JP2015087144A - 分光測定装置及び分光測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献1には、光学素子としてそれぞれ異なる帯域を持つ複数のバンドパスフィルターを透過した測定光を、撮像素子で受光し、対象物の反射分光スペクトル(分光スペクトル)を取得する撮像装置が記載されている。
これにより、複数の波長に対して飽和露光量を超えない、最大露光量に対応した検出信号を選択することができ、露光過多の抑制及びノイズの低減を図ることができる。
また、複数の波長に対して、飽和露光量を超えず、かつ、適性露光の範囲の露光量を得るために、測定対象毎に各波長に対する適正な露光時間を設定する予備露光を行う必要がない。このため、測定時間を短縮することができる。ここで述べる適性露光の範囲とは、露光量が露光過多、及び露光不足とならず、階調変化を適性に測定可能な露光量の範囲である。
また、予備露光を行う必要がないので、測定対象を変更しながら連続的に測定を行う場合においてさらに測定時間を短縮することができる。
この場合、測定対象となる所定波長域の各波長に対して露光過多となることがない。したがって、各波長に対して露光量が異なる複数の検出信号を取得する際に、適性露光の範囲の上限値(飽和露光量)未満の露光量に対応した検出信号、つまり、最大信号レベル未満の検出信号を少なくとも1つ取得することができる。
本発明では、高反射基準物により反射された光を測定する際の露光条件を、露光量の最大値を飽和露光量未満かつ飽和露光量近傍とする露光条件に設定する。これにより、受光素子で受光させる光の最大光量に対応する検出信号(検出値の最大値)の信号レベルを最大信号レベルの近傍の値とすることができる。したがって、上記露光条件における、検出値の最大値から、適性露光の露光量の下限値に対応した下限信号レベルまでの幅を広げることができ、受光素子で検出可能な信号レベルのレンジを有効に使用することができる。
上述した発明では、最小の露光量に対応した検出信号は、高反射基準物に基づいて露光条件が設定されているので、例えば所定波長において反射率が低い測定対象を対象とした場合、当該波長において十分な露光量が得られず、SN比が悪化する。この場合、信号レベルがより高い検出信号を選択することになるが、その検出信号が適正露光範囲に基づいた信号レベルではない場合(最大信号レベル以上や、下限信号レベル未満の場合)、精度の高い検出信号を取得することが困難となる。これに対して、本発明では、反射率が低い測定対象に対しても、検出信号の信号レベルが下限信号レベル以上となるように、露光条件が設定されている。
したがって、選択部により信号レベルが最大となる検出信号が取得された際に、当該検出信号へのノイズ成分の混入を抑制した精度のよい信号を取得することができる。
本発明では、低反射基準物により反射された光を測定する際の露光条件を、露光量の最小値を適性露光範囲の下限値より大きく、かつ、近傍の値とする露光条件に設定する。これにより、受光素子で受光させる光の最小光量に対応する検出信号(検出値の最小値)の信号レベルを下限信号レベルの近傍の値とすることができる。したがって、上記露光条件における、検出値の最小値から最大信号レベルまでの幅を広げることができ、受光素子で検出可能な信号レベルのレンジを有効に使用することができる。
本発明によれば、分光測定装置は、複数の画素を有する受光素子により各波長の光を受光し、画素毎に異なる複数の露光量に対応した検出信号を取得する。そして、各画素について、最大信号レベルを超えず、かつ信号レベルが最も大きい検出信号を選択する。
複数画素を有する受光素子により受光し、例えば分光画像を取得する場合、画像内において、所定波長に対する反射率が高い部位に対応した画素では、信号レベルが大きくなり、反射率が低い部位に対応した画素では、信号レベルが小さくなる。このような場合、例えば、予備露光等により各波長に対応した露光時間を設定する際に、反射率が高い部位に対応して飽和露光量を超えないように露光時間が設定されると、反射率が低い部位に対応した画素では、十分な露光量を取得できない。したがって、反射率が低い部分に対応した画素では、露光量とノイズ成分との差が小さく、検出信号においてもノイズ成分の含有率が高くなって精度の高い分光画像を取得できない。
逆に、反射率が低い部位の露光量を適性露光の範囲で行うのに十分な露光時間が設定されると、反射率が高い部位に対応した画素では、露光過多となるおそれがあり、精度の高い分光画像を取得できない。
これに対して、本発明では、上述のように画素毎に検出信号を選択するため、反射率が低い部位に対応した画素においても、ノイズ成分を低減した(SN比が高い)測定を実施できる。また、上述のように、画素毎に最大信号レベルを超えない検出信号を選択するので、露光過多により正確な受光量を取得できない画素の発生を抑制できる。以上から、精度の高い分光測定を実施できる。
本発明によれば、露光条件を露光時間とし、露光時間の違いにより露光量を異ならせることができる。このため、例えば、受光素子における受光面の面積が異なる複数の受光素子を用いる等の必要がなく、構成の簡略化を図ることができる。
