JP6016834B2 - 筐体 - Google Patents
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そこで、従来においては、組立時の作業性向上を図るため、フレームによる主枠と周囲パネルによる筐体構成とすることで、全方向を開放した状態で組立作業が行えるような構造が開示されている(例えば特許文献1)。
また、フレームにパネルをボルト止めし、補強のため上下コーナー部に金具をボルト止めし、加工性、組立作業性、防水性を確保した構造(例えば特許文献2)、あるいはまた、屋外筐体における筐体本体と扉の間の隙間に、風雨侵入防止金具を設け、扉内側に設置した排水樋により隙間に侵入した雨水を筐体外へ排出し、信頼性及び保守容易性を向上させた防水構造(例えば特許文献3)などが開示されている。
また上記特許文献2のような技術では、防水構造でありながら組立作業性が向上するが、溶接による接合やコーナー金具による枠の組立、またコーキングによる止水を多用しており、製作に時間を要している。
また上記特許文献3のような技術では、防水構造の信頼性及び保守容易性は向上するが、筐体の開口部を前面にしか配置できず、組立及び配線の作業性の向上は見込めないといった問題があった。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1における筐体の構成を前方下方から見た斜視図である。
図1において、筐体1は、主枠2に上パネル3、前パネル4、後パネル5、左パネル6、右パネル7が各々取り付けられて構成されている。各パネル3から7は、素材である鋼板などの板材の周囲4辺をプレスブレーキなどの汎用加工機で少なくとも1回内側に折り曲げられ、四隅が溶接されている。具体的には、天板である上パネル3は、板材の周囲4辺を例えばL字状に1回折り曲げられ、四隅を溶接されている。また、側板である前パネル4、後パネル5、左パネル6、右パネル7は、板材の周囲4辺を2回ずつ内側に90度に折り曲げられ、コの字型となっている。側板である各パネル4から7においても、四隅が溶接されている。また、各パネル3から7は、ネジで主枠2に取り付けられている。
図3は、主枠2を構成している枠部材の断面図である。枠部材であるコーナー枠8、左右方向枠9、前後方向枠10は、シャーあるいはスリッタなどの汎用切断機で切断された平板を、長手方向にわたってプレスブレーキなどの汎用加工機で3回折り曲げた形状である。具体的には、枠部材であるコーナー枠8、左右方向枠9、前後方向枠10は、平板を内側に3回折り曲げられている。枠部材であるコーナー枠8、左右方向枠9、前後方向枠10は、L字状に形成された平板の両端を端部が対向する側に折り曲げられた構造となっており、折り曲げられた枠部材の端部である立ち上がり部分14を有している。また、平板の素材は鋼板であり、枠部材は、その鋼板を折り曲げた板金部品である。
図5は、図2に示した主枠2における上コーナー部分の接合時の状態を示す拡大図である。図4で示した切り欠き部分11を互いに接合し、溶接することにより溶接部12が形成される。
図7は、図2に示した主枠2における下コーナー部分の接合時の状態を示す拡大図である。図6で示した切り欠き部分11を互いに接合し、溶接することにより溶接部12が形成される。以上のように、実施の形態1における筐体1の主枠2は、角部8カ所のみの溶接によって製作が可能である。
樋部13が形成されることにより、パネル同士の隙間から入った雨水等は筐体1内部に侵入することなく、樋部13を通して外部へと排出される。また、パネルと接する枠部材の立ち上がり部分14の寸法は、樋部13に流入が予想される水量に応じて適宜決定されればよい。
実施の形態1における筐体1は、電源盤、操作盤などの機器を収納した外囲器として用いられる。また、太陽光発電(PV:photovoltaic)と電気自動車(EV:electric vehicle)のそれぞれの充放電用のパワー・コンディショナを一体化した装置の筐体として用いてもよい。さらにこれらに限定されることはなく、屋外に設置され防水が必要な製品であれば適用可能である。
図9はこの発明の実施の形態2における筐体を前方上方から見た斜視図である。また、図10はこの発明の実施の形態2における筐体の前パネルを内側上方から見た斜視図である。図9及び図10において、実施の形態1と同一の符号については、実施の形態1と同一の構成であるので説明を省略する。
