JP6013897B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
例えば発光ダイオードなどの半導体発光素子は、通常、成長基板上に、n型半導体層、発光層、及びp型半導体層からなる半導体構造層を成長し、半導体構造層に電極を形成して作製される。発光層から発せられた光をより多く取出すことを図る半導体発光素子として、p型半導体層上に透明導電体層及び金属層を形成し、支持基板に貼り付けた後、成長基板を除去した構成を有するいわゆるシンフィルム構造の半導体発光素子が知られている(特許文献1など)。
特許文献2には、光取出し面であるn型半導体層の表面に凹凸構造を形成し、外部への光取出し効率を向上させた半導体発光素子が開示されている。また、特許文献3には、光取出し面の表面に凹凸構造を有し、当該凹凸構造によって発光層から放出された光が光取出し面において回折するように構成された半導体発光素子が開示されている。
特開2008-98336号公報 特開2009-252860号公報 特開2006-49855号公報
半導体発光素子の光取出し面に凹凸構造を形成する手法の1つは、エッチングによって光取出し面を加工することである。エッチングは、液体を使用するウェットエッチングとプラズマ等を使用するドライエッチングとに大きく分類される。
ウェットエッチングを用いる場合、例えば、GaN系半導体からなる半導体構造層の場合はKOH溶液などのアルカリ溶液、AlGaInP系半導体からなる半導体構造層の場合はHCl溶液などの酸溶液を使用して、半導体構造層の表面に錐形状の凹凸構造を形成することができる。ウェットエッチングの特徴として、エッチング用のマスクを作製することなくエッチングのみで素子表面を粗面化することができる点が挙げられる。
しかし、ウェットエッチングは半導体構造層の結晶性の影響を受けるため、半導体の面方位によっては効果的な粗面を得ることができない場合がある。従って、必ずしも取出し効率を向上させるような凹凸構造を形成することができるとは限らない。また、形成された構造物の大きさ及び密度には大きなばらつきがあり、同一品質を有する表面が繰り返し得られる可能性も低い。従って、理想的な凹凸構造を有する表面を得ることは困難である。
一方、ドライエッチングを用いる場合、予めSiOやレジストなどを所望のパターンに形成し、これをマスクとして、例えば塩素ガスを用いてエッチングを行う。ドライエッチングの特徴としては、フォトリソグラフィを用いたマスクを使用することによって、凹凸構造を均一かつ規則的に形成することができる点が挙げられる。
半導体発光素子の光取出し効率を向上させるという用途を考慮すると、凹凸構造の構造物のサイズは、光学波長(発光波長を半導体構造層の屈折率で割ったもの、すなわち半導体構造層内における波長)の数倍程度であることが望ましい。可視光の波長は1μmよりも小さいため、例えば円錐状の突起からなる凹凸を形成する場合、当該円錐のサイズはサブミクロンサイズであることが求められる。
ドライエッチングを使用してこのようなサブミクロンサイズの凹凸を形成する方法として、同じサイズのパターンのマスクを準備することが挙げられる。しかし、このためには、特許文献3に開示されているような高価なステッパや電子ビームによる描画装置などを用いる必要がある。
他の方法として、塗布したレジストに凹凸形状を有するモールドを押し当てることによってモールドの凹凸構造を転写するナノインプリント技術を用いてもサブミクロンサイズの凹凸を形成することができる。しかし、このためにも、高価なナノインプリント装置および金型を準備する必要がある。さらに、既に電極等が形成されておりかつ段差を有した表面にパターンを転写することは困難である。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、光取出し効率が改善された凹凸形状を有し、高輝度かつ高発光効率な半導体発光素子を提供することを目的としている。
また、高価な装置を用いずかつ簡便な方法により、光取出し効率の高い凹凸構造を形成する工程を含む半導体発光素子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明による半導体発光素子は、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層と、第1の半導体層及び第2の半導体層との間に設けられた発光層と、からなる半導体構造層を少なくとも含む発光構造体を有し、第2の半導体層側の発光構造体の表面を光取出し面とし、光取出し面は、その表面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造を有していることを特徴としている。
