JP2014218860A - スラッジ粉末を用いた土質改良方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生コンクリート工場などから発生する生コンクリートスラッジを土質改良に有効に利用する方法を提供する。【解決手段】 生コンクリートスラッジから、振動ふるい等により細骨材及び粗骨材を除去してスラッジ水を得る工程、フィルタープレス等によりスラッジ水を濾過して固形分を得る工程、及び該固形分を、土1m3に対して、乾燥質量換算で40kg以上、好ましくは40〜200kg混合する工程を有してなる土質改良方法。固形分を土に混合する前には、該固形分を乾燥させて粉末状にする工程を有すことが好ましい。また該固形分はさらに高炉スラグを含んでいてもよい。【選択図】 図1
Description
本発明は、生コンクリート工場などから発生する生コンクリートスラッジを土質改良に有効に利用する方法に関する。
コンクリートスラッジ(以下、「スラッジ」という)は、生コンクリート工場やコンクリート製品工場などで発生する洗い残渣であり、生コンクリートから粗骨材や細骨材などを取り除いた、主としてセメントペースト及び細骨材の微粒分からなる泥状の産業廃棄物である。
特に生コンクリート工場で発生するものについては、本来、工場で製造した生コンクリートを建設現場においてすべて使いこなすことが理想であるが、すべてを使い切れずに残コンとして生コンクリート工場に戻される状況にある。また、生コンクリートを運搬したアジテータ車、製造に用いたプラントミキサー、ホッパーなどの洗浄においてもスラッジは発生する。
廃棄、再利用される生コンクリートについて、例えば、「残コン・戻りコンの発生抑制及び有効利用に関する技術検討委員会 報告書(公益社団法人 日本コンクリート工学会)」によると、生コンクリート出荷量の約1〜2%が建設現場で使用されずに再利用、廃棄などの処理がなされているという報告もあり、国内の工場全体で考えると決して少ない量ではないといえる。
スラッジの再利用としてセメントなどの添加材として利用する方法においては、スラッジが多量の水分を含んでいることから、品質の問題に加えて、運搬や処分における法規制、経済性などの問題を解決する必要がある。特に品質については、生コンクリートの配合、生コンクリートに使用されるセメント、混和剤の種類、生コンクリートが製造されてからの経過時間、スラッジを採取する季節などにより流動性や強度に及ぼす影響が異なることを解決しなければならない。
そこで、これらの問題を解決するための手段として、特許文献1では、スラッジを濾過脱水(フィルタープレス)し、加熱乾燥したのち、振動微粉砕してセメント未水和物を表面に出現させたセメント成分を含むスラッジ微粉を得る方法が開示されている。また、特許文献2では、スラッジ水から砂利と砂を分離し、さらに湿式サイクロンにより微砂分を分離・除去し、フィルタープレスにて脱水ケーキを得たのち、横型の回転ドラムに投入してドラム内部で脱水ケーキの破砕と乾燥とを同時に実施することで、乾燥スラッジ粉末を得る方法が開示されている。
いずれの方法で得られた乾燥スラッジ粉末も、例えばセメント系固化材などの地盤改良材の増量材として用いることが可能であるが、乾燥スラッジ粉末を増量材として用いることにより、本来のセメント系固化材と比べて強度が低下するなどの問題がある。また、水と混合してスラリー状にして地盤改良する方法などにおいては、乾燥させた乾燥スラッジ粉末を含有することにより、乾燥処理したことによる吸水効果によってスラリーの粘性が高くなり、施工性を鑑みると、より多くの単位水量が必要となるなどの問題がある。
乾燥スラッジ粉末は、セメントと同様に水硬性を有するが、既にある程度の水和反応が進行したものを乾燥、粉砕して再利用して得られるため、前述したようにセメント系固化材に増量材として混和した場合には、セメント系固化材独自の強度に比べて、その強度が低下することが問題である。また、一定した品質の乾燥スラッジ粉末を確保することは困難であることから、乾燥スラッジ粉末をセメントやセメント系固化材などの増量材とし、地盤改良材として使用することは、品質管理の上で難しい。
構造物の基礎となる地盤を改良する場合、目標となる強度は一軸圧縮強さで判定されることがほとんどである。一軸圧縮強さは、側面に拘束圧を受けない状態の供試体に対して、鉛直方向から荷重をかけたときの、荷重の最大値を載荷した供試体の断面積で除したものであり、セメントやセメント系固化材などの地盤改良材を添加した土(以下、「改良土」という)における一軸圧縮強さの大小は、地盤改良材のセメンテーション作用の大小に支配される。したがって、セメント系固化材などと比べて強度が低下することが問題となる乾燥スラッジ粉末は、目標となる一軸圧縮強さの大きな構造物の基礎地盤や、重要構造物の基礎地盤の土質改良に利用することは難しいといえる。
