JP6011300B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御装置に関する。
従来、この種の制御装置として、自動二輪車の自動変速機に適用され、スロットル弁の制御において異常が発生した場合に、当該スロットル弁の開度(スロットル開度)を小さくする制御を行うとともに、自動変速機の変速比が高速側(変速比が小さくなる側)に変化することを抑制する制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この制御装置によれば、スロットル弁の制御において異常が発生した場合に、後輪に伝達されるトルクが急激に低下するのを抑制することができる。
特開2010−249221号公報
しかしながら、車両に搭載される自動変速機のなかには、低速側の特定の変速段(低変速段)を成立させるための構成要素としてクラッチ/ブレーキに加えてワンウェイクラッチを用いるものもある。こうした自動変速機では、上述の従来の制御装置のように変速比が高速側に変化することを抑制する、換言すれば低速側に維持しようとしてもワンウェイクラッチの作用により減速トルクを出すことができない。したがって、このような自動変速機に従来の制御装置を適用しても、吸気アクチュエータの異常発生時に減速トルクが不足してしまう可能性がある。
また、こうした自動変速機では、例えば降坂路等のような車速が増加する走行状況においては車速の増加に伴ってアップシフトが発生することとなる。このとき、アップシフト後に発生する駆動力は、アップシフト前の駆動力よりも大きくなるため、かえって車速を増加させてしまう結果となりかねない。この結果、減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうおそれがある。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、吸気アクチュエータの異常発生時にあっても減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうことを防止することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置は、上記目的達成のため、(1)吸気アクチュエータを有する内燃機関を備えた車両に搭載され、複数の係合要素およびワンウェイクラッチを選択的に係合させることにより変速比の異なる複数の変速段を成立させる自動変速機の制御装置であって、前記吸気アクチュエータの異常時に成立している前記変速段が前記ワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段である場合には、前記特定の変速段から高速側の変速段へのアップシフト後の前記車両の駆動力が0または負の値となるまで、前記特定の変速段から前記高速側の変速段へのアップシフトを禁止する制御手段を備える。
この構成により、本発明に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常時に成立している変速段がワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段である場合には、その特定の変速段から高速側の変速段へのアップシフト後の車両の駆動力が0または負の値となるまで特定の変速段から高速側の変速段へのアップシフトを禁止する。
このため、例えば降坂路等のような車速が増加する走行状況においては、吸気アクチュエータの異常が発生していても特定の変速段からのアップシフト後に発生する車両の駆動力が正の値となることがない。したがって、アップシフトに伴う車速の増加を抑制することが可能となる。
この結果、本発明に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常発生時にあっても減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る自動変速機の制御装置は、上記(1)に記載の自動変速機の制御装置において、(2)前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記吸気アクチュエータの異常時に成立している前記変速段が前記特定の変速段である場合には、前記車速検出手段により検出される車速が所定の車速となるまで前記アップシフトを禁止するよう構成され、前記所定の車速は、前記アップシフト後の前記駆動力が0または負の値となる車速である構成を有する。
この構成により、本発明に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常時における特定の変速段からのアップシフトを車速に基づき禁止するので、アップシフト後の駆動力が正の値となる適切なタイミングで当該アップシフトを許可することができる。
