアルコール、コカミドDEA、ポリソルベート60、ミリスチルアルコール、ソルビタンモノステアレート、乳酸、及びベンジルアルコールを含有する。更に別の実施態様において、本明細書に提供されるクリーム剤は、水、オクチルドデカノール、鉱油、ステアリルアルコール、コカミドDEA、ポリソルベート60、ミリスチルアルコール、ソルビタンモノステアレート、乳酸、及びベンジルアルコールからなる水混和性バニシングクリーム基剤1g中にシクロピロクス7.7mgを含有する。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;並びに、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、局所投与のためのゲル剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるゲル剤は、シクロピロクス、並びに、水、イソプロピルアルコール、オクチルドデカノール、ジメチコンコポリオール190、カルボマー980、水酸化ナトリウム、及びドクサートナトリウムからなる群から選択される2種以上の賦形剤又は担体を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるゲル剤は、シクロピロクス、並びに水、イソプロピルアルコール、オクチルドデカノール、ジメチコンコポリオール190、カルボマー980、水酸化ナトリウム、及びドクサートナトリウムを含有する。更に別の実施態様において、本明細書に提供されるゲル剤は、水、イソプロピルアルコール、オクチルドデカノール、ジメチコンコポリオール190、カルボマー980、水酸化ナトリウム、及びドクサートナトリウムからなるゲル1g中にシクロピロクス7.7mgを含有する。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;並びに、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、局所投与のためのシャンプーとして製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるシャンプーは、シクロピロクス、並びに、水、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、塩化ナトリウム、及びラウレス-2からなる群から選択される2種以上の賦形剤又は担体を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるシャンプーは、シクロピロクス、並びに、水、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、塩化ナトリウム、及びラウレス-2を含有する。更に別の実施態様において、本明細書に提供されるシャンプーは、水、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、塩化ナトリウム、及びラウレス-2からなるシャンプー基剤1g中にシクロピロクス10mgを含有する。
更に別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、シクロピロクス、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物;並びに、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有する、局所投与のためのラッカー(lacquer)として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるラッカーは、シクロピロクス、並びに、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールを溶媒とするポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のブチルモノエステルからなる群から選択される2種以上の賦形剤又は担体を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるラッカーは、シクロピロクス、並びに、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールを溶媒とするポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のブチルモノエステルを含有する。更に別の実施態様において、本明細書に提供されるラッカーは、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールを溶媒とするポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のブチルモノエステルからなる溶液基剤1g中にシクロピロクス80mgを含有する。
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形又は反復剤形で提供され得る。本明細書において使用される単位剤形とは、ヒト及び動物対象への投与に適し、且つ当該技術分野において公知のように個別に包装された、物理的に個別の単位をいう。各単位投与量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と会合して、望ましい治療作用を生じるのに十分である活性成分の予め決定された量を含有する。単位剤形の例は、アンプル、注射器、並びに個別に包装された錠剤及びカプセル剤を含む。単位剤形は、それらの分数又は倍数で投与されてよい。反復剤形は、隔てられた単位剤形で投与される単独の容器内に包装された複数の同一の単位剤形である。反復剤形の例は、バイアル、錠剤若しくはカプセル剤の瓶、又はパイント瓶若しくはガロン瓶を含む。
本明細書に提供される医薬組成物は、1回又は時間間隔をおいて複数回投与され得る。正確な用量及び治療期間は、治療される患者の年齢、体重及び状態により変動することができ、且つ公知の試験プロトコールを用い経験的に、又はインビボ若しくはインビトロ試験又は診断データからの外挿により決定され得ることが理解される。任意の特定の個人に関して、具体的投薬計画は、個人の必要性及び製剤を投与するか又は投与を監督する者の専門的判断に従い経時的に調節されなければならないことも更に理解される。
(A. 経口投与)
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、又は液体の剤形で提供されることができる。本明細書において使用されるように、経口投与は、頬側、舌側、及び舌下投与も含む。好適な経口剤形は、錠剤、ファストメルト(fastmelts)、咀嚼錠、カプセル剤、丸剤、ストリップ、トローチ剤、舐剤、香錠、カシェ剤、ペレット、医療用チューインガム、バルク散剤、発泡性若しくは非発泡性散剤若しくは顆粒剤、経口ミスト、液剤、乳剤、懸濁剤、ウェファー、散粉剤(sprinkles)、エリキシル剤、及びシロップ剤を含むが、これらに限定されるものではない。本医薬組成物は、活性成分に加えて、非限定的に、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色移り防止剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤及び分散剤、保存剤、溶媒、非水性液体、有機酸、並びに二酸化炭素給源を含む、1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含有することができる。
結合剤又は造粒剤は、錠剤に凝集性を付与し、圧縮後錠剤が無傷であり続けることを確実にする。好適な結合剤又は造粒剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びα化デンプン(例えばSTARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの糖類;アカシアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、トチャカ抽出物、パンワールガム、ガッティガム、イサゴール殻皮粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、トラガカント末、及びグアーガムなどの天然及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、マーカスフック、PA)などの微晶質セルロース;並びに、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。好適な充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤の量は、製剤の型に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。結合剤又は充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物中約50〜約99重量%で存在することができる。
好適な希釈剤は、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、これらに限定されるものではない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、及びイノシトールなどの、いくつかの希釈剤は、十分量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に咀嚼により口中で崩壊を可能にする特性を与えることができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼錠剤として使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤の型に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。
好適な崩壊剤は、寒天;ベントナイト;メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどの、セルロース;木材製品;天然海綿;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガム及びビーガムHVなどの、ゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの、架橋セルロース;クロスポビドンなどの、架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの、微晶質セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びα化デンプンなどの、デンプン;クレイ;アルギン(aligns);及び、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の型に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の型に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、崩壊剤を約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%含有してよい。
好適な滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽質鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG)などの、グリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む、硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社、ボルチモア、MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)などの、シリカ又はシリカゲル;並びに、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に提供される医薬組成物は、滑沢剤を約0.1〜約5重量%含有してよい。
好適な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)、及びアスベスト非含有タルクを含むが、これらに限定されるものではない。好適な着色剤は、任意の承認された認証水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物上に懸架された非水溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。レーキ顔料は、水溶性色素の重金属の水和酸化物への吸着による組合せであり、この色素は不溶型となる。好適な香味剤は、果実などの、植物から抽出された天然香料、及びペパーミント及びサリチル酸メチルなどの、好ましい味覚を生じる化合物の合成配合物を含むが、これらに限定されるものではない。好適な甘味剤は、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルタムなどの人工甘味料を含むが、これらに限定されるものではない。好適な乳化剤は、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカント、ベントナイト、並びに、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(例えばTWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(例えばTWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンなどの、界面活性剤を含むが、これらに限定されるものではない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含むが、これらに限定されるものではない。好適な保存剤は、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含むが、これらに限定されるものではない。好適な湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含むが、これらに限定されるものではない。乳剤中で利用される好適な非水性液体の例は、鉱油及び綿実油を含むが、これらに限定されるものではない。好適な有機酸は、クエン酸及び酒石酸を含むが、これらに限定されるものではない。好適な二酸化炭素給源は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されるものではない。
