JP6009554B2 - ジアリールカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モノヒドロキシ芳香族化合物およびホスゲンからの液体反応混合物中で均質な溶解性である選択触媒の規定量の存在下でのジアリールカーボネートの製造方法を提供する。とりわけ、該方法は、ジアリールカーボネート、好ましくはジフェニルカーボネート(DPC)をフェノールおよびホスゲンから少なくとも部分的に液体相において更なる溶媒を使用せずに製造する方法であり、該反応において得られた塩化水素は、実質的にホスゲンを含まない。この方法は好ましくは、固体形態で形成されたDPCの沈積を回避するために80℃を超える温度において行なわれる。反応物質の転化率は、標準圧または僅かに減圧、または50bar(a)までの高圧にて行うことができ、そこではホスゲンもまた凝縮相中に存在する。その反応により得られた塩化水素は、塩化水素が多くの更なる可能性のある用途について、特に塩素への電気化学または熱酸化のために適当であるように選択される一以上の精製工程にさらされる。 こうして得られたこの塩素は、一酸化炭素によるホスゲン製造に使用することができる;得られたホスゲンは、本発明による方法に使用することができる。反応条件下で液体である最終生成物は好ましくは、副生成物を除去する幾つかの蒸留工程で精製され、99.8%を超えるDPCの含量を有する。その反応に用いる触媒は、反応へ少なくとも部分的に再利用することができる方法で処理することができる。
モノヒドロキシ芳香族化合物およびホスゲンからの純粋なジアリールカーボネートの製造方法は知られている。
ジアリールカーボネート(例えば炭酸ジフェニル)の製造は、典型的には、ホスゲンの製造および引き続きのモノフェノールおよびホスゲンの不活性溶媒中での界面におけるアルカリおよび窒素触媒の存在下での反応により連続法により行われる。
Figure 0006009554
例えば相界面法によるジアリールカーボネート製造は、原則として文献に記載されている(例えば「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、Polymer Reviews、H.Schnell、第9巻、John Wiley and Sons,Inc.、1964年、第50/51頁を参照)。
相界面法により、溶媒および水に溶解した反応物質を互いに反応させる。これらの方法の欠点は、溶媒からのジアリールカーボネートの留去およびその再処理であり、避けられない生成物としての塩化ナトリウム含有水相において、そのために限られた可能な使用のみが存在し、極めて複雑な仕上げ工程が必要であり得る。
従って、モノヒドロキシ芳香族化合物の直接ホスゲン化と呼ばれる方法が開発され、その方法では、ホスゲンおよびモノヒドロキシ芳香族反応物質は、溶融物中で触媒の存在下であるが溶媒を使用せずにジアリールカーボネートと塩化水素に変換される。しかしながら、この方法は、ホスゲンのような更なる2次成分を更に含む、この純度において再生可能ではないHClが得られる欠点を有する。
例えばUS2,362,865(A)は、アルミニウムフェノキシドあるいはチタンフェノキシドを使用して170℃〜250℃の温度でのモノフェノールの直接ホスゲン化によるジアリールカーボネートの製造方法を記載する。ホスゲンの付随する残存量を除去する形成された塩化水素の精製について、ベンゼンを有する粗製塩化水素の洗浄のための任意の測定が記載されているが、この場合、塩化水素を水に吸収させて塩酸を形成するか、またはアルカリ金属水酸化物溶液に吸収させて塩化ナトリウム溶液を形成する。しかしながら、その結果、精製気体状塩化水素は得られない。
EP10158364.9(本出願の優先権主張日に未だ公開されていない)および未公開EP10158446.4はいずれも、金属ハライドあるいは金属フェノキシドを使用して20℃〜240℃の温度にてモノフェノールの直接ホスゲン化によるジアリールカーボネートの製造方法を同様に記載する。
微量のホスゲンを除去する形成された塩化水素の生成は、既知の先行技術に従えば、ホスゲンおよび更なる揮発性成分の冷却トラップにおけるより低い温度での凝縮とは別であり、更にまたは別に冷却溶媒、例えばクロロベンゼンでー15℃〜ー45度の温度にて洗浄することにより行う。この手段は、更なる回路の導入を生じさせ、これは、塩化水素のクロロ炭化水素での汚染をもたらし、その後の使用、例えばDeacon酸化についての障害であり、従って、更なる工程において再び除去する必要がある。この手順は非常に複雑であり、したがって回避されるべきであり、エネルギーの更なる極めて高い支出をもたらし、従ってエネルギーおよび費用効率を著しく損なう。
EP1234845Aは同様に120℃〜190℃の温度における特に純粋なホスゲンとの溶融物中でのモノフェノールの反応について記載する。使用される触媒は、窒素含有化合物(例えば使用されるモノフェノールに基づいた0.1〜10mol%の0.1の量におけるピリジン)である。気体状反応生成物の記載された処理はさらに、利用可能な最終生成物としての精製気体状塩化水素をもたらさないが、水あるいはアルカリ金属水酸化物溶液における吸収より塩酸溶液あるいは塩化ナトリウム溶液をもたらす。
EP1112997A2は、溶融状態のモノフェノールとホスゲンとの80℃〜180℃の温度での反応および形成された塩化水素の塩素への酸化を記載する。塩化水素は、精製して厄介な副生成物を吸収剤、例えば活性炭素との接触により、水中に溶解して塩酸を与え、電気分解するか、または気体状形態で熱酸化する前に除去する。この文献は、可能な精製手段として凝縮を単に開示する。ここでは、下流酸化で使用する塩化水素中の副生成物、例えばホスゲンあるいはクロロ炭化水素等の許容可能な残存濃度についての数値が定義されていない。
更に、更なる多くの財産権、例えばWO2008/114750A1、JP2008 231073A、JP2009114195A、JP09 278714A、JP09 100256Aが存在し、ここでは、ジアリールカーボネートを与える比較的高温におけるモノフェノールとホスゲンとの均質的可溶性窒素含有触媒の存在下での反応が記載される。
WO95/25083A1およびEP567677A1はそれぞれ反応溶媒において均質溶解性であるリン化合物、例えばホスファイトまたはホスフィンをモノフェノールの直接ホスゲン化反応における触媒として記載する。
これらの出版物のいずれも、塩化水素の特定の純度を確保するかあるいは塩化水素中の二次成分を規定の制限へ限定する要件の如何なる表示も与えない。とりわけ、当業者が特定の二次成分、例えばホスゲン等に気付くこととなる示唆はない。
先行技術から既知の方法は、それ自体、副生成物が破壊的となる化学プロセス用原料である生成物の高純度を確保するのに不十分である。更に、前記方法は高い経済および生態学の要求を満たすのに不十分である。例えば、NaCl水溶液の形成は、多くの方法の典型であり、許容することができないが、これは、そのような避けられない生成物は生態学的には問題があるかまたは比較的高い水準の複雑さを、例えば濃度および引き続きの電気分解より必要とするからである。純粋な塩化水素のための非常に多くの可能な用途があるので、対照的に望ましいことは特に気体状塩化水素の形成である;これらのうちの1つは特に、塩素とホスゲンの段階より製造方法へ戻す塩化水素の再循環である。そのような再生は、先行技術によれば、様々な方法による塩酸の形態での塩化水素の電気分解により試みることが可能であり、隔膜法または塩酸の酸素消費カソードによる電気分解は、現代の重要な塩素の調製法として言及される。これらの電気分解プロセスは、非分裂電気分解プロセスを確保する塩化水素の十分な純度を要求する。先行技術による塩化水素からの塩素を調製するための別の方法は、ディーコン法であり、そこでは塩化水素は、化学的に塩素へ酸化される。塩化水素の重要な純度基準は、市販可能な生成物としてのマーケティングの場合でさえ、塩化水素中のホスゲンおよび有機化合物の極めて実質的な欠如である。
