JP2017040491A - 光学モジュール及び分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象波長域における波長毎の半値幅のばらつきを小さくして高精度な測定ができる光学モジュール及び分光装置を提供する。【解決手段】光学モジュール2は、互いに対向する固定反射膜25a及び可動反射膜25bと、固定反射膜25a及び可動反射膜25bのギャップG1の大きさを変更する静電アクチュエーター26と、を有する波長可変干渉フィルター10を備え、1040nm以下の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルター10をn(nは整数)回通過し、1060nm以上の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルター10をm(mはnより小さい整数)回通過することを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、光学モジュール及び分光装置に関する。
従来、ファブリーペロー型エタロン素子(波長可変干渉フィルター)を用いて、入射光から所定波長の光の光量を測定する光学装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の分光装置(分光測定装置)は、波長可変干渉フィルターを構成する一対の反射膜間の距離を、アクチュエーターへの印加電圧を制御して変化させ、反射膜間のギャップ寸法に応じた波長の光を透過させて受光部(ディテクター)で受光させる。
特開2014−59250号公報
ところで、上記特許文献1に記載のような分光装置において、測定する波長によって半値幅が変化することがある(例えば、特許文献1の図6参照)。一般に、半値幅が大き過ぎる(透過光量が多過ぎる)と、所望の波長以外の光も測定してしまうため、分解能が低下する。一方、半値幅が小さ過ぎる(透過光量が少な過ぎる)と、S/N比が悪化してノイズ成分の影響を受け易くなる。そのため、測定対象とする波長域内で波長毎の半値幅の振れ幅(透過光量の大小のばらつき)が大きいと、精度の高い測定結果が得られない場合があるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の光学モジュールは、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有する波長可変干渉フィルターを備え、第1の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをn(nは整数)回通過し、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをm(mはnより小さい整数)回通過することを特徴とする。
本適用例の光学モジュールの構成によれば、第1の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルターをn回通過し、第2の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルターをn回よりも少ないm回通過する。波長可変干渉フィルターに入射した光は反射膜間で繰り返し反射されて増幅された光だけが透過するので、一度波長可変干渉フィルターを透過した光が再度波長可変干渉フィルターに入射すると、透過した光の半値幅は透過する前よりも小さくなる。そのため、波長可変干渉フィルターをm回透過したときに第1の波長領域の波長の光の半値幅が第2の波長領域の波長の光の半値幅よりも大きい場合に、第1の波長領域の波長の光を選択的にn回(再度、又は繰り返し)波長可変干渉フィルターに入射させることで、第1の波長領域の波長の光の半値幅を小さくできる。これにより、測定対象波長域内で波長毎の半値幅の振れ幅を小さく(波長毎の透過光量をより均一に)できるので、測定精度を高めることができる。
[適用例2]上記適用例の光学モジュールであって、n=2であり、m=1であってもよい。
本適用例の構成によれば、波長可変干渉フィルターに対して、第1の波長領域の波長の光を2回透過させ、第2の波長領域の波長の光を1回透過させる。したがって、波長可変干渉フィルターを1回透過させたときに第1の波長領域の波長の光の半値幅が第2の波長領域の波長の光の半値幅よりも大きい場合に、第1の波長領域の波長の光を選択的に2回(再度)波長可変干渉フィルターに入射させることで、第1の波長領域の波長の光の半値幅を小さくして第2の波長領域の波長の光の半値幅に近付けることができる。
[適用例3]上記適用例の光学モジュールであって、前記第1の波長領域の波長の光を反射し、前記第2の波長領域の波長の光を透過させるダイクロイックミラーを備えていてもよい。
本適用例の構成によれば、第1の波長領域の波長の光を反射し第2の波長領域の波長の光を透過させるダイクロイックミラーを備えているので、第1の波長領域の波長を選択するとき、一度波長可変干渉フィルターを透過した光を反射して、再度波長可変干渉フィルターに入射させることができる。また、第2の波長領域の波長を選択するとき、一度波長可変干渉フィルターを透過した光を透過させて再度波長可変干渉フィルターに入射させないようにすることができる。
[適用例4]上記適用例の光学モジュールであって、前記ダイクロイックミラーを選択することにより、波長分解能を高分解能と低分解能とで選択可能であってもよい。
本適用例の構成によれば、ダイクロイックミラーを選択することで、第1の波長領域及び第2の波長領域のそれぞれの範囲(境界となる波長)を変化させることができる。また、複数のダイクロイックミラーを組み合わせて用いれば、波長可変干渉フィルターを透過させる回数を光の波長領域によって異ならせることができる。これにより、所望の波長の光に対して波長可変干渉フィルターを透過した光の半値幅を所望の範囲に調整することができるので、測定対象物の解析に要求される分解能に応じて、高分解能と低分解能とを選択することが可能となる。
