以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図16は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された内枠4とを備えている。
内枠4の前面側には、その上部側に遊技盤5を装着するための遊技盤装着枠6等が、下部側に発射手段7、下部スピーカ8a等が夫々配置されると共に、それらの前側を覆う前扉9がヒンジ3と同じ側のヒンジ10により開閉自在に枢着されている。
前扉9には、遊技盤5の遊技領域5aに対応して窓孔11が形成され、例えばその周囲に複数の上部スピーカ8b、送風演出装置12等の演出手段が配置されている。また、前扉9の下部側には、例えば左寄りの位置に、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段7に供給する上皿13が配置されており、更にその上皿13の下側には、上皿13が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿14が左端側に、発射手段7を作動させるための発射ハンドル15が右端側に夫々配置されている。
また、前扉9の前面側には、窓孔11の周囲を前側から略覆う上装飾カバー16と、上皿13、下皿14等を前側から略覆う下装飾カバー17とが装着されており、前扉9の背面側には、窓孔11を後側から略塞ぐガラスユニット18が着脱自在に装着されている。また、下装飾カバー17上には、例えば上皿13の前側の左右方向略中央に遊技者が操作可能な演出ボタン19が、またその右側に球貸し操作部20が夫々配置されている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠6に対して例えば前側から装着され、1又は複数の固定具21により着脱自在に固定されている。遊技盤5の前面側には、発射手段7によって発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域5aに、多数の遊技釘(図示省略)の他、中央表示ユニット23、始動入賞ユニット24、大入賞ユニット25、普通入賞ユニット26等のユニット部品が夫々着脱自在に装着されている。それら複数のユニット部品23〜26には、普通図柄表示手段27、普通保留個数表示手段28、第1特別図柄表示手段29、第2特別図柄表示手段30等の各種表示手段の他、普通図柄始動手段31、第1特別図柄始動手段32、第2特別図柄始動手段33、大入賞手段34、複数(ここでは3つ)の普通入賞手段35a〜35c等が設けられている。
また、遊技領域5aの最下流部、即ち例えば左右方向略中央における下部側にはアウト口部材36が例えばガイドレール22の内面側に一体に設けられている。このアウト口部材36は、アウト口36aを構成するもので、入賞手段に入賞することなく遊技領域5aの最下流部まで流下してきた遊技球(アウト球)はこのアウト口36aを経て遊技盤5の後側に排出される。
中央表示ユニット23は、画像表示手段38に対応する表示窓23aを備え、例えば遊技領域5aの左右方向略中央における上部側に配置されており、発射手段7により遊技領域5aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この中央表示ユニット23の左側の左流下経路37aと右側の右流下経路37bとの何れかを流下するようになっている。中央表示ユニット23は、図3等に示すように、第1装着孔39aに対して前側から装着され、その外周側の前面板40の一部を第1装着孔39aの外側で遊技盤5の前面に当接させてネジ止めすることにより遊技盤5に固定されている。なお、前面板40はその前側を遊技球が通過可能となっている。画像表示手段38は例えば液晶式で、中央表示ユニット23の後側に配置され、例えば遊技盤5の背面側に固定されており、演出図柄表示手段41、第1特別保留個数表示手段42、第2特別保留個数表示手段43、エラー報知手段44(図11)等を構成している。
また中央表示ユニット23には、普通図柄表示手段27、普通保留個数表示手段28、第1特別図柄表示手段29、第2特別図柄表示手段30等の表示手段の他、普通図柄始動手段31、磁気センサMS1等が設けられている。
普通図柄始動手段31は、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えば中央表示ユニット23の右側下部の右流下経路37b上で前面板40の前側に突設されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段45を備えている。
普通図柄表示手段27は、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段31が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段31による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。そして、普通図柄表示手段27の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合には遊技者に有利な普通利益状態が発生し、後述する第2特別図柄始動手段33が所定の開閉パターンに従って所定時間閉状態から開状態に変化する。
なお、普通図柄始動手段31による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値等の普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、普通図柄表示手段27による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(以下、普通保留個数)は、例えば上限保留個数と同数の発光体を備える普通保留個数表示手段28がその発光個数によって遊技者に報知するようになっている。
第1特別図柄表示手段29と第2特別図柄表示手段30とは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の第1,第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されている。そして、第1特別図柄表示手段29は第1特別図柄始動手段32に遊技球が入賞することを条件に、また第2特別図柄表示手段30は第2特別図柄始動手段33に遊技球が入賞することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段32,33への遊技球入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。そして、第1特別図柄表示手段29と第2特別図柄表示手段30との何れかが変動後に大当たり態様となった場合には遊技者に有利な特別利益状態が発生し、後述する大入賞手段34が所定の開放パターンに従って開放する。
