以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に対して開閉及び着脱自在に枢着された内枠3とを備えている。
内枠3には、その上部側に遊技盤4(図2)等が、下部側に発射手段(図示省略)等が夫々配置されており、その内枠3の前側には、遊技盤4の前側を覆うガラス扉5と、そのガラス扉5の下側で発射手段等の前側を覆う下部開閉扉6とが開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉5には、遊技盤4の前面側に設けられた遊技領域7に対応するガラス窓8が設けられ、また下部開閉扉6には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段に供給する貯留皿9、発射手段を作動させるために操作する発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤4には、図2に示すように、発射手段によって発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着され、そのガイドレール11の内側の遊技領域7内に、中央表示ユニット12、左入賞ユニット13、右入賞ユニット14等の複数のユニット部品と、多数の遊技釘7a(図3)とが配置されており、それら複数のユニット部品12〜14上に、画像表示手段15、普通図柄表示手段16、普通保留個数表示手段17、第1特別図柄表示手段18a、第2特別図柄表示手段18b等の各種表示手段の他、普通図柄始動手段19、第1特別図柄始動手段20、第2特別図柄始動手段21、第2開閉式特別図柄始動手段22、第1大入賞手段23、第2大入賞手段24、複数の普通入賞手段25〜28等が配置されている。
画像表示手段15は、例えば液晶表示手段で、演出図柄表示手段29、第1特別保留個数表示手段30a、第2特別保留個数表示手段30b等を構成している。
中央表示ユニット12は、画像表示手段15の表示枠を構成するもので、遊技領域7の略中央から上部に跨がる領域に配置されており、例えば遊技盤4の裏側に固定される画像表示手段15に対応して遊技盤4の前側に着脱自在に固定されている。中央表示ユニット12は、遊技盤4の前面側に当接し且つ固定ねじ等により遊技盤4に固定される前面装着板31と、画像表示手段15等が配置される内部領域12aを略取り囲むように例えば前面装着板31の前側に突設される囲繞枠32とを例えば一体に備えており、発射手段により遊技領域7の上部側に打ち込まれた遊技球は、中央表示ユニット12の上部側で囲繞枠32により左右に振り分けられ、中央表示ユニット12の左側の左流下経路33aと右側の右流下経路33bとの何れかを流下するようになっている。
中央表示ユニット12の前側には、例えば右側上部に、遊技球が通過可能な通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段19が配置されており、左右の流下経路33a,33bのうちの右流下経路33bを流下する遊技球のみがこの普通図柄始動手段19を通過可能となっている。普通図柄始動手段19は、普通図柄表示手段16による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、通過球を検出可能な通過検出スイッチ19aを備えている。
この普通図柄始動手段19による遊技球の検出を契機として作動する普通図柄表示手段16は、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成され、中央表示ユニット12の前側等に配置されており、普通図柄始動手段19が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段19による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段16の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値等よりなる乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段17がその発光個数により乱数情報の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
また、中央表示ユニット12の下部側にはワープ演出手段34が設けられている。このワープ演出手段34は、遊技領域7側に向けて開口するワープ入口35と、遊技球を内部領域12aから遊技領域7側に排出する球排出部36と、ワープ入口35に流入した遊技球を第2特別図柄始動手段21側と球排出部36側とに振り分けるステージ37とを備えている。
ワープ入口35は、例えば中央表示ユニット12の少なくとも左右一側、例えば左側に設けられ、遊技盤4に沿って斜め上向きに開口している。ステージ37は、例えば上ステージ37aと下ステージ37bとで上下二段に構成され、例えば上ステージ37a上に第2特別図柄始動手段21の第2特別図柄始動口21aが開口しており、また下ステージ37b上に球排出部36が設けられている。上ステージ37aは、ワープ入口35に流入した遊技球を左右方向に自由に転動させて第2特別図柄始動口21a側と下ステージ37b側とに振り分けるもので、第2特別図柄始動口21aに入賞しなかった遊技球は全て下ステージ37b上に落下するようになっている。下ステージ37bは、上ステージ37aから落下してきた遊技球を自由に転動させて前縁側の球排出部36から遊技領域7側に排出するようになっている。
第2特別図柄始動手段21は、第2特別図柄表示手段18bによる第2特別図柄の変動表示を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式の第2特別図柄始動口21aと、この第2特別図柄始動口21aに入賞した遊技球を遊技盤4の裏側に案内する入賞案内通路21bと、第2特別図柄始動口21aに入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ21c等を備えている。
また、例えばステージ37の近傍には、可動演出体38が配置されており、ワープ入口35への遊技球の流入、第2特別図柄始動口21aへの遊技球の入賞等に基づいて発光、揺動等の所定の演出動作を行うようになっている。
左入賞ユニット13は、中央表示ユニット12の下部左側にガイドレール11の内周に沿って配置され、前面装飾板39を遊技盤4の前面に沿わせた状態でねじ止め等により着脱自在に固定されており、その前面装飾板39の前側に、例えば3つの普通入賞手段25〜27と流路形成手段40とが設けられている。
前面装飾板39は、前側を遊技球が通過可能な薄板状で、例えばその前面側には凹凸模様や装飾シートの貼付等による任意の装飾が施されている。普通入賞手段25〜27は、左流下経路33aに沿ってその上流側から下流側にかけて配列されており、それぞれ前面装飾板39の前側に突設される入賞ケース25a〜27a、その入賞ケース25a〜27aの上部側に上向き開口状に形成された非開閉式の普通入賞口25b〜27b等を備えている。
また、流路形成手段40は、普通入賞手段25〜27よりも上流側に配置され、前面装飾板39の前側に突設されており、その上部側に、ガイドレール11の内周から遊技領域7の中央側に向けて形成された傾斜部40aが形成されている。左流下経路33aをガイドレール11に沿って流下してきた遊技球は、この流路形成手段40の傾斜部40aによって普通入賞手段25〜27の上側に誘導される。
右入賞ユニット14は、中央表示ユニット12の下部右側にガイドレール11の内周に沿って配置されており、第1特別図柄始動手段20、第2開閉式特別図柄始動手段22、第1大入賞手段23、第2大入賞手段24、普通入賞手段28等が搭載されている。この右入賞ユニット14は、図3〜図6等に示すように、ユニット本体部41と、このユニット本体部41の前側に設けられた前面装飾板42とを備え、ユニット本体部41を遊技盤4上に形成された装着孔4a内に前側から挿入し、前面装飾板42を遊技盤4の前面に沿わせた状態で、ねじ止め等により遊技盤4に着脱自在に固定されている。前面装飾板42は、前側を遊技球が通過可能な薄板状に形成されており、例えばその前面側には凹凸模様や装飾シートの貼付等による任意の装飾が施されている。