また、本発明による半導体発光素子の製造方法は、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層と、第1の半導体層及び第2の半導体層との間に設けられた発光層と、からなる半導体構造層を少なくとも含む発光構造体を有し、第2の半導体層側の発光構造体の表面を光取出し面とする半導体発光素子の製造方法であって、第1の半導体層、発光層、及び第2の半導体層を順次積層する工程と、光取出し面上に複数の所定形状のマスクを形成する工程と、マスク上から光取出し面にドライエッチングを行って、光取出し面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
実施例1の半導体発光素子の構造を示す断面図である。 実施例1における発光構造体の構造を説明する断面図である。 実施例1における支持体の構造を説明する断面図である。 実施例1における接合体を説明する断面図である。 (a)及び(b)は、実施例1の半導体発光素子における光取出し面の凹凸構造を示す図である。 比較例の半導体発光素子における光取出し面の凹凸構造を示す図である。 実施例1、比較例及び光取出し面が平坦面構造を有する半導体発光素子の光取出し効率を示す図である。 実施例1における光取出し面に凹凸構造を形成する工程を説明する図である。 図8における凹部を有するマスクの上面図である。 図8における凹部を有するマスクの上面を示す図である。 実施例2の半導体発光素子の構造を説明する断面図である。 実施例2における光取出し面に凹凸構造を形成する工程を説明する図である。 図12における凹部を有するマスクの上面図である。
図1は、本発明による実施例1の半導体発光素子の構造を示す断面図である。半導体発光素子5は、発光構造体10、支持体30、複合接合層40、凹凸構造50、及び表面電極60を含む。より詳細には、半導体発光素子5は、発光構造体10と支持体30とが複合接合層40によって接合されたいわゆるシンフィルム構造又は貼り合わせ構造を有している。
以下においては、図2〜図4及び図1を参照して半導体発光素子5の構造を具体的に説明する。図2は、発光構造体10の構造を説明する断面図である。発光構造体10は、成長基板19上に、n型半導体層18、発光層17、及びp型半導体層16がこの順で形成された構造を有している。以下においては、n型半導体層18、発光層17、及びp型半導体層16の全体を半導体構造層15と称する。n型半導体層18、発光層17、及びp型半導体層16は、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて成長基板19に格子整合するようにエピタキシャル成長される。
本実施例においては、成長基板19の形成には300μmの層厚を有するn型GaAsを用いた。n型半導体層18の組成はAl0.5In0.5Pとし、層厚は3μmとした。発光層17は多重量子井戸構造を有しており、井戸層の組成は(Al0.15Ga0.850.5In0.5Pとし、層厚は0.5μmとした。p型半導体層16の組成は(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pとし、層厚は1μmとした。
なお、n型半導体層18、発光層17、及びp型半導体層16が上記のような組成を有している場合について説明したが、他の組成を有していても良い。好ましくは、n型半導体層18及びp型半導体層16は、それぞれ(AlGa1−z0.5In0.5P(0.4≦z≦1.0)の組成を有し、発光層17の井戸層は(AlGa1−z0.5In0.5P(0≦z≦0.4)の組成を有している。また、発光層17が多重量子井戸構造を有する場合について説明したが、発光層17は単一量子井戸構造を有していても良く、又は単層構造を有していても良い。
発光構造体10のp型半導体層16上には、p型電流拡散層14、絶縁層13、反射金属層12、バリア層11、及び接着層(第1の接着層)20が順に形成されている。反射金属層12及び絶縁層13によって反射層が形成される。絶縁層13は、例えばプラズマCVD法やスパッタ法などによってp型電流拡散層14上にSiOを成膜した後、エッチングなどを用いてp型電流拡散層14に達する開口部を設けることによって形成される。反射金属層12は、p型電流拡散層14にオーミック接合可能な金属を用いて、抵抗加熱蒸着法やEB蒸着法などによって形成される。バリア層11及び接着層20は、スパッタ法又はEB蒸着法によって形成される。
