以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に対して開閉及び着脱自在に枢着された内枠3とを備えている。
内枠3には、その上部側に遊技盤4(図2)等が、下部側に発射手段(図示省略)等が夫々配置されており、その内枠3の前側には、遊技盤4の前側を覆うガラス扉5と、そのガラス扉5の下側で発射手段等の前側を覆う下部開閉扉6とが開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉5には、遊技盤4の前面側に設けられた遊技領域7に対応するガラス窓8が設けられ、また下部開閉扉6には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段に供給する貯留皿9、発射手段を作動させるために操作する発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤4には、図2に示すように、発射手段によって発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域7に、センターケース12の他、普通図柄始動手段13、第1始動手段14、第2開閉式始動手段15、大入賞手段(開閉式入球手段)16、普通入賞手段17等の各種遊技部品が配置されると共に、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、センターケース12の前側等、遊技盤4の前側の任意の位置に、普通図柄表示手段21、第1特別図柄表示手段22a、第2特別図柄表示手段22b、演出図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24、第1特別保留個数表示手段25a、第2特別保留個数表示手段25b等の各種表示手段が設けられている。
センターケース12は、例えば遊技領域7内の左右方向略中央の上部側に配置されており、図3〜図6等に示すように、遊技盤4に形成される装着孔4aに対して前側から装着される前装飾枠31と、この前装飾枠31に対応して遊技盤4の裏側に装着される後部ケース32と、演出図柄表示手段23を構成する7セグメント式その他の図柄表示ユニット33と、遊技球が入球可能な球入口34と、この球入口34に入球した遊技球を第2始動手段35と通常通路36とに振り分ける振り分け手段37と、下部ステージ38と、振り分け手段37により通常通路36側に振り分けられた遊技球を下部ステージ38に案内する下部ステージ案内通路39とを備えている。
また、振り分け手段37は、球入口34に入球した遊技球を例えば前向きに不規則に流下させる上部ステージ(ステージ)41と、この上部ステージ41の前側で左右方向に移動可能に配置された可動部42と、この可動部42を左右方向に往復移動させる駆動手段43等を備え、可動部42上に、第2始動手段35と、この第2始動手段35に入賞しなかった遊技球を通常通路36側に案内する通常案内部44とが設けられている。
前装飾枠31は、例えば装着孔4aの外側で遊技盤4の前面側に沿って設けられ且つ固定ねじ等により遊技盤4に固定される前面装着板45と、図柄表示ユニット33、振り分け手段37等が配置される内部領域46を略取り囲むように例えば前面装着板45の前側に突設される囲繞枠47とを例えば一体に備えており、発射手段により遊技領域7の上部側に打ち込まれた遊技球は、このセンターケース12の上部側で囲繞枠47により左右に振り分けられ、センターケース12の左側の左流下経路(第1流下経路)48aと右側の右流下経路(第2流下経路)48bとの何れかを流下するようになっている。
また、後部ケース32は、例えば前側が開放した略箱形に形成され、装着孔4aの外側で遊技盤4の背面に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
球入口34は、前装飾枠31の囲繞枠47上の例えば左上部に設けられ、左流下経路48a側に向けて開口している。この球入口34に入球した遊技球は、例えば前装飾枠31に設けられた入球案内通路49によって後ろ向きに案内され、上部ステージ41の最上流部に対して左右方向、即ち右向きに排出されるようになっている。
上部ステージ41は、左右方向に配置された一又は複数、例えば3つの転動路41a〜41cを例えば前下がりの階段状に備えており、図4,図5に示すように、内部領域46の上部側で且つ遊技盤4よりも後方に配置され、例えば前装飾枠31に着脱自在に固定されている。各転動路41a〜41cには、前下がりの傾斜状に形成された凹部50が左右方向に複数連接され、また各転動路41a〜41cの凹部50は互いに千鳥状に配置されており、入球案内通路49によって最上流側、即ち最後部の転動路41aに排出された遊技球は、各転動路41a〜41c上で左右方向に不規則に転動しつつ前向きに流下し、可動部42上に落下するようになっている。
可動部42は、上部ステージ41の前側に沿って左右方向に配置され且つ第2始動手段35と通常案内部44とが設けられる可動ステージ51と、この可動ステージ51の前側に配置される装飾板52と、第2始動手段35に入賞した遊技球を遊技盤4の後側に案内する入賞案内通路53と、この入賞案内通路53を流下する遊技球を検出する入賞検出スイッチ54とを備え、例えば後部ケース32に固定されるガイド部材55により左右方向移動可能に支持される可動フレーム56に着脱自在に固定されている。
第2始動手段35は、第2特別図柄表示手段22bによる第2特別図柄の変動表示を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式の入賞手段により構成されており、例えば可動ステージ51の左右方向中央に上向き開口状に形成され、入賞した遊技球を入賞案内通路53に向けて後ろ向きに案内するようになっている。また通常案内部44は、第2始動手段35の左右両側に外向きの緩やかな傾斜状に形成されている。入賞案内通路53は、例えば上部ステージ41の下側に略上下方向に配置され、可動ステージ51と一体的に移動可能となっている。なお、可動フレーム56には可動部42の他、図柄表示ユニット33、装飾部品57等も装着されており、これらが一体的に左右方向移動可能となっている。
