JP6009404B2 - 抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法 - Google Patents

抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法に関するものである。
本発明における「抗菌性ガラス」とは、ガラスに抗菌性金属を担持させたものであり、抗菌機能を奏するガラスを意味する。また前記の「抗菌性金属」とは、Ag、Cu、Zn等を意味し、「抗菌機能」とは、微生物(細菌の他、藻類・菌類等の真核生物およびカビ等を含む)の発生および増殖の抑制や死滅等、広い範囲における微生物の制御による防菌・防カビ・防藻等の機能を意味するものである。
従来の抗菌性ガラスは、一般に、溶解性ガラスの原料に抗菌性金属を均一に混合して、ガラス溶融炉で融解させた後、急冷して作成されることが通常であった(例えば、特許文献1)。
しかし、溶解性ガラスに抗菌性金属を担持させた抗菌性ガラスは、ガラス成分を溶出させながら抗菌性金属を徐々に溶出させることによって抗菌性金属の有する機能を奏するものであるところから、ガラスとしては耐水性に劣るため、抗菌性金属を長期間安定して担持することができず効果の持続性が低いという問題や、抗菌性金属以外のガラス成分(例えば、ホウ酸やリン酸)も溶出してしまい、とくにこれらの成分が嫌われる場合には適用できないという問題があった。その他、溶解性ガラスではガラス自体に吸湿性があるという問題や、成形性が悪いという問題もあった。
これに対し、イオン交換によって非溶解性ガラスの表面に、抗菌層を付与する技術も開示されている(特許文献2)。このように、非溶解性ガラスに抗菌性金属を担持させることにより、前記の問題のうち、ガラス成分の溶出や、成形性の問題は解消可能となる。
しかし、特許文献2記載の抗菌性ガラスでは、母材としてソーダライムガラスを用いており、ソーダライムガラスでは、イオン交換時に抗菌イオンが速やかに進入できないという欠点が知られている。また、ソーダライムガラスは、化学的耐久性に乏しく、長時間抗菌性を維持することができず効果の持続性に劣るという欠点が知られている。
特許第4212642号公報 特開2007−507408号公報
本発明の目的は前記の問題および欠点を解決し、従来に比べて化学的耐久性を高めることで効果の持続性を向上させた抗菌性ガラスを提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の抗菌性ガラスは、SiO2を35〜62モル%と、Al23を6〜20モル%と、B23を7〜20モル%と、Na2Oを7〜20モル%と、K2Oを0〜15モル%と、MgOを0〜15モル%を含有するガラス材に、イオン交換処理により、抗菌性金属を導入した抗菌性ガラスであって、抗菌性金属がAg、Cu、Znの何れかであり、母材溶出量が10ppm以下、および、SIAA規格による耐水性試験区分3(以下、「耐水性試験区分3」という)後の抗菌活性値が2以上であることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の抗菌性ガラスにおいて、母材溶出量は、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度5 mg/mLにて室温、超純水中で24時間溶出を行った後の溶液のガラスの骨格成分(Si、Al、B)濃度をPerkin Elmer Optima2000DV ICP-OES(ICP-OES とはInductively Coupled Plasma- Optical Emission Spectrometryの略。以下、Perkin Elmer Optima2000DV ICP-OESを「ICP-OES」という)にて測定した値であることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の抗菌性ガラスにおいて、耐水性試験区分3後の抗菌性金属イオンの溶出量が、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度3.2mg/mLにて室温、超純水中で24時間溶出を行った後の溶液の各成分濃度をICP-OESにて測定した値で2ppm以上であることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の抗菌性ガラスにおいて、抗菌性金属の溶出量が、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度5 mg/mLにて室温、pH4,7,10の条件下で24時間溶出を行った後の溶液の各成分濃度をICP-OESにて測定した値で、pH4において4ppm以上、pH7において2ppm以上、pH10において1ppm以上、であることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の抗菌性ガラスの製造方法であって、SiO2を35〜62モル%と、Al23を6〜20モル%と、B23を7〜20モル%と、Na2Oを7〜20モル%と、K2Oを0〜15モル%と、MgOを0〜15モル%を含有する該ガラス材を、250〜550℃でイオン交換処理して、Ag、Cu、Znの何れかの抗菌性イオンを導入することを特徴とするものである。
