JP6009632B1 - 工事用充填材 - Google Patents

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Abstract

【課題】JISA6201(2015)の規格を満たさない石炭灰を用いた工事用充填材の提供。【解決手段】固化材と、JISA6201(2015)の規格を満たさない石炭灰を含有するにもかかわらず、生コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利とを分離して得られたスラッジ水とを同時に含有させることで固液分離を抑制し、固化した際の強度も高くなる効果を奏する工事用充填材。前記スラッジ水は固形分濃度が1〜25質量%未満であり、材齢28日における圧縮強度が3.5〜30N/mm2であり、重金属等不溶化剤及び六価クロム還元剤を更に含む工事用充填材。【選択図】なし

Description

本発明は、工事用充填材に関する。
石炭火力発電所等においては石炭を燃焼させて発生させた熱エネルギーを発電等に利用している。そして、石炭火力発電所等において、石炭を燃焼させた際に生じる石炭灰のうち、JIS A 6201(2015)の規格を満たす石炭灰はセメントやコンクリートの混和材料等として、あるいは土木工事用等として使用されている。
しかしながら、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰は、その大半が産業廃棄物として処分等されている。これは、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰をセメント等と混合して工事用充填材として使用した場合、硬化する過程で固液分離する等で十分な品質を確保できない恐れがあり、この用途での混和材料として用いることが困難であったためである。
しかし、今後は石炭火力発電所が増加し、それと共に石炭灰の発生量も増加すると予想されており、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰についても有効に利用できる用途が求められていた。
そこで、本発明の一側面では、上記従来技術が有する問題に鑑み、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰を用いた工事用充填材を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、固化材と、比表面積が2,500cm /g以下、かつ強熱減量が5%以上8%以下の石炭灰と、生コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含む工事用充填材を提供する。
本発明の一態様によれば、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰を用いた工事用充填材を提供することができる。
本発明の実施形態におけるスラッジ水の発生フロー図。 本発明の実施形態における工事用充填材の使用例を表す図。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態では、本発明の工事用充填材の一構成例について説明を行う。
本実施形態の工事用充填材は、固化材と、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰と、生コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含むことができる。
上述のように、JIS A 6201(2015)の規格を満たさない石炭灰(以下、単に「JIS規格を満たさない石炭灰」とも記載する)は、固化材、水等と混合して用いた場合、例えば硬化する初期の過程で固液分離を生じる恐れがあり、工事用充填材として利用されていなかった。
特に工事用充填材のように、自己充填性や流動性を求められ、単位水量が多い製品に添加する場合、その製造過程や硬化過程で特に固液分離を生じ易かった。
ところが、既述のように近年は石炭火力発電所の稼働率が高くなっているため、石炭灰の発生量が増加しており、JIS規格を満たさない石炭灰についても有効に利用できる用途が求められていた。そこで、本発明の発明者らはJIS規格を満たさない石炭灰を用いた工事用充填材について検討を行い、JIS規格を満たさない石炭灰を添加した場合でも固液分離の発生を抑制できる方法について鋭意検討を行った。
その結果、工事用充填材にJIS規格を満たさない石炭灰を添加する際、スラッジ水をあわせて用いることで工事用充填材のブリーディング率を小さな値に抑制できる、すなわち固液分離を抑制できることを見出し本発明を完成させた。
以下に本実施形態の工事用充填材に含まれる各成分について説明する。