多くの担体及び賦形剤は、例え同じ製剤内であっても、いくつかの機能を果たすことができることは理解されなければならない。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、湿製錠剤、咀嚼舐剤、即時溶解錠剤、多層圧縮錠剤、又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠、又はフィルムコーティング錠として提供することができる。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが、腸において溶解するか若しくは崩壊し、結果胃の酸性環境から活性成分を保護する物質により被覆された圧縮錠剤である。腸溶性コーティングは、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されるものではない。糖衣錠は、好ましくない味覚又は臭気を遮蔽し、且つ錠剤を酸化から保護する点で有益であり得る、糖衣により取り囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性物質の薄層又はフィルムにより被覆された圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されるものではない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴をもたらす。多層圧縮錠剤は、層状錠剤、及びプレスコーティング錠又は乾燥コーティング錠を含む、2回以上の圧縮サイクルにより製造された圧縮錠剤である。
本錠剤剤形は、粉末形状、結晶形状、又は顆粒形状の活性成分から、単独で、又は結合剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む本明細書記載の1種以上の担体若しくは賦形剤と組合せて、調製することができる。香味剤及び甘味剤は、咀嚼錠剤及び舐剤の製造において特に有用である。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから製造することができる軟又は硬カプセル剤として提供することができる。乾燥充填カプセル剤(DFC)としても公知である、硬ゼラチンカプセル剤は、2つの部分からなり、一方が他方の上に滑り込み、従って活性成分を完全に閉じ込めている。軟弾性カプセル剤(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化される、ゼラチンシェルなど、軟質で球状のシェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含んでもよい。好適な保存剤は本明細書に記載されているものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書に提供される液体、半固体、及び固体の剤形が、カプセルに封入されてもよい。適切な液体及び半固体の剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び、第4,410,545号に説明されているよう調製することができる。また、カプセル剤は、活性成分の溶解を改変するか又は持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む液体及び半固体の剤形で提供することができる。乳剤は2相の系であり、そのうち一方の液体は別の液体の全体に小球の形態で分散しており、水中油又は油中水であることができる。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含んでもよい。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び保存剤を含んでもよい。水性アルコール液剤には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどの医薬として許容し得るアセタール;並びに、プロピレングリコール及びエタノールなど、1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシル剤は、透明で、甘味のある水性アルコール溶液である。シロップ剤は、糖、例えばショ糖の濃縮された水溶液であり、また、保存剤を含んでもよい。液体剤形のために、例えばポリエチレングリコールを溶媒とする溶液は、投与のために簡便に量られるように、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば水で希釈してもよい。
他の有用な液体及び半固体の剤形は、本明細書に提供される活性成分を含むもの、並びに、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化されたモノ-又はポリ-アルキレングリコールを含むが、これらに限定されるわけではなく、ここで、350、550、及び750とは、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートなどの1種以上の抗酸化剤を更に含むことができる。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物はまた、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、又はナノシステムの形状で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に説明されたように調製することができる。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形へ再構成するために、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び散剤として提供することができる。非発泡性顆粒剤又は散剤において使用する医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでもよい。発泡性顆粒剤又は散剤において使用する医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、有機酸及び二酸化炭素源を含んでもよい。
着色料及び香味剤は、前記剤形全てにおいて使用することができる。
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時放出又は改変された放出の剤形として製剤してもよい。
(B. 非経口的投与)
本明細書に提供される医薬組成物は、局所投与又は全身投与のために、注射、注入、又は埋め込みによって非経口的に投与することができる。本明細書において使用される非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿管内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液嚢内投与、膀胱内投与及び皮下投与を含む。
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステムを含む非経口投与に適した任意の剤形で、及び注射前に液体中の溶液又は懸濁液に適した固体形状で製剤することができる。このような剤形は、薬科学分野の業者に公知の従来の方法に従って調製することができる(例えば、Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」前掲、参照)。
非経口投与が意図された医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌剤又は微生物の増殖に対する保存剤、安定化剤、溶解度増強剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結保護剤、リオプロテクタント(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むがこれらに限定されるわけではない1つ以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含むことができる。
好適な水性媒体は、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸加リンゲル注射液を含むが、これらに限定されるものではない。好適な非水性媒体は、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、硬化植物油、硬化大豆油、及びココナツ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシ種子油を含むが、これらに限定されるものではない。好適な水混和性媒体は、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されるものではない。
好適な抗菌剤又は保存剤は、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-及びプロピル-パラベン、並びにソルビン酸を含むが、これらに限定されるものではない。好適な等張化剤は、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、これらに限定されるものではない。好適な緩衝剤は、リン酸塩及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されるものではない。好適な抗酸化剤は、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されたものである。好適な局所麻酔薬は、塩酸プロカインを含むが、これに限定されるわけではない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されたものである。好適な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されたものである。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート剤はEDTAを含むが、これに限定されるわけではない。好適なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、これらに限定されるわけではない。好適な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社、レネクサ、KS)を含む、シクロデキストリンを含むが、これらに限定されるものではない。
本明細書に提供される医薬組成物が反復用量の投与のために製剤される場合、反復用量の非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度で抗菌剤を含まなければならない。全ての非経口製剤は、当技術分野で公知であり且つ実践されるように、無菌でなければならない。
一実施態様において、非経口投与のための医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌溶液として提供される。別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき凍結乾燥した散剤及び皮下錠剤を含む滅菌済み乾燥可溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済み懸濁液として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき滅菌済み乾燥不溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済みエマルションとして提供される。
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時的な又は改変された放出の剤形として製剤することができる。
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、埋め込み型デポ剤としての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロープ液体として製剤することができる。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、体液には不溶性だがそれを通じ医薬組成物中の活性成分を拡散することのできる外側ポリマーメンブレンによって取り囲まれている固体内側マトリックス中に分散している。
好適な内側マトリックスは、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル-メタクリレート、可塑化した又は非可塑化のポリ塩化ビニル、可塑化したナイロン、可塑化したポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性ポリマー、コラーゲン、架橋したポリビニルアルコール、並びに架橋し部分的に加水分解した酢酸ポリビニルを含むが、これらに限定されるものではない。
好適な外側ポリマーメンブレンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーを含むが、これらに限定されるものではない。
(C. 局所投与)
本明細書に提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜へ局所的に投与することができる。本明細書に使用される局所投与は、皮膚(内)、結膜、角膜内、眼球内、眼内、耳内、経真皮、鼻腔、膣、尿道、呼吸器、及び直腸の投与を含む。
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル、軟膏、散粉剤、包帯、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液、チンキ剤、泥膏、泡剤、フィルム、エアゾール、潅注、スプレー、坐薬、絆創膏、及び皮膚貼付剤を含む、局所作用又は全身作用のための局所投与に適している任意の剤形で製剤することができる。本明細書に提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、ナノシステム、及びそれらの混合物も含むことができる。