第1特別図柄始動手段20は、第1特別図柄表示手段18aによる第1特別図柄の変動表示を開始させるためのもので、例えば下ステージ37b上の球排出部36の下側に対応するように右入賞ユニット14の下端部近傍に配置されており、図3,図6等に示すように、前面装飾板42の前側に突設された入賞ケース43と、その入賞ケース43の上部側に上向き開口状に形成された非開閉式の第1特別図柄始動口20aと、第1特別図柄始動口20aに入賞した遊技球を遊技盤4の裏側に案内する入賞案内通路44と、第1特別図柄始動口20aに入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ45とを備えている。
このように、第1特別図柄始動手段20には、左流下経路33aからワープ入口35に流入し、ステージ37によって第2特別図柄始動手段21側に振り分けられなかった遊技球が球排出部36を経て入賞する入賞ルートが存在すること、及び遊技釘7aの配置等により、左流下経路33aを流下する遊技球の方が右流下経路33bを流下する遊技球よりも第1特別図柄始動口20aに入賞する確率が高くなるように構成されている。
また、第1特別図柄始動手段20の入賞ケース43は、例えば第1特別図柄始動口20aの左右両側に設けられた一対の肩部43aと、その肩部43aの下側に裾狭まり状に設けられた左右一対の側壁部43bと、それら側壁部43bの下端部を左右に連結する底壁部43cと、それら第1特別図柄始動口20a,肩部43a,側壁部43b及び底壁部43cの前側を略覆う装飾板43dとを備えており、第1特別図柄始動口20aの左右に落下した遊技球は肩部43aによって左右方向外向きに案内されるようになっている。
第2開閉式特別図柄始動手段22は、中央表示ユニット12上の第2特別図柄始動手段21と同じく第2特別図柄表示手段18bによる図柄変動を開始させるためのもので、例えば右入賞ユニット14の上端部側、即ち第1特別図柄始動手段20に対して右斜め上方に配置されている。
この第2開閉式特別図柄始動手段22は、図3,図4等に示すように、前面装飾板42に横長矩形状に形成された前向き開口状の第2開閉式特別図柄始動口22aと、電磁ソレノイド等よりなる開閉駆動手段46の駆動により第2開閉式特別図柄始動口22aを遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞容易な開状態とに切り替える開閉板47と、第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞した遊技球を遊技盤4の裏側に案内する入賞案内通路48と、第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞した遊技球を受けて入賞案内通路48側に流下させる入賞室49と、第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ50とを備えており、普通図柄表示手段16の変動後の停止図柄が当たり態様となったとき、開閉板47が複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化するようになっている(普通利益状態)。このように、第2開閉式特別図柄始動口22aは、遊技領域7内の右寄りの位置に配置されていることにより、右流下経路33bを流下する遊技球が入賞する確率の方が左流下経路33aを流下する遊技球が入賞する確率に比べて格段に高くなっている。
開閉板47は、例えば下端側の横軸回りに揺動可能な矩形板状に形成されており、閉状態(図4に実線で示す)ではその前面側が前面装飾板42と略面一となって第2開閉式特別図柄始動口22aを閉鎖し、開状態(図4に二点鎖線で示す)では前面装飾板42から前斜め上向きに突出してその上側に落下してきた遊技球を後側の第2開閉式特別図柄始動口22a内に案内するようになっている。従って、第2開閉式特別図柄始動手段22は、閉状態ではその第2開閉式特別図柄始動口22aの前側を遊技球が通過可能である。
また、第2開閉式特別図柄始動口22aの左右両側には、遊技球を左右両側、即ち第2開閉式特別図柄始動口22aから離れる方向に案内する左右の案内部51,52が設けられている。それら左右の案内部51,52は、前面装飾板42の前側に突設され、その上面側が第2開閉式特別図柄始動口22aに対して左右方向外向きの傾斜面51a,52aとなっている。なお、右側の案内部52とガイドレール11との間には、遊技球が通過可能な隙間が設けられている。
なお、第1特別図柄始動口20aへの遊技球の入賞を条件として作動する第1特別図柄表示手段18a、第2開閉式特別図柄始動口22a及び第2特別図柄始動口21aへの遊技球の入賞を条件として作動する第2特別図柄表示手段18bは、例えば中央表示ユニット12の前側等に配置され、それぞれ1個又は複数個、例えば各1個の第1,第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段18aは第1特別図柄始動口20aに遊技球が入賞することを条件に、また第2特別図柄表示手段18bは第2開閉式特別図柄始動口22aと第2特別図柄始動口21aとの何れかに遊技球が入賞することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら始動口20a,22a,21aへの入賞時に取得された乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様でそれぞれ停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第1特別図柄始動口20aへの入賞があった場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等よりなる乱数情報が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、第1特別保留個数表示手段30aが乱数情報の記憶個数(以下、第1特別保留個数)を表示して、その時点での第1特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。また同じく第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第2開閉式特別図柄始動口22a又は第2特別図柄始動口21aへの入賞があった場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等よりなる乱数情報が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、第2特別保留個数表示手段30bが大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第2特別保留個数)を表示して、その時点での第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段18aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段18bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
また、それら第1,第2特別図柄表示手段18a,18bによる第1,第2特別図柄の変動中は、画像表示手段15上の演出図柄表示手段29によって演出図柄が変動表示されるようになっている。演出図柄表示手段29は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に変動表示可能に構成されており、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するよう、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段18a,18bは同時に変動することはないため、演出図柄表示手段29の演出図柄は第1,第2特別図柄の何れか一方と同期して変動するが、演出図柄表示手段29は第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、演出図柄表示手段29による演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。