[適用例5]本適用例の分光装置は、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有する波長可変干渉フィルターと、前記波長可変干渉フィルターから射出された光を受光する受光部と、を備え、第1の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをn(nは整数)回通過し、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをm(mはnより小さい整数)回通過することを特徴とする。
本適用例の分光装置の構成によれば、第1の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルターをn回通過し、第2の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルターをn回よりも少ないm回通過する。波長可変干渉フィルターに入射した光は反射膜間で繰り返し反射されて増幅された光だけが透過するので、一度波長可変干渉フィルターを透過した光が再度波長可変干渉フィルターに入射すると、透過した光の半値幅は透過する前よりも小さくなる。そのため、波長可変干渉フィルターをm回透過したときに第1の波長領域の波長の光の半値幅が第2の波長領域の波長の光の半値幅よりも大きい場合に、第1の波長領域の波長の光を選択的にn回(再度、又は繰り返し)波長可変干渉フィルターに入射させることで、第1の波長領域の波長の光の半値幅を小さくできる。これにより、測定対象波長域内で波長毎の半値幅の振れ幅を小さく(波長毎の透過光量をより均一に)できるので、測定精度を高めることができる。
第1の実施形態に係る分光装置の構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 波長可変干渉フィルターの光学特性(透過率特性)の一例を示す図。 図3の光学特性における各ピーク波長の半値幅を示す図。 一度波長可変干渉フィルターを透過した光を再度波長可変干渉フィルターに入射させたときの光学特性(透過率特性)を比較して示す図。 第1の実施形態に係る分光装置の光学特性における各ピーク波長の半値幅を示す図。 第1の実施形態に係る光学モジュールの構成を示す模式図。 第1の実施形態に係るダイクロイックミラーの特性を示す図。 第2の実施形態に係る光学モジュールの構成を示す模式図。 第2の実施形態に係る光学モジュールの構成を示す模式図。 変形例1に係るダイクロイックミラーの特性の一例を示す図。 変形例2に係る光学モジュールの構成を示す模式図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
[分光装置]
第1の実施形態に係る分光装置について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る分光装置の構成を示すブロック図である。図1に示す分光装置1は、測定対象物40で反射した光(以下では、「測定対象光」という)Lにおける各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。測定対象光Lにおいて測定する対象となる波長域を「測定対象波長域」といい、測定対象波長域において測定する所定の波長間隔毎の波長を「目的波長」という。
なお、本実施形態では、測定対象物40で反射した測定対象光Lを測定する例を示すが、測定対象物40として、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光Lとしてもよい。
図1に示すように、分光装置1は、波長可変干渉フィルター10を含む光学モジュール2と、受光部としてのディテクター31と、I−V変換器32と、アンプ33と、A/D変換器34と、制御部20と、駆動制御部35とを備えている。光学モジュール2が含む波長可変干渉フィルター10は、所定の波長間隔毎に測定対象波長域の光を透過させる。波長可変干渉フィルター10及び光学モジュール2の構成については後述する。
ディテクター31は、波長可変干渉フィルター10を透過した光を受光(検出)し、受光した光の光強度に応じた検出信号(電流)を出力する。I−V変換器32は、ディテクター31から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ33に出力する。アンプ33は、I−V変換器32から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。A/D変換器34は、アンプ33から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
制御部20は、A/D変換器34から出力された信号を処理し、駆動制御部35を制御する。制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光装置1の全体動作を制御する。制御部20は、波長設定部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備えている。また、制御部20のメモリーには、波長可変干渉フィルター10を透過させる光の目的波長(λ)と、当該波長に対応して波長可変干渉フィルター10の静電アクチュエーター26(図2参照)に印加する駆動電圧(V)との関係を示すV−λデータが記憶されている。
波長設定部21は、波長可変干渉フィルター10により取り出す光の目的波長を設定し、V−λデータに基づいて、設定した目的波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター26に印加させる旨の指令信号を駆動制御部35に出力する。光量取得部22は、ディテクター31が受光した光の光強度に基づいて、光学モジュール2を透過した目的波長の光の光量を取得する。分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光Lのスペクトル特性を測定する。