本実施例においては、p型電流拡散層14はGaInPからなり、その層厚は10μmとした。絶縁層13の形成にはSiOを用い、その層厚は90nmとした。反射金属層12はスパッタ法によってAuZnを形成し、その層厚は300nmとした。バリア層11の形成にはスパッタ法を用いてTaN、TiW、TaNを順に積層し、その層厚はそれぞれ100nmとした。バリア層11の形成後、約500℃の窒素雰囲気の下で熱処理を行った。接着層20はEB蒸着法を用いて形成されたNi及びAuからなり、その層厚はそれぞれ300nm及び30nmとした。
なお、絶縁層13の形成にSiOを用いる場合について説明したが、絶縁層13をAlなどの透明な誘電性材料から形成してもよい。反射金属層12の材料としてAuZnを用いたが、例えばAg、Rdなどの高反射性金属を用いても良い。バリア層11は、Ta、Ti、Wなどの高融点の金属及びその窒化物からなる単層又は多層構造を有していても良い。
図3は、支持体30の構造を説明する断面図である。支持体30は支持基板31を有し、支持基板31の両主面上には、オーミック金属層32A及び32Bが形成されている。オーミック金属層32A及び32Bは、例えば抵抗加熱、EB蒸着法、又はスパッタ法などを用いて形成される。
本実施例においては、p型不純物を高濃度に添加したSi基板を支持基板31として形成し、Si基板の主面の両方にオーミック金属層32A及び32Bとしてそれぞれ200nmの層厚を有するPtを形成した。
なお、支持基板31をSi基板から構成する場合について説明したが、支持基板31は、例えばAl、Cuなどの導電性でありかつ熱伝導率の高い材料から構成されても良い。また、オーミック金属層32A及び32BにPtを用いた場合について説明したが、オーミック金属層32A及び32Bは、Au、Ni、TiなどのSi基板とのオーミック接合を形成することが可能な金属から構成されても良い。オーミック金属層32A及び32Bの各々が200nmの層厚を有する場合について説明したが、オーミック金属層32A及び32Bはそれぞれ100〜300nmの層厚を有していることが好ましい。
支持体30のオーミック金属層32B上には、密着層33、接着層(第2の接着層)34、及び共晶接合層35が順に積層されている。密着層33、接着層34、及び共晶接合層35は、例えば抵抗加熱、EB蒸着法、又はスパッタ法などを用いて形成される。
本実施例においては、密着層33及び接着層34をそれぞれTi(層厚150nm)及びNi(層厚100nm)から形成した。共晶接合層35の形成にはAuSnを用い、その組成は、Au:Sn=約80wt%:約20wt%(約70at%:約30at%)であり、その層厚は600nmとした。
なお、密着層33及び接着層34はそれぞれ100〜200nm及び50〜150nmの層厚を有していることが好ましい。接着層34はNiの代替としてNiV、Ptなどを用いて形成されても良い。また、共晶接合層35はその主成分がAuSnであればよく、添加物が加えられていても良い。共晶接合層35の好ましい層厚は300〜3000nmである。
図4は、発光構造体10と支持体30とが接合され、成長基板19が発光構造体10から除去された後の接合体の構造を説明する断面図である。発光構造体10と支持体30とは熱圧着によって接合される。熱圧着によって、発光構造体10の接着層20と支持体30の共晶接合層35及び接着層34とが複合接合層40を形成する。
本実施例においては、窒素雰囲気、約1MPaの圧力、及び330℃の温度条件の下で、発光構造体10の接着層(NiAu層)20と支持体30の共晶接合層(AuSn層)35とを密着させ、10分間保持することによって熱圧着を行った。その結果、複合接合層(AuSnNi層)40が形成された。
なお、熱圧着における各条件は、使用する共晶材料が溶融し、その特性に変化(例えば酸化などによる接合強度の劣化)を及ぼさず、かつ発光構造体と支持体とを接合することができれば、上記の材料、雰囲気、温度、及び時間などの条件に限定されない。
発光構造体10と支持体30とが接合された後に発光構造体10から成長基板19が除去され、図4に示されている接合体が形成される。本実施例においては、アンモニアと過酸化水素とを混合したエッチャントを用いたウェットエッチングを行い、発光構造体10から成長基板19を除去した。なお、成長基板の除去にウェットエッチングを用いる場合について説明したが、当該除去はドライエッチング、機械研磨法、化学機械研磨(CMP)法、又はこれらの組合せによって行なわれてもよい。
続いて、図1を参照して、n型半導体層18の表面に凹凸構造50が形成され、n型半導体層18の表面に表面電極60が形成された半導体発光素子5の構造を説明する。凹凸構造50はドライエッチングを用いてn型半導体層18の表面に形成される。
