JP2016050804A - 分光測定装置、及び分光測定方法 - Google Patents

分光測定装置、及び分光測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で高精度な分光測定が可能な分光測定装置、及び分光測定方法を提供する。
【解決手段】分光測定装置は、測定対象に照明光を照射する光源部11と、測定対象からの光から所定波長の光を選択して出射させる波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5から出射された光を受光する受光素子12と、光源部11を点灯させる点灯処理、及び光源部11を消灯させる消灯処理を交互に実施する光源制御部と、を備え、消灯処理を実施する消灯期間は、点灯処理を実施する点灯期間における照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、分光測定装置、及び分光測定方法に関する。
従来、光源からの光を測定対象に照射し、測定対象にて反射された光の分光測定を行う分光測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置は、光源の連続点灯による消費電力の増大等を抑えるために、光源を一定周期で繰り返し点灯及び消灯(若しくは弱く点灯)させている。また、光源の光量の安定化のために、光源から測定対象を経由した試料光束と、光源から測定対象を経由しないモニタ用光束との光量を、それぞれ検出器で検出し、これらの光量比に基づいて光源の光量変化を補正する。
特開昭63―158431号公報
しかしながら、光源の点灯と消灯とを繰り返して行ったとしても、繰り返し回数が重なると光源の温度が徐々に上昇し、照明光の光量の経時的な変動特性が変化する。この場合、各点灯期間で、照明光の光量が変動するため、精度の高い分光測定が実施できないとの課題がある。
また、特許文献1では、このような場合に、試料光束とモニタ用光束との光量比に基づいて、照明光の光量を補正しているが、モニタ用光束を別途検出するための構成が必要となり、装置の複雑化を招くとの課題もある。
本発明は、簡単な構成で高精度な分光測定が可能な分光測定装置、及び分光測定方法を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る分光測定装置は、測定対象に照明光を照射する光源部と、前記測定対象からの光から、所定波長の光を選択して出射させる分光素子と、前記分光素子から出射された光を受光する受光素子と、前記光源部を点灯させる点灯処理、及び前記光源部を消灯させる消灯処理を交互に実施する光源制御部と、を備え、前記消灯処理を実施する消灯期間は、前記点灯処理を実施する点灯期間における前記照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されていることを特徴とする。
本適用例では、光源部から測定対象に照明光が照射され、測定対象からの光を分光素子で分光した後、受光素子で受光させることで分光測定を実施する。ここで、本適用例では、光源部を点灯させる各点灯期間での照明光の経時変動特性が一定となるように消灯期間が設定され、光源制御部は、この点灯期間及び消灯期間により点灯処理と消灯処理とを交互に実施する。
これにより、各点灯期間での照明光の光量が同一となる。なお、本発明における「同一」とは測定精度に影響を与えない範囲の誤差を含む略同一を含むものである。
本適用例では、各点灯期間の照明光の光量が安定化するので、分光測定処理における測定誤差が抑制されて高精度な測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記点灯期間及び前記消灯期間の長さを設定する期間設定部を備えることが好ましい。
本適用例では、期間設定部により点灯期間及び消灯期間の長さをそれぞれ設定する。従って、例えば光源部の経年劣化等により、照明光の経時変動特性が変化した場合でも当該経時変動特性に応じた点灯期間、消灯期間の設定が可能となり、分光測定精度の低下を抑制できる。
本適用例の分光測定装置において、前記期間設定部は、前記点灯期間における所定タイミングにおいて前記受光素子で検出された光の光量が同一となるように、前記点灯期間及び前記消灯期間を設定することが好ましい。
本適用例では、期間設定部は、各点灯期間における点灯開始から所定時間が経過したタイミングでの受光量を検出し、その光量が同一(略同一を含む)となるように消灯期間を設定する。このように、所定タイミングでの光量が同一となれば、そのタイミングでの光源部の温度特性も同程度であると予測でき、照明光の光量の経時変動特性が各点灯期間で同一となる。
このような構成では、受光素子から所定タイミングで出力される信号を検出すれば、その検出値に基づいて消灯期間を設定できるため、例えば光源部の温度を検出する構成等が不要となり、構成の簡略化を図れる。
本適用例の分光測定装置において、前記光源部の温度を検出する温度検出部を備え、前記期間設定部は、前記点灯期間における所定タイミングにおいて前記温度検出部で検出された前記温度が同一となるように、前記点灯期間及び前記消灯期間を設定することが好ましい。
本適用例では、光源部の温度を温度検出手段により検出して、その温度に基づいて消灯期間が設定されている。すなわち、光源制御部は、各点灯期間における点灯開始タイミング、又は点灯開始から所定時間が経過したタイミングでの温度を検出して、その温度が同一(略同一を含む)となるように、消灯期間を設定する。これにより、照明光の光量の経時変動特性が各点灯期間で同一となる。
このような構成では、光源部の温度を直接検出するため、適正な温度で光源部を点灯駆動させることができる。従って、照明光の光量の経時変動特性を各点灯期間でより精度よく一致させることができ、より高精度な分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記期間設定部は、前記照明光の光量変動量が所定の許容範囲となる期間を、分光測定を実施する測定期間として設定することが好ましい。