本発明によれば、吸気アクチュエータの異常発生時にあっても減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうことを防止することができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置が搭載された車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るエンジンの概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。 本発明の実施の形態に係る自動変速機におけるクラッチおよびブレーキの係合表である。 本発明の実施の形態におけるアップシフト時の駆動力と車速との関係を示す図である。 本発明の実施の形態における吸気アクチュエータの異常発生時のアップシフト禁止制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る車両10は、駆動源としての内燃機関であるエンジン11と、エンジン11において発生した動力を伝達するとともに車両10の走行状態に応じて変速を行う自動変速機70とデファレンシャル機構40とを備えたトランスアクスル20と、自動変速機70などを油圧により制御するための油圧制御回路30と、デファレンシャル機構40によって伝達された動力を後述する駆動輪45L、45Rに伝達する駆動軸としてのドライブシャフト43L、43Rと、ドライブシャフト43L、43Rによって伝達された動力を用いて回転することにより車両10を駆動させる駆動輪45L、45Rとを備えている。さらに、車両10は、車両10全体を制御するための車両用電子制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100を備えている。
エンジン11は、自動変速機70に動力伝達可能に接続されている。本実施の形態では、エンジン11は、後述するピストン13が気筒としてのシリンダ14内を2往復する間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程をからなる一連の4行程を行うとともに、圧縮行程および膨張行程の間に点火を行う4サイクルのガソリンエンジンによって構成されているものとして説明する。なお、エンジン11に用いられる燃料は、エタノール等のアルコールを含むアルコール燃料であってもよい。
図1に示すように、エンジン11の吸気通路2には、燃焼室3に吸入される空気の量(吸入空気量)を調整すべく開閉動作するスロットルバルブ4が設けられている。このスロットルバルブ4の開度(スロットル開度)は、運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル5の操作量(アクセル操作量)に応じて調整される。また、エンジン11は、吸気通路2から燃焼室3の吸気ポート2aに向けて燃料を噴射するインジェクタ6を備えている。
エンジン11においては、インジェクタ6から噴射される燃料と吸気通路2を流れる空気とからなる混合気が燃焼室3に充填され、この混合気に対し点火プラグ12による点火が行われる。そして、点火後の混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによりピストン13がシリンダ14内を往復移動し、それに伴いクランクシャフト15が回転するようになる。一方、燃焼後の混合気は、排気として排気通路16に送り出される。なお、上記燃焼室3と吸気通路2との間は、クランクシャフト15からの回転伝達を受ける吸気カムシャフト25の回転に伴って開閉動作する吸気バルブ26によって連通・遮断される。また、上記燃焼室3と排気通路16との間は、クランクシャフト15からの回転伝達を受ける排気カムシャフト27の回転に伴って開閉動作する排気バルブ28によって連通・遮断される。
エンジン11には、吸気バルブ26の開閉特性を可変とする可変動弁機構として、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト25の相対回転位相(吸気バルブ26のバルブタイミング)を変更するバルブタイミング可変機構(以下、「VVT」という)29が設けられている。このVVT29の駆動により、吸気バルブ26の開弁期間(作動角)を一定に保持した状態で吸気バルブ26の開弁時期および閉弁時期がともに進角または遅角される。
図1に戻り、トランスアクスル20は、エンジン11から出力されたクランクシャフト15(図2参照)の回転を自動変速機70によって所望の変速比に応じて変速し、デファレンシャル機構40を介してドライブシャフト43L、43Rに伝達するようになっている。デファレンシャル機構40は、カーブ等を走行する場合に、駆動輪45Lと駆動輪45Rとの回転数の差を許容するものである。自動変速機70の構成については後述する。
油圧制御回路30は、図示しないオイルポンプによってオイルパンから汲み上げられたオイルを、ECU100によって制御される複数のソレノイド弁等により回路の切り替えおよび油圧を制御し、トランスアクスル20に出力して、トランスアクスル20を制御するようになっている。
駆動輪45L、45Rは、ドライブシャフト43L、43Rに取り付けられた金属製などのホイールと、このホイールの外周を覆うように取り付けられた樹脂製などのタイヤとを備えている。また、駆動輪45L、45Rは、ドライブシャフト43L、43Rによって伝達された動力により回転し、タイヤと路面との摩擦作用によって、車両10を駆動させるようになっている。