本明細書に提供される局所製剤における使用に適した医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌剤又は微生物の増殖に対する保存剤、安定化剤、溶解度増強剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、浸透増強剤、凍結保護剤、リオプロテクタント、増粘剤、及び不活性ガスを含むが、これらに限定されるものではない。
本医薬組成物は、電気穿孔、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又はPOWDERJECT(商標)(Chiron社、エメリービル、CA)、及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社、テュアラティン、OR)などの極微針若しくは無針注射により局所投与することもできる。
本明細書に提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム剤、及びゲル剤の形状で提供することができる。好適な軟膏媒体は、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、及び他の油分、白色ワセリンを含む、油性媒体又は炭化水素媒体;親水ワセリン、硫酸ヒドロキシステアリン、及び脱水ラノリンなどの乳化媒体又は吸収媒体;親水軟膏などの、水分除去性媒体;分子量が変動するポリエチレングリコールを含む、水溶性軟膏媒体;セチルアルコール、グリセリルモノステアラート、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかの、エマルジョン媒体を含む。(Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲を参照されたい)。これらの媒体は、皮膚軟化剤であるが、一般に抗酸化剤及び保存剤の添加を必要とする。
好適なクリーム基剤は、水中油又は油中水であることができる。好適なクリーム媒体は、水で洗浄可能であってよく、且つ油相、乳化剤、及び水相を含む。油相は、「内」相とも称され、これは一般にワセリンと、セチルアルコール又はステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールで構成される。水相は必ずしもではないが、通常容積が油相よりも大きく、且つ一般に保湿剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、又は両性界面活性剤であってよい。
ゲル剤は、半固体の懸濁液型システムである。単相ゲル剤は、液体担体全体に実質的に均一に分散された有機高分子を含む。好適なゲル化剤は、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、及びCARBOPOL(登録商標)などの架橋したアクリル酸ポリマー;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、及びポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、及びメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;トラガカントガム及びキサンタンガムなどのガム;アルギン酸ナトリウム;及び、ゼラチンを含むが、これらに限定されるものではない。均一なゲル剤を調製するために、アルコール又はグリセリンなどの分散剤を添加するか、又は摩砕、機械的混合、及び/又は攪拌により、ゲル化剤を分散することができる。
本明細書に提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布剤又はパップ剤、泥膏、散剤、包帯、クリーム剤、硬膏、避妊薬、軟膏、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル剤、泡剤、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸、尿道、膣、又は膣周辺に投与することができる。これらの剤形は、例えば、Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(前掲)に説明されたような従来の方法を用いて製造することができる。
直腸、尿道、及び膣用の坐薬とは、常温では固体であるが、体温で溶融又は軟化し、開口部に活性成分を放出する、体の開口部に挿入するための固体本体である。直腸及び膣用の坐薬において利用される医薬として許容し得る担体は、本明細書に提供される医薬組成物と共に製剤された場合に、体温付近に融点を生じる、硬化剤などの、基剤又は媒体;並びに、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記載された抗酸化剤を含む。好適な媒体は、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白色ワックス及び黄色ワックス、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリドの適切な混合物、並びにポリビニルアルコール、ヒドロキシメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸などのヒドロゲルを含むが、これらに限定されるものではない。様々な媒体の組合せも使用することができる。直腸及び膣用坐薬は、圧縮又は成形により調製することができる。直腸及び膣用坐薬の典型的重量は、約2〜約3gである。
本明細書に提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液のための散剤、ゲル剤、眼球挿入物、及びインプラントの形状で眼科的に投与することができる。
本明細書に提供される医薬組成物は、鼻腔内、又は気道への吸入により投与することができる。本医薬組成物は、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴射剤と組合せて、加圧容器、ポンプ、スプレー、細かい霧を発生するために電気流体力学を使用するアトマイザーなどのアトマイザー、又はネブライザーを使用する送達のためにエアゾール又は溶液の形態で提供することができる。本医薬組成物は、単独で、又は乳糖若しくはリン脂質などの不活性担体と組合せて吹送のための乾燥散剤として;並びに、点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のためには、散剤は、キトサン又はシクロデキストリンを含む、生体接着剤を含有することができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーにおいて使用するための液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書に提供される活性成分を分散し、溶解し、又は放出を延長するのに適した改変剤;溶媒としての噴射剤;並びに/又は、ソルビタントリオレエート、オレイン酸、又はオリゴ乳酸などの界面活性剤を含むように製剤することができる。
本明細書に提供される医薬組成物は、約50μm以下、又は約10μm以下など、吸入による送達に適したサイズにまで微細化することができる。そのようなサイズの粒子は、螺旋式ジェットミル、流動床式ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流動法、高圧均質化、又は噴霧乾燥などの、当業者に公知の粉砕方法を用いて調製することができる。
吸入器又は吹送器において使用するためのカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書に提供される医薬組成物の粉末混合物;乳糖又はデンプンなどの、好適な粉末基剤;並びに、L-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの、性能調節剤を含むように製剤することができる。乳糖は、無水物又は一水和物の形状であってよい。他の好適な賦形剤又は担体は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、及びトレハロースを含むが、これらに限定されるものではない。吸入/鼻腔内投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、メントール及びレボメントールなどの好適な香料;並びに/又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含有することができる。
局所投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、即時放出、又は遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出を含む改変された放出であるよう製剤することができる。
(D. 改変された放出)
本明細書に提供される医薬組成物は、改変された放出剤形として製剤することができる。本明細書において使用される用語「改変された放出」とは、活性成分の放出の速度又は場所が、同じ経路で投与された場合に、即時型剤形のものとは異なる剤形をいう。改変された放出剤形は、遅延放出、拡大放出、延長放出、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出及び迅速放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出、並びに胃内滞留剤形を含むが、これらに限定されるものではない。改変された放出剤形である医薬組成物は、マトリックス制御放出装置、浸透圧制御放出装置、多粒子制御放出装置、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない当業者に公知の様々な改変された放出の装置及び方法を用いて調製することができる。活性成分の放出速度は、活性成分の粒子サイズ及び多形性が変動することにより改変することもできる。
改変された放出の例は、以下に説明されたものを含むが、これらに限定されるものではない:
(1. マトリックス制御放出装置)
改変された放出剤形で本明細書に提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制御放出装置を用いて製造することができる(Takadaらの文献、「制御された薬物送達のエンサイクロペディア(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、第2巻、Mathiowitz編集、Wiley社、1999年を参照されたい)。
いくつかの実施態様において、改変された放出剤形で本明細書に提供される医薬組成物は、非限定的に、合成ポリマー、並びに多糖及びタンパク質などの天然ポリマー及び誘導体を含む、水膨潤性、易侵食性、又は可溶性ポリマーである、易侵食性マトリックス装置を用いて製剤される。
易侵食性マトリックスの形成において有用な材料は、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;アガーガム、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラゲナン、ガッティガム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリン及びマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのホスファチド;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコールエステル;ゼラチン;コラーゲン;エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America社、ピスカタウェイ、NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート);ポリラクチド;L-グルタミン酸とL-グルタミン酸エチルのコポリマー;分解性乳酸-グリコール酸コポリマー;ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びに、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸(2-ジメチルアミノエチル)、及びメタクリル酸(トリメチルアミノエチル)クロリドのホモポリマー及びコポリマーなどの、その他のアクリル酸誘導体を含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、非侵食性マトリックス装置により製剤される。活性成分は、不活性マトリックス中に溶解又は分散され、且つ一旦投与された不活性マトリックスを通じた拡散により主に放出される。非侵食性マトリックス装置としての使用に適した材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、及び炭化ケイ素(silicone carbonate)コポリマーなどの、不溶性プラスチック;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルなどの親水性ポリマー;並びに、カルナバワックス、微晶質ワックス、及びトリグリセリドなどの脂肪化合物を含むが、これらに限定されるものではない。
マトリックス制御放出システムにおいて、望ましい放出速度論は、例えば、使用されるポリマーの型、ポリマーの粘度、ポリマー及び/又は活性成分の粒子サイズ、活性成分対ポリマーの比、並びに組成物内の他の賦形剤又は担体を介して、制御することができる。
改変された放出剤形において本明細書に提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式又は湿式造粒とそれに続く圧縮、及び溶融造粒とそれに続く圧縮を含む、当業者に公知の方法により調製することができる。
(2. 浸透圧制御放出装置)