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討を行った。そこで、地盤改良を行うものの中にも、上記の通り高い一軸圧縮強さを必要としない用途があることに着目した。
例えば、建設発生土を再利用する場合が挙げられる。建設発生土の土質区分や地山の含水比によって、第1種〜第4種建設発生土もしくは泥土に区分され、それと同様に、セメントや石灰などで化学的安定処理したものは、第1種〜第4種改良土と区分されている。その中で、コーン指数が強度の指標として定められており、第1種改良土にコーン指数の規定はないが、第2種〜第4種改良土は、コーン指数で800kN/m2以上、400kN/m2以上、200kN/m2以上と区分されている。
コーン指数は、JIS A 1228「締固めた土のコーン指数試験方法」(以下、「コーン指数試験」という)により求められる。コーン指数の算出は、一軸圧縮強さとは異なり、型枠に所定の条件で改良土を締め固めた供試体に対して、コーンペネトロメーターの先端に取り付けた円錐状のコーンを貫入させ、その貫入抵抗力を算出することにより得られる。
コーン指数試験は一軸圧縮強さの評価とは異なり、型枠に充填された状態、すなわち、試験体が型枠に拘束された状態で試験が行われる。したがってコーン指数は、地盤改良材のセメンテーション作用の大小だけでなく、改良の対象となる土質の性状、例えば含水比や粒度などが数値に及ぼす影響が大きいといえる。
「セメント系固化材による地盤改良マニュアル<第4版>((社)セメント協会)」によると、セメントを用いた改良土のコーン指数には一軸圧縮強さと高い相関があることが確認されており、土の種類により異なるが、コーン指数は一軸圧縮強さの8.4〜11.1倍であるといわれている。したがって、コーン指数が規定された最も品質の良い第2種改良土についても、一軸圧縮強さに換算すると72〜95kN/m2の範囲であり、重要構造物や一般的な建築基礎地盤における目標強度と比べると、非常に低い強度であるといえる。
その他、コーン指数により判断されるものとして、建設機械のトラフィカビリティーの判定が挙げられる。「道路土工−施工指針((社)日本道路協会編)」によると、最も高いコーン指数を必要とするダンプトラックでは、コーン指数1,200kN/m2以上であり、前述の関係に当てはめると、一軸圧縮強さで108〜143kN/m2の範囲に相当する。この場合も、重要構造物や一般的な建築基礎地盤における目標強度と比べると、低い強度であるといえる。
改良土のコーン指数を大きくするためには、前述した理由から、土の含水比を低下させることや、化学的安定処理により固化することが有効である。すなわち、乾燥スラッジ粉末がこれらの効果を有していれば、土質改良材として使用することができると知見した。
これらの知見より、生コンクリートスラッジから、細骨材及び粗骨材を除去してスラッジ水を得る工程、スラッジ水を濾過して固形分を得る工程、及び該固形分を、土1m3に対して、乾燥質量換算で40kg以上混合する工程を有してなる土質改良方法を見出した。
本発明によれば、これまでセメント系固化材などの地盤改良材の増量材として用いられていた乾燥スラッジ粉末を、改良目的を限定することにより、セメント成分と混合する必要なく地盤改良材そのものとして有効利用することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するスラッジは、生コンクリート工場やコンクリート製品工場などで発生する洗い残渣であり、本発明においては該スラッジから粗骨材や細骨材などを取り除き、さらに濾過して得られる固形分を利用するものである。
元となるスラッジは、主としてアジテータ車のドラム内部に付着したモルタル分や、建設現場や工場で発生する残コンや戻りコン、生コンクリート製造プラントの洗浄などにより得られるものである。スラッジ中の固形分としては、細骨材及び粗骨材の他、生コンクリートに使用したセメント分や高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材、石灰石粉などの混和材料、骨材の微粒分などが挙げられるが、セメントの種類や混和材料の種類などは、特に限定されるものではない。また、スラッジ水中には混和剤が溶解していることが考えられるが、混和剤の溶解の有無及び混和剤の種類についても、特に限定されるものではない。