ECU100は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)と、
固定されたデータの記憶を行うROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、入力インターフェース回路と、出力インターフェース回路(いずれも図示しない)と、を有している。ECU100は、さらに、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)や、通信手段などを備えていてもよい。このECU100は、車両10の制御を統括するようになっている。
例えば、ROMには、後述する本実施の形態に係る制御用プログラムなどが記憶され、記憶装置として機能するようになっている。CPUは、このROMに記憶された制御プログラムに基づいて演算処理を実行するようになっている。また、RAMは、CPUによる演算結果や、後述する各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するようになっている。また、不揮発性のメモリにより構成されたEEPROMやバックアップメモリなどによって、例えば、エンジン11の停止時に保存すべきデータ等を記憶するようになっている。
上記CPU、RAMおよびROMなどは、バスを介して互いに接続されるとともに、入力インターフェースおよび出力インターフェースと接続されている。入力インターフェースには、各種センサが接続されていて、これらセンサが検出した信号が入力されるようになっている。出力インターフェースには、例えば油圧制御回路30を構成するソレノイド弁などが接続されており、ECU100が各種センサからの検出信号に基づいて各種制御を実行するようになっている。
また、図1および図2に示すように、ECU100の入力側には、スロットル開度センサ18、エアフローメータ19、カムポジションセンサ21、クランクセンサ81、シフトセンサ82、駆動軸回転数センサ83およびアクセル開度センサ84、その他図示しない各種センサが接続されている。これら各センサは、検出した検出信号をECU100に入力するようになっている。
スロットル開度センサ18は、スロットル開度を検出する。エアフローメータ19は、吸気通路2を通過する空気の量(内燃機関1の吸入空気量)を検出する。カムポジションセンサ21は、吸気カムシャフト25の回転に基づき、その回転位置に対応した信号を出力する。
クランクセンサ81は、クランクシャフト15の回転数を検出する。クランクセンサ81は、クランクシャフト15のクランク位置やクランク角度を検知して、エンジン回転速度の信号を検出できるクランクポジションセンサである。ECU100は、クランクセンサ81によって入力された検出信号が表すクランクシャフト15の回転数を、エンジン回転数Neとして取得する。
シフトセンサ82は、シフトレバー7が複数の切り替え位置のうちいずれの切り替え位置にあるのかを検出する。このシフトセンサ82は、シフトレバー7が、パーキング(Pレンジ)、リバース(Rレンジ)、ニュートラル(Nレンジ)、ドライブ(Dレンジ)、セカンド(2レンジ)、ロー(Lレンジ)などの各種シフトポジションに選択されたことを検知するシフトポジションセンサである。
駆動軸回転数センサ83は、ドライブシャフト43Lまたは43Rのいずれかの回転数を検出する。ECU100は、駆動軸回転数センサ83によって入力された上記検出信号に基づいて、車両10の走行速度、すなわち車速Vを算出するようになっている。本実施の形態における駆動軸回転数センサ83は、本発明に係る車速検出手段を構成する。
アクセル開度センサ84は、運転者の踏み込みにより操作されるアクセルペダル5の近傍に配置され、アクセルペダル5の開度(以下、アクセル開度Accともいう)を検出する。このアクセル開度センサ84は、アクセルペダル5の踏込み量に対して直線的に出力電圧が得られるリニアタイプのアクセルポジションセンサにより構成されている。アクセル開度センサ84は、エンジン11の出力を決定するようになっており、アクセル開度Accは、運転者の加速要求を表している。
また、ECU100の出力側には、インジェクタ6、点火プラグ12、スロットルアクチュエータ23、VVT29といった各種機器の駆動回路等が接続されている。
ECU100は、上記各種センサ等から入力した信号に基づき、スロットルバルブ4、各インジェクタ6、点火プラグ12およびVVT29の駆動回路や油圧制御回路30に対し指令信号を出力する。こうしてエンジン11のスロットル開度制御、燃料噴射制御、点火時期制御および吸気バルブ26のバルブタイミング制御などのエンジン11の各種運転制御や、自動変速機70における変速制御などがECU100を通じて実施される。
特に、ECU100は、ROM内に予め記憶された変速線図を参照して、スロットル開度センサ18により検出されたスロットル開度θthおよび駆動軸回転数センサ83の検出結果から算出された車速Vに基づいて、アップシフトまたはダウンシフトを行う変速制御を実行するようになっている。例えば、ECU100は、変速線図においてスロットル開度θthと車速Vとによって決まる走行状態がアップシフト線を超えた場合にはアップシフトを行い、またダウンシフト線を超えた場合にはダウンシフトを行うようになっている。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係るトランスアクスル20の詳細な構成について説明する。