改変された放出剤形において本明細書に提供される医薬組成物は、1-チャンバーシステム、2-チャンバーシステム、非対称メンブレン技術(AMT)、及び押出コアシステム(ECS)を含むが、これらに限定されるものではない、浸透圧制御放出装置を使用し、製造することができる。概して、そのような装置は、少なくとも2つの構成要素を有する:(a)活性成分を含むコア;及び、(b)該コアを封入している少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜。半透膜は、送達ポートを通る押出により薬物放出を引き起こすように、使用する水性環境からコアへの水の流入を制御する。
浸透圧装置のコアは、活性成分に加えて、使用環境から装置のコアへの水の輸送の駆動力を作出する浸透物質を任意に含む。浸透物質の一つのクラスは、水膨潤性親水性ポリマーであり、これは「オスモポリマー」及び「ヒドロゲル」とも称される。浸透物質として適した水膨潤性親水性ポリマーは、親水性ビニル及びアクリル系ポリマー、アルギン酸カルシウムなどの多糖、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋したPVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルなどの疎水性モノマーとのPVA/PVPコポリマー、大型PEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、及びデンプングリコール酸ナトリウムを含むが、これらに限定されるものではない。
他の浸透物質のクラスは、オスモゲンであり、これは取り囲んでいるコーティングの障壁を越えて浸透圧勾配に影響を及ぼすように水を吸水膨潤することが可能である。好適なオスモゲンは、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、乳糖、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、ショ糖、トレハロース、及びキシリトールなどの糖類;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;及び、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
溶解速度が異なる浸透物質を使用し、活性成分がどのように迅速に剤形から最初に送達されるかに影響を及ぼすことができる。例えばMANOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社、ルイス、DE)などの非晶質糖を使用し、所望の治療作用を即座にもたらすために、最初の2、3時間により速い送達を提供し、所望のレベルの治療作用又は予防作用を長期間にわたって維持するために、残りの量を徐々に且つ連続的に放出することができる。この場合、活性成分は、代謝され排出される活性成分の量に取って代わるような速度で放出される。
またコアは、剤形の性能を増強するため、又は安定性若しくは処理を促進するために、本明細書に記載の多種多様な他の賦形剤及び担体を含有することもできる。
半透膜の形成に有用な材料は、生理的に妥当なpHで水透過性且つ水不溶性であるか、又は架橋などの化学的変化により水不溶性となり易い、様々な等級のアクリル酸、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体を含む。コーティングの形成に有用な好適なポリマーの例は、可塑化された、可塑化されない、及び強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、酢酸エチルカルバミン酸セルロース、CAP、酢酸メチルカルバミン酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸ジメチルアミノ酢酸セルロース、酢酸エチル炭酸セルロース、酢酸クロロ酢酸セルロース、酢酸エチルシュウ酸セルロース、酢酸メチルスルホン酸セルロース、酢酸ブチルスルホン酸セルロース、酢酸p-トルエンスルホン酸セルロース、酢酸アガー、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、ジメチル酢酸アセトアルデヒド、ローカストビーンガムの三酢酸エステル、水酸化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びエステル及びポリ(メタクリル)酸及びエステル並びにそれらのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハロゲン化物、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス及び合成ワックスを含む。
半透膜はまた、米国特許第5,798,119号に開示されたような、細孔が気体により実質的に充填されており、且つ水性媒体により湿潤されていないが、水蒸気を透過可能である、疎水性微小多孔膜でもあることができる。そのような疎水性であるが水蒸気透過性膜は典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハロゲン化物、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス、及び合成ワックスなどの疎水性ポリマーで構成される。
半透膜上の送達ポートは、機械又はレーザーによる孔開けによりコーティング後に形成することができる。送達ポートはまた、水溶性物質のプラグの蝕刻によるか又はコアの窪み上の膜の比較的薄い部分の破壊により、現場で(in situ)形成することができる。加えて、送達ポートは、米国特許第5,612,059号及び第5,698,220号に開示された型の非対称メンブレンコーティングの場合のように、コーティングプロセス時に形成することができる。
放出される活性成分の総量及び放出速度は、半透膜の厚さ及び多孔度、コアの組成、並びに送達ポートの数、サイズ及び位置により、実質的に改変することができる。
浸透圧制御された放出剤形の医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進するために、本明細書に記載のような追加の従来の賦形剤又は担体を更に含有することができる。
浸透圧制御された放出剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる(Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲;Sants及びBakerの文献、J. Controlled Release, 35, 1-21 (1995);Vermaらの文献、Drug Development and Industrial Pharmacy, 26, 695-708 (2000);Vermaらの文献、J. Controlled Release, 79, 7-27 (2002))。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、活性成分及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有するコアを被覆する非対称浸透膜を備える、AMT制御された放出剤形として製剤される。米国特許第5,612,059号及び国際公開公報WO 2002/17918を参照されたい。AMT制御された放出剤形は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、及び浸漬-コーティング法を含む、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有するコアを被覆する浸透膜を備える、ESC制御された放出剤形として製剤される。
(3. 多粒子制御放出装置)
改変された放出剤形中の本明細書に提供される医薬組成物は、直径が約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜約1mmの範囲である、多数の粒子、顆粒、又はペレットを含有する、多粒子制御放出装置として作製することができる。そのような多粒子は、湿式-及び乾式-造粒、押出/球形化、ローラー圧縮、溶融-凝固、及びシードコアのスプレー-コーティングを含む、当業者に公知のプロセスにより製造することができる。例えば、「多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery);Marcel Dekker:1994年;及び、「医薬品ペレット化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)」;Marcel Dekker:1989年を参照されたい。
本明細書に記載のような他の賦形剤又は担体は、多粒子の処理及び形成を補助するために、医薬組成物と配合することができる。得られる粒子は、それら自身多粒子装置を構成するか、又は腸溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、及び水溶性ポリマーなどの様々なフィルム形成材料によりコーティングされることができる。多粒子は、カプセル剤又は錠剤として更に処理することができる。
(4. 標的指向送達)
本明細書に提供される医薬組成物はまた、リポソーム-、再封された赤血球-、及び抗体-ベースの送達システムを含む、治療される対象の体の特定の組織、受容体、又は他の領域を標的指向するように製剤することもできる。例としては、下記の特許に開示されたものを含むが、これらに限定されるものではない:
(使用方法)
一実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における白血病の治療方法が、本明細書において提供される。
いくつかの実施態様において、白血病は再発した白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は難治性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は遺伝性白血病である。いくつかの実施態様において、遺伝性白血病は、重度の先天性好中球減少症(SCN)である。いくつかの実施態様において、遺伝性白血病は急性骨髄性白血病を随伴する家族性血小板障害(FDP/AML)である。いくつかの実施態様において、白血病はLEF1により引き起こされる。いくつかの実施態様において、白血病はLEF1により媒介される。いくつかの実施態様において、白血病はGSK3により引き起こされる。
いくつかの実施態様において、白血病は急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は再発した急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は難治性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はALLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したALLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はAMLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したAMLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、AMLはRAS変異を有する。いくつかの実施態様において、RAS変異はNRAS、KRAS、又はHRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異はNRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異はKRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異はHRASである。
いくつかの実施態様において、白血病は慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は再発した慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は難治性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はCLLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したCLLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はCMLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したCMLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は若年性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は、1つ以上のNF-1変異を伴う若年性CMLである。
いくつかの実施態様において、ALLは、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)、又はリンパ節の芽細胞に起因する白血病である。ALLは、仏国-米国-英国(FAB)形態学的分類スキームに従い、L1−成熟型で出現するリンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)、L2−未熟及び多形性(様々な形状の)リンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)、並びにL3−リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)に分類される。一実施態様において、ALLは、骨髄(B細胞)の芽細胞に起源を有する。別の実施態様において、ALLは、胸腺(T細胞)に起源を有する。更に別の実施態様において、ALLは、リンパ節に起源を有する。更に別の実施態様において、ALLは、成熟型で出現するリンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)により特徴付けられるL1型である。更に別の実施態様において、ALLは、未熟及び多形性(様々な形状の)リンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)により特徴付けられるL2型である。また別の実施態様において、ALLは、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)により特徴付けられるL3型である。