一般的に筐体1正面は、意匠性が求められる。蝶番などを用いて前パネルあるいは扉が開閉する一般的な構造の筐体においては、正面にパネル分割部を配置しない構造とすることは比較的容易である。しかし、主枠に周囲パネルをネジ等で取り付ける構造の筐体においては、周囲パネルの分割の自由度が低下する。
なお、この実施の形態2の構造は、前パネル4に限定されるものではなく、意匠性が求められる面を考慮して適宜最適に設定することが可能である。
以上のように、実施の形態2によれば、意匠性を損なうことなく組立及び配線作業性を向上させることができ、かつ防水性を確保することができ、製作に要する作業時間を削減することができる。
図11は、この発明の実施の形態3における筐体の前パネルを内側下方から見た斜視図である。この実施の形態3において、実施の形態1および実施の形態2と同一の符号については、実施の形態1および実施の形態2と同一の構成であるので説明を省略する。実施の形態3において、前パネル4の構造は実施の形態2と同様であればよく、前パネル4内側の上方には、バネ鋼を曲げて製作した板バネ部材15が取り付けられている。この板バネ部材15は接着あるいはスポット溶接等により、前パネル4に取り付ければよい。
以上のように、実施の形態3によれば、前パネル4を主枠2に固定するためのネジが削減できるため組立に要する作業時間が削減できるだけでなく、ネジ削減によりさらに筐体の意匠性を向上させることができる。
図13は、この発明の実施の形態4における筐体の前パネルを内側下方から見た斜視図である。また、図14は、この発明の実施の形態4における板バネ部材15を前方上方から見た斜視図である。実施の形態4において、実施の形態3と同一の符号については、実施の形態3と同一の構成であるので説明を省略する。実施の形態4において、バネ鋼を曲げて製作した板バネ部材15が、接着あるいはスポット溶接などにより前パネル4内側の上方に取り付けられているのは、実施の形態3と同様である。
図13及び図14において、板バネ部材15は、前パネル4の幅方向に沿って形成されており、板バネ部分17と板バネ部分17との間には、断面形状がL字状のL字状部分16を有している。
以上のように、実施の形態4によれば、雨水等の水分が浸入しづらくなることでさらなる防水性能の向上が図れると同時に、パネルの剛性向上が図れる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
6:左パネル、 7:右パネル、 8:コーナー枠、 9:左右方向枠、
10:前後方向枠、 11:切り欠き部分、 12:溶接部、 13:樋部、
14:立ち上がり部分、 15:板バネ部材、 16:L字状部分、
17:板バネ部分。
Claims (6)
- L字状に折り曲げられた端部を有する天板と、
前記天板の周囲を取り囲むように配置され、コの字型に折り曲げられた端部を有する側板と、
前記天板の端部と前記側板の端部を接合させた継ぎ目の下に配置され、前記継ぎ目を内側から覆うように形成された樋部と、を有し、
前記樋部は、L字状に形成された平板の両端を端部が対向する側に折り曲げられた枠部材に形成されていることを特徴とする筐体。 - 複数の前記枠部材を接合して形成した主枠を有し、
この主枠に前記天板および前記側板は取り付けられており、
前記側板は、前記主枠の前記側板の取り付け部分の最外形寸法以上の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の筐体。 - 前記側板には、前記側板の内側上方に板バネ部材が取り付けられ、
前記板バネ部材に、前記側板に接する折り曲げられた前記枠部材が把持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筐体。 - 前記板バネ部材は、前記側板の幅方向に沿って取り付けられており、
前記板バネ部材は、板バネ部分と前記板バネ部分間に形成されたL字状部分を有することを特徴とする請求項3に記載の筐体。 - 前記枠部材は、鋼板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の筐体。
- 前記側板の側端部同士が接する内側に配置された別の樋部を有し、
前記別の樋部は、前記樋部と前記枠部材同士が接合された前記天板側の角部において連通していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の筐体。
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