図3に示すように、トランスアクスル20は、上述した通り、自動変速機70とデファレンシャル機構40とを備え、さらに自動変速機70とエンジン11との間にトルクコンバータ60とが設けられている。
トランスアクスル20は、エンジン11からトルクコンバータ60を介して入力された回転動力を、自動変速機70、動力伝達機構90およびデファレンシャル機構40を経由して左右のドライブシャフト43L、43Rに取り付けられる駆動輪45L、45R(図1参照)に伝達するように構成されている。
これらトランスアクスル20の構成要素は、トランスアクスル20のケース(図示省略)に収容されている。トランスアクスル20のケースは、例えば、トランスアクスルハウジング、トランスアクスルケース、リヤカバー等からなる一体ケースとして構成されている。
トランスアクスル20の各構成要素の基本構成や、トランスアクスル20の動作については公知であるので、ここでは簡単に説明する。
トルクコンバータ60および自動変速機70は、クランクシャフト15と同軸上に配置されたインプットシャフト71に設けられている。トルクコンバータ60は、主として、インプットシャフト71に連結されているポンプインペラ61と、タービンランナ62と、ステータ63と、ロックアップクラッチ64とを含んだ構成となっている。
自動変速機70は、ラビニオ式と呼ばれる遊星歯車機構と、複数のクラッチC1〜C3と、複数のブレーキB1〜B3と、複数のワンウェイクラッチF1、F2とを含んだ構成となっており、例えば前進4段(1st〜4th)、後退1段の変速を行うように構成されている。クラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B3は、多板式のクラッチやブレーキ等のように、油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置により構成されている。換言すれば、クラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B3は、その係合および解放がECU100によって油圧制御回路30を介して制御される。ここで、上述のクラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B3は、本発明における係合要素を構成する。
動力伝達機構90は、主としてカウンタードライブギヤ91およびカウンタードリブンギヤ92を含んで構成されており、自動変速機70から出力された回転動力をデファレンシャル機構40に伝達するようになっている。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る自動変速機70における各クラッチおよびブレーキの係合関係について説明する。
図4に示すように、自動変速機70は、複数の係合要素であるクラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B3とワンウェイクラッチF1、F2とを選択的に係合させることにより、変速比の異なる複数の変速段(本実施の形態では、上述した通り前進4段、後退1段)を成立させるようになっている。
例えば、シフトポジションがDレンジにあるときは1st〜4thまでのいずれかの変速段が成立され、シフトポジションが2レンジにあるときは1stまたは2ndの変速段が成立され、シフトポジションがLレンジにあるときは1stの変速段のみが成立される。
ここで、本実施の形態に係る自動変速機70において、上記変速段1st〜4thのうち、変速段1stおよび2ndは、ワンウェイクラッチF1またはF2の係合を伴う変速段となっている。本実施の形態における変速段1stおよび2ndは、本発明に係る特定の変速段を構成する。
ところで、こうした自動変速機70を備える車両10では、例えばVVT29などの吸気アクチュエータに異常が発生すると、エンジン11の吸気系の負圧を利用してブースト機能を実現しているブレーキ装置(図示省略)に用いられる負圧が低下するおそれがある。このような場合、制動時のブレーキペダルの操作力が増加するおそれがある。なお、吸気アクチュエータには、ブレーキ装置に用いられる負圧に影響を与えるような各種アクチュエータが含まれる。
そこで、吸気アクチュエータの異常発生時には、フェールセーフとして、例えば車速Vを制限する車速制限がECU100により実行されるようになっている。具体的には、ECU100は、例えばスロットルバルブ4の閉制御などにより最高車速を極低速(例えば、5km/hや10km/hなど)に制限し、ブレーキ負圧が低下する車速領域を回避するようにしている。
ところが、従来、VVTなどの吸気アクチュエータのフェール時には、失火限界や触媒加熱防止の観点からスロットルバルブの最低スロットル開度を通常時(非フェール時)よりも高くしている。このため、車速Vの増加を抑える抑制性能が低く、特に降坂路走行中などのような場合には車速Vが増加し、この車速Vの増加に伴ってアップシフトが発生する。