なお、第1,第2特別図柄表示手段29,30による遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値等の第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、第1,第2特別図柄表示手段29,30による図柄変動が開始される毎に順次消化される。第1,第2特別乱数情報の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段42,43が例えば第1,第2保留表示画像X,Yの表示個数によって遊技者に報知するようになっている。
磁気センサMS1は、例えばIC式で、正面視略長方形で前後幅が薄い扁平状に形成されており、普通図柄始動手段31の近傍に配置され、図3に示すように例えば前面板40の背面に沿って着脱自在に装着されている。
また中央表示ユニット23には、左右一側、例えば左側にワープ入口46が設けられ、また前側下部に、ワープ入口46に入球した遊技球を自由に転動させて左右方向中央の中央落下部47又はその側方から落下させるステージ48が設けられている。
中央表示ユニット23の下側には、遊技領域5aの左右方向略中央に始動入賞ユニット24が、右側に大入賞ユニット25が、左側に普通入賞ユニット26が夫々配置されている。そして、例えば第1特別図柄始動手段32と第2特別図柄始動手段33とが始動入賞ユニット24に、大入賞手段34が大入賞ユニット25に、普通入賞手段35a〜35cが普通入賞ユニット26に夫々設けられている。
始動入賞ユニット24は、アウト口部材36の上側近傍に配置され、例えばアウト口部材36と同じ第2装着孔39bに装着されており、図4,図5等に示すように、第2装着孔39bに対して前側から装着される前装着体51と、第2装着孔39bに対して後側から装着される後装着体52とで構成されている。
前装着体51は、遊技盤5の前面に沿う板状の前面部材53と、第1特別図柄始動手段32を構成する第1始動入賞口54と、第2特別図柄始動手段33を構成する第2始動入賞口55と、この第2始動入賞口55に遊技球を案内する入賞案内手段56とを備えている。
前面部材53は、第2装着孔39bの形状に対応して例えば正面視逆T字状に形成され、その前面側には任意の装飾が施されており、外縁側を第2装着孔39bの外側で遊技盤5の前面に当接させた状態でネジ止め等により遊技盤5に着脱自在に固定されている。前面部材53の背面側には、遊技盤5に対して位置決めするための第1位置決め凸部50aと、後装着体52を位置決めするための第2位置決め凸部50bとが夫々複数形成されている。遊技盤5の前面側には、第2装着孔39bの周辺部に複数の位置決め凹部50cが設けられており、前面部材53は、第1位置決め凸部50aを位置決め凹部50cに夫々嵌合させることによって遊技盤5の所定位置に位置決めされている。
第1始動入賞口54は、前面部材53の前側で上向きに開口する樋状に形成され、例えば前面部材53の上端部に配置されており、入賞した遊技球を後向きに案内する入賞球案内部54aを備えている。第2始動入賞口55は、前面部材53に形成された例えば正面視略正方形の開口で、第1始動入賞口54の下側近傍に配置されている。入賞案内手段56は、前面部材53の前側に突出する突起状に形成され、例えば第2始動入賞口55の左右両側に配置されており、その上面は遊技球を左右方向の内側、即ち第2始動入賞口55の前側に案内する傾斜面56aとなっている。
後装着体52は、遊技盤5の背面側に装着される後部ケース57と、この後部ケース57の前側に例えば一体に形成され且つ第2装着孔39b内に後側から挿入される装着孔挿入部58とを備えている。装着孔挿入部58は、第1始動入賞口54に入賞した遊技球を遊技盤5の後側に案内する第1入賞案内通路61と、第2始動入賞口55に入賞した遊技球を遊技盤5の後側に案内する第2入賞案内通路62と、第2始動入賞口55を開閉可能な開閉部材63と、磁気センサMS2と、第2位置決め凸部50bに対応する複数の位置決め凹部65とを備えている。
第1入賞案内通路61と第2入賞案内通路62とは上下に隣接して配置され、共に後ろ下がりの傾斜状に形成されており、第2入賞案内通路62の前端部に開閉部材63が配置されている。開閉部材(可動体)63は、第2始動入賞口55に対応する正面視略正方形の板状で、その下端部に設けられた左右方向の回転軸63a廻りに揺動自在に支持されており、開閉駆動手段66からの駆動力を受けるための駆動受け部63bが回転軸63aに対して例えば後向きに突設されている。
第2入賞案内通路62の下側には磁気センサMS2が着脱自在に装着されている。この磁気センサMS2は、例えばリードスイッチ式で、細長扁平状に形成され、センサホルダ67によって横長略水平に支持されている。
後部ケース57は、例えば前後方向幅が遊技盤5の板厚と同程度の略箱形で、図5,図6等に示すように、第1始動入賞口54に入賞した遊技球を遊技盤5の後側で下向きに排出する第1排出案内通路68と、第2始動入賞口55に入賞した遊技球を遊技盤5の後側で下向きに排出する第2排出案内通路69とを内部に一体に備えると共に、第1入賞検出手段70、第2入賞検出手段71、開閉駆動手段66等を収容している。
第2排出案内通路69は、第2入賞案内通路62の後側から例えば下向きに配置されており、その第2排出案内通路69の例えば下端部近傍に、遊技球を検出可能な第2入賞検出手段71が着脱自在に装着されている。第1排出案内通路68は、第1入賞案内通路61の後側から左右方向の一方側、例えば右側に屈曲して第2排出案内通路69の一側、例えば右側に沿って下向きに配置されており、その第1排出案内通路68の例えば下端部近傍に、遊技球を検出可能な第1入賞検出手段70が着脱自在に装着されている。
開閉駆動手段(電磁駆動手段)66は、電磁ソレノイドにより構成され、例えば可動鉄心66aを下側に向けた状態で第2排出案内通路69の左側、即ち磁気センサMS2の左端部後側近傍に配置されており、ON(励磁)状態のときに可動鉄心66aが上向きに移動するようになっている。可動鉄心66aには、開閉連動部材72の一端側が着脱自在に固定されており、この開閉連動部材72の他端側が、開閉部材(可動体)63の駆動受け部63bに係合している。これにより、開閉駆動手段66がOFF(非励磁)状態のときには開閉部材63が略鉛直に保持され、開閉駆動手段66がOFF(非励磁)状態からON(励磁)状態に切り替わったとき、可動鉄心66aと共に開閉連動部材72が上昇して開閉部材63が前側に揺動し、後ろ下がりの傾斜状となる。