いくつかの実施態様において、AMLは、未分化型AML(MO)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)である。一実施態様において、AMLは、未分化型AML(MO)である。別の実施態様において、AMLは、骨髄芽球性白血病(M1)である。更に別の実施態様において、AMLは、骨髄芽球性白血病(M2)である。更に別の実施態様において、AMLは、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])である。更に別の実施態様において、AMLは、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])である。更に別の実施態様において、AMLは、単球性白血病(M5)である。更に別の実施態様において、AMLは、赤白血病(M6)である。また別の実施態様において、AMLは、巨核芽球性白血病(M7)である。
いくつかの実施態様において、白血病はT細胞白血病である。一実施態様において、T細胞白血病は、末梢T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病、及び成人T細胞白血病である。別の実施態様において、T細胞白血病は末梢T細胞白血病である。更に別の実施態様において、T細胞白血病はT細胞リンパ芽球性白血病である。更に別の実施態様において、T細胞白血病は皮膚T細胞白血病である。また別の実施態様において、T細胞白血病は成人T細胞白血病である。
いくつかの実施態様において、白血病は、フィラデルフィア陽性である。一実施態様において、白血病は、未分化型AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)を含むが、これらに限定されるものではない、フィラデルフィア陽性AMLである。別の実施態様において、白血病はフィラデルフィア陽性ALLである。更に別の実施態様において、白血病はフィラデルフィア陽性CLLである。また別の実施態様において、白血病はフィラデルフィア陽性CMLである。
別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象におけるCLLの治療方法が、本明細書において提供される。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性血液悪性疾患の治療方法が、本明細書において提供される。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、再発した薬物抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、難治性薬物抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、多剤抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、Bcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、イマチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患はダサチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患はニロチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患はボスチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患はシタラビン-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患はビンクリスチン-抵抗性血液悪性疾患である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、薬物抵抗性の骨髄腫、白血病、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)(FLT3媒介性及び/又はKIT-媒介性及び/又はCSFlR-媒介性急性骨髄性白血病を含む)、慢性骨髄性白血病(CML)(FLT3-媒介性及び/又はPDGFR-媒介性慢性骨髄性白血病を含む)、骨髄異形成白血病(FLT3-媒介性骨髄異形成白血病を含む)、骨髄異形成症候群(FLT3媒介性及び/又はKit-媒介性骨髄異形成症候群を含む)、特発性好酸球増加症候群(HES)(PDGFR-媒介性HESを含む)、慢性好酸球性白血病(CEL)(PDGFR-媒介性CELを含む)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、肥満細胞白血病(Kit-媒介性肥満細胞白血病を含む)、又は全身性肥満細胞症(Kit-媒介性全身性肥満細胞症を含む)である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、薬物抵抗性のリンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、ナチュラルキラー(NK)細胞白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、又はナチュラルキラー(NK)細胞リンパ腫である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、薬物抵抗性のランゲルハンス細胞組織球増加症(CSF-1R-媒介性及び/又はFLT3-媒介性ランゲルハンス細胞組織球増加症を含む)、肥満細胞腫瘍、又は肥満細胞症である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性血液悪性疾患は、薬物抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は再発した薬物抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は難治性薬物抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性白血病である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は薬物抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は再発した薬物抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は難治性薬物抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性急性白血病である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性ALLである。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性AMLである。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は薬物抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は再発した薬物抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は難治性薬物抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性慢性白血病である。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性CLLである。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病は多剤抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はイマチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はダサチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はニロチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はボスチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はシタラビン-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はビンクリスチン-抵抗性CMLである。
いくつかの実施態様において、薬物抵抗性白血病はフィラデルフィア陽性である。一実施態様において、薬物抵抗性白血病は、未分化型AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)を含むが、これらに限定されるものではない、フィラデルフィア陽性AMLである。別の実施態様において、薬物抵抗性白血病はフィラデルフィア陽性ALLである。更に別の実施態様において、薬物抵抗性白血病はフィラデルフィア陽性CLLである。また別の実施態様において、薬物抵抗性白血病はフィラデルフィア陽性CMLである。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性白血病の治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、白血病は、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、白血病は、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、白血病は、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性急性白血病の治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、急性白血病は、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、急性白血病は、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、急性白血病は、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性ALLの治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、ALLは、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、ALLは、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、ALLは、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性AMLの治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、AMLは、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、AMLは、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、AMLは、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、ビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性慢性白血病の治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、慢性白血病は、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、慢性白血病は、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、慢性白血病は、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性CLLの治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、CLLは、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、CLLは、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、CLLは、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
更に別の実施態様において、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における薬物抵抗性CMLの治療方法が、本明細書において提供される。一実施態様において、CMLは、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬に対して抵抗性である。別の実施態様において、CMLは、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。更に別の実施態様において、CMLは、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、シタラビン、又はビンクリスチンに対して抵抗性である。