つまり、従来の車両では、図5に示すように、車速V1で1stから2ndへのアップシフトが行われ、また車速V2で2ndから3rdへのアップシフトが行われる。こうしたアップシフトは、通常参照される変速線図に基づくものである。
このため、従来の車両における1stから2ndへのアップシフト点では、車両の駆動力が正の値として発生しており、したがって2ndへのアップシフト後の車速Vaでは、上記アップシフト点でアップシフトを行わないとした場合における1st時の駆動力Faよりもアップシフトを行った2nd時の駆動力Fbが大きくなる。2ndから3rdへのアップシフトも同様である。
このようなアップシフトによる駆動力の増加によって、かえって車速Vを増加させてしまう。こうした車速Vの増加は、減速トルクの不足感を運転者に与えることとなり好ましくない。
そこで、本実施の形態では、吸気アクチュエータの異常発生時(フェール時)に、以下に説明するアップシフト禁止制御をECU100によって実行するようにした。
図6は、本実施の形態におけるアップシフト禁止制御の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すアップシフト禁止制御は、ECU100により所定の時間間隔で周期的に実行される。なお、このアップシフト禁止制御は、車両10がDレンジで走行中に実施される。一方、運転者により2レンジやLレンジに操作された場合には、強制的にエンジンブレーキが作用し、減速トルクが発生するので、車速Vを抑制することが可能である。したがって、このような場合にはアップシフト禁止制御を実行しないこととした。
図6に示すように、ECU100は、車速制限中であるか否かを判断する(ステップS1)。車速制限中であるか否かは、例えばスロットルバルブ4の閉制御が実行中であるか否かによって判断することができる。
ECU100は、車速制限中でないと判断した場合には、吸気アクチュエータの異常が発生しておらず、車速Vを抑制する走行状況にないものと判断してアップシフトを許可して(ステップS5)、本処理を終了する。
一方、ECU100は、車速制限中であると判断した場合には、現在成立している変速段が1stあるいは2ndであるか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、ECU100は、変速線図あるいは後述するアップシフト禁止に基づき、前回周期で目標とされていた変速段が1stあるいは2ndであるか否かを判断する。例えば、アップシフトが禁止されていない場合には、前回周期では変速線図を参照してスロットル開度θthおよび車速Vに基づき目標とされる変速段が定まるので、当該変速段に基づき、現在成立している変速段が1stあるいは2ndであるか否かを判断できる。また、アップシフトが禁止されている場合には、アップシフトが許可されるまで変速段が維持されるので、その維持されている変速段に基づき、現在成立している変速段が1stあるいは2ndであるか否かを判断できる。
ECU100は、現在成立している変速段が1stあるいは2ndでないと判断した場合には、車速Vを増加させる要因となり得る正の駆動力が発生する可能性が低いものと判断してアップシフトを許可して(ステップS5)、本処理を終了する。
一方、ECU100は、現在成立している変速段が1stあるいは2ndであると判断した場合には、アップシフト後の変速段での車両10の駆動力が正となる車速であるか否かを判断する(ステップS3)。
具体的には、ECU100は、例えば、現在成立している変速段が1stであるときは、アップシフト後の2ndでの駆動力が0となる車速V3(図5参照)未満の車速であるか否かを判断する。また、現在成立している変速段が2ndであるときは、アップシフト後の3rdでの駆動力が0となる車速V4(図5参照)未満の車速であるか否かを判断する。
ここで、上述の車速V3、V4は、所定勾配における駆動力と車速との関係からアップシフト後の駆動力が0となる車速として予め実験的に求められているもので、ECU100のROMに記憶されている。
ECU100は、アップシフト後の変速段での車両10の駆動力が正となる車速でないと判断した場合には、当該駆動力が0あるいは負となったことからアップシフトを行ったとしても車速Vを増加させることがないので、アップシフトを許可して(ステップS5)、本処理を終了する。
例えば、現在成立している変速段が1stであるときは、車速Vが車速V3以上となったことによりアップシフトを許可する。また、現在成立している変速段が2ndであるときは、車速Vが車速V4以上となったことによりアップシフトを許可する。
一方、ECU100は、アップシフト後の変速段での車両10の駆動力が正となる車速であると判断した場合には、アップシフトを禁止して(ステップS4)、本処理を終了する。
例えば、現在成立している変速段が1stであるときは、車速Vが車速V3以上となるまでアップシフトが禁止される。ここで、車速V3は、現在成立している変速段が1stであるときにおけるアップシフト後の駆動力が0となる車速である。また、現在成立している変速段が2ndであるときは、車速Vが車速V4以上となるまでアップシフトが禁止される。ここで、車速V4は、現在成立している変速段が2ndであるときにおけるアップシフト後の駆動力が0となる車速である。