第1,第2大入賞手段23,24は、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する特別利益状態中に所定の開放パターンの何れかに従って開放するもので、図3,図5,図6等に示すように、例えば前面装飾板42に横長矩形状に形成された前向き開口状の第1,第2大入賞口23a,24aと、電磁ソレノイド等よりなる開閉駆動手段53,54の駆動により第1,第2大入賞口23a,24aを遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞容易な開状態とに切り替える開閉板55,56と、第1,第2大入賞口23a,24aに入賞した遊技球を遊技盤4の裏側に案内する入賞案内通路57,58と、第1,第2大入賞口23a,24aに入賞した遊技球を受けて入賞案内通路57,58側に流下させる入賞室59,60と、第1,第2大入賞口23a,24aに入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ61,62とを備えており、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となったとき、開閉板55,56が複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化するようになっている(特別利益状態)。
開閉板55,56は、例えば下端側の横軸回りに揺動可能な矩形板状に形成されており、閉状態(図5,図6に実線で示す)ではその前面側が前面装飾板42と略面一となって第1,第2大入賞口23a,24aを閉鎖し、開状態(図5,図6に二点鎖線で示す)では前面装飾板42から前斜め上向きに突出してその上側に落下してきた遊技球を後側の第1,第2大入賞口23a,24a内に案内するようになっている。従って、第1,第2大入賞手段23,24は、閉状態ではその第1,第2大入賞口23a,24aの前側を遊技球が通過可能である。
第1大入賞手段23の第1大入賞口23aは、例えばその上縁側が入賞ケース43の底壁部43cに沿うように、第1特別図柄始動口20aとその下側のアウト口63との間に配置されている。第1大入賞口23aは、入賞ケース43の底壁部43cの左右両側にそれぞれ遊技球1個分以上張り出しており、入賞ケース43の側壁部43bに沿って流下した遊技球も入賞可能となっている。
第2大入賞手段24の第2大入賞口24aは、例えば第1大入賞口23aと第2開閉式特別図柄始動口22aとの略中間、即ち第1大入賞口23aの右斜め上方で且つ第2開閉式特別図柄始動口22aの左斜め下方に配置されている。
第2大入賞口24aと第1大入賞口23aとは、例えば左右方向、上下方向共に一定の間隔を空けて配置されており、特に上下方向については遊技球1個分以上の間隔が設けられている。また第2大入賞口24aと第2開閉式特別図柄始動口22aとについても、左右方向、上下方向共に一定の間隔を空けて配置されており、上下方向については遊技球1個分以上の間隔が設けられている。なお、第2開閉式特別図柄始動口22aに隣接する案内部51は、第2大入賞口24a側の端部(左端部)が第2大入賞口24aの上側に張り出している。
また、第2大入賞口24aは、第1特別図柄始動手段20の入賞ケース43の右側に隣接しており、第2大入賞口24aと入賞ケース43の肩部43aとの間には遊技球1個分以上の間隔が設けられている。
普通入賞手段28は、例えば第2大入賞口24aの上側近傍に配置されており、図3,図5等に示すように、前面装飾板42の前側に突設される入賞ケース64と、その入賞ケース64の上部側に上向き開口状に形成された非開閉式の普通入賞口28aと、普通入賞口28aに入賞した遊技球を遊技盤4の裏側に案内する入賞案内通路65と、普通入賞口28aに入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ66とを備えている。
普通入賞手段28の入賞ケース64は、例えばその下側の第2大入賞口24aに対してその左右方向の中央よりも遊技領域7の内側、即ち左側に若干ずれた位置に配置されており、例えばそのずれ方向と反対側、即ち右側には、遊技球を遊技領域7の外側、即ち右側に向けて案内する案内部67が例えば一体に設けられている。なお、第2大入賞口24aは、案内部67の端部よりも更に外側、即ち右側に遊技球1個分以上張り出しており、案内部67に沿って流下した遊技球も入賞可能となっている。
また、右入賞ユニット14上には、上部流路形成手段68と下部流路形成手段69とが設けられている。上部流路形成手段68は、第2開閉式特別図柄始動口22aの上流側にガイドレール11の内周に沿って配置されており、図3,図4等に示すように、例えば前面装飾板42の前側の所定領域を取り囲むように前面装飾板42の前側に突設される周壁部71と、この周壁部71の前側を略覆う装飾板72とを備えている。
上部流路形成手段68の周壁部71は、例えば合成樹脂により前面装飾板42と一体に形成されており、その上部側の上傾斜部71aと、下部側の下傾斜部71bと、上下の傾斜部71a,71bの一端側をガイドレール11に沿って連結する外連結部71cと、上下の傾斜部71a,71bの他端側を略上下方向に連結する内連結部71dとで構成されている。
上傾斜部71aは、ガイドレール11の内周側から遊技領域7の内側に向けて傾斜する傾斜面を構成しており、その下流側端部は第2開閉式特別図柄始動口22aの右端部の上方に配置されている。なお、本実施形態の上傾斜部71aには、その上流端側に段差部73が設けられているが、全体として遊技球を一方向に案内できる形状であればよく、複数の段差部を設けてもよいし、このような段差部を設けなくてもよい。また、上傾斜部71aの傾斜角度は任意であるが、この上傾斜部71aは合成樹脂による滑らかな傾斜面であるため、遊技釘7aの羅列によって遊技球の流路を形成する場合と比べて傾斜角度をより小さくできる。
下傾斜部71bは、上傾斜部71aとは逆にガイドレール11側に向けて傾斜しており、その下側の右案内部52との間に、第1側部流下通路74を形成している。なお、この第1側部流下通路74は、その下流側がガイドレール11に沿って下向きに屈折している。
下部流路形成手段69は、例えば第1大入賞口23aと第2開閉式特別図柄始動口22aとの間にガイドレール11の内周に沿って配置されており、図3〜図6等に示すように、例えば前面装飾板42の前側の所定領域を取り囲むように前面装飾板42の前側に突設される周壁部75と、この周壁部75の前側を略覆う装飾板76とを備えている。
下部流路形成手段69の周壁部75は、例えば合成樹脂により前面装飾板42と一体に形成されており、第2開閉式特別図柄始動口22aの下側に配置され且つ遊技領域7の内側、即ち左側に向けて傾斜する傾斜面を構成する第1傾斜部75aと、第2大入賞口24aの下側に配置され且つ遊技領域7の内側、即ち左側に向けて傾斜する傾斜面を構成する第2傾斜部75bと、第1傾斜部75aの下流側端部と第2傾斜部75bの上流側端部とを第2大入賞口24aの側方において略上下方向に連結する第1側壁部75cと、第2傾斜部75bの下流側端部から第1大入賞口23aの側方を経てガイドレール11の内面側に達する第2側壁部75dと、第1傾斜部75aの上流側端部と第2側壁部75dの下流側端部とをガイドレール11に沿って連結する外連結部75eとを備えている。
第1傾斜部75aは、第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞しなかった遊技球を第2大入賞口24aの入賞経路に誘導するもので、その上流側端部はガイドレール11の内周側に達し、下流側端部は例えば第2大入賞口24aの右端部の上方に配置されている。第1傾斜部75aと、その上側の第2開閉式特別図柄始動口22a及び左右の案内部51,52との間には、遊技球を第2開閉式特別図柄始動口22aの上側に案内する第1誘導通路77が形成され、この第1誘導通路77の上流側に第1側部流下通路74が連通しており、第1側部流下通路74を流下してきた遊技球は全て第1誘導通路77上に案内されるようになっている。また、第2開閉式特別図柄始動口22aの閉鎖時にその前側を流下してきた遊技球についてもその略全てが第1傾斜部75a上に落下するようになっている。
