JP4283090B2 - 建設工事用充填材 - Google Patents

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Description

本発明は、建設工事用充填材に関し、特に、建設工事や土木工事の充填材、掘削工事の埋め戻し材等に好適な下水汚泥焼却灰を利用した高流動埋め戻し材に関する。
地下鉄工事、ケーブル埋設工事等の建設工事では、工事が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。従来より、この埋め戻し工事では、一般に掘削工事の際に発生する建設発生土が埋め戻し材として用いられていた。そして従来の建設発生土を使用した埋戻し工事では、残土を50cm埋め戻す毎に転圧機を使用して締め固めをしなければならない。また、建設発生土を用いた埋め戻し工事は、ダンプトラック等の重機が入り込める広い場所では、それらの重機を用いて行われる。また、それらの重機が入り込めない狭い場所では、建設発生土を人力で搬送することにより行われる。
埋め戻し工事がダンプトラック等の重機を用いて行われる場合には、例えば、大きな騒音が発生する、或いは、多量の埃や塵が発生する等の不都合が伴う。また、埋め戻し工事が人力で行われる場合には、工期の長期化およびコストの上昇等の不利益が生ずる。この点、建設発生土は、建設工事の埋め戻し材として必ずしも最適なものではなかった。
建設発生土を埋め戻し材とすることに伴う上記の欠点は、例えば、埋め戻し材に適当な流動性を付与することで解決することができる。すなわち、埋め戻し材が適当な流動性を有していれば、その埋め戻し材を圧送により搬送することができる。埋め戻し材を圧送により搬送することとすると、大きな騒音の発生や多量の埃塵の発生が防止されると共に、作業スペースの狭い場所にも、人力に因らずに埋め戻し材を搬送することが可能となる。
従来より、流動性を有する埋め戻し材として、例えば株式会社ティ・アイ・シーの取り扱いによるマイメイドソイル(商品名)が知られている。マイメイドソイルは、建設発生土にセメントや水を添加することにより適当な流動性を示すように調製された材料である。従って、マイメイドソイルを用いて埋め戻し作業を行うことによれば、騒音および埃塵の発生量を抑制しつつ、また、作業スペースの広狭に関わらず優れた作業性の下に埋め戻し工事を行うことができる。
しかしながら、上記従来の埋め戻し材、すなわち、マイメイドソイルは、骨材として建設発生土を用いることとしている。従って、マイメイドソイルを調合する過程では、調合用のプラントに材料として建設発生土を供給する必要がある。
また、この建設発生土には、粒度の粗い砂が混在していることがある。埋め戻し材に粒度の粗い砂が含まれていると、その埋め戻し材が掘削現場に充填された後、埋め戻し材が固まるまでの間に、比重の差に起因して、粒度の粗い砂と他の成分とが分離し、埋め戻された部分に沈降を生じさせる原因となる。
本出願人は、上記の不具合を解消することのできる建設工事用充填材を既に提案している(特許文献1参照)。
上記建設工事用充填材は、セメントに、細骨材としての砂を配合するとともに、さらに微細骨材としてコンクリート取り扱い設備の洗浄に伴って発生するスラッジ水を濃縮した濃縮スラッジ水を配合したものである。
建設工事に用いられる生コンクリートは、一般に、生コンクリートプラントで調合された後、アジテータ車(ミキサー車)によって工事現場に搬送され、工事現場で生コンクリートを排出した後、アジテータ車の荷室内に残存するセメント、砂、および、砂利等は、専用の洗車場で洗い流される。このとき、洗車の際に生ずる排水中には、セメント成分を含むスラッジ水、砂、および、砂利が含まれている。
排水中に含まれるスラッジ水は、従来、再利用のできない産業廃棄物として処理されていた。これに対し、本出願人は、スラッジ水を建設工事用充填材の原料とすることで、一般の生コンクリートプラントで簡便に製造することができ、かつ、容易に安定した品質を維持することのできる建設工事用充填材を見出したものである。
特許第2911412号公報
ところで、下水処理場で発生する下水汚泥は、その発生量が年々増加しており、埋め立て処分地の確保が大きな問題となっている。