駆動制御部35は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター10の静電アクチュエーター26に駆動電圧を印加し、波長可変干渉フィルター10から駆動電圧に応じた目的波長の光を透過させる。
[波長可変干渉フィルター]
続いて、第1の実施形態に係る光学モジュール2に含まれる波長可変干渉フィルター10について、図2を参照して説明する。図2は、第1の実施形態に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図である。第1の実施形態に係る波長可変干渉フィルター10は、いわゆるファブリーペローエタロンである。
図2に示すように、波長可変干渉フィルター10は、固定基板11と、可動基板12とを備えている。図2に示す波長可変干渉フィルター10の下方側が、光が入射する側である。すなわち、波長可変干渉フィルター10において、固定基板11は光が入射する側に配置され、可動基板12は光が射出される側に配置されている。
なお、本明細書において、波長可変干渉フィルター10を図2の上方側から見ることを「平面視」という。すなわち、固定基板11、接合膜13、及び可動基板12が積層された方向に沿って波長可変干渉フィルター10を光が射出される側から見ることを「平面視」という。
固定基板11及び可動基板12は、それぞれ例えば、各種ガラスや、水晶、シリコン等により形成されている。固定基板11と可動基板12とは、固定基板11の第1接合部11a及び可動基板12の第2接合部12aが、接合膜13により接合されることで、一体的に構成されている。接合膜13は、例えば、シロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成されている。
固定基板11には、一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜25aが設けられている。また、可動基板12には、一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜25bが設けられている。固定反射膜25a及び可動反射膜25bは、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。そして、波長可変干渉フィルター10には、ギャップG1の距離(以下では、ギャップ寸法という)を調整するのに用いられる静電アクチュエーター26(ギャップ変更部)が設けられている。
静電アクチュエーター26は、固定基板11に設けられた固定電極26aと、可動基板12に設けられた可動電極26bと、で構成されている。固定電極26aと可動電極26bとは、電極間ギャップG2を介して対向配置されている。静電アクチュエーター26は、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法を調整(変更)する機能を有する。
ここで、固定電極26aと可動電極26bとは、それぞれ固定基板11及び可動基板12の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップG2よりも小さく形成された構成を例示しているが、例えば、波長可変干渉フィルター10により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップG2よりも大きく形成してもよい。
以下、波長可変干渉フィルター10の構成についてより詳細に説明する。固定基板11には、エッチングにより電極設置溝14及び反射膜設置部17が形成されている。固定基板11は可動基板12よりも厚く形成されており、静電アクチュエーター26に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極26aの内部応力により、固定基板11に撓みが生じないようになっている。
電極設置溝14は、例えば、固定基板11の平面中心点を中心とした環状に形成されている。反射膜設置部17は、平面視において、電極設置溝14の中心から可動基板12側に突出して形成されている。電極設置溝14の溝底面は、固定電極26aが配置される電極設置面14aとなる。反射膜設置部17の突出先端面は、反射膜設置面17aとなる。また、図示は省略するが、固定基板11には、電極設置溝14から、固定基板11の外周縁に向かって延出する電極引出溝が設けられており、電極設置溝14に設けられた固定電極26aの引出電極が設けられている。
電極設置溝14の電極設置面14aには、静電アクチュエーター26を構成する固定電極26aが設けられている。より具体的には、固定電極26aは、電極設置面14aのうち、後述する可動部15の可動電極26bに対向する領域に設けられている。固定電極26a上に、固定電極26a及び可動電極26bの間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。また、図示は省略するが、固定電極26aには、固定引出電極が接続されており、この固定引出電極は、上述した電極引出溝から固定基板11の外周部に引き出され、駆動制御部35に接続されている。
なお、本実施形態では、電極設置面14aに1つの固定電極26aが設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点を中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)等としてもよい。
反射膜設置部17は、上述したように、電極設置溝14の平面中心と同軸上で、電極設置溝14よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部17の可動基板12に対向する反射膜設置面17aを備えている。反射膜設置部17には、固定反射膜25aが設置されている。
