JP2002146350A - 遅硬性固化材の製造方法 - Google Patents

遅硬性固化材の製造方法

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JP2002146350A
JP2002146350A JP2001266073A JP2001266073A JP2002146350A JP 2002146350 A JP2002146350 A JP 2002146350A JP 2001266073 A JP2001266073 A JP 2001266073A JP 2001266073 A JP2001266073 A JP 2001266073A JP 2002146350 A JP2002146350 A JP 2002146350A
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cement
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hydrate
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Yasunori Suzuki
康範 鈴木
Masahiro Yoshihara
正博 吉原
Yoshinari Terano
宜成 寺野
Yasushi Omodaka
安志 面高
Yuichi Kotabe
裕一 小田部
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤改良などに用いられる遅硬性固化材のミ
ルクの分離抵抗性、ポンプ圧送性を低下させることがな
く遅硬性と長期強度発現の付与に優れた刺激材、及びそ
れを含む遅硬性固化材の提供。 【解決手段】 セメント水和物の微細粒子、例えばコン
クリートスラッジから得られる水和物、硬化コンクリー
トから得られる水和物及び/又はセメントに水を添加し
て水和反応させて得られる水和物の微細粒子を遅硬性固
化材用刺激材として利用し、この遅硬性固化材用刺激材
1.0〜10.0重量部と、高炉スラグ微粉末70.0
〜99.0重量部と、石膏0〜20.0重量部とを含む
遅硬性固化材を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遅硬性固化材用刺激
材及びそれを含む遅硬性固化材に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は、地盤改良のために用
いられる遅硬性固化材をミルクにしたとき、その分離抵
抗性及びポンプ圧送性を低下させることなく、所望の遅
硬性を発現し得る遅硬性固化材用刺激材、及びそれを含
む遅硬性固化材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地盤改良工法、特に深層混合処理による
地盤改良工法においては、セメント系固化材のミルクを
土壌に注入しこれを固化する。例えば、深層混合処理工
法において杭の連続壁を構築し一体性を保つには、ラッ
プ部の施工が重要となる。このラップ部においては、先
の杭に注入された固化材の凝結硬化を遅延させ、後の杭
に注入された固化材との間に境界を形成することなく連
続一体化させることが一般的である。一方、海洋施工に
おいては気象条件の悪化に伴い連続施工ができない場合
もあるが地盤改良の連続性・一体性を確保するため、先
の施工部分に注入された固化材の凝結硬化を遅延させる
必要が生ずる。
【0003】上述のように、硬化遅延を必要とする場合
には、固化材に硬化遅延剤を添加して用いるか、又は固
化材として遅硬性固化材を用いることが必要である。通
常の固化材に遅延剤を添加する場合、遅延剤中の遅延有
効成分が土壌粒子に選択的に吸着されてしまうので、所
望の凝結硬化遅延効果を得るためには、多量の遅延剤を
添加することが必要であり、このため所要コストが上昇
するという問題点がある。さらに、所望遅延効果を得る
ための遅延剤の所要量は、固化処理を受ける土壌の温
度、固化材ミルクの温度、固化材の組成、及び特性など
によって変動するので、遅延剤の添加量を制御すること
は、実際上困難である。
【0004】一方、遅硬性固化材を用いる場合には、固
化材自身が遅硬性を有するため、所望の遅硬効果を得る
ことは比較的容易である。しかし、特開昭59−937