後装着体52は、例えば前装着体51が遊技盤5の前側に装着された後で遊技盤5の後側から装着される。後装着体52を装着する際には、位置決め凹部65を夫々前装着体51側の第2位置決め凸部50bに後側から嵌合させつつ、装着孔挿入部58等を第2装着孔39bに後側から挿入する。そして、後部ケース57の前面を遊技盤5の背面に当接させ、その状態で後装着体52をネジ止め等により遊技盤5に固定する。このとき、後装着体52側の開閉部材63が前装着体51側の第2始動入賞口55に後側から嵌め込まれ、第2始動入賞口55は開閉部材63により開閉可能な状態となる。即ち、開閉駆動手段66がOFF(非励磁)状態のときには開閉部材63が略鉛直となって第2始動入賞口55は遊技球入賞不可能な閉状態に保持され(図5に実線で示す)、開閉駆動手段66がOFF(非励磁)状態からON(励磁)状態に切り替わったとき、開閉部材63が前側に揺動して第2始動入賞口55が開状態となる(図5に二点鎖線で示す)。
また、後装着体52が遊技盤5に装着されたとき、その下部側に配置された磁気センサMS2は、アウト口部材36の上側近傍で第2装着孔39b内に収容されると共に前縁側が前面部材53の背面に当接又は近接した状態となる(図5参照)。これにより、ガラスユニット18の前側からアウト口36a付近に磁石が近づいた場合に確実にその磁気を検知することが可能である。
以上説明した始動入賞ユニット24上で、第1特別図柄始動手段32は、第1始動入賞口54、第1入賞案内通路61、第1排出案内通路68、第1入賞検出手段70等により構成されており、第1始動入賞口54に遊技球が入賞すると、その遊技球は第1入賞案内通路61、第1排出案内通路68を経て遊技盤5の後側に排出され、またその際に第1入賞検出手段70によって検出される。なお、遊技領域5a内の釘配置(図示省略)等により、この第1特別図柄始動手段32へは、右流下経路37bを流下してきた遊技球よりも左流下経路37aを流下してきた遊技球(ステージ48を経た遊技球を含む)の方が入賞の可能性が高くなっている。従って、この第1特別図柄始動手段32に遊技球を入賞させるためには遊技者はいわゆる左打ちをすることが望ましい。
また第2特別図柄始動手段33は、第2始動入賞口55、第2入賞案内通路62、第2排出案内通路69、第2入賞検出手段71、開閉部材(可動体)63、開閉駆動手段(電磁駆動手段)66等により構成されており、普通図柄表示手段27の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に発生する普通利益状態中に、開閉駆動手段66のON(励磁)/OFF(非励磁)によって開閉部材63が第2始動入賞口55を開閉し、開状態となった第2始動入賞口55に遊技球が入賞すると、その遊技球は第2入賞案内通路62、第2排出案内通路69を経て遊技盤5の後側に排出され、またその際に第2入賞検出手段71によって検出される。
大入賞ユニット25は、アウト口部材36及び始動入賞ユニット24の右側にガイドレール22に沿って配置され、遊技盤5に形成された第3装着孔39cに対して前側から着脱自在に装着されており、図7,図8等に示すように、遊技盤5の前面に沿う板状の前面部材81と、この前面部材81の背面側に設けられ且つ第3装着孔39c内に前側から挿入される装着孔挿入部82と、前面部材81の前面側下部に設けられる球誘導部材83とを備えている。
前面部材81は、その外縁側が装着孔挿入部82に対して鍔状に突出しており、この突出部分が第3装着孔39cの周囲で遊技盤5の前面に当接し、例えばネジ止めにより遊技盤5に固定されている。前面部材81の上部側には、大入賞手段34を構成する大入賞口84が、例えば正面視横長略矩形の開口状に形成されると共に、同じく大入賞手段34を構成する開閉部材85が大入賞口84に対応して装着されている。
開閉部材(可動体)85は、大入賞口84に対応する略矩形の板状で、その下端部に設けられた左右方向の回転軸85a廻りに揺動自在に支持されており、左右方向の一端側には、開閉駆動手段86からの駆動力を受けるための駆動受け部85bが回転軸85aに対して例えば後向きに突設されている。
装着孔挿入部82は、大入賞口84の後側に形成された入賞室87と、大入賞口84が開状態のときに入賞した遊技球を入賞室87から遊技盤5の後側に案内する排出案内通路88とを備えると共に、入賞検出手段89、開閉駆動手段86、磁気センサMS3等を収容している。
入賞室87は、前側、即ち大入賞口84側が開放した略箱形に形成されており、例えばその底壁87aの左右方向一端側に、排出案内通路88の上流端側に対応する流下口91が形成されている。入賞室87の底壁87aは、流下口91側が低い傾斜状に形成されており、大入賞口84を経て入賞室87内に流入した遊技球を流下口91側に案内するようになっている。また、入賞室87の下側には入賞検出手段89が着脱自在に装着されており、流下口91内に落下した遊技球は、この入賞検出手段89で検出された後、排出案内通路88に流入し、例えば後向きに案内されて遊技盤5の後側に排出される。
開閉駆動手段(電磁駆動手段)86は、電磁ソレノイドにより構成され、例えば可動鉄心86aを右側に向けた状態で入賞室87の後側に横向きに配置されており、ON(励磁)状態のときに可動鉄心86aが左向きに移動するようになっている。可動鉄心86aは、開閉連動機構92の一端側の駆動側係合部92aに係合し、この開閉連動機構92の他端側の被駆動側係合部92bが開閉部材(可動体)85の駆動受け部85bに係合しており、可動鉄心86aが左向きに移動したときに、開閉連動機構92の被駆動側係合部92bが上向きに動作して、開閉部材85が前側に揺動する。なお、開閉連動機構92は例えば直列に連結された複数の連動部材により構成されている。
これにより、開閉駆動手段86がOFF(非励磁)状態のときには開閉部材85が略鉛直となって大入賞口84は遊技球が入賞不可能な閉状態に保持され(図8に実線で示す)、開閉駆動手段86がOFF(非励磁)状態からON(励磁)状態に切り替わったとき、開閉部材63が前側に揺動して後ろ下がりの傾斜状となり(図8に二点鎖線で示す)、大入賞口84は遊技球が入賞可能な開状態となる。
磁気センサMS3は例えばIC式で、正面視略長方形で前後幅が薄い扁平状に形成されており、例えば大入賞口84の左側に配置され、前面部材81の背面に沿って着脱自在に装着されている。
球誘導部材83は、前面部材81の下部側の領域に対応して設けられており、その領域を遊技球が通過不可能となるように略一定幅で前向きに突出している。球誘導部材83の上面側は、左下がりの緩やかな傾斜状に形成された球誘導面83aとなっており、例えば大入賞口84に入賞することなく落下してきた遊技球を遊技領域5aの中央側、即ち第2特別図柄始動手段33側に案内するようになっている。
