JP5894057B2 - ポンプ圧送用低強度コンクリート、ポンプ圧送用低強度コンクリートの製造方法 - Google Patents

ポンプ圧送用低強度コンクリート、ポンプ圧送用低強度コンクリートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポンプ圧送用低強度コンクリート、ポンプ圧送用低強度コンクリートの製造方法
に関する。
土砂崩れの発生等の危険性があることから、傾斜面にコンクリート製の防護壁(擁壁)を形成することが従来から行われている。防護壁は、防護壁の形状に合わせて傾斜面の表面から一定の間隔をあけて型枠を配置し、型枠と斜面との間に生コンクリートをポンプで圧送することにより打設し、これを硬化することにより形成される。
ところが、図1に示した傾斜面11の断面図の様に傾斜面11の表面に凹部12を有する場合、その表面に防護壁13を形成すると、例えば図中a、bで示される部分の様に防護壁13の中で厚さの異なる部分が生じる。このように厚さが大きく異なる部分があるとセメントと水との水和熱が冷却される過程でコンクリート内の収縮率に差異を生じ、形成した防護壁にクラックを生じる等の問題があった。
このような場合、凹部を土嚢、土砂等により塞いでから施工することも考えられるが、特に斜面が急な場合には、係る施工を行うことは困難である。
そこで、クラックの発生を防止するため、水和熱の発生量が少なくなるように生コンクリート中のセメントの配合量を少なくした低強度のコンクリートを凹部を埋めるための下地に用いることも考えられる。しかし、この場合、生コンクリートの粘性が低下するため、ポンプによる圧送ができず、実際の施工現場で使用することができないという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、低強度コンクリートであるにも関わらず、ポンプにより圧送することが可能なポンプ圧送用低強度コンクリートを提供することを目的とする。
本発明は、セメントと、
骨材と、
再生砂と、
コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含み、材齢28日における圧縮強度が、15N/mm 以下であるポンプ圧送用低強度コンクリートを提供する。
本発明の低強度コンクリートにおいては、セメントの配合量が少ない低強度コンクリートであるにも関わらず、ポンプ圧送することが可能であり、各種低強度のコンクリートが必要な現場において容易に施工することが可能になる。
従来の斜面の防護壁の説明図 本発明の実施形態におけるスラッジ水の発生フロー図。 本発明の実施形態における斜面の防護壁の説明図
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施態様]
本実施の形態例のポンプ圧送用低強度コンクリートは、セメントと、骨材と、再生砂と、コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含んでいる。
なお、ここでいう、ポンプ圧送用低強度コンクリートとしては、原料を混練した(生)コンクリート、および、係る生コンクリートの一部又は全部が硬化したコンクリートも包含する。
セメントとしては特に限定されるものではなく、各種セメント系固化材を好ましく用いることができ、具体的には普通セメント、高炉セメント、早強セメント、フライアッシュセメント等を用いることができる。中でも本実施形態例のポンプ圧送用低強度コンクリートでは普通セメントを好ましく用いることができる。
骨材としては特に限定されるものではなく、例えば天然骨材、再生粗骨材、人工骨材等を用いることができる。
中でも、骨材は再生粗骨材および/または人工骨材からなることが好ましい。
これは、再生粗骨材の場合は、例えば廃コンクリートを粉砕することにより生産することができるため、廃棄物の低減、コストの低減の観点から好ましい。
また、人工骨材としては例えば、人工軽量骨材や、火山礫、IWAシステムを用いて製造された骨材(以下、単に「IWA骨材」ともいう)を用いることができる。
人工軽量骨材、火山礫の場合は軽量であるため、コンクリートの重量を調整することが可能であるため、好ましく用いることができる。特に軟弱な地盤上にコンクリートを打設する場合に地盤の沈降を抑制することができるため、係る用途において好ましく用いることができる。また、IWA骨材とは、MAPEI社が開発した薬剤を、残コン、戻りコンと呼ばれる、廃棄される生コンクリートに添加、混合することにより製造することができる。IWA骨材は粒径、形状が略均一であるため、骨材として用いた場合にコンクリートの強度を高めることが可能になり、所望の圧縮強度を有するコンクリートとするために必要となるセメントの含有量を更に低減することができ、コストの観点から好ましく用いることができる。また、本来廃棄される材料を用いて製造するものであるため、コストの低減、環境負荷への低減等の観点から好ましく用いることができる。