固化材としては特に限定されるものではなく、各種固化材を用いることができる。固化材としては例えばセメント系固化材を好ましく用いることができ、具体的には普通セメント、高炉セメント、早強セメント等を用いることができる。中でも本実施形態の工事用充填材は速やかに硬化させる必要はないことから、経済性や重金属等の溶出抑制の効果を考慮して高炉セメントB種を好ましく用いることができる。
次に、JIS規格を満たさない石炭灰について説明する。
ここでまず、石炭灰としては、フライアッシュ、シンダアッシュ、及びクリンカアッシュが挙げられる。
なお、フライアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集じん器で採取される石炭灰を意味する。また、シンダアッシュとは、燃焼ガスが空気予熱器・節炭器などを通過する際に落下採取される石炭灰を意味する。
特に、ボイラから発生したままの分級等の粒度調整を経ないフライアッシュ、及びシンダアッシュをあわせてフライアッシュ原粉ともいう。
そして、クリンカアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラの炉底に落下採取される石炭灰を意味し、塊状のものは、粉砕機で粉砕し砂状にして使用することができる。
上述の石炭灰のうち、JIS規格を満たさない石炭灰とは、例えば比表面積(ブレーン方法)が2,500cm/g以下、かつ強熱減量が5%以上8%以下の石炭灰が挙げられる。なお、JIS A 6201(2015)に示されているように、未燃炭素含有率の測定をJIS M 8819、またはJIS R 1603に規定する方法で行い、その結果をここでの強熱減量とすることができる。
なお、本実施形態の工事用充填材は、JIS規格を満たさない石炭灰に加えて、JIS規格を満たす石炭灰もあわせて用いることもできる。そして、上述したボイラから発生したままの分級等の粒度調整を経ないフライアッシュ、及びシンダアッシュであるフライアッシュ原粉はJIS規格を満たさない石炭灰、及びJIS規格を満たす石炭灰を両方包含している。このため、フライアッシュ原粉は本実施形態の工事用充填材の石炭灰として用いることもできる。
本実施形態の工事用充填材においては、後述のように砂を添加することもできるが、この際、工事用充填材における砂及び石炭灰の含有量は特に限定されるものではなく、得られる工事用充填材の流動性等を考慮して選択できる。ただし、砂の比率を高くして、石炭灰の添加量が少なすぎる場合、得られた工事用充填材をポンプにより圧送する際に配管内で詰まりが発生する可能性がある。このため、砂と石炭灰の総量(総体積量)のうち、石炭灰の含有量が5体積%以上になるように、すなわち、砂と石炭灰の総量を100体積%とした場合に、石炭灰の含有量が5体積%以上になるように、その含有量を選択することが好ましい。なお、ここでの石炭灰はJIS規格を満たさない石炭灰を含むことができる。すなわち、JIS規格を満たさない石炭灰のみから構成されていてもよく、JIS規格を満たす石炭灰と、JIS規格を満たさない石炭灰とを含む石炭灰であってもよい。
次にスラッジ水について説明する。
スラッジ水は、生コンクリートの取り扱いに用いられる設備、特に、生コンクリートの搬送に用いられるアジテータ車(ミキサー車)の荷室を洗浄した際に生ずる水から、砂および砂利を除去することで得られるものである。
スラッジ水は例えば図1に示す操作フローにより得ることができる。
最初に、生コンクリートの取り扱い設備からの洗浄水(以下、単に「洗浄水」と記載する)を骨材分級設備に投入する。
まず、該洗浄水を砂利回収用の振動ふるいにかけて、粒径の大きな砂利を回収する。次いで、砂利回収用の振動ふるいの下に落ちた水分をポンプによりサイクロン式分級器に供給して分級した後、さらに砂利を分級したときよりも目の細かい砂回収用の振動ふるいにより砂を回収する。
そして、この際に砂回収用の振動ふるいを通過したものをスラッジ水として回収する。
以上の工程によりスラッジ水を得ることができる。なお、係る操作に限定されるものではなく、洗浄水から砂利、砂を除去し、スラッジ水を回収できる方法であれば特に限定されることなく用いることができる。
また、本実施形態の工事用充填材においては、後述のように濃縮したスラッジ水も用いることができる。スラッジ水として濃縮したスラッジ水を用いる場合には、上述の工程の後さらに得られたスラッジ水を濃縮する操作を実施することができる。スラッジ水を濃縮する方法は特に限定されるものではなく、例えばデカンタ等を用いて濃縮することができる。
以上の工程により得られるスラッジ水には、生コンクリートに含有される固形分と、水とが含まれている。なお、生コンクリートに含有される固形分として具体的には例えば、セメント、微砂、石灰石粉、その他生コンクリートの骨材として用いられた砂や砂利の汚れ分が挙げられ、スラッジ水はこれらの中から選択された1種類以上の成分を含むことができる。