上記下水汚泥は、通常、濃縮、脱水処理した後、焼却炉で焼却して焼却灰の形態で取り扱われる。この場合、焼却灰は、例えば乾燥固形物量換算の汚泥の質量が1/5程度にまで減量化された後、後処理される。
この下水汚泥焼却灰の後処理としては、その一部が埋め立て処分されているのが現状であるが、埋め立て処分地の確保が将来的に困難になりつつあるため、資源としての有効利用やゼロエミッションへの取り組みが大きな社会的責務となっている。
上記資源としての有効利用の観点からは、下水汚泥焼却灰をレンガの原料とする技術が既に実用化されている。しかしながら、レンガの原料として利用できる下水汚泥焼却灰の量は、大量に発生する量のうちの一部に止まる。
一方、下水汚泥焼却灰コンクリートの原料として利用している。
この場合、コンクリート原料品質の安定化の観点と都市ゴミの有効処理の観点とから、下水汚泥焼却灰や都市ゴミ焼却灰を原料化し、あるいはさらにこれらの焼却灰を溶融して溶融スラグ化して、生コンクリートの骨材などに利用することが検討されている。
しかしながら、このようにして得られるコンクリート用骨材は、その発生履歴からみて品質変動が不可避といってもよく、このため、利用範囲は、現在のところ最低品質で保証できるコンクリート製品に限られるのではないかと思われる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、下水汚泥焼却灰を原料として用いることで下水汚泥焼却灰の有効利用を図ることができる建設工事用充填材を提供することを目的とする。
本発明に係る建設工事用充填材は、所定質量比に計量されたセメントと、
所定質量比に計量された砂と、
所定質量比に計量された下水汚泥焼却灰と、
コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を、砂および砂利と、スラッジ水とに分離して、該スラッジ水を濃縮して得られた濃縮スラッジとを含有することを特徴とする建設工事用充填材である。
また、本発明に係る建設工事用充填材は、
所定質量比に計量されたセメントと、
所定質量比に計量された砂と、
所定質量比に計量された下水汚泥焼却灰と、
コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を、砂および砂利と、スラッジ水とに分離して、該スラッジ水を濃縮して得られた濃縮スラッジ水とを含有し、
少なくとも材齢28日を経た時点での圧縮強度が略34kgf/cm以下であることを特徴とする。
この場合、前記砂の全部又は一部を産業廃棄物から得た燃焼スラグ、もえがらとすることができる。なお、ここでいう「もえがら」には廃プラスチック、食品くず、紙くず、建設現場より発生する木くず等の産業廃棄物、可燃ごみ等一般ごみを焼却施設で燃やしたときに発生する灰をいう。
また、好ましくは、前記濃縮スラッジ水は、固形分濃度が10〜20質量%になるように分離、濃縮されたものである。
また、建設工事用充填材を、少なくとも材齢28日を経た時点での圧縮強度が略7.25kgf/cm以下であり、材齢7日を経た時点での圧縮強度が略3.11kgf/cm以下とすることにより、再掘削する場合に容易に手作業で行うことができる充填材を提供することができる。
本発明の上記の構成により、下水汚泥を焼却処理して得られた下水汚泥焼却灰を建設工事用充填材として有効に利用することができる。また、このとき、骨材として建設残土を用いるときに生じる流動性の不十分さや、市販の埋め戻し材(建設工事用充填材)を用いるときに生じる、粒度の粗い砂と他の成分との分離の不具合のない、良好な特性の建設工事用充填材を得ることができる。
本発明に係る建設工事用充填材によれば、セメントと、砂と、濃縮スラッジ水および下水汚泥焼却灰を配合した配合液と、を含有するため、下水汚泥を焼却処理して得られた下水汚泥焼却灰を建設工事用充填材として有効に利用することができ、また、埋め戻し材として好適な特性、即ち、フロー値、ブリーディング率、外観、所定材齢経過後の圧縮強度等を持つ充填材を提供することができる。