この第1傾斜部75aは、第2開閉式特別図柄始動口22aを第1入球口、第2大入賞口24aを第2入球口とした場合に、第1入球口に入球しなかった遊技球を第2入球口の入球経路に誘導する遊技球誘導手段の一例である。
なお、本実施形態の第1傾斜部75aには、その上流端側に段差部78が設けられているが、全体として遊技球を一方向に案内できる形状であればよく、複数の段差部を設けてもよいし、このような段差部を設けなくてもよい。また、第1傾斜部75aの傾斜角度は任意であるが、この第1傾斜部75aは合成樹脂による滑らかな傾斜面であるため、遊技釘7aの羅列によって遊技球の流路を形成する場合と比べて傾斜角度をより小さくできる。
第1側壁部75cは、第2大入賞口24aの側方に遊技球1個分以上の間隔を空けて上下方向に配置される縦壁部79と、この縦壁部79の上端部と第1傾斜部75aの下流側端部とを例えば斜めに連結する傾斜壁部80とで構成されており、この第1側壁部75cと第2大入賞口24aとの間が第2側部流下通路81となっている。
第2傾斜部75bは、第2大入賞口24aに入賞しなかった遊技球を第1大入賞口23aの入賞経路に誘導するもので、その上流側端部は第1側壁部75cの下端部に連結され、下流側端部は例えば第1大入賞口23aの右端部の上方に配置されている。第2傾斜部75bと、その上側の第2大入賞口24aとの間には、遊技球を第1大入賞口23aの上側に案内する第2誘導通路82が形成され、この第2誘導通路82の上流側に第2側部流下通路81が連通しており、第2側部流下通路81を流下してきた遊技球は全て第2誘導通路82上に案内されるようになっている。また、第2大入賞口24aの閉鎖時にその前側を流下してきた遊技球についてもその略全てが第2傾斜部75b上に落下するようになっている。
この第2傾斜部75bは、第2大入賞口24aを第1入球口、第1大入賞口23aを第2入球口とした場合に、第1入球口に入球しなかった遊技球を第2入球口の入球経路に誘導する遊技球誘導手段の一例である。
なお、第2傾斜部75bの傾斜角度は任意であるが、この第2傾斜部75bは合成樹脂による滑らかな傾斜面であるため、遊技釘7aの羅列によって遊技球の流路を形成する場合と比べて傾斜角度をより小さくできる。
第2側壁部75dは、第1大入賞口23aの側方に遊技球1個分以上の間隔を空けて上下方向に配置される縦壁部83と、この縦壁部83の上端部と第2傾斜部75bの下流側端部とを例えば斜めに連結する傾斜壁部84とで構成されており、この第2側壁部75dと第1大入賞口23aとの間が第3側部流下通路85となっている。
以上のような構成により、第1,第2大入賞口23a,24aについては、右流下経路33bを流下する遊技球が入賞する確率の方が左流下経路33aを流下する遊技球が入賞する確率に比べて格段に高くなっている。
なお、各入賞口21a,22a,23a,24a,25b〜27b,28aに遊技球が入賞した場合には、入賞口毎に予め定められた個数の賞球が払い出されるなど、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
図7は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図7において、91は主制御基板、92は演出制御基板で、これら各制御基板91,92は、遊技盤4に装着された中央表示ユニット12、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、内枠3及び遊技盤4を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板91は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段101、普通始動口チェック処理手段102、普通乱数記憶手段103、普通図柄処理手段104、普通利益状態発生手段105、普通図柄表示制御手段106、第1,第2特別乱数作成処理手段111a,111b、第1,第2特別始動口チェック処理手段112a,112b、第1,第2特別乱数記憶手段113a,113b、第1,第2特別図柄処理手段114a,114b、特別利益状態発生手段115、第1,第2特別図柄表示制御手段116a,116b、特別遊技状態発生手段117、制御コマンド送信手段118等を備えている。
普通乱数作成処理手段101は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段102は、普通図柄始動手段19による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段19を遊技球が通過し、通過検出スイッチ19aがその遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段101で作成された当たり判定乱数値等よりなる乱数情報を1個取得し、その乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段103に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段104は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段16が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段103に1個以上の乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段103に記憶されている乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図9に示すように、後述する時短遊技状態中(以下、高ベース時という)の当たり確率(例えば1/1.3)が、時短遊技状態中以外(以下、低ベース時という)の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また高ベース時の変動時間(例えば2.7秒)が低ベース時の変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段105は、普通図柄処理手段104による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段16の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2開閉式特別図柄始動口22aの開閉板47を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図9に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、低ベース時には通常開閉パターンが、高ベース時には延長開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段106は、普通図柄処理手段104による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段16の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段16が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段103に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段16による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段104で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