本発明によれば、複数の露光時間で露光する際に、最大露光時間までの間の複数の露光時間において、各露光時間に対応する露光量を順次読み出す。つまり、各露光時間で蓄積した電荷がリセットされることがなく、一度の測定(最大露光時間までの測定)で複数の露光時間(露光量)に対応した検出信号を取得でき、測定時間を短縮することができる。
本発明によれば、分光測定装置は、感度が異なる複数の受光領域を有する受光素子で測定対象からの光を受光し、各受光領域に対応する露光量を取得する。つまり、露光条件を受光素子の感度として、異なる露光量に対応した検出信号を取得する。これにより、各受光領域に対して一定の露光時間で受光させた場合でも、各受光領域の感度に対応する異なる複数の露光量を同時に取得することができ、測定時間を短縮することができる。
本発明によれば、分光素子としてファブリーペローフィルターを用いることにより、測定対象波長の間隔を例えば10nm等の微細な間隔で測定を行うことができる。したがって、制御可能な測定対象波長の間隔が大きな場合と比べて、測定対象波長域に対して多くの測定波長(例えば数十の測定波長)で測定を実施できる。この場合、測定対象に対して複数の測定波長で上述の予備露光を行ったり、測定対象が変更される度に予備露光を行ったりすると、数個程度の波長で測定する場合と比べて、予備露光に費やされる時間が長くなる。したがって、本発明のように予備露光を行う必要がない構成では、ファブリーペローフィルターを使用する場合に、より一層の測定時間の短縮を図ることができる。
本発明では、上記分光測定装置に係る発明と同様に、各波長に対して取得された複数の露光量に対応する検出信号のうち、最大信号レベルを超えず、かつ信号レベルが最も大きい検出信号を選択する。
また、上述のように、測定対象毎に各波長に対して予備露光を行う必要がないため、測定時間を短縮することができる。さらに、予備露光を行う必要がないので、測定対象を変更しながら連続的に測定を行う場合においてさらに測定時間を短縮することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、測定対象Xで反射した測定対象光における各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
そして、この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、光学モジュール10を制御しかつ、当該光学モジュール10から出力された信号を処理する制御部20と、を備えている。
光学モジュール10は、波長可変干渉フィルター5と、受光素子11と、検出信号処理部12と、電圧制御部13と、受光制御部14と、を備える。
この光学モジュール10は、測定対象Xで反射された測定対象光を、入射光学系(図示略)を通して、波長可変干渉フィルター5に導き、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光素子11で受光する。そして、受光素子11から出力された検出信号は、検出信号処理部12を介して制御部20に出力される。
図2は、波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図である。図3は、図2のIII−III線を断面した際の波長可変干渉フィルターの断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロンである。この波長可変干渉フィルター5は、例えば矩形板状の光学部材であり、厚み寸法が例えば500μm程度に形成される固定基板51と、厚み寸法が例えば200μm程度に形成される可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すような平面視(以降、フィルター平面視と称する)において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致するものとする。
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点C1には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド564Pが露出する。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2方向に延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、電圧制御部13に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