また、本発明に係る建設工事用充填材によれば、少なくとも材齢28日の硬化を経た時点での圧縮強度が略34kgf/cm以下であるように、セメントと、砂と、濃縮スラッジ水および下水汚泥焼却灰を含有するため、下水汚泥を焼却処理して得られた下水汚泥焼却灰を建設工事用充填材として有効に利用しつつ、埋め戻し材として好適な特性、即ち、フロー値、ブリーディング率、外観、所定材齢経過後の圧縮強度等を持つ充填材を提供することができる。
また、このとき、骨材として建設発生土を用いるときに生じる流動性の不十分さや、市販の埋め戻し材を用いるときに生じる、粒度の粗い砂と他の成分との分離の不具合のない、良好な特性の建設工事用充填材を得ることができる。
本発明に係る建設工事用充填材の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
本実施の形態例の充填材(建設工事用充填材)は、・所定質量比のセメントと、・所定質量比の砂、所定質量比の下水汚泥焼却灰と、濃縮スラッジ水とを混練することで得られる。
セメントは、この場合、充填材を速やかに硬化させる必要がないことから、取扱いの便利性を優先して、普通セメントを用いる。但し、普通セメントに限定されるものではなく、高炉セメント、或いは、早強セメントを用いることも可能である。
砂は、洗浄砂に限定されるものではなく、山砂、或いは、川砂を使用することができ、また、砂の一部又は全部をもえがら、燃焼スラグ等を用いることも可能である。尚、ここで言う「もえがら」とは、廃プラスチック、食品くず、紙くず、建設現場より発生する木くず等の産業廃棄物、可燃ごみ等一般ごみを焼却施設で燃やしたときに発生する灰をいい、「燃焼スラグ」、とは、前記もえがら(燃焼灰)を1300℃〜1800℃以上の高温で溶かし、水に投入し急冷した粒上の砂である。
濃縮スラッジ水は、生コンクリートの取り扱いに用いられる設備、特に、生コンクリートの搬送に用いられるアジテータ車(ミキサー車)の荷室を洗浄した際に生ずる排水から、砂および砂利を除去することで得られるスラッジ水を、適当な濃度に濃縮した液状物質である。従って、濃縮スラッジ水には、生コンクリートに含有される固形分(具体的には、セメント、微砂、石灰石粉、その他生コンクリートの骨材として用いられた砂や砂利の汚れ分)と、水とが含まれている。本実施例で用いられる濃縮スラッジ水は、その固形分の質量比が10〜20%となるように調製されている。尚、濃縮スラッジ水の濃度管理の手法は、固形分の質量管理の他、比重によっても管理することができる。
下水汚泥焼却灰は、例えば、以下の工程を経て発生するものである。
各下水処理場において発生する下水汚泥は、タンク車輸送やパイプ輸送等の方法で汚泥処理場に受け入れられる。汚泥処理場で、下水汚泥は、スクリーンかす分離機によってスクリーンかす(ゴミ)を分離された後、遠心分離機で濃縮される。濃縮された汚泥は、消化タンクで汚泥中の有機物を分解して減量化されるとともに、汚泥性状が安定化される。消化汚泥は、薬品を添加して脱水機で脱水され、ケーキ化される。汚泥ケーキは、焼却炉で焼却され、発生する焼却灰はサイクロンや電気集塵機で集められる。
上記処理によって発生する下水汚泥焼却灰は、例えば、数十μm〜数百μm程度の径の微細な粒子であり、Al、CaO、SiO、P等を主成分として含む。
上記充填材の具体的な調製条件については、後述する。
ここで、上記本実施の形態例に係る充填材の使用形態の一例について、図1を参照して説明する。
図1は、山10の斜面12から僅かに離れた位置に建造物14が建設された状態を示す。
図1に示すように山10の斜面12から僅かに離れた位置に建造物14が建設される場合には、斜面を滑落する土砂が建造物14に到達するのを防止する必要がある。このため、本実施例では、斜面12と建造物14との間に擁壁16を設け、かつ、斜面12と擁壁16との間に充填材18を充填している。
充填作業時、充填材18は、適当な流動性を示す。充填材18が流動性を示さないとすれば、充填材18を、クレーン・コンボ等の重機を用いて、または、人力によって斜面12と擁壁16との間に搬送することが必要である。これに対して、本実施例のように充填材18が流動性を示せば、充填材18を、斜面12と擁壁16との間まで、流動的に搬送することができる。