段104で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段111a,111bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動口チェック処理手段112a,112bは、第1特別図柄始動口20a、第2特別図柄始動口21a、第2開閉式特別図柄始動口22aへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1特別始動口チェック処理手段112aは、第1特別図柄始動口20aに遊技球が入賞し、入賞検出スイッチ45がその遊技球を検出することに基づいて、第1特別乱数作成処理手段111aで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の第1特別乱数記憶手段113aに記憶させ、また第2特別始動口チェック処理手段112bは、第2特別図柄始動口21aと第2開閉式特別図柄始動口22aとの何れかに遊技球が入賞し、それら始動口21a,22aに対応する入賞検出スイッチ21c,50がその遊技球を検出することに基づいて、第2特別乱数作成処理手段111bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等よりなる乱数情報を1個取得し、その乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の第2特別乱数記憶手段113bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段114a,114bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段113a,113bに1個以上の乱数情報が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段113a,113bに記憶されている乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段113a,113bに記憶されている乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図8に示すように、第1,第2特別図柄の大当たり態様として夫々1〜4の4種類が設けられており、第1,第2特別図柄の何れについても、大当たり態様1〜4の選択率が夫々30,30,30,10%に設定されているものとする。
また、例えば特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段18aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段18bの図柄変動を優先するように制御される。
特別利益状態発生手段115は、特別利益状態を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段114a,114bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて、第1,第2大入賞手段23,24の開閉板55,56を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるように構成されている。特別利益状態における第1,第2大入賞手段23,24の開放パターンは例えば複数種類用意されており、大当たり態様の種類に応じてそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図8に示すように、特別利益状態中における第1,第2大入賞手段23,24の開放パターンとして、第1,第2大入賞手段23,24を例えば交互に0.2秒間開放する動作を6ラウンド繰り返す第1開放パターンと、開放してから30秒経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を例えば第1,第2大入賞手段23,24について交互に6ラウンド繰り返す第2開放パターンの2種類が設けられており、特別利益状態発生手段115は、第1特別図柄が大当たり態様となった場合にはその大当たり態様の種類に拘わらず第1開放パターンを、第2特別図柄が大当たり態様となった場合にはその大当たり態様の種類に拘わらず第2開放パターンを夫々選択するようになっている。
このように、本実施形態では、1回の特別利益状態で遊技者が得られる利益(例えば賞球払出個数の期待値)は、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が明らかに大きくなっている。なお、本実施形態の第1,第2開放パターンはあくまでも一例であり、例えば第1大入賞手段23と第2大入賞手段24との何れか一方のみを開放する開放パターン、第1,第2大入賞手段23,24を同時に開放する開放パターン等を用いてもよい。また、大当たり態様の種類、抽選結果等に応じて複数種類の開放パターンの何れかを選択するようにしてもよい。
第1,第2特別図柄表示制御手段116a,116bは、第1,第2特別図柄表示手段18a,18bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段114a又は第2特別図柄処理手段114bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段18a又は第2特別図柄表示手段18bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段117は、特別遊技状態の発生を制御するもので、確変遊技状態発生手段117aと時短遊技状態発生手段117bとを備えている。確変遊技状態発生手段117aは、特別遊技状態の一例としての確変遊技状態の発生を制御するもので、例えば大当たり態様の種類に応じて、確変遊技状態を所定期間発生させるようになっている。本実施形態では、確変遊技状態の継続期間を第1,第2特別図柄の変動回数によって規定するものとし、以下の説明では、例えば第1,第2特別図柄が20回変動するまで継続される確変遊技状態を、単に20回変動の確変遊技状態というものとする。なお、確変遊技状態の発生後、第1,第2特別図柄が所定回数(例えば20回)変動するまでに次の特別利益状態が発生した場合にはその時点で確変遊技状態は終了する。
確変遊技状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数が増加することにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が低確率(例えば1/51)から高確率(例えば1/50)に切り換えられるため、低確率状態中に比べて遊技者に有利となる。本実施形態では、図8に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄の何れが大当たり態様となった場合でも、低ベース時と高ベース時とに拘わらず、また低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、特別利益状態の終了後に常に20回変動の確変遊技状態が発生するようになっている。
時短遊技状態発生手段117bは、特別遊技状態の一例としての時短遊技状態の発生を制御するもので、例えば大当たり態様の種類に応じて、時短遊技状態を所定期間発生させ、又は発生させないようになっている。なお本実施形態では、確変遊技状態と同様、時短遊技状態の継続期間についても第1,第2特別図柄の変動回数によって規定するものとし、以下の説明では、例えば第1,第2特別図柄が20回変動するまで継続される時短遊技状態を、単に20回変動の確変遊技状態というものとする。なお、時短遊技状態の発生後、第1,第2特別図柄が所定回数(例えば20回)変動するまでに次の特別利益状態が発生した場合にはその時点で時短遊技状態は終了する。