本発明に係る抗菌性ガラスは、SiO2を35〜62モル%と、Al23を6〜20モル%と、B23を7〜20モル%と、Na2Oを7〜20モル%と、K2Oを0〜15モル%と、MgOを0〜15モル%を含有する非溶解性のガラス材に、イオン交換処理によって、抗菌性金属を導入することによって、母材溶出量が10ppm以下、および、耐水性試験区分3後の抗菌活性値を2以上とした構成からなるものである。以下、本発明において、母材溶出量とは、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度5 mg/mLにて室温、超純水中で24時間溶出を行った後の溶液のガラスの骨格成分(Si、Al、B)濃度をICP-OESにて測定した値を意味する。
本発明では、イオン交換処理の対象とする被処理ガラスの構成として、SiO2を35〜62モル%と、Al23を6〜20モル%と、B23を7〜20モル%と、Na2Oを7〜20モル%と、K2Oを0〜15モル%と、MgOを0〜15モル%を含有させる構成を採用している。特許文献2記載の抗菌性ガラス等、従来のガラス材には、化学的耐久性向上の観点からCaOを含有させることが通常であるのに対し、本発明では、イオン交換の促進を優先する観点から、ガラス材にCaOを含有させない構成を採用している。
更に、本発明では、従来のガラス材に比べて、SiOの含有量を減らし、Al23およびB23の含有量を高めている。Alは3価であるため、Siと同じく4配位となる場合、中心のAlは負の電荷を持っている。ここで、SiOとAlとを比較すると、Alの方がカチオンとの相互作用が弱くなる。したがって、本発明のように、従来のガラス材に比べて、SiOの含有量を減らし、Al23の含有量を高めることにより、イオン交換時に、短時間で速やかに、イオンをガラス材の深くまで導入することができる。
すなわち、本発明では、CaOを含有せず、Al23を多く含むガラス材に対し、イオン交換処理によって、抗菌性金属を導入する構成により、耐水性試験区分3後の抗菌活性値が2以上となるレベルまで、抗菌性金属を、速やかにガラス材の深くまで導入させることを可能としている。
なお、Al23はガラス材の融点を上げる特性を有し、融点の上昇はガラス材の生産効率上好ましくないところ、本発明では、アルカリ量の比率を、Na2O7〜20モル%、K2O0〜15モル%と、MgO0〜15モル%とした上で、B23を7〜20モル%含有させることにより、Al23含有率向上に伴う融点の過剰な上昇を抑制している。また、B23はガラス材からのイオンの流出を抑制するため、化学的耐久性の向上も図ることができる。そして、本発明では、前記ガラス材の組成として前記構成を採用することにより、母材溶出量を10ppm以下に抑制可能としている。
以上、上記2つの効果を奏する本発明の抗菌性ガラスによれば、従来に比べて非常に高い含有率で抗菌性金属を含有し、極めて高い効果の持続性を実現することができる。
実施例の良否評価における各試験項目の基準値を示す図である。 実施例の良否評価(A〜D)に用いたフローチャートである。 イオン交換処理による抗菌性金属導入前に、GD−OESを用いて母材表面の成分濃度測定を行った結果を示すグラフである。 イオン交換処理による抗菌性金属導入後に、GD−OESを用いて母材表面の成分濃度測定を行った結果を示すグラフである。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。本発明に係る抗菌性ガラスは、SiO2を35〜62モル%、Al23を6〜20モル%、B23を7〜20モル%、Na2Oを7〜20モル%、K2Oを0〜15モル%、MgOを0〜15モル%含有する非溶解性のガラス材に、イオン交換処理によって、抗菌性金属を導入することによって、母材溶出量が10ppm以下、および、耐水性試験区分3後の抗菌活性値が2以上とした構成からなるものである。
(ガラス組成)
イオン交換処理の対象とするガラス材は、SiO2を35〜62モル%、好ましくは40〜60モル%、さらに好ましくは45〜58モル%と、Al23を6〜20モル%、好ましくは10〜18モル%、さらに好ましくは13〜15モル%と、B23を7〜20モル%、好ましくは8〜18モル%、さらに好ましくは9〜15モル%と、Na2Oを7〜20モル%、好ましくは9〜17モル%、さらに好ましくは10〜15モル%と、K2Oを0〜15モル%、好ましくは0〜10モル%、さらに好ましくは0〜6モル%と、MgOを0〜15モル%、好ましくは0〜10モル%、さらに好ましくは0〜7モル%を含有する非溶解性のガラス材である。