以上説明した大入賞ユニット25上で、大入賞手段34は、大入賞口84、入賞室87、排出案内通路88、入賞検出手段89、開閉部材85、開閉駆動手段86等により構成されており、第1特別図柄表示手段29と第2特別図柄表示手段30との何れかが変動後に大当たり態様となった場合に発生する特別利益状態中に、開閉駆動手段86のON(励磁)/OFF(非励磁)によって開閉部材85が大入賞口84を開閉し、開状態となった大入賞口84に遊技球が入賞すると、その遊技球は入賞室87、排出案内通路88を経て遊技盤5の後側に排出され、またその際に入賞検出手段89によって検出される。なお、大入賞手段34は、右流下経路37b上で且つ普通図柄始動手段31よりも下流側に配置されているため、この大入賞手段34に遊技球を入賞させるためには遊技者はいわゆる右打ちをする必要がある。
普通入賞ユニット26は、アウト口部材36及び始動入賞ユニット24の左側にガイドレール22に沿って配置され、遊技盤5に形成された第4装着孔39dに対して前側から着脱自在に装着されており、図9,図10等に示すように、遊技盤5の前面に沿う板状の前面部材101と、この前面部材101の背面側に設けられ且つ第4装着孔39d内に前側から挿入される装着孔挿入部102と、前面部材101の前側に設けられる複数(ここでは3つ)の普通入賞口103a〜103cとを備えている。
前面部材101は、ガイドレール22の内側に沿って正面視略弓形に形成され、その外縁側が装着孔挿入部102に対して鍔状に突出しており、この突出部分が第4装着孔39dの周囲で遊技盤5の前面に当接し、例えばネジ止めにより遊技盤5に固定されている。普通入賞口103a〜103cは、夫々普通入賞手段35a〜35cを構成するもので、最も上流側が普通入賞口103a、最も下流側が普通入賞口103cとなるように、前面部材101の長手方向に沿って所定間隔を空けて一列状に配置されており、夫々前面部材101の前側で上向きに開口する樋状に形成されている。
装着孔挿入部102は、遊技盤5の板厚と略同じ前後幅に形成されたケース体104と、普通入賞口103a〜103cに入賞した遊技球を夫々遊技盤5の後側に排出する排出案内通路105a〜105cとを備えている。ケース体104内には、普通入賞口103a〜103cに入賞した遊技球を夫々遊技盤5の後側に案内する入賞案内通路106a〜106cが、夫々普通入賞口103a〜103cの後側に対応して後ろ下がりの傾斜状に形成されている。
排出案内通路105a〜105cは、ケース体104の後壁104aの背面に沿って例えば下向きに設けられており、その上端側が夫々排出案内通路105a〜105cの後側に連通している。
また、ケース体104の後壁104aの背面側には、入賞検出手段107a〜107cと、1又は複数(ここでは2つ)の磁気センサMS4,MS5とが装着されている。入賞検出手段107a〜107cは、夫々普通入賞口103a〜103cに入賞した遊技球を検出するもので、例えば排出案内通路105a〜105cの下流端側に設けられている。
磁気センサMS4,MS5は例えばIC式で、正面視略長方形で前後幅が薄い扁平状に形成されており、磁気センサMS4は例えば普通入賞口103aの上流側近傍に、磁気センサMS5は例えば普通入賞口103bと普通入賞口103cとの間に夫々対応する位置に配置されている。
なお、以上説明した普通入賞ユニット26上で、普通入賞手段35a〜35cは、普通入賞口103a〜103c、入賞案内通路106a〜106c、排出案内通路105a〜105c、入賞検出手段107a〜107c等により構成されており、普通入賞口103a〜103cに遊技球が入賞すると、その遊技球は入賞案内通路106a〜106c、排出案内通路105a〜105cを経て遊技盤5の後側に排出され、またその際に入賞検出手段107a〜107cによって検出される。
図11は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図11において、主制御基板110は遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通図柄処理手段111、普通図柄表示制御手段112、普通利益状態発生手段113、特別図柄処理手段114、特別図柄表示制御手段115、特別利益状態発生手段116、特別遊技状態発生手段117、入賞処理手段118、エラー管理手段119、制御コマンド送信手段120等を備えている。
また、この主制御基板110には、演出制御基板121等のサブ制御基板が接続され、また普通図柄表示手段27、第1,第2特別図柄表示手段29,30等の表示手段、普通図柄始動手段31の遊技球検出手段45、第1,第2特別図柄始動手段32,33、大入賞手段34、普通入賞手段35a〜35cの各入賞検出手段70,71,89,107a〜107c、磁気センサMS1〜MS5、電波センサ122、扉開放検出手段123等が接続されている。
なお、電波センサ122は電磁波を用いたゴト行為への対策として配置されるもので、例えば遊技盤5の裏側等に一又は複数配置されている。また、扉開放検出手段123は、例えば内枠4と前扉9との少なくとも一方が開状態にあることを検出可能に構成されている。
普通図柄処理手段111は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、遊技球が普通図柄始動手段31を通過し、遊技球検出手段45がその遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段111aに記憶させ、また普通図柄表示手段27が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段111aに1以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段111aから待ち行列の先頭の普通乱数情報を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行い、また普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択するように構成されている。