可動基板52は、図2に示すフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、図2に示すように、頂点C2に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に、固定電極パッド563Pが露出する。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、ギャップG2がギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、ギャップG2の寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
次に、図1に戻り、光学モジュール10について説明する。
受光素子11は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光(検出)し、受光量に基づいた検出信号を検出信号処理部12に出力する。つまり、受光素子11は、光が露光されると、その露光量に応じた検出信号を出力する。
ここで、受光素子11は、露光量に対応する電荷を各画素のそれぞれで蓄積する。そして、受光素子11は、露光量に対応する各画素の蓄積電荷を保持したまま検出信号(電圧)として出力する。すなわち、受光素子11は、露光量に応じた検出信号を、蓄積電荷のリセットを伴わずに読出し可能に構成された非破壊読出し素子である。
検出信号処理部12は、入力された検出信号(アナログ信号)を増幅したのち、デジタル信号に変換して制御部20に出力する。検出信号処理部12は、検出信号を増幅するアンプや、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等により構成される。
受光制御部14は、制御部20の指令信号に基づいて、受光素子11を制御する。具体的には、受光制御部14は、受光素子11に測定光の検出を開始させる。また、受光制御部14は、受光素子11に所定の露光時間経過後に当該露光時間に対応する検出信号を出力させる読出し制御を行う。また、受光制御部14は、受光素子11の各画素に蓄積された電荷を消去するリセット制御を行う。
次に、分光測定装置1の制御部20について説明する。
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、露光時間設定部21と、波長設定部22と、検出信号取得部23と、選択部24と、分光測定部25と、を備えている。また、制御部20のメモリーには、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長と、当該波長に対応して静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧との関係を示すV−λデータが記憶されている。
詳述すると、本発明では、各波長のそれぞれにおいて、露光条件を異ならせることで、露光量が異なる複数(本実施形態では2つ)の検出信号を取得する。そして、本実施形態では、この露光条件として、露光時間をそれぞれ異ならせた際の検出信号を取得する。
露光時間設定部21は、このそれぞれ異なる露光時間である第1露光時間、第2露光時間を設定する。
図4に示すように、測定対象の反射率が高い場合では、反射率が低い場合と比べて、露光時間に対して検出信号が増大する割合が大きい。このため、測定対象の反射率が高い場合は、反射率が低い場合と比べて、短い露光時間(第1露光時間)TSで適性露光範囲の露光量に対応する検出信号VS、すなわち、適性露光範囲の下限値に対応する下限信号レベルVmin以上、かつ適正露光範囲の上限値に対応する最大信号レベルVmax未満の検出信号を取得できる。逆に、当該反射率に対して露光時間を長くすると、露光量が飽和露光量を超えるおそれがあり、この場合、検出信号が受光素子11の出力可能な最大信号レベルVmaxとなり、露光量に対応した正確な測定データが得られない。
検出信号取得部23は、受光素子11による測定光の検出開始のタイミングを受光制御部14に指示する指令信号を出力する。また、検出信号取得部23は、露光時間設定部21により設定された第1露光時間及び第2露光時間が経過したタイミングで受光素子11に検出信号を取得する。つまり、検出信号取得部23は、各露光時間のそれぞれについて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量に対応する検出信号を取得する。
選択部24は、各露光時間に対して取得された受光素子11の各画素に対応する検出信号から、受光素子11の飽和露光量に対応した最大信号レベルVmax未満であり、かつ、信号レベルが大きい一方の検出信号を画素毎に選択する。
分光測定部25は、検出信号取得部23により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
本実施形態では、分光測定装置1は、分光測定処理を行う前に、実際の分光測定処理を実施する照明環境下において、第1露光時間及び第2露光時間を設定する露光時間設定処理を実施する。
この露光時間設定処理では、所定波長域の各波長に対して、所定の第一規定値(例えば99%)以上の反射率を有する高反射基準物及び、前記波長域に各波長に対して所定の第二規定値(例えば1%)以下の反射率を有する低反射基準物を測定対象として、分光測定を実施する。例えば、可視光域に対する分光測定を実施する場合、高反射基準物として、白色基準板等を用いることができ、低反射基準物として、黒色基準板等を用いることができる。