そして既述のように、本実施形態の工事用充填材はJIS規格を満たさない石炭灰と共に、スラッジ水をあわせて含有することで該工事用充填材のブリーディング率を小さな値に抑制できる、すなわち固液分離を抑制できる。これは、工事用充填材に添加する水分の少なくとも一部にスラッジ水を用いることで、JIS規格を満たさない石炭灰から分離する水分の割合を抑制できるためと考えられる。
特に本実施形態の工事用充填材は水単体は添加せず、スラッジ水により水を添加することが好ましい。スラッジ水により水を添加することで、JIS規格を満たさない石炭灰を添加したことによる固液分離の発生を特に抑制することができ好ましい。
本実施形態の工事用充填材に用いるスラッジ水の固形分濃度は特に限定されるものではないが、例えば1質量%より多く25質量%未満であることが好ましい。
上述のようにスラッジ水を添加することでJIS規格を満たさない石炭灰を添加した場合でも固液分離を抑制する効果を発揮できる。ただし、固形分濃度が1質量%より多い場合、固液分離を抑制する効果が特に高くなり、固液分離の発生をより確実に抑制することが可能になるためである。
また、スラッジ水中の固形分濃度が25質量%以上の場合、固形分濃度が高いためスラッジ水のハンドリングが困難になる場合があり好ましくないためである。また、濃縮を行っていないスラッジ水は固形分濃度が10質量%未満程度であり、固形分濃度を25質量%以上にまで濃縮するためには多くのエネルギーが必要となり、コストの観点からも好ましくないからである。
特に、本実施形態の工事用充填材に用いるスラッジ水の固形分濃度は5質量%以上20質量%未満であることがより好ましい。
なお、スラッジ水の固形分濃度は、濃縮する以外にも、例えば水を添加したり、乾燥したスラッジ水の固形分を用いることで調整することもできる。
以上に説明したように、本実施形態の工事用充填材がスラッジ水を含有することにより、工事用充填材がJIS規格を満たさない石炭灰を含有する場合でも固液分離が生じることを抑制することができる。
さらに、本発明の発明者らの検討によると、工事用充填材にスラッジ水と、JIS規格を満たさない石炭灰とを同時に添加することにより、工事用充填材に添加した成分から予想される工事用充填材の強度よりも強度を高めることができることが確認できた。これは、JIS規格を満たさない石炭灰に含まれるガラス状の二酸化ケイ素や、酸化アルミニウムと、スラッジ水に含まれるセメントの水和により生成される水酸化カルシウムとが反応したためと考えられる。
以上、本実施形態の工事用充填材に含まれる成分について説明してきたが、これらの成分のみに限定されるものではなく、必要に応じて各種添加剤等を添加することもできる。
例えば、本実施形態の工事用充填材には細骨材を添加することもできる。
細骨材としては例えば砂を用いることができ、砂としては、山砂、川砂、再生砂や、粉砕砂を使用することができる。
細骨材の粒径については特に限定されるものではないが、例えばその粒径としては0mmより大きく10mm以下であることが好ましく、0.075mm以上10mm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の工事用充填材は、六価クロム還元剤をさらに含むことができる。
本実施形態の工事用充填材はJIS規格を満たさない石炭灰を含む石炭灰等の工事用充填材の原料として用いた各種使用材料(以下単に「使用材料」と記載する)由来の六価クロム等の有害物質が混入する恐れがある。そこで、本実施形態の工事用充填材が六価クロム還元剤をさらに含有することで、六価クロムが混入した場合でも該六価クロムを安定化できるように構成することが好ましい。
六価クロム還元剤としては特に限定されるものではなく、例えば六価クロムを還元できる材料を好ましく用いることができる。六価クロムを還元できる六価クロム還元剤としては、具体的には例えば硫酸第一鉄一水塩、硫酸第一鉄七水塩、チオ硫酸ナトリウム等を用いることができる。
なお、本実施形態の工事用充填材に六価クロム還元剤を添加する場合、その添加量は特に限定されるものではなく、例えばJIS規格を満たさない石炭灰を含む石炭灰の添加量等に応じて任意に選択することができる。
具体的には例えば工事用充填材に硫酸第一鉄一水塩、および/または硫酸第一鉄七水塩を添加する場合、石炭灰の添加量に対して、水和水を含まないで計算した硫酸第一鉄(一水塩および/または七水塩)の添加量が0.1質量%以上2.5質量%以下であることが好ましい。特に0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
また、工事用充填材にチオ硫酸ナトリウムを添加する場合、石炭灰の添加量に対して、チオ硫酸ナトリウムの添加量が0.1質量%以上2.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