生成物の純度基準に加えて、製造方法の効率は別の重要な方法の特徴である。例えば、ホスゲンと凝縮均一相中のフェノールとの反応は、気体状ホスゲンおよび液体フェノールの二相混合物よりフェノール中のホスゲンの高い濃度に起因してはるかに高い。温度増加はまた、反応速度について促進効果があり、100℃〜250℃、好ましくは110℃〜220℃の範囲の高温は有利であり得る。しかしながら、このような温度は、フェノール中のホスゲンの溶解性を打ち消し、圧力下で高温における反応型は、特に有利である。
米国特許第2362865号明細書 欧州特許出願第10158364.9号 欧州特許出願第10158446.4号 欧州特許出願公開第1234845号明細書 欧州特許出願公開第1112997号明細書 国際公開第2008/114750A1号パンフレット 特開2008−231073号明細書 特開2009−114195号明細書 特開09−278714号明細書 特開09−100256号明細書 国際公開第95/25083A1号パンフレット 欧州特許出願公開567677A1号明細書
「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、Polymer Reviews、H.Schnell、第9巻、John Wiley and Sons,Inc.、1964年、第50/51頁
したがって、取り組まれる技術的課題は、高温、および任意に高圧において更なる溶媒を用いないモノフェノールの溶融物中における直接ホスゲン化法によりジアリールカーボネートを製造するための方法を開発することであり、適当な手段により、特に良好な品質について注目すべきであるHCl流をもたらすが、高い経済実行性により操作される。とりわけ、本発明は、ジアリールカーボネートの製造方法に関し、該方法から、気体状塩化水素を、100ppm重量未満、好ましくは50重量ppm未満のホスゲンおよび/またはクロロ炭酸エステルの残存顔料および1000重量未満、好ましくは100重量ppm未満、より好ましくは50重量ppm未満の有機化合物(特にクロロ炭化水素)で提供し、この精製法は、最大の経済実行性で実施されることとなる。
更に、最高温度レベルの使用(例えば30℃)は、重要な経済役割を果たす。実際、より低い温度水準用の生成強度は、低下する温度で上昇し、従って同様に生成コストが上昇する。したがって、可能な限り低温水準(例えば−40℃)でのクーラントの量を最小限にし、高温水準(例えば6℃、好ましくは30℃)でのクーラントを使用することは有利である。ここに記載の温度は、単に説明のために働く。
ここでは、有機化合物は、物質、例えばフェノール、ジアリールカーボネート、一酸化炭素あるいは塩素化炭化水素(例えば四塩化炭素)等である。ここで得られた気体状塩化水素は、塩素の製造のための酸化工程用の原材料として特に適当である。このような酸化工程は、例えば電気分解セル中のアノード酸化と呼ばれるものによる電気化学的酸化である;これらの例は従来のアマルガム電気分解システム、同様により現代的な隔膜セル、あるいは酸素消費カソードと呼ばれるものを含む。更に、化学酸化法、例えば気体状塩化水素を、高温、例えば銅触媒を超える温度にて酸化して塩素を与え、副生成物として水を形成するDeacon法が存在する。ここで得られた塩化水素は、純水中で溶解によって高純度塩酸の製造に同様に使用することができる。したがって、本発明は、本発明による製造方法において得られる塩化水素の使用、酸化法による塩素の製造方法における使用、または高純度塩酸の製造のための使用を提供する。用いる塩化水素の純度は重要であるが、これは、上述の有機化合物のうちのいくつかおよびさらにクロロ炭酸エステルおよびホスゲンが触媒毒として働き、例えばディーコン法に悪影響を及ぼし、または電気分解法を損なうからである。純粋な塩酸の製造のためにまた、ホスゲンのような不純物、クロロ炭酸エステルあるいは四塩化炭素は許容することができない。酸化工程のために本発明に従って得られた塩化水素の使用の場合には、塩化水素の上記の規定された純度は、これらのそれぞれの酸化工程の前の任意の更なる塩化水素精製工程に関係なく各場合での即時の方法に必要な純度に関係する。従って、劣った品質の塩化水素がこれらの酸化工程中で使用され、単にこれらの方法の前に更なる工程によって要求される純度にもたらされるかどうかは重要ではない;塩化水素の使用に重要なことはそのそれぞれの酸化工程へ入る際の純度である。
意外にも、技術的問題は、ジアリールカーボネートを調製する過程で塩化水素の精製のために特定の手段を取ることにより解消される。とりわけ、蒸留は、塩化水素を精製する特に適当な精製手段を提供する。更に、少なくとも2つの精製手段、好ましくは凝縮および洗浄からなる群から選択される蒸留以外の更なる精製手段と組み合わさった蒸留の組み合わせは、非常に経済的に実行可能なプロセス型をもたらすが、これは優れた純度をもたらし、精製手段の順序は所望の通りである。
ポリカーボネートの色数に対するザロール濃度の影響。 図2は、フェノールとホスゲンからの炭酸ジフェニルの合成において2つの異なった量の四塩化チタンの使用について完全に明らかな関係を示す。 図3は、フェノール中のホスゲンの溶解度を示す。 図4は、方法全体の概観を示す。 図5.aは、塩化水素処理(2段階凝縮)の視覚的概観を示す。 図5.bは、塩化水素処理(蒸留のみ)の視覚的概観を示す。 図5.c 塩化水素処理(全段階)。 図6は、ジアリールカーボネート処理(工程c)の視覚的概観を示す。
本発明による方法は、3つのプロセス区域から構成される:
A)反応、
B)塩化水素処理
C)ジアリールカーボネート処理
視覚的な全体の外観は図4から与えられるが、本発明はこの手順(全方法)に制限されない。
プロセス区域A)では、反応物質は、溶融モノフェノール中のホスゲンの実質的に均一な溶液が存在するように上流プロセス工程において互いに混合する;これは任意に所定の溶融温度にて高圧の使用により遂行することができる。用語「モノフェノール」は、以下、全ての芳香族性モノヒドロキシル化合物に使用するが、これは単環式または多環式の置換または非置換芳香族モノヒドロキシル化合物であってよい。本発明による方法のための適当なモノフェノールは、環状芳香族炭素環へ結合したOH基を含有する芳香族化合物である。これらは、単環式または多環式芳香族炭素化合物または例えば一以上の窒素あるいはリン原子を有する単環式または多環式複素環式化合物であってよい。これらの芳香族化合物はまた、芳香環における種々の位置にて一以上の置換基を含有し得る。
工程(h)に使用される本発明に適した芳香族ヒドロキシル化合物(モノフェノール)は好ましくは、一般式(I):
Figure 0006009554
〔式中、R、R’およびR’’はいずれも独立して水素、ハロゲンまたは分枝または非分枝のC〜C−アルキル基またはアルコキシカルボニル基であってよい〕
で示される芳香族ヒドロキシル化合物である。
