JP5209950B2 - タイヤ特性の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単体台上試験によるタイヤ特性を、実車走行テストによる結果と対比して前記タイヤ特性を見直しつつタイヤ走行特性を向上しうるタイヤ特性の検出方法に関する。
車両用タイヤは、いわゆる乗用車(セダン)、スポーツ車、スポーツ多目的車(SUV)、ミニバン、ワゴンの他、トラック・バスなどの重車両用タイヤなどの車両に応じたタイヤが用いられ又タイヤはそれらの車両にそれぞれ適した乃至車両メーカが課題とする走行特性を有することが不可欠である。そのために、特許文献1、特許文献2などはシミュレーションによってタイヤの仕様とともにタイヤ特性、タイヤ走行特性を検討することを提案している。
特開平11−153520号公報 特開2002−356106号公報
しかしながら、これらの提案はシミュレーション法によるタイヤの設定に関し、タイヤは、そのタイヤを具体化し試作乃至製作したタイヤ自体により性能確認が行われる。又このとき、タイヤ開発においては単体台上試験(ドラム試験)によってタイヤ特性を計測するとともに、車両とタイヤとのマッチングを検討するために、タイヤの走行特性を評価する実車評価(実車走行テスト)が行われる。この実車走行テストは、単体台上試験によるタイヤ特性評価に比して重要とされる。
しかしながら、従来、単体台上試験によるタイヤ特性評価と実車走行テストによるタイヤ走行特性(実車評価)とは相関が比較的小であり、単体台上試験ではタイヤ走行特性を十分には把握されていない。又タイヤの回転、荷重変動量、温度、その他の走行条件を、単体台上試験で再現するのは困難であり、従って単体台上試験においてその試験機にて予め変化をもたせた範囲の所定の設定される条件でテストすることにもなる由来すると考えられる。又実車走行テストでは、テスト者(ドライバー)の官能評価が主体となることにもより、さらに官能テストを主とするため、この実車走行テストの結果を直ちに具体的なタイヤの仕様として反映することも困難を伴う。とはいえ、前記のように、実車走行テストによるタイヤ走行性能の単体台上試験のタイヤ特性に比して優先される。
このように実車走行テストでは車両とタイヤとのマッチングを評価し、単体台上試験では前記基本特性を評価しているが、比較的測定が容易にかつ客観的に測定しうる単体台上試験による測定結果を、実車走行テストによるタイヤ走行特性に関連付けて検証し、この単体台上試験による具体的数値に基づいてタイヤ仕様を調整することが、実車テストにおけるタイヤ走行性能の設定を容易として、タイヤ走行性能を高め、車両特性に適合させうること、ねらいの走行特性をうることが容易となること、そのためには、両者の相関性を向上するのがよいことを着想した。
このとき、単体台上試験によるタイヤ特性の基本性能として、基準タイヤと、比較タイヤとにおいてセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数を選択し、タイヤ走行性能として、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、追操舵操舵力、段差乗り下げGを選択すると係る相関性を見出すことができ相関を向上させうることを見出した。
このように、本発明は基準タイヤと、比較タイヤとを用いるとともに単体台上試験と実車走行テストとを関連づけ、好ましいタイヤ走行特性をうる最適なタイヤ仕様を設定しうるタイヤ特性の検出方法の提供を目的としている。
本件請求項1に係る発明は、タイヤ特性の検出方法であって、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、及び、追操舵操舵力の項目を含む実車走行テストを行い、前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ONセンター操舵力が軽く、前記ハンドル復元性が大、かつ、前記追操舵操舵力が重い一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のセルフアライニングトルクが大であると推定することを特徴としている。