上記再生粗骨材、人工骨材は各骨材の特性に応じていずれか1種類、または、複数種類を混合して用いることができる。特に上記骨材の中でもIWA骨材は所望の強度とするために必要となるセメントの使用量を低減することができるため、好ましく用いることができる。
再生砂としては例えば廃コンクリートを粉砕することにより得られたものを用いることができる。
再生砂の粒径としては特に限定されるものはないが、5mm以下であることが好ましい。再生砂は、上記の様に、廃コンクリートを粉砕することにより製造したものであり、一般的に用いられている川砂等に比較すると、粒度分布が広くなる。このため、上述の材料と混練して生コンクリートとした場合に、セメントの含有量が低い場合であっても生コンクリートの粘性を高め、ポンプによる圧送を行い易くなるため、本用途において好ましく用いることができる。
スラッジ水は、生コンクリートの取り扱いに用いられる設備、特に、生コンクリートの搬送に用いられるアジテータ車(ミキサー車)の荷室を洗浄した際に生ずる排水から、砂および砂利を除去することで得られるものである。本実施形態の(生)コンクリートに添加することにより、生コンクリートに十分な粘性を付与して、セメント量が少ない場合でもポンプにより圧送しやすくすることができる。
スラッジ水は例えば図2に示す操作フローにより発生する。
最初に、生コンクリートの取り扱い設備からの洗浄排水(以下、単に「洗浄排水」とも記載する)を骨材分級設備に投入する。
まず、該洗浄排水を振動ふるいにかけて、粒径の大きな砂利を回収する。次いで、
前記砂利回収用の振動ふるいの下に落ちた水分をポンプによりサイクロンに供給して分級した後、さらに振動ふるい(砂利を分級したときよりも目の細かい物)により砂を回収する。
そして、この際に振動ふるいを通過したものをスラッジ水として回収する。
以上の工程によりスラッジ水を得ることができる。なお、係る操作に限定されるものではなく、洗浄排水から砂利、砂を除去し、スラッジ水を回収できる方法であれば特に限定されることなく用いることができる。
係る工程の後、場合によってはさらにデカンタ等によりスラッジ水を濃縮する工程を行ってもよい。
以上の工程により得られるスラッジ水には、生コンクリートに含有される固形分(具体的には、セメント、微砂、石灰石粉、その他生コンクリートの骨材として用いられた砂や砂利の汚れ分)と、水とが含まれている。
得られたスラッジ水の固形分濃度は特に限定されるものではなく、要求される生コンクリートの粘性等に応じて選択することが好ましい。なお、固形分濃度を調整するためにスラッジ水をデカンタ等により濃縮することもできる。スラッジ水の固形分濃度として、例えば1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。
特にコンクリート1m当たりのセメント量が200kg以下の場合には、得られる生コンクリートの粘性が低くなり、特にポンプによる圧送が困難になる。このため、このような場合には、濃縮等によりスラッジ水の固形分濃度を特に高め、例えば10質量%以上としてから添加することが好ましく、これにより、生コンクリートに粘性を付与して、ポンプによる圧送を容易に行うことが可能になる。
スラッジ水の濃度の上限は特に限定されるものではないが、濃縮する際のコスト、溶液の安定性等を鑑みて30質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。
なお、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートについては、スラッジ水以外に水を添加することもできるが、スラッジ水以外に水分を添加しないことが好ましい。これは、スラッジ水や再生砂の添加効果により、得られる生コンクリートは十分な粘性を有し、ポンプ圧送可能になるところ、水を添加することにより、粘性が低下する場合があるためである。このため、スラッジ水に含まれる水のみにより、所望の水/セメント比となるように、スラッジ水の固形分濃度、添加量を調整することが好ましい。
以上、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートに含まれる成分について説明してきたが、これらの成分のみに限定されるものではなく、必要に応じて各種添加剤等を添加することもできる。
例えば、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートには、六価クロム低減材をさらに含むことが好ましい。
これは、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートは、傾斜面の防護壁を建設する際の下地用のコンクリートや、住宅を建設する際の基礎の下地用のコンクリート、工事が終了した後に掘削部分を埋め戻すための埋め戻し材等として用いられることが多い。これらの用途においては、コンクリートを打設後、固まる前にコンクリートが地下水等と接触する可能性がある。