本実施例においては、まずn型半導体層18の表面に、フォトリソグラフィによってレジストのパターンを形成した。その後、レジストをマスクとして、ドライエッチングを行った。エッチング中において、通常はエッチングステージの基板をHeによって冷却する。しかし、本実施例においては基板を冷却せずにエッチングを行った。この凹凸構造50及びその形成工程については、図5及び図8を用いてより詳細に後述する。なお、エッチング前において、表面電極60が形成される領域に、例えばSiOを用いて保護マスクを設けても良い。
表面電極60は、n型半導体層18とオーミック接合を形成するように、n型半導体層18の表面に形成される。表面電極60は、例えばリフトオフ法を用いて形成され、その蒸着方法としては、抵抗加熱蒸着法、EB蒸着法、スパッタ法を用いることができる。
本実施例においては、n型半導体とのオーミック接合を形成することができる材料として知られているAuGeNiを用いて表面電極60を形成した。また、n型半導体層18と表面電極60との間に良好なオーミック接合を形成するために、窒素雰囲気、約400℃の温度条件において熱処理することによって合金化を行った。なお、表面電極60の材料にAuGeNiを用いる場合について説明したが、AuGe、AuSn、AuSnNiなどを用いて表面電極60を形成しても良い。
図5(a)及び(b)は、半導体発光素子5の半導体構造層15内におけるn型半導体層18の表面(すなわち光取出し面)に形成された凹凸構造50の電子顕微鏡観察画像(Scanning Electron Microscope:SEM像)である。図5(a)に示されているように、n型半導体層18の表面には、錐台形状の突起が、均一かつ規則的に、そして密に形成されている。また、突起の各々の表面(すなわち錐台形の側面)には、錐台形の上面(頂面)から底面に向かって放射状に延びた溝が複数個形成されている。
凹凸構造50は、この放射状の溝を備えた多数の突起から形成されている。発光層17からこの突起へ入射した光は、放射状の溝を備えた表面によって外部に取出される確率が高くなり、光取出し効率が向上する。従って、発光層17から凹凸構造50内に入射した光が外部へ取出される確率が高くなり、高発光効率かつ安定した発光強度の半導体発光素子を提供することができる。
また、改変例として、凹凸構造50の形成時におけるプロセス条件を変更することによって、図5(b)に示されているような錐形状に近い形状を有する突起からなる凹凸構造50を形成することもできる。突起の各々は、その表面(側面)に放射状の溝を有していることに加え、ほぼ錐形状に近い形状を有している。さらに、プロセス条件の調整により、完全な錐形状の突起を形成することもできる。この場合、錐形状の側面において、錐形状の頂点から底面に向かって放射状に延びた溝が形成される。なお、上記の錐形状及び錐台形状の突起をまとめて錐状の突起と称する。
同様に、プロセス条件を調整することによっては、柱状の突起を形成することもできる。柱状の突起においても、その側面には柱形状の上面端部から底面端部に向かって延びる溝が設けられる。
錐状及び柱状の突起のいずれを形成する場合あっても、その上面(又は頂点)から底面に向かって延びる溝を有していることによって、発光層16から発せられた光が光取出し面から外部へ取出される確率がさらに高くなる。従って、より高い光取出し効率を実現することができる。
図6は、本実施例の半導体発光素子5の比較例として、n型半導体層上に設けられた放射状の溝を備えていない円錐台形状の突起の電子顕微鏡観察画像(SEM像)を示している。本比較例における凹凸構造は、図1を用いて説明した凹凸構造50を形成する際のドライエッチング中において、エッチングステージの温度を20℃に設定し、かつ基板の裏面をヘリウムによって冷却しつつドライエッチングを行うことによって作製した。
図6に示されているように、この円錐台形状を有する突起の各々の側面部分は、半導体発光素子5の凹凸構造50の突起とは異なり、放射状の溝を有しないほぼ完全な曲面形状を有している。発光層からこの円錐台形状の突起内へ進入した光は、突起の表面において臨界角内の成分が大きくなり、臨界角外の光においても光取出し方向である突起の頂部(上面)の方向に向かって進んだ後に、外部へ取出される。従って、突起を有しない平坦な光取出し面と比べると、光取出し効率は向上する。しかし、発光層からこの円錐台形状の突起内へ進入した光は、突起の側面(表面)部分によって複数回反射され、光取出し方向とは反対の発光層の方向に戻ってしまうことがある。