本適用例では、期間設定部は、各点灯期間における変動特性において光量の変動量が許容範囲となる測定期間を設定する。これにより、設定された測定期間内で分光測定処理を実施することで、光源部の光量変動による測定誤差を低減でき、高精度な分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記点灯期間内で前記測定対象における測定領域の位置を変更して、当該測定領域を走査する走査部と、前記消灯期間内で前記測定対象を変更する測定対象変更部と、を備えていることが好ましい。
本適用例では、点灯期間において、走査部により、測定対象における測定領域を走査させて、測定対象に対する分光測定処理を実施し、消灯期間の間に、測定対象を変更する。このように、消灯期間において、測定対象を変更し、点灯期間において、測定対象の測定領域を走査させることで、複数の測定対象に対して効率よく分光測定を実施することができる。
本発明の一適用例に係る分光測定方法は、測定対象に照明光を照射する光源部と、前記測定対象からの光から所定波長の光を分光する分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する受光素子と、を備えた分光測定装置における分光測定方法であって、前記光源部を点灯させる点灯処理、及び前記光源部を消灯させる消灯処理を交互に実施し、かつ、前記消灯処理を実施する消灯期間は、前記点灯処理を実施する点灯期間における前記照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されていることを特徴とする。
本適用例では、光源部を点灯させる点灯期間での照明光の光量の経時変動特性が一定となるように消灯期間が設定され、この点灯期間及び消灯期間により点灯処理と消灯処理とを交互に繰り返して実施する。
これにより、各点灯期間での照明光の光量が同一(略同一を含む)となり、測定誤差が抑制され、高精度な分光測定を実施できる。
本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の光学ヘッドの概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図3のA−A線で切断した波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 本実施形態における光源部の光源駆動期間及び当該駆動期間中における光源部からの照明光の光量を示す図。 光源部を短期間で複数回フラッシュ点灯させた際の光源部からの照明光の光量を示す図。 本実施形態の分光測定処理における期間設定処理を示すフローチャート。 本実施形態における分光測定対象となるカラーチャートの一例を示す図。 本実施形態の分光測定処理における本測定処理を示すフローチャート。 第二実施形態の光学ヘッドの概略構成を示すブロック図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の分光測定装置1は、図1に示すように、光学ヘッド10と、ヘッド送り機構20と、紙送り機構30と、制御部40とを備えている。
本実施形態の分光測定装置1は、印刷装置に搭載され、紙面60の分光スペクトルを測定する。このように分光測定装置1を印刷装置に適用することで、紙送り機構30により搬送された紙面60に印刷されたカラーチャート61(測定対象)の分光スペクトルを分光測定装置1により測定して、印刷装置の色補正等を行うことができる。また、印刷装置により印刷された印刷物の色度を測定したり、紙面60の分光スペクトルに基づいて紙面60の種類等を判定したりすることもできる。以下、本発明における分光測定装置の一適用例として、印刷装置に搭載された分光測定装置1について説明する。
[紙送り機構の構成]
紙送り機構30は、本発明の測定対象変更部を構成し、紙面60を所定の一方向(Y方向)に送り出す。紙送り機構30の構成としては、周知の各種構成を用いることができる。例えば、複数のローラーを回転駆動させることで、紙面60をY軸方向に送り出す機構等が例示できる。
[光学ヘッド及びヘッド送り機構の構成]
光学ヘッド10は、紙面60に対して光を照射し、紙面60で反射された光から所定波長の光を分光してその波長の光の光量を検出する装置である。光学ヘッド10は、図1に示すように、本発明の走査部であるヘッド送り機構20により、一軸方向(X方向)に沿って移動可能に設けられている。ヘッド送り機構20としては、特に限定されず、例えば、光学ヘッド10をX方向に沿って移動可能に保持するガイドレールと、モーター等の駆動源と、駆動源の駆動力により光学ヘッドをX方向に移動させるギア機構とを備える構成等が例示できる。
また、印刷装置に分光測定装置1を適用する場合では、紙面60に印字を行う印字ヘッド内に光学ヘッド10が組み込まれる構成などとしてもよく、このような構成にすることで、装置の簡略化を図ることができる。
図2は、本実施形態の光学ヘッド10の概略構成を示すブロック図である。
光学ヘッド10は、図2に示すように、光源部11と、波長可変干渉フィルター5と、受光素子12と、駆動制御回路13と、信号検出回路14と、を備えている。
[光源部の構成]
光源部11は、紙面60に対して照明光を出射する。光源部11は、出射される照明光の光量が経時変化する経時変動特性を有する。
光源部11としては、例えばキセノンランプやハロゲンランプ、LED等が例示できる。また、図示は省略するが、光源部11からの照明光を集光するレンズや、光源部11からの光をレンズに向かって反射させるリフレクター等を備えていてもよい。
[波長可変干渉フィルターの構成]
図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図4は、図3のA−A線で切断した波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図3及び図4に示すように、固定基板51及び可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶等により形成されており、本実施形態では、石英ガラスにより構成されるものとする。そして、これらの基板51,52は、図4に示すように、接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。具体的には、固定基板51の第一接合部513、及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された接合膜53により接合されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、図4に示すように、本発明の一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜54が設けられている。また、可動基板52には、本発明の一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。