すなわち、図1に示すように、充填材18は、斜面12と擁壁16との間までポンプ車20で圧送することができる。このとき、図1に示す工法は、充填材18を圧送するポンプ車20を、建造物14の近傍の適当な位置に停車させ、ポンプ車20の吐出口から斜面12と擁壁16との間まで配管22を敷設し、その後、ポンプ車20のポンプを作動させることにより充填材18を搬送する。
配管22から斜面12と擁壁16との間に流入した充填材18は、自己の流動性に起因して、充填材18の打ち込み箇所から充填材18を充填すべき空間の全てにゆっくりと広がる。
このため、本実施例の工法によれば、バイブレータ等の締め固め機材を用いることなく、優れた充填率を実現することができる。また、本実施例の工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で斜面12と擁壁16との間に充填材18を充填することができる。
なお、本実施の形態例に係る充填材の使用形態の他の例として、以下のような態様をとることができる。
例えば、地下鉄工事の過程で掘削部分を設けた場合、必要な作業が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。本実施の形態例に係る充填材は、このような場合に、掘削部分に充填する埋め戻し材として用いることができる。上述のように、充填材は、作業時において適当な流動性を有している。このため、充填材は、生コンクリートと同様にアジテータ車を用いて搬送することができる。
かかる工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で掘削部分の埋め戻しを行うことができる。
また、例えば、ビル建築の基礎工事において掘削部分を設けた場合、必要な作業が終了した後に掘削部分を埋め戻す必要がある。本実施の形態例に係る充填材は、このような場合に、掘削部分に充填する埋め戻し材として用いることができる。
このとき、充填材は、生コンクリートと同様にアジテータ車を用いて掘削部分の直近位置まで搬送することができる。そして、アジテータ車が備えるシュートを介して、充填材を掘削部分内部に供給する。
かかる工法によれば、上述の工法の場合と同様に、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で掘削部分の埋め戻しを行うことができる。
また、例えば、一戸建て家屋の基礎部分には、各部屋の間取りに対応するコンクリート壁が設けられる。コンクリート壁は、通常、30cm程度の地上高を有している。コンクリート壁で囲まれる地表面は、家屋の床面に湿気が達するのを避けるため、通常コンクリート等で被覆される。本実施の形態例に係る充填材は、このような場合に、コンクリートに代わる被覆材として用いることもできる。
このとき、充填材を用いて地表面を被覆する工事は、建設現場の近傍まで充填材をアジテータ車で搬送し、アジテータ車が備えるシュートおよび配管を介して、充填材を地表面の上部に供給する。
かかる工法によれば、大きな騒音を発生させることなく、また、多量の埃塵を発生させることなく、高い作業効率で地表面を被覆することができる。
ところで、擁壁と斜面との間に充填される充填材や、掘削部分の埋め戻しに用いられる埋め戻し材には、適切な流動性が要求される他、ブリージング率および圧縮強度が適当な値であることが要求される。
ブリーディング率は、土木学会基準「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法(JSCE−1986)」に準ずる。
混合直後の埋戻し材を所定のポリエチレン袋(径5cm、長さ50cm以上)に空気が混入しないように満たし、水を400cc入れたメスシリンダー内に入れ、埋戻し材の表面と水位を合わせることにより、初期体積を求め、放置20時間後に同様にして測定し水位の下がりを測定し、初期体積に対する割合でブリーディング率を求める。
ブリーディング率が大きいと、充填材(または埋め戻し材)の表面に、硬化の過程で大きな沈降が生ずることになる。このため、充填材や埋め戻し材のブリージング率は小さければ小さいほど好ましい。