例えば、そのような芳香族モノフェノールは以下のものである:フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、さらにクレゾールの混合物として、ジメチルフェノール、また混合物として、ここで、フェノール環上のメチル基は、任意の位置、例えば2,4−、2,6−または3,4−ジメチルフェノール、o−、m−またはp−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、pブロモフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノール、o−、m−またはp−エチルフェノール、o−、m−またはp−n−プロピルフェノール、4イソプロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−n−ペンチルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−n−オクチルフェノール、4−イソオクチルフェノール、4−n−ノニルフェノール、4−イソノニルフェノール、o−、m−またはpメトキシフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、ビフェニル−4−オール、1ナフトール、2−1−ナフトール、4−(1−ナフチル)フェノール、4−(2−ナフチル)フェノール、4−フェノキシフェノール、3ペンタデシルフェノール、4−トリチルフェノール、メチルサリチル酸、エチルサリチル酸、n−プロピルサリチル酸、イソプロピルサリチル酸、n−ブチルサリチル酸、イソブチルサリチル酸、テルとブチルサリチル酸、フェニルサリチル酸、ベンジルサリチル酸およびサリチル酸メチル。
好適なモノフェノールはフェノール、4−tert−ブチルフェノール、ビフェニル−4−オールおよび4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールである。
特に好ましいのはフェノールである。
使用されるモノフェノールは少なくとも99.90重量%の純度を有するべきである。
反応物質は好ましくは、300重量ppm未満の水を含有するが、これは、水の存在は、物質の腐食を促進するからである。
ここで用いるモノフェノールは、フェノールと同様に、貯蔵タンクからの新鮮なフェノールと呼ばれる全工程へ外側から導入されるフェノールであってよく、プロセス工程B)およびC)の凝縮流からのまたはプロセス工程B)の洗浄液体流からの再生モノフェノールもまた含有する。こうして再生されたモノフェノールは、方法からの副生成物、例えばジアリールカーボネート、塩化水素またはアリールクロロ炭酸エステルの残存量を含有し得るが、これは反応に無害である。使用される反応物質の混合物では、モノフェノールは、好ましくはホスゲンに基づいた化学量的に要求される量を越えて存在する。モノフェノールとホスゲンとのモル比は1.5:1〜4:1まで変化してよく、好ましいのは2:1〜3:1のモル比であり、特に好ましいのは2.5:1〜3:1のモル比である。
製造方法の最終生成物中において望ましくない副生成物を回避するために、使用されるホスゲンは少なくとも99.80重量%、好ましくは99.96重量%の純度を有するべきである;四塩化炭素の含量は、15重量ppm未満、好ましくは50重量ppm未満となる。
本発明による方法のための適当な触媒は、追加の溶媒を用いない反応混合物中の反応条件下で均質的に溶解するものである。そのような触媒は、例えば金属塩、アミン、複素環式窒素化合物、ホスフィンまたはリン−酸素化合物である。好適である触媒は、金属塩、例えばアルミニウムハライド、ジルコニウムハライド、チタンハライド、または素環式窒素化合物、例えばキノリン、キナゾリンまたはピリジンである。特に好適である触媒は、チタンテトラクロリド、アルミニウムトリクロリド、四塩化ジルコニウムまたはピリジンである。極めて特に好ましいのは、チタンテトラクロリドおよびアルミニウムトリクロリドである。金属塩化物は、反応条件下で比較的急速に、完全にあるいは部分的に対応する金属フェノキシド、例えばチタンテトラフェノキシドへ変換され、これは、この場合、均質的に溶解された活性触媒成分を構成する。本発明に従って使用される触媒は、存在するモノフェノールを基準に0.001モル%〜10モル%の量、好ましくは0.01モル%〜5モル%の量、より好ましくは0.05モル%〜2モル%の量で用いることができる。
意外にも、ジアリールカーボネート中のo−ヒドロキシ安息香酸誘導体の含量は、方法から終わりにおいて回収される使用される触媒の繰り返し使用の場合でさえそれ以上上昇しないが、その代り、停滞することがわかった(図2におけるプラトー)。触媒のそのような回復は、例えば最後のジアリールカーボネート蒸留段階からの底部生成物の再生により行うことができる。本発明によるジアリールカーボネート製造方法での回復された触媒のこの繰り返し使用は、回分式で、あるいは連続法に於いて達成することができる。図2は、触媒としてのチタンテトラクロリドの存在下でのジフェニルカーボネートの製造の例を用いて、副生成物としてのザロールの形成を、反応における回収触媒の繰り返し使用の数の関数として示す。エステル交換可能な副生成物、例えばフェニル、サリチレート(ザロール)は、代替末端基としてポリマー鎖へ組み込むことができ、予知できない副作用を有し得る。例えばこうして製造されたポリカーボネートの質に対する直接の影響を、ザロールは図1から推測することができるように有する。意外にも、触媒の繰り返し使用の場合には、ザロールの形成は、再生と汚染との間で線形依存性を有さないが、その代わりにプラトーに到達し、そこではo−ヒドロキシ安息香酸誘導体の濃度はそれ以上上昇しない。
触媒は好ましくは、モノフェノール溶融物中での溶液として好ましく用いる。このような溶液は、さらにジアリールカーボネート底部生成物として蒸留可能なジアリールカーボネート処理のプロセス区域C)から生じ、次にプロセス区域A)として反応中への個別の触媒処理の有無にかかわらず再生される。したがって、触媒処理は絶対に必要ではないが、プロセス区域A)への触媒の再生のために完全に可能である。
触媒は、反応物質の混合の完了より以降に、好ましくは反応器中に、混合の過程での反応物質の早期反応、従って不適当なプロセス区域における塩化水素の早期発生を回避するために添加する。
そのようなプロセス区域C)からの触媒の量のそのような再生は、任意の頻度で試みることができる;好ましくは連続的に触媒の一部を再生することが可能であるが、残存量は蒸留底としてプロセスサイクルから取出される。必要な場合には、新鮮な触媒を、再生された触媒の量へ添加することができる。好適な実施形態では、触媒の少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、更により好ましくは少なくとも75重量%、極めて特に好ましくは少なくとも85重量%が再生される。しかしながら、好ましい実施態様では、99重量%以下、好ましくは95重量%以下の触媒が再生される。
ジアリールカーボネート中の副生成物の濃度は意外にも、幾つかの反復又は延長された触媒再生後の極限に接近し、ジアリールカーボネート中の副生成物濃度における僅かな相対的上昇が触媒の永続的再生の場合に観察される。
触媒の単離が望まれる場合、それは使用される触媒の種類に依存し、四塩化チタンの使用の場合には、例えばチタンテトラクロリドへの蒸留底において形成されたチタンテトラモノフェノキシドまたはチタンサロレートのホスゲン化を意味する。ザロールでのチタネートはまた触媒活性である。ピリジンの使用の場合には、形成されたピリジン塩酸塩が塩基を有する遊離ピリジンへ変換される必要がある。