固定反射膜25aとしては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。このような金属膜又は合金膜は、例えば可視光域から近赤外域に亘る広い波長域に対して高い反射特性を有する。したがって、波長可変干渉フィルター10において、固定反射膜25aと可動反射膜25bとの間の反射膜間ギャップG1を変更することで、可視光域から近赤外域に亘る広い波長域の光を選択して射出させることができる。
なお、本実施形態では、分光装置1において、可視光域から近赤外域の分光測定が可能となるように、上記のような固定反射膜25a及び可動反射膜25bが用いられるが、例えば、分光装置1により測定する測定対象波長域が狭い場合では、誘電体多層膜を用いてもよい。更に、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜等を用いてもよい。
可動基板12は、平面中心点を中心とした円形状の可動部15と、可動部15の平面中心と同軸であり可動部15を保持する保持部16と、保持部16の外側に設けられた基板外周部18と、を備えている。
可動部15は、保持部16よりも厚く形成され、例えば、本実施形態では、可動基板12(基板外周部18)と同一の厚さに形成されている。可動部15は、平面視において、少なくとも反射膜設置面17aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、可動部15には、可動電極26b及び可動反射膜25bが設けられている。
なお、固定基板11と同様に、可動部15の固定基板11とは反対側の面に、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板12の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
固定電極26aとともに静電アクチュエーター26を構成する可動電極26bは、電極間ギャップG2を介して固定電極26aに対向し、固定電極26aと同一形状となる環状に形成されている。また、図示は省略するが、可動基板12には、可動電極26bの外周縁から可動基板12の外周縁に向かって延出する可動引出電極が設けられている。この可動引出電極は、固定引出電極と同様に、駆動制御部35に接続される。
可動反射膜25bは、可動部15の可動面15aの中心部に、固定反射膜25aと反射膜間ギャップG1を介して対向して設けられる。可動反射膜25bとしては、上述した固定反射膜25aと同一の構成の反射膜が用いられる。
保持部16は、可動部15を囲むダイアフラムであり、可動部15よりも薄く形成されている。したがって、保持部16は、可動部15よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部15を固定基板11側に変位させることが可能となる。この際、可動部15が保持部16よりも厚く、剛性が大きくなるため、保持部16が静電引力により固定基板11側に引っ張られた場合でも、可動部15の形状変化が起こりにくい。
したがって、可動部15に設けられた可動反射膜25bの撓みも生じにくくなり、固定反射膜25a及び可動反射膜25bが常に平行状態になるように維持することが可能となる。なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部16を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点を中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成等としてもよい。
基板外周部18は、上述したように、平面視において保持部16の外側に設けられている。この基板外周部18の固定基板11に対向する面は、第1接合部11aに対向する第2接合部12aを備え、第2接合部12aは、接合膜13により第1接合部11aに接合されている。
制御部20(図1参照)の制御に基づいて、駆動制御部35(図1参照)から駆動電圧が印加されると、静電アクチュエーター26の固定電極26aと可動電極26bとの間に静電引力が発生し、可動部15が固定基板11側に変位する。そうすると、電極間ギャップG2のギャップ寸法が変化し、これにより、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法も変化する。反射膜間ギャップG1のギャップ寸法が変化すると、波長可変干渉フィルター10を透過する光のピーク波長(すなわち、目的波長)が変化する。
上述したV−λデータに基づいて、測定対象波長域における所定の波長間隔毎の目的波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター26に順次印加して、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法を順次変更すると、波長可変干渉フィルター10を透過する光のピーク波長が順次変化する。これにより、波長可変干渉フィルター10を透過した目的波長の光の光量に基づいて、測定対象光Lのスペクトル特性を測定することができる。
図3は、波長可変干渉フィルターの光学特性(透過率特性)の一例を示す図である。図3において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は透過率(%)である。本実施形態では、測定対象波長域を1000nm〜1260nmとし、その測定対象波長域における所定の波長間隔を20nmとして測定した。その結果、図3に示すように、1000nm〜1260nmまでの20nm毎の各目的波長をピークとするスペクトル曲線が得られた。
図4は、図3の光学特性における各ピーク波長の半値幅を示す図である。図4において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は半値幅(nm)である。また、図4において、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を1回透過したときの各ピーク波長(目的波長)の半値幅を■印で示し、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を2回透過したときの各ピーク波長の半値幅を●印で示している。