そして、波長可変干渉フィルター5には、反射膜54,55間のギャップG1の距離(ギャップ寸法)を調整するのに用いられる、本発明のギャップ変更部である静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562と、を備え、各電極561,562が対向することにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップを介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップよりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップよりも大きく形成してもよい。
また、フィルター平面視において、可動基板52の一辺側(例えば、図3における辺C3−C4)は、固定基板51の辺C3´−C4´よりも外側に突出する。この可動基板52の突出部分は、固定基板51と接合されない電装部526であり、波長可変干渉フィルター5を固定基板51側から見た際に露出する面は、後述する電極パッド564P,565Pが設けられる電装面524となる。
同様に、フィルター平面視において、固定基板51の一辺側(電装部526とは反対側)は、可動基板52よりも外側に突出する。
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。この固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁に接続された固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3´−C4´側(電装部526側)に向かって形成された接続電極溝(図示略)に沿って設けられている。この接続電極溝には、可動基板52側に向かって突設されたバンプ部565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ部565A上まで延出する。そして、バンプ部565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接し、電気的に接続される。この固定接続電極565は、接続電極溝に対向する領域から電装面524まで延出し、電装面524において固定電極パッド565Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。その他、固定反射膜54上に透明電極を設ける構成や、導電性の固定反射膜54を用い、当該固定反射膜54から固定側電装部に接続電極を形成してもよく、この場合、固定電極561として、接続電極の位置に応じて、一部が切り欠かれた構成などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。更に、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び接続電極溝が形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(可動基板の構成)
可動基板52は、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成される。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、所定の電極間ギャップを介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁に接続された可動接続電極564が設けられている。この可動接続電極564は、可動部521から、固定基板51に設けられた接続電極溝(図示略)に対向する位置に沿って、電装面524に亘って設けられており、電装面524において、内側端子部に電気的に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
また、可動基板52には、上述したように、固定接続電極565が設けられており、この固定接続電極565は、バンプ部565A(図3参照)を介して固定引出電極563に接続されている。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップが反射膜間ギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、電極間ギャップの寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。従って、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
可動基板52において、第一接合部513に対向する領域は、第二接合部523となる。この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合される。
[受光素子、駆動制御回路及び信号検出回路の構成]
図2に戻り、光学ヘッド10における受光素子12、駆動制御回路13、信号検出回路14について説明する。
受光素子12は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光し、受光量に基づいた検出信号を信号検出回路14に出力する。
信号検出回路14は、入力された検出信号(アナログ信号)を増幅したのち、デジタル信号に変換して制御部40に出力する。信号検出回路14は、例えば、検出信号が電流値である場合、検出した電流値を電圧値に変換するI−V変換器や、検出信号を増幅するアンプや、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等により構成される。