駆動手段43は、例えばステッピングモータにより構成され、図6に示すようにガイド部材55に着脱自在に固定されており、ガイド部材55により可動フレーム56と一体に支持される被ガイド部材58を、駆動ギヤ59とカムギヤ60とを介して左右方向に駆動することにより、可動部42等を、図7(a)に示す右位置と図7(b)に示す左位置との間で往復移動させることが可能となっている。
通常通路36は、可動ステージ51の左右両側に配置され、例えば前装飾枠31に着脱自在に固定されている。左右の通常通路36は、例えば左右方向外向きの緩やかな傾斜状に形成され、その上流端側(左右方向内側)の各一部分が、可動ステージ51の左右両端部の下側に常に重なり、また下流側端部(左右方向外側)が下部ステージ案内通路39の上流側端部39a(図4)に連通しており、可動ステージ51の通常案内部44からの遊技球を受けて左右方向両側の下部ステージ案内通路39に流入させるようになっている。
下部ステージ案内通路39は、例えば内部領域46の左右両側に沿って前後左右に屈曲しつつ略上下方向に配置されており、その下流端側の流出口39bが下部ステージ38の左右両側で対向している。
下部ステージ38は、前面装着板45の下部側の上縁に沿ってその後側に横長状に配置され、下部ステージ案内通路39の流出口39bから排出された遊技球を左右方向に自由に転動させた後、センターケース12の外側の遊技領域7に向けて、左右方向中央の中央排出部(球排出部)38a又はその両側の側部排出部(球排出部)38bから前側に落下させるようになっている。なお、囲繞枠47の下部側を構成する下部囲繞壁47aは、下部ステージ38及び流出口39bの上側に配置されている。
左流下経路48a側に打ち込まれた遊技球が球入口34に入球すると、その遊技球は入球案内通路49を経て上部ステージ41を不規則に流下し、その上部ステージ41の前側で左右に往復移動している可動ステージ51上に落下する。そして、その落下位置が第2始動手段35上であれば、その遊技球は第2始動手段35に入賞し、入賞案内通路53により遊技盤4の後側に案内されると共に入賞検出スイッチ54により検出される。一方、可動ステージ51への落下位置が第2始動手段35上でなければ、その遊技球は通常案内部44によって左右何れかの通常通路36に案内され、下部ステージ案内通路39を経て下部ステージ38上で左右方向に転動した後、中央排出部38a又はその両側の側部排出部38bから前側に落下する。
普通図柄始動手段13は、普通図柄表示手段21による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成されており、その通過球を検出可能な検出スイッチ(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段13は、例えばセンターケース12の右側上部、即ち右流下経路48bの上部側に配置されており、右流下経路48bを流下する遊技球の一部がこれを通過するようになっている。即ち、この普通図柄始動手段13が右流下経路48bを流下する遊技球を検出する確率は、左流下経路48aを流下する遊技球を検出する確率(≒0%)に比べて格段に高くなっている。
普通図柄表示手段21は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段13が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段13による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段21の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段13が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1始動手段14は、第1特別図柄表示手段22aによる第1特別図柄の変動表示を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式の入賞手段により構成され、入賞球を検出可能な検出スイッチ(図示省略)を備えており、例えば下部ステージ38の中央排出部38aの真下に配置されている。このように、第1始動手段14には、左流下経路48aから球入口34に入球し、振り分け手段37により通常通路36側に案内された遊技球が下部ステージ38の中央排出部38aを経て入賞する入賞ルートが存在すること、及び図示しない遊技釘の配置等により、左流下経路48aを流下する遊技球の方が右流下経路48bを流下する遊技球よりも第1始動手段14に入賞する確率(第1始動手段14による検出率)が高くなるように構成されている。
第2開閉式始動手段15は、センターケース12内の第2始動手段35と同じく第2特別図柄表示手段22bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段15aにより遊技球が入賞不可能(又は入賞困難)な閉状態からそれよりも入賞容易な開状態へと所定時間変化可能に構成された開閉式の入賞手段により構成され、入賞球を検出可能な検出スイッチ(図示省略)を備えており、例えばセンターケース12の右側、即ち右流下経路48bにおける普通図柄始動手段13の下流側に配置されている。このように、第2開閉式始動手段15は、センターケース12の右側に配置されることにより、右流下経路48bを流下する遊技球が入賞する確率(検出率)の方が左流下経路48aを流下する遊技球が入賞する確率に比べて格段に高くなっている。