図4に示すように、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を1回透過した場合の各ピーク波長の半値幅(■印)は、波長によって異なっている。本実施形態では、半値幅は、波長が1180nm付近で最も小さく、短波長側(波長が1000nm側)に向かうにしたがって大きくなっており、5.8nm〜10nm程度の振れ幅(変化量)で変化する。なお、どの波長で半値幅が大きくなるか(又は、小さくなるか)や、その振れ幅の大きさについては、波長可変干渉フィルターの特性によって異なる。
また、図4に示すように、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を1回透過した場合と2回透過した場合とでは、分光特性が異なっている。具体的には、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を2回透過したときの各ピーク波長の半値幅(●印)は、同じピーク波長に対して、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を1回透過した場合の半値幅(■印)よりも小さくなっており、3.7nm〜6.5nm程度の振れ幅で変化する。半値幅が1180nm付近で最も小さく短波長側に向かうにしたがって大きくなる傾向は、測定対象光Lが波長可変干渉フィルター10を1回透過した場合と同じである。
図5は、一度波長可変干渉フィルターを透過した光を再度波長可変干渉フィルターに入射させたときの光学特性(透過率特性)を比較して示す図である。図5において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は半値幅(nm)である。また、図5において、波長可変干渉フィルター10を1回透過したときの光学特性を実線で示し、波長可変干渉フィルター10を2回透過したときの光学特性を破線で示している。なお、図5では、差異を見易くするため、1つのピーク波長に対する部分を切り出し拡大して示しており、縦横比は図4と異なっている。
波長可変干渉フィルター10に入射した光は固定反射膜25aと可動反射膜25bとの間で繰り返し反射されて増幅された光だけが透過する。そのため、1回波長可変干渉フィルター10を透過した光を再度波長可変干渉フィルター10に入射させると、図5に示すように、2回目に透過した光の半値幅W2は1回目に透過した光の半値幅W1よりも小さくなる。この結果、図4に示すように、波長可変干渉フィルター10を2回透過したときの各ピーク波長の半値幅(●印)は、1回透過した場合の半値幅(■印)よりも小さくなる。
ここで、波長可変干渉フィルター10により分光スペクトルを測定する際は、各目的波長に対してディテクター31で正確な光量を受光することが望ましい。しかしながら、半値幅が大き過ぎる(透過光量が多過ぎる)と、目的波長の光だけでなく目的波長以外の光もディテクター31で受光してしまうため、測定精度(分解能)の低下を招くこととなる。
一方、半値幅が小さ過ぎる(透過光量が少な過ぎる)と、S/N比(Signal to Noise Ratio)が悪化しノイズ成分(波長可変干渉フィルター10を透過する光以外の外光等)の影響を受けやすくなるので、測定精度の低下を招くこととなる。したがって、測定精度を向上させるためには、測定対象波長域において各目的波長に対する半値幅が適切な範囲内にあることが求められる。
本実施形態では、一例として、図4に示すように、測定対象波長域を1000nm〜1260nmとし、この波長域における20nm毎の各目的波長に対して半値幅が6nm±1.5nmの範囲Rで測定することとする。なお、測定対象波長域は測定対象物40の解析に必要となる波長域が適宜設定され、半値幅の範囲Rも測定対象物40の解析に必要となる測定精度(分解能)に応じて適宜設定される。また、目的波長の値及び数(ピーク波長同士の間隔)は任意に設定することが可能である。
図4に示すように、波長可変干渉フィルター10を1回透過した場合では、1040nm以下の波長において半値幅(■印)がこの範囲Rの上限よりも大きくなり、波長可変干渉フィルター10を2回透過した場合では、1080nm以上の波長において半値幅(●印)がこの範囲Rの下限よりも小さくなってしまう。したがって、1回透過した場合及び2回透過した場合のいずれにおいても、各目的波長の半値幅が測定対象波長域に亘って半値幅の範囲R内に収まらないこととなる。
そこで、第1の実施形態に係る分光装置1は、第1の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルター10をn(nは整数)回通過し、第2の波長領域の波長を選択するとき光が波長可変干渉フィルター10をm(mはnより小さい整数)回通過するようにする手段として光学モジュール2を備えている。すなわち、光学モジュール2により、半値幅が大きく範囲Rを超えてしまう1040nm以下の波長に対しては波長可変干渉フィルター10をn(n=2)回透過させ、半値幅が範囲R内となる1060nm以上の波長に対しては波長可変干渉フィルター10をm(m=1)回透過させる。
図6は、第1の実施形態に係る分光装置の光学特性における各ピーク波長の半値幅を示す図である。図6に示すように、分光装置1では、1040nm以下の波長に対しては波長可変干渉フィルター10を2回透過した半値幅(●印)が得られ、1060nm以上の波長に対しては波長可変干渉フィルター10を1回透過した半値幅(■印)が得られる。
これにより、測定対象波長域の1000nm〜1260nmに亘って所望の半値幅6nm±1.5nmの範囲Rで測定することが可能となり、波長毎の半値幅の振れ幅を小さくして透過光量をより均一にできるので、高精度な測定が可能となる。また、所望の半値幅の範囲Rで測定可能な波長領域を広くできるので、様々な測定対象物の測定に適用が可能となる。