駆動制御回路13は、制御部40の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の固定電極561及び可動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。
[制御部の構成]
制御部40は、例えばCPU等の演算回路やメモリー等の記憶回路が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部40は、図1に示すように、記憶部41と、処理部42とを備えている。記憶部41には、分光測定装置1を制御するための各種データや各種プログラムが記録されている。
記憶部41に記憶される各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧に対して、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を記録したV−λデータ等が挙げられる。
また、記憶部41には、光源部11を点灯駆動させる際の点灯期間及び消灯期間が記録されている。
処理部42は、記憶部41に記憶された各種プログラムを読み込み、実行することで、図1に示すように、紙送り制御部43、ヘッド送り制御部44、光源制御部45、フィルター制御部46、光量測定部47、期間設定部48、及び分光測定部49として機能する。
なお、本実施形態では、処理部42が、記憶部41に記録されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで実行することで、ソフトウェアとハードウェアの協働により、上記各機能を実現する例を示すが、これに限定されない。例えば、各機能を有するハードウェアとしての回路が設けられる構成などとしてもよい。
紙送り制御部43は、光学ヘッド10による分光測定処理が実施されていない期間において、紙送り機構30を制御し、測定対象である紙面60をY方向に所定量送り出す。すなわち、紙送り制御部43は、紙送り機構30とともに本発明の測定対象変更部を構成する。
ヘッド送り制御部44は、ヘッド送り機構20を制御し、光学ヘッド10を走査方向(X方向)に沿って移動させる。すなわち、ヘッド送り制御部44は、ヘッド送り機構20とともに本発明の走査部を構成する。
光源制御部45は、光源部11を駆動させて点灯させる点灯処理、及び光源部11を消灯させる消灯処理を実施する。
フィルター制御部46は、記憶部41に記憶されたV−λデータに基づいて、駆動制御回路13から波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加させる。
光量測定部47は、受光素子12から信号検出回路14を介して入力された検出信号に基づいて、受光素子12で受光された光の光量を検出する。
期間設定部48は、光源制御部45による点灯処理を実施する期間(点灯期間)の長さ、消灯処理を実施する期間(消灯期間)の長さ、及び点灯期間において分光測定処理を実施する測定期間を設定する。
分光測定部49は、信号検出回路14を介して受光素子12を制御し、受光素子12から出力された検出信号に基づいて、測定対象の分光スペクトルを測定する。
[分光測定装置による分光測定処理]
次に、上述したような分光測定装置1による分光測定処理について、図面に基づいて以下に説明する。
(期間設定処理)
本実施形態では、まず、光源部11の点灯期間、消灯期間、及び点灯期間における測定期間を設定する期間設定処理を実施する。
図5は、本実施形態における光源部の光源駆動期間及び当該駆動期間中における光源部からの照明光の光量を示す図である。図6は、光源部を短期間で複数回フラッシュ点灯させた際の光源部からの照明光の光量を示す図である。
光源部11からの照明光は、図5及び図6に示すように、点灯開始タイミングからの経過時間によって、その光量が大きく変動する。図5や図6は、タングステンランプを用いた例であり、光源部11の点灯開始タイミングから照明光の光量が増大した後、時間経過とともに照明光の光量が減少して、所定光量で安定化する。分光測定処理において高精度な測定結果を得るためには、光源部11からの光量が一定であることが好ましい。従って、点灯期間のうち、照明光の光量が所定の基準光量Lrに対して、例えば予め設定された許容範囲となる測定期間で分光処理を実施することが好ましい。この基準光量Lrは、例えば、予め設定された設定許容光量範囲の中間の光量とすることができる。
なお、分光測定装置1では、測色処理の前に、波長可変干渉フィルターの波長を適正に設定するために、校正データを用いた波長校正を実施する。この校正データは、標準白色板に対して光源部11からの光を照射し、その反射光の分光特性を測定することで得られる。また、当該校正データは、光源部11からの光量が基準光量Lrとなるタイミングで取得される。
測定期間において光量を一定にするためには、光源部11の点灯処理及び消灯処理を繰り返し実施し、点灯開始タイミングから所定時間経過した測定期間で分光測定処理を実施することが好ましい。しかしながら、図6に示すように消灯期間の時間が短いと、光源部11の光量が徐々に変化(図6の例では低下)してしまう。例えば光源部11としてタングステンランプを用いる場合、光源部11の点灯による温度上昇により、フィラメントの抵抗値が上昇し、これに伴って、光源部11への駆動電圧を一定に制御しても照明光の光量低下が発生する。
本発明では、このような抵抗値の変化に伴う光量変化を抑制するために、図5に示すように、各点灯期間の測定期間における照明光の光量が一定(又は略一定)となるように、光源部11の点灯期間、消灯期間、及び測定期間を設定し(期間設定処理)、この後、設定された各期間で分光測定を実施する(本測定処理)。
図7は、本実施形態の分光測定処理における期間設定処理を示すフローチャートである。
期間設定処理では、例えば白色紙面等、各波長に対する反射率が所定値以上(例えば90%以上)の基準物を用いる。