特に、非溶解性という特性によって、抗菌性金属を導入して抗菌性ガラスとした後、母材溶出量を10ppm以下に抑制可能としている。母材溶出量の抑制により、具体的には、耐水性試験後にも安定して抗菌イオンを放出して抗菌効果を維持できるという効果や、ガラス自体を溶解することなく抗菌イオンのみを選択的に放出するため、ホウ酸やリン酸等の混入を回避することができるという効果、更には、抗菌性ガラスの表面に光触媒機能や疎水機能を有するコート層を形成することができるという効果を奏することができる。
ガラス材の各構成成分が発揮する作用は、必ずしも配合割合に応じた線形的な変化とならない。非結晶のガラス質内の原子同士の結合、結合角の変化等の種々の要因が作用していると考えられる。本発明のガラス材を構成する各成分の配合割合について、後記の実施例の結果及び発明者のこれまでの試行より把握し得る知見より、次のとおりとなる。
“SiO2”は、ガラスの構造骨格を形成する主成分である。主成分であることから、SiO2の配合割合は35モル%以上の含有が必須である。この配合量を下回る場合、ガラス化が困難になるほか、化学的耐久性、耐水性が低下しやすくなる。SiO2の配合割合が65モル%よりも高くなる場合、融点が上昇することによる溶融性の悪化、粘度上昇の原因となるため好ましくない。そこで、SiO2の配合割合は、他の主成分並びに補助成分の組成及び配合を勘案して35〜62モル%、好ましくは40〜60モル%、さらに好ましくは45〜58モル%に規定される。
“Al23”は、ガラス材中において、SiO2の位置と置換することによりガラス材内のネットワークの間隔を広げる。一般にガラス材内のネットワークは網目構造に形成されていると言われており、網目構造の間隔となるSi−Oの結合距離は162pmであることに対し、Al−Oの結合距離は172pmである。Al23により、後のイオン交換が容易になるため、イオン交換層を短時間でより深く形成する効果がある。さらに、アルカリ金属、2価金属酸化物、B23とAl23の存在比率を好適に制御することにより、ガラス材内の非架橋酸素(NBO:Non−Bridging oxygen)の数を最小にすることができる。この点からもイオン交換は容易になる。さらに、Al23はガラスの分相を抑制しガラス材の均質性を高める。
Alは3価であるため、Siと同じく4配位となる場合、中心のAlは負の電荷を持つ。SiO2骨格のガラス材において、Na等のカチオンは、ほぼ全て非架橋酸素と対になって存在する。しかし、Al23を含むガラス材では、Na等のカチオンはAlと対となるカチオンとして存在する。Alと結合するNaは、非架橋酸素と結合して存在するNa等と比較して、移動の制約が少ない。ゆえに、イオン交換の速度が高まると推測されている。
Al23の配合割合が6モル%を下回る場合、相対的にアルミニウムイオンの量は低下して非架橋酸素が増加する。このためイオン交換されにくくなり、イオン交換に時間を要する。Al23の配合割合が20モル%を上回る場合、ガラス材の溶融性が低下して粘性が高まってしまう。さらに、溶融点も上昇してしまうため、ガラス材の生産効率上好ましくない。そこで、Al23の配合割合は6〜20モル%、好ましくは10〜18モル%、さらに好ましくは13〜15モル%に規定される。
“B23”は、ガラス材の溶融性を向上させ、ガラス材の結晶化を抑制する。B23はガラス材の密度、熱膨張率を低下させ、電気抵抗を上昇させる。B23はガラス材からのイオンの流出を抑制するため、化学的耐久性を向上することができる。このことを考慮して、B23の配合割合は少なくとも7モル%以上が必要である。しかし、B23の配合割合が20モル%を超過する場合、B23は溶融過程において揮発しやすく、実用上、揮発量の制御も容易ではない。そこで、B23の揮発量を勘案してB23の配合割合は7〜20モル%、好ましくは8〜18モル%、さらに好ましくは9〜15モル%に規定される。
“Na2O”は、前記のガラス材内のネットワークにおけるSiとOとの結合を切断して非架橋酸素を形成する。その結果、ガラス材の粘性を低下させる。Na2Oの配合割合が7モル%を下回る場合、イオン交換層の形成が不十分であり、目的とする抗菌性能を得ることができない。Na2Oの配合割合が20モル%を超過する場合、熱膨張率の増加に加え、イオン交換処理した後のガラス材の表面の化学的耐久性が悪化する。具体的には、ガラス材と空気中の水分が反応して、ブルームと称される白化現象や、やけと称されるアルカリ成分の溶出が引き起こされる。やけが生じることにより、ガラス材表面の屈折率が変化してガラス材の商品価値を大きく下げてしまう。そこで、Na2Oの配合割合は7〜20モル%、好ましくは9〜17モル%、さらに好ましくは10〜15モル%に規定される。