[光学モジュール]
続いて、第1の実施形態に係る光学モジュール2について、図7を参照して説明する。図7は、第1の実施形態に係る光学モジュールの構成を示す模式図である。図7に示すように、第1の実施形態に係る光学モジュール2は、上述した波長可変干渉フィルター10と、ダイクロイックミラー3と、プリズム4と、プリズム5とを備えている。なお、図示を省略するが、光学モジュール2は、測定対象物40で反射された測定対象光Lを、波長可変干渉フィルター10に導く入射光学系を備えている。
ダイクロイックミラー3は、入射する光のうち、第1の波長領域の波長の光を反射し、第2の波長領域の波長の光を透過させる。これにより、ダイクロイックミラー3は、光学モジュール2に入射してディテクター31で受光されるまでの測定対象光Lの経路(以下では光路という)を、波長によって異ならせる機能を果たす。
図8は、第1の実施形態に係るダイクロイックミラーの特性を示す図である。図8に示すように、本実施形態では、ダイクロイックミラー3は、1050nm以下の波長の光を反射し、1060nm以上の波長の光を透過させる。したがって、測定対象波長域を1000nm〜1260nmとし、この波長域において目的波長を20nm毎に設定すると、ダイクロイックミラー3は、第1の波長領域(1040nm以下)の波長の光を反射し、第2の波長領域(1060nm以上)の波長の光を透過させる。
図7に戻り、ダイクロイックミラー3は、プリズム4とプリズム5との間に配置されている。換言すれば、プリズム4は、波長可変干渉フィルター10を透過しダイクロイックミラー3に入射する光路上におけるダイクロイックミラー3の前段に配置されている。プリズム5は、ダイクロイックミラー3を透過しディテクター31に入射する光路上におけるダイクロイックミラー3の後段に配置されている。測定対象物40で反射された測定対象光Lは、波長可変干渉フィルター10を透過して、プリズム4に入射し、プリズム4で反射されてダイクロイックミラー3に入射する。
ここで、上述したように、V−λデータに基づいて測定対象波長域における所定の波長間隔毎の目的波長に対応する駆動電圧が静電アクチュエーター26(図2参照)に印加されることで、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法が変化して、波長可変干渉フィルター10を透過する光のピーク波長(目的波長)が選択される。
1040nm以下の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1040nm以下の波長の光L1は、ダイクロイックミラー3で反射されて波長可変干渉フィルター10を再度透過し、ディテクター31で受光される。1060nm以上の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1060nm以上の波長の光L2は、ダイクロイックミラー3を透過し、プリズム5で反射されてディテクター31で受光される。
このように、光学モジュール2では、測定対象光Lに対して、測定対象波長域である1000nm〜1260nmのうち、1040nm以下の波長の光L1は波長可変干渉フィルター10を2回透過してディテクター31で受光され、1060nm以上の波長の光L2は波長可変干渉フィルター10を1回透過してディテクター31で受光される。これにより、図6に示すように、分光装置1では、測定対象波長域の1000nm〜1260nmに亘って、目的波長毎の半値幅を所望の半値幅6nm±1.5nmの範囲Rで測定することができる。
なお、ダイクロイックミラー3の特性は、図8に示す特性に限定されるものではなく、波長可変干渉フィルター10の光学特性、測定対象光Lの波長帯域、光量、および露光条件、測定対象波長域、所望の半値幅の範囲R等に応じて適宜選択することができる。
例えば、ダイクロイックミラー3の特性を適宜選択することにより、波長可変干渉フィルター10をn回透過させる波長とm回透過させる波長との境界を変更できるので、測定対象物40によって解析に必要となる分解能に応じて、半値幅を小さくする高分解能と、半値幅が大きくてもよい低分解能とを選択できる。これにより、一つの光学モジュール2において、ダイクロイックミラー3の選択により、半値幅が小さく高精度で測定可能な高分解モードと、精度よりも測定速度を重視し半値幅が大きくてもよい低分解モードとを切り換えることが可能となる。また、ダイクロイックミラー3の選択により、例えば、測定対象波長域内の第1の波長領域を高分解モードで測定し、第2の波長領域を低分解モードで測定すること等も可能となる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る光学モジュール2及び分光装置1によれば、測定対象波長域における目的波長毎の半値幅の振れ幅を小さくして受光光量をより均一にできるので、高精度な測定が可能となる。そして、ダイクロイックミラー3の特性を適宜選択することにより、所望の半値幅の範囲Rで測定できる測定対象波長域をより広くすることができるので、様々な測定対象物の測定に適用することが可能となる。また、ダイクロイックミラー3の特性を適宜選択することにより、所望の目的波長の光に対して波長可変干渉フィルター10を透過した光の半値幅を所望の範囲Rに調整することができる。これにより、解析に必要となる分解能に応じて高分解能と低分解能とを選択可能となるので、様々な目的、用途に適した光学モジュール2及び分光装置1を提供できる。
(第2の実施形態)
[光学モジュール]
次に、第2の実施形態に係る光学モジュールについて、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は、第2の実施形態に係る光学モジュールの構成を示す模式図である。詳しくは、図9は第1の波長領域(1040nm以下)の波長が選択されたときの状態を示す図であり、図10は第2の波長領域(1060nm以上)の波長が選択されたときの状態を示す図である。