モノフェノールとホスゲン反応物質は、多ファイに上で特定されたモル比で、または上で特定された好ましいモル比で混合され、モノフェノールは常に溶融物の形態で存在し、ホスゲンは優勢な圧力に従って気体状態または液体状態である。60℃を超える標準圧力および温度では、二相気体−液体混合物がほとんどの場合存在するが、これは、ホスゲンの溶解度もまた、ジアリールカーボネートにおける通り、モノフェノール中の温度を上昇させながら減少し、ホスゲンのフェノール中の溶解度について図3において説明された。
したがって、相界面の十分な一新によって反応物質の適切な変換を確保するために反応相において非常に集中的に混合し再度分散しなければならない。従って、反応物質を互いに高温において標準圧下で、好ましくは50バール(a)までの高圧下で、より好ましくは25バールまでの高圧下で、さらに好ましくは8〜25バール(a)(ここで、(a)は絶対圧力を意味する)の圧力にて混合および反応させる。混合領域中の温度は少なくともモノフェノールの溶融温度であるべきであるが、有利には、100℃〜250℃の範囲の反応温度に達する。
反応物質の実質的に完全な混合の後、好ましいのは上記触媒の1つを、好ましくは好適な量でモノフェノール中の溶液として混合物へ添加することである。中間体としてのアリールクロロカルボナートを与えるモノフェノールとホスゲンとの触媒による反応は、気体状塩化水素の除去により上記温度および圧力において非常に急速に進み、その反応は好ましくは2以上の段階において行なうことができる。その反応は、低い発熱性のみを有するので断熱条件下で行なうことができる。第一段階では、主反応器と呼ばれ、既にさらに反応したジアリールクロロカーボネートに加えて主にアリールクロロカーボネートは、特に高温にて、好ましくは120℃〜230℃の温度にて、より好ましくは130℃〜210℃の温度にて、ジフェニルカーボネートの製造については、極めて好ましくは160℃〜180℃の温度にて、5〜60分、好ましくは5〜10分の反応器滞留時間にて形成する。第2段階では、後反応器と呼ばれるものにおいて、アリールクロロカルボネートは、好ましくは170℃〜250℃、より好ましくは190℃〜230℃、極めて好ましくは200℃〜210℃のやや高い温度において、5〜60分、好ましくは5〜20分の反応器滞留時間においてなお存在するモノフェノールと反応してジアリールカーボネートを与える。ポスト反応器と呼ばれるものに於いて第2段階における圧力は、2〜20バールへ低下させることもできる。そのような圧力の低下は、フラッシュ段階と呼ばれるものにおいて有利に行われ、そこにおいて、圧力の低下の結果として、主反応器において形成された塩化水素ガスは、反応溶融物から特に効率的に除去することができる。後反応器中の第2反応段階を越えて、必要に応じてフラッシュ段階を塩化水素の残存量の除去のために存在させることも可能である。これはまた、引き続きのプロセス区域C)(蒸留可能なジアリールカーボネート処理)の最初の蒸留塔へ任意に統合させ、ガスと液相の分離をそこで促進させ得る。
所定の反応条件下での反応物質の変換のための良好な適合性の反応器は好ましくは、連続式反応器であるが、さらに、バッチ式反応装置として攪拌容器を使用することも可能である。特に良好な適合性の連続反応器は、例えば撹拌タンクカスケード、バブルカラム塔、トレイカラム、ランダム充填物でのカラム、反応媒体の混合用の固定内部を備えたカラムまたは反応性蒸留塔である。
このようなカラムは互いに組み合わせてもよく、例えば付属精留塔を有するバブルカラム塔であってよく、この場合には、反応物質の上記混合からの脱離では、反応物質は、カラムの組み合わせにおいて異なった箇所で別々に導入することができる。例えば上記カラム組み合わせにおいて、ホスゲンは約10の理論段で上部の精留塔への触媒と共により低いバブルカラム塔およびモノフェノールへ導入することができる。形成されたジアリールカーボネートは、バブルカラム塔から回収される。形成された塩化水素は、精留の上部において回収される。
対応する反応物質の個別の計量添加は、反応蒸留塔においてカラムの中間にホスゲンを導入しおよびカラムの上部において触媒と共にモノフェノールを導入することにより達成することができる。反応混合物はカラム底部から回収される。このようなカラムは、少なくとも5枚および約20枚の板を有し得る。
反応器のさらなるオプションの態様では、反応物質は、主反応器において1〜25バールの圧力にて十分に高く、任意に延長された滞留時間、好ましくは120℃〜190℃、より好ましくは160℃〜180℃の反応器の底部において比較的低い温度にて完全に変換することができる。反応器の上部では、更なる加熱は、250℃まで、好ましくは230℃までの幾分高い温度をそこで得るために必要とされる。次いで低いボイラーの反応混合物および除去の実質的本質的な脱気は、フラッシュ蒸発あるいは別の脱気技術によって達成することができる。
特に好ましいのは、反応物質混合物が上述した通り上向きに底から流れるバブルカラム塔である。気体状塩化水素は、バブルカラム塔の上部において除去し、および反応混合物は、カラムシャフトの上部端において除去される。後者は、カラムトレイより、後反応器として働くバブルカラム塔へ供給される。最後のバブルカラム塔から、完全に反応した反応混合物は、遅延反応器の終わりにおいて取出し、下流プロセス区域C)蒸留可能なジアリールカーボネート処理へ供給する。各バブルカラム塔の上部において取出された塩化水素ガスは、下流プロセス区域B)塩化水素処理において組み合わせる。さらなる塩化水素の除去は、フラッシュおよび引き続く圧力上昇における減圧により個々の段階間で可能である。
装置物質は、高温で塩化水素とホスゲンへの安定性に関する高い要求を満たさなければならず、好ましくは黒色スチール、ステンレス鋼、鋼合金、ニッケル系合金(例えばHastelloy C)、セラミック、グラファイト、エナメル被覆材料、PTFE内張り材料の物質の群から選択される。
プロセス区域B)塩化水素処理では、反応A)において形成された気相は集められ、塩化水素ガスは主生成物から分離され、任意にジアリールカーボネートへ更に変換され、反応へ供給される。主な塩化水素生成物は、純度を増加させるために蒸留することができる。とりわけ、蒸留は、塩化水素を精製する特に適当な精製手段を提供する。更に、少なくとも2つの精製手段、好ましくは凝縮および洗浄からなる群から選択される蒸留以外の更なる精製手段と組み合わさった蒸留の組み合わせは、非常に経済的に実行可能なプロセス型をもたらすが、これは優れた純度をもたらし、精製手段の順序は所望の通りである。
好ましいのは、最後に蒸留(D)を行なうことであり、ここで可能な組合わせは所望の通りであり、例えば洗浄(S)−蒸留、凝縮(C)−蒸留、C−S−DまたはC−S−C−Dである。C−S−C−Dの組み合わせは、非常に特に好ましい。
このプロセス区域の図形の概観は、図5において与えられる(塩化水素処理)。
このプロセス区域Bでは、プロセス区域A)からの幾つかの流れ(反応; 流れ5.7および12を参照)はともに組み合わせられ精製される。低沸点成分中の主生成物は、90重量%以上において塩化水素ガスである;副生成物は、5重量%を超えて過剰に用いられるモノフェノール、微量のアリールクロロカルボナート、ジアリールカーボネートおよびホスゲン、ホスゲンからの副生成物として、微量の一酸化炭素および四塩化炭素である。副生成物は、種々の工程により主塩化水素生成物から、99.0重量%を超える、好ましくは99.9重量%を超える純度で塩化水素ガス、100重量ppm未満、好ましくは10重量ppm未満、より好ましくは10重量ppb未満のホスゲンおよび/または塩化炭酸エステルの残存含有量を得るように実質的に除去することができる。同様に、塩化水素中の有機化合物の含量は、1000重量ppm未満、好ましくは50重量ppm未満となり、とりわけ、塩素化炭化水素の含有量は、50重量ppm未満となる。