又請求項2に係る発明は、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ハンドル角3°のヨー応答、及び、旋回中の操舵角の項目を含む実車走行テストを行い、前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ハンドル角3°のヨー応答が高く、かつ、前記旋回中の操舵角が小となる一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のコーナリングパワーが大であると推定すること、請求項3に係る発明は、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、レーンチェンジの横G、及び、旋回速度の項目を含む実車走行テストを行い、前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記レーンチェンジの横Gが高く、かつ、前記旋回速度が早い一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のコーナリングフォースが大であると推定すること及び請求項4に係る発明は、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ロール角、及び、段差乗り下げGの項目を含む実車走行テストを行い、前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ロール角が小、かつ、前記段差乗り下げGが小さい一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験の縦バネ定数が高いと推定することをそれぞれ特徴としている。

請求項1〜4に係る発明では、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いた実車走行テストによりセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数のいずれかを求めるとともに、それらを基準タイヤと、比較タイヤのセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数の単体台上試験の差異と比較することにより、それらの相関を検定でき、比較的具体的に設定しうる単体台上試験の要件についての評価を行うことにより、好ましいタイヤ走行性能の、車両に応じた特性のタイヤを得ることが容易、かつ可能となる。

又請求項1〜4に係る発明では、前記実車走行テストの各項目により単体台上試験の前記項目の値の修正が容易となり、具体的にタイヤ仕様を向上することが容易となり、またタイヤ仕様の設定に際しては前記シミュレーション法などを採用できる。

即ち,換言すると、本発明は、車両とのマッチング評価とは異なり、単体台上試験によるタイヤ特性を、実車走行テストによるタイヤ走行特性の関係に、力学と経験、実験により関連付けして、タイヤの基本的特性、即ちタイヤ特性を想定し評価することを意図している。
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
本発明は、タイヤ特性の検出方法であって、基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、図1に示すように、一方、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGのいずれかの複数項目、好ましくは全ての項目を含むタイヤ走行特性の測定を実車走行テストにより行い、他方、単体台上試験による基準タイヤと、比較タイヤのセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数の差異を求め、その間の相関性を求めたことを特徴としている。なお、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、追操舵操舵力、段差乗り下げGに加えて、車両の前後加速度、ヨーレート収斂性、速度(タイヤ回転数)、ロール剛性(左右荷重移動量)、アライメント(接地形状)、走行抵抗(温度)などを付加して、単体台上試験により得られる他のタイヤ特性とも関連付けして用いることもできる。
ここで
(1)ONセンター操舵力とは車両が動く前の操舵力に着眼したものであり、1Hz前後でハンドルを操作して、車両が動く前の操舵力の重さにより評価される。
(2)ハンドル復元性はハンドル戻り量に着眼したものであり、80km/h前後で一定走行中に、操舵角30度以内からのハンドル復元角により評価される。
(3)追操舵操舵力は操舵力の勾配に着眼したものであり、R30〜200mで、一定速、0.3Gで旋回中から2Hzの追操舵を入力して、その時の操舵力及び操舵力の勾配により評価される。
(4)ハンドル角3°のYAW応答はYAW応答GAINに着眼したものであり、3Hz前後でハンドルを操作して、YAW応答/ハンドル角により評価される。
(5)旋回中の操舵角は操舵角に着眼したものであり、R50〜200mの範囲で走行中の一定の操舵角により評価される。