第2の実施形態に係る光学モジュール2Aは、第1の実施形態に係る光学モジュール2に対して、ダイクロイックミラー3の代わりにハーフミラー6を備え、シャッター7a,7bを備えている点が異なる以外は、第1の実施形態と同様の構成を有している。ここでは、第1の実施形態との相違点を説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9及び図10に示すように、第2の実施形態に係る光学モジュール2Aは、波長可変干渉フィルター10と、ハーフミラー6と、プリズム4と、プリズム5と、シャッター7aと、シャッター7bとを備えている。ハーフミラー6の反射率(透過率)は50%とする。すなわち、ハーフミラー6は入射する光の50%を反射し、残りの50%を透過させる。
シャッター7aは、ハーフミラー6で反射され、波長可変干渉フィルター10を再度透過してディテクター31に入射する光路上におけるディテクター31の前段に配置されている。シャッター7aは、第1の波長領域(1040nm以下)の波長が選択されたとき光を透過し、第2の波長領域(1060nm以上)の波長が選択されたとき光を遮断する。
シャッター7bは、ハーフミラー6を透過し、プリズム5で反射されてディテクター31に入射する光路上におけるディテクター31の前段に配置されている。シャッター7bは、第1の波長領域(1040nm以下)の波長が選択されたとき光を遮断し、第2の波長領域(1060nm以上)の波長が選択されたとき光を透過する。
図9に示すように、1040nm以下の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1040nm以下の波長の光L1のうち50%は、ハーフミラー6で反射されて波長可変干渉フィルター10を再度透過し、シャッター7aを透過してディテクター31で受光される。一方、波長可変干渉フィルター10を透過した1040nm以下の波長の光L1のうち残りの50%は、ハーフミラー6を透過しプリズム5で反射されてディテクター31に向かうが、シャッター7bで遮断されてディテクター31には入射しない。
図10に示すように、1060nm以上の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1060nm以上の波長の光L2のうち50%は、ハーフミラー6で反射されて波長可変干渉フィルター10を再度透過してディテクター31に向かうが、シャッター7aで遮断されてディテクター31には入射しない。一方、波長可変干渉フィルター10を透過した1060nm以上の波長の光L2のうち残りの50%は、ハーフミラー6を透過しプリズム5で反射され、シャッター7bを透過してディテクター31で受光される。
このように、光学モジュール2Aでは、測定対象光Lに対して、測定対象波長域である1000nm〜1260nmのうち、第1の波長領域である1040nm以下の波長の光L1は、波長可変干渉フィルター10を2回透過してディテクター31で受光される。そして、第2の波長領域1060nm以上の波長の光L2は、波長可変干渉フィルター10を1回透過してディテクター31で受光される。
これにより、ダイクロイックミラー3の代わりにハーフミラー6を備えた光学モジュール2Aでも、測定対象波長域の1000nm〜1260nmに亘って所望の半値幅6nm±1.5nmの範囲Rで測定することが可能となり、波長毎の半値幅の振れ幅を小さくして受光光量をより均一にできるので、第1の実施形態と同様に高精度な測定が可能となる。
なお、第2の実施形態では、ハーフミラー6に入射する光の50%はディテクター31で受光されないため、受光光量が少ない場合等は、必要に応じて、測定対象物40に照射する光(測定対象物40が発光体である場合は発光する光)の光量を増やす、あるいは、露光時間を長くする等の調整を行うことが好ましい。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態では、1000nm〜1260nmの測定対象波長域において、第1の波長領域として1040nm以下の波長の光が波長可変干渉フィルター10をn(n=2)回透過し、第2の波長領域として1060nm以上の波長の光が波長可変干渉フィルター10をm(m=1)回透過することとしたが、本発明はこのような形態に限定されない。第1の波長領域と第2の波長領域とを上記と異なる設定としてもよい。
図11は、変形例1に係るダイクロイックミラーの特性の一例を示す図である。図11に実線で示すように、例えば、1100nm以下の波長の光を反射し1110nm以上の波長の光を透過させるダイクロイックミラーを用いることで、第1の波長領域を1100nm以下とし、第2の波長領域を1120nm以上としてもよい。また、図11に破線で示すように、例えば、1200nm以下の波長の光を透過させ1210nm以上の波長の光を反射するダイクロイックミラーを用いることで、第1の波長領域を1200nm以下とし、第2の波長領域を1220nm以上としてもよい。このように、ダイクロイックミラーを選択することで、波長可変干渉フィルター10の光学特性に応じて、第1の波長領域及び第2の波長領域のそれぞれの範囲(境界となる波長)を変化させることができる。
(変形例2)
上記実施形態では、1000nm〜1260nmの測定対象波長域において、第1の波長領域の波長の光が波長可変干渉フィルター10をn(n=2)回透過し、第2の波長領域の波長の光が波長可変干渉フィルター10をm(m=1)回透過することとしたが、本発明はこのような形態に限定されない。特性が異なる複数のダイクロイックミラーを組み合わせることで、第1の波長領域及び第2の波長領域に加えて第3の波長領域を設定し、いずれかの波長領域の波長の光に対して波長可変干渉フィルター10を透過させる回数nを3以上とする構成としてもよい。
図12は、変形例2に係る光学モジュールの構成を示す模式図である。図12に示すように、変形例2に係る光学モジュール2Bは、第1の実施形態の光学モジュール2に対して、さらにダイクロイックミラー8とプリズム41,42,43,44とを備えている。すなわち、光学モジュール2Bは、ダイクロイックミラー3とダイクロイックミラー8との互いに特性が異なる2つのダイクロイックミラーを備えている。