なお本実施形態では、図12に示すように、当たり判定に用いる当たり判定値の数を後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通図柄表示制御手段112は、普通図柄処理手段111による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段27の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段27が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段111aに1以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段27による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段111で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段111で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段113は、遊技者に有利となる普通利益状態を発生させるもので、普通図柄処理手段111によって当たりの判定結果が得られることに基づいて普通図柄表示手段27の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段33の開閉部材63を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、普通利益状態における第2特別図柄始動手段33の開閉パターンとして通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類が設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが選択されるようになっている(図12)。
特別図柄処理手段114は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、遊技球が第1特別図柄始動手段32の第1始動入賞口54に入賞し、第1入賞検出手段70がその遊技球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値等の特別乱数情報を取得すると共にその特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の第1特別乱数記憶手段114aに記憶させ、また遊技球が第2特別図柄始動手段33の第2始動入賞口55に入賞し、第2入賞検出手段71がその遊技球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値等の特別乱数情報を取得すると共にその特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の第2特別乱数記憶手段114bに記憶させる保留記憶機能を有している。
また、特別図柄処理手段114は、第1,第2特別図柄表示手段29,30が共に変動表示可能な状態となり且つ第2特別乱数記憶手段114bに1以上の特別乱数情報が記憶されていること(第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第2特別乱数記憶手段114bから待ち行列の先頭の特別乱数情報を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行い、また第1,第2特別図柄表示手段29,30が共に変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段114a,114bのうちの第1特別乱数記憶手段114aにのみ1以上の特別乱数情報が記憶されていること(第1,第2特別保留個数のうちの第1特別保留個数のみが1以上であること)を条件に、第1特別乱数記憶手段114aから待ち行列の先頭の特別乱数情報を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能を有している。
更に、特別図柄処理手段114は、大当たり/外れの判定結果に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別図柄表示制御手段115は、第1,第2特別図柄表示手段29,30の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段114による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄表示手段29,30による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、特別図柄処理手段114によって選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、同じく特別図柄処理手段114によって選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段116は、遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるもので、特別図柄処理手段114によって大当たりと判定されることに基づいて第1特別図柄表示手段29又は第2特別図柄表示手段30の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合に、所定の開放パターンに従って大入賞手段34の開閉部材85を開閉する特別利益状態を開始させるようになっている。
本実施形態では、特別利益状態における大入賞手段34の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられており(図13)、特別利益状態発生手段116は、例えば特別乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンα,βの何れかを選択するようになっている。なお本実施形態では、図13に示すように、開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。
開放パターンαは、遊技球が入賞困難な短時間だけ大入賞手段34を開放するもので、例えば大入賞手段34を0.2秒開放する動作を単位開放動作として、これを一定時間のラウンドインターバル期間を挟んで2ラウンド繰り返すように設定されている。この開放パターンαは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
一方の開放パターンβは、大入賞手段34を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を単位開放動作として、これを一定時間のラウンドインターバル期間を挟んで15ラウンド繰り返すように設定されている。この開放パターンβの場合、大入賞手段34への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