充填材(または埋め戻し材)が硬化する初期の過程では、比重の重い骨材やセメント粒子は沈降し、不要分の水は比較的軽い微細な物質を伴って上昇する。また、砂等の細骨材と水とは、充填材の調合過程で水が単体で加えられている場合に分離し易い。これに対して、本実施の形態例に係る充填材は、水分が濃縮スラッジ水に含まれる形態で加えられている。水分がこのような形態で加えられている場合、細骨材から分離する水分の割合が小さく抑制される。このため、充填材のブリーディング率は、水が単体で加えられる充填材等に比して、小さな値に抑えられている。
また、地下鉄工事やケーブル線工事の埋め戻し材は、後に再作業の必要が生じた場合には、再び掘削される。このため、埋め戻し材の圧縮強度は、実用上十分な強度であり、かつ、再掘削が可能な強度、具体的には、9.8×10kN/m(10kgf/cm)を超えない程度であることが望ましい。本実施の形態例において採用される配合比は、上述した流動性、ブリーディング率、および、圧縮強度等が適当な水準となるように設定された値である。
この場合、前記した特許第2911424号公報記載の建設工事用充填材のように、微細骨材として、下水汚泥焼却灰を含むことなく濃縮スラッジ水のみを用いてもよい。ただし、このとき、上記した所望の流動性等を得るためには、濃縮スラッジ水は、20〜30質量%のかなり高い固形分濃度とする必要があり、したがって、生コンクリート原料として再利用可能な砂等についても、所定量濃縮スラッジ水に含ませる必要がある。また、上記充填材は、配合する砂を多量に準備する必要もある。
これに対して、本実施の形態例に係る充填材は、生コンクリート排水中の砂を必要量回収して生コンクリート原料とした残りの固形分を濃縮スラッジ水に残した形態で用いることができるとともに、微細骨材として不足する量を下水汚泥焼却灰で補うことにより上記した流動性等の所望の特性を有する充填材を得ることができる。また、これにより、下水汚泥焼却灰の有効利用を図ることができる。また、このとき、下水汚泥焼却灰を濃縮スラッジ水の固形分置換量以上に増配合することにより、上記特許第2911424号公報記載の建設工事用充填材よりも、配合する砂の必要量を減少することができる。
また、本実施の形態例に係る充填材は、原料として用いる下水汚泥焼却灰が茶色を呈し、土と同系色であるため、埋め戻しを行った後の外観が好ましい。また、透水性が従来の埋め戻し材よりも大きく、植栽の下地として好適である。
ここで、本実施の形態例に係る充填材の配合比を決定するために実行した実験について、図2及び図3を参照して説明する。
充填材に用いる濃縮スラッジ水および下水汚泥焼却灰の配合液は、好ましくは、濃縮スラッジ水の固形分に対する焼却灰の配合割合が質量比で2〜6の範囲内で調製することができ、このとき、濃縮スラッジ水は、固形分濃度が10〜20質量%になるように分離、濃縮されたものを用いることができる。但し、これに限定するものではなく、充填材に求められる特性に応じて他の条件で調製することもできる。
実験例(セメント50kg/m)では、固形質量濃度10%濃縮スラッジ水と下水汚泥焼却灰を等質量比1:1で配合した配合液324kgにさらに固形分質量濃度20%の濃縮スラッジ水253kgを加えたものを用いた。
充填材に用いる濃縮スラッジ水と下水汚泥焼却灰の配合液は、好ましくは、濃縮スラッジ水の固形分に対する下水汚泥焼却灰の配合割合が2〜6の範囲で調整することができ、このとき、濃縮スラッジ水は、固形分濃度が10〜20質量%になるように濃縮されたものを用いることができる。但し、これに限定するものでなく、充填材に求められる特性に応じて他の条件で配合することもできる。実験例において、このように配合液と濃縮スラッジ水の2種を用いたのは、実験設備の都合上行ったにすぎず、実際には、所定質量比に計量されたセメント・砂(燃焼スラグ・もえがら)・下水汚泥焼却灰を濃縮スラッジ水で混練りしてもよい。また、濃縮スラッジ水の固形分質量と下水汚泥焼却灰の質量がそれぞれ上記の量となるように予め計算して、濃縮スラッジ水に下水汚泥焼却灰を配合した配合液のみを使用する方法を用いてもよい。