ダイクロイックミラー3は図8に示す特性を有し、ダイクロイックミラー8は図11に実線で示す特性を有しているものとする。変形例2では、第1の波長領域を1040nm以下とし、第2の波長領域を1060nm以上かつ1100nm以下とし、第3の波長領域を1120nm以上とする。そして、波長可変干渉フィルター10を透過する光のうち、1040nm以下の波長の光をL1とし、1060nm以上かつ1100nm以下の波長の光をL2とし、1120nm以上の波長の光をL3とする。
図12に示すように、測定対象物40で反射された測定対象光Lは、波長可変干渉フィルター10を透過して、プリズム4に入射し、プリズム4で反射されてダイクロイックミラー8に入射する。ダイクロイックミラー8は、1100nm以下の波長の光を反射し1110nm以上の波長の光を透過させるので、1040nm以下の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1040nm以下の波長の光L1は、ダイクロイックミラー8で反射されて波長可変干渉フィルター10を再度透過する。
波長可変干渉フィルター10を再度透過した1040nm以下の波長の光L1は、プリズム41で反射されて、ダイクロイックミラー3に入射する。ダイクロイックミラー3は、1040nm以下の波長の光を反射し1060nm以上の波長の光を透過させるので、1040nm以下の波長の光L1は、ダイクロイックミラー3で反射され、波長可変干渉フィルター10を再々度透過してプリズム43で反射され、プリズム44で反射されてディテクター31で受光される。
1060nm以上かつ1100nm以下の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1060nm以上かつ1100nm以下の波長の光L2は、ダイクロイックミラー8で反射されて波長可変干渉フィルター10を再度透過し、プリズム41で反射されてダイクロイックミラー3に入射する。そして、波長可変干渉フィルター10を再度透過した1060nm以上かつ1100nm以下の波長の光L2は、プリズム42で反射されてディテクター31で受光される。
また、1120nm以上の波長が選択されたとき、波長可変干渉フィルター10を透過した1120nm以上の波長の光L3は、ダイクロイックミラー8を透過し、プリズム5で反射されてディテクター31で受光される。
この結果、光学モジュール2Bでは、1040nm以下の波長の光L1は波長可変干渉フィルター10をn(n=3)回透過し、1060nm以上かつ1100nm以下の波長の光L2は波長可変干渉フィルター10をm(m=2)回透過し、1120nm以上の波長の光L3は波長可変干渉フィルター10を1回透過する。
なお、第1の実施形態のように、測定対象波長域のうち第1の波長領域の波長の光が波長可変干渉フィルター10を透過する回数をn回とし、第2の波長領域の波長の光が波長可変干渉フィルター10を透過する回数をm回とする構成において、n=3としm=1とする構成であってもよい。
(変形例3)
上記実施形態及び変形例の光学モジュール2,2A,2Bは、分光装置1以外の電子機器にも適用できる。例えば、色を測定するための測色装置、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置、食物や生体、鉱物等の物質成分分析装置、分光画像を撮像する赤外線カメラ等の分光カメラ、分光分析機等にも適用できる。
1…分光装置、2,2A,2B…光学モジュール、3,8…ダイクロイックミラー、10…波長可変干渉フィルター、25a…固定反射膜、25b…可動反射膜、26…静電アクチュエーター(ギャップ変更部)、31…ディテクター(受光部)、G1…ギャップ。

Claims (5)

  1. 互いに対向する一対の反射膜と、
    前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有する波長可変干渉フィルターを備え、
    第1の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをn(nは整数)回通過し、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをm(mはnより小さい整数)回通過することを特徴とする光学モジュール。
  2. 請求項1に記載の光学モジュールであって、
    n=2であり、m=1であることを特徴とする光学モジュール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学モジュールであって、
    前記第1の波長領域の波長の光を反射し、前記第2の波長領域の波長の光を透過させるダイクロイックミラーを備えていることを特徴とする光学モジュール。
  4. 請求項3に記載の光学モジュールであって、
    前記ダイクロイックミラーを選択することにより、波長分解能を高分解能と低分解能とで選択可能であることを特徴とする光学モジュール。
  5. 互いに対向する一対の反射膜と、
    前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有する波長可変干渉フィルターと、
    前記波長可変干渉フィルターから射出された光を受光する受光部と、を備え、
    第1の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをn(nは整数)回通過し、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を選択するとき光が前記波長可変干渉フィルターをm(mはnより小さい整数)回通過することを特徴とする分光装置。
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