特別遊技状態発生手段117は、特別利益状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段114a,114bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合に、その大当たり判定値と共に取得された大当たり図柄乱数値に応じて、例えば高確率状態と開放延長状態との組み合わせよりなる特別遊技状態を発生させるように構成されている。
高確率状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加することにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率を低確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に設定するようになっている。
また開放延長状態中は、第2特別図柄始動手段33の開閉部材63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ切り換えられる他、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段29,30の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して、図12に示すように当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へそれぞれ切り換えられるようになっている。
本実施形態では、高確率状態が発生せず開放延長状態が発生する「時短状態」、高確率状態と開放延長状態とが共に発生する「高確状態」、高確率状態が発生し開放延長状態が発生しない「潜確状態」の3種類の特別遊技状態が設けられており、図13に示すように、第1特別図柄表示手段29においては、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合に時短状態が、5〜9の場合に高確状態(但し大当たり図柄乱数値が8,9の場合には、通常遊技状態中の特別利益状態後は潜確状態)が発生し、また第2特別図柄表示手段30においては、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合に時短状態が、5〜9の場合に高確状態(但し大当たり図柄乱数値が9の場合には、通常遊技状態中の特別利益状態後は潜確状態)が発生するようになっている。
なお、特別遊技状態(時短状態、高確状態又は潜確状態)は、特別利益状態が終了した時点で開始され、例えば時短状態については、次の特別利益状態が開始するか、それまでに第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了し、高確状態及び潜確状態については、例えば次の特別利益状態が開始した時点で終了する。
入賞処理手段118は、各入賞手段、即ち第1特別図柄始動手段32、第2特別図柄始動手段33、大入賞手段34、普通入賞手段35a〜35cへの遊技球の入賞による賞球払い出しに関する処理を行うもので、例えばそれら入賞手段32〜34,35a〜35c毎の入賞個数を、入賞検出手段70,71,89,107a〜107cからの検出信号に基づいてカウントし、その入賞手段毎の入賞個数のカウント値と、各入賞手段毎に設定された賞球個数とに基づいて、例えば一入賞毎に払出個数指定コマンドを図外の払出制御基板に送信するようになっている。
エラー管理手段119は、各種エラーに関する処理を行うもので、例えばエラー判定手段119a、エラー発生時処理手段119b、エラー解除判定手段119c、エラー解除処理手段119d等を備えている。
エラー判定手段119aは、各種エラーの判定を行うもので、磁気センサMS1〜MS5、電波センサ122、扉開放検出手段123、入賞検出手段70,71,89,107a〜107c等の各種センサからの検出信号に基づいて、磁気検出エラー、電波検出エラー、扉開放エラー、入賞スイッチエラー、不正入賞エラー等の各種エラーの発生を判定するように構成されている。
以下、エラー判定手段119aによる各種エラー判定のうち、磁気検出エラーの判定処理について説明する。本実施形態では、遊技盤5に5つの磁気センサMS1〜MS5が配置されており、それら5つの磁気センサMS1〜MS5の磁気検知信号に基づいて磁気検出エラーの判定処理を行うようになっている。
図14は、遊技盤5の正面視における磁気センサMS1〜MS5の所定レベル以上の磁気検知範囲を概略的に示したものである。なお本実施形態では、この所定レベルをエラー判定レベルとし、磁気センサMS1〜MS5の磁気検知信号がこのエラー判定レベル以上であることを条件にエラーと判定する。以下、このエラー判定レベル以上となる磁気検知範囲を単に「磁気検知範囲」という。
図14より明らかなように、本実施形態では磁気センサMS2の磁気検知範囲内に開閉駆動手段66が存在し、また磁気センサMS3の磁気検知範囲内に開閉駆動手段86が存在している(図15参照)。従って、磁気センサMS2は開閉駆動手段66が励磁されたときに、また磁気センサMS3は開閉駆動手段86が励磁されたときに、その磁気によって磁気検知信号がエラー判定レベルに達してしまう可能性がある。このように本実施形態では、磁気センサMS2が、開閉駆動手段66に対して所定の位置関係にある特定磁気センサの一例であり、磁気センサMS3が、開閉駆動手段86に対して所定の位置関係にある特定磁気センサの一例である。
続いてエラー判定手段119aによって実行される磁気検出エラー判定処理の手順を、図16に従って具体的に説明する。この磁気検出エラー判定処理(図16)では、まず磁気センサMSn(n=1〜5)における変数nに初期値である1をセットする(S1)。そして、nが最大値(ここでは5)に達するまで(S7)、nに1ずつ加算しつつ(S8)、磁気センサMSnについて、検知信号が予め定められたエラー判定レベルに達した状態で所定時間継続したか否かの判定を行い(S6)、検知信号がエラー判定レベルに達した状態で所定時間継続したと判定された場合には(S6:Yes)、エラー発生時処理手段119bにより所定のエラー処理を実行する(S9)ことを原則としている。
なお本実施形態では、この「所定時間」を、第2特別図柄始動手段33の通常開閉パターンにおける開放時間(所定遊技状態中における開閉駆動手段66の励磁継続時間)である0.2sよりは長く、延長開閉パターンにおける開放時間(特定遊技状態中における開閉駆動手段66の励磁継続時間)である2sよりは十分に短い時間、例えば0.3sに設定している。