第1,第2特別図柄表示手段(第1,第2図柄表示手段)22a,22bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の第1,第2特別図柄(第1,第2図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段22aは第1始動手段14が遊技球を検出することを条件に、また第2特別図柄表示手段22bは第2始動手段35と第2開閉式始動手段15との何れかが遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら始動手段14,35,15への入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(第1,第2特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。本実施形態では、図10に示すように、第1,第2特別図柄の大当たり態様として夫々1〜4の4種類が設けられているものとする。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に第1始動手段14が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、第1特別保留個数表示手段25aが大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1特別保留個数)を表示して、その時点での第1特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。また同じく第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に第2始動手段35と第2開閉式始動手段15との何れかが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、第2特別保留個数表示手段25bが大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第2特別保留個数)を表示して、その時点での第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお本実施形態では、大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段22aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段22bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
演出図柄表示手段23は、例えば第1,第2特別図柄表示手段22a,22bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を変動表示可能な7セグメント式等の図柄表示ユニット33により構成されており、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するよう、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段22a,22bは同時に変動することはないため、演出図柄表示手段23の演出図柄は第1,第2特別図柄の何れか一方と同期して変動するが、演出図柄表示手段23は第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、演出図柄表示手段23による演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。
大入賞手段16は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板16aを備えた開閉式入賞手段で、入賞球を検出可能な検出スイッチ(図示省略)を備え、例えばセンターケース12の右側の右流下経路48b上で且つ第2開閉式始動手段15よりも下流側に配置されており、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様(第1,第2特定態様)となることに基づいて発生する大当たり状態(第1,第2利益状態)中に、開閉板16aが複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。このように、大入賞手段16は、センターケース12の右側下部に配置されることにより、右流下経路48bを流下する遊技球が入賞する確率(検出率)の方が左流下経路48aを流下する遊技球が入賞する確率に比べて格段に高くなっている。
図8は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図8において、61は主制御基板、62は演出制御基板で、これら各制御基板61,62は、遊技盤4に装着されたセンターケース12、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、内枠3及び遊技盤4を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板61は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段71、普通始動口チェック処理手段72、普通乱数記憶手段73、普通図柄処理手段74、普通利益状態発生手段75、普通図柄表示制御手段76、第1,第2特別乱数作成処理手段81a,81b、第1,第2特別始動口チェック処理手段82a,82b、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83b、第1,第2特別図柄処理手段84a,84b、大当たり状態発生手段85、第1,第2特別図柄表示制御手段86a,86b、確変遊技状態発生手段87、時短遊技状態発生手段88、振り分け制御手段89、制御コマンド送信手段90等を備えている。