85「水底地盤改良用固化材および水底軟弱地盤改良方
法」の如く、遅硬性固化材に含まれる刺激材(例えばセ
メントや石灰粉末)は、その刺激作用をある程度抑制す
る必要があるため、比表面積を小さく、するなわち粒径
を粗くする必要がある。この場合に、固化材ミルクの分
離抵抗性が低く、ポンプ圧送性に欠けるという問題が生
ずる。なお、ここでいう「刺激材」とは、遅硬性固化材
の「硬化」を担う主たる原材料である高炉スラブ微粉末
の潜在水硬性を促すアルカリ刺激材のことを云う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の遅硬
性固化材に用いられる刺激材の前記問題点を改善し、安
定して確実に所望の遅硬性を実現させ、かつミルクにし
た時の分離抵抗性及びポンプ圧送性が改善された遅硬性
固化材用刺激材、及びそれを含む遅硬性固化材を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、セ
メント水和物の微細粒子の遅硬性固化材組成物主材に与
える刺激作用が、セメントや石灰等に比べて緩漫である
ために確実にまた容易に所望の遅硬性をもたらすこと、
並びに微粉末効果としてミルクの材料分離抵抗性を高め
てポンプ圧送性を好適なものにすることを見出し、本発
明を完成した。
【0007】本発明の遅硬性固化材用刺激材は、セメン
ト水和物の微細粒子を含むことを特徴とするものであ
る。本発明の前記遅硬性固化材刺激材において、前記セ
メント水和物の微細粒子は、コンクリートスラッジ、硬
化コンクリート、及びセメントの水和反応生成物の少な
くとも1種から得ることができる。また、本発明の遅硬
性固化材は、前記本発明の刺激材1.0〜10.0重量
部と、高炉スラブの微粉末70.0〜99.0重量部
と、石膏0〜20.0重量部とを含むものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の遅硬性固化材用刺激材と
して用いられるセメント水和物は、セメントクリンカー
化合物の各種水和物を包含している。本発明において、
コンクリートスラッジから得られるセメント水和物、硬
化コンクリートから得られるセメント水和物及び/又は
セメントに水を添加して水和反応させて得られるセメン
ト水和物の微細粒子を、本発明の刺激材として活用する
ことができる。本発明に用いられる遅硬性固化材用刺激
材は、BET法(ガス吸着による表面積測定法)による
0.4m2 /g〜10m2 /gの粉末度を有しているこ
とが好ましい。このような粉末度を有する本発明の遅硬
性固化材用刺激材は、遅硬性固化材組成物に与える刺激
作用がセメントや石灰に比べて緩漫であるために確実に
また容易に、所望の遅硬性をもたらすこと、並びに微粉
末効果としてミルクの材料分離抵抗性を高めてポンプ圧
送性を好適なものにする。また本発明の遅硬性固化材用
刺激材は、遅硬性固化材ミルクの調製に際して乾燥状
態、スラリー状態のいずれでも適用できる。
【0009】表1に、コンクリートスラッジから得られ
る水和物、硬化コンクリートから得られる水和物、セメ
ントに水を添加して得られる水和物からなる本発明の遅
硬性固化材用刺激材の一例の化学成分及び物性を示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明の遅硬性固化材用刺激材は、高炉ス
ラグの微粉末、及び必要により石膏粉末と混合され、本
発明の遅硬性固化材を構成する。本発明の遅硬性固化材
に用いられる高炉スラグの微粉末は、3000〜500
0 cm2/gの粉末度を有することが好ましく、一般には
4300 cm2/g程度の粉末度を有するものが使用され
る。
【0012】本発明の遅硬性固化材に用いられる石膏の
種類には格別の限定はなく、二水石膏、半水石膏、また
は無水石膏などを用いることができるが、一般的な排脱
石膏を利用することができる。本発明に用いられる石膏
は、一般に、ブレーン値1500cm2 /g〜7000cm
2 /g程度の粉末度を有することが好ましい。
【0013】本発明の遅硬性固化材において、セメント
水和物からなる刺激材、高炉スラグ微粉末及び石膏は、
乾燥状態基準で(1.0〜10.0):(70.0〜9
9.0):(0〜20.0)の重量部比で配合し混合さ
れる。この重量部比は(2.5〜10.0):(75.
