JP6014556B2 - タイヤの性能評価方法 - Google Patents
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Description
タイヤが装着された車両を走行コースで実車テスト走行させることにより、前記タイヤの性能を評価するタイヤの性能評価方法であって、
少なくとも最大横加速度および最大前後加速度を規定した所定の走行条件下で前記車両を走行させて、ラップタイムの変化、操舵に対するYAW応答遅れの変化、および旋回中の操舵角の変化を計測し、
前記計測において、前記ラップタイムの変化が計測された場合には、前記グリップ性能が変化したと評価し、
前記計測において、前記YAW応答遅れの変化、または、前記操舵角の変化が計測された場合には、前記タイヤの剛性感が変化したと評価する
ことを特徴とするタイヤの性能評価方法である。
前記所定の走行条件が、前記走行コースの走行ライン、前後加速度、および横加速度を規定した走行条件であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの性能評価方法である。
前記所定の走行条件が、前記車両を前記走行コースのコーナー進入までに0.8G以上で減速させた後、前記車両をそのまま前記コーナーの前記走行コース中央を0.9G以上の横向き加速度で前記コーナーに合わせて旋回させて走行する走行条件であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤの性能評価方法である。
前記実車テスト走行を、ドライ路面、かつ路温が10〜50℃の走行コースで行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤの性能評価方法である。
前記実車テスト走行を外気温が10〜30℃で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤの性能評価方法である。
最初に、本発明に係るタイヤの性能評価方法について、その概要を説明する。
タイヤは走行時、路面温度や摩擦によりタイヤ温度が上昇してタイヤ内圧が上昇するため、コーナーリングパワー(CP)や剛性が変化することが避けられず、その影響によって、走り難くなり、タイヤの走行性能が変化する。
また、最大横加速度および前後加速度のタイヤグリップ限界で走行させた場合、剛性感の変化を、YAW応答の遅れの変化と旋回中の操舵角の変化から、精度高く客観的に、捉え得ることが分かった。
以上のように、本発明によれば、タイヤの走行性能に影響を与えるグリップ力と剛性感について、これらの要因がラップタイム、YAW応答の遅れ、操舵角にあることが分かり、そして、容易に定量化することができるラップタイム、YAW応答の遅れ、操舵角に基づいて、ラップタイムの変化、YAW応答の遅れの変化、操舵角の変化のそれぞれを、精度高く客観的に評価している。このため、タイヤの走行性能について、精度が高い評価を評価者によるバラツキなく客観的に行うことができる。
本実施の形態に係るタイヤの性能評価方法では、性能変化の現象を1ラップ毎の全てのコーナーで評価する。また、ラップ毎の平均性能を把握して、ラップ毎で性能差が見られるかどうかを評価する。
上記したようにグリップ力の変化は、ラップタイムの変化として精度高く客観的に捉えることができる。具体的には、このような所定の走行条件下で、ラップタイムの変化があったときに、グリップ力の変化がありと評価する。
上記したように剛性感の変化は、YAW応答遅れと操舵角を定量的に計測することにより、その変化を客観的に捉えることができる。そして、これらの項目の1つ以上の変化があったとき、剛性感の変化があったと評価する。
上記したように各変化の有無に対応した改善策を実施することにより、グリップ力の変化や剛性感の変化が抑制されたタイヤを短期間で開発することができる。
本実施の形態の実車テスト走行は、サーキットを使用する。そして、タイヤを装着させた車両を少なくとも最大横加速度および最大前後加速度を規定した所定の走行条件下で、最大グリップ力で所定のラップ数繰り返し走行させる。タイヤを装着させた車両を所定のラップ数繰り返し走行させることにより精度よくグリップ力の変化および剛性感の変化を客観的に評価することができる。
走行中、車両に計測装置を積載し、ラップタイム、YAW応答遅れ、操舵角を計測し、ラップ毎の変化を調べる。具体的には、ラップタイムはタイム計測器を用いて計測し、YAW応答遅れはドライバーの官能で評価し、操舵角はハンドルに操舵角の目印を用いて計測する。なお、ドライバーの官能で評価したYAW応答遅れは、官能評価点数(10点法)を用いて計測装置に入力する。そして、この計測装置は、計測した値を時系列にまとめることや、有意差判断等を行う。
仕様1、仕様2、仕様3のタイヤを用意し、以下の条件で実車テスト走行を行った。
場所 :岡山国際サーキット
路面 :DRY路面、路温17℃
外気温 :20℃
ラップ数 :5ラップ
走行方法 :実施の形態で規定した走行方法であり、ラップタイムにして
1‘50“以内
車種 :GTR 11Y(日産自動車社製)
走行距離 :12km
ブレーキパッドの残り:90%
被験タイヤ内圧 :200kpa
(1)ラップタイム
5ラップのラップタイムの差が0〜0.5秒以内の場合を変化無し、0.5秒を超える場合を変化有りと判断した。
官能評価点(10点基準)で評価し、1点差以内(許容レベル)を変化無し、1点を超える場合を変化有りと判断した。
平均操舵角が30度以上の場合に変化有りと判断し、30度未満の場合に変化無しと判断した。
評価結果を表2に示すと共に、それぞれに改善策を立て、実施した、その実施結果を表2にまとめて示す。
Claims (5)
- タイヤが装着された車両を走行コースで実車テスト走行させることにより、前記タイヤの性能を評価するタイヤの性能評価方法であって、
少なくとも最大横加速度および最大前後加速度を規定した所定の走行条件下で前記車両を走行させて、ラップタイムの変化、操舵に対するYAW応答遅れの変化、および旋回中の操舵角の変化を計測し、
前記計測において、前記ラップタイムの変化が計測された場合には、前記グリップ性能が変化したと評価し、
前記計測において、前記YAW応答遅れの変化、または、前記操舵角の変化が計測された場合には、前記タイヤの剛性感が変化したと評価する
ことを特徴とするタイヤの性能評価方法。 - 前記所定の走行条件が、前記走行コースの走行ライン、前後加速度、および横加速度を規定した走行条件であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの性能評価方法。
- 前記所定の走行条件が、前記車両を前記走行コースのコーナー進入までに0.8G以上で減速させた後、前記車両をそのまま前記コーナーの前記走行コース中央を0.9G以上の横向き加速度で前記コーナーに合わせて旋回させて走行する走行条件であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤの性能評価方法。
- 前記実車テスト走行を、ドライ路面、かつ路温が10〜50℃の走行コースで行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤの性能評価方法。
- 前記実車テスト走行を外気温が10〜30℃で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤの性能評価方法。
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