普通乱数作成処理手段71は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段72は、普通図柄始動手段13による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段13が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段71で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段73に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段74は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段73に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段73に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図9に示すように、後述する時短遊技状態中(以下、高ベース時という)の当たり確率(例えば1/1.3)が、時短遊技状態中以外(以下、低ベース時という)の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また高ベース時の変動時間(例えば2.7秒)が低ベース時の変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段75は、普通図柄処理手段74による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2開閉式始動手段15の開閉手段15aを複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図9に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、低ベース時には通常開閉パターンが、高ベース時には延長開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段76は、普通図柄処理手段74による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段21の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段73に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段21による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段74で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段74で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段81a,81bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動口チェック処理手段82a,82bは、第1始動手段14,第2始動手段35,第2開閉式始動手段15への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1特別始動口チェック処理手段82aは、第1始動手段14に遊技球が入賞し、第1始動手段14に対応する検出スイッチがその入賞球を検出することに基づいて、第1特別乱数作成処理手段81aで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1特別乱数記憶手段83aに記憶させ、また第2特別始動口チェック処理手段82bは、第2始動手段35と第2開閉式始動手段15との何れかに遊技球が入賞し、それら始動手段35,15に対応する各検出スイッチがその入賞球を検出することに基づいて、第2特別乱数作成処理手段81bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第2特別乱数記憶手段83bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段84a,84bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段83a,83bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図10に示すように、第1,第2特別図柄の大当たり態様として夫々1〜4の4種類が設けられており、第1,第2特別図柄の何れについても、大当たり態様1〜4の選択率が夫々30,30,30,10%に設定されているものとする。
また、例えば大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段22aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段22bの図柄変動を優先するように制御される。