なお、ここでの石炭灰の添加量とは工事用充填材への石炭灰の添加量を意味し、JIS規格を満たさない石炭灰を含む石炭灰全体の工事用充填材への添加量を意味する。すなわち、工事用充填材に添加した石炭灰がJIS規格を満たさない石炭灰のみから構成されている場合には、係るJIS規格を満たさない石炭灰の工事用充填材への添加量を意味する。また、工事用充填材に添加した石炭灰がJIS規格を満たす石炭灰と、JIS規格を満たさない石炭灰とを含む場合には、両者の工事用充填材への添加量の合計が石炭灰の添加量となる。
また、本実施形態の工事用充填材は、重金属等不溶化剤をさらに含むことができる。
本実施形態の工事用充填材は使用材料由来の重金属等が工事用充填材に混入する恐れがある。そこで、本実施形態の工事用充填材が重金属等不溶化剤をさらに含有することで、重金属等が混入した場合でも工事用充填材が外部に溶出することを抑制することができるように構成することが好ましい。
重金属等不溶化剤としては特に限定されるものではなく、特に使用材料に含まれる可能性のある、六価クロム、ヒ素、ホウ素、セレン、フッ素が外部に溶出することを抑制できる材料を好ましく用いることができる。六価クロム、ヒ素、ホウ素、セレン、フッ素が外部に溶出することを抑制することができる重金属等不溶化剤としては、例えば酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等を好ましく用いることができる。
本実施形態の工事用充填材に重金属等不溶化剤を添加する場合、その添加量は特に限定されるものではなく、例えば使用材料の種類、配合量等に応じて任意に選択することができる。
具体的には例えば酸化マグネシウム、および/または炭酸マグネシウムを添加する場合その添加量は、調製する工事用充填材の質量に対して、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。特に0.5質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
なお、ここまで工事用充填材が任意に含有できる成分として、六価クロム還元剤、重金属等不溶化剤について説明したが、本実施形態の工事用充填材はこれらのうち1種類のみを含有することもでき、必要に応じて両成分を同時に含有することもできる。
本実施形態の工事用充填材は例えば、六価クロム還元剤として硫酸第一鉄(一水塩および/または七水塩)と、重金属等不溶化剤として酸化マグネシウムおよび/または炭酸マグネシウムとを同時に含有することができる。
六価クロム還元剤や、重金属等不溶化剤(以下、両剤をあわせて「重金属等低減材」とも記載する)を工事用充填材に添加するため、固化材等の他の成分と混合する際、重金属等低減材は工事用充填材内で均一に拡がることが好ましい。重金属等低減材を工事用充填材内で均一に拡げるためには重金属等低減材は塊を形成していない状態で工事用充填材に添加することが好ましいが、成分によっては空気中の水分等により塊状になり易い場合がある。
そこで重金属等低減材を工事用充填材に添加する場合には、予め分散用砂と混合した重金属等低減材−分散用砂混合体であるミックスサンドとし、できるだけ塊状の部分を少なくしてから添加することが好ましい。
分散用砂としては、重金属等低減材の間に入り込み、凝集することを防止できるものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、山砂、川砂、再生砂や、粉砕砂等から選択される1種類以上の砂を使用することが好ましい。特に工事用充填材に砂を添加する場合には、工事用充填材と同じ種類の砂を分散用砂として用いることが好ましい。なお、分散用砂由来の水分により重金属等低減材が凝集しないように、予め乾燥させた分散用砂を使用することが好ましい。
分散用砂の粒径については特に限定されるものではないが、粒径の小さい成分が多い方が工事用充填材等を分散する効果が高くなるため好ましい。例えば篩により2.5mm以下の粒径のものを選択して用いることが好ましく、篩により1.2mm以下の粒径のものを選択して用いることがより好ましく、篩により0.6mm以下の粒径のものを選択して用いることが特に好ましい。
分散用砂と重金属等低減材との混合比率は特に限定されるものではなく、重金属等低減材が凝集することを防止できる程度の量の分散用砂と、重金属等低減材とを混合すればよい。具体的には例えば、重金属等低減材の質量を100とした場合に、分散用砂の質量が30から100の範囲になるような比率で両者を混合することが好ましく、50から100の範囲になるような比率で両者を混合することがより好ましい。
分散用砂を重金属等低減材と混合するタイミングについては特に限定されるものではなく、例えば、重金属等低減材を予め分散用砂とを混合してから保管しておいても良い。また、工事用充填材に添加する直前に重金属等低減材と分散用砂とを混合しても良い。これは、工事用充填材に添加する直前の場合であっても、分散用砂と重金属等低減材とを混合することによって塊を低減し、分散用砂中に均一に分散させることができるためである。