なお、本実施形態では、期間設定処理において、波長可変干渉フィルター5を非駆動(反射膜54,55間のギャップ寸法が初期ギャップ寸法)としているが、所定の基準電圧を印加した状態としてもよい。この場合、白色紙面の代わりに、静電アクチュエーター56に基準電圧を印加した際に波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長に対して高反射率(例えば90%以上の反射率)となる基準物を用いることもできる。また、波長可変干渉フィルター5が非駆動である場合でも、白色紙面の代わりに、初期ギャップ寸法に対応する波長の光に対して高反射率となる基準物を用いることができる。さらに、波長可変干渉フィルター5を受光素子12に入射する光の光路に対して進退可能な構成とし、期間設定処理において、波長可変干渉フィルター5を光路から退避させてもよい。さらには、期間設定処理において、受光素子12とは別途設けられた受光部により、照明光の光量を取得してもよい。
そして、期間設定処理では、まず、光源制御部45は、点灯処理を実施して、光源部11を点灯駆動させる(ステップS1)。これにより、光源部11から出射された照明光が白色紙面にて反射され、波長可変干渉フィルター5を介して受光素子12にて受光される。
また、光量測定部47は、受光素子12で受光された光の光量を取得し、光源部11からの照明光の経時変動特性を取得する(ステップS2)。
この後、光源制御部45は、消灯処理を実施して、光源部11を消灯させる(ステップS3)。
次に、期間設定部48は、1回の点灯期間において分光測定処理を実施する測定時間を取得する(ステップS4)。
この測定時間の取得は、ユーザーによる入力操作によって設定されてもよく、例えば分光測定における測定対象に基づいて、測定時間を取得してもよい。
測定領域に基づいて測定時間を取得する場合では、光学ヘッド10の走査速度、測定を実施する回数、及び1波長の光の光量測定を実施するために必要な時間等に基づいて算出できる。
図8は、本実施形態における分光測定対象となるカラーチャートの一例を示す図である。
例えば、本実施形態では、図1や図8に示すように、本測定処理において、紙面60上でX方向に沿って隣接配置された複数のカラー表示部611を有するカラーチャート61に対して分光測定を実施する。そして、本実施形態の本測定処理では、光源部11を1回点灯駆動させる間に、光学ヘッド10を−X側端部のカラー表示部611から+X側端部のカラー表示部611まで走査させ、各カラー表示部611の分光測定を実施する。具体的には、各カラー表示部611に対して、所定の測定波長域における所定間隔の波長(例えば、400nm〜700nmにおける20nm間隔の波長)の光量を取得する。このような場合、期間設定部48は、カラー表示部611間での光学ヘッド10の移動時間T、1波長の光を検出するために要する最大測定時間T、カラー表示部611の数Mによって、測定時間T(=T+T×M)を算出する。
次に、期間設定部48は、ステップS2により取得された照明光の経時変動特性と、ステップS4において取得された測定時間とに基づいて、点灯期間、及び、点灯期間における測定期間を設定する(ステップS5)。
具体的には、期間設定部48は、ステップS2で取得された照明光の経時変動特性に対して、測定期間中の光量変動量が予め設定された許容範囲となるように、ステップS4で取得された測定時間分の測定期間を設定する。この際、点灯開始タイミングから測定期間の開始タイミングまでの時間が最短となるように測定期間を設定する。
また、期間設定部48は、設定された測定期間が含まれるように、点灯期間の長さを設定する。具体的には、測定期間の終了タイミングと、点灯期間の終了タイミングとを同タイミングとなるように、点灯期間を設定する。
さらに、期間設定部48は、消灯期間の長さを仮設定する(ステップS6)。ここで、設定される消灯期間の長さとしては、例えば予め設定された最小時間とすることが好ましい。
この後、光源制御部45は、設定された点灯期間、及び仮設定された消灯期間で、光源部11を所定回数(n回)繰り返し点灯駆動させる(ステップS7)。
そして、光量測定部47は、各点灯期間における所定の光量検出タイミングにおいて、受光素子12により受光された光の光量を検出する(ステップS8)。この光量検出タイミングとしては、例えば、点灯開始タイミングから点灯終了タイミングまでの間で、点灯開始タイミングから所定時間経過したタイミングであればよく、好ましくは、測定期間の開始タイミングであることが好ましい。
次に、期間設定部48は、ステップS8において検出された各点灯期間における光量検出タイミングにおける光量が同一(若しくは許容誤差範囲内)であるか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9において、「No」と判定された場合は、各点灯期間における照明光の経時変動特性が異なるため、消灯期間の長さを所定量増加させる(ステップS10)。
一方、ステップS9において、「Yes」と判定された場合は、各点灯期間における照明光の経時変動特性が同一(又は略同一)であるとして、仮設定されている消灯期間の長さを分光測定時に用いる正規の消灯期間の時間として決定する(ステップS11)。
また、期間設定部48は、以上の期間設定処理により設定された点灯期間の長さ、消灯期間の長さ、及び点灯期間における測定期間の開始タイミングを記憶部41に記憶する。
(本測定処理)
次に、本測定処理について図面に基づいて説明する。
図9は、本実施形態の分光測定処理における本測定処理を示すフローチャートである。
本測定処理では、制御部40の紙送り制御部43は、例えばユーザーの操作入力により測定開始指示を受けると、紙送り処理を実施する。すなわち、紙面60上の測定対象となるカラーチャート61が、光学ヘッド10により測定可能な位置(光源部11からの照明光の光路上)となるように、紙送り機構30を制御して紙面60をY方向に送り出す。
この後、ヘッド送り制御部44は、測定対象のカラー表示部611を示す変数m(1≦m≦M)を初期化し、m=1を設定する(ステップS21)。なお、本実施形態において、カラーチャート61に含まれるカラー表示部611はM個であり、変数mは、−X側端部に位置するカラー表示部611が「1」であり、+X側に沿って増加し、+X側端部に位置するカラー表示部611が「M」であるとする。