大当たり状態発生手段(第1,第2利益状態発生手段)85は、大当たり状態(第1,第2利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段84a,84bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(第1,第2特定態様)となることに基づいて、大入賞手段16を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるように構成されている。大当たり状態における大入賞手段16の開放パターンは例えば複数種類用意されており、大当たり態様の種類に応じてそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図10に示すように、大当たり状態中における大入賞手段16の開放パターンとして、0.2秒間の開放を6ラウンド繰り返す第1開放パターンと、開放してから30秒経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を6ラウンド繰り返す第2開放パターンの2種類が設けられており、大当たり状態発生手段85は、第1特別図柄が大当たり態様となった場合にはその大当たり態様の種類に拘わらず第1開放パターンを、第2特別図柄が大当たり態様となった場合にはその大当たり態様の種類に拘わらず第2開放パターンを夫々選択するようになっている。
このように、本実施形態では、1回の大当たり状態で遊技者が得られる利益(例えば賞球払出個数の期待値)は、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が明らかに大きくなっている。
第1,第2特別図柄表示制御手段86a,86bは、第1,第2特別図柄表示手段22a,22bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段84a又は第2特別図柄処理手段84bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段22a又は第2特別図柄表示手段22bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
確変遊技状態発生手段(第2特別遊技状態発生手段)87は、確変遊技状態(第2特別遊技状態)の発生を制御するもので、例えば大当たり態様の種類に応じて、確変遊技状態を所定期間発生させるようになっている。本実施形態では、確変遊技状態の継続期間を第1,第2特別図柄の変動回数によって規定するものとし、以下の説明では、例えば第1,第2特別図柄が20回変動するまで継続される確変遊技状態を、単に20回変動の確変遊技状態というものとする。なお、確変遊技状態の発生後、第1,第2特別図柄が所定回数(例えば20回)変動するまでに次の大当たり状態が発生した場合にはその時点で確変遊技状態は終了する。
確変遊技状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数が増加することにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が低確率(例えば1/51)から高確率(例えば1/50)に切り換えられるため、低確率状態中に比べて明らかに遊技者に有利となる。本実施形態では、図10に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄の何れが大当たり態様となった場合でも、低ベース時と高ベース時とに拘わらず、また低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、大当たり状態の終了後に常に20回変動の確変遊技状態が発生するようになっている。
時短遊技状態発生手段(第1特別遊技状態発生手段)88は、時短遊技状態(第1特別遊技状態)の発生を制御するもので、例えば大当たり態様の種類に応じて、時短遊技状態を所定期間発生させ、又は発生させないようになっている。なお、本実施形態では、確変遊技状態と同様、時短遊技状態の継続期間についても第1,第2特別図柄の変動回数によって規定するものとし、以下の説明では、例えば第1,第2特別図柄が20回変動するまで継続される時短遊技状態を、単に20回変動の確変遊技状態というものとする。なお、時短遊技状態の発生後、第1,第2特別図柄が所定回数(例えば20回)変動するまでに次の大当たり状態が発生した場合にはその時点で時短遊技状態は終了する。
時短遊技状態中(即ち高ベース時)は、第1,第2特別図柄の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図9に示すように当たり確率が低確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2開閉式始動手段15の開閉手段15aの開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
このように、時短遊技状態中(高ベース時)は、第2開閉式始動手段15への遊技球の入賞が容易となり、また一定時間当たりの図柄変動回数が増加する等により、一定期間における賞球払出個数の期待値が増加するため、その継続期間が長いほど遊技者に有利となる。本実施形態では、図10に示すように時短遊技状態の継続期間が複数種類設けられている。
図10の例では、第2特別図柄が大当たり態様となった場合には、大当たり状態の種類に拘わらず大当たり状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、低ベース時と高ベース時とに拘わらず、また低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が80回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまでとなっている。ここで、第2特別図柄が大当たり態様となった場合における時短遊技状態の継続期間の期待値を計算すると図柄変動回数74回となる。