0〜97.5):(0〜15.0)であることがより好
ましい。刺激材の含有率が過小であると、得られる固化
材は、硬化不良になり、またそれが過大であると、得ら
れる遅硬性固化材は遅硬性不良による施工性不良を生ず
る。また、高炉スラグ微粉末の含有率が過小であると、
得られる遅硬性固化材の固化及び強度発現が不十分にな
り、またそれが過大になると、得られる遅硬性固化材の
遅硬性が不十分になる。さらに、石膏の含有量が過大に
なると、得られる遅硬性固化材は土質によっては遅硬性
不良により施工性が悪化する。
【0014】本発明の遅硬性固化材は、水中にミルク状
に分散され、このミルクを所望の地盤中に注入して土壌
を硬化させ、それによって地盤を改良する。地盤中に注
入され、土壌と混合された固化材ミルクは徐々に硬化
し、7〜14日後から次第に強度を発現し、材齢約28
日以降に、所望の強度を発現することができる。
【0015】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する。
下記実施例に用いられた成分原料及び試験方法は下記の
通りである。
【0016】成分原料 (1)遅硬性固化材用刺激材 イ)コンクリートスラッジから得られた水和物からなる
刺激材 …生コンクリートプラントから回収されたコンクリート
スラッジを分級した後、乾燥微粉砕して調製した。 ロ)硬化コンクリートから得られた水和物からなる刺激
材 …廃コンクリートを粉砕分級して調製した。 ハ)セメントに水を添加して水和反応させて得られた水
和物からなる刺激材 …ボールミルに普通ポルトランドセメントと水を投入し
湿式粉砕した後、乾燥して調製した。 イ)、ロ)、ハ)の各々の化学成分、粉末度、比重は表
1のとおりであった。なお、比較のために特開昭59−
93785に記載のポルトランドセメントを使用した。
これの化学成分、粉末度、比重も併せて表1に示した。
【0017】(2)高炉スラグ 粉末度 4400cm2 /g 比重 2.92
【0018】(3)石膏:排脱二水石膏 粉末度 1890cm2 /g 比重 2.33
【0019】試験方法 (1)混合土固化試験 所定組成の遅硬性固化材を用いて、水固化材比80%の
ミルクを調製し、有明産土壌(海性シルト)1m3 に対
して、300kgを混合した。この混合土スラリーの経時
硬化状況を観察しながら、硬化体の材齢1,2,3,
7,14,28日及び91日の一軸圧縮強度を測定し
た。 (2)分離抵抗性試験 所定組成の本発明遅硬性固化材および比較例として、特
開昭59−93785「水底軟弱地盤改良用固化材及び
水底軟弱地盤改良方法」の固化材を用いて、それぞれ水
固化材比80%の水性スラリーを調製し、土木学会規準
(JSCE−F522−1986)に従って3時間経過
後のブリーディング率を測定した。 (3)ポンプ圧送性 所定組成物の本発明遅硬性固定材および比較例として特
開昭59−93785の固化材を用いて、それぞれ水固
化材比80%のミルクを調製し、注水後5分、30分で
東邦地下土機株式会社製のグラウト/ボーリングポンプ
BQ−15B型(吐出量200l/分)によりポンプ圧
送実験を行なった。
【0020】実施例1〜4及び比較例1 実施例1〜4及び比較例1の各々において、表2に記載
の組成を有する固化材を調製し、これを前記試験に供し
た。試験結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、本発明の遅硬性
固化材は、材齢7日でもまだ固化せず実用上優れた遅硬
性を示し、且つ材齢28日以降の硬化体の一軸圧縮強度
は、実用上十分なものである。また、本発明の遅硬性固
化材は分離抵抗性試験でブリーディング率が小さく、ポ
ンプ圧送性が良好であった。一方比較例は材齢7日で固
化強度を呈しており、遅硬性に欠ける。又ブリーディン
グ率が大きく、圧送性は不良であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の遅硬性固化材用刺激材は、遅硬
性固化材の遅硬性を向上させ、かつ長期材齢でも実用上
十分な強度発現を達成することができ、かつ遅硬性固化
材のミルクの材料分離性及びポンプ圧送性を低下させる
ことがない。従って前記本発明の遅硬性固化材用刺激材
を含有する遅硬性固化材は、杭の打継ぎを行なう地盤改