また、ヘッド送り制御部44は、ヘッド送り機構20を制御して、変数mのカラー表示部611に対応した位置x(m)に、光学ヘッド10を移動させる。
次に、光源制御部45は、光源部11の点灯処理を実施する(ステップS22)。これにより、光源部11が点灯駆動され、照明光がカラーチャート61に照射される。また、光源制御部45は、タイマーをリセットし、点灯開始タイミングからの時間を計測する。
そして、制御部40は、タイマーにより計時される時間に基づいて、測定期間の開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、「No」と判定された場合は、測定期間の開始タイミングとなるまで待機する。一方、ステップS23において、「Yes」と判定されると、変数mに対応した位置x(m)のカラー表示部611に対して、分光測定を実施する(ステップS24)。
このステップS24では、フィルター制御部46は、記憶部41に記憶されたV−λデータを参照し、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を順次変化させる。これにより、波長可変干渉フィルター5を透過する透過光の波長が順次変更される。そして、光量測定部47は、各波長の光の光量をそれぞれ検出し、記憶部41に記憶する。
この後、ヘッド送り制御部44は、変数mに1を加算し(ステップS25)、カラーチャート61における全てのカラー表示部611に対する分光測定処理が終了したか否かを判定する。すなわち、m>Mとなったか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26で「No」と判定された場合は、ステップS24に戻る。すなわち、ヘッド送り制御部44は、ヘッド送り機構20を制御して光学ヘッド10をX方向に所定量移動させ、次のカラー表示部611に対する分光測定を開始する。
一方、ステップS26において「Yes」と判定された場合、光源制御部45は、タイマーにて計時されている時間を参照し、期間設定処理において設定された点灯期間の時間が終了したか否かを判定する(ステップS27)。
ステップS27において、「No」と判定された場合は、ステップS27の処理を継続し、点灯期間が終了するまで待機する。一方、「Yes」と判定された場合は、光源制御部45は、消灯処理を実施する(ステップS28)。すなわち、光源制御部45は、光源部11を消灯させるとともに、タイマーの値を0にリセットする。
この後、制御部40は、測定を継続するか否かを判定する(ステップS29)。
例えば、ユーザーから測定中止の操作指令を受けた場合や、全てのカラーチャート61に対する測定が終了している場合は測定終了と判定する(ステップS29;No)。この場合は、例えば、分光測定部49は、記憶部41に記憶された各カラーチャート61の各カラー表示部611に対する測定結果に基づいて、各カラー表示部611の分光スペクトルを算出して(ステップS30)、分光測定処理を終了する。
一方、ユーザーからの操作指令がない場合や、全てのカラーチャート61の測定が終わっていない場合は、測定継続と判定する(ステップS29;Yes)。この場合、紙送り制御部43は、紙面60上の次のカラーチャート61が、光学ヘッド10により測定可能な位置となるように、紙送り機構30を制御する(ステップS31)。
この後、光源制御部45は、タイマーの値を参照し、期間設定処理にて設定された消灯期間が終了したか否か(消灯期間の終了タイミングになったか否か)を判定する(ステップS32)。ステップS32において、「No」と判定された場合は、消灯期間が終了するまでステップS32の処理を継続する(待機する)。一方、「Yes」と判定された場合は、ステップS21の処理に戻る。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の分光測定装置1では、光源制御部45は、点灯処理及び消灯処理を交互に繰り返し実施し、点灯処理が実施されている点灯期間において、分光測定を実施する。ここで、本実施形態では、消灯処理を実施する消灯期間は、各点灯期間での照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されている。このため、分光測定を実施する各点灯期間での光源部11からの照明光の光量が同一(又は略同一)となるため、測定時の光量変動が抑制され、高精度な分光測定を実施することができる。また、光量変動を補正するための補正データの生成や、複雑な構成が不要であり、構成の簡略化を図ることができる。
すなわち、本実施形態の分光測定装置1では、簡素な構成で、かつ、高精度な分光測定を実施することができる。
本実施形態では、期間設定部48により点灯期間及び消灯期間の長さをそれぞれ設定している。従って、例えば光源部の経年劣化や、分光測定装置1の使用環境の変動等により、照明光の経時変動特性が変化した場合でも、当該変化した変動特性に応じた点灯期間、消灯期間、及び測定期間を設定することできる。
本実施形態では、期間設定部48は、各点灯期間における所定の光量検出タイミングで受光素子12での受光量を検出し、これらの受光量が同一(略同一を含む)となるように消灯期間を設定する。光量検出タイミングでの光量が同一である場合、当該光量検出タイミングでの光源部11の温度も同一であると予測でき、各点灯期間での照明光の光量の経時変動特性も同一であるとみなすことができる。このような構成では、例えば、光源部11の温度を検出するための温度センサ等が不要であり、また、各点灯期間におけるそれぞれの光量変動特性を測定する場合に比べて処理が容易となる。すなわち、簡素な構成で容易に点灯期間、及び消灯期間を設定することができる。
また、光量検出タイミングとしては、測定開始タイミングを用いることが好ましい。
この場合、本測定処理の各点灯期間において、実際に分光測定処理を実施するタイミングでの光量が同一となるように、点灯期間及び消灯期間を設定することで、各点灯期間における測定期間での光量の経時変動特性を高精度に一致させることができる。従って、より精度の高い分光測定を実施できる。