これに対し、第1特別図柄が大当たり態様となった場合については、時短遊技状態の継続期間(時短遊技状態が発生しない場合を含む)の設定が低ベース時と高ベース時とで異なっており、また低ベース時については、低確率時と高確率時とでも異なっている。即ち、第1特別図柄が大当たり態様となった場合には、それが高ベース時であれば、低確率時と高確率時(確変遊技状態中)とに拘わらず、大当たり状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、第2特別図柄が大当たり態様となった場合と同じく、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が80回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまでとなっている。この場合の時短遊技状態の継続期間の期待値を計算すると図柄変動回数74回となる。
一方、第1特別図柄が大当たり態様となった場合にそれが低ベース時であれば、高確率時(確変遊技状態中)の場合には、大当たり状態の終了後に常に時短遊技状態が発生し、その継続期間は、大当たり態様1〜3の場合には第1,第2特別図柄が20回変動するまで、大当たり態様4の場合には第1,第2特別図柄が40回変動するまでとなっているのに対し、低確率時の場合には、大当たり態様4の場合にのみ大当たり状態の終了後に時短遊技状態が発生し、その継続期間は第1,第2特別図柄が40回変動するまでとなっている。ここで、第1特別図柄が大当たり態様となった場合の低ベース時における時短遊技状態の継続期間の期待値は、高確率時(確変遊技状態中)の場合は図柄変動回数22回、低確率時の場合は図柄変動回数4回となる。
このように、時短遊技状態(第1特別遊技状態)の発生確率及び/又は継続期間は、低ベース時に第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも高ベース時に第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が大きな値に設定されており、また低ベース時に第1特別図柄が大当たり態様となった場合の時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、低確率時よりも高確率時の方が大きな値に設定されている。
以上のとおり、本実施形態では、1回の大当たり状態で遊技者が得られる利益だけでなく、大当たり状態終了後に発生する時短遊技状態により遊技者が得られる利益についても、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が明らかに大きくなっている。
振り分け制御手段89は、振り分け手段37による振り分け動作を制御するもので、駆動手段43を作動させて、第2開閉式始動手段15が設けられた可動部42を左右方向に往復移動させるように構成されている。なお、可動部42の動作パターンは一定であっても可変であってもよく、また所定期間中のみ動作させるようにしてもよい。例えば球入口34への遊技球の入球を検出可能に構成し、球入口34への遊技球の入球後の所定期間にのみ可動部42を動作させるようにしてもよい。
制御コマンド送信手段90は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板62等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば第1,第2特別図柄の変動に関しては、第1,第2特別図柄処理手段84a,84bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド等を順次演出制御基板62に送信すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止時に演出図柄の変動停止を指定する変動停止指定コマンドを演出制御基板62側に送信するようになっている。
演出制御基板62は、演出図柄表示手段23、音声出力手段91、電飾手段92等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段93等を備えている。演出図柄制御手段93は、演出図柄表示手段23の表示制御及びそれに伴う音声出力手段91、電飾手段92等の制御を行うもので、主制御基板61側から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて演出図柄表示手段23による演出図柄の変動を開始させると共に、変動停止指定コマンドを受信したときに、停止図柄指定コマンドに基づいて選択された停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段91から所定の効果音を出力し、また電飾手段92を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上のように構成された本実施形態のパチンコ機では、図10に示すように、1回の大当たり状態で遊技者が得られる利益が、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が格段に大きく、また大当たり状態の終了後に発生する時短遊技状態によって遊技者が得られる利益についても、第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が全体として大きくなっている。
しかしながら、低ベース時(時短遊技状態中以外)は、普通図柄表示手段21で当たり態様となる確率は低く、しかも普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても第2開閉式始動手段15の開放時間は僅かであるため(図9)、第2開閉式始動手段15に関しては入賞の可能性は極めて低い。一方、第1始動手段14及び第2始動手段35は、共に非開閉式の入賞手段であり、遊技状態によって入賞の困難性が変化することはない。
