JP6958468B2 - 第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法 - Google Patents

第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法に関し、さらに詳述すると、極性基の保護基として有用な第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法に関する。
トリアルキルハロゲノシランは、極性官能基の保護基として有用であり、複雑な構造を有する化合物の全合成研究や、化合物の脂溶性調節などでは欠かすことのできない化合物である。中でも、第三級炭化水素基であるtert−ブチル基を持つtert−ブチルジフェニルクロロシランやtert−ブチルジメチルクロロシランは特に使用頻度が高い。
このような第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法としては、有機金属試薬を使用する方法が良く知られている。有機金属試薬としては、アルキルリチウム試薬やグリニャール試薬がよく使用されるが、グリニャール試薬は、アルキルリチウム試薬と比較して製造時の安全性が高いという利点を有する。
例えば、第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の合成法として、銅化合物の存在下、第三級アルキルグリニャール試薬を用いる方法が開発されている(特許文献1)。具体的には、塩化第一銅等の銅化合物存在下、ジアルキルハイドロジェンハロシランへ第三級アルキルグリニャール試薬を作用させることにより、第三級炭化水素基を有するトリアルキルハイドロジェンシランを製造した後、第三級炭化水素基を有するトリアルキルハイドロジェンシランのSi−H基をハロゲン化することによって第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を製造するものである。
また、シアン化銅またはチオシアン酸ナトリウムと、第三級アルキルグリニャール試薬とを共存させ、ジアルキルジハロシランから直接第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を製造する方法も報告されている(特許文献2)。
特開平5−202073号公報 特開平3−31290号公報
しかし、特許文献1の方法では、容易に調製可能な第三級アルキルグリニャール試薬を使用できることから、目的物を安全に製造できる一方で、この方法をジアルキルジハロシランに適応しても反応はほとんど進行しないため、適応可能な基質がジアルキルハイドロジェンハロシランに限られるという問題がある。さらに、反応後に得られた第三級炭化水素基を有するトリアルキルハイドロジェンシランのSi−H基をハロゲン化しなければならないため、工程数が長く、工業的なスケールで行うには効率が悪い。
一方、特許文献2の方法では、ジアルキルジハロシランから直接第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を製造することができるが、触媒として使用するシアン化銅やチオシアン酸ナトリウムは、酸性条件下で猛毒のシアン化水素を発生させるという問題がある。すなわち、ジアルキルジハロシランや生成物である第三級アルキル基を有するハロシランは、空気中の水分と反応して強酸性のハロゲン化水素を発生するため、触媒のシアン化銅やチオシアン酸ナトリウムがこのハロゲン化水素と反応して、猛毒のシアン化水素を生じる可能性があることから、ラボスケールで行う場合でも十分な対策が必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、危険性の高い化合物を用いることなく、ジアルキルジハロシランから、直接第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を製造可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、銅化合物とリチウム化合物の共存下、好ましくは触媒量の銅化合物と量論量のリチウム化合物の共存下で第三級アルキルグリニャール試薬の反応性が向上し、ジアルキルジハロシランとの反応が円滑に進行することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 銅化合物およびリチウム化合物の共存下で、下記一般式(1)
Figure 0006958468
(式中、R1は、非置換の炭素数4〜20の第三級1価炭化水素基を表し、X1は、ハロゲン原子を表す。)
で示されるグリニャール試薬を活性化する第一工程と、この第一工程で活性化されたグリニャール試薬と下記一般式(2)
Figure 0006958468
(式中、R2は、それぞれ独立して置換または非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、X2は、それぞれ独立してハロゲン原子を表す。)
で示されるジアルキルジハロシラン化合物を反応させる第二工程を備えることを特徴とする下記一般式(3)
Figure 0006958468
(式中、R1、R2およびX2は、前記と同じ意味を表す。)
で示される第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法、
2. 前記活性化が、触媒量の銅化合物および前記グリニャール試薬と等モル以上のリチウム化合物の共存下で行われる1の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法、
3. 前記銅化合物が、塩化第一銅および臭化第一銅から選ばれる少なくとも1種である1または2の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法、
4. 前記リチウム化合物が、塩化リチウムである1〜3のいずれかの第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法
を提供する。