本実施形態では、期間設定部48は、点灯期間内において、光量の変動量が許容範囲となる測定期間を設定する。このため、本測定処理において、分光測定を実施する際の照明光の光量の変動量が無視できる程度となり、照明光の光量変動による測定誤差を低減でき、高精度な分光測定を実施できる。
本実施形態では、期間設定部48は、点灯開始タイミングから測定開始タイミングまでの時間が最短となるように、点灯期間における測定時間分の測定期間を設定する。このため、本測定処理において、点灯開始タイミングから測定開始タイミングまでの待機時間を短縮でき、迅速な分光測定処理を実施できる。
また、期間設定部48は、点灯期間の終了タイミングと測定期間の終了タイミングとを同タイミングとした点灯期間を設定する。これにより、不要な光源部11の点灯駆動を省略することができ、省電力化、及び、迅速な分光測定処理を実現できる。
本実施形態では、点灯期間において、ヘッド送り制御部44がヘッド送り機構20を制御して、光学ヘッド10をX方向に移動させて測定領域であるカラー表示部611を変更し、消灯期間において、紙送り制御部43が紙送り機構30を制御して、紙面60をY方向に送り、測定対象となるカラーチャート61を変更する。
このような構成では、1回の点灯期間において多数のカラー表示部611に対する分光測定を実施することができる。また、消灯期間内で紙送り処理を実施することで、分光測定を実施しない消灯期間を有効に活用できる。これにより、本測定処理において効率的な分光測定を実施でき、複数のカラーチャート61に対する分光測定を迅速に実施できる。
[第二実施形態]
次に本発明に係る第二実施形態について説明する。
上述した第一実施形態では、期間設定部48は、光量検出タイミングにおいて検出された受光量が同一となるように、消灯期間の長さを設定する例を示した。これに対して、第二実施形態では、所定タイミングでの光源部11の温度に基づいて、消灯期間の長さを設定する点で上記第一実施形態と相違する。
図10は、第二実施形態における光学ヘッド10Aの概略構成を示すブロック図である。なお、以降の説明にあたり、上記第一実施形態と同一の構成については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図10に示すように、第二実施形態の光学ヘッド10Aは、光源部11の温度を検出する温度センサ111を備える。温度センサ111としては、光源部11に用いる光源の温度特性に応じて適宜設定することができる。例えば、タングステンランプ等、温度上昇が高い光源に対しては放射温度計を用いることができ、LED等の温度上昇が低い光源に対してはサーミスタ等を用いることができる。
そして、本実施形態では、図7におけるステップS8の処理の代わりに、期間設定部48は、所定の温度検出タイミングにおいて温度センサ111で検出された温度を取得する。そして、ステップS9では、期間設定部48は、各点灯期間の温度検出タイミングにおいて検出された温度が同一(又は略同一)であるか否かを判定する。
ここで、温度検出タイミングとしては、点灯期間の開始タイミングであることが好ましい。各点灯期間における光源部11の点灯開始タイミングで温度が同一である場合、当該点灯期間における光源部11の温度の経時変化特性は同一となり、照明光の光量の経時変動特性も同一となる。
また、温度検出タイミングとして、第一実施形態における光量検出タイミングと同様、測定期間の開始タイミングとしてもよい。この場合、測定期間の開始タイミングにおける光源部11の温度が同一となるように消灯期間が設定されることで、各点灯期間における測定期間での光量の経時変動特性が同一となる。
本実施形態では、期間設定部48は、温度センサ111により検出された光源部11の温度に基づいて、消灯期間の長さを設定する。このような構成では、光源部11の温度を温度センサ111により直接検出できるため、光源部11を適正な温度で点灯駆動させることができる。従って、照明光の光量の経時変動特性を各点灯期間でより精度よく一致させることができ、より高精度な分光測定を実施できる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態において、ステップS8において、光量測定部47により光量検出タイミングでの光量のみを取得する例を示すがこれに限定されない。例えば、各点灯期間における光量の経時変動特性を取得して、各光量変動特性の類似度が同一となるように、消灯期間の長さを設定してもよい。また、各点灯期間において検出される光量の積分値(各点灯期間における総光量値)を取得し、総光量値が同一となるように、消灯期間の長さを設定してもよい。
第二実施形態においても同様であり、各点灯期間における光源部11の温度変動特性を取得して、各温度変動特性の類似度に基づいて消灯期間を設定してもよい。
また、上記各実施形態において、光量検出タイミングにおける照明光の光量、温度検出タイミングにおける光源部11の温度に基づいて消灯期間の長さを設定したが、これに限定されない。例えば、光源部11の駆動時の駆動電圧や駆動電流の変動特性に基づいて、消灯期間の長さを設定してもよい。
上記実施形態では、期間設定部48により、点灯期間、及び消灯期間を設定する例を示したが、例えば、分光測定装置1の製造時において、光源部11の光量変動特性を検査して、予め点灯期間、消灯期間、及び測定期間が設定されて記憶部41に記憶される構成としてもよい。
上記実施形態では、光源部11の1回の点灯期間において、光学ヘッド10をカラーチャート61の−X側端部のカラー表示部611から+X側端部のカラー表示部611まで移動させる例を示したが、これに限定されない。1つのカラーチャート61に対して、複数回の点灯期間で各カラー表示部611の分光測定を実施してもよい。
上記実施形態において、消灯期間において、紙送り処理を実施する例を示したが、例えば、点灯期間において、測定対象となるカラー表示部611がなくなった場合では、当該点灯期間内で紙送り処理を実施してもよい。
測定期間において、複数のカラー表示部611に対する分光測定を実施する例を示したが、例えば、1回の測定期間で、1つのカラー表示部611に対する分光測定を実施してもよく、1波長に対する分光測定のみを実施してもよい。