いくつかの実施態様において、この治療有効量は、約0.1〜約100mg/kg/日、約0.1〜約50mg/kg/日、約0.1〜約40mg/kg/日、約0.1〜約30mg/kg/日、約0.1〜約25mg/kg/日、約0.1〜約20mg/kg/日、約0.1〜約15mg/kg/日、約0.1〜約10mg/kg/日、又は約0.1〜約5mg/kg/日の範囲である。一実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約100mg/kg/日の範囲である。別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約50mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約40mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約30mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約25mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約20mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約15mg/kg/日の範囲である。更に別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約10mg/kg/日の範囲である。また別の実施態様において、治療有効量は、約0.1〜約5mg/kg/日の範囲である。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、経口投与される。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約0.1〜約100、約0.5〜約50、又は約1〜約25mg/kg/日の範囲である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、又は約30mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約2、約5、約10、約15、又は約20mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約1mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約2mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約5mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約10mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約15mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約20mg/kg/日である。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、経口投与のための治療有効量は、約0.001〜約20、約0.01〜約10、約0.01〜約5、約0.05〜約1mg/kg/日、約0.05〜約0.95、又は約0.05〜約0.90mg/kg/日の範囲である。いくつかの実施態様において、静脈内投与のための治療有効量は、約0.05、約0.06、約0.08、約0.1、約0.15、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約0.95、約0.99、又は約1mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、静脈内投与のための治療有効量は、約0.1mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、静脈内投与のための治療有効量は、約0.2mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、静脈内投与のための治療有効量は、約0.3mg/kg/日である。いくつかの実施態様において、静脈内投与のための治療有効量は、約0.5mg/kg/日である。
投与される投与量は、mg/kg/日以外の単位で表現することもできることは理解される。例えば、非経口投与のための投与量は、mg/m2/日として表現することができる。当業者は、与えられた対象の身長又は体重のいずれか又は両方に対し、投与量をmg/kg/日からmg/m2/日へ変換する方法を容易に知るであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htm参照)。例えば、ヒト65kgに関する投与量1mg/m2/日は、38mg/kg/日とほぼ等しい。
更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその治療として許容し得る塩若しくは溶媒和物を、定常状態で約0.01〜約100μM、約0.1〜約50μM、約0.2〜約20μM、約1〜約20μM、又は約5〜約20μMの範囲であるシクロピロクス血漿濃度を提供するのに十分な量対象へ投与することを含む、対象における白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患を治療する方法を、本明細書において提供する。一実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、定常状態で約1〜約20μMの範囲であるシクロピロクス血漿濃度を提供するのに十分である。別の実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、定常状態で約1、約2、約5、約10、又は約20μMであるシクロピロクス血漿濃度を提供するのに十分である。本明細書において使用される用語「定常状態での血漿濃度」とは、化合物の投与期間の後に到達する濃度である。一旦定常状態に到達したならば、化合物の血漿濃度の時間に対応する曲線上に小さいピーク及びトラフが存在する。
更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその治療として許容し得る塩若しくは溶媒和物を、約0.01〜約100μM、約0.1〜約50μM、約0.2〜約20μM、約1〜約20μM、又は約5〜約20μMの範囲であるシクロピロクス最高血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分な量対象へ投与することを含む、対象における白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患を治療する方法を、本明細書において提供する。一実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、約1〜約50μMの範囲である最高血漿濃度を提供するのに十分である。別の実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、又は約50μMの最高血漿濃度を提供するのに十分である。
更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその治療として許容し得る塩若しくは溶媒和物を、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドンの2つ以上の投与量が投与される場合、約0.01〜約100μM、約0.1〜約50μM、約0.2〜約20μM、約1〜約20μM、又は約5〜約20μMの範囲であるシクロピロクス最高血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分な量対象へ投与することを含む、対象における白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患を治療する方法を、本明細書において提供する。一実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドンの2つ以上の投与量が投与される場合、約1〜約50μMの範囲である最高血漿濃度を提供するのに十分である。別の実施態様において、投与されるシクロピロクスの量は、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドンの2つ以上の投与量が投与される場合、約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、又は約50μMの最高血漿濃度を提供するのに十分である。
更に別の実施態様において、シクロピロクスが、約1〜約200時間、約2〜約100時間、約5〜約50時間、約5〜25時間、又は約5〜10時間の範囲の半減期(t1/2)を有する、シクロピロクス又はその治療として許容し得る塩若しくは溶媒和物を対象へ投与することを含む、対象における白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患を治療する方法を、本明細書において提供する。一実施態様において、シクロピロクスは、約5、約7、約10、約15、約20、約40、約60、約80、又は約100時間の半減期(t1/2)を有する。
いくつかの実施態様において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施態様において、対象はヒトである。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療される対象は、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の投与前に、治療されるべき白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患に関して抗癌療法により治療されていない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療される対象は、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の投与前に、治療されるべき白血病又は薬物抵抗性血液悪性疾患に関して抗癌療法により治療されている。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療される対象は、年齢が約1〜約100歳、約1〜約10歳、約1〜約15歳、約1〜約20歳、約10〜約20歳、約15〜約85歳、約40〜約85歳、又は約55〜約85歳の範囲である。
本明細書に提供される方法は、一部の疾患又は障害はある年齢群においてより一般的であるにも関わらず、患者の年齢とは無関係に対象を治療することを包含している。問題の疾患又は状態の治療を試みて手術を受けた対象に加え、手術を受けなかった対象を治療する方法が、更に本明細書において提供される。癌を有する対象は、均一でない臨床症状発現及び変動する臨床転帰を有するので、特定の対象に施される治療は、その対象の予後に応じて変動し得る。熟練した臨床医は、過度な実験を行うことなく、癌を有する個々の対象を治療するために効果的に使用することができる具体的二次的薬剤、手術の型、及び薬物をベースにしない標準療法の型を、容易に決定することができるであろう。
治療されるべき疾患及び対象の状態に応じて、シクロピロクス又は医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内の注射又は注入、皮下注射、又は埋め込み)、吸入、経鼻、経膣、経直腸、舌下、又は局所(例えば、経真皮若しくは局部)の投与経路により投与することができる。
シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、各投与経路に好適に、単独で、又は医薬として許容し得る賦形剤、担体、アジュバント及び媒体と一緒に好適な用量で製剤することができる。
一実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、経口投与される。別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、非経口投与される。更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、静脈内に投与される。更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、筋肉内に投与される。更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、皮下に投与される。また別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、局所投与される。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、一実施態様において単回ボーラス注射、別の実施態様において経口錠剤若しくは丸剤などの単回投与量として送達される。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、一実施態様において時間をかけた連続注入、別の実施態様において時間をかけた分割ボーラス投与量などの、時間をかけて送達される。
シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、例えば、患者が安定疾患若しくは退縮を経験するまで、又は患者が疾患進行若しくは許容し難い毒性を経験するまで、必要ならば反復して投与することができる。例えば、固形癌の安定疾患とは一般に、測定可能な病巣の垂直直径が、最終の測定結果から25%以上増加しないことを意味する。固形癌の治療効果判定(RECIST)のためのガイドライン(Journal of the National Cancer Institute 92(3):205-216 (2000)。安定疾患又はそれの欠如は、患者症状の評価、理学的検査、X-線、CAT、PET、又はMRI走査を使用し画像化される腫瘍の可視化、及びその他の通常許容される評価モダリティなどの当該技術分野において公知の方法により決定される。
シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日1回(QD)、又は1日2回(BID)及び1日3回(TID)などの反復1日量に分割して投与することができる。加えて、投与は、連続して、すなわち毎日、又は間欠的であることができる。本明細書において使用される用語「間欠」又は「間欠的に」とは、規則的間隔又は不規則的間隔のいずれかでの停止及び開始を意味することを意図している。例えば、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の間欠投与は、1週につき1〜6日間の投与、サイクル投与(例えば、連続する2〜8週間毎日投与し、その後最大1週間は投与しない休薬期間)、又は隔日投与である。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又は6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドン、又はその医薬としての塩若しくは溶媒和物、又はそれらの医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日1回、1日2回、又は1日3回を、約1〜約26回6週間投与される。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、患者へサイクル投与される。サイクル療法は、ある期間のシクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の投与、それに続くある期間の休薬、及びこの逐次投与の繰り返しに関与している。サイクル療法は、1つ以上の療法に対する抵抗性の発生を減少し、その療法のひとつの副作用を回避若しくは軽減し、及び/又はその治療の有効性を向上することができる。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の投与頻度は、約1日投与量から約1月投与量の範囲である。いくつかの実施態様において、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、隔日、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回である。一実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日1回投与される。別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日2回投与される。更に別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日3回投与される。また別の実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日4回投与される。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1日から6ヶ月まで、1週間から3ヶ月まで、1週間から4週間まで、1週間から3週間まで、又は1週間から2週間まで、1日1回投与される。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、約1週間、2週間、3週間、約4週間、約6週間、約9週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間、又は約26週間にわたり、1日1回投与される。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、間欠的に投与される。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、連続投与される。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、患者へサイクル投与される。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間、又は20週間の間、単回又は分割投与量で毎日投与され、その後約1日〜約10週間の休薬期間が続く。例えば、本方法は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間、又は20週間のサイクルを用いることを意図している。いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、1、3、5、7、9、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、又は30日の休薬期間を伴い、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、又は6週間の間、単回又は分割投与量で毎日投与される。いくつかの実施態様において、休薬期間は14日である。いくつかの実施態様において、休薬期間は28日である。一実施態様において、休薬期間は骨髄回復に十分な期間である。投薬サイクルの頻度、回数及び長さは、増大又は減少することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は:i)シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の初回1日量を対象へ投与すること、ii)少なくとも1日の休薬期間、この間シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は対象に投与されない;iii)シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の第二投与量を対象へ投与すること;並びに、iv)工程ii)からiii)を複数回繰り返すこと:を含む。
シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、当業者に周知の包装材料を用いて製品として提供することもできる。例えば米国特許第5,323,907号;第5,052,558号;及び、第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の例は、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、及び選択された製剤並びに意図された投与及び治療の様式に適している任意の包装材料を含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施態様においてまた、医療従事者により使用される場合に、対象へ適量の活性成分の投与を簡便にすることができるキットも、本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるキットは、容器、並びにシクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の剤形を含む。いくつかの実施態様において、キットは、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の剤形の入った容器を含む。
本明細書に提供されるキットは更に、活性成分の投与に使用される装置を含む。そのような装置の例には、注射器、無針注入器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供されるキットは、活性成分の投与のためのコンドームも含むことができる。
本明細書に提供されるキットは更に、1種以上の活性成分の投与に使用することができる医薬として許容し得る媒体を含むことができる。例えば活性成分を、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供する場合、キットは、非経口投与に適した粒子を含まない滅菌溶液が形成されるように、活性成分を溶解することができる適切な媒体の密閉容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例は、注射用水(米薬局方)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、乳酸加リンゲル注射液などであるがこれらに限定されることのない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されることのない水混和性媒体;並びに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されることのない非水性媒体を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様において、シクロピロクス又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を白血病幹細胞と接触させる工程を含む、白血病幹細胞の成長を阻害する方法が、本明細書において提供される。いくつかの実施態様において、シクロピロクスの有効量は、約1pM〜約1mM、約10pM〜約10μM、約100pM〜約2μM、又は約1nM〜約1μMの範囲である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発した白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性白血病幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発した急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性急性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性急性白血病幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発したALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性ALL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性ALL幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はAML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発したAML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性AML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性AML幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発した慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性慢性白血病細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はCLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発したCLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性CLL幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性CLL幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はCML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は再発したCML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は難治性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は薬物抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞は多剤抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害剤抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はイマチニブ-抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はダサチニブ-抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はニロチニブ-抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はボスチニブ-抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はシタラビン-抵抗性CML幹細胞である。いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はビンクリスチン-抵抗性CML幹細胞である。
いくつかの実施態様において、白血病幹細胞はフィラデルフィア陽性白血病幹細胞である。一実施態様において、白血病幹細胞はフィラデルフィア陽性ALL幹細胞である。別の実施態様において、白血病幹細胞はフィラデルフィア陽性AML幹細胞である。更に別の実施態様において、白血病幹細胞はフィラデルフィア陽性CLL幹細胞である。また別の実施態様において、白血病幹細胞はフィラデルフィア陽性CML幹細胞である。
細胞増殖の阻害は、関心対象の化合物と接触された細胞数の計数、化合物と接触されないそれ以外は同一の細胞との細胞増殖の比較、又はその細胞を含んでいる腫瘍のサイズの測定により評価することができる。細胞の数に加え、細胞のサイズは、当該技術分野において公知の任意の方法(例えば、トリパンブルーサイズ排除及び細胞計数、細胞内の発生期DNAへの3H-チミジン取込みの測定)を使用し、容易に評価することができる。
本開示は、以下の非限定的実施例により更に理解されるであろう。
(実施例)
本明細書において使用されるこれらのプロセス、スキーム及び実施例において使用される記号及び規約は、特定の略語が具体的に定義されるかどうかに関わらず、例えばJournal of the American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryなどの現代の科学文献において使用されるものと一致している。具体的には、しかし非限定的に、下記の略語を、実施例において及び本明細書を通じて使用することができる:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mmol(ミリモル);hr又はhrs(時間);min(分);及び、DMSO(ジメチルスルホキシド)。
下記実施例の全てに関して、当業者に公知の標準の手順を利用することができる。別に指定しない限りは、全ての温度は℃(摂氏度)で表されている。全ての手順は、別に注記しない限りは、室温で実行される。本明細書に例示された方法は、具体的実施例の使用を通じて適用可能な科学を例示することを意図しているが、本開示の範囲を指示するものではない。
(実施例1)
(全般的生物学的方法)
(細胞培養)