そして、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートはその構成材料として、上述のように例えば各種セメントや、再生砂等を用いている。これらの材料は固化した状態では六価クロムの溶出は問題にはならないが、固化する前についてはこれまで十分に検討されていなかった。そこで、地下水の汚染の可能性をより低減させるために、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートが固化する前の状態においても六価クロムの溶出を低減できるようにポンプ圧送用低強度コンクリートが六価クロム低減材を含有することが好ましい。
六価クロム低減材としては、特に限定されるものではなく、ポンプ圧送用低強度コンクリートが固化していない状態において、水と接触しても水への六価クロムの溶出を(添加していない場合と比較して)抑制できるものであればよい。
具体的には例えば、六価クロム低減材として硫酸第一鉄を好ましく用いることができ、中でも性状が安定している点や、コストの観点から硫酸第一鉄・七水塩(FeSO・7HO)または硫酸第一鉄・一水塩を用いることがより好ましい。性状が特に安定しており、凝集等しにくいことから、硫酸第一鉄・一水塩を用いることがさらに好ましい。
その添加量については限定されるものではなく、要求される六価クロムの溶出量の制限値内に入るように添加量を選択すればよい。
硫酸第一鉄は、水分を吸収すると塊ができやすくなる(凝集し易くなる)特性を有している。そして、塊ができた硫酸第一鉄を本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートに添加した場合、ポンプ圧送用低強度コンクリートに溶け難くい場合や、凝集の程度によっては、ポンプ圧送用低強度コンクリートに溶けない場合もある。
このように硫酸第一鉄に塊が生じることを防止し、ポンプ圧送用低強度コンクリートに均一に溶解、分散させるために、硫酸第一鉄をミックスサンドと混合して用いることが好ましい。
ミックスサンドとしては、硫酸第一鉄間に入り込み、硫酸第一鉄同士が凝集することを防止できるものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、山砂、川砂、再生砂や、粉砕砂等から選択される1種以上の砂を使用することが好ましい。特にポンプ圧送用低強度コンクリートに用いている再生砂をミックスサンドとして用いることが好ましい。
ミックスサンドの粒径については特に限定されるものではないが、粒径の小さい成分が多い方が硫酸第一鉄を分散する効果が高くなるため好ましい。例えば篩により5mm以下の粒径のものを選択して用いることが好ましく、篩により2.5mm以下の粒径のものを選択して用いることがより好ましく、篩により1.2mm以下の粒径のものを選択して用いることが特に好ましい。
ミックスサンドと硫酸第一鉄との混合比率は特に限定されるものではなく、硫酸第一鉄が凝集することを防止できる程度の量のミックスサンドと混合すればよい。具体的には例えば、硫酸第一鉄の重量を100とした場合に、ミックスサンドの重量が30から100の範囲になるような比率で両者を混合することが好ましく、50から100の範囲になるような比率で両者を混合することがより好ましい。
ミックスサンドを硫酸第一鉄と混合するタイミングについては特に限定されるものではなく、例えば、硫酸第一鉄を予めミックスサンドと混合してから保管しておいても良い。また、ポンプ圧送用低強度コンクリートに添加する直前に硫酸第一鉄とミックスサンドと混合しても良い。これは、ポンプ圧送用低強度コンクリートに添加する直前の場合であっても、ミックスサンドと硫酸第一鉄とを混合することによって塊を低減し、ミックスサンド中に均一に分散させることができるためである。
ミックスサンドと硫酸第一鉄とを混合する方法は特に限定されるものではなく、ミキサーや各種ミルにより混合(混練)することができる。
以上説明してきた本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートの製造方法としては、上述した各成分、すなわち、セメントと、骨材と、再生砂と、コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを混練する方法が挙げられる。また、この際上述した六価クロム低減材等の各種添加剤を添加することもできる。
各成分の含有量については特に限定されるものではなく、要求される流動性や、硬化した際の圧縮強度等に基づいて選択することができる。
セメントの含有量についても上記理由から特に限定されるものではないが、水和熱を特に低減するため、例えば混練した生コンクリート1m当たり300kg以下であることが好ましく、混練した生コンクリート1m当たり240kg以下であることがより好ましく、混練した生コンクリート1m当たり200kg以下であることが特に好ましい。