本発明において、スラッジから細骨材及び粗骨材を除去してスラッジ水を得る方法は特に限定されず公知の技術を使用することができる。例えば、沈殿槽による分級や振動ふるいによるふるい分けなどが挙げられ、なかでも沈殿槽で分級したのちに、振動ふるいによるふるい分けを行う方法が好ましい。なお本発明における細骨材及び粗骨材は、いずれも日本工業規格「コンクリート用語」で定義されたものをいう。
本発明においては、上記の方法で得たスラッジ水を濾過し、固形分を得る方法は、特に限定されず公知の技術を使用することができる。例えばスクリュープレス、フィルタープレスによる濾過、遠心脱水装置などが挙げられ、なかでもフィルタープレスによる方法が好ましい。
上記濾過を経た固形分は通常、未だ水分を含んでいる(含水状態)。本発明においては含水状態のまま土と混合して土質改良を行っても良いが、輸送や保管などの取り扱いの容易さの点から、さらに乾燥させることが好ましい。
当該乾燥は、特に限定されず公知の技術を用いることができる。例えば、ロータリーキルンなどの回転式乾燥機、熱風循環式乾燥器などを用いることができる、なかでも加熱乾燥が好ましく、特に横型の回転ドラムを備えた回転式乾燥機による方法が好ましい。乾燥の程度は、固形分が粉末状を呈する程度まで行えば十分である。
上記のようにして得た固形分(含水状態又は乾燥状態)は、そのまま土と混合することもできるし、高炉スラグと混合した後、土と混合することも可能である。
本発明において高炉スラグは、高炉水砕スラグをいう。高炉スラグには潜在水硬性があり、長期的な強度発現性に寄与することができる。また、六価クロムの溶出を抑制する作用を有するため、環境負荷の点からも好ましい。
本発明において高炉スラグを混合する場合には、その量は、固形分(乾質量)100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましい。
また本発明の趣旨を阻却しない範囲で、土壌改質に際しては、石膏、石灰、セメント等の土質改質の際の混合材として公知の材料を混合使用してもよい。
本発明において、スラッジ水の濾過により得られた固形分は、土1m3に対して乾燥質量換算で40kg以上混合する。これより少ないと、十分な土質改良効果が得られない。好ましくは、施工前に改良対象となる土について、室内で乾燥スラッジ粉末の添加量を確認する。一般的には、対象土1m3に対して40〜200kg程度(乾質量換算)である。
更に好ましくは、目標とする一軸圧縮強さが得られる乾燥スラッジ粉末の添加量で作製した改良土の供試体について六価クロム溶出試験を行い、溶出量が土壌環境基準値以内であることを確認して使用する。
本発明において、スラッジ水の濾過により得られた固形分と土との混合方法は特に限定されるものではなく、例えば、バックホウ、スタビライザ、自走式並びに定置式土質改良機による混合などが挙げられる。
本発明の土質改良方法は、目標とする一軸圧縮強さが小さい地盤改良、及び目標強度をコーン指数、CBRなどで評価する用途に適用することができる。例えば、建設発生土の再利用、建設機械のトラフィカビリティーの確保、建設現場において発生した残土の運搬、道路路床・路体の改良、仮設道路及び仮設構造物の改良に適用することができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
使用材料を以下に示す。
(a)乾燥スラッジ粉末
乾燥スラッジ粉末は、三和石産(株)にて製造・販売されている「サスティナブルセメント」を用いた。予め測定した性状は、累加質量百分率30%における粒径=10μm,同50%=20μm,同80%=89μm,最大粒径=1167μm,強熱減量=14.8%であった。
乾燥スラッジ粉末は、三和石産(株)にて製造・販売されている「サスティナブルセメント」を用いた。予め測定した性状は、累加質量百分率30%における粒径=10μm,同50%=20μm,同80%=89μm,最大粒径=1167μm,強熱減量=14.8%であった。
(b)試料土
試料土は、千葉県内で発生した建設発生土(火山灰質粘性土)を用いた。試料土は、予め9.5mmふるいを用いて、粗大な礫分などは取り除いた。そのとき測定した土質性状は、自然含水比=84.1%、湿潤密度=1.372g/cm3、粒度:礫分G=1.6%,砂分S=10.2%,細粒分F=88.2%、強熱減量=14.6%であった。