この目的は以下に記載された一以上の工程によって達成される。この目的は、多段法によって好ましく達成される。
第1凝縮段階と呼ばれるものでは、塩化水素より高い沸点を有する副生成物を適温で圧縮する。これは、本質的に塩化水素ガスから、比較的高い濃度で存在する比較的高い沸点成分、例えばモノフェノールとジアリールカーボネート等を除去し、これらは反応中へ再生することができる。この除去は、高圧を任意に用いる場合に比較的低温と同様に特に効率的である。第1凝縮段階における好ましい温度は少なくとも80℃であり、炭酸ジフェニルの製造についてはより好ましくは90℃である。この圧力は、好ましくは8〜25バール(a)の範囲内で設定される;炭酸ジフェニルの製造のための特に好適である圧力は12バール(a)である。副生成物もまた必要に応じて、異なった温度および/または圧力で2以上の段階で塩化水素ガス流から凝縮することもできる。
いずれにしても、十分に低い温度または十分に高い圧力を、困難を伴ってのみ実施する場合には、この最初の凝縮段階もまた、溶融ジアリールカーボネートでの塩化水素流からの副生成物を下流のいわゆるHCl洗浄工程において適当な装置中で洗浄するためにバイパス化することもできる。このHCl洗浄段階が塩化水素用の第1精製段階である場合には、このHCl洗浄段階はまた、2以上の段階を有してよく、および洗浄の効率を増加させるために異なった低下温度レベルにて操作してよい。特にモノフェノールは、ジアリールカーボネート中で極めて良好な溶解性である。さらに、洗浄に用いるジアリールカーボネートを、例えば下流プロセス区域C)ジアリールカーボネート処理における適当な地点で取り出す場合には、微量のクロロ炭酸エステルおよびホスゲンをジアリールカーボネートへこのプロセス工程において変換させることもなお可能である。原則として、このプロセス区域から蒸留ジアリールカーボネートまでの任意のジアリールカーボネート流はHCl洗浄段階に適当である;プロセス区域C)からのHCl洗浄段階についての触媒およびフェノール含有ジアリールカーボネート流を、短時間で塩化水素ガス中になお存在する有機塩素化合物を反応させることを可能にするために取り出すことは記載の有機塩素化合物の変換について有利であり得る。
そのような適当なジアリールカーボネートは、例えばプロセス区域A)(反応)の終わりでの底部生成物流13(図4、全体方法参照)であり、これは、プロセス区域C)(ジアリールカーボネート処理)の第1段階への更なる処理について供給する。このジアリールカーボネートでは、十分な量の触媒およびフェノールを存在させる。この目的のための別法は、DPC中で洗浄する副生成物の物理的溶解性は十分に高いので、蒸留ジアリールカーボネートを任意の所望の方法でHCl洗浄段階のために用いることである。しかしながら、好ましくは、純粋な蒸留ジアリールカーボネートは、流れ27を取り出すHCl洗浄段階に用いる(図4、方法全体を参照)。HCl洗浄段階における有機塩素化合物の変換については、洗浄媒体としてのジアリールカーボネートの代わりに、洗浄される副生成物の物理的な溶解度がモノフェノールにおいてもまた十分に高いので、モノフェノールを使用することも同様に可能である。このモノフェノールは、例えばモノフェノール反応物質流の準流であってよい。ジアリールカーボネートを与えるクロロエステルあるいはホスゲンの反応が望まれる場合には、洗浄に用いたモノフェノールは任意の所望の方法で触媒を含んでよい。ジアリールカーボネートまたはモノフェノールで洗浄するHClは、ジアリールカーボネートの融点を超える温度で好ましく行なう;炭酸ジフェニルの製造の場合には、95℃の溶融温度が特に好ましい。HCl洗浄は標準圧力または8〜25バール(a)の高圧で行なうことができる;炭酸ジフェニルの製造の場合には、12バール(a)が特に好ましい。
このような洗浄では、99.9重量%の純度を有する塩化水素ガスを得ることは可能である。ホスゲンの割合はボリュームによる50重量ppm未満であり、クロロギ酸エステルの割合は検出限界未満であり、フェノール含量は1重量ppm未満へ低減される。
このHCl洗浄段階は必ずしも必要でなく、他のプロセス工程の互いの任意の所要の組み合わせの場合にはバイパス化することもできる。
塩化水素ガスの高純度の達成については、塩化水素蒸留は特に適当である。エネルギー効率の良いやり方でそのような蒸留液を行なうことができるために、上流の第2凝縮段階においてより低い温度への精製する塩化水素の先行する冷却は望ましいが、必ずしも必要ではない。この段階を省略する場合、低温における相応するより高いエネルギーは下流塩化水素蒸留において必要である。任意に幾つかの異なった温度および/または圧力レベルにて処理してもよい第2凝縮段階において、塩化水素ガス中になお存在する微量の高沸点副生成物を、特に8〜25バール(a)の範囲、ジフェニルカーボネートの場合には好ましくは12バール(a)の比較的高い圧力を用いる場合に分離する。温度は、プラス25℃〜マイナス50℃の非常に広い範囲内で技術的状況に応じて変わってもよい。この第2凝縮段階は、HClガス流中に存在するモノフェノールの濃度をこのようにして明確に低下させ、HCl蒸留を省くので、特にHCl洗浄段階における洗浄をモノフェノールで行った場合に極めて望ましい。この第2の凝縮段階が省略される場合、HCl蒸留中のエネルギー必要量に関する要求は相応して、非常に高い。凝縮液は、同様に第1凝縮段階でのような反応に供給することができる。
プロセス区域B)における塩化水素処理の第4および最後の段階として、塩化水素蒸留は、特に好適である態様に於いて、高純度塩化水素の製造のための特に良好な適合性である。それは、高圧で好ましくは行なわれるべきであるが、これは、そうでなければ別法として必要な十分に低い温度の確立のためのエネルギー支出が不釣り合いに高くなるからである。上流精製段階が標準圧力で行なわれている場合、8〜25バール(a)への塩化水素流の圧縮は、この精製段階以内では極めて望ましい;炭酸ジフェニルの製造については、12バール(a)は特に好ましい。これらの条件の下では、99.95重量%の純度を有する塩化水素ガスが得られる。
プロセス区域B)において塩化水素精製の4つの上記段階は全て、高純度塩化水素ガスの製造のために記載された順序において本発明に従って特に適当である。特定の順序または全ての方法段階の性能へのコンプライアンスは、必ずしも必要ではないが、その代り、反応から分離された塩化水素の汚染度および最終生成物としての塩化水素ガスの所望の純度に依存する。例えば、以下にHCl蒸留の例を使用して記載される通り、個々の精製段階または単一の精製段階での所望の結果を達成することは全体的に可能であり得る。
プロセス区域A)(反応;図4流れ5、7、9および12を参照)からの出発物質流を、先の精製を伴わない塩化水素蒸留へ直接供給する場合、99.95重量%の純度を有する塩化水素ガスは同様に、同一温度および圧力条件下で入手可能である。
精製段階の組み合わせは、純度の特別の程度を達成するために上記の列挙と独立した特定の順序で完全に場合により実行することができる。
第1および第2凝縮段階の実施のための適当な装置は、方法条件のための十分に高い熱交換器表面積および反応へ凝縮液を供給するための装置を有する従来用いられる冷却トラップである。そのような冷却トラップも2以上の段階で構成され、任意に、異なった温度を有し得る。HCl洗浄段階用の適当な装置は、特に連続的な装置、例えばバブルカラム塔、バブルキャップトレイ塔、ランダム充填物を有するカラム、構造化充填物を有するカラム、固定内部を有するカラムであり、洗浄液体は上昇する塩化水素ガスに対抗して上から導くことができる。さらに、原則として、連続撹拌装置、例えばミキサーセトラー、あるいは回分式で操作される撹拌装置は適当である。