図5(A)において、露光時間をT1〜T3に変化させた場合、露光時間T1〜T2において、各波長に対する検出信号が最大信号レベルVmax未満であり、露光時間T2を超える(例えば、露光時間T3)場合、検出信号が少なくとも一部の波長で最大信号レベルVmaxに達する。
白色基準板は、測定対象の各波長に対して反射率が高く、受光素子11で受光した際の露光量が、露光時間T2を超えると、飽和露光量以上(露光過多となる)となる。
したがって、露光時間設定部21は、各波長に対する検出信号において、最大信号レベルVmaxを超えない信号レベルが受光素子11から出力されるように、第1露光時間TSを設定する。
具体的には、露光時間設定部21は、各波長における検出信号のうち、信号レベルが最も大きい検出信号の信号レベルVM1が、最大信号レベルVmax未満で、かつ、最大信号レベルVmaxから所定の第一閾値Vα1以内となるように(Vmax−Vα1≦VM1<Vmax)、第1露光時間TSを設定する。
黒色基準板は、測定対象の各波長に対して反射率が低く、受光素子11で受光した際の露光量が、露光時間T5までは、測定波長域内の少なくとも一部の波長において、露光量が下限値を下回る。
したがって、露光時間設定部21は、各波長に対する検出信号において、下限信号レベルVmin以上となる検出信号が取得される露光時間を第2露光時間TLとする。
具体的には、露光時間設定部21は、各波長における検出信号のうち、信号レベルが最も小さい検出信号の信号レベルVM2が、下限信号レベルVmin以上で、かつ、下限信号レベルVminから所定の第二閾値Vα2以内となるように(Vmin≦VM2≦Vmin+Vα2)、第2露光時間TLを設定する。
[分光測定処理]
次に、上述したような分光測定装置1による分光測定処理について、図面に基づいて以下に説明する。
図6は、分光測定装置1による分光測定処理のフローチャートである。
分光測定処理では、波長設定部22は、測定開始の指示を受けると、図6に示すように、メモリーに記憶されたV−λデータから、測定対象波長域の所定の測定波長に対する駆動電圧を読み出し、当該駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加する旨の指令信号を電圧制御部13に出力する。これにより、静電アクチュエーター56に駆動電圧が印加され、ギャップG1が、測定波長に対応した寸法に設定される(ステップS1)。
なお、受光制御部14は、ステップS4の後、受光素子11の各画素に蓄積された電荷を消去するリセット制御を行う。
ステップS5において、分光測定を行っていない測定波長がある場合(「No」と判定された場合)、ステップS1に戻り、測定波長を変更して光量測定を継続する。以上のように、測定対象波長域内の各波長を順次切り替えて測定を実施することで、各波長のそれぞれに対して、第1受光データ、及び第2受光データが取得される。
なお、測定波長としては、例えば測定者により予め設定された波長であってもよく、所定波長間隔(例えば10nm間隔)となる波長であってもよい。
第2検出信号V2が最大信号レベルVmax未満の場合、すなわち、図7に示す区間Lの波長域では、露光量が大きい第2検出信号V2に対応した第2受光データが選択される。
また、第2検出信号V2が最大信号レベルに達している場合、すなわち、図7に示す区間Mの波長域では、最大信号レベルVmax未満の第1検出信号V1に対応した第1受光データが選択される。
選択部24は、各波長及び各画素について、上述のように受光データの選択を行う。これにより、各波長及び各画素について、適性露光範囲の露光量により取得された受光データが選択される。
本実施形態において、区間Lにおいて第2検出信号が得られた際の露光量と、区間Mにおいて第1検出信号V1が得られた際の露光量はそれぞれ異なっているので、検出信号を補正する必要がある。ここで、第1検出信号V1が取得される際の第1露光量、及び第2検出信号V2が取得される際の第2露光量は、受光素子11の適性露光範囲で取得され、かつ、これらの露光量は露光時間に比例している。従って、異なる露光時間で取得された露光量を同一の露光時間で取得された露光量に換算することが容易である。
例えば、分光測定部25は、第1検出信号V1の信号レベルに対して、補正係数(例えば、第2露光時間TL/第1露光時間TS)を掛けあわせる(図7の区間Mにおける破線で示す信号レベルを参照)。一方、第2検出信号V2の信号レベルは、そのまま、光量に対応した値となる。これにより、区間Mにおける第1検出信号に対応する光量を、区間Lと同じ第2露光時間で光量測定を実施した場合の光量として算出することができる。なお、さらに、所定のゲインをかけ合せる等の処理を実施してもよい。
そして、分光測定部25は、各波長について算出した光量を用いて、測定対象の分光スペクトルを算出する。