時短遊技状態中(即ち高ベース時)は、第1,第2特別図柄の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図9に示すように当たり確率が低確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2開閉式特別図柄始動手段22の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
このように、時短遊技状態中(高ベース時)は、第2開閉式特別図柄始動手段22への遊技球の入賞が容易となり、また一定時間当たりの図柄変動回数が増加する等により、一定期間における賞球払出個数の期待値が増加するため、その継続期間が長いほど遊技者に有利となる。本実施形態では、図8に示すように時短遊技状態の継続期間が複数種類設けられている。
図8の例では、第2特別図柄が大当たり態様となった場合には、特別利益状態の種類に拘わらず特別利益状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、低ベース時と高ベース時とに拘わらず、また低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が80回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまでとなっている。ここで、第2特別図柄が大当たり態様となった場合における時短遊技状態の継続期間の期待値を計算すると図柄変動回数74回となる。
これに対し、第1特別図柄が大当たり態様となった場合については、時短遊技状態の継続期間(時短遊技状態が発生しない場合を含む)の設定が低ベース時と高ベース時とで異なっており、また低ベース時については、低確率時と高確率時とでも異なっている。即ち、第1特別図柄が大当たり態様となった場合には、それが高ベース時であれば、低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、特別利益状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、第2特別図柄が大当たり態様となった場合と同じく、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が80回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまでとなっている。この場合の時短遊技状態の継続期間の期待値を計算すると図柄変動回数74回となる。
一方、第1特別図柄が大当たり態様となった場合にそれが低ベース時であれば、高確率時(確変遊技状態中)の場合には、特別利益状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が40回変動するまでとなっているのに対し、低確率時の場合には、大当たり態様4の場合にのみ特別利益状態の終了後に時短遊技状態が発生し、その継続期間は第1,第2特別図柄が40回変動するまでとなっている。ここで、第1特別図柄が大当たり態様となった場合の低ベース時における時短遊技状態の継続期間の期待値は、高確率時(確変遊技状態中)の場合は図柄変動回数22回、低確率時の場合は図柄変動回数4回となる。
このように、時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、低ベース時に第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも高ベース時に第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が大きな値に設定されており、また低ベース時に第1特別図柄が大当たり態様となった場合の時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、低確率時よりも高確率時の方が大きな値に設定されている。
以上のとおり、本実施形態では、1回の特別利益状態で遊技者が得られる利益だけでなく、特別利益状態終了後に発生する時短遊技状態により遊技者が得られる利益についても、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が明らかに大きくなっている。
制御コマンド送信手段118は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板92等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段114a,114bによる特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、減算後の第1,第2特別保留個数を指定する第1,第2保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を指定する第1,第2停止図柄コマンドを例えばこの順序で演出制御基板92側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板92側に送信する機能、第1特別図柄始動口20a、第2特別図柄始動口21a、第2開閉式特別図柄始動口22aへの遊技球入賞時に増加後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留増加コマンドを演出制御基板92側に送信する機能、第2特別図柄始動口21aに遊技球が入賞し、入賞検出スイッチ21cがその遊技球を検出することに基づいて始動入賞演出コマンドを演出制御基板92側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板92は、画像表示手段15上の演出図柄表示手段29、第1特別保留個数表示手段30a及び第2特別保留個数表示手段30b、可動演出体38、音声出力手段121、電飾手段122等の各種演出手段を制御するもので、図柄変動演出制御手段123、特別保留個数表示制御手段124、振り分け演出制御手段125等を備えている。
図柄変動演出制御手段123は、演出図柄表示手段29の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段121、電飾手段122等の制御を行うもので、主制御基板91から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に第1,第2停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄表示手段29の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段15上で所定の演出画像と共に演出図柄の変動を開始させ、変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段121から所定の効果音を出力し、電飾手段122を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段124は、第1,第2特別保留個数表示手段30a,30bの表示制御を行うもので、主制御基板91から第1,第2保留増加コマンドを受信したときに、その第1,第2保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段15上の第1,第2特別保留個数表示手段30a,30bに表示されている第1,第2特別保留個数報知画像の個数が増加後の第1,第2特別保留個数と一致するように、既に表示されている第1,第2特別保留個数報知画像の待ち行列の後ろ側に第1,第2特別保留個数報知画像を1個追加表示し、また主制御基板91から第1,第2保留減算コマンドを受信することに基づいて、画像表示手段15上の第1,第2特別保留個数表示手段30a,30bに表示されている第1,第2特別保留個数報知画像の個数が減少後の第1,第2特別保留個数と一致するように、待ち行列の先頭の第1,第2特別保留個数報知画像を消去すると共にその他の保留個数報知画像を待ち行列の先頭側にシフトするように構成されている。
振り分け演出制御手段125は、ステージ37による遊技球の振り分けに関する演出を制御するもので、主制御基板91から始動入賞演出コマンドを受信したとき、即ちワープ入口35に流入した遊技球が上ステージ37a上で第2特別図柄始動口21a側に振り分けられ、入賞検出スイッチ21cがその遊技球を検出したときに、例えば可動演出体38を所定パターンで揺動させつつ所定の発光パターンで発光させるように構成されている。