塩化水素蒸留は、適当なカラム内部を有する従来用いられる蒸留または精留塔において行うことができる。
上記装置のための物質は、高温における塩化水素への安定性に関する高い要求を満たさなければならず、好ましくは黒色スチール、ステンレス鋼、鋼合金、ニッケル系合金(例えばHastelloy C)、セラミック、グラファイト、エナメル被覆材料、PTFE内張り材料の群から選択される。
ジアリールカーボネート処理のプロセス区域C)では、反応A)において形成された比較的高い沸点成分が収集され、分離され、任意に反応へ再利用される;主生成物は99.0重量%を超える、好ましくは99.8重量%を超える純度を有するジアリールカーボネートが得られる程度に精製される。
このプロセス区域の視覚的概観は、図6において与えられる(塩化水素処理)。
この目的のために、液体反応生成物は、遅延反応器からの底部生成物として、またはプロセス区域A)の任意に引き続くフラッシュ段階からの底部生成物として、プロセス区域C)の第1蒸留段階へ転送される。液体反応生成物は、主生成物としてジアリールカーボネート、および重要な二次成分としてモノフェノール、および僅かな重量%の触媒および塩化水素を含み、および最大250℃、好ましくは180℃〜210℃の温度での第1蒸留段階および0.5〜3.0バール(a)、好ましくは0.8〜1.0バール(a)の圧力にて塩化水素を放出する。この塩化水素は、プロセス区域B)塩化水素処理において第1凝縮段階へ供給される。
第1方法段階としての蒸留の代わりに、2以上の段階において行うこともできるモノフェノールフラッシュ蒸発を使用することも可能である。好ましい態様において第2方法段階であるこのフラッシュ蒸発の課題は、下流のモノフェノール蒸留段階に省くために主ジアリールカーボネート生成物からのフェノールの実質的な除去である。150℃〜250℃、好ましくは170℃〜200℃のフラッシュ条件下で、0.1〜1.0バール(a)、好ましくは0.2〜0.5バール(a)の圧力にて、モノフェノールの蒸発と同様に、塩化水素の実質的な蒸発もまた行う。分離したモノフェノール蒸気は、更なる精製を伴わずに反応へ直接的に再利用することができる。塩化水素ガスは、プロセス区域B)塩化水素処理において第1凝縮段階へ供給する。
塩化水素の除去用の第1蒸留液段階後の第2方法段階としてのフラッシュ蒸発の代わりに、同様の条件の下でモノフェノールの実質的除去用の第1蒸留段階からの底部生成物の第2の従来用いられる蒸留を、フラッシュ蒸発について上述した通り行うことも可能である。遅くともプロセス区域C)において第2の方法段階により、蒸発技術の種類に関わりなく、微量の塩化水素の液体ジアリールカーボネート底部生成物を放出することは望ましい。
塩化水素を含まず、モノフェノールと触媒成分を少量のみ含有する第2方法段階の底部生成物は、低沸点副生成物、本質的にはモノフェノールを、下流第3方法段階、モノフェノール蒸留においてほとんど完全に含まない。蒸留は、従来用いられる蒸留あるいは精留塔において250℃まで、好ましくは180℃〜210℃の底部温度にて、50ミリバール(a)未満、好ましくは10〜30ミリバール(a)の圧力にて行う。これらのモノフェノール蒸気流は、更なる精製を伴わずに反応へ直接送ることができる。
第3方法段階からのこの底部生成物は、引き続きの第4方法段階(ジアリールカーボネート蒸留)における蒸留により最大210℃の底部温度および15ミリバール未満の圧力にて高沸点物質、例えば触媒成分を含まない。このような蒸留では、高純度ジアリールカーボネートは、99.5重量%を超える、好ましくは99.8重量%を超える含有量で、側流においてまたは蒸留塔の上部より取出すことができる。こうして製造方法の主生成物として得られたジアリールカーボネートは、微量のオルト−ヒドロキシ安息香酸誘導体を0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満の量でなお含有するが、これは、これらの主生成物からの副生成物の完全蒸留分離を、ジアリールカーボネートからの小さな沸点差により技術的に非常に困難である。蒸留ジアリールカーボネート中のこれらの副生成物の濃度は、例えばチタン触媒により錯体形成により低下するが、その結果、その後、これらの副生成物は蒸留底において高沸点物質として残る。このカラムの上部にて、微量の低沸点物質もまた除去され反応へ供給される。カラム底部において分解反応の任意の大部分の回避用の210℃の好ましい最大底部温度では、必要であれば僅かではない量のジアリールカーボネートがカラムの底部に残り、これはジアリールカーボネートの収率を低減する。
従って、ジアリールカーボネート蒸留塔からの底部は、任意に第5方法段階(アリールカーボネート蒸発器)へ供給することが可能であり、ここで、短い滞留時間で、薄膜蒸発器の原理に従って、好ましくは15ミリバール(a)未満の真空および210℃を越える温度において、十分な量のジアリールカーボネートを第4方法段階の底部生成物から回収する。このように回収されたジアリールカーボネートは、微量の高沸点副生成物をなお含有し得るが、更なる精製について第4方法段階のジアリールカーボネート蒸留塔へ好ましく再利用される。なお残存する底部生成物は、第5方法段階において、用いる触媒に従って、なお触媒活性であり、直接または更なる処理の後に再使用することが可能であり、完全または部分的に反応へ再生することができる触媒成分を大部分含んでなる。触媒としてチタンテトラクロリドの使用の場合には、チタンテトラモノフェノキシドまたは副生成物としてのオルト−ヒドロキシ安息香酸誘導体との混合エステルが生じ、同様にチタンへ結合し、蒸留の底部において高沸点物質として残存する。
プロセス区域C)におけるジアリールカーボネート処理の上記段階の5つの全ては、記載の順序において、高純度ジアリールカーボネートの製造について本発明に従って特に適当である。しかしながら、特定の順序の観察または全ての方法段階の実施は、必ずしも必要であるとは限らないが、モノフェノールの過剰の割合、触媒の種類および反応から得られた反応混合物における副生成物の量、および最終生成物としてジアリールカーボネートの所望の純度に依存する。したがって、個々の精製段階あるいは単一の精製段階での所望の結果を得ることは完全に可能であり得る。ここでまた、精製段階の組み合わせは、特定の純度を得るために、特定の順序であるが上記の列挙とは独立した順序において行うことが完全に可能であり得る。
ジアリールカーボネート処理のプロセス区域C)において適当な蒸留装置は、例えばバブルキャップトレイ塔、ランダム充填物を有するカラム、構造化充填物を有するカラム、分割壁カラム、液体表面積を上昇される適当な内部でのカラム、薄膜蒸発器あるいはフラッシュ蒸発器である。
蒸留段階のための減圧は、真空液体環ポンプによって典型的に生成される。これは、同様にこの方法により得られたジアリールカーボネートあるいはこの方法において用いるフェノールで操作される蒸気排出装置により生成することができる。
図1:ポリカーボネートの色数に対するザロール濃度の影響。
図2は、フェノールとホスゲンからの炭酸ジフェニルの合成において2つの異なった量の四塩化チタンの使用について完全に明らかな関係を示す。
図3は、フェノール中のホスゲンの溶解度を示す。