図7は、本実施例の半導体発光素子5と、その比較例(図6)の半導体発光素子と、凹凸構造を有しない平坦面の光取出し面を有する半導体発光素子と、における光取出し効率を示している。図7のグラフは、平坦面の光取出し面を有する半導体発光素子の光取出し効率を1に規格化した場合の本実施例及びその比較例の規格化光取出し効率を示している。
図7に示されているように、本実施例の半導体発光素子5の光取出し効率は、平坦面の光取出し面を有する半導体発光素子の光取出し効率に比べて、50%以上改善されている。また、比較例と比べても約10%高い光取出し効率を有している。
なお、上記においては、半導体発光素子がAlGaInP系半導体からなる場合について説明したが、半導体発光素子は、他の結晶系半導体、例えばGaN系半導体から形成されていても良い。また、半導体発光素子がシンフィルム構造を有している場合について説明したが、半導体発光素子は、分布ブラッグ反射層(DBR:Distributed Bragg Reflector)構造、透明基板を貼り合わせた構造、又は単純な成長基板上に半導体構造層を積層した構造を有していても良い。
上記したように、本発明による半導体発光素子においては、その光取出し面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造が設けられている。かかる構造によって、光取出し効率が大幅に向上した高発光効率、高輝度かつ安定した発光強度の半導体発光素子を提供することができる。
図8は、図1を用いて説明した光取出し面に凹凸構造50を形成する工程について、より具体的に説明する図である。
まず、n型半導体層18の表面(光取出し面)にレジストを塗布し、フォトリソグラフィを用いて所定のパターンのマスク55を形成する。例えば、円錐形状又は円柱形状の突起を形成する場合は円形状の複数のレジストマスクを光取出し面に形成する。また、多角錐形状又は多角柱形状の突起を形成する場合は多角形状の複数のレジストマスクを光取出し面に形成する。
本実施例においては、直径3μmの円形状のパターンを4μm間隔で細密充填配置することによって光取出し面上にレジストのマスク55を形成した。レジストとしては、例えばAZ6130やOFPR800などの一般的なポジ型レジスト等を用いる事ができ、さらには耐ドライエッチング性が良いことが好ましい。
次に、光取出し面において、レジストのマスク55上から、マスク55を変形させつつドライエッチングを行う。
本実施例においては、レジストのマスク55上から、15sccmの塩素雰囲気、10mTorr(=約1.33Pa)の圧力、500Wの出力条件の下、2分間エッチングを行った。ドライエッチング中においては、Heによる基板冷却を行わず、エッチング中のステージ温度を約40℃に設定した。ステージ温度の制御は、チラーにより温度制御された溶媒をステージ下部において循環させることによって行った。この条件の下でエッチングを行うと、レジストのマスク55が熱によって収縮及び変形する。
図9は、収縮及び変形後のマスク55を模式的に示している。具体的には、マスク55の材料であるレジストがマスク55のパターン形状(本実施例においては円形状)の中央部に向かって収縮及び変形する。その際、パターン形状の中央部が最もマスク層厚の大きい部分となり、パターン形状の中央部から側部に向かって徐々に層厚が小さくなる。さらに、パターン形状の側面においてはマスク層厚の大きい部分と小さい部分とが交互に形成される。
その後、エッチングを進めると、マスク55のパターン形状の側面における当該マスク層厚の薄い部分がエッチングによって除去され、当該部分には凹部55Aが形成される。後述する突起51の溝51Aは、この凹部55Aに対応した位置に形成される。マスク55及び凹部55Aを上面から見た電子顕微鏡観察画像(SEM像)を図10に示す。
さらにエッチングを進めると、徐々にマスク55の層厚の小さい部分、すなわち凹部55Aに対応する部分からエッチングによってマスク55の除去が進む。従って、マスク55の凹部55Aがマスク55のパターン形状の中央部に向かって伸びていく。n型半導体層18の表面(光取出し面)は、マスク55が除去されるのに伴って徐々に加工されていく。突起51の溝51Aは、突起51の頂部から底部に向かって徐々に形成されていく。
このようにして、n型半導体層18の表面には錐台形状の突起51が形成される。突起51の表面(側面)には、凹部55Aを有するマスク55によってその頂部から底面に向かって延びた放射状の溝51Aが形成される。
なお、上記したように、ここでのプロセス条件を調整することによって、錐状(錐形状及び錐台形状)又は柱状の様々な突起を形成することができるが、その表面(側面)には上面(頂点)から底面に向かって延びる溝が形成される。