上記実施形態において、分光測定装置1を印刷装置に適用する例を示したが、これに限定されない。例えば、液晶ディスプレイ等の表示ディスプレイを測定対象としてもよい。この場合でも上記各実施形態と同様の分光測定処理を実施できる。すなわち、ディスプレイ上に複数のカラー表示部がX方向に並ぶカラーチャートをY方向に複数並列表示させる。そして、点灯期間における測定期間において、走査部により、光学ヘッドを走査方向(X方向)に移動させ、消灯期間において、光学ヘッドをY方向に移動させる。このような構成でも、上記印刷装置の分光測定装置1と同様、効率よく表示ディスプレイに対する分光測定を実施できる。
また、本発明の分光測定装置を、測定対象の成分分析等を実施する分析装置等に適用してもよい。
さらに、上記実施形態では、分光測定装置1として、測定結果に基づいて分光スペクトルを取得する構成を例示したが、例えば、分光画像を取得する分光カメラ等にも本発明を適用することができる。すなわち、各波長の各画素について検出信号を選択し、選択された各画素の検出信号に基づいて各波長の分光画像を取得するように構成してもよい。また、分光カメラにおいて取得した分光画像に基づいて測色処理を行ってもよい。このような構成でも、各画素について適性露光の範囲の露光量に対応する検出信号が選択されるので、高精度の分光画像を取得でき、かつ高精度の測色を実施できる。
上記実施形態において、波長可変干渉フィルター5がパッケージ内に収納された状態で光学ヘッド10に組み込まれる構成などとしてもよい。この場合、パッケージ内を真空密閉することで、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に電圧を印加した際の駆動応答性を向上させることができる。
上記実施形態において、波長可変干渉フィルター5は、電圧印加により反射膜54,55間のギャップ寸法を変動させる静電アクチュエーター56を備える構成としたが、これに限定されない。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイル又は永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
更に、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
また、分光素子として、例えばAOTF(Acousto Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid Crystal Tunable Filter)が用いられてもよい。ただし、装置の小型化の観点
から上記各実施形態のようにファブリーペローフィルターを用いることが好ましい。
1…分光測定装置、5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10,10A…光学ヘッド、11…光源部、12…受光素子、20…ヘッド送り機構(走査部)、30…紙送り機構(測定対象変更部)、40…制御部、41…記憶部、42…処理部、43…紙送り制御部(測定対象変更部)、44…ヘッド送り制御部(走査部)、45…光源制御部、46…フィルター制御部、47…光量測定部、48…期間設定部、49…分光測定部、54…固定反射膜、55…可動反射膜、56…静電アクチュエーター、60…紙面、61…カラーチャート(測定対象)、111…温度センサ(温度検出部)。

Claims (7)

  1. 測定対象に照明光を照射する光源部と、
    前記測定対象からの光から、所定波長の光を選択して出射させる分光素子と、
    前記分光素子から出射された光を受光する受光素子と、
    前記光源部を点灯させる点灯処理、及び前記光源部を消灯させる消灯処理を交互に実施する光源制御部と、を備え、
    前記消灯処理を実施する消灯期間は、前記点灯処理を実施する点灯期間における前記照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されている
    ことを特徴とする分光測定装置。
  2. 請求項1に記載の分光測定装置において、
    前記点灯期間及び前記消灯期間の長さを設定する期間設定部を備える
    ことを特徴とする分光測定装置。
  3. 請求項2に記載の分光測定装置において、
    前記期間設定部は、前記点灯期間における所定タイミングにおいて前記受光素子で検出された光の光量が同一となるように、前記点灯期間及び前記消灯期間を設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  4. 請求項2に記載の分光測定装置において、
    前記光源部の温度を検出する温度検出部を備え、
    前記期間設定部は、前記点灯期間における所定タイミングにおいて前記温度検出部で検出された前記温度が同一となるように、前記点灯期間及び前記消灯期間を設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の分光測定装置において、
    前記期間設定部は、前記照明光の光量変動量が所定の許容範囲となる期間を、分光測定を実施する測定期間として設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分光測定装置において、
    前記点灯期間内で前記測定対象における測定領域の位置を変更して、当該測定領域を走査する走査部と、
    前記消灯期間内で前記測定対象を変更する測定対象変更部と、
    を備えたことを特徴とする分光測定装置。
  7. 測定対象に照明光を照射する光源部と、前記測定対象からの光から所定波長の光を分光する分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する受光素子と、を備えた分光測定装置における分光測定方法であって、
    前記光源部を点灯させる点灯処理、及び前記光源部を消灯させる消灯処理を交互に実施し、かつ、前記消灯処理を実施する消灯期間は、前記点灯処理を実施する点灯期間における前記照明光の光量の経時変動特性が一定となるように設定されている
    ことを特徴とする分光測定方法。
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