図4は、方法全体の概観を示す。
図5.aは、塩化水素処理(2段階凝縮)の視覚的概観を示す。
図5.bは、塩化水素処理(蒸留のみ)の視覚的概観を示す。
図5.c 塩化水素処理(全段階)。
図6は、ジアリールカーボネート処理(工程c)の視覚的概観を示す。
図4、5.aおよび5.bでは、括弧書きされた文字は以下の意味を有する:
A)は、プロセス区域「反応」である。
B)は、プロセス区域「塩化水素後処理」である。
C)は、プロセス区域「ジアリールカーボネート処理」である。
四角形の箱中の文字は以下の意味を有する:
A:反応物質混合設備
B:主反応器
C:脱気段階
D:後反応器
E:遅延反応器
F:脱気またはフラッシュ段階
G:第1凝縮段階
H:塩化水素洗浄
I:第2凝縮段階
J:塩化水素蒸留
K:第1蒸留(低沸点物質蒸留)
L:フラッシュ蒸発
M:モノフェノール蒸留
N:ジアリールカーボネート蒸留
O:ジアリールカーボネート蒸発器(薄膜蒸発器)
P:(任意の)触媒溶液貯蔵容器
Q:凝縮器
R:フェノールでの低沸点物質洗浄
下線が引かれた数字は、以下の流れを表示する:
1:ホスゲン
2:新鮮な触媒
3:新鮮なモノフェノール
4:モノフェノール−ホスゲン混合物
5:塩化水素+低沸点物質
6:反応混合物
7:塩化水素+低沸点物質
8:反応混合物
9:塩化水素+低沸点物質
10:反応混合物
11:反応混合物
12:塩化水素+低沸点物質
13:反応混合物
14:モノフェノール凝縮物
15:塩化水素
16:洗浄DPCの流出
17:塩化水素
18:塩化水素
19:塩化水素最終生成物
20:塩化水素蒸留の底部生成物
21:低沸点物質蒸気流
23:ジアリールカーボネート
23:ジアリールカーボネート
24:ジアリールカーボネート
25:低沸点物質蒸気
26:ジアリールカーボネート
27:ジアリールカーボネート最終生成物
28:ジアリールカーボネート最終生成物
29:ジアリールカーボネート凝縮物
30:ジアリールカーボネート底部生成物中の触媒塩
31:ジアリールカーボネート底部放出
32:触媒溶液再生
ザロール含量の決定
ザロール(フェニルo−ヒドロキシベンゾアート)を、実施例における炭酸ジフェニル試料中で水によるチタン−ザロール錯体の加水分解後にガスクロマトグラフィーによりA)下で炭酸ジフェニルの蒸留前に決定した。このように、炭酸ジフェニル中で形成されたザロール副生成物の全量を検出することができた;そうでない場合には、形成されたザロールの一部は、チタンへ錯体結合したままであり、その蒸留後に炭酸ジフェニル中の副生成物として検出を回避する。
YI
本発明の成形品組成物の光学特性の決定は、ASTM E313に標準試験試料片(60×40×4mm)上で黄色度指数(YI)と呼ばれるものを測定することにより行う。標準試験試料片は、300℃の溶融温度および90℃の金型温度で製造した。
A)炭酸ジフェニル中の副生成物としてのザロール(フェニルo−OH−ベンゾエート)の形成についてのチタン触媒再生の影響:
実施例1
ガス注入口フリット(2=40〜100μm)、電磁撹拌機、液相温度検出器、ジャケット付コイル還流凝縮器、サンプリング用隔壁および熱制御による油熱浴を有する250mLバッフル付容器にまず、141.2g(1.5モル)のフェノールおよび触媒として355.7mg(1.875ミリモル)のチタンテトラクロリド(フェノールを基準に0.125モル%)を充填し、160℃に加熱し、88g(0.89g)のホスゲン(モル比:フェノール対ホスゲン 1.68:1)を質量流量計により導入した。続いて、ガス注入口フリットをN2ガスで更に2時間パージし、底部温度を160℃から徐々に90℃へ低下した。その後、試料をGC純度測定のために隔壁から取り出した。その後、少しN2を散布しながら、混合物を90℃にて更に1時間撹拌し、次いで第2モニタリング用試料をGC分析用に取り出した。その後、反応混合物を、30ミリバール(a)未満の真空および210℃の底部温度下で蒸留し、低沸点物質および炭酸ジフェニルを蒸留した。触媒含有底部生成物を、この触媒組成物の再使用可能性を試験するために引き続きの実験に再び用いた。
GCサンプルを、チタンとの錯体からザロールを放出するために分析前にRTにて水と共に徹底的に震とうした。
DPCに基づくザロール含有量:0.4重量%。
実施例2
実施例1と同様であるが、177.8mg(0.937ミリモル)のチタンテトラクロリド(フェノールを基準に0.0625mol%)を用いた;
DPCに基づくザロール含有量:0.3重量%。
実施例3、第1触媒再生
実施例1と同様であるが、触媒含有蒸留底部物質を新鮮なチタンテトラクロリドで1.875ミリモル(フェノールを基準に0.125モル%)のチタン触媒の総含有量へ触媒含有量を補給した後に用いた;
DPCに基づくザロール含有量:0.7重量%。
実施例4〜7、第2〜第5触媒再生
実施例3と同様であるが、触媒含有蒸留底部物質を新鮮なチタンテトラクロリドで1.875ミリモル(フェノールを基準に0.125モル%)のチタン触媒の総含有量へ触媒含有量を補給した後に繰り返し用いた;
第2触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:1.0重量%。
第3触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:1.2重量%。
第4触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:1.2重量%。
第5触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:1.1重量%。
実施例8、第1触媒再生
実施例2と同様であるが、触媒含有蒸留底部物質を、新鮮なチタンテトラクロリドでの触媒含有量の0.937ミリモル(フェノールを基準に0.0625モル%)のチタン触媒の総含有量への補給後に用いた;
DPCに基づくザロール含有量:0.6重量%。
実施例9〜17、第2〜第10触媒再生
実施例8と同様であるが、触媒含有蒸留底部物質を、新鮮なチタンテトラクロリドでの触媒含有量の0.937ミリモル(フェノールを基準に0.0625モル%)のチタン触媒の総含有量への補給後に繰り返し用いた;
第2触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.8重量%。
第3触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.9重量%。
第4触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.9重量%。
第5触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.9重量%。
第6触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.8重量%。
第7触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.8重量%。
第8触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.8重量%。
第9触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.7重量%。
第10触媒再生におけるDPCに基づくザロール含有量:0.8重量%。
データを以下の表形式(表1)で要約する:
Figure 0006009554
B)溶融物中のポリカーボネートの調製