このように、ECU100は、吸気アクチュエータの異常発生により車速制限が実施されているときに成立している変速段が1stまたは2ndである場合には、これら1stまたは2ndから高速側(変速比の小さくなる側)の変速段へのアップシフト後の車両10の駆動力が0または負の値となるまで、当該アップシフトを禁止する。
以上のように、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常時に成立している変速段がワンウェイクラッチF1またはF2の係合を伴う1stまたは2ndである場合には、その1stまたは2ndから高速側の変速段(成立変速段が1stであれば2nd、成立変速段が2ndであれば3rd)へのアップシフト後の車両10の駆動力Fが0または負の値となるまで当該アップシフトを禁止する。
このため、例えば降坂路等のような車速Vが増加する走行状況においては、吸気アクチュエータの異常が発生していても1stまたは2ndからのアップシフト後に発生する車両10の駆動力Fが正の値となることがない。したがって、アップシフトに伴う車速Vの増加を抑制することが可能となる。
この結果、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常発生時にあっても減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常時における1stまたは2ndからのアップシフトを車速Vに基づき禁止するので、アップシフト後の駆動力Fが正の値となる適切なタイミングで当該アップシフトを許可することができる。
なお、本実施の形態においては、FF(Front engine Front drive)車両に本発明に係る自動変速機の制御装置を適用した例を説明したが、本発明に係る自動変速機の制御装置は、FR(Front engine Rear drive)車両に適用してもよく、四輪駆動車両に適用してもよい。
また、本実施の形態においては、内燃機関としてガソリンを燃料とするガソリンエンジンを適用した例について説明したが、内燃機関としてディーゼルエンジンを適用してもよい。
また、本実施の形態においては、ワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段として1stおよび2ndを有する自動変速機70を搭載した車両に、本発明に係る自動変速機の制御装置を適用した例を説明したが、ワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段を有する自動変速機を搭載した車両であればいずれの車両にも適用可能であり、例えば特定の変速段として1stのみを有する自動変速機や、特定の変速段として1st〜3rdを有する自動変速機等を搭載した車両にも適用できる。
さらに、本実施の形態においては、アップシフト禁止制御で用いられる車速V3、V4は、所定勾配における駆動力と車速との関係からアップシフト後の駆動力が0となる車速として予め実験的に求められるものとしたが、これに限らず、例えば車速V3、V4は、それぞれ路面の勾配に応じて変更する構成であってもよい。
以上説明したように、本発明に係る自動変速機の制御装置は、吸気アクチュエータの異常発生時にあっても減速トルクの不足感を運転者に与えてしまうことを防止することができ、ワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段を有する自動変速機の制御装置に有用である。
4…スロットルバルブ、10…車両、11…エンジン(内燃機関)、18…スロットル開度センサ、23…スロットルアクチュエータ、29…VVT(吸気アクチュエータ)、30…油圧制御回路、70…自動変速機、83…駆動軸回転数センサ(車速検出手段)、84…アクセル開度センサ、100…ECU(制御手段)、C1〜C3…クラッチ(係合要素)、B1〜B3…ブレーキ(係合要素)、F1,F2…ワンウェイクラッチ

Claims (2)

  1. 吸気アクチュエータを有する内燃機関を備えた車両に搭載され、複数の係合要素およびワンウェイクラッチを選択的に係合させることにより変速比の異なる複数の変速段を成立させる自動変速機の制御装置であって、
    前記吸気アクチュエータの異常時に成立している前記変速段が前記ワンウェイクラッチの係合を伴う特定の変速段である場合には、前記特定の変速段から高速側の変速段へのアップシフト後の前記車両の駆動力が0または負の値となるまで、前記特定の変速段から前記高速側の変速段へのアップシフトを禁止する制御手段を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記吸気アクチュエータの異常時に成立している前記変速段が前記特定の変速段である場合には、前記車速検出手段により検出される車速が所定の車速となるまで前記アップシフトを禁止するよう構成され、
    前記所定の車速は、前記アップシフト後の前記駆動力が0または負の値となる車速であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
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