JP6014392B2 - シクロヘキサシラン類の製造方法 - Google Patents
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(式(i)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
(式(ii)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R5〜R8は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
(式(i)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
(式(ii)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R5〜R8は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
(式(iii)中、Rはアルキル基またはアリール基を表し、aは0〜6までの整数を表す。)
(式(i)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
(式(ii)中、Xはハロゲン元素を表し、aは0〜6までの整数を表し、R5〜R8は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
アルミニウム系還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の金属水素化物等が挙げられる。これらアルミニウム系還元剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ホウ素系還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム等の金属水素化物が挙げられる。これらホウ素系還元剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
グリニャール試薬としては、臭化メチルマグネシウムの如きハロゲン化アルキルマグネシウムや臭化フェニルマグネシウムの如きハロゲン化アリールマグネシウム等が挙げられる。これらグリニャール試薬は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
有機リチウム試薬としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物やフェニルリチウム等のアリールリチウム化合物が挙げられる。これら有機リチウム試薬は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また環状シラン・ジアニオン塩を溶質とする溶液または分散液と、還元剤を溶質とする溶液または分散液とは、溶媒量がほぼ同量となるように各溶液または分散液の溶質濃度を設定することが好ましい。
前記還元反応は、通常、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
(式(iii)中、Rはアルキル基またはアリール基を表し、aは0〜6までの整数を表わす。)
前記一般式(iii)において、aは0〜6までの整数を表すが、好ましくは1以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン6.6g(20mmol)とテトラフェニルホスホニウムクロリド10.0g(26mmol)と、ジクロロメタン100mLとを入れ、溶液を調製した。続いて、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、トリクロロシラン10.8g(78mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で24時間攪拌して反応させ、その後、得られた反応混合物にヘキサン(20mL)を添加し、室温で3日間放置し、析出した白色固体を濾別した。この白色固体をIRにより分析したところ、テトラデカクロロシクロヘキサシラン・ジアニオン塩([Ph4P+]2[Si6Cl14 2-])であることが確認できた。
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラブチルアンモニウムクロリド10.4g(0.037mol)と、1,2−ジメトキシエタン2.90g(0.032mol)と、ジイソプロピルエチルアミン12.5g(0.097mol)と、1,2−ジクロロエタン100mLとを入れ、溶液を調製した。続いて、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、トリクロロシラン25.8g(0.191mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2時間攪拌し、引き続き50℃で8時間加熱攪拌することにより反応させた。反応後、得られた固体を濾過および精製して、ドデカクロロジヒドロシクロヘキサシラン・ジアニオン塩([Bu4N+]2[Si6H2Cl12 2-])、トリデカクロロヒドロシクロヘキサシラン・ジアニオン塩([Bu4N+]2[Si6HCl13 2-])、テトラデカクロロシクロヘキサシラン・ジアニオン塩([Bu4N+]2[Si6Cl14 2-])の混合物を90質量%の含有率で含む白色固体を得た。
滴下ロートおよび攪拌装置を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例1で得られた白色固体2.80gを入れて減圧乾燥させた。次いで、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、溶媒としてシクロペンチルメチルエーテル30mLを加えた。続いてフラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、還元剤として水素化リチウムアルミニウムのジエチルエーテル溶液(濃度:約1.0mol/L)10mLを徐々に滴下し、次いで25℃で5時間攪拌することにより反応させた。この反応中、シランガスが発生することはなかった。反応後、反応液を窒素ガス雰囲気下において濾過し、生成した塩を取り除いた。得られた濾液から減圧下で溶媒を留去して、シクロヘキサシランの無色透明液体を収率90%以上で得た。
滴下ロートおよび攪拌装置を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例2で得られた白色固体2.80gを入れて減圧乾燥させた。次いで、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、溶媒としてシクロペンチルメチルエーテル30mLを加えた。続いてフラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、還元剤として水素化リチウムアルミニウムのジエチルエーテル溶液(濃度:約1.0mol/L)10mLを徐々に滴下し、次いで25℃で5時間攪拌することにより反応させた。この反応中、シランガスが発生することはなかった。反応後、反応液を窒素ガス雰囲気下において濾過し、生成した塩を取り除いた。得られた濾液から減圧下で溶媒を留去して、シクロヘキサシランの無色透明液体を収率90%以上で得た。
温度計、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL三つ口フラスコに、製造例1で得られた白色固体12.9gを入れて減圧乾燥させた。次いで、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、溶媒としてテトラヒドロフラン100mLを加えた。続いて、フラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、臭化メチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(濃度:約1.0mol/L)130mLを徐々に滴下し、次いで25℃で24時間攪拌することにより反応させた。この反応中、有機モノシランが生成することはなかった。得られた反応混合物を加水分解させた後、ヘキサンとシクロペンチルメチルエーテルで生成物を抽出し、抽出液を減圧下で濃縮し、低温条件下(−30℃〜0℃)で再結晶化させて、ドデカメチルシクロヘキサシランの無色結晶を収率90%以上で得た。
Claims (5)
- (I)トリクロロシランと、(II)ジエーテル、ジチオエーテル、ジホスフィン、またはN、O、PもしくはSがアルキル基で置換された基2つ、を有するキレート型配位性化合物と、(III)ホスホニウム塩またはアンモニウム塩とを用いることにより、下記一般式(i)または下記一般式(ii)で示される環状シラン・ジアニオン塩を調製する工程(ただし、ポリアミン化合物を用いる工程を除く)と、
下記一般式(i)または下記一般式(ii)で示される環状シラン・ジアニオン塩と、アルミニウム系還元剤またはホウ素系還元剤とを反応させる工程とを含むことを特徴とするシクロヘキサシランの製造方法。
- (I)トリクロロシランと、(II)ジエーテル、ジチオエーテル、ジホスフィン、またはN、O、PもしくはSがアルキル基で置換された基2つ、を有するキレート型配位性化合物と、(III)ホスホニウム塩またはアンモニウム塩とを用いることにより、下記一般式(i)または下記一般式(ii)で示される環状シラン・ジアニオン塩を調製する工程(ただし、ポリアミン化合物を用いる工程を除く)と、
下記一般式(i)または下記一般式(ii)で示される環状シラン・ジアニオン塩と、グリニャール試薬または有機リチウム試薬とを反応させる工程とを含むことを特徴とする有機シクロヘキサシランの製造方法。
- 上記一般式(i)または上記一般式(ii)で示される環状シラン・ジアニオン塩(イ)と、アルミニウム系還元剤またはホウ素系還元剤(ロ)とを反応させる工程において、反応系内に上記(イ)または(ロ)の少なくともいずれか一方を滴下する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
- 滴下工程において、滴下が下記(A)〜(C)のいずれかの態様である請求項3に記載の製造方法。
(A)反応器内に環状シラン・ジアニオン塩の溶液または分散液を仕込んでおき、これに還元剤の溶液または分散液を滴下する態様
(B)反応器内に還元剤の溶液または分散液を仕込んでおき、これに環状シラン・ジアニオン塩の溶液または分散液を滴下する態様
(C)反応器内に環状シラン・ジアニオン塩の溶液または分散液と還元剤の溶液または分散液とを同時にまたは順次滴下する態様 - 滴下工程における滴下時間が、10分以上、20時間以下である請求項3または4に記載の製造方法。
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