JP6011592B2 - 分光測定装置 - Google Patents
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本発明の分光測定装置では、前記光混合器は、前記第1の光及び前記第2の光を多重反射させることが好ましい。
本発明の分光測定装置では、前記光混合器は、石英又は樹脂を含むことが好ましい。
本発明の関連技術に係る波長可変干渉フィルターは、上記本発明の分光測定装置に用いられることを特徴とする。
上記参考技術によれば、可視光の波長域にピーク波長を有さず、短波長から長波長に向かうに従って光量が増大する光を射出する第1光源、及び可視光の波長域にピーク波長を有する光を射出する第2光源と、各光源から射出された光を混合する光混合器とを備える。そして、光混合器が各光源から射出される光を混合し、受光部が波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光して、測定制御部が検査対象光の分光特性を測定する。ここで、上述したように、可視光の波長域にピーク波長を有さない第1光源のみを用いた場合、可視光の波長域において、所定の波長域内で光量が著しく低下する。しかし、本発明によれば、第2光源が、例えば短波長域(第1光源の光量が少ない波長域)において、ピーク波長を有する光を射出すれば、第1光源の光量が著しく低下する短波長域の光量を効果的に補うことができる。従って、光量が低下する波長域における分光特性の測定精度を高めることができ、ひいては、精度の高い分光特性の測定をすることができる。
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.分光測定装置の概略構成〕
図1は、第1実施形態の分光測定装置1の概略構成を示す図である。
分光測定装置1は、図1に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置2と、検査対象Aで反射された検査対象光を分光するエタロン5(波長可変域380nm〜780nm)を備えた分光装置3と、分光測定装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備える。そして、この分光測定装置1は、光源装置2から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を分光装置3にて分光し、分光装置3から出力される検出信号に基づいて、分光した各波長の光の光量をそれぞれ測定する分光特性測定を実施する装置である。
また、この分光測定装置1は、光源装置2の後述する紫色LED212のみを点灯させて、エタロン5の波長校正を行う装置でもある。この場合には、検査対象Aとして、白色の標準反射板が用いられる。なお、エタロン5の波長校正の詳細については、後述する。
光源装置2は、図1に示すように、光源部21と、光混合器22と、レンズ23とを備えて、これらが一体化された装置である。
光源部21は、白色光を射出するタングステンランプ211(第1光源)と、紫色LED(Light Emitting Diode)212(第2光源)と、タングステンランプ211及び紫色LED212から射出された光を反射するリフレクター213とを備える。そして、光源装置2は、検査対象光の分光測定を行う場合、タングステンランプ211及び紫色LED212の双方を点灯させ、エタロン5の波長校正を行う場合、紫色LED212のみを点灯させる。
光混合器22は、石英ガラスやアクリル樹脂等で筒状に形成され、リフレクター213で反射された光を内部で多重反射させて、タングステンランプ211及び紫色LED212から射出された光を混合、すなわち合成させる。
レンズ23は、光混合器22で多重反射された光を平行光とし、平行化された光を検査対象Aに入射させる。
タングステンランプ211は、図2に示す破線部分のスペクトル分布を有している。すなわち、タングステンランプ211は、短波長から長波長に向かうに従って、光量が増大するので、波長400nm近傍の短波長域において、光量が小さい。
一方、紫色LED212は、図2に示す実線部分のスペクトル分布を有している。このため、紫色LED212は、波長約385nm〜約430nmの範囲でスペクトル分布を有し、波長405nmに光量が最大となるピーク波長を有している。
以上により、タングステンランプ211及び紫色LED212から射出された光が光混合器22で混合されることで、図2の二点鎖線に示すスペクトル分布となる。すなわち、紫色LED212は、タングステンランプ211の光量が小さい波長400nm近傍の光量を効果的に補うことができる。
分光装置3は、図1に示すように、検査対象Aで反射された検査対象光を所定方向へ反射させてエタロン5に集光させる凹面鏡3Aを有した装置本体30を備える。この装置本体30は、凹面鏡3Aから入射された検査対象光を分光するエタロン5(波長可変干渉フィルター)と、エタロン5で分光された各波長の光を受光する受光部31とを備える。
受光部31は、光検出器として動作する受光素子であり、例えば、フォトダイオード、フォトIC等で構成される。この受光部31は、エタロン5にて透過された検査対象光を受光すると、受光した検査対象光の光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光部31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