従って、本実施形態のパチンコ機では、低ベース時には、右流下経路48b側の普通図柄始動手段13及び第2開閉式始動手段15を狙って右打ちをするよりも、左打ちをして左流下経路48a側から第1始動手段14又は第2始動手段35への入賞を狙う方が遊技者にとって有利である。左打ちをした場合、その遊技球がセンターケース12の球入口34に入球すれば、振り分け手段37による振り分けによって第2始動手段35に入賞する可能性があり、また第2始動手段35に入賞しなかった場合でも、下部ステージ38の中央排出部38aを経て第1始動手段14に入賞する可能性がある。また、球入口34に入球しなかった場合でも、第1始動手段14については、左流下経路48aを流下した遊技球が直接入賞する可能性がある。
遊技者が低ベース時に左打ちをした場合、その遊技球が第1始動手段14に入賞すると第1特別図柄表示手段22aが変動し、第2始動手段35に入賞すると第2特別図柄表示手段22bが変動するが、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段22aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段22bの図柄変動が優先して行われる。
このように、本実施形態のパチンコ機では、低ベース時であっても、第1特別図柄表示手段22aの変動開始に係る第1始動手段14だけでなく、遊技者にとってより有利な第2特別図柄表示手段22bの変動開始に係る第2始動手段35への入賞も期待できるため、いわゆる右打ちと左打ちとのどちらが遊技者にとって有利であるかが遊技状態によって明確に異なるにも拘わらず、変化に富んだ遊技展開が期待できる。
低ベース且つ低確率の状態で第1始動手段14に遊技球が入賞して第1特別図柄表示手段22aが変動し、その変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、大入賞手段16が開放する大当たり状態が発生するため、遊技者は右流下経路48b上の大入賞手段16を狙って右打ちに切り換えればよい。但し、この場合の大入賞手段16の開放パターンは、0.2秒間の開放を6ラウンド繰り返す第1開放パターンであるため(図10)、大入賞手段16への入賞はほとんど期待できない。
その大当たり状態の終了後に時短遊技状態が発生すれば、普通図柄表示手段21で当たり態様となる確率が高くなり、しかも普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生した場合の第2開閉式始動手段15の開放時間が長くなるため(図9)、その時短遊技状態中はそのまま右打ちを継続して右流下経路48b上の普通図柄始動手段13及び第2開閉式始動手段15を狙うことにより、低ベース時に比べてより有利に遊技を行うことができる。しかしながら本実施形態の場合、低ベース且つ低確率の状態で時短遊技状態が発生する確率は10%(大当たり態様4の選択率)に過ぎない(図10)。
一方、低ベース且つ低確率の場合に第1特別図柄で大当たり態様となった場合でも、20回変動の確変遊技状態については必ず発生する。即ち、低ベース且つ低確率の場合に第1特別図柄で大当たり態様となった場合には、90%の確率(大当たり態様1〜3の選択率)で、大当たり状態の終了後の図柄変動20回の間は低ベース且つ高確率の状態となる。
この低ベース且つ高確率の状態になると、遊技者は再び左打ちをして左流下経路48a側から第1始動手段14又は第2始動手段35への入賞を狙うことになるが、低ベース且つ低確率の場合に比べて大当たり態様となる確率が高く、またこの低ベース且つ高確率の状態で例えば第1特別図柄が大当たり態様となった場合には20回変動以上の時短遊技状態が必ず発生するため、低ベース且つ低確率の場合に比べて遊技者に有利な状態で遊技を行うことができる。
時短遊技状態が発生すると、その期間中(高ベース時)は、第1,第2特別図柄で大当たり態様となった場合に必ず時短遊技状態が発生し、しかもその継続期間が低ベース時 (期待値は22回)に比べて長い(期待値は74回)ため、遊技者がその有利な状態を維持することが比較的容易となる。
このように、低ベース且つ低確率の状態から、第1特別図柄側での大当たりを繰り返すことにより低ベース且つ高確率の状態を経て遊技者に有利な高ベースでの遊技に移行するというのが最も一般的な遊技の流れである。しかしながら本実施形態の場合には、低ベース時に左打ちをしている場合でも、センターケース12内の第2始動手段35への入賞によって第2特別図柄が変動する可能性がある。第2特別図柄の場合、大当たり態様となった場合の確変遊技状態、時短遊技状態の発生確率及び継続期間は低ベース時であっても高ベース時と同じであるため、大当たり態様となった場合にはいきなり遊技者にとって最も有利な状態で遊技を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、発射手段によって遊技領域7の上部側に打ち込まれた遊技球は遊技領域7内に配置されたセンターケース12の左右一方側の左流下経路(第1流下経路)48aと他方側の右流下経路(第2流下経路)48bとの何れかを流下し、左流下経路48aを流下する遊技球の方が右流下経路48bを流下する遊技球よりも第1始動手段14による検出率が高く、右流下経路48bを流下する遊技球の方が左流下経路48aを流下する遊技球よりも第2開閉式始動手段15による検出率が高くなるように構成されており、センターケース12には、左流下経路48a側に開口する球入口34と、第2始動手段35と、球入口34に入球した遊技球を第2始動手段35と通常通路36とに振り分ける振り分け手段37と、通常通路36側に振り分けられた遊技球をセンターケース12外の遊技領域7に排出する排出部38a,38bとを備え、振り分け手段37により遊技球が第2始動手段35側に振り分けられた場合にも第2図柄表示手段22bによる第2特別図柄の変動表示を行うように構成されているため、低ベース時(時短遊技状態中以外)であっても、第1特別図柄表示手段22aの変動開始に係る第1始動手段14だけでなく、遊技者にとってより有利な第2特別図柄表示手段22bの変動開始に係る第2始動手段35への入賞も期待でき、いわゆる右打ちと左打ちとのどちらが遊技者にとって有利であるかが遊技状態によって明確に異なるにも拘わらず、変化に富んだ遊技展開が期待できる。