そして、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートの強度は特に限定されるものではなく、各主用途に応じて選択することができるが、例えば材齢28日における圧縮強度が、15N/mm以下であることが好ましく、10N/mm以下であることがより好ましく、7N/mm以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートを圧送するポンプの種類は特に限定されるものではなく、例えばコンクリートポンプ車において一般的に用いられるピストン式、スクイーズ式いずれの方式のものでも用いることができる。ただし、スクイーズ式は、一般的に圧送圧力が低く、セメント量の少ない低強度コンクリートは圧送することが困難であるところ、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートは圧送することが可能となる。このため、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートは、スクイーズ式のポンプで圧送する用途に好ましく用いることができる。
ここで、上記本実施の形態例に係るポンプ圧送用低強度コンクリートの使用形態例について説明する。
本実施形態に係るポンプ圧送用低強度コンクリートは特にその用途は限定されるものではなく、各種用途に用いることができる。
例えば、上述の様に傾斜面の防護壁を建設する際の下地用のコンクリートや、住宅を建設する際の基礎の下地用または、地表面部分を覆うためのコンクリート、工事が終了した後に掘削部分を埋め戻すための埋め戻し材等として特に好ましく用いることができる。
中でも、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートは、傾斜面の防護壁を建設する際の下地用のコンクリートとして好ましく用いることができる。
具体的な例として図3を用いて説明する。
図3は傾斜面11上に、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートによる下地31および通常のコンクリート部32からなる防護壁を形成した構成の断面を模式的に示したものである。
図3に示すように、凹部12を有する傾斜面11上に防護壁(擁壁)を建設する際に、凹部12を含む表面に下地31として本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートを用いることができる。この場合、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートはセメント含有量が少ないためセメントの水和による発熱を低減することができる。このため、下地31内に厚さの異なる部分があってもクラックの発生を抑制することが可能になる。なお、この場合、該下地上に通常の強度(例えば材齢28日における強度が21N/mm以上)を有するセメント32を配置して、所望の厚さの防護壁(擁壁)とすることができる。
このように、係る用途においては、上述の様に通常の強度を有するコンクリートのみを用いて形成したのではその表面にクラック等が生じていたところ、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートをその下地として用いることにより、ポンプで圧送することができるため、容易に施工することができ、さらに、クラックの発生を抑制することが可能になる。
また、例えば、一戸建て家屋の基礎部分には、各部屋の間取りに対応するコンクリート壁が設けられる。コンクリート壁は、通常、30cm程度の地上高を有している。コンクリート壁で囲まれる地表面は、家屋の床面に湿気が達するのを避けるため、通常コンクリート等で被覆される。本実施の形態例に係るポンプ圧送用低強度コンクリート材は、このような場合に、被覆材として用いることもできる。
このとき、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートを用いて地表面を被覆する工事は、建設現場の近傍までポンプ圧送用低強度コンクリートをアジテータ車で搬送し、アジテータ車が備えるシュートおよび配管を介して、ポンプによりポンプ圧送用低強度コンクリートを地表面の上部に供給する。
係る工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で地表面を被覆することができる。
また、その他の用途の例を説明すると、例えば地下鉄工事等の地面を掘り返す工程を含む工事の過程で掘削部分を設けた場合、必要な作業が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。本実施の形態例に係るポンプ圧送用低強度コンクリートは、このような場合に、掘削部分に充填する埋め戻し材として用いることができる。上述のように、ポンプ圧送用低強度コンクリートは、作業時においてポンプにより圧送することができ、かつ、適当な流動性を有している。このため、生コンクリートと同様にアジテータ車を用いて搬送することができる。
係る工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で掘削部分の埋め戻しを行うことができる。