“K2O”は、イオンの交換を促進する。そして、イオン交換層は、K2Oの存在により短時間でより深く形成される。しかし、K2Oの配合割合が15モル%を上回る場合、熱膨張率の増加、電気抵抗の低下を引き起こす。また、ガラス材を溶解する溶解炉のアルミナ質が浸食されやすくなる。溶解炉への浸食性とイオン交換層形成の利点が勘案され、K2Oの配合割合は15モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは6モル%以下に規定される。なお、K2Oを配合しない場合であっても、一定の溶出性能を備える。このことから、下限値に0モル%が含まれる。
本発明は、Li(Li2Oとして)を含有しない組成であり、アルカリ成分であるNa2O及びK2Oの役割は、主に2つある。アルカリ成分はガラス材原料を溶融する際、溶融を補助する融剤となる。アルカリ成分は溶融状態のガラス材の粘性を下げ、成形性や溶融性等を向上させる。これとは逆に、アルカリ成分であるNa2O及びK2Oに起因する影響について、例えば次の点がある。アルカリ成分はガラス材の熱膨張率を増加させる。熱膨張率が高くなる場合、成形時の熱衝撃でガラス材は割れやすくなると考えられる。また、ガラス材の高温における電気抵抗値が低下して溶融状態において電流が熱に変わりにくくなるため、電気溶融を行う際のガラス材の温度上昇が進みにくくなる。
アルカリ成分であるNa2O及びK2Oのモル%は、他の成分との均衡、並びに、アルカリ金属成分に起因するガラス材としての性能劣化を勘案して規定される。
ガラス材において、一般的にMgO、CaO、またはZnOは、最終的にできあがるガラス材の化学的耐久性を向上させるとともに、ガラス材の溶解時に粘性を低下させ、成形温度帯を広げることができることが知られている。一方、2価の陽イオンはイオン交換を阻害する傾向にあるため、本発明では、イオン交換の促進を優先する観点から、ガラス材にCaOを含有させず、イオン交換を阻害する影響が最も少ないMgOを含有する構成を採用している。
MgOは、無配合(0モル%)としてもガラス材は成立する。しかし、性能面から望ましくは1モル%以上の添加が必要とされる。ただし、MgOの配合割合が、15モル%を超える場合、ガラス材の硬度低下(脆弱化)をもたらす。加えて、ガラス材の比重増加、失透温度の上昇も生じる。よって、上限は15モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらには7モル%以下の配合割合に規定される。
上記成分以外にも、微量成分として、SrO、BaO、TiO2、ZrO2、Nb25、P25、Cs2O、Rb2O、TeO2、BeO、GeO2、Bi23、La23、Y23、WO3、MoO3、またはFe23等も含めることができる。さらに、F、Cl、SO3、Sb23、SnO2、あるいはCe等を清澄剤として添加してもよい。
(イオン交換処理)
本発明では、SiO2を35〜62モル%、Al23を6〜20モル%、B23を7〜20モル%、Na2Oを7〜20モル%、K2Oを0〜15モル%、MgOを0〜15モル%、各々含有する該ガラス材を、250〜550℃でイオン交換処理して、抗菌性イオンを導入する。250〜550℃の高温でイオン交換処理を行うことにより、水溶液で行う低温でのイオン交換処理に比べて、より強固に抗菌性イオンをガラスに担持させることができる。抗菌性イオンは、Ag、Cu2+、Zn2+の何れかとすることが好ましい。
水溶液で行う低温(100℃以下)でのイオン交換を行ったものは、イオン溶出量のpH依存性が高くなるが、本発明ではイオン交換処理の温度条件を250〜550℃の高温とすることにより、イオン溶出量が濃度勾配律速となり、pH依存性を低くすることができる。このため、イオン交換処理により抗菌性金属を導入された抗菌性ガラスを蒸留水の様にアルカリイオンの欠乏した環境中で使用した場合であっても、抗菌性イオンを放出することができる。
従来のガラス材には、化学的耐久性向上の観点からCaOを含有させることが通常であるのに対し、本発明では、イオン交換の促進を優先する観点から、ガラス材にCaOを含有させない構成を採用している。更に、本発明では、従来のガラス材に比べて、SiOの含有量を減らし、Al23およびB23の含有量を高めている。Alは3価であるため、Siと同じく4配位となる場合、中心のAlは負の電荷を持っている。ここで、SiOとAlとを比較すると、Alの方がカチオンとの相互作用が弱くなる。したがって、本発明のように、従来のガラス材に比べて、SiOの含有量を減らし、Al23の含有量を高めることにより、イオン交換時に、短時間で速やかに、イオンをガラス材の深くまで導入することができる。