しかしながら、n=2の場合(S2:Yes)、即ち磁気センサMS2の場合には、開放延長中(即ち時短状態中又は高確状態中)であること(S3:Yes)を条件にS6の処理をスキップし、またn=3の場合(S4:Yes)、即ち磁気センサMS3の場合には、特別利益状態中であること(S5:Yes)を条件にS6の処理をスキップするようになっている。なお、磁気センサMS2に関しては開放延長状態が特定遊技状態の一例であり、磁気センサMS3に関しては特別利益状態が特定遊技状態の一例である。
これにより、磁気検知範囲内に開閉駆動手段66が存在する磁気センサMS2の検知信号については、開閉駆動手段66が通常開閉パターン(0.2s×1回)で作動する通常遊技状態中はS6の処理で参照されるが、開閉駆動手段66の作動による磁気検知時間は所定時間(0.3s)未満であるためそれによってエラー処理(S9)が行われることはなく、また開閉駆動手段66が延長開閉パターン(2s×3回)で作動する特別遊技状態中はS6の処理で参照されることはないため、開閉駆動手段66の作動を原因とする誤ったエラー判定を回避できる。
また、磁気検知範囲内に開閉駆動手段86が存在する磁気センサMS3の検知信号については、開閉駆動手段86が作動する特別利益状態中はS6の処理で参照されることはないため、開閉駆動手段86の作動を原因とする誤ったエラー判定を回避できる。
また、磁気センサMS2がS6の処理で参照されない場合、この磁気センサMS2に関するエラー判定においてはその磁気センサMS2の検知範囲内にある磁気に反応することはないが、磁石を用いて始動入賞ユニット24に遊技球を導く際にはその磁石は磁気センサMS5の検知範囲を通過するため、磁気センサMS5に関するエラー判定において正しくエラーと判定することができ、磁石等を用いた遊技機外からの不正行為を防ぐことができる。磁気センサMS3の場合も同様に、S6の処理で参照されない場合、この磁気センサMS3に関するエラー判定においてはその磁気センサMS3の検知範囲内にある磁気に反応することはないが、磁石を用いて大入賞ユニット25に遊技球を導く際にはその磁石は磁気センサMS1又はMS2の検知範囲を通過するため、磁気センサMS1又はMS2に関するエラー判定において正しくエラーと判定することができ、磁石等を用いた遊技機外からの不正行為を防ぐことができる。
なお、エラー発生時処理手段119bによるエラー処理(S9)では、演出制御基板121に対するエラーコマンドの送信、外部出力端子からのエラー信号の出力、エラー履歴の保存等が行われる。
また、エラー発生時処理手段119bによりエラー処理(S9)が実行された場合には、エラー解除判定手段119cが、所定のエラー解除条件が成立したか否かの判定を、例えばエラー解除条件が成立するまで繰り返し行う。エラー解除条件はエラーの種類に応じて予め設定されており、磁気検出エラーであれば、例えばエラー発生後、遊技ホール担当者により所定のエラー解除操作が行われた場合にエラー解除条件が成立したものと判定するようになっている。
エラー解除判定手段119cによりエラー解除条件が成立したと判定された場合には、エラー解除処理手段119dが、演出制御基板121に対してエラーの種類に対応するエラー解除コマンドを送信する等のエラー解除処理を実行する。
制御コマンド送信手段120は、演出制御基板121等のサブ制御基板に対して制御コマンドを送信するもので、例えば第1,第2特別図柄の変動に関しては、特別図柄処理手段114による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄始動手段32,33への遊技球入賞時に演出制御基板121に対して第1,第2保留増加コマンドを送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、停止図柄コマンドを演出制御基板121に送信すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止時に変動停止コマンドを演出制御基板121に送信し、エラー管理手段119によるエラー管理処理に基づいて、演出制御基板121に対してエラー発生時にエラーコマンドを、エラー解除時にエラー解除コマンドを夫々送信し、また入賞処理手段118による入賞処理に基づいて、各入賞手段への入賞毎に払出制御基板(図示省略)に払出個数指定コマンドを送信するようになっている。
演出制御基板121は、演出図柄表示手段41、第1,第2特別保留個数表示手段42,43、エラー報知手段44、スピーカ8a,8b、電飾手段131等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段132、演出図柄制御手段133、エラー報知制御手段134等を備えている。なお、電飾手段131はLED等の発光体により構成され、遊技盤5の各種ユニット上、前扉9上等に多数配置されている。
特別保留個数表示制御手段132は、第1,第2特別保留個数表示手段42,43の表示制御を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段32,33に新たに遊技球が入賞し、主制御基板110から第1,第2保留増加コマンドを受信したときに、その第1,第2保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段38の所定位置に増加後の第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを表示し、例えば主制御基板110から第1,第2保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の第1,第2保留表示画像X,Yの数を1個減少させて待ち行列の前側にシフトさせるように構成されている。
演出図柄制御手段133は、演出図柄表示手段41等による演出図柄の変動を制御するもので、例えば主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信し且つその後所定時間以内に停止図柄コマンドを受信することに基づいて、演出図柄の停止図柄態様を選択する停止図柄抽選処理を実行した後、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて、演出図柄表示手段41による演出図柄の変動を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄抽選処理で選択された停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせてスピーカ8a,8bから所定の効果音を出力させ、また電飾手段131を所定のパターンで発光させるように構成されている。