(6)レーンチェンジの横Gは横Gの大きさに着眼したものであり、レーンチェンジ(L/C)において、前後輪に同時に0.5Gの入力が加わる入力を行い、その時の横Gの大きさにより評価される。
(7)旋回速度は速度に着眼したものであり、R30〜200mでの旋回速度により評価される。
(8)ロール角はロールの大きさに着眼したものであり、0.2GでL/Cを行い、その時のロール角の大きさにより評価される。
(9)段差乗り下げGは上下加速度に着眼したものであり、15mmの段差を速度60km/hで通過して、その時の上下Gにより評価される。
係る項目を実車走行テストにおける評価項目として選択したのは、あまりに多くの項目を選択するときには、テストドライバーへの測定についての過度の負担となり、かえってデータを不安定とする。なおONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGの評価項目は、単体台上試験におけるタイヤ特性、即ちセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数の差異を推定し評価するのに適しているのを見出したため、これらの項目を例証している。
又実車走行テストにおいては、車両は、そのショックアブソーバ、タイヤのアライメントを、自動車メーカが車両仕様として設定する正規の数値に調整する。さらに評価荷重も標準時積載・乗車重量とし、かつ左右重量を均等とする。なお測定するテスト車両は一台でもよく、又車両の全ての車輪に評価するタイヤを装着する。
又実車走行テストは、訓練されたドライバーの官能テストにより評価する。そのためには、いわゆるテストドライバーであって、前記したONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、追操舵操舵力、段差乗り下げGの運動性能(運動現象)を感性により評価付けしうる能力を少なくとも具える者を選択する。評価は例えば評価点を1〜10点とし、0.5点単位で評価する20段階、1点単位で評価する10段階の評価法など、少なくとも5段階以上、30段階以下程度の段階評価とする。5段階よりも少ないとき、単体台上試験のタイヤ特性との関連評価が粗となり、相関評価も粗くなる。又30段階を越えることもテストドライバーに過酷となる。またテストドライバーは、一人でもよいが好ましくは3人程度の複数人を選択して評価値を求め、実車走行テストの評価としてその平均値とするのもよい。なお、通常アスファルト路面のテストコースを用いるが、種々な走行条件を測定しうるテストコースも選択できる。
さらに、実車走行テストは、走行に伴うタイヤ発熱状態、速度(旋回させる場合を含む)、実車状態の荷重移動、接地形状により変化し、係る条件を変えて前記ONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、追操舵操舵力、段差乗り下げGの運動性能(運動現象)、即ちタイヤ走行特性を評価するのが好ましい。
又実車走行テストは、基準タイヤと、比較タイヤとについて同一のテスト車両により行う。ここで基準タイヤとは、測定に際して単に基準とするタイヤであって、既に生産された既販のタイヤでもよく、又シミュレーション法などを用いて好ましいはずのタイヤとして生産したタイヤの内の1つでもよい。これに対して比較タイヤは、通常、車両メーカの希望により、シミュレーション法などを用いて試作、乃至製作した好ましいはずのタイヤであるのが通常であり、その比較タイヤは前記基準タイヤと対比することにより、実車走行テストによる前記した運動性能(タイヤ走行特性)により、単体台上試験のタイヤ特性と比較して好ましいタイヤ特性にタイヤ仕様を改める。
前記単体台上試験により測定しうるタイヤ特性として、前記セルフアライニングトルク(SAT)、コーナリングパワー(CP)、コーナリングフォース(CF)、縦バネ定数を選択する。
ここでセルフアライニングトルク(SAT)とは、周知のように、トレッド部の変形が接地部後半のトレッドの変形が前半よりも大きくなり、横力の分布は接地面の後半に片寄ることによりタイヤの垂直軸回りにスリップ角を小さくする方向のトルク(元にもどそうとする)をいう。又コーナリングフォース(CF)とは、スリップ角αで横すべりしながら自由転動しているタイヤに発生している力の転動抵抗が小さいものとして省略して、タイヤの横変形によって発生するタイヤ軸方向の横力の進行方向に直角の成分をいい、又コーナリングパワーとは、コーナリングスティフネスが、スリップ角0(原点)におけるコーナリングフォースの立ち上がりの勾配であって、摩擦係数とは無関係であり、通常、スリップ角1°におけるコーナリングフォースを測定して求められる。又縦バネ定数とは、路面上でタイヤに荷重をかけたときの、荷重と撓み曲線の勾配であって、上下剛性Gzともいい、かつこれらの大小は車両操縦、走行時のフィーリング、好みなどの設定する車両条件、車両特性に応じて選択される。