以上のように構成された本実施形態のパチンコ機では、図8に示すように、1回の特別利益状態で遊技者が得られる利益が、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が格段に大きく、また特別利益状態の終了後に発生する時短遊技状態によって遊技者が得られる利益についても、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が全体として大きくなっている。
しかしながら、低ベース時(時短遊技状態中以外)は、普通図柄表示手段16で当たり態様となる確率は低く、しかも普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても第2開閉式特別図柄始動口22aの開放時間は僅かであるため(図9)、第2開閉式特別図柄始動口22aに関しては入賞の可能性は極めて低い。一方、第1特別図柄始動口20a及び第2特別図柄始動口21aは、共に非開閉式の入賞手段であり、遊技状態によって入賞の困難性が変化することはない。
従って、本実施形態のパチンコ機では、低ベース時には、右流下経路33b側の普通図柄始動手段19及び第2開閉式特別図柄始動口22aを狙って右打ちをするよりも、左打ちをして左流下経路33a側から第1特別図柄始動口20a又は第2特別図柄始動口21aへの入賞を狙う方が遊技者にとって有利である。左打ちをした場合、その遊技球が中央表示ユニット12のワープ入口35に流入すれば、ステージ37による振り分けによって第2特別図柄始動口21aに入賞する可能性があり、また第2特別図柄始動口21aに入賞しなかった場合でも、下ステージ37bの球排出部36を経て第1特別図柄始動口20aに入賞する可能性がある。また、遊技球がワープ入口35に流入しなかった場合でも、第1特別図柄始動口20aについては、左流下経路33aを流下した遊技球が直接入賞する可能性がある。
遊技者が低ベース時に左打ちをした場合、その遊技球が第1特別図柄始動口20aに入賞すると第1特別図柄表示手段18aが変動し、第2特別図柄始動口21aに入賞すると第2特別図柄表示手段18bが変動するが、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段18aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段18bの図柄変動が優先して行われる。
このように、本実施形態のパチンコ機では、低ベース時であっても、第1特別図柄表示手段18aの変動開始に係る第1特別図柄始動口20aだけでなく、遊技者にとってより有利な第2特別図柄表示手段18bの変動開始に係る第2特別図柄始動口21aへの入賞も期待できるため、いわゆる右打ちと左打ちとのどちらが遊技者にとって有利であるかが遊技状態によって明確に異なるにも拘わらず、変化に富んだ遊技展開が期待できる。
低ベース且つ低確率の状態で第1特別図柄始動口20aに遊技球が入賞して第1特別図柄表示手段18aが変動し、その変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、第1,第2大入賞口23a,24aが開放する特別利益状態が発生するため、遊技者は右流下経路33b側から第1,第2大入賞口23a,24aを狙って右打ちに切り換えればよい。但し、この場合の第1,第2大入賞口23a,24aの開放パターンは、0.2秒間の開放を6ラウンド繰り返す第1開放パターンであるため(図8)、第1,第2大入賞口23a,24aへの入賞はほとんど期待できない。
その特別利益状態の終了後に時短遊技状態が発生すれば、普通図柄表示手段16で当たり態様となる確率が高くなり、しかも普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生した場合の第2開閉式特別図柄始動口22aの開放時間が長くなるため(図9)、その時短遊技状態中はそのまま右打ちを継続して右流下経路33b上の普通図柄始動手段19及び第2開閉式特別図柄始動口22aを狙うことにより、低ベース時に比べてより有利に遊技を行うことができる。しかしながら本実施形態の場合、低ベース且つ低確率の状態で時短遊技状態が発生する確率は10%(大当たり態様4の選択率)に過ぎない(図8)。
一方、低ベース且つ低確率の場合に第1特別図柄で大当たり態様となった場合でも、20回変動の確変遊技状態については必ず発生する。即ち、低ベース且つ低確率の場合に第1特別図柄で大当たり態様となった場合には、90%の確率(大当たり態様1〜3の選択率)で、特別利益状態の終了後の図柄変動20回の間は低ベース且つ高確率の状態となる。
この低ベース且つ高確率の状態になると、遊技者は再び左打ちをして左流下経路33a側から第1特別図柄始動口20a又は第2特別図柄始動口21aへの入賞を狙うことになるが、低ベース且つ低確率の場合に比べて大当たり態様となる確率が高く、またこの低ベース且つ高確率の状態で例えば第1特別図柄が大当たり態様となった場合には20回変動以上の時短遊技状態が必ず発生するため、低ベース且つ低確率の場合に比べて遊技者に有利な状態で遊技を行うことができる。
時短遊技状態が発生すると、その期間中(高ベース時)は、第1,第2特別図柄で大当たり態様となった場合に必ず時短遊技状態が発生し、しかもその継続期間が低ベース時(期待値は22回)に比べて長い(期待値は74回)ため、遊技者がその有利な状態を維持することが比較的容易となる。
このように、低ベース且つ低確率の状態から、第1特別図柄側での大当たりを繰り返すことにより低ベース且つ高確率の状態を経て遊技者に有利な高ベースでの遊技に移行するというのが最も一般的な遊技の流れである。しかしながら本実施形態の場合には、低ベース時に左打ちをしている場合でも、中央表示ユニット12内の第2特別図柄始動口21aへの入賞によって第2特別図柄が変動する可能性がある。第2特別図柄の場合、大当たり態様となった場合の確変遊技状態、時短遊技状態の発生確率及び継続期間は低ベース時であっても高ベース時と同じであるため、大当たり態様となった場合にはいきなり遊技者にとって最も有利な状態で遊技を行うことができる。
また、遊技者が右打ちをし、遊技球が右流下経路33b側に流入すると、その遊技球は普通図柄始動手段19を通過し、又は通過することなく中央表示ユニット12の右側を流下し、例えば図10(a)に示すように、上部流路形成手段68の上傾斜部71aによって第2開閉式特別図柄始動口22aの上側に案内される。そしてその遊技球は、第2開閉式特別図柄始動口22aの上側に配置された多数の遊技釘7aによって第2開閉式特別図柄始動口22a上、又はその左右の何れかに導かれる。
第2開閉式特別図柄始動口22aの左側に導かれた遊技球は、第2開閉式特別図柄始動口22aへの入賞経路からは外れるが、普通入賞口28a及び第2大入賞口24aの上側に案内される。また、第2開閉式特別図柄始動口22a上に導かれた遊技球は、その時点でちょうど第2開閉式特別図柄始動口22aが開放中であれば第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞する。
一方、第2開閉式特別図柄始動口22a上に導かれても、その時点で第2開閉式特別図柄始動口22aが閉鎖中であれば、その遊技球は第2開閉式特別図柄始動口22aに入賞することなくその前を通過して第1傾斜部75a上に落下し、この第1傾斜部75aによって第2大入賞口24aの上側、即ち第2大入賞口24aへの入賞経路に案内される。また、第2開閉式特別図柄始動口22aの右側に導かれた遊技球は、第1側部流下通路74を経て同じく第1傾斜部75a上に流下し、この第1傾斜部75aによって第2大入賞口24aの上側、即ち第2大入賞口24aへの入賞経路に案内される。
このように、本実施形態では、第2開閉式特別図柄始動口22aの上方での遊技釘7a等による振り分け方向に拘わらず、第2開閉式特別図柄始動口22aへの入賞を逃した全ての遊技球に対して、その下流側の第2大入賞口24aへの入賞機会が与えられるようになっている。