分散用砂と重金属等低減材とを混合する方法は特に限定されるものではなく、ミキサーや各種ミルにより混合(混練)することができる。
以上説明してきた本実施形態の工事用充填材はこれまで説明してきた各成分を混練することにより製造することができる。
本実施形態の工事用充填材の製造方法としては、具体的には例えば、固化材と、JIS規格を満たさない石炭灰と、生コンクリート取扱い設備の洗浄水を砂及び砂利と分離して得られたスラッジ水とを混練する混練工程を有することができる。
また、さらに必要に応じて混練工程で得られた混練物に対して、六価クロム還元剤、及び重金属等不溶化剤から選択される1種類以上を添加、混練する添加剤添加工程を有することもできる。
なお、混練工程においては、上述の固化材、JIS規格を満たさない石炭灰、スラッジ水以外にも細骨材や、JIS規格を満たす石炭灰等もあわせて添加、混練することもできる。また、添加剤添加工程を別途設けず、混練工程において、六価クロム還元剤、及び重金属等不溶化剤から選択される1種類以上をあわせて添加し、混練することもできる。
各成分の含有量については特に限定されるものではなく、要求される流動性や、硬化した際の圧縮強度等に基づいて選択することができる。また、各成分についての詳細は既述のため、ここでは説明を省略する。
ここで、上記本実施の形態例に係る工事用充填材の使用形態の一例について、図2を参照して説明する。
図2は、山1の斜面2から僅かに離れた位置に建造物3が建設された状態を示す。
図2に示すように山1の斜面2から僅かに離れた位置に建造物3が建設される場合には、斜面を滑落する土砂が建造物3に到達するのを防止する必要がある。このため、斜面2と建造物3との間に工事用充填材4を充填している。
この際、工事用充填材4が流動性を示さないとすれば、工事用充填材4を、クレーン・バックホー等の重機を用いて、または、人力によって斜面2と建造物3との間に搬送することが必要である。これに対して、本実施形態の工事用充填材は流動性を有するため、工事用充填材4を斜面2と建造物3との間まで、流動的に搬送することができる。
すなわち、図2に示すように、工事用充填材4は、斜面2と建造物3との間までポンプ車5で圧送することができる。このとき、図2に示す工法は、工事用充填材4を圧送するポンプ車5を、建造物3の近傍の適当な位置に停車させ、ポンプ車5の吐出口から斜面2と建造物3との間まで配管6を敷設し、その後、ポンプ車5のポンプを作動させることにより工事用充填材4を搬送する。
配管6から斜面2と建造物3との間に流入した工事用充填材4は、自己の流動性に起因して、工事用充填材4の打ち込み箇所から工事用充填材4を充填すべき空間の全てにゆっくりと広がる。
このため、本実施形態の工法によれば、バイブレータ等の締め固め機材を用いることなく、優れた充填率を実現することができる。また、本実施形態の工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で斜面2と建造物3との間に工事用充填材4を充填することができる。
なお、本実施形態の工事用充填材の使用形態の他の例として、以下のような態様をとることができる。
例えば、地下鉄工事の過程で掘削部分を設けた場合、必要な作業が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。本実施の形態例に係る工事用充填材は、このような場合に、掘削部分に充填する埋め戻し材として用いることもできる。上述のように、本実施形態の工事用充填材は、作業時において適当な流動性を有している。このため、工事用充填材は、生コンクリートと同様にアジテータ車を用いて搬送することができる。
かかる工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で掘削部分の埋め戻しを行うことができる。
また、例えば、ビル建築の基礎工事において掘削部分を設けた場合、必要な作業が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。本実施形態に係る工事用充填材は、このような場合に、掘削部分に充填する埋め戻し材として用いることができる。
このとき、工事用充填材は、生コンクリートと同様にアジテータ車を用いて掘削部分の近傍まで搬送することができる。そして、アジテータ車が備えるシュートを介して、工事用充填材を掘削部分内部に供給する。
かかる工法によれば、上述の工法の場合と同様に、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で掘削部分の埋め戻しを行うことができる。
また、例えば、一戸建て家屋の基礎部分には、各部屋の間取りに対応するコンクリート壁が設けられる。コンクリート壁は、通常、30cm程度の地上高を有している。コンクリート壁で囲まれる地表面は、家屋の床面に湿気が達するのを避けるため、通常コンクリート等で被覆される。本実施の形態例に係る工事用充填材は、このような場合に、コンクリートに代わる被覆材として用いることもできる。