試料土は、千葉県内で発生した建設発生土(火山灰質粘性土)を用いた。試料土は、予め9.5mmふるいを用いて、粗大な礫分などは取り除いた。そのとき測定した土質性状は、自然含水比=84.1%、湿潤密度=1.372g/cm3、粒度:礫分G=1.6%,砂分S=10.2%,細粒分F=88.2%、強熱減量=14.6%であった。
(c)セメント
比較例・参考例にて、普通ポルトランドセメント((株)トクヤマ社製、密度:3.16g/cm3)を使用した。
比較例・参考例にて、普通ポルトランドセメント((株)トクヤマ社製、密度:3.16g/cm3)を使用した。
改良土の作製方法
試料土を湿潤土量1m3に対して、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメントを30,50,70kg添加し、ソイルミキサー(株式会社愛工舎製作所製「ACS−20M」)を用いて低速で2分30秒攪拌し、停止後1分間でシリコンヘラを用いて攪拌用羽根、ミキサーボウルに付着した改良土を掻き落とし、更に1分間、ミキサーを用いて低速で攪拌して改良土を作製した。
試料土を湿潤土量1m3に対して、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメントを30,50,70kg添加し、ソイルミキサー(株式会社愛工舎製作所製「ACS−20M」)を用いて低速で2分30秒攪拌し、停止後1分間でシリコンヘラを用いて攪拌用羽根、ミキサーボウルに付着した改良土を掻き落とし、更に1分間、ミキサーを用いて低速で攪拌して改良土を作製した。
供試体の作製方法(一軸圧縮試験用)
作製した改良土について、セメント協会標準試験方法「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」に基づき、供試体を作製した。
作製した改良土について、セメント協会標準試験方法「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」に基づき、供試体を作製した。
供試体の作製方法(コーン指数試験用)
作製した改良土について、日本工業規格「突固めによる土の締固め試験方法」に記載のa法(モールド内径:10cm,ランマー質量:1.5kg,突固め層数:3層,1層当たりの突固め回数25回)により供試体を作製した。なお、試験方法に準拠すると、許容最大粒径は19mmであるが、一軸圧縮試験の供試体と同じ土質性状で測定を行うため、前述のとおり、9.5mm以下の試料土を用いて作製した。
作製した改良土について、日本工業規格「突固めによる土の締固め試験方法」に記載のa法(モールド内径:10cm,ランマー質量:1.5kg,突固め層数:3層,1層当たりの突固め回数25回)により供試体を作製した。なお、試験方法に準拠すると、許容最大粒径は19mmであるが、一軸圧縮試験の供試体と同じ土質性状で測定を行うため、前述のとおり、9.5mm以下の試料土を用いて作製した。
供試体の養生及び養生日数
供試体の養生は、いずれの試験に用いる供試体も上面をポリラップで被覆し、一軸圧縮試験用供試体は、恒温湿潤養生槽(株式会社マルイ製「MIT−631−1−03型」)を用いて温度20±3℃,湿度95%以上の条件で、コーン指数試験用供試体は、温度20±3℃に設定された試験室内でそれぞれ養生した。養生日数は、いずれも1日とした。
供試体の養生は、いずれの試験に用いる供試体も上面をポリラップで被覆し、一軸圧縮試験用供試体は、恒温湿潤養生槽(株式会社マルイ製「MIT−631−1−03型」)を用いて温度20±3℃,湿度95%以上の条件で、コーン指数試験用供試体は、温度20±3℃に設定された試験室内でそれぞれ養生した。養生日数は、いずれも1日とした。
スラリー流動性の確認
乾燥スラッジ粉末及び普通ポルトランドセメントについて、建築工事標準仕様書・同解説JASS15左官工事に記載の「M−103 セルフレベリング材の品質基準」3.(5)フロー値、の測定を行った。具体的には、水120gが入った容器の中に、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメント150g(W/Cとして0.8)を、スリーワンモーター(アズワン株式会社製「トルネード」)にて混合した。混合は、水が入った容器を2分間、400rpmの回転数で混合している間に、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメントを投入し、3分間600rpmにて混合、合計5分間で行った。作製したスラリーは、直ちに内径5cm×高さ5.1cmの円筒形のフローコーンに投入し、フローコーンを静かに引き抜いたときの、スラリーの広がりをノギスで測定した。この結果を表1に示す。