なお、一般的な受光素子では、短波長域の受信感度が長波長域の受信感度よりも悪いため、本実施形態では、図2に示すように、特に短波長域にピーク波長を有する紫色LED212を用いたことで、短波長域の受信感度を向上させている。
図3は、エタロン5の概略断面図である。
エタロン5は、例えば、平面視略正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン5は、図3に示すように、固定基板51と、可動基板52とを備える。そして、これらの基板51,52は、例えば、プラズマ重合膜を用いたシロキサン接合などにより接合層53を介して互いに接合されて一体的に構成される。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス等の各種ガラスや、水晶等により形成されている。
さらに、固定基板51と可動基板52との間には、固定ミラー54及び可動ミラー55の間のギャップGの寸法を調整するための静電アクチュエーター56が設けられている。
そして、制御装置4から出力される電圧により、第1電極561及び第2電極562の間に静電引力が働き、ギャップGの寸法が調整され、当該ギャップGの寸法に応じて、エタロン5を透過する光の透過波長が決定される。すなわち、静電アクチュエーター56によりギャップ間隔を適宜調整することで、エタロン5を透過する光が決定されて、エタロン5を透過した光が受光部31で受光される。
制御装置4は、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41と、測定制御部42と、校正部43とを備えて構成されている。また、制御装置4は、図示しないメモリーやハードディスクなどの記録媒体である記憶部を備え、当該記憶部には、駆動電圧に対する透過光の透過波長を示す透過特性データ(V−λデータ)が記憶されている。
また、測定制御部42は、受光部31に接続され、検査対象光の分光特性の測定処理を実施する。
分光特性の測定処理の際、測定制御部42は、受光部31から入力された受光信号に基づいて、各波長に対する受光量を算出し、検査対象光の分光特性の測定処理を実施する。
エタロン5の波長校正の際、校正部43は、受光部31から入力される駆動電圧毎の受光信号を受信に基づいて、受光信号、及び駆動電圧の関係を算出する。そして、校正部43は、紫色LED212のピーク波長である、405nmにおける駆動電圧を算出し、エタロン5の波長校正(上述した透過特性データの補正)を実施する。
分光測定装置1は、上述したように、エタロン5を透過した検査対象光の分光特性の測定の他、紫色LED212のみを点灯させてエタロン5の波長校正を行う。ここでは、エタロン5の波長校正について、図4に示すフローを参照して説明する。
エタロン5では、環境温度の変化により、ミラー54,55や電極561,562の温度に依存する線膨張係数が変動するため、ミラー54,55や電極561,562の内部応力が変動し、基板51,52が撓むおそれがある。これにより、ミラー間ギャップGの寸法が変動し、所望の透過波長を得られないという問題がある。そこで、エタロン5を所定の環境温度下に設置した際において、駆動電圧に対するギャップGの寸法(透過波長)を予め設定しておくことが好ましい。
そして、校正部43は、図5のデータに基づいて、最大電流値となる電圧値V1を取得し(ステップS4)、この電圧値V1を印加した場合における波長は、405nm(紫色LED212のピーク波長)である。
ところで、環境温度の変化やこの他の要因(エタロン5の配設位置の変化による重力の変動等)に応じて、V−λデータの変動パターンがシミュレーションにより予め分かっている。
図6では、環境温度の変化により波長変動が一定となる場合を示しており、具体的に、破線部分は校正前のデータであり、実線部分は校正後のデータを示している。図6によれば、V−λデータの1点を補正すればよいため、校正部43は、前記所定の環境温度下において、駆動電圧V1における波長を405nmと校正する。
本実施形態によれば、可視光の波長域にピーク波長を有さないタングステンランプ211、及び可視光の波長域にピーク波長を有する紫色LED212と、各光源211,212から射出された光を混合する光混合器22とを備える。そして、光混合器22が各光源211,212から射出される光を混合し、受光部31がエタロン5を透過した検査対象光を受光して、測定制御部42が検査対象光の分光特性を測定する。ここで、上述したように、可視光の波長域にピーク波長を有さないタングステンランプ211のみを用いた場合、可視光の波長域において、短波長域で光量が著しく低下する。しかし、本実施形態によれば、可視光の波長域において、特に短波長域にピーク波長を有する紫色LED212を備えるので、各光源211,212から射出される光を混合することで、タングステンランプ211の光量が著しく低下する短波長域の光量を効果的に補うことができる。従って、光量が低下する短波長域における分光特性の測定精度を高めることができ、ひいては、精度の高い分光特性の測定をすることができる。
図7は、第2実施形態の分光測定装置1Aの概略構成を示す図である。
前記第1実施形態では、光源部21は、2つの光源であるタングステンランプ211、及び紫色LED212を備えていたが、本実施形態では、光源部21Aは、さらに2つの光源である青色LED214、及び緑色LED215を備え、4つの光源211,212,214,215を備える点で相違する。