このとき、工事用充填材を用いて地表面を被覆する工事は、建設現場の近傍まで工事用充填材をアジテータ車で搬送し、アジテータ車が備えるシュートおよび配管を介して、工事用充填材を地表面の上部に供給する。
かかる工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で地表面を被覆することができる。
ところで、建造物と斜面との間に充填される工事用充填材は、上述の様に適切な流動性を有することが好ましい他、ブリーディング率が小さいことが好ましい。
ブリーディング率は、土木学会基準「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法(JSCE−F 522−2007)」に準じ、例えば以下の手順により求めることができる。
まず、混合直後の工事用充填材を所定のポリエチレン袋(径5cm、長さ50cm以上)に空気が混入しないように満たし、水を400cc入れたメスシリンダー内に入れ、工事用充填材の表面と水位を合わせることにより、初期体積を求める。そして、初期体積を求めた後放置し、放置20時間後に同様にして測定し浮水量を測定し、初期体積に対する割合でブリーディング率を求めることができる。
ブリーディング率が大きいと、工事用充填材の表面に、硬化の過程で大きな沈降が生ずることになる。このため、工事用充填材のブリーディング率は小さければ小さいほど好ましい。
工事用充填材が硬化する初期の過程では、例えばJIS規格を満たさない石炭灰のうち粒径の大きい石炭灰や固化材粒子は沈降し易く、不要分の水は比較的軽い微細な物質を伴って上昇し易い。特に、工事用充填材の調合過程で水が単体で加えられている場合に上記傾向が顕著になり分離し易くなる。これに対して、本実施形態の工事用充填材は、水分は主にスラッジ水に含まれる形態で加えられている。水分がこのような形態で加えられている場合、JIS規格を満たさない石炭灰等から分離する水分の割合が小さく抑制される。このため、工事用充填材のブリーディング率は、水が単体のみで加えられる工事用充填材等に比して、小さな値に抑えられている。
また、本実施形態の工事用充填材は上述のように各種用途で用いることができるが、各用途において、工事用充填材が実用上十分な強度(圧縮強度)を有するように調整することが好ましい。圧縮強度の選択は、工事用充填材を構成する固化材等の添加量を調整することにより行うことができる。
例えば本実施形態の工事用充填材は材齢28日における圧縮強度が3.5N/mmより大きいことが好ましい。これは圧縮強度を高めることにより、例えば工事用充填材に重金属等が含まれていた場合でも、工事用充填材が固化した後、外部に溶出することを抑制することができるためである。
特に重金属等が含まれていた場合でも、工事用充填材が固化した後に重金属等が外部に溶出することをより確実に防ぐため材齢28日における圧縮強度は5N/mmより大きいことがより好ましい。
ただし、本実施形態の工事用充填材は材齢28日における圧縮強度は30N/mm以下であることが好ましい。本実施形態の工事用充填材には既述のように石炭灰や、スラッジ水を含有しており、粘度が高くなり易い。そして、圧縮強度を30N/mmより大きくするために固化材の含有量を増加させると、さらに粘度が高くなり流動性が低下する場合がある。このため、本実施形態の工事用充填材は材齢28日における圧縮強度は30N/mm以下であることが好ましい。
特に粘度の上昇を抑制したい場合には、工事用充填材の材齢28日における圧縮強度は15N/mm以下であることがより好ましい。
以上説明してきたように、本実施形態の工事用充填材はJIS規格を満たさない石炭灰を含有しているにも関わらずスラッジ水を同時に含有させることで固液分離が生じることを抑制することができる。そして、JIS規格を満たさない石炭灰を添加することにより工事用充填材が固化した際の強度が高くなるという効果も奏することができる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
[実験例1−1〜実験例1−4]
固化材、石炭灰と、コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利と分離して得られ、各実験例について表1に示した固形分濃度に調整したスラッジ水と、砂とを表1に示した割合で混合して工事用充填材を調製し、圧縮強度について評価を行った。実験例1−1〜実験例1−3はいずれも実施例となる。
実験例1−4についてはスラッジ水に替えて水を用いており、比較例となる。
また、表1の各実験例における配合量は、工事用充填材1m当たりの各材料の質量を示している。