本実施形態では、検出信号取得部23は、各波長に対して、異なる露光量に対応する第1検出信号V1及び第2検出信号V2を取得する。そして、選択部24は、各波長に対して、第1検出信号V1及び第2検出信号V2のうち、最大信号レベルVmax未満で、かつ、最も大きい検出信号を、各波長の露光量に対応する検出信号として選択する。
これにより、本実施形態の分光測定装置1及び分光測定方法では、複数の波長に対して飽和露光量を超えない、最大露光量に対応した検出信号を選択することができ、露光過多の抑制及びノイズの低減を図ることができる。
また、複数の波長に対して、飽和露光量を超えず、かつ、適性露光の範囲の露光量を得るために、測定対象毎に各波長に対する適正な露光時間を設定する予備露光を行う必要がない。このため、測定時間を短縮することができる。
また、予備露光を行う必要がないので、測定対象を変更しながら連続的に測定を行う場合においてさらに測定時間を短縮することができる。
すなわち、測定対象波長域、本実施形態では、第1露光時間TSとして、可視領域において反射率が高い基準物である白色基準物に対する各波長の露光量を取得した際に、各波長に対応する各検出信号が、最大信号レベルVmaxを超えない露光時間を設定する。
これにより、各波長に対して飽和露光量に対応する最大信号レベルVmaxを超えない第1検出信号V1を取得できる。したがって、反射率が大きい波長域領域を含む測定対象を測定する場合でも、予備露光を行って、露光時間を設定することなく、測定対象波長域の各波長に対して露光過多となることがない露光量に対応する第1検出信号V1を取得することができる。
これにより、受光素子11で受光させる光の最大光量に対応する検出信号(検出値の最大値)の信号レベルを最大信号レベルVmaxの近傍の値とすることができる。したがって、上記第1露光時間TSにおける、検出値の最大値から下限信号レベルVminまでの幅を広げることができ、受光素子11で検出可能な信号レベルのレンジを有効に使用することができる。
すなわち、測定対象波長域、本実施形態では可、第2露光時間TLとして、可視領域において反射率が低い基準物である黒色基準物に対する各波長の露光量を取得した際に、各波長に対応する各検出信号が、下限信号レベル以上となる露光時間を設定する。
これにより、各波長に対して適性露光の範囲の下限値に対応する下限信号レベルを下回らない第2検出信号V2を取得できる。
上述のように第1露光時間TSに対応する第1検出信号V1及び第2露光時間TLに対応する第2検出信号V2を取得することにより、反射率が大きい測定対象や、反射率が小さい測定対象を連続して測定する場合でも、第1検出信号V1及び第2検出信号V2の少なくともいずれかを適性露光範囲に対応する検出信号として取得できる。したがって、測定対象が変わる度に、各波長に対して予備露光を行って予め露光時間を設定することなく、適性露光範囲の露光量を取得することができ、測定精度を維持しつつ、測定時間を短縮できる。
これにより、受光素子11で受光させる光の最小光量に対応する検出信号(検出値の最小値)の信号レベルを下限信号レベルVminの近傍の値とすることができる。したがって、上記露光条件における、検出値の最小値から最大信号レベルVmaxまでの幅を広げることができ、受光素子11で検出可能な信号レベルのレンジを有効に使用することができる。
ここで、複数画素を有する受光素子により受光する場合、測定波長に対する反射率が高い部位に対応した画素では、信号レベルが大きくなり、反射率が低い部位に対応した画素では、信号レベルが小さくなる。このような場合、例えば、予備露光等により各波長に対応した露光時間を設定する際に、反射率が高い部位に対応して飽和露光量を超えないように露光時間が設定されると、反射率が低い部位に対応した画素では、十分な露光量を取得できない。したがって、反射率が低い部分に対応した画素では、取得した露光量とノイズ成分との差が小さく、検出信号においてもノイズ成分の含有率が高くなって精度の高い分光測定を実施できない。
一方、反射率が低い部位の露光量を適性露光の範囲で行うのに十分な露光時間が設定されると、反射率が高い部位に対応した画素では、露光過多となるおそれがあり、精度の高い分光測定を実施できない。
これに対して、本実施形態では、上述のように画素毎に検出信号を選択するため、反射率が低い部位に対応した画素においても、ノイズ成分を低減した(SN比が高い)測定を実施できる。また、上述のように、画素毎に最大信号レベルVmaxを超えない検出信号を選択するので、露光過多により正確な受光量を取得できない画素の発生を抑制できる。
以上のような構成では、撮像画像のうち、ユーザーにより指定された所定の1画素の分光測定(色測定)を実施したい場合等において、画素毎に精度の高い分光測定を実施できる。
このように構成された、分光測定装置1では、複数の露光時間で露光する際に、最大露光時間までの間の複数の露光時間において、各露光時間に対応する露光量を順次読み出す。このため、一度の測定で複数の露光量を取得でき、測定時間を短縮することができる。