本発明の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法では、アルキルグリニャール試薬の反応性が向上しているので、危険な化合物を用いることなく、ジアルキルジハロシラン化合物から直接第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を得ることができる。
したがって、本発明のハロシラン化合物の製造方法を用いることで、安全かつ効率的に所望の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物を製造できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る下記一般式(3)
Figure 0006958468
で示される第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法は、銅化合物およびリチウム化合物の共存下で、下記一般式(1)
Figure 0006958468
で示されるグリニャール試薬を活性化する第一工程と、この第一工程で活性化されたグリニャール試薬と下記一般式(2)
Figure 0006958468
で示されるジアルキルジハロシラン化合物を反応させる第二工程を備える。
(1)第一工程
第一工程は、銅化合物およびリチウム化合物の共存下で、一般式(1)で示されるグリニャール試薬を活性化する工程である。
上記式(1)において、R1は、炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜10の非置換の第三級1価炭化水素基を表し、X1は、ハロゲン原子を表す。
炭素数4〜20の非置換の第三級1価炭化水素基の具体例としては、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基等の第三級アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記一般式(1)で示されるグリニャール試薬の具体例としては、tert−ブチルマグネシウムクロライド、tert−ブチルマグネシウムブロマイド、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロライド、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムブロマイド、1,1−ジエチルプロピルマグネシウムクロライド、1,1−ジエチルプロピルマグネシウムブロマイド等が挙げられ、特に生成物の有用性の点から、tert−ブチルマグネシウムクロライドが好ましい。
上記一般式(1)で示されるグリニャール試薬は、公知の手法で製造することができ、例えば、R11(R1およびX1は上記と同じ意味を表す。)で示されるハロゲン化炭化水素化合物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて製造することができる。
グリニャール試薬の製造およびその活性化に使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。中でも、特に後述するリチウム化合物の溶解性が高い点から、テトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピランが好ましい。
銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅等が挙げられ、特に反応性の点から、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
銅化合物の添加量は触媒量であればよいが、通常、グリニャール試薬1モルに対して、0.1〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%、より好ましくは1〜10モル%である。
リチウム化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム等が挙げられ、特に反応性の点から塩化リチウムが好ましい。
リチウム化合物の添加量は、好ましくはグリニャール試薬と等モル以上であり、より好ましくはグリニャール試薬1モルに対して1〜2モルであり、より一層好ましくは1.0〜1.5モルである。
第一工程のグリニャール試薬の活性化は、グリニャール試薬に銅化合物およびリチウム化合物を添加して行っても、銅化合物およびリチウム化合物にグリニャール試薬を添加して行ってもよいが、安全性や操作の簡便性等を考慮すると、前者の手法が好ましい。
銅化合物を添加する際の温度は特に限定されないが、室温〜70℃が好ましく、特に銅化合物の還元による失活を防ぐために室温〜50℃がより好ましい。
リチウム化合物を加える際の温度も特に限定されないが、室温〜70℃が好ましく、ここでも共存する銅化合物の還元による失活を防ぐために、室温〜50℃が好ましい。
なお、銅化合物とリチウム化合物の添加順序は特に限定されず、それらを同時に添加してもよい。
グリニャール試薬、銅化合物およびリチウム化合物が混合された反応液を、好ましくは室温〜70℃、より好ましくは室温〜50℃、より一層好ましくは室温でさらに撹拌してグリニャール試薬を活性化させる。撹拌時間は特に限定されないが、好ましくは30分〜2時間、より好ましくは1〜1.5時間である。
このように活性化されたグリニャール試薬(以下、「活性化グリニャール試薬」という。)は、活性化後の溶液のまま次の工程で用いることができる。
(2)第二工程
第二工程は、第一工程で得られた活性化グリニャール試薬と、上記一般式(2)で示されるジアルキルジハロシラン化合物から、上記一般式(3)で示される第三級アルキル基を有するハロシラン化合物を得る工程である。
一般式(2)において、R2は、それぞれ独立して置換または非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分岐状、または環状の1価炭化水素基を表し、X2は、それぞれ独立してハロゲン原子を表す。