また、例えば図10(b)に示すように、普通入賞口28a及び第2大入賞口24aの上側に導かれた遊技球は、普通入賞口28aに入賞するか、普通入賞口28aの両脇をかすめて第2大入賞口24a上に流下するか、又は第2大入賞口24aの左右何れかを流下する。また、第1傾斜部75aに沿って流下してきた遊技球は、例えば第2大入賞口24a上に案内されるか、又は第2大入賞口24aの右側を流下する。
第2大入賞口24aの左側に導かれた遊技球は、第2大入賞口24aへの入賞経路からは外れるが、第1特別図柄始動口20a及び第1大入賞口23aの上側に案内される。また、第2大入賞口24a上に導かれた遊技球は、その時点でちょうど第2大入賞口24aが開放中であれば第2大入賞口24aに入賞する。
一方、第2大入賞口24a上に導かれても、その時点で第2大入賞口24aが閉鎖中であれば、その遊技球は第2大入賞口24aに入賞することなくその前を通過して第2傾斜部75b上に落下し、この第2傾斜部75bによって第1大入賞口23aの上側、即ち第1大入賞口23aへの入賞経路に案内される。また、第2大入賞口24aの右側に導かれた遊技球は、第2側部流下通路81を経て同じく第2傾斜部75b上に流下し、この第2傾斜部75bによって第1大入賞口23aの上側、即ち第1大入賞口23aへの入賞経路に案内される。
このように、本実施形態では、第2大入賞口24aの上方での遊技釘7a等による振り分け方向に拘わらず、第2大入賞口24aへの入賞を逃した全ての遊技球に対して、その下流側の第1大入賞口23aへの入賞機会が与えられるようになっている。
また、例えば図10(c)に示すように、第1特別図柄始動口20a及び第1大入賞口23aの上側に導かれた遊技球は、第1特別図柄始動口20aに入賞するか、第1特別図柄始動口20aの両脇をかすめて第1大入賞口23a上に流下するか、又は第1大入賞口23aの左右何れかを流下してアウト口63に案内される。また、第2傾斜部75bに沿って流下してきた遊技球は、例えば第1大入賞口23a上に案内されるか、又は第1大入賞口23aの右側を流下してアウト口63に案内される。
第1大入賞口23a上に導かれた遊技球は、その時点でちょうど第1大入賞口23aが開放中であれば第1大入賞口23aに入賞するが、第1大入賞口23aが閉鎖中であれば第1大入賞口23aに入賞することなくその前を通過し、アウト口63に案内される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、遊技領域7内における第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22aの下流側に、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22aに入賞(入球)しなかった遊技球を第2大入賞口(第2入球口)24aの入賞経路(入球経路)に誘導する第1傾斜部(遊技球誘導手段)75aが配置されており、更に第2大入賞口(第1入球口)24aの下流側に、第2大入賞口(第1入球口)24aに入賞(入球)しなかった遊技球を第1大入賞口(第2入球口)23aの入賞経路(入球経路)に誘導する第2傾斜部(遊技球誘導手段)75bが配置されており、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22a、第2大入賞口(第1入球口)24aは、遊技球が入球可能な開状態と入球不可能な閉状態とに切り替え可能であって閉状態ではその前側を遊技球が通過可能となるように構成されており、第1,第2傾斜部(遊技球誘導手段)75a,75bは、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22a、第2大入賞口(第1入球口)24aが閉状態のときにその前側を流下した遊技球を第2大入賞口(第2入球口)24a、第1大入賞口(第2入球口)23aの入賞経路(入球経路)に誘導するように構成されているため、第2開閉式特別図柄始動口22aの上方での遊技釘7a等による振り分け方向に拘わらず、第2開閉式特別図柄始動口22aへの入賞を逃した遊技球に対して、その下流側の第2大入賞口24aへの入賞機会が与えられ、また第2大入賞口24aの上方での遊技釘7a等による振り分け方向に拘わらず、第2大入賞口24aへの入賞を逃した遊技球に対して、その下流側の第1大入賞口23aへの入賞機会が与えられる。従って、下流側の入賞口24a,23aへの入賞率がその上流側の入賞口22a,24aの入賞率に依存せず、各入賞口22a,23a,24aの入賞率をそれぞれ独立に調整することが可能である。
また、第2大入賞口(第2入球口)24aは、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22aに対して左側(左右方向の所定側)にずれた位置に配置されており、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22aに対して右側(左右方向の非所定側)を流下した全ての遊技球が第1傾斜部(遊技球誘導手段)75a上に案内されるように構成されており、第1大入賞口(第2入球口)23aは、第2大入賞口(第1入球口)24aに対して左側(左右方向の所定側)にずれた位置に配置されており、第2大入賞口(第1入球口)24aに対して右側(左右方向の非所定側)を流下した全ての遊技球が第2傾斜部(遊技球誘導手段)75b上に案内されるように構成されており、更に第1,第2傾斜部(遊技球誘導手段)75a,75bは、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22a、第2大入賞口(第1入球口)24aの下側に配置され且つその左側(左右方向の所定側)の端部が第2大入賞口(第2入球口)24a、第1大入賞口(第2入球口)23aの上部又はその近傍に達するように配置されているため、第2開閉式特別図柄始動口(第1入球口)22a、第2大入賞口(第1入球口)24aに入賞(入球)しなかった遊技球を第2大入賞口(第2入球口)24a、第1大入賞口(第2入球口)23aの入賞経路(入球経路)に確実に誘導することができる。
また、第1,第2傾斜部(遊技球誘導手段)75a,75bは、樹脂製の傾斜面で構成されているため、遊技釘7aの羅列によって遊技球の流路を形成する場合と比べて傾斜角度をより小さくできる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1入球口と第2入球口との少なくとも一方に、実施形態と異なる形式の開閉手段を設けてもよい。また、第1入球口と第2入球口との少なくとも一方が非開閉式の入球口であってもよい。また、上流側の第1入球口と下流側の第2入球口との左右方向の位置関係については、例えばそれらの少なくとも一部が互いに重なっていてもよい。
遊技球誘導手段は、例えばその少なくとも一部が金属製の傾斜面で構成されていてもよい。第1入球口と第2入球口とは異なるユニット部品上に配置されていてもよい。また第1入球口と第2入球口とを左流下経路33a側に設けてもよい。
第1特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益よりも第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益を大きくするための設定内容は任意であり、例えば大当たり状態中に遊技者が得られる利益が同じでも、その後に発生する確変遊技状態、時短遊技状態によって遊技者が得られる利益を大きくすれば、第1特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益よりも第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益を大きくすることが可能である。
実施形態では、ステージ37上に第2特別図柄始動口21aを設けた例を示したが、これを省略し、第2特別図柄表示手段18bは第2開閉式特別図柄始動口22aへの入賞のみに基づいて変動するようにしてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。