分光素子として波長可変干渉フィルター5を用いることにより、測定対象波長の間隔を例えば10nm等の微細な間隔で測定を行うことができる。したがって、制御可能な測定対象波長の間隔が大きい場合と比べて、測定対象波長域に対して多くの測定波長(例えば数十の測定波長)で測定を実施できる。この場合、測定対象に対して複数の測定波長で上述の予備露光を行ったり、測定対象が変更される度に予備露光を行ったりすると、数個程度の波長について測定する場合と比べて、予備露光に費やされる時間が長くなる。したがって、本実施形態のように予備露光を行う必要がない構成に波長可変干渉フィルター5を採用することにより、一層の測定時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明に係る第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態の分光測定装置は、受光素子として、1画素が異なる受光面積、すなわち、受光感度を有する第一受光部及び第二受光部を備える点で第一実施形態と相違している。
図8は、本発明に係る第二実施形態の分光測定装置1Aの概略構成を示すブロック図である。図9は、本実施形態の受光素子の1画素の概略構成を示す図である。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
分光測定装置1Aは、図8に示すように、光学モジュール10Aと、制御部20Aと、を備えている。
光学モジュール10Aは、波長可変干渉フィルター5と、受光素子15と、検出信号処理部12と、電圧制御部13と、を備えている。
受光素子15は、1画素内に2つのフォトダイオード(PD:Photodiode)(図9に示す、PD1及びPD2)を備えている。これら二つのPD1及びPD2は、面積が異なる受光領域を有しており、PD1よりもPD2の方が受光領域の面積が大きくなっている。PD1及びPD2は、面積に応じた受光感度を有しており、PD1よりもPD2の受光感度が大きい。このような受光素子15では、所定の露光時間で露光した場合、各画素において、PD1及びPD2のそれぞれに対応する異なる2つの露光量に応じた検出信号を出力する。
検出信号取得部23Aは、検出信号処理部12を介して受光素子15から出力された検出信号に基づいて、各画素に対してPD1及びPD2のそれぞれに対応する検出信号を取得する。また、検出信号取得部23Aは、取得した画素毎の各検出信号と、その画素位置(アドレスデータ)と、測定波長と、を関連付けた受光データを取得し、メモリーに記憶する。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、分光測定装置1Aは、分光測定処理を行う前に、実際の分光測定処理を実施する照明環境下において、露光時間を設定する。露光時間を設定する方法は、第1実施形態と同様に、高反射基準物(例えば白色基準板)及び低反射基準物(例えば黒色基準板)のそれぞれの測定対象について分光測定により得られた測定結果に基づいて行うことができる。
ここで、図10(A)は、PD1における露光時間と検出信号(画素出力;電圧)との関係の一例を示す図であり、図10(B)は、PD2における露光時間と検出信号(画素出力;電圧)との関係の一例を示す図である。なお、図10(A)における検出信号A及び図10(B)における検出信号Cは、白色基準板を測定した際の測定結果であり、図10(A)における検出信号B及び図10(B)における検出信号Dは、黒色基準板を測定した際の測定結果である。
この露光時間TCで、黒色基準板からの反射光を受光した場合の検出信号の信号レベルVL1は、信号レベルVH1よりも小さくなる。
この露光時間TCで、白色基準板からの反射光を測定した場合、PD2からの検出信号の信号レベルは、PD2の最大信号レベルVmax2に到達している。
すなわち、白色基準板からの反射光を露光時間TCで露光した際の、PD1における各波長に対する検出信号A(第1検出信号に相当)の信号レベルVH1が、所定のレベル閾値をVβ1として、Vmax1−Vβ1≦VH1<Vmax1となるように、PD1の面積(PD2との面積比)を設定する。
また黒色基準板からの反射光を露光時間TCで露光した際の、PD2における各波長に対する検出信号D(第2検出信号に相当)の信号レベルVL2が、所定のレベル閾値をVβ2として、Vmin2≦VL2≦Vmin2−Vβ2となるように、PD2の面積(PD1との面積比)を設定する。
このように、PD1及びPD2の各受光領域の面積(面積比)を設定することにより、第1実施形態と同様に、各検出信号A,Bで検出可能な光量測定範囲が狭くなるという事象が発生することを抑制でき、受光素子15の光量測定範囲を有効に利用することができる。
次に、分光測定装置1Aによる分光測定処理について、図面に基づいて以下に説明する。
図11は、分光測定装置1Aによる分光測定処理のフローチャートである。
測定開始の指示を受けると、電圧制御部13は、波長設定部22からの指令信号に基づいて、静電アクチュエーター56に駆動電圧が印加する。これにより、ギャップG1が、測定波長に対応した寸法に設定される(ステップS1)。