一方、充填材に用いる他の原料は、好ましくは、セメントを30〜200kg、砂を500〜1000kg、下水汚泥焼却灰を250〜500kg配合することができる。このセメントおよび砂の実際の配合量は、用途によって調整することができる。実験例No.8〜No.10は砂の代わりに燃焼スラグ、もえがらを使用してものである。砂のかわりに燃焼スラグ・もえがらを使用する場合は全量もしくは一部の置き換えが可能であり、3種類以上の混合も可能である。この場合、砂と燃焼スラグ・もえがらの配合割合は、要求される充填材の特性を考慮して設計される。
セメント及び砂(燃焼スラグ・もえがら)の実際の配合割合は、使用する濃縮スラッジ水の固形分濃度と性状を考慮し、また施工箇所において求められる充填材の所望の特性を考慮して配合設計される。また、これらの条件に限定するのではなく、充填材に求められる特性に応じて他の条件で配合設計することもできる。
実験例No.8、No.9では、セメント75kg、燃焼スラグを800kg、下水汚泥焼却灰を365kgを用いた。ちなみに、特許第2911412号公報に記載の建設用工事用充填材の実験例では、上記と同じセメント75kgに対し、1446kgの砂を配合している。
図2、図3中、「フロー値」は、試験対象物の流動性を表す特性値である。本実施例において、フロー値は、直径約80mm高さ約80mmの円筒容器に試験対象物を充填し、円筒容器の底面を開口させることにより試験対象物を床面に落下させた後、床面に広がった試験対象物の直径を直交する2方向について測定した値である。フロー値は、試験対象物が高い流動性を示すほど、大きな値となる。
また、「外観評価」は、試験対象物の試験直後の外観を、相対的に評価した結果である。更に、「圧縮強度」は、試験対象物の圧縮強度(単位kgf/cm)を、試験対象物の硬化材齢との関係で表した結果である。
図2に示すように、試験対象物No.1およびNo.2は、いずれも、ブリーディング率を微量に抑えることができ、良好な外観評価を得ることができ、かつ、硬化材齢7日および硬化材齢28日の双方の時点で、充填材および埋め戻し材として適切な強度を得ることができる。また、得られたフロー値は、その試験対象物を前記した形態で使用する場合に、適切な流動性が得られる値である。
試験対象物No.3〜No.7は、その強度の発現性が、比較的高い値を呈するが、短期間で硬化する特性により、数日後に充填した箇所または埋め戻した箇所の上で作業が可能となる。充填材、埋戻し材として目的に応じて使用可能である。
本実施の形態例に係る建設工事用充填材の使用例を表す図である。 本実施の形態例に係る建設工事用充填材の配合比を決めるために行った試験結果を表す表図である。 本実施の形態例に係る建設工事用充填材の配合比を決めるために行った試験結果を表す表図である。
符号の説明
12 斜面
16 擁壁
18 充填材
20 ポンプ車
22 配管

Claims (3)

  1. 所定質量比に計量されたセメントと、
    所定質量比に計量された砂と、
    所定質量比に計量された下水汚泥焼却灰と、
    生コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を、砂および砂利と、スラッジ水とに分離して、固形分濃度が10〜20質量%になるように分離、濃縮されたものである濃縮スラッジ水とを含有し、前記濃縮スラッジ水の固形分に対する前記下水汚泥焼却灰の配合割合が2〜6であり
    少なくとも材齢28日を経た時点での圧縮強度が略34kgf/cm以下である建設工事用充填材。
  2. 前記砂の全部又は一部が産業廃棄物より得た燃焼スラグ又はもえがらである請求項1記載の建設工事用充鎮材。
  3. 所定質量比に計量されたセメントと、
    所定質量比に計量された砂と、
    所定質量比に計量された下水汚泥焼却灰と、
    生コンクリート取り扱い設備の洗浄排水を、砂および砂利と、スラッジ水とに分離して、固形分濃度が10〜20質量%になるように分離、濃縮されたものである濃縮スラッジ水とを含有し、前記濃縮スラッジ水の固形分に対する前記下水汚泥焼却灰の配合割合が2〜6であり、
    少なくとも材齢28日を経た時点での圧縮強度が略7.25kgf/cm以下であり、材齢7日を経た時点での圧縮強度が略3.11kgf/cm以下である建設工事用充填材。
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