良などの用途において、その工事の進行を円滑化し、す
ぐれた固化効果を示すものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月12日(2001.11.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 遅硬性固化材の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遅硬性固化材の製造
方法に関するものである。更に詳しく述べるならば、本
発明は、地盤改良のために用いられる遅硬性固化材をミ
ルクにしたとき、その分離抵抗性及びポンプ圧送性を低
下させることなく、所望の遅硬性を発現し得る遅硬性固
化材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地盤改良工法、特に深層混合処理による
地盤改良工法においては、セメント系固化材のミルクを
土壌に注入しこれを固化する。例えば、深層混合処理工
法において杭の連続壁を構築し一体性を保つには、ラッ
プ部の施工が重要となる。このラップ部においては、先
の杭に注入された固化材の凝結硬化を遅延させ、後の杭
に注入された固化材との間に境界を形成することなく連
続一体化させることが一般的である。一方、海洋施工に
おいては気象条件の悪化に伴い連続施工ができない場合
もあるが地盤改良の連続性・一体性を確保するため、先
の施工部分に注入された固化材の凝結硬化を遅延させる
必要が生ずる。
【0003】上述のように、硬化遅延を必要とする場合
には、固化材に硬化遅延剤を添加して用いるか、又は固
化材として遅硬性固化材を用いることが必要である。通
常の固化材に遅延剤を添加する場合、遅延剤中の遅延有
効成分が土壌粒子に選択的に吸着されてしまうので、所
望の凝結硬化遅延効果を得るためには、多量の遅延剤を
添加することが必要であり、このため所要コストが上昇
するという問題点がある。さらに、所望遅延効果を得る
ための遅延剤の所要量は、固化処理を受ける土壌の温
度、固化材ミルクの温度、固化材の組成、及び特性など
によって変動するので、遅延剤の添加量を制御すること
は、実際上困難である。
【0004】一方、遅硬性固化材を用いる場合には、固
化材自身が遅硬性を有するため、所望の遅硬効果を得る
ことは比較的容易である。しかし、特開昭59−937
85「水底地盤改良用固化材および水底軟弱地盤改良方
法」の如く、遅硬性固化材に含まれる刺激材(例えばセ
メントや石灰粉末)は、その刺激作用をある程度抑制す
る必要があるため、比表面積を小さく、するなわち粒径
を粗くする必要がある。この場合に、固化材ミルクの分
離抵抗性が低く、ポンプ圧送性に欠けるという問題が生
ずる。なお、ここでいう「刺激材」とは、遅硬性固化材
の「硬化」を担う主たる原材料である高炉スラブ微粉末
の潜在水硬性を促すアルカリ刺激材のことを云う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の遅硬
性固化材に用いられる刺激材の前記問題点を改善し、安
定して確実に所望の遅硬性を実現させ、かつミルクにし
た時の分離抵抗性及びポンプ圧送性が改善された遅硬性
固化材の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、セ
メント水和物の微細粒子の遅硬性固化材組成物主材に与
える刺激作用が、セメントや石灰等に比べて緩漫である
ために確実にまた容易に所望の遅硬性をもたらすこと、
並びに微粉末効果としてミルクの材料分離抵抗性を高め
てポンプ圧送性を好適なものにすることを見出し、本発
明方法を完成した。
【0007】本発明の遅硬性固化材の製造方法は、0.
4〜10m2 /gのBET法粉末度を有するセメントの
水和物の微細粒子のみからなる刺激材と、高炉スラグの
微粉末とを混合することを特徴とするものである。本発
明の遅硬性固化材の製造方法において、前記セメントの
水和物の微細粒子が、セメントを湿式粉砕して得られた
もの、コンクリートスラッジ及び硬化コンクリートから
選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。さら
に、石膏を混合することが好ましい。前記刺激材1.0
〜10重量部と、高炉スラグの微粉末70.0〜99.