後述の実施例に示すように、本発明では、CaOを含有せず、Al23を多く含むガラス材に対し、イオン交換処理を行うことによって、抗菌性金属を導入する構成により、耐水性試験区分3後の抗菌活性値が2以上となるレベルまで、抗菌性金属を、速やかにガラス材の深くまで導入させることを可能としている。例えば、母材を電気炉により390℃に加熱し、400℃のAgNO3溶融液中に30分間浸漬することにより、15μm以上の深さをもつ銀イオン交換層を形成することができる。
具体的な、イオン交換処理方法は特に限定されないが、Agを導入する場合、例えば、硝酸銀の溶融塩に浸漬する、硝酸銀の水溶液を吹き付けて焼き付けを行う等の方法を採用することができる。
本発明に規定する成分系を満たすガラス組成物がイオン交換されてなる抗菌性ガラス材の用途は、特段限定されない。高い抗菌性と化学的耐久性、寿命を有することから、従来の抗菌剤が使用されていた用途はもちろん、従来剤が使用できないような過酷な使用環境が予想される箇所への使用にも好適である。
抗菌性ガラスの形態は、板、粒、粉、多面体成形体、多孔質体、など、任意の形、大きさを採用することができる。たとえば粉末、タブレット、ビーズ、壜や食器などの成形品、焼結体、フレーク、ガラス繊維などがある。
従来の抗菌剤が使用されていた用途としては、前記形態をそのまま、もしくは添加物、として使用する場合に大別できる。そのまま使用するとすればタッチパネル、皿などの日常品などへの使用が例として挙げられる。樹脂などの固形物への添加物として使用するとすれば、フィルム、シート、繊維、浴槽や便座などの成形品、まな板や保存容器などの食品関連成形品、などへの使用が例として挙げられる。塗料などの液体へ添加する場合、繊維製品や皮革製品に添着させることができる。その他従来の抗菌剤の使用されている例としては化粧品、動物用ケア商品、衣料品などが挙げられる。
本発明の特徴を生かし、従来の抗菌剤よりも効果を発揮する環境としては、高温多湿、流水中、温水中、などが例として挙げられる。そのような環境で使用される例としては洗濯槽や循環水などの水処理用途などが挙げられる。
[イオン交換処理の対象とする母材(ガラス、ゼオライト、リン酸ジルコニウム)]
表1ないし表8中に示す成分(SiO2、Al2、B23、Na2O、K2O、MgO、その他、CaO、ZnO)の組成(モル%)に従い、試作例1〜12、21〜45、51〜77のガラス組成物を作成した。ガラス組成物の作成は、表中に記載の原料を各組成に従って秤量、調合後、電気炉により1350℃まで加熱して溶融した。その後水中に投入して破砕し粗原料とした。水砕により得た粗原料を白金製の小皿に移し、電気炉にて1350℃に加熱して溶融の後、取り出して徐冷した。徐冷後に生じたガラス材の表面を酸化セリウム研磨剤により研磨し、平滑な鏡面状となるガラス組成物を作成した。また、対照例として、表9中に示す成分の溶解性ガラス(比較組成103)、ソーダライムガラス(比較組成104)を作成した。ゼオライト(比較組成101)、リン酸ジルコニウム(比較組成102)、については市場で入手可能なイオン交換済みの材料で評価を行った。
表9中に示す成分のゼオライト(比較組成101)、リン酸ジルコニウム(比較組成102)、溶解性ガラス(比較組成103)、ソーダライムガラス(比較組成104)は、何れも、従来技術として公知の抗菌剤である。
従来知見として、ゼオライトに抗菌性イオンを担持させた抗菌剤は、抗菌性イオンの含有量が少なく、長時間抗菌性を維持することができず効果の持続性に劣るという欠点や、耐酸性・耐アルカリ性が低いという欠点が知られている。リン酸ジルコニウムに抗菌性イオンを担持させた抗菌剤は、抗菌性イオンが放出され難く、特にプラスチックに練り込んだ場合等に、抗菌効果が発揮されないという欠点が知られている。溶解性ガラスに抗菌性イオンを担持させた抗菌剤は、溶解性ガラス自体を溶解しながら抗菌性イオンを放出して抗菌効果を発揮するものであるため、耐水性に劣り、耐水性試験後には抗菌効果を維持しにくい等、効果の持続性の面で欠点がある。また、吸湿性があるという欠点、自由に成形ができないという欠点、ガラス自体に含まれるホウ酸やリン酸等が不可避的に放出されるため、これらの混入を嫌う系には使用できないという欠点も知られている。ソーダライムガラスでは、イオン交換時に抗菌イオンが速やかに進入できないという欠点が知られている。また、ソーダライムガラスは、化学的耐久性に乏しく、長時間抗菌性を維持することができず効果の持続性に劣るという欠点が知られている。
[イオン交換法による抗菌性金属の導入]