そして、検出信号取得部23Aは、受光素子11の各画素のPD1から出力された第1検出信号及びPD2から出力された第2検出信号を取得する。受光素子11からの検出信号の取得を開始し、測定光の検出を開始する(ステップS2)。
検出信号取得部23Aは、取得した画素毎の第1検出信号と、その画素位置と、測定波長と、を関連付けた第1受光データをメモリーに記憶する。また、検出信号取得部23Aは、第2検出信号に対しても同様に、画素位置と、測定波長と、を関連付けた第2受光データをメモリーに記憶する(ステップS8)。
なお、検出開始から、予め設定された所定の露光時間TCが経過するまでに検出された各検出信号に基づいて(例えば積分値)、各受光データの各画素位置及び各測定波長における光量を取得できる。また、本実施形態ではフォトダイオードからの検出信号を用いて光量を検出する構成を例示しているが、フォトダイオードに制限されず、光量を検出可能な各種受光素子を利用してもよい。
ステップS5において、全ての測定波長の分光測定が行われたと判定された場合、選択部24は、各波長の各画素についての測定結果として、第1検出信号及び第2検出信号のいずれかを選択する(ステップS6)。
次に、分光測定部25は、選択された受光データを用いて、分光スペクトルを取得する(ステップS7)。
本実施形態では、受光素子15は、各画素において、感度がそれぞれ異なるフォトダイオードであるPD1及びPD2を備える。すなわち、受光素子15は、各画素において感度が異なる2つの受光領域を有する。
これによれば、分光測定装置は、各画素で感度が異なる2つの受光領域を有する受光素子15で測定光を受光し、各受光領域に対応する露光量(第1露光量及び第2露光量)を取得する。つまり、露光条件を受光素子15の感度として、異なる露光量に対応した検出信号を取得する。これにより、1つの露光時間で受光させた場合でも、各受光領域の感度に対応する異なる2つの露光量を同時に取得することができ、測定時間を短縮することができる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、分光測定装置1,1Aの例を示したが、測定対象の成分分析等を実施する分析装置に適用することができる。
また、上記各実施形態では、分光測定装置1,1Aとして、測定結果に基づいて分光スペクトルを取得する構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、分光画像を取得する分光カメラ等にも本発明を適用することができる。すなわち、各波長の各画素について検出信号を選択し、選択された各画素の検出信号に基づいて各波長の分光画像を取得するように構成してもよい。また、取得した分光画像に基づいて測色処理を行ってもよい。このような構成でも、各画素について適性露光の範囲の露光量に対応する検出信号が選択されるので、高精度の分光画像を取得でき、高精度の測色を実施できる。
なお、上記各実施形態では、露光時間を設定するために可視領域に対して反射率が高い白基準板、及び反射率が低い黒基準板を用いたが、可視領域以外の波長域が測定対象波長域に含まれる場合、測定対象波長域に対して反射率が高い高反射率基準、及び反射率が低い低反射率基準を用いればよい。
例えば、3つ以上の異なる露光条件を用いて、3つ以上の異なる露光量に対応する検出信号を取得する構成としてもよい。すなわち、第一実施形態においては、3つ以上の異なる露光時間で露光量を取得すればよい。また、第二実施形態においては、3つ以上の異なる感度を有する受光領域を設ける構成とすればよい。このように、より多くの露光条件に対応する露光量を取得することにより、測定可能な光強度のダイナミックレンジを拡大することができる。その結果、高い反射率を有する測定対象や低い反射率を有する測定対象に対して、予備露光を行うことなく高精度の分光測定をより確実に実施できる。
また、上記第二実施形態では、受光面積が異なる複数の受光領域を設け、同一の露光時間で露光することで異なる複数の露光量を取得する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各受光領域の単位面積あたりの受光感度を異ならせることで、受光面積は同一でも各受光領域の感度がそれぞれ異なるように構成してもよい。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイル又は永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
更に、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
例えば、固定基板51及び可動基板52が接合されておらず、これらの基板間に圧電素子等の反射膜間ギャップを変更するギャップ変更部が設けられる構成などとしてもよい。
また、2つ基板により構成される構成に限られない。例えば、1つの基板上に犠牲層を介して2つの反射膜を積層し、犠牲層をエッチング等により除去してギャップを形成した波長可変干渉フィルターを用いてもよい。