0重量部と、石膏0〜20.0重量部とを混合すること
が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法において、遅硬性固化
材用刺激材として用いられるセメント水和物は、セメン
トクリンカー化合物の各種水和物を包含している。本発
明方法において、コンクリートスラッジから得られるセ
メント水和物、硬化コンクリートから得られるセメント
水和物及び/又はセメントに水を添加して水和反応させ
て得られるセメント水和物の微細粒子を、刺激材として
活用することができる。本発明方法に用いられる遅硬性
固化材用刺激材は、BET法(ガス吸着による表面積測
定法)による0.4m2 /g〜10m2 /gの粉末度を
有しているものである。このような粉末度を有する遅硬
性固化材用刺激材は、遅硬性固化材組成物に与える刺激
作用がセメントや石灰に比べて緩漫であるために確実に
また容易に、所望の遅硬性をもたらすこと、並びに微粉
末効果としてミルクの材料分離抵抗性を高めてポンプ圧
送性を好適なものにする。また本発明方法の遅硬性固化
材用刺激材は、遅硬性固化材ミルクの調製に際して乾燥
状態、スラリー状態のいずれでも適用できる。
【0009】表1に、コンクリートスラッジから得られ
る水和物、硬化コンクリートから得られる水和物、セメ
ントに水を添加して得られる水和物からなる本発明の遅
硬性固化材用刺激材の一例の化学成分及び物性を示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明方法において、遅硬性固化材用刺激
材は、高炉スラグの微粉末、及び必要により石膏粉末と
混合され、遅硬性固化材を構成する。本発明の遅硬性固
化材製造方法に用いられる高炉スラグの微粉末は、30
00〜5000 cm2/gの粉末度を有することが好まし
く、一般には4300 cm2/g程度の粉末度を有するも
のが使用される。
【0012】本発明の遅硬性固化材製造方法に用いられ
る石膏の種類には格別の限定はなく、二水石膏、半水石
膏、または無水石膏などを用いることができるが、一般
的な排脱石膏を利用することができる。本発明に用いら
れる石膏は、一般に、ブレーン値1500cm2 /g〜7
000cm2 /g程度の粉末度を有することが好ましい。
【0013】本発明の遅硬性固化材製造方法において、
セメント水和物からなる刺激材、高炉スラグ微粉末及び
石膏は、乾燥状態基準で(1.0〜10.0):(7
0.0〜99.0):(0〜20.0)の重量部比で配
合し混合される。この重量部比は(2.5〜10.
0):(75.0〜97.5):(0〜15.0)であ
ることがより好ましい。刺激材の含有率が過小である
と、得られる固化材は、硬化不良になり、またそれが過
大であると、得られる遅硬性固化材は遅硬性不良による
施工性不良を生ずる。また、高炉スラグ微粉末の含有率
が過小であると、得られる遅硬性固化材の固化及び強度
発現が不十分になり、またそれが過大になると、得られ
る遅硬性固化材の遅硬性が不十分になる。さらに、石膏
の含有量が過大になると、得られる遅硬性固化材は土質
によっては遅硬性不良により施工性が悪化する。
【0014】本発明方法により得られた遅硬性固化材
は、水中にミルク状に分散され、このミルクを所望の地
盤中に注入して土壌を硬化させ、それによって地盤を改
良する。地盤中に注入され、土壌と混合された固化材ミ
ルクは徐々に硬化し、7〜14日後から次第に強度を発
現し、材齢約28日以降に、所望の強度を発現すること
ができる。
【0015】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する。
下記実施例に用いられた成分原料及び試験方法は下記の
通りである。
【0016】成分原料 (1)遅硬性固化材用刺激材 イ)コンクリートスラッジから得られた水和物からなる
刺激材 …生コンクリートプラントから回収されたコンクリート
スラッジを分級した後、乾燥微粉砕して調製した。 ロ)硬化コンクリートから得られた水和物からなる刺激
材 …廃コンクリートを粉砕分級して調製した。 ハ)セメントに水を添加して水和反応させて得られた水
和物からなる刺激材 …ボールミルに普通ポルトランドセメントと水を投入し
湿式粉砕した後、乾燥して調製した。 イ)、ロ)、ハ)の各々の化学成分、粉末度、比重は表
1のとおりであった。なお、比較のために特開昭59−
93785に記載のポルトランドセメントを使用した。
これの化学成分、粉末度、比重も併せて表1に示した。
【0017】(2)高炉スラグ 粉末度 4400cm2 /g 比重 2.92