タイヤ特性としてセルフアライニングトルク(SAT)を選択したのは、直進性と操縦安定性と関連づけしやすく、コーナリングパワー(CP)を選択したのは、フロントタイヤとリヤタイヤのコーナリングパワー(CP)比から見られる車の応答性と関連づけられる車の動きをコントロールできることにより、又コーナリングフォース(CF)を選択したのは、セルフアライニングトルク(SAT)、コーナリングパワー(CP)への寄与が、構造によるかコーナリングフォース(CF)(即ちグリップ力G)なのかを求め、かつ縦バネ定数は乗心地とロールの大きさを求めるために有用であるからといえる。なおタイヤ特性はさらに付加することもできる。
又単体台上試験は、タイヤを正規リムに組み込み、正規内圧、かつテスト車両において付加される荷重を負荷させて行う。なお正規荷重により測定することもできる。車両メーカの指定があるときには、その条件で行う。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の80%に相当する荷重とする。
車両メーカの特別の指示があるときには、その条件でテストする。又本発明のタイヤ特性の検出方法において、基準タイヤと、比較タイヤに関して、単体台上試験により、それぞれ前記セルフアライニングトルク(SAT)、コーナリングパワー(CP)、コーナリングフォース(CF)、縦バネ定数を測定する。また基準タイヤと、比較タイヤをテスト車両の全ての車輪に付けた場合において、車両走行時におけるONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGを1人、好ましくは複数人のテストドライバーの官能評価により採点し評価する。
これらの単体台上試験のタイヤ特性と実車走行テストのタイヤ走行特性の各項目について、図1に略記するように、実車走行テストと単体台上試験に関して、「関連基準」として、
a)前記ONセンター操舵力が軽く、ハンドル復元性が大かつ追操舵操舵力が重いタイヤのセルフアライニングトルク(SAT)が大であると推定し判定しうること(なお、ハンドル復元性が小かつ追操舵操舵力が軽いタイヤのセルフアライニングトルク(SAT)は小と判定する)、
b)前記ハンドル角3°のヨー応答が高く、かつ旋回中の操舵角が小のタイヤのコーナリングパワー(CP)が大であると推定し判定しうること(逆の関係の場合はコーナリングパワー(CP)がであると判定しうる)、
c)前記レーンチェンジ(L/C)の横Gが高く、かつ旋回速度が早いタイヤのコーナリングフォース(CF)が大と推定し判定しうること(逆の関係の場合は、コーナリングフォース(CF)が小と判定しうる)、また「前輪のCP>後輪のCP」とも判定しうる。
d)及び前記ロール角が小、かつ段差乗り下げGが小さいタイヤの縦バネ定数(Gz)が高いと推定し判定しうること(逆の関係の場合は、タイヤの縦バネ定数(Gz)が低いと判定しうること)をそれぞれ見出している。

従って、例えば基準タイヤの場合の実車走行テストのタイヤ走行特性と、比較タイヤの場合の実車走行テストのタイヤ走行特性とを比較し、それらを前記「関連基準」に基づき、基準タイヤ、比較タイヤの単体台上試験の各項目の数値についてその妥当性を判断し、妥当であるときには、単体台上試験の相応する項目のタイヤ特性を調整した第2の比較タイヤを試作し、同様にテストする。
即ち、「関連基準」の例えば前記a)について述べると、比較タイヤのONセンター操舵力が基準タイヤのONセンター操舵力よりも「軽」く、比較タイヤのハンドル復元性が基準タイヤのハンドル復元性よりも「大」(即ち悪い)、かつ比較タイヤの追操舵操舵力が基準タイヤの追操舵操舵力よりも「重」い場合には、比較タイヤのセルフアライニングトルク(SAT)が基準タイヤのセルフアライニングトルク(SAT)よりも大となると推定しうることを見出した。例えばこの例において、単体台上試験による比較タイヤのセルフアライニングトルク(SATa)の測定値は、例えば35N・mとすると基準タイヤのセルフアライニングトルク(SATs)の測定値は例えば30N・mとなるなどと、比較タイヤの場合が大となる。ゆえに比較タイヤ、基準タイヤについて、この場合には、前記タイヤ走行特性のONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力はセルフアライニングトルク(SAT)を測定したとき両タイヤのタイヤ特性を推定し、両タイヤの相関性を推定、判断しうることが判明した。好ましいONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力をうるべく比較タイヤのセルフアライニングトルク(SAT)を修正するためにタイヤ仕様を変更する。