乾燥スラッジ粉末及び普通ポルトランドセメントについて、建築工事標準仕様書・同解説JASS15左官工事に記載の「M−103 セルフレベリング材の品質基準」3.(5)フロー値、の測定を行った。具体的には、水120gが入った容器の中に、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメント150g(W/Cとして0.8)を、スリーワンモーター(アズワン株式会社製「トルネード」)にて混合した。混合は、水が入った容器を2分間、400rpmの回転数で混合している間に、乾燥スラッジ粉末又は普通ポルトランドセメントを投入し、3分間600rpmにて混合、合計5分間で行った。作製したスラリーは、直ちに内径5cm×高さ5.1cmの円筒形のフローコーンに投入し、フローコーンを静かに引き抜いたときの、スラリーの広がりをノギスで測定した。この結果を表1に示す。
上記表1に明らかなように、同じ配合条件において、乾燥スラッジ粉末の方がフローの値は小さいことがいえる。言い換えれば、同じフロー値を得るためには、乾燥スラッジ粉末の方が多くの水を必要とすることがいえる。このことから、乾燥スラッジ粉末の方が、普通ポルトランドセメントよりも吸水性は高いといえる。
この結果より、改良対象となる土質が水を多く含んだ土の場合には、乾燥スラッジ粉末を混合した方が含水比は下がりやすいため、長い時間養生することができない改良土、例えば不要な建設発生土をダンプトラックなどで場外に運搬する場合に際しては、普通ポルトランドセメントで改良するよりも短い時間で運搬することができ、改質効果があるものと判断できる。
表2に、比較例1、実施例1、2として乾燥スラッジ粉末を添加した改良土、参考例1〜3として普通ポルトランドセメントを混合した改良土、比較例2として固化材を添加しない原土の一軸圧縮強さ及びコーン指数を示す。原土についても、改良土と同じ作製条件とするため、ソイルミキサーを用いて低速で2分30秒攪拌し、停止後1分間でシリコンヘラを用いて攪拌用羽根、ミキサーボウルに付着した原土を掻き落とし、更に1分間、ミキサーを用いて低速で攪拌したものを供試体用試料として用いた。その他、一軸圧縮試験用及びコーン指数試験用供試体の作製方法は、改良土の供試体作製方法と同じである。
表2の結果を踏まえて、一軸圧縮強さとコーン指数の関係を、図1に示す。
表2及び図1に示すとおり、比較例で実施した普通ポルトランドセメントと比べても、同じ固化材添加量で乾燥スラッジ粉末の一軸圧縮強さ及びコーン指数がほとんど変わらない品質が得られることがわかる。また、前述したが図1に示すように、一軸圧縮強さとコーン指数に直線関係が得られていることが確認された。したがって、長期的に品質管理を行う現場においては、一軸圧縮強さを測定することにより、コーン指数を管理することができる。
比較例1として示した乾燥スラッジ粉末を30kg添加したものについては、第3種改良土相当の品質が得られるが、室内試験では均質な混合ができるものの、現場における固化材の均質な混合は機械精度を鑑みると難しいことから、添加量が少ないことが想定されるため、40kg以上添加することが好ましい。
固化材を添加しない場合(比較例2)においても、既に第4種建設発生土相当の品質があるが、乾燥スラッジ粉末を土量1m3に対して50kg添加することにより第3種改良土、70kg添加することにより第2種改良土まで品質を改善することができる。したがって、乾燥スラッジ粉末を添加することにより使用用途の選択肢が増えるため、産業廃棄物として処理されていたスラッジの有効利用だけでなく、建設発生土の有効利用にも大きく寄与することができる。
Claims (3)
- 生コンクリートスラッジから、細骨材及び粗骨材を除去してスラッジ水を得る工程、スラッジ水を濾過して固形分を得る工程、及び該固形分を、土1m3に対して、乾燥質量換算で40kg以上混合する工程を有してなる土質改良方法。
- スラッジ水を濾過して、固形分を得る工程の後、該固形分と土を混合する工程の前に、当該固形分を乾燥する工程をさらに有する請求項1記載の土質改良方法。
- スラッジ水を濾過して、固形分を得る工程の後、該固形分と土を混合する工程の前に、該固形分に更に高炉スラグを混合する工程を有する請求項1又は2記載の土質改良方法。
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