その後、マスク55を除去することによって、その頂部から底面に向かって延びる溝を備えた側面を有する錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造50を有する光取出し面を形成することができる。上記工程に高価な装置は不要であり、複雑な工程及びパラメータも不要である。さらに、本来必要とされるサブミクロンサイズではなく、数μmのサイズを有する突起を形成したにもかかわらず、光取出し効率は向上した。
なお、エッチングガスとして塩素(Cl)を用いる場合について説明したが、塩素(Cl)に対して塩化ホウ素(BCl)、塩化ケイ素(SiCl)又はアルゴン(Ar)などを加えたものがエッチングに用いられても良い。また、ステージ温度を40℃に設定する場合について説明したが、Heによる基板冷却を行わない条件下において、ステージ温度が20〜60℃の範囲内であれば同様の凹凸構造を形成することができた。また、エッチングガスの種類、圧力、パワー、エッチング時間などのエッチング条件を適宜調整する事によって、上記温度条件やエッチング量は変化する。
なお、本実施例においては、基板を冷却せずにドライエッチングを行い、熱変形によって側面に凹部を有するマスクを形成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、側面に凹部を有するマスクを、フォトリソグラフィ、電子ビームによる直描などによって形成してもよい。この場合、マスクに凹部を形成する工程は、ドライエッチング中ではなく、マスク形成中に行われる。
上記したように、本発明による半導体発光素子の製造方法においては、第1の半導体層、発光層、及び第2の半導体層を順次積層する工程と、光取出し面上に所定形状の複数のマスクを形成する工程と、マスク上から光取出し面にドライエッチングを行って、光取出し面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造を形成する工程とを含む。かかる工程によって、高価な装置を用いずかつ簡便な方法により、光取出し効率の高い凹凸構造を光取出し面に形成することができる。
図11は、本発明による実施例2の半導体発光素子7の構造を説明する断面図である。半導体発光素子7は、n型半導体層の表面に透光性の導電体層が設けられる点を除き、半導体発光素子5と同様の構造を有している。半導体発光素子7は、発光構造体70、支持体30、複合接合層40、凹凸構造70、及び表面電極90を含み、発光構造体70と支持体30とが複合接合層40によって接合されたいわゆるシンフィルム構造又は貼り合わせ構造を有している。
半導体発光素子5とは異なり、n型半導体層の表面には透光性の導電体層が設けられている。半導体発光素子7の発光構造体70は、半導体構造層75の表面すなわちn型半導体層78上に透光性の導電体層79を有している。透光性の導電体層79は、例えばITOなどの透明導電体からなる。以下においては、導電体層が透明導電体層79である場合について説明する。
半導体発光素子7は、透明導電体層79の形成、凹凸構造80の形成、及び表面電極90の形成を除き、半導体発光素子5と同様の工程によって製造される。透明導電体層79は、成長基板(図示せず)を除去した後にn型半導体層78の表面に形成される。凹凸構造80及び表面電極90は、透明導電体層79の表面に形成される。
本実施例においては、バリア層71、反射金属層72、絶縁層73、p型電流拡散層74、p型半導体層76、発光層77、n型半導体層78、及び表面電極90は、それぞれ、実施例1におけるバリア層11、反射金属層12、絶縁層13、p型電流拡散層14、p型半導体層16、発光層17、n型半導体層18、及び表面電極60と同様の材料を用いて形成した。凹凸構造80は、凹凸構造50と同様の構造を有している。半導体発光素子7の他の構成要素及びその詳細については、半導体発光素子5と同様であるため、同一の参照番号とし、説明は省略する。
図11に示されているように、凹凸構造80は、透明導電体層79の表面に形成されている。本実施例においては、光取出し面は透明導電体層79の表面である。凹凸構造80は、凹凸構造50と同様に、透明導電体層79の表面上に、頂部から底部に向かって延びた溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる。半導体発光素子7は、n型半導体層78上に透明導電体層79が設けられた構成を有する発光構造体70を含む。従って、透明導電体層79内における電流拡散が促進され、高輝度、高発光効率、かつ均一な光を放出する半導体発光素子を提供することができる。