青色LED214は、図8に示す実線L1のスペクトル分布を有している。このため、青色LED214は、波長約420nm〜約525nmの範囲でスペクトル分布を有し、波長470nmに光量が最大となるピーク波長を有している。
緑色LED215は、図8に示す実線L2のスペクトル分布を有している。このため、緑色LED215は、波長約480nm〜約610nmの範囲でスペクトル分布を有し、波長530nmに光量が最大となるピーク波長を有している。
また、紫色LED212、青色LED214、及び緑色LED215のピーク波長の強度は、波長が高くなるにつれて小さくなるように設定される。
以上により、タングステンランプ211、紫色LED212、青色LED214、及び緑色LED215から射出された光が光混合器22で混合されることで、図8の二点鎖線に示すスペクトル分布となる。すなわち、紫色LED212は、タングステンランプ211の光量が小さい波長400nm近傍の光量を補いつつ、青色LED214及び緑色LED215は、短波長から長波長に向かうに従って、タングステンランプ211の光量を補う。すなわち、前記第1実施形態に比べて、可視光域における光量がより増加している。
上述したように、V−λデータの変動パターンがシミュレーションにより予め分かっているため、環境温度の変化に加えて、重力の変動等により波長変動が生じる場合には、図9に示すように、V−λデータの少なくとも3点を補正する必要がある。そこで、校正部43は、紫色LED212に加えて、青色LED214及び緑色LED215を用いて、エタロン5の波長校正を実施する。
これにより、校正部43は、図9に示すように、破線部分の校正前のデータにおいて、駆動電圧V1における波長を405nmと校正する他、青色LED214における最大電流値となる駆動電圧V2における波長をλ2(青色LED214のピーク波長)と校正し、緑色LED215における最大電流値となる駆動電圧V3における波長をλ3(緑色LED215のピーク波長)と実線部分の校正後のデータに校正する。
本実施形態によれば、光源部21Aに4つの光源211,212,214,215を設けたので、エタロン5の波長変動による校正を行う際、可視光の波長域にピーク波長を有する3つの光源212,214,215を用いて、より精度の高い校正を実施できる。
また、波長が高くなるにつれて、紫色LED212、青色LED214、及び緑色LED215のピーク波長の強度が小さくなるように設定されるので、光混合器22により各波長において光量が著しく低下することを防止できる。従って、より精度の高い分光特性の測定をすることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、本発明に係る第2光源として、紫色LED212を用いたが、波長385nm以上450nm以下の範囲内にピーク波長を有する光源であればよく、例えば、ピーク波長が385nmの紫外線LEDを用いてもよい。この場合には、図10に示すようなスペクトル分布となるため、前記実施形態と同様に、タングステンランプ211の光量が小さい波長400nm近傍の光量を効果的に補うことができる。
前記実施形態において、各基板51,52は、接合層53により接合されるとしたが、これに限られない。例えば、接合層53が形成されず、各基板51,52の接合面を活性化し、活性化された接合面を重ね合わせて加圧することにより接合する、いわゆる常温活性化接合により接合させる構成などとしてもよく、いかなる接合方法を用いてもよい。
前記実施形態では、可動基板52の厚み寸法を例えば200μmとしたが、固定基板51と同じ500μmとしてもよい。この場合には、可動部521の厚み寸法も500μmとなって厚くなるため、可動ミラー55の撓みを抑制でき、各ミラー54,55をより平行に維持できる。
Claims (3)
- 可視光を分光する分光測定装置であって、
第1の光を射出する第1光源と、
第2の光を射出する第2光源と、
前記第1の光と前記第2の光とを混合し、第3の光を出射する光混合器と、
前記第3の光のうちの光である第4の光を通過させる波長可変干渉フィルターと、
前記第4の光を受光する受光部と、
を含み、
前記第1の光は、第1の波長における光量より、前記第1の波長より長い第2の波長における光量が大きく、
前記第2の光は、前記第1の波長より長く、前記第2の波長より短く、かつ可視光の波長域にある第3の波長と、前記第2の波長より短く、第3の波長より長い第4の波長と、で光量がピークとなり、前記第3の波長における光量より前記第4の波長における光量が小さく、
前記第1の光と前記第2の光とは、リフレクターで反射されて前記光混合器の一面に入射されることを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1に記載の分光測定装置において、
前記光混合器は、前記第1の光及び前記第2の光を多重反射させることを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の分光測定装置において、
前記光混合器は、石英又は樹脂を含むことを特徴とする分光測定装置。
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