実験例1−1〜実験例1−4は固化材としては高炉セメントB種を用い、砂としては粒径が10mm以下の粉砕砂を用いた。なお、係る粉砕砂は、クラッシャーにより粉砕して得られた粉砕砂について、ふるいによって10mmより大きい粒径のもの除去したものである。
また、実験例1−1〜実験例1−4ではいずれも石炭灰としては、フライアッシュ原粉を用いており、JIS規格を満たさない石炭灰を用いている。なお、用いた石炭灰について比表面積、及び強熱減量を測定したところ、2,350cm/g、かつ強熱減量が5.6%であった。
なお、強熱減量は、未燃炭素含有率の測定をJIS R 1603(2007)に基づいて行い、測定した未燃炭素含有率を強熱減量とした。
得られた工事用充填材の圧縮強度の評価方法について説明する。
圧縮強度の測定に当っては、直径50mm、高さ100mmの円柱形状の試験体を作製し、所定の材齢(7日または28日)になったときに一軸圧縮強度試験機(株式会社篠原製作所製 一軸試験機(3kN))により測定を行った。各実験例で作製した工事用充填材について、6個の試験体を作製し、3個については1週間(7日)強度を、残りの3個については4週間(28日)強度を評価した。表1中、1、2、3と示しているのが各試験体についての評価結果を示しており、3個の試験体についての測定結果の平均値もあわせて示した。
結果を表1に示す。
Figure 0006009632
表1の結果によれば、実施例であり、スラッジ水を用いた実験例1−1〜実験例1−3については、材齢7日、28日、いずれの場合でもスラッジ水の固形分濃度が高くなるにつれて圧縮強度も高くなることが確認できた。これに対して、比較例である実験例1−4については、材齢7日の圧縮強度が平均値で0.08N/mm、材齢28日の圧縮強度が平均値で0.24N/mmと、他の実験例と比較して著しく低くなることが確認できた。
実験例1−1〜実験例1−3が、実験例1−4よりも圧縮強度が高い理由の1つとしては、スラッジ水を用いることでブリーディングを抑制できたことが挙げられる。
また、上述のように実験例1−1〜実験例1−3ではスラッジ水の濃度が高くなるにつれて圧縮強度が高くなっていることが確認できたが、実験例1−1〜実験例1−3はスラッジ水の固形分濃度以外は同じ条件で工事用充填材を調製している。従って、係る結果から、実験例1−1〜実験例1−3が、実験例1−4よりも圧縮強度が高い他の理由としては、スラッジ水の固形分と、用いた石炭灰に含まれる成分との間の反応により圧縮強度が高くなっていることが挙げられる。具体的には用いた石炭灰に含まれるガラス状の二酸化ケイ素や、酸化アルミニウムと、スラッジ水に含まれるセメントの水和により生成される水酸化カルシウムとが反応し、圧縮強度を高めているものと考えられる。
以上の結果から、スラッジ水を用いることで、従来工事用充填材に用いられていなかったJIS規格を満たさない石炭灰を用いて工事用充填材を調製できることが確認できた。特にスラッジ水とJIS規格を満たさない石炭灰とを用いることで、圧縮強度が高くなる効果も確認できた。
[実験例2−1〜実験例2−20]
各実験例について、固化材、石炭灰と、コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利と分離して得られ、各実験例について表2に示した固形分濃度に調整したスラッジ水と、砂とを表2に示した割合で混合して工事用充填材を調製した。実験例2−1〜実験例2−20はいずれも実施例となる。
なお、固化材、石炭灰、砂については実験例1−1〜実験例1−4の場合と同様の材料を用いた。
Figure 0006009632
得られた工事用充填材について以下の評価を行った。
(圧縮強度試験)
圧縮強度について、実験例1−1〜実験例1−4の場合と同様にして試験体を作製し、材齢7日、材齢28日における圧縮強度の評価を行った。それぞれの材齢について3つの試験体で測定を行い、その平均値を表3に示す。
なお、実験例2−1〜実験例2−20の圧縮強度の評価に当たっては、各実験例の工事用充填材を作製した際の配合から予測される圧縮強度に応じて、適切な圧縮強度試験機を用いて測定を行った。具体的には、一軸圧縮強度試験機(株式会社篠原製作所製 一軸試験機(3kN))、または一軸圧縮強度試験機(株式会社前川試験機製作所製 油圧式一軸試験機(2,000kN))を用いて測定を行った。
(外観評価)
また、得られた工事用充填材をフローコーンに詰めた後、工事用充填材を詰めたフローコーンを垂直に引き上げた際にできた試料の外観について評価を行った。具体的には、フローコーンを垂直に上げた際に工事用充填材が拡がってできた円に砂、粉体等の工事用充填材に含まれている成分が、偏りがなく均等に円全体に行き渡っている状態のものを良好として評価した。外観評価として表3に結果を示す。
(溶出量試験)
そして、得られた工事用充填材について、直径50mm、高さ100mmの円柱形状の試験体を作製し、材齢28日における該試験体からのCr6+(六価クロム)、As(ヒ素)、Se(セレン)、B(ホウ素)、Cd(カドミウム)、Pb(鉛)の溶出量について分析を行った。