また、分光素子として、例えばAOTF(Acousto Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid Crystal Tunable Filter)が用いられてもよい。ただし、装置の小型化の観点から上記各実施形態のようにファブリーペローフィルターを用いることが好ましい。
Claims (11)
- 入射光から所定の波長の光を選択的に出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、
前記分光素子から出射された光が露光されることで、露光量に応じた検出信号を出力する受光素子と、
複数の前記波長のそれぞれに対して、前記露光量が異なる複数の検出信号を取得する検出信号取得部と、
取得された複数の前記検出信号のうち、信号レベルが前記受光素子の飽和露光量に対応した最大信号レベル未満で、かつ、最も大きい検出信号を選択する選択部と、を備えた
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1に記載の分光測定装置において、
前記複数の検出信号のうち最小の露光量に対応した検出信号は、所定の波長域内の各波長の光に対して反射率が第一規定値より高い高反射基準物により反射された光を、前記分光素子に入射させ、前記分光素子により波長を順次切り替えて前記受光素子で受光した際に、各波長に対する前記検出信号が前記最大信号レベルよりも小さくなる露光条件で取得される
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項2に記載の分光測定装置において、
前記複数の検出信号のうち最小の露光量に対応した検出信号は、前記高反射基準物により反射された光を、前記分光素子に入射させ、前記分光素子により波長を順次切り替えて前記受光素子で受光した際に、各波長に対する前記検出信号の最大値が、前記最大信号レベルよりも小さく、かつ、前記最大信号レベルから第一閾値以内となる露光条件で取得される
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の分光測定装置において、
前記複数の検出信号のうち最大の露光量に対応した検出信号は、所定の波長域内の各波長の光に対して反射率が前記第一規定値よりも小さい第二規定値より低い低反射基準物により反射された光を、前記分光素子に入射させ、前記分光素子により波長を順次切り替えて前記受光素子で受光した際に、前記検出信号の信号レベルが、適性露光の露光量の下限値に対応した下限信号レベル以上である露光条件で取得される
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項4に記載の分光測定装置において、
前記複数の検出信号のうち最大の露光量に対応した検出信号は、前記低反射基準物により反射された光を、前記分光素子に入射させ、前記分光素子により波長を順次切り替えて前記受光素子で受光した際に、各波長に対する前記検出信号の最小値が、前記下限信号レベルよりも大きく、かつ、前記下限信号レベルから第二閾値となる露光条件で取得される
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記受光素子は、光を受光する複数の画素を有し、
前記選択部は、各画素について前記検出信号を選択する
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記検出信号取得部は、前記受光素子の露光時間を制御し、露光量が異なる複数の検出信号を取得する
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項7に記載の分光測定装置において、
前記受光素子は、露光量が最大となる最大露光時間より短い露光時間で露光された電荷の読み出しを、蓄積電荷のリセットを伴わない非破壊読出し方式で順次読み出す
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記受光素子は、感度がそれぞれ異なる複数の受光領域を有する
ことを特徴とする分光測定装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記分光素子は、ファブリーペローフィルターである
ことを特徴とする分光測定装置。 - 入射光から所定の波長の光を選択的に出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子から出射された光が露光されることで、露光量に応じた検出信号を出力する受光素子と、前記検出信号を取得し、処理する処理部と、を備えた分光測定装置における分光測定方法であって、
複数の前記波長のそれぞれに対して、前記露光量が異なる複数の検出信号を取得し、取得された複数の前記検出信号のうち、信号レベルが前記受光素子の飽和露光量に対応した最大信号レベル未満で、かつ、最も大きい検出信号を選択する
ことを特徴とする分光測定方法。
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