また、振り分け手段37は、遊技球を不規則に流下させる上部ステージ41を備え、その上部ステージ41の下流側に第2始動手段35と通常通路36とを配置し、しかも上部ステージ41に対する第2始動手段35の相対位置を左右方向に変化させる駆動手段43を備えているため、振り分け動作の意外性によってより演出効果を高めて興趣を喚起できる利点がある。また、中央排出部38aの下側に第1始動手段14を配置しているため、振り分け手段37によって第2始動手段35に振り分けられなかった場合でも、センターケース12に第2始動手段35が設けられていない従来のパチンコ機と同様、第1始動手段14への入賞の可能性は残されており、遊技者は期待感を長く維持しつつ遊技を行うことができる。
また、普通図柄始動手段13が遊技球を検出することに基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段21を備え、普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となる毎に、第2開閉式始動手段15を開放するように構成され、右流下経路48bを流下する遊技球の方が左流下経路48aを流下する遊技球よりも普通図柄始動手段13及び大入賞手段16による検出率が高くなるように構成されているため、遊技者は低ベース時には左打ちを、高ベース時及び大当たり状態中は右打ちを行えばよく、熟練者でなくても右打ち/左打ちの判断が容易であるという利点がある。
また、時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、時短遊技状態中でないとき(低ベース時)に第1特別図柄が大当たり態様となった場合よりも時短遊技状態中(高ベース時)に第2特別図柄が大当たり態様となった場合の方が大きな値に設定されているため、時短遊技状態を発生させ、その時短遊技状態中(高ベース時)に第2特別図柄について大当たり態様を引き当てることができれば、時短遊技状態が長期間継続する可能性が高くなり、遊技者はより大きな利益を享受することが可能となる。
また、時短遊技状態中でないとき(低ベース時)に第1特別図柄が大当たり態様となった場合の時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、確変遊技状態中でないとき(低確率時)よりも確変遊技状態中(高確率時)の方が大きな値に設定されており、しかも時短遊技状態中でなく(低ベース時)且つ確変遊技状態中でないとき(低確率時)に第1特別図柄が大当たり態様となった場合については、確変遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間よりも大きな値に設定されているため、例えば低ベース且つ低確率の状態で発生した僅かな期間の時短遊技状態中に第2特別図柄で大当たり態様を引き当てることはかなり難しいが、低ベース且つ低確率の状態で発生した確変遊技状態中に再び第1特別図柄で大当たり態様を引き当て、それによって発生するある程度長期間の時短遊技状態中に第2特別図柄で大当たり態様を引き当てることは比較的容易であり、多様性のある遊技進行が可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、センターケース12に設けられる振り分け手段37は、球入口34に入球した遊技球を第2始動手段35とそれ以外(通常通路36)に振り分けられるものであればよく、例えば第2始動手段35を上部ステージ41に対して相対移動不能に配置してもよい。また、実施形態のように第2始動手段35を移動させる場合には、その上流側には、上部ステージ41のように遊技球を任意の方向に案内するものではなく、遊技球を常に一定の位置から落下させる遊技球流下手段を配置してもよい。もちろん、上部ステージ41等による遊技球の転動・流下方向、第2始動手段35の移動方向等は任意である。
実施形態では左流下経路48aを第1流下経路、右流下経路48bを第2流下経路とした例を示したが、逆でもよい。また実施形態では、普通図柄始動手段13と第2開閉式始動手段15とを共に右流下経路(第2流下経路)48b上に配置した例を示したが、第2流下経路側を狙う方が第1流下経路側を狙うよりも第2開閉式始動手段19の入賞率(検出確率)が高くなればよいのであって、例えば普通図柄始動手段13を右流下経路(第2流下経路)48b上に配置し、第2開閉式始動手段15は例えば左右の流下経路48a,48bのどちらからも入賞可能な位置、例えば第1始動手段14の下側等に配置してもよい。
時短遊技状態中に第1特別図柄で大当たり態様となった場合の確変遊技状態及び/又は時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間は、確変遊技状態中とそれ以外とで同じであってもよい。
時短遊技状態中でなく且つ確変遊技状態中でないときに第1特別図柄が大当たり態様となった場合の確変遊技状態の発生確率及び/又は継続期間を、時短遊技状態の発生確率及び/又は継続期間よりも大きな値に設定する場合、時短遊技状態の発生確率は0%であってもよい。
第1特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益よりも第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者が得られる利益の方が大きければよく、例えば大当たり状態中に遊技者が得られる利益が同じでも、その後に発生する確変遊技状態、時短遊技状態によって遊技者が得られる利益が大きければよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。