炭素数1〜20の1価炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、テキシル基等の分岐状アルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;アリル(2−プロペニル)、1−プロペニル基等のアルケニル基;フェニル、トリル基等のアリール基;ベンジル、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。特に、原料の入手容易性や生成物の有用性の観点から、メチル基、フェニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
なお、R2の炭素数1〜20の1価炭化水素基は、エーテル基(−O−)、スルフィド基等のヘテロ原子の1種以上が介在してもよい。
また、炭素数1〜20の1価炭化水素基における水素原子の一部または全部が、その他の置換基で置換されていてもよい。その他の置換基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、(イソ)プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェニル、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。なお、X2は、一般式(1)のX1と同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)で示されるジアルキルジハロシラン化合物の具体例としては、ジメチルジクロロシラン、クロロメチルメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジフェニルジブロモシラン、ジイソプロピルジブロモシラン、シクロヘキシルメチルジブロモシラン等が挙げられ、特に生成物の有用性の点から、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシランが好ましく、ジフェニルジクロロシランがより好ましい。
第二工程の反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは30〜70℃、より一層好ましくは30〜50℃である。
反応時間は、好ましくは180〜900分間、より好ましくは300〜600分間である。
この反応では、マグネシウム塩が副生して撹拌効率が低下することから、溶媒を使用することが好ましい。用いられる溶媒としては、グリニャール試薬の活性化に使用される溶媒と同様のものが挙げられる。
さらに、反応中あるいは反応前後に関わらず、使用中の溶媒よりも高い沸点を有する溶媒を追加し、低沸点溶媒の留去、すなわち溶媒置換を行ってもよい。
第二工程で得られた上記一般式(3)で示される第三級アルキル基を有するハロシラン化合物の単離や精製は、減圧蒸留や各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から適宜選択して用いることができるが、生産性の点から減圧蒸留が好ましい。
なお、単離や精製の前に、反応で副生したマグネシウム塩を除去することが好ましい。マグネシウム塩の除去方法としては、ろ過または水に溶解して分液する方法等が挙げられ、特に収率向上の点から、水に溶解して分液する方法が好ましい。
以上のようにして得られる一般式(3)で示される第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の具体例としては、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジイソプロピルクロロシラン、tert−ブチルシクロヘキシルメチルクロロシラン、tert−ブチルメチルフェニルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、tert−ブチルジメチルブロモシラン、tert−ブチルジイソプロピルブロモシラン、tert−ブチルシクロヘキシルメチルブロモシラン、tert−ブチルメチルフェニルブロモシラン、tert−ブチルジフェニルブロモシラン、1,1−ジメチルプロピルジメチルクロロシラン、1,1−ジメチルプロピルジイソプロピルクロロシラン、1,1−ジメチルプロピルシクロヘキシルメチルクロロシラン、1,1−ジメチルプロピルメチルフェニルクロロシラン、1,1−ジメチルプロピルジフェニルクロロシラン、1,1−ジメチルプロピルジメチルブロモシラン、1,1−ジメチルプロピルジイソプロピルブロモシラン、1,1−ジメチルプロピルシクロヘキシルメチルブロモシラン、1,1−ジメチルプロピルメチルフェニルブロモシラン、1,1−ジメチルプロピルジフェニルブロモシラン、1,1−ジエチルプロピルジメチルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルジイソプロピルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルシクロヘキシルメチルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルメチルフェニルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルジフェニルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルジメチルブロモシラン、1,1−ジエチルプロピルジイソプロピルブロモシラン、1,1−ジエチルプロピルシクロヘキシルメチルブロモシラン、1,1−ジエチルプロピルメチルフェニルブロモシラン、1,1−ジエチルプロピルジフェニルブロモシラン等が挙げられるが、特に生成物の有用性の点から、tert−ブチルジフェニルクロロシランが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、以下の実施例において、反応率とはガスクロマトグラフィー分析で得られた面積値から計算したものであり、次の式によって算出している。
反応率(%)=((トリアルキルハロシランの面積)/(トリアルキルハロシランの面積+ジアルキルジハロシランの面積))×100
(1)tert−ブチルジフェニルクロロシランの製造
[実施例1]