試作例1〜12、21〜45、51〜77および比較組成101〜104の、各々で構成された各母材を電気炉により390℃に加熱し、400℃のAgNO3溶融液(溶融塩)中に30分間浸漬した。溶融液から母材を引き上げ、空気中にて放冷した。室温まで冷却した後、水洗により塩を十分洗浄し、乾燥した。なお、母材への抗菌性金属の導入は、GD−OES (Glow Discharge−Optical Emission Spectroscopy:マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置)を用いた母材表面の成分濃度測定により、確認することができる。図3、図4には、SiO2を48モル%と、Al23を15モル%と、B23を12モル%と、Na2Oを13モル%と、K2Oを5モル%と、MgOを7モル%を含有するガラス材(上記試作例4のガラス組成物)に対し、イオン交換処理により抗菌性金属を導入する前後で、GD−OESを用いて母材表面の成分濃度測定を行った結果を示している。図3、図4から、イオン交換処理によって、母材表面のNaが、すべてAgと交換していることが確認できる。更に、このイオン交換処理後の母材の表面Agイオン濃度を算出すると約49wt%となっており、母材としてソーダライムガラス(比較組成104)を用いて同様のイオン交換処理を行った場合(表面Agイオン濃度8wt%)と比較して、遥かに高濃度の抗菌性金属が、イオン交換処理後の母材表面に存在していることが確認された。このように、本発明では、イオン交換処理の母材として、従来のガラス材に比べてSiOの含有量を減らし、Al23の含有量を高め、かつ、CaOを含有しない特殊な構成のガラス材を用いることにより、母材表面に高濃度で抗菌性金属を保持可能とし、高い抗菌性能を実現している。
[物性の測定]
イオン交換処理後の各母材(試作例1〜12、21〜45、51〜77および比較組成101〜104)について、抗菌試験および溶出試験の他、イオン交換深さ・密度・ビッカース硬度・溶融性の測定を行った。
本実施例における抗菌試験の条件は下記の通りである。
抗菌評価用サンプル条件
母材をふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製後、イオン交換したのち、ポリプロピレン樹脂に各0.1wt%添加して抗菌評価用のサンプルとした。
抗菌試験用耐水性前処理
SIAA(抗菌製品技術協議会)耐水性評価耐水区分3の条件を参照し、前記の試験サンプルを90℃温水中16時間浸漬させ、耐水性前処理とした。
抗菌性評価
ポリプロピレン樹脂練込み添加プレートに耐水性試験区分3前処理を施した後、抗菌試験:JIS Z2801を参考に前記の試験サンプル上に菌液を滴下し、35℃にて24時間放置した後、前記の試験サンプル上の菌液を洗い流して培地に塗布し、35℃にて放置後生菌数をカウントした。
本実施例における溶出試験の条件は下記の通りである。
溶出試験用耐水性前処理
母材をふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製後、SIAA(抗菌製品技術協議会)耐水性評価耐水区分3の条件を参照し、試験サンプルを90℃温水中16時間浸漬させ、耐水性前処理とした。
耐水性試験区分3後溶出量
耐水性前処理を施した前記の試験サンプルを試料濃度3.2mg/mLにて超純水中で溶出させ室温・24時間後の溶液を回収しICP−OESにて各成分濃度を測定した。
母材溶出量
母材をふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製後、試料濃度5 mg/mLで超純水中で溶出させ室温・24時間後の溶液を回収しICP−OESにて母材の骨格成分 (Si、Al、B)濃度を測定した。
pH依存性溶出量
母材をふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製後、イオン交換したのち、試料濃度5 mg/mLでpH4,7,10の条件下において溶出させ、室温・24時間後の溶液を回収しICP−OESにて各成分濃度を測定した。
母材溶出量は、母材の骨格成分 (Si、Al、B)の溶出量を測定するものであり、数値が高いほど母材の化学的耐久性が低いことを意味する。
耐水性試験区分3後抗菌活性値は、耐水処理を行った後の抗菌試験によって効果の持続性を評価するものであり、数値が高いほど抗菌性能が高いことを意味する。2.0未満では抗菌製品技術協議会及びJIS規格から、抗菌効果が不十分と見なされる。
耐水性試験区分3後溶出量は、耐水処理を行った後の抗菌性金属(本実施形態ではAg)イオンの溶出量の測定によって抗菌効果を評価するものである。数値が高いほど過酷な条件を経ても抗菌効果を示すと期待できる。
pH依存性溶出量は、抗菌性金属(本実施形態ではAg)を導入した抗菌剤を使用される環境 (pH)と抗菌性金属イオンの溶出量との関係を評価するものである。
イオン交換深さは、抗菌性金属(本実施形態ではAg)を導入した抗菌剤の表面から、抗菌性金属イオンがどの程度深くまで導入されたかを評価するものであり、数値が高いほど深く導入できており、抗菌剤に導入された抗菌性金属の量が多いことを意味する。抗菌性金属の導入量と抗菌材の寿命は比例すると考えられる。イオン交換深さは、イオン交換後のガラス断面をEPMA(EPMAとはElectron Probe Micro Analyserの略。)を用いた線分析で測定することにより求めた。