白血病細胞又は細胞株(HL-60、RSV411、k562、Jurkat、U937)、リンパ腫細胞又は細胞株(MDAY-D2)、固形腫瘍細胞又は細胞株(PPC-1、HeLa、OVCAR-3、DU-145、HT-29)、並びにGM05757ヒト肺線維芽細胞を、RPMI 1640培地において培養した。HepG2ヘパトーマ細胞及びMRC5ヒト肺線維芽細胞は、ダルベッコ改変イーグル培地において増殖した。OCI-M2、OCI-AML2、及びNB4白血病細胞株並びにOPM2、KMS11、LP1、UTMC2、KSM18、及びOCIMy5骨髄腫細胞株は、Iscove改変ダルベッコ培地において維持した。LF1ヒト肺線維芽細胞は、HAM培地において維持した。全ての培地は、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン100μg/mL、及びストレプトマイシン100単位/mLを補充した(全てHyclone社、ローガン、UTより入手)。これらの細胞は、5%CO2を補充した加湿大気内で、37℃でインキュベーションした。
(細胞周期)
細胞は、収集し、冷PBSで洗浄し、70%冷エタノール中に再度浮遊させ、且つ-20℃で一晩インキュベーションした。その後細胞を、DNase-非含有RNase(Invitrogen社、カールスバッド、CA)100ng/mLにより37℃で30分間処理し、冷PBSで洗浄し、プロテアーゼ阻害剤(Sigma社)50μg/mLを含むPBS中に再度浮遊させた。DNA含量は、フローサイトメトリー(FACSCalibur;BD Biosciences社、サンノゼ、CA)により分析した。
(実施例2)
(抗癌活性に関するルシフェラーゼアッセイ)
シクロピロクスの抗癌活性を、本明細書に記載のようなルシフェラーゼアッセイを用いて決定した。
ルシフェラーゼアッセイのために、ホタルルシフェラーゼを駆動するヒトサバイビンプロモーターを安定して過剰発現するHeLa細胞を使用し、これは最初に、フォワードプライマー
、及びリバースプライマー
を使用し、HeLaゲノムDNAから、完全長サバイビンプロモーター(開始ATGの-1059上流)を単離することにより調製した。次にサバイビンプロモーターを、GL4.20ホタルルシフェラーゼレポーターベクター(Promega社、マジソン、WI)へとサブクローニングした。クローンは、CEQ 8000 Genetic Analysis System(Beckman社、ミシサガ、ON、カナダ)を使用し、方向及び完全性について配列証明した。HeLa細胞は、リポフェクタミン(Invitrogen社、CA)を用いサバイビンプロモーター構築体単独又はベクター単独によりトランスフェクションし、安定したクローンをピューロマイシン(4μg/mL)(Sigma社)により選択した。こうして選択された安定したHeLa細胞を、シクロピロクスのその抗癌活性に関する試験に使用した。
抗癌活性を決定するために、ホタルルシフェラーゼを駆動するヒトサバイビンプロモーターを安定して過剰発現しているHeLa細胞を、シクロピロクス5μMにより24時間処理した。これらのHeLa細胞(15,000個細胞/ウェル)を、96-ウェルプレートに播種した。プレートに接着した後、HeLa細胞を、シクロピロクス5μM(0.05%DMSO)により処理した。24時間インキュベーションした後、サバイビンプロモーター活性を、ルシフェラーゼアッセイを用いて評価し、サバイビンプロモーターのトランス活性化の阻害を評価した。測定時に、細胞培養培地を96-ウェルプレートから除去し、このプレートに1×Glo溶解緩衝液(Promega社)を添加した。10分間インキュベーションした後、等量のBright-Gloルシフェラーゼ基質(Promega社)を添加し、ルミネセンスシグナルを積分時間5秒で96-ウェルLuminoskanルミネセンスプレートリーダー(Thermo Fisher Scientific社、ウォルタム、MA)により検出した。
シクロピロクスは、ルシフェラーゼアッセイを用いて再現性について再試験し、且つ生存度についても試験した。細胞生存度は、CellTiter96水性非放射性(MTS)アッセイを用いて決定し、ここではヨウ化プロピジウム(PI)染色を使用した(Biovision社、マウンテンビュー、CA)。
シクロピロクスは、白血病細胞株を、漸増濃度の該化合物で72時間処理することにより、抗癌剤として更に評価した。細胞生存度も、MTSアッセイにより測定した。細胞死は、PIによる細胞染色後に、フローサイトメトリーによりsub-G1ピークの存在を検出することにより評価した。
結果は正規化し、かつBスコア(Gunterの文献、J Biomol. Screen. 2003, 8, 624-633)を用い、系統誤差について補正した。
シクロピロクスは、処理後24時間で90%を超える細胞生存度を維持しつつも、サバイビントランス活性化を60%を超えて抑制した。シクロピロクスのサバイビントランス活性化に対する作用は、用量反応試験において確認した。
(実施例3)
(HeLa細胞におけるサバイビンmRNA及びタンパク質発現レベルの決定)
シクロピロクスで処理した野生型HeLa細胞におけるサバイビンmRNA及びタンパク質発現のレベルを、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(QRT-PCR)及び免疫ブロット法を用いて測定し、その抗癌活性を決定した。
QRT-PCRに関して、サバイビン及びグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)をコードしているcDNAを、下記プライマー対を用いて増幅した:サバイビン、フォワード、
リバース、
及び、GAPDH、フォワード、
リバース、
。
等量のcDNAを、調製したマスター混合物(SYBR Green PCRマスターミックス;Applied Biosystems社、フォスターシティ、CA)へ添加した。QRT-PCRを、ABI Prism 7700配列検出システム(Applied Biosystems社、フォスターシティ、CA)において行った。転写物の相対存在量を、増幅の閾値サイクル(CT)により表し、これは標的RNA/増幅される第一鎖cDNAの量に逆相関した。等量の後者に関して正規化するために、推定ハウスキーピング遺伝子GAPDHの転写物レベルをアッセイした。
免疫ブロット法のために、総細胞溶解液を調製した。細胞を、リン酸-緩衝食塩水pH7.4で洗浄し、プロテアーゼ阻害剤(コンプリート錠;Roche社、IN)を含有する溶解緩衝液(10mMトリス、pH7.4、150mM NaCl、0.1%Triton X-100、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、及び5mM EDTA)中に浮遊させた。細胞を、氷上で、細胞質緩衝液(10mM HEPES、10mM KCl、0.1mM EDTA、0.1mM EGTA、DTT 1mM、NP40 0.65%、プロテアーゼ阻害剤、pH7.4)と一緒に15分間インキュベーションすることにより細胞質タンパク質を抽出し、且つ10,000gで1分間、4℃で遠心した後、核抽出物を単離した。ペレットを、溶解緩衝液(10mMトリス、pH7.4、150mM NaCl、0.1%Triton X-100、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、SDS 1.7%、グリセロール5%及び5mM EDTA)中に30分間再浮遊させ、その後最高速度で20分間、4℃で遠心した。タンパク質濃度は、Bradfordアッセイにより測定した。等量のタンパク質に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ポリアクリルアミドゲルを施し、引き続きポリ二フッ化ビニリデンメンブレンに転写した。メンブレンを、ポリクローナルウサギ抗-ヒトサバイビン抗体(1μg/mL)(NOVUS社)、モノクローナルマウス抗-ヒトp53抗体(0.5μg/mL)、ポリクローナルウサギ抗-ヒトGR抗体(0.5μg/mL)(両方共Santa Cruz Biotechnologies社、CA)により;又は、マウス抗-ヒトGADPH抗体(Trevigen社、ガイザースバーグ、MD)によりプロービングした。二次抗体(GE Healthcare社、Chalfont St Giles、英国)は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ-複合したヤギ抗マウスIgG抗体(1:10,000、v/v)及び抗ウサギ抗体(1:5000、v/v)であった。検出は、増強化学ルミネセンス法(Pierce社、ロックフォード、IL)により行った。
シクロピロクスは、各々QRT-PC及び免疫ブロット法で評価したところ、野生型HeLa細胞において、サバイビンmRNA及びタンパク質発現を減少させた。
(実施例4)
(白血病幹細胞)
シクロピロクスを、TEX細胞及びM9-ENL1細胞の生存度を低下するその能力について試験した。TEX細胞及びM9-ENL1細胞は、各々TLS-ERG又はMLL-ENL癌遺伝子により形質導入された分化系列欠損(lineage-depleted)ヒト臍帯血細胞(Lin-CB)に由来し、階層的分化及び骨髄再増殖などの白血病幹細胞に類似した特性を示す。TEX細胞及びM9-ENL1細胞を、シクロピロクスにより最終濃度1μM又は5μMで処理した。インキュベーション後72時間で、細胞生存度をAlamar Blueアッセイにより測定した。
シクロピロクスは、TEX細胞及びM9-ENL1細胞の生存度を、少なくとも75%低下することができ、各々LD50が1.5μM及び2.5μMであることがわかった。
(実施例5)
(マウス異種移植モデル)
マウス異種移植モデルを使用し、シクロピロクスのインビボ抗癌活性を評価した。
マウス異種移植モデルを、NOD/SCIDマウス(Ontario Cancer Institute、トロント、ON)へ、MDAY-D2(MDAY)マウス白血病細胞(5×105個)を腹腔内若しくは皮下注射することにより;又は、OCI-AML2(2×106個)、K562細胞(2×106個)、MDAY-D2、又はU937白血病細胞を、致死量以下で照射したNOD-SCIDマウス(3.5Gy)の側腹部に皮下接種することにより、調製した。
腫瘍が容積200mm3に達した時点で、化合物治療を開始し、この時点でマウスを無作為化し、シクロピロクス25mg/kg/日(治療群)又は緩衝液対照(非治療群)を経口強制摂取で5〜7日間受け取るようにした。キャリパー測定を、毎週2回行い、腫瘍容積を概算し(腫瘍の長さ×幅2×0.5236)(Phamらの文献、Mol. Cancer Ther. 2004, 3, 1239-1248)、治療群と非治療群の間で差異を比較した。細胞の注射後8日目(MDAY-D2)、16日目(OCI-AML2)、又は30日目(K562)に、マウスを屠殺し、腫瘍の容積及び重量を測定した。緩衝液対照と比べ、経口シクロピロクスは、3モデル全てにおいて腫瘍の重量及び容積を減少した。シクロピロクス処置後に肉眼による臓器毒性又は体重減少はないことがわかった。
或いは、原発性AML細胞を、致死量以下で照射したヌード/NOD/SCID雌マウスの右大腿部へ大腿内注射した。注射後4週間、マウスをシクロピロクス(20mg/kg/日)で7日中5日間で4週間治療した。実験の終了時に、マウスを屠殺し、細胞を大腿からフラッシングした。ヒト細胞の骨髄への生着を、APC-Cy7-抗-CD45抗体及びフローサイトメトリーを使用し、ヒトCD45細胞の割合を数え上げることにより評価した。生着した細胞は、ヒトCD33の存在及びCD19の欠如により起源が白血病であることを確認した。緩衝液のみで処置したマウスと比べ、シクロピロクスによる処置は、肉眼による臓器毒性又は体重減少は伴わずに、原発性AML細胞の生着を有意に減少した。
(実施例6)
(シクロピロクスの薬物動態)
シクロピロクスの薬物動態パラメータを、ラット及びイヌにおいて、[14C]-シクロピロクスオラミンを使用し、決定した。シクロピロクスを、ラット及びイヌに経口投与した。ラットにおいて、シクロピロクスを1mg/kgの投与レベルで経口投与し、投薬後0.25時間でCmaxの0.083〜0.17μg/mLを認め、t1/2は6.8〜7.6時間であった。イヌにおいて、シクロピロクスを15mg/kg/日の投与レベルで経口投与し、1.5〜2時間以内にCmaxの2〜7.5μg/mLを認めた。イヌにおける90日間の経口反復投与試験において、シクロピロクスオラミン投与量10mg/kg/日後に、平均Cmaxは3.9μg/mLであった。
ヒトCD33の存在及びCD19の欠如。
(実施例6)
(細胞増殖アッセイ及びIC50の決定)
(接着細胞)
0日目に、細胞を、96-ウェル組織培養プレートの個々のウェルへ、培地100μL中に20,000個細胞/ウェルで播種した。翌日、化合物を、培地100μL中に希釈し、合計200μLとした。化合物の各濃度を、DMSO中に1000倍濃度で調製した(例えば、アッセイにおける最終濃度20μMに関して、化合物を100%DMSO中に20mMで調製した)。その後化合物を培地中に1:500で希釈し、各ウェルに100μLの量を添加し、0.1%DMSOで最終濃度1:1000とした。化合物の各濃度は、3つ組で試験した。細胞を37℃、5%CO2でインキュベーションした。72時間後、CellTiter 96 Aqueous One Solution細胞増殖アッセイ(Promega社)の20μLを、各ウェルに添加した。細胞を、インキュベーター内に戻し、490nmでの吸光度を2〜3時間後に測定した。代謝活性のある細胞の数を50%だけ減少する化合物の濃度を決定し、IC50として報告した。「生存率(%)」は、平均バックグラウンド値(培地のみ)を減算することにより決定し、DMSOのみで処置した細胞から得られた平均値に対する比として表現した。
(浮遊細胞)
浮遊細胞によるアッセイは、40,000〜60,000個の細胞を各ウェルに添加し、且つ化合物を細胞播種後ただちに添加したこと以外は、同様であった。
前述の実施例は、請求される実施態様をどのように作製し且つ使用するかの完全な開示及び説明を当業者に与えるために提供されており、本明細書に開示されたものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に明らかな変更は、以下の請求項の範囲内であることが意図されている。本明細書に引用された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、そのような刊行物、特許、及び特許出願の各々が引用により本明細書中に組み込まれていることが具体的且つ個別に示されているように、引用により本明細書中に組み込まれている。