以上説明してきたように、本実施形態のポンプ圧送用低強度コンクリートによれば、スラッジ水、再生砂を用いているため、セメントの含有量が少ない、低強度のコンクリートであるにも関わらず、ポンプにより圧送することが可能となる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
本実施例では、本発明のポンプ圧送用低強度コンクリートに含まれるセメント、骨材、再生砂、コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水の混合比率を変化させ、スランプ、コンクリート温度、圧縮強度について評価を行った。
本実施例ではセメントとしては普通セメントを用い、骨材としては粒径が20mm〜25mmの再生粗骨材を用いた。なお、係る再生粗骨材は、クラッシャーにより廃コンクリートを粉砕したものを、ふるいにかけて上記粒径の範囲のもの選択したものである。
再生砂としては、再生粗骨材と同様に作製し、5mm以下の粒径のものをふるいにかけて選択した。
スラッジ水としては、試料No.1、2については、固形分濃度が20重量%に濃縮した物を用いた。試料No.3〜6については、濃縮していないものを用い、固形分濃度は5重量%の物を用いた。
また、混和剤として、AE減水剤(日本シーカ株式会社 商品名:シーカメントJS)を用いた。
本実験例においては、表1に示すような組成比になる様に試料No.1〜6の各試料について、各材料を混練してポンプ圧送用低強度コンクリートを調製した。表1においてはポンプ圧送用低強度コンクリート1m当りの各成分の質量を示している。
なお、表1中W/Cは水セメント比、S/aは細骨材比を示しており、いずれも重量%となっている。
Figure 0005894057
本実施例で得られたポンプ圧送用低強度コンクリートについて行った評価事項について以下に説明する。
「スランプ」は、JIS A 1101(2004)の試験方法に準じて測定を行った。
「空気量」は、JIS A 1128の試験方法に準じて測定を行った。
「コンクリート温度」は、表1に示した原料を練り上げた直後と、練り上げ後10時間経過時のコンクリート温度を測定したものである。
「圧縮強度」は、試験対象物の圧縮強度(単位N/mm)を、試験対象物の硬化材齢との関係で表した結果である。測定にあたっては、直径100mm、高さ200mmの円柱形状の試験体を作製し、所定の材齢(7日または28日)になったときに一軸圧縮強度試験機(株式会社森試験機製作所製 圧縮試験機(1000KN))により測定を行った。
また、ポンプ圧送試験として、混練後の生コンクリートについてスクイーズ式のポンプ(極東開発工業株式会社製 PH45A−14A型)により、ポンプ車のブームの先端をホッパーの上に置き、試料を循環させて30分間圧送試験を行い圧送の可否について試験を行った。
混練して得られたポンプ圧送用低強度コンクリートの各試料について上記評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0005894057
表2によると、いずれの試料もコンクリート温度が練り上げ直後と、練り上げ後10時間経過時との間で変化がほとんど見られず、セメント量が少ないため水和熱が抑制されていることが分かる。このため、例えば上述のように水和反応が終了し、コンクリートの温度が降下していく過程でクラック等が発生する危険性を低減できていることが分かる。
また、各試料についてもスクイーズ式のポンプにより、ポンプ車のブームの先端をホッパーの上に置き、試料を循環させて30分間圧送試験を行ったところ、いずれの試料についても問題なく継続的に圧送できることが確認できた。

Claims (6)

  1. セメントと、
    骨材と、
    再生砂と、
    コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを含み、材齢28日における圧縮強度が、15N/mm 以下であるポンプ圧送用低強度コンクリート。
  2. 前記骨材は再生粗骨材および/または人工骨材からなること請求項1に記載のポンプ圧送用低強度コンクリート。
  3. 六価クロム低減材を含む請求項1又は2に記載のポンプ圧送用低強度コンクリート。
  4. 前記ポンプ圧送用低強度コンクリートは、スクイーズ式のポンプで圧送する用途に用いられる請求項1乃至3いずれか一項に記載のポンプ圧送用低強度コンクリート。
  5. 前記ポンプ圧送用低強度コンクリートは、傾斜面の防護壁を建設する際の下地用のコンクリートとして用いられる請求項1乃至4いずれか一項に記載のポンプ圧送用低強度コンクリート。
  6. セメントと、
    骨材と、
    再生砂と、
    コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を砂および砂利と分離して得られたスラッジ水とを混練する、材齢28日における圧縮強度が、15N/mm 以下であるポンプ圧送用低強度コンクリートの製造方法。
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