密度は、抗菌性金属(本実施形態ではAg)を導入する前の抗菌剤の密度を評価するものである。
ビッカース硬度は、抗菌性金属(本実施形態ではAg)を導入する前の抗菌剤の表面硬度を評価するものである。
溶融性は、母材の作りやすさを評価するものである。
各評価項目(母材溶出量、耐水性試験区分3後抗菌活性値、耐水性試験区分3後溶出量、pH4溶出量、pH7溶出量、pH10溶出量)について、図1に示す基準に基づいてa〜dにランク分けした後、図2のフローチャートを使用し、良否評価(A〜D)を行った結果を表1〜9の最下欄に示している。なお、表8に記載の実施例でデータが無いものは、ガラス自体の溶融性が悪くガラス化しなかったもの、あるいは、溶融性は良いものの配合割合が悪く失透(結晶化して透明性を失うこと)してしまったものである。
[表1〜9の考察]
(A判定:試作例1〜12)
試作例1〜12は、Al、B、SiOとNaO、KO、MgOがバランスよく配合されており、高い化学的耐久性と高いイオン溶出性能を両立している。極端なpHや熱水などの環境にさらされても、一定以上の溶出を確保しつつ、母材は崩壊しない優れた抗菌性材料である。
(B判定:試作例21〜45)
試作例29は、ZnOを2モル%含有するものである。ZnOやCaOは化学的耐久性を向上させることから、母材溶出を防ぐという観点からは組成中に含有させるメリットがある一方、ZnOやCaOは、ガラス内のイオンの移動を妨げる性質があるため、イオンの溶出量を保つためには、多くのZnOを母材に導入することは好ましくない。MgOは2価の金属酸化物の中で、イオンの移動を妨げる効果が最も少ないため、含有可能である。
試作例25は、Alを20モル%含有するものである。Alの含有量が増加しすぎると、Alが4配位から6配位の構造を取り始める。それによりガラス構造が密になり、イオンが移動しにくくなるため、イオンが溶出しにくくなる。20モル%を上回らないことが好ましい。
試作例26は、KOを含有しないものである。KOはイオンの移動を早くする効果があるため、含有量が少なくなると、イオン溶出量が低下する。現実的には1モル%以上の含有が好ましい。
試作例27は、KOを10モル%含有するものである。KOはイオンの移動を早くする効果があるが、含有量が高くなり過ぎると、母材の化学的耐久性が低下するため、これ以上の含有は好ましくない。
試作例22は、Alを6モル%含有するものである。負に帯電したAlがイオンを移動しやすくしているため、含有量が低下しすぎるとイオンが溶出しにくくなる。このため、Alの含有量は、6モル%を下回らないことが好ましい。
(C判定:試作例51〜77)
試作例57では、Bの含有量が5モル%と低いため、化学的耐久性が不足し、母材溶出量が増加しており、抗菌効果の維持と、不要な成分の溶出の点から不適である。
試作例58では、BとAlの含有量がそれぞれ1.6モル%、1モル%と低いため、十分な化学的耐久性を維持できず、母材溶出量が多く、耐水性試験区分3後の溶出量も少なく、抗菌効果の維持が期待できない。
試作例67では、SiOの含有量が少なくBとAlの割合も適正でないため、骨格が弱くなり、化学的耐久性が低下し、母材の溶出量が多くなっている。
試作例69では、Bの含有量が25モル%と多すぎるため、ガラスの化学的耐久性が低下し、母材の溶出量が多く、耐水性試験区分3後の溶出量も少なく、抗菌効果の維持が期待できない。
(D判定:比較組成101〜104)
比較組成101は、100℃以下でイオン交換を行ったものであるため、機能性イオンの保持力が弱く、温水で処理を行う耐水性試験後には機能性イオンが溶出しきっているため、抗菌効果が発揮されない。
比較組成102は、耐水性試験後も機能性イオンを溶出しているが、溶出の絶対量が少ないため、十分な抗菌効果を発揮できない。
比較組成103は、ガラス自体が溶解してしまうため、耐水性試験後には抗菌効果を発揮できない。
以上、AB判定の試作例は、本発明の範囲に含まれる実施例、CDの試作例は、本発明の範囲に含まれない比較例である。
上記抗菌試験に加え、試作例3、4、7、比較組成104について、イオン交換処理の前後で防藻試験及びかび抵抗性試験を行った結果を表10に示す。防藻試験及びかび抵抗性試験の条件は下記の通りである。なお、前記のように、試作例3、4、7は、何れも、比較組成104に比べて、高いイオン溶出性能を有するものである。
[防藻試験方法]
防藻試験はかび抵抗性試験方法:JIS Z2911を参考にサンプル上に藻の混合懸濁液を吹き付け、28 ℃にて28日間放置した後、サンプル表面の藻の発生状況を観察し、外観観察結果を4段階で評価した。外観試験結果は数値が低いほど防藻性能が高いことを意味し、同一の母材におけるイオン交換処理前後の「外観試験結果」の数値が、イオン交換処理後に明らかに低値となっていると防藻効果があると判断できる。表10に示す「外観観察結果」の評価基準は、具体的に、以下の通りとした。