溶出量の分析に当たっては、まず作製した各実験例の材齢28日の試験体を破砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させた。なお、破砕した試験体をふるいにかけた試料を以下試験粉と記載する。
次いで、試験粉(単位g)と溶媒(単位ml)とを、試験粉の重量体積比が10%となるように混合して試験液を調製した。なお、溶媒としてはpH(水素イオン指数)が5.8以上6.3以下となるように、純水に塩酸を加えた塩酸水溶液用い、試験液の体積が500ml以上となるように試験粉、及び溶媒を準備し、試験液を調製した。
得られた試験液を常温、常圧で振とう機を用いて、6時間振とうした。そして、試験液を10分〜30分程度静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した。
遠心分離処理後の試験液の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り、これを被測定液とした。
被測定液について、B(ホウ素)の分析の際には前処理せずICP−発光分析法を用いて分析した。
B以外の成分については、硝酸を入れ分解させる前処理を実施し、Cd(カドミウム)、Pb(鉛)、As(ヒ素)、Se(セレン)の分析にはICP−質量分析法により、Cr6+(六価クロム)は還元気化原子吸光光度法によりそれぞれの成分の溶出量を算出した。
結果を無添加時として表3に示す。
Figure 0006009632
各成分の平成3年環境庁告示第46号で定められた土壌環境基準、及び上記分析法による定量下限値について表4に示す。
Figure 0006009632
表3に示した分析結果によると、実験例2−1〜実験例2−12についてBが検出された以外については定量下限値以下(検出限界以下)であり、検出されなかった。
また、検出されたBについても土壌環境基準を下回っていることが確認できた。
実験例2−13〜実験例2−20については、溶出量試験を行った各成分について定量下限値以下(検出限界以下)であり、検出されないことを確認できた。
(六価クロム還元剤添加試料についての溶出量試験)
ここで各実験例で作製した工事用充填材について、工事用充填材に含まれる石炭灰質量に対して0.1質量%となるように、六価クロム還元剤として硫酸第一鉄七水塩を0.1質量%添加し、さらに混練した。そして、得られた工事用充填材について上記溶出量試験と同様にして試験体を作製し、溶出量試験を実施した。なお、溶出量の評価を行う際には、六価クロムについてのみ評価を行った。結果を表3の「六価クロム還元剤添加」の欄に示す。
表3に示した結果によると、いずれの実験例においても六価クロムの溶出量は定量下限値以下であることが確認された。
(重金属等不溶化剤添加試料についての溶出量試験)
ここで各実験例で作製した工事用充填材について、調製する工事用充填材全体の質量に対して0.5質量%となるように、重金属等不溶化剤として炭酸マグネシウムを0.5質量%添加し、さらに混練した。そして、得られた工事用充填材について上記溶出量試験と同様にして試験体を作製し、溶出量試験を実施した。結果を表3の「重金属等不溶化剤添加」の欄に示す。
表3に示した結果によると、いずれの実験例においてもB以外の成分については溶出が確認されなかった。そして、実験例2−1〜実験例2−4についてはBが検出されたが、いずれも表4に示した土壌環境基準値以下であることが確認できた。
既述のように実験例2−1〜実験例2−12については、重金属等不溶化剤を添加していない場合にBの溶出が確認されたが、重金属等不溶化剤を添加することで、実験例2−1〜実験例2−4についてはBの溶出量が低減できることを確認できた。また、実験例2−5〜実験例2−12については重金属等不溶化剤の添加により、Bの溶出量を定量下限値以下にできることを確認できた。

Claims (5)

  1. 固化材と、
    比表面積が2,500cm /g以下、かつ強熱減量が5%以上8%以下の石炭灰と、
    生コンクリート取り扱い設備の洗浄水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含む工事用充填材。
  2. 前記スラッジ水は固形分濃度が1質量%より多く25質量%未満である請求項1に記載の工事用充填材。
  3. 材齢28日における圧縮強度が3.5N/mmより大きく30N/mm以下である請求項1または2に記載の工事用充填材。
  4. 六価クロム還元剤をさらに含む請求項1乃至3いずれか一項に記載の工事用充填材。
  5. 重金属等不溶化剤をさらに含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の工事用充填材。
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