撹拌機、還流器、滴下ロートおよび温度計を備えたフラスコに、マグネシウム13.3g(0.547モル)とテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)300mlを仕込み、60℃に加熱した。この反応液にtert−ブチルクロリド55.5g(0.599モル)を1時間かけて加え、同じ温度で1時間撹拌し、グリニャール試薬であるtert−ブチルマグネシウムクロリドを調製した。
次に、このグリニャール試薬を室温に冷却し、塩化第一銅3.0g(0.030モル)と塩化リチウム23.3g(0.550モル)を加えて室温で1時間撹拌した。
得られた反応液にジフェニルジクロロシラン126.7g(0.5004モル)を1時間かけて滴下し、その後70℃で5時間撹拌した。この時点でガスクロマトグラフィーによる分析を行い、反応率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例2]
ジフェニルジクロロシラン滴下後の温度を50℃にした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応率を表1に示す。
[実施例3]
ジフェニルジクロロシラン滴下後の温度を30℃にした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応率を表1に示す。
[実施例4]
塩化第一銅の代わりに臭化第一銅を使用し、ジフェニルジクロロシラン滴下後の温度を50℃にした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応率を表1に示す。
[比較例1]
グリニャール試薬に何も加えずにそのまま使用した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応率を表1に示す。
[比較例2]
グリニャール試薬に塩化リチウム23.3g(0.550モル)のみを添加した以外は、実施例1と同様にして反応行った。反応率を表1に示す。
[比較例3]
グリニャール試薬に塩化第一銅3.0g(0.030モル)のみを添加した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応率を表1に示す。
Figure 0006958468
表1に示されるように、銅化合物とリチウム化合物が共存する場合に好適な結果が得られ、それらが無添加の場合や、どちらか一方のみを添加した場合は、所望の第三級アルキル基を有するハロシラン化合物がほとんど得られていないことがわかる。
(2)tert−ブチルジフェニルクロロシランの単離
[実施例5]
撹拌機、還流器、滴下ロートおよび温度計を備えたフラスコに、マグネシウム13.3g(0.547モル)とTHF300mlを仕込み、60℃に加熱した。この反応液にtert−ブチルクロリド55.5g(0.599モル)を1時間かけて加え、同じ温度で1時間撹拌し、グリニャール試薬であるtert−ブチルマグネシウムクロリドを調製した。
次に、このグリニャール試薬を室温に冷却し、塩化第一銅3.0g(0.030モル)と塩化リチウム23.3g(0.550モル)を加えて室温で1時間撹拌した。
得られた反応液にジフェニルジクロロシラン126.7g(0.5004モル)を1時間かけて滴下し、その後50℃で10時間撹拌した。この時点でガスクロマトグラフィーによる分析を行うと、反応率は88%であった。
続いて、この反応液にo−キシレン300mlを加えて加熱し、反応系中の温度が150℃になるまで、THFを抜き出した。室温に冷却した後、水300mlを加えて1時間撹拌した。この時点で反応液は二層に分離していた。下層を除去した後、得られた上層を蒸留した。tert−ブチルジフェニルクロロシランを145℃/0.4kPaの留分として73.4g得た(収率51%)。
[実施例6]
o−キシレン300mlに代えて、トルエン600mlを使用した以外は、実施例5と同様にして反応および精製を行い、tert−ブチルジフェニルクロロシランを145℃/0.4kPaの留分として90.7g得た(収率64%)。

Claims (4)

  1. 銅化合物およびリチウム化合物の共存下で、下記一般式(1)
    Figure 0006958468
    (式中、R1は、非置換の炭素数4〜20の第三級1価炭化水素基を表し、X1は、ハロゲン原子を表す。)
    で示されるグリニャール試薬を活性化する第一工程と、
    この第一工程で活性化されたグリニャール試薬と下記一般式(2)
    Figure 0006958468
    (式中、R2は、それぞれ独立して置換または非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、X2は、それぞれ独立してハロゲン原子を表す。)
    で示されるジアルキルジハロシラン化合物を反応させる第二工程を備え、前記活性化が、触媒量の銅化合物および前記グリニャール試薬と等モル以上のリチウム化合物の共存下で行われ、前記銅化合物が、塩化第一銅、臭化第一銅およびヨウ化第一銅から選ばれる少なくとも1種であり、前記リチウム化合物が、塩化リチウムおよび臭化リチウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする下記一般式(3)
    Figure 0006958468
    (式中、R1、R2およびX2は、前記と同じ意味を表す。)
    で示される第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法。
  2. 前記活性化が、グリニャール試薬1モルに対して0.1〜20モル%の銅化合物および前記グリニャール試薬1モルに対して1〜2モルのリチウム化合物の共存下で行われる請求項1記載の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法。
  3. 前記銅化合物が、塩化第一銅および臭化第一銅から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法。
  4. 前記リチウム化合物が、塩化リチウムである請求項1〜3のいずれか1項記載の第三級炭化水素基を有するハロシラン化合物の製造方法。
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