このように、単体台上試験によるタイヤ特性を、実車走行テストによるタイヤ走行特性の関係に力学と経験、実験により関連付けして、タイヤの基本的特性、即ちタイヤ特性を想定し評価している。
他方、上記例において、比較タイヤと基準タイヤとの実車走行テストのONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力の関係は上記と変わらない(比較タイヤのONセンター操舵力が基準タイヤのONセンター操舵力よりも「軽」く、比較タイヤのハンドル復元性が基準タイヤのハンドル復元性よりも「大」、かつ比較タイヤの追操舵操舵力が基準タイヤの追操舵操舵力よりも「重」い)場合において、比較タイヤのセルフアライニングトルク(SAT)の測定値が、基準タイヤのセルフアライニングトルク(SAT)の測定値よりも小であるとする。このときには、前記「関連基準」に反することとなり、その原因を究明するため、再度測定して確認を行うか、精度が低いと判断してセルフアライニングトルク(SAT)についてのタイヤ仕様の修正をしないこととする。
なお、前記「関連基準」b)〜)の場合も同様であり、実車走行テストのそれぞれの項目の評価の結果により、「関連基準」b)〜)に合わせて、前記セルフアライニングトルク(SAT)と同様に、単体台上試験の他のコーナリングパワー(CP)、コーナリングフォース(CF)、タイヤの縦バネ定数(Gz)を調整した試作タイヤの製作を容易とする。
なお本発明の方法において、タイヤ走行特性の項目、単体台上試験の項目を適宜付加し又削除するなど、発明の範囲において種々変更しうる。
本発明のタイヤ特性の検出方法の実施のために、テスト車両として国産SUV( 4500cc)を用い、前席に2名が着座し、後席を空席とした。また車両のショックアブソーバ、アライメントは車両メーカが正規とする値とし、その他の車両仕様も同様である。但し、テスト車両の左右重量は均等としている。
基準タイヤ、比較タイヤは、タイヤサイズがP265/50R20のオールシーズンタイヤである。リム、内圧、荷重等はこのタイヤの正規状態、即ちリムサイズは20×8.5J、内圧は230kPaとし、評価は、出願人の保有する岡山テストコースにて行った。なお、基準タイヤとは、従来からの出願人の取扱に係る市販タイヤであり、比較タイヤは、新たに試作したスペックの異なるタイヤを用いている。
又実車走行テストの評価項目は、前記のように、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGとする。又評価は、以下のように行う。
(1)ONセンター操舵力については、この操舵力が軽い場合を高評価とする。
(2)ハンドル復元性については、復元性が大きい(戻りが良)の場合を高評価とする。
(3)追操舵操舵力については、操舵力が重い(大きい)場合を高評価とする。
(4)ハンドル角3°のヨー応答については、YAW応答/ハンドル角が高い(大きい)場合を高評価とする。
(5)旋回中の操舵角については、操舵角が小さい場合を高評価とする。
(6)レーンチェンジの横Gについては、横Gが大きい場合を高評価とする。
(7)旋回速度については、早い場合を高評価とする。
(8)ロール角については、小さい場合を高評価とする。
(9)段差乗り下げGについては、小さい場合を高評価とする。
これらを基準とする評価に基づき、前記のように図1に記載するセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数についての推定を行い、単体台上試験の結果と対比する。
テストは3名のテストドライバーの1点〜10点の官能評価による評価値を平均化して、小数点以下を0.5の単位で求めた。即ち平均値の下2桁において0.25以上は小数点以下を0.5とし、0.25よりも小のとき小数点以下を0として評価している。
又基準タイヤにおいて、評価値をさらに全て6.0点に置き換え、その置き換えに際しての変動値を、比較タイヤの評価値に正負で付加し、その結果を表1に示している(基準タイヤは6.0であるため、比較タイヤの場合のみを示している)。なお、基準タイヤを6.0としているため、比較タイヤは、6.5〜10.0点であるとき、その評価項目について基準タイヤよりも優れており(高評価)、5.5〜1.0点であるとき劣り(低評価)、6.0は同評価となる。
Figure 0005209950
さらに、基準タイヤ、及び比較タイヤについて、単体台上試験によるテストを行い、各タイヤのセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数を求めた測定値を表2に示す。