0:試験片の表面に藻の発生は認められない。
1:試験片の表面の藻の発生は全面積の1/3を超えない。
2:試験片の表面の藻の発生は全面積の1/3を超え、2/3を超えない。
3:試験片の表面の藻の発生は全面積の2/3を超える。
[かび抵抗性試験方法]
母材形状の違うサンプルをイオン交換してかび抵抗性試験を行った。かび抵抗性試験:JIS Z2911 附属書A (B法)を参考にサンプル上に菌液を滴下し、29 ℃にて28日間放置した後、サンプル上に発生したかびを観察し、菌糸の発育状態を6段階で評価した。菌糸の発育状態は数値が低いほど防カビ性能が高いことを意味する。同一の母材におけるイオン交換処理前後の「菌糸の発育状態」の数値が、イオン交換処理後に2以上低下していると防カビ効果があると判断でき、4以上低下しているとさらに高い防カビ効果があると判断できる。表10に示す「菌糸の発育状態」の評価基準は、具体的に、以下の通りとした。
0:肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない
1:肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる
2:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満
3:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上〜50%未満
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている
[表10の考察]
試作例3、4、7は、何れも、比較組成104に比べて、高い防藻効果および防カビ性能を備えていることが確認された。

Claims (5)

  1. SiO2を35〜62モル%と、
    Al23を6〜20モル%と、
    23を7〜20モル%と、
    Na2Oを7〜20モル%と、
    2Oを0〜15モル%と、
    MgOを0〜15モル%を含有するガラス材に、
    イオン交換処理により、抗菌性金属を導入した抗菌性ガラスであって、
    抗菌性金属がAg、Cu、Znの何れかであり、
    母材溶出量が10ppm以下、
    および、
    耐水性試験区分3(SIAA規格)後の抗菌活性値が2以上であることを特徴とする抗菌性ガラス。
  2. 母材溶出量は、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度5 mg/mLにて室温、超純水中で24時間溶出を行った後の溶液のガラスの骨格成分(Si、Al、B)濃度をPerkin Elmer Optima2000DV ICP−OES(Inductively Coupled Plasma- Optical Emission Spectrometry)にて測定した値であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性ガラス。
  3. 耐水性試験区分3(SIAA規格)後の抗菌性金属イオンの溶出量が、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度3.2mg/mLにて室温、超純水中で24時間溶出を行った後の溶液の各成分濃度をICP-OESにて測定した値で2ppm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌性ガラス。
  4. 抗菌性金属の溶出量が、ふるいにより粒径が32μm以下となるよう調製した抗菌性ガラスを試料濃度5 mg/mLにて室温、pH4,7,10の条件下で24時間溶出を行った後の溶液の各成分濃度をICP-OESにて測定した値で
    pH4において4ppm以上、
    pH7において2ppm以上、
    pH10において1ppm以上、
    であることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌性ガラス。
  5. 請求項1または2記載の抗菌性ガラスの製造方法であって、
    SiO2を35〜62モル%と、
    Al23を6〜20モル%と、
    23を7〜20モル%と、
    Na2Oを7〜20モル%と、
    2Oを0〜15モル%と、
    MgOを0〜15モル%を含有する該ガラス材を、
    250〜550℃でイオン交換処理して、Ag、Cu、Znの何れかの抗菌性イオンを導入することを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法。
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