【0018】(3)石膏:排脱二水石膏 粉末度 1890cm2 /g 比重 2.33
【0019】試験方法 (1)混合土固化試験 所定組成の遅硬性固化材を用いて、水固化材比80%の
ミルクを調製し、有明産土壌(海性シルト)1m3 に対
して、300kgを混合した。この混合土スラリーの経時
硬化状況を観察しながら、硬化体の材齢1,2,3,
7,14,28日及び91日の一軸圧縮強度を測定し
た。 (2)分離抵抗性試験 所定組成の本発明方法により得られた遅硬性固化材およ
び比較例として、特開昭59−93785「水底軟弱地
盤改良用固化材及び水底軟弱地盤改良方法」の固化材を
用いて、それぞれ水固化材比80%の水性スラリーを調
製し、土木学会規準(JSCE−F522−1986)
に従って3時間経過後のブリーディング率を測定した。 (3)ポンプ圧送性 所定組成物の本発明方法により得られた遅硬性固定材お
よび比較例として特開昭59−93785の固化材を用
いて、それぞれ水固化材比80%のミルクを調製し、注
水後5分、30分で東邦地下土機株式会社製のグラウト
/ボーリングポンプBQ−15B型(吐出量200l/
分)によりポンプ圧送実験を行なった。
【0020】実施例1〜4及び比較例1 実施例1〜4及び比較例1の各々において、表2に記載
の組成を有する固化材を調製し、これを前記試験に供し
た。試験結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、本発明方法によ
り得られた遅硬性固化材は、材齢7日でもまだ固化せず
実用上優れた遅硬性を示し、且つ材齢28日以降の硬化
体の一軸圧縮強度は、実用上十分なものである。また、
本発明方法により得られた遅硬性固化材は分離抵抗性試
験でブリーディング率が小さく、ポンプ圧送性が良好で
あった。一方比較例は材齢7日で固化強度を呈してお
り、遅硬性に欠ける。又ブリーディング率が大きく、圧
送性は不良であった。
【0023】
【発明の効果】本発明方法に用いられる遅硬性固化材用
刺激材は、遅硬性固化材の遅硬性を向上させ、かつ長期
材齢でも実用上十分な強度発現を達成することができ、
かつ遅硬性固化材のミルクの材料分離性及びポンプ圧送
性を低下させることがない。従って前記本発明方法によ
り得られ、遅硬性固化材用刺激材を含有する遅硬性固化
材は、杭の打継ぎを行なう地盤改良などの用途におい
て、その工事の進行を円滑化し、すぐれた固化効果を示
すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/06 C09K 17/06 P E02D 3/12 102 E02D 3/12 102 //(C04B 28/08 (C04B 28/08 22:08 22:08 Z A 22:14) 22:14) B 111:70 111:70 C09K 103:00 C09K 103:00 (72)発明者 寺野 宜成 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 面高 安志 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 小田部 裕一 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AB03 CA01 CA03 CA04 CB03 CC02 4G012 MB00 MB01 MB02 MB23 PB05 PB06 PB11 4H026 CA01 CA04 CA05 CB03 CC06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント水和物の微細粒子を含む遅硬性
    固化材用刺激材。
  2. 【請求項2】 前記セメント水和物の微細粒子が、コン
    クリートスラッジ、硬化コンクリート、及びセメントの
    水和反応生成物の少なくとも1種から得られたものであ
    る、請求項1に記載の遅硬性固化材用刺激材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の刺激材1.0〜
    10.0重量部と、高炉スラグの微粉末、70.0〜9
    9.0重量部と、石膏0〜20.0重量部とを含有する
    遅硬性固化材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014218860A (ja) * 2013-05-10 2014-11-20 株式会社トクヤマ スラッジ粉末を用いた土質改良方法

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