Figure 0005209950
表1に比較タイヤの、タイヤ断面高さを6点とするONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGの評価を記載している。この比較タイヤのこれらの項目についての評価点から、同表の「評価結果」の(評価内容)に記載している。これは前記した高評価とする条件に当てはめて判断している。
又「関連する単体台上試験項目」の欄の(関連基準)の行に、前記したSATを大と推定するときの条件、CPが大きいと推定する場合の条件、CFが大きいと推定するときの条件、縦バネ定数が高いと推定するときの条件を記載している。
さらに、表1の「評価結果」に示す基準タイヤSのデータと、比較タイヤのデータとの同等、大、小から、「関連する単体台上試験項目」の「基準タイヤに対する比較タイヤの推定結果」に記載するセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数の傾向が、実車走行テストのONセンター操舵力、ハンドル復元性、追操舵操舵力、ハンドル角3°のヨー応答、旋回中の操舵角、レーンチェンジの横G、旋回速度、ロール角、段差乗り下げGの評価項目から推定しうるのである。
ところで表2の「単体台上試験」のセルフアライニングトルク、コーナリングパワー、コーナリングフォース、縦バネ定数を求めた測定値を、基準タイヤ、比較タイヤについて対比するとき、表1の前記「基準タイヤに対する比較タイヤの推定結果」と一致していることが判る。
従って、本発明によると、以上の実施例に記載のように、好ましい実車走行テストにおけるタイヤ走行特性を、単体台上試験の結果に置き換えて、このタイヤ走行特性を調整することが可能となり、又比較的単体台上試験は試験装置により客観的に具体的に測定でき、かつ設計仕様に反映するのが容易である結果、好ましいタイヤ走行特性のタイヤを、基準タイヤのデータと対比しつつその改善変更を容易とする。
タイヤ走行テストでの測定項目の大小が単体台上試験の試験項目に及ぼす影響を推定する線図である。

Claims (4)

  1. 基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ONセンター操舵力、ハンドル復元性、及び、追操舵操舵力の項目を含む実車走行テストを行い、
    前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ONセンター操舵力が軽く、前記ハンドル復元性が大、かつ、前記追操舵操舵力が重い一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のセルフアライニングトルクが大であると推定することを特徴とするタイヤ特性の検出方法。
  2. 基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ハンドル角3°のヨー応答、及び、旋回中の操舵角の項目を含む実車走行テストを行い、
    前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ハンドル角3°のヨー応答が高く、かつ、前記旋回中の操舵角が小となる一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のコーナリングパワーが大であると推定することを特徴とするタイヤ特性の検出方法。
  3. 基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、レーンチェンジの横G、及び、旋回速度の項目を含む実車走行テストを行い、
    前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記レーンチェンジの横Gが高く、かつ、前記旋回速度が早い一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験のコーナリングフォースが大であると推定することを特徴とするタイヤ特性の検出方法。
  4. 基準タイヤと、比較タイヤとをテスト車両を用いて、ロール角、及び、段差乗り下げGの項目を含む実車走行テストを行い、
    前記基準タイヤと、前記比較タイヤとを比較して、前記ロール角が小、かつ、前記段差乗り下げGが小さい一方のタイヤが、他方のタイヤに比べて、単体台上試験の縦バネ定数が高いと推定することを特徴とするタイヤ特性の検出方法。
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