貯蔵容器から、7798kgのDPC/時(36402モル/時)および8128kgのBPA/フェノール混合物/時からなる15927kg/時の溶融混合物を、6.35kg/時の触媒溶液を添加しながら、熱交換器よりポンプで送り、190℃へ加熱し、遅延カラムより導入した。平均滞留時間は45分であった。触媒混合物は、0.52kgのテトラフェニルホスホニウムフェノキシドとフェノールとのフェノール付加物(65.5重量%のテトラフェニルホスホニウムフェノキシド、0.786モルを含有する)を構成し、4.5kgのフェノールに溶解した。BPA/フェノール混合物は、92.66重量%のBPA(32999モル)および7.34重量%のフェノール(6339モル)を構成した。DPC/BPA比率は1.103(モル/モル)である。
その後、溶融物を236ミリバール下でセパレーター中へ減圧バルブより通過した。下方へ流れる溶融物を再び190℃へ流下膜式蒸発器において236ミリバール下で同様に190℃へ加熱し、容器に集めた。30分の平均滞留時間後、溶融物は同一の設計の次の2段階へポンプで送った。第2/第3段階の条件は、95/50ミリバール、227/273℃および35/40分である。
形成されたオリゴマーは、7ミリバールの圧力、274℃の温度および120分の平均滞留時間で下流ケージ反応器(反応器1)において更に凝縮した。続いて、溶融物を、第2ケージ反応器(反応器2)中で290℃にておよび0.8ミリバールの圧力および120分の平均滞留時間で更に圧縮し、反応器から取出し、粒状化した。
色数YIに対するザロールのそれぞれの影響を調査するために、ザロール量を、溶融混合物に応じて加えた。
結果を表2および図1に集約する。
Figure 0006009554
C)純粋塩化水素ガスの調製法:
以下の方法配列は、特に好適である実施態様においてフェノールとホスゲンとからの炭酸ジフェニル製造の例を用いて、本発明の方法全体の順序について説明するが、本発明をこの方法順序へ制限しない。図4(区域B)および図5.aおよび5.bは特に、塩化水素ガスの精製のためのプロセス工程を記載する。
特に好適である態様では、図4(区域B)に示されるが、反応のプロセス区域A)からの入力流5、7、9および12はいずれも80重量%を超える塩化水素(HClガス)を含有し、第1凝縮段階Gにおいて組み合わせられる。HClガスは、Tとp条件下で凝縮可能な多くの副生成物がそこで除去され、それは反応へ再生される。このように精製されたHClガス流15は、HCl洗浄HにおいてDPC流26により洗浄され、これは副産物を満載したDPC流16として反応へ供給され、一方、このように浄化されたHClガス17は、第2凝縮段階に供給される。ここでなお凝縮可能な成分、特にDPCの除去の後に、このように精製されたHClガス18は、最終精製用のHCl蒸留Jへ供給される。これから、高純度HClガス19がプロセス区域B(HCl処理)の最終生成物として得られる。流れ20は、HCl蒸留がただ一つの処理段階であるという場合にのみ現われる。
図5.aに示されるHClガス処理の短くされた態様では、反応のプロセス区域A)からの入力流5、7、9および12はいずれも80重量%を超える塩化水素を含有し、第1凝縮段階Gで組み合わせられ、ここでは2つの段階形態であり、第一段階中の90℃および第2段階中の50℃での処理である。そこから得られたHClガス19はこの精製の最終生成物である;組成物は図5.aにおいて見いだすことができる。
HClガス処理の別の短くされた態様は、図5.aに示される。ここに、反応のプロセス区域A)からの入力流5、7、9および12はいずれも80重量%を超える塩化水素を含有し、HCl蒸留Jに直接供給される。この精製から得られた最終生成物は、>99.95重量%の純度、<10重量ppmのホスゲンの量および<10重量ppmの有機化合物の量を有するHClガス(19)である。
表3は、凝縮または洗浄がHClにおいてホスゲンに関しての適切な純度を達成するのに不十分なことを示す。蒸留段階は必要である。
更に、別の精製手段の組み合わせを試験し、その浄化効率を様々なエネルギー準位でエネルギー消費量と比較した。ここでまた、低温水準(例えば−40℃)にて冷却エネルギーの最低段階を使用することは大きな経済的重要性であるが、これらのエネルギー水準はより高いエネルギー水準(例えば30℃)を生成するのにあまり経済ではない。
表3は、この時点で、少なくとも1つの更なる精製手段と蒸留の組み合わせは、クーラントの消費を低下させるか、クーラントの高温水準での向上した使用をもたらし、その結果、低温水準(例えば−40℃)での高価なクーラントの使用は著しく低下することができることを示す。
Figure 0006009554

Claims (10)

  1. モノヒドロキシ芳香族化合物とホスゲンとから溶融物中で少なくとも1つの触媒の存在下で更なる溶媒を添加せずにジアリールカーボネートおよび気体状塩化水素を製造するための方法であって、副生成物が、少なくとも1つの蒸留、ならびに凝縮および洗浄の群から選択される少なくとも1つの更なる精製手段へ付することにより形成した気体状塩化水素から除去され、前記少なくとも1つの蒸留が最後の精製手段として行われることを特徴とする方法。
  2. 副生成物は、まず凝縮し、次いで洗浄、その後に蒸留することにより形成した気体状塩化水素から除去されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 副生成物は、まず凝縮し、次に洗浄し、その後に更に凝縮し、続いて蒸留することにより形成した気体状塩化水素から除去されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 最後の精製手段として行われる蒸留の後に得られる気体状塩化水素は、99.0重量%を超える純度を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 最後の精製手段として行われる蒸留の後に得られる気体状塩化水素は、100重量ppm未満のホスゲンおよび/またはクロロ炭酸エステルの残存含有量および1000重量ppm未満の有機化合物の残存含有量を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 最後の精製手段として行われる蒸留の後に得られる気体状塩化水素が、50重量ppm未満のホスゲンおよび/またはクロロ炭酸エステルの残存含有量ならびに100重量ppm未満の有機化合物の残存含有量を有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 最後の精製手段として行われる蒸留の後に得られる気体状塩化水素が、50重量ppm未満の有機化合物の残存含有量を有することを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  8. 凝縮を、少なくとも80℃の温度および8〜25バールの圧力にて行なうことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. HCl蒸留を、−50℃〜+25℃の温度および8〜25バールの圧力にて行なうことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. 精製気体状塩化水素を、電気化学および/または熱酸化へ少なくとも部分的に付することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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