図12は、半導体発光素子7の光取出し面(透明導電体層79の表面)に凹凸構造80を形成する工程を説明する図である。上記したように、本実施例においては、光取出し面は透明導電体層79の表面である。
まず、透明導電体層79の表面に所定形状の複数のマスク85を形成する。マスク85の形状は、例えば円形状(円錐形状又は円柱形状の突起を形成する場合)及び多角形状(多角錐形状又は多角柱形状の突起を形成する場合)を含む。本実施例において、マスク85はレジストを用いて形成した。
次に、マスク85上から、光取出し面(透明導電体層79の表面)にドライエッチングを行う。実施例1と同様に、基板の裏面をHeによって冷却することなくエッチングを行い、マスク85のパターン形状の側面に凹部85Aを形成した。図13に、凹部85Aが形成されたマスク85の上面図を示す。
さらにドライエッチングを行い、光取出し面に、頂部から底部に向かって延びた溝81Aを備えた錐状の突起81を複数個形成する。その後、マスク85を除去する。このようにして、頂部から底部に向かって延びる放射状の溝81Aを備えた錐状の突起81からなる凹凸構造80が光取出し面に形成される。
本実施例においては、実施例1における凹凸構造50を形成する際のプロセス条件(エッチングガス、時間、温度など)を調節することのみで凹凸構造80を形成することができた。
なお、本実施例においても、プロセス条件を適宜調節することによって、錐状又は柱状の突起を作製することができる。また、マスクに凹部を形成する工程がエッチング時に行われる場合について説明したが、マスクを形成する工程においてフォトリソグラフィや電子ビームによる直描などによってマスクに凹部が形成されてもよい。透明導電体層は、発光層からの光に対して透光性であればよい。
5、7 半導体発光素子
10、70 発光構造体
15、75 半導体構造層
18 n型半導体層
79 透明導電体層
50、80 凹凸構造
51、81 突起
51A、81A 溝
55、85 マスク

Claims (7)

  1. 第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層と、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層間に設けられた発光層と、からなる半導体構造層を少なくとも含む発光構造体を有し、前記第2の半導体層側の前記発光構造体の表面を光取出し面とする半導体発光素子であって、
    前記光取出し面は、その表面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造を有していることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記光取出し面は前記第2の半導体層の表面であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記発光構造体は前記第2の半導体層上に形成された透光性の導電体層を含み、
    前記光取出し面は前記導電体層の表面であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層と、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層間に設けられた発光層と、からなる半導体構造層を少なくとも含む発光構造体を有し、前記第2の半導体層側の前記発光構造体の表面を光取出し面とする半導体発光素子の製造方法であって、
    前記第1の半導体層、前記発光層、及び前記第2の半導体層を順次積層する工程と、
    前記光取出し面上に所定形状の複数のマスクを形成する工程と、
    前記マスク上から前記光取出し面にドライエッチングを行って、前記光取出し面上に頂部から底部に向かって延びる溝を備えた錐状又は柱状の突起からなる凹凸構造を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記ドライエッチングを行う工程は、前記マスクの側面に凹部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法
  6. 前記マスクを形成する工程は、前記マスクの側面に凹部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法
  7. 前記マスクの前記凹部は熱変形によって形成されることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法。
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