エラー報知制御手段134は、エラー報知手段44等によるエラー報知を制御するもので、例えば主制御基板110からエラーコマンドを受信することに基づいて、エラー報知画像をエラー報知手段44により表示させ、スピーカ8a,8bからエラー報知音を出力させ、電飾手段131の少なくとも一部のエラー報知ランプを点灯させるようになっている。またエラー報知制御手段134は、例えば主制御基板110からエラー解除コマンドを受信することに基づいてエラー報知手段44等によるエラー報知を終了するようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、エラー判定手段119aが、エラー判定に用いる磁気センサMS1〜MS5を遊技状態に応じて選択するように構成されており、また開閉駆動手段(電磁駆動手段)66,86は夫々開放延長状態中、特別利益状態中に作動可能であり、それら特定遊技状態中は磁気センサMS2,MS3からの検知信号に基づくエラー判定を行わないように構成されているため、開閉駆動手段66,86の作動を原因とする誤ったエラー判定を回避しつつ、磁気センサMS1〜MS5により開閉駆動手段66,86の近傍を含む領域を広く監視することが可能である。
図17は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、普通利益状態中は、磁気検知範囲内に開閉駆動手段66が存在する磁気センサMS2からの検知信号に基づくエラー判定を行わないように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは磁気検出エラー判定処理(図17)のS3aのみである。
図17に示すように、本実施形態の磁気検出エラー判定処理(図17)では、n=2の場合(S2:Yes)、即ち磁気センサMS2の場合には、普通利益状態中(特定遊技状態中)であること(S3a:Yes)を条件にS6の処理をスキップするようになっている。
これにより、磁気検知範囲内に開閉駆動手段66が存在する磁気センサMS2の検知信号については、開閉駆動手段66が作動する普通利益状態中はS6の処理で参照されることはないため、開閉駆動手段66の作動を原因とする誤ったエラー判定を回避できる。
図18〜図21は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態(又は第2の実施形態)を一部変更して、開閉駆動手段66,86以外の電磁駆動手段を設けた例を示している。
図18に示すように、本実施形態の大入賞ユニット25aが第1の実施形態に係る大入賞ユニット25と異なるのは、入賞検出手段89の下流側の構造のみである。即ち、大入賞ユニット25aは、大入賞口84に入賞した遊技球を特定領域141aと通常領域141bとに振り分ける可動式の振り分け部材142と、振り分け部材142を駆動する振り分け駆動手段143と、大入賞口84に入賞した遊技球を振り分け部材142に案内する入賞案内通路144と、特定領域141aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段145aと、通常領域141bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段145bとを備えている。
振り分け部材(可動体)142は、振り分け駆動手段143によって所定のパターンで左右に往復移動することにより、特定領域141a側への流入を阻止しつつ通常領域141b側へ遊技球を案内する通常案内状態と、通常領域141b側への流入を阻止しつつ特定領域141a側へ遊技球を案内する特定案内状態とに切り替え可能となっている。
振り分け駆動手段(電磁駆動手段)143は、電磁ソレノイドにより構成され、例えば可動鉄心143aを左側に向けた状態で例えば入賞室87の下側に横向きに配置されており、ON(励磁)状態のときに可動鉄心143aが例えば右向きに移動する。可動鉄心143aには、例えば振り分け部材(可動体)142の一端側が固定されており、振り分け駆動手段143がOFF(非励磁)状態のときには振り分け部材142が通常案内状態に保持され、振り分け駆動手段143がOFF(非励磁)状態からON(励磁)状態に切り替わったとき、可動鉄心143aと共に振り分け部材142が右向きに移動して特定案内状態に切り替わるようになっている。なお、特定領域141a又は通常領域141bに案内された遊技球は、特定遊技球検出手段145a又は通常遊技球検出手段145bに検出された後、遊技盤5の後側に排出される。
また振り分け駆動手段143は、図19に示すように、開閉駆動手段86と共に磁気センサMS3の磁気検知範囲内に存在している(図20参照)。従って、磁気センサMS3は、開閉駆動手段66だけでなく振り分け駆動手段143が励磁されたときにもその磁気検知信号が一定のエラー判定レベルに達してしまう可能性がある。
また、本実施形態の磁気検出エラー判定処理(図21)は、第1の実施形態に係る磁気検出エラー判定処理(図16)に対し、S5aが追加されている点のみが異なる。即ち、本実施形態の磁気検出エラー判定処理(図21)では、n=3の場合(S4:Yes)、即ち磁気センサMS3の場合には、特別利益状態中であるか(S5:Yes)、又は振り分け部材142が作動する振り分け作動状態中(特定遊技状態中)であること(S5a:Yes)を条件にS6の処理をスキップするようになっている。
これにより、磁気検知範囲内に開閉駆動手段86及び振り分け駆動手段143が存在する磁気センサMS3の検知信号については、開閉駆動手段86が作動する特別利益状態中、及び振り分け駆動手段143が作動する振り分け作動状態中はS6の処理で参照されることはないため、開閉駆動手段86、振り分け駆動手段143の作動を原因とする誤ったエラー判定を回避できる。
なお、振り分け作動状態の期間全体が特別利益状態の期間に含まれる場合には、第1の実施形態と同じ磁気検出エラー判定処理(図16)を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、電磁駆動手段は、電磁ソレノイドに限らず、ステッピングモータ等、非励磁状態から励磁状態への切り替えによって作動し且つその作動によって発生する磁気が磁気センサに影響を及ぼす可能性があるものは全て対象となる。また、電磁駆動手段は、遊技球の入賞や振り分けに関する可動体を駆動するものに限らず、単なる演出用の可動体を駆動する電磁駆動手段も対象となる。
実施形態では、一つの電磁駆動手段は一つの磁気センサの磁気検知範囲内にのみ存在する例を示したが、一つの電磁駆動手段が複数の磁気センサの磁気検知範囲内に存在する場合も考えられる。この場合、その電磁駆動手段が作動する特定遊技状態中はそれら複数の磁気センサの何れの検知信号についても、それに基づくエラー判定を行わないようにすればよい。
また、本発明はパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の遊技機においても同様に実施することが可能である。