JP2022146713A - 緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品、組成物及び水質改善方法 - Google Patents

緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品、組成物及び水質改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出可能な緩水溶性ガラスを提供する。【解決手段】40.0~75.0モル%のSiO2と、5.0~38.0モル%のK2Oと、0.1~33.0モル%の、CuO及びZnOから選択される少なくとも一種と、28.0モル%以下のR’O(R’はアルカリ土類金属である)とを含む緩水溶性ガラスとする。【選択図】なし

Description

本発明は、緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品、組成物及び水質改善方法に関する。
デング熱やジカ熱などの感染症を媒介する蚊の発生を少なくするために、蚊の幼虫であるボウフラの発生や成長を抑制することが望まれている。ボウフラは、放置された水中などで発生して成長することから、ボウフラの発生や成長を抑制する銅(Cu)イオンや亜鉛(Zn)イオンを水中に溶出可能な銅又は銅合金製の各種製品が提案されている(特許文献1及び2)。
また、CuイオンやZnイオンは、苔類、藻類などの発生抑制に有効であることも知られており、多孔質ガラスなどの多孔質物質に、CuイオンやZnイオンを溶出可能な酸化物や水酸化物を担持させた抗菌剤も提案されている(特許文献3及び4)。
さらに、CuイオンやZnイオンは、ガラスに抗菌性や抗ウィルス性を付与するのに有効であることも知られており、CuOやZnOを含むガラス製品も提案されている(特許文献5及び6)。
特開2016-216376号公報 特開2017-218406号公報 特開2003-81725号公報 特開2003-146818号公報 特表2017-508705号公報 特開2019-99514号公報
特許文献1及び2に記載の各種製品は、固形の銅又は銅合金製であるため、例えば、屋外の水たまりなどに散布して長期間に渡り使用するのに適しておらず、使用用途が限定される。
また、特許文献3及び4に記載の抗菌剤は、初期(使用直後)の抗菌効果や、時間が経過した場合の抗菌効果(以下、「抗菌効果の持続性」という)が十分とはいえない。特に、当該抗菌剤は、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出することができない。
さらに、特許文献5及び6に記載のガラス製品は、ガラス全体が溶解するわけではないため、効果の持続性が十分であるとはいえない。また、当該ガラス製品は、溶解し難いため、例えば、屋外の水たまりなどに散布して使用するのに適しておらず、使用用途も限定される。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出可能な緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品及び水質改善方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の特徴を有する緩水溶性ガラス製品を製造可能な組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ガラスの溶解に伴ってCuイオンやZnイオンを徐々に溶出可能なガラスの組成を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、40.0~75.0モル%のSiO2と、5.0~38.0モル%のK2Oと、0.1~33.0モル%の、CuO及びZnOから選択される少なくとも一種と、28.0モル%以下のR’O(R’はアルカリ土類金属である)とを含む緩水溶性ガラスである。
また、本発明は、前記緩水溶性ガラスを備える緩水溶性ガラス製品である。
また、本発明は、前記緩水溶性ガラスを含む組成物である。
さらに、本発明は、前記緩水溶性ガラス又は前記緩水溶性ガラス製品を水に浸漬し、Cuイオン及びZnイオンから選択される少なくとも一種のイオンを前記水に溶出させる水質改善方法である。
本発明によれば、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出可能な緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品及び水質改善方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記の特徴を有する緩水溶性ガラス製品を製造可能な組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラス(以下、単に「ガラス」と略すことがある)は、40.0~75.0モル%のSiO2と、5.0~38.0モル%のK2Oと、0.1~33.0モル%の、CuO及びZnOから選択される少なくとも一種と、28.0モル%以下のR’O(R’はアルカリ土類金属である)とを含む。
ここで、本明細書において「緩水溶性ガラス」とは、水に緩やかに溶解するガラスを意味する。具体的には、緩水溶性ガラスは、溶解(通常及び加速)試験において以下条件を満たす。
(1)通常試験
通常試験においてガラスが完全に溶解しない。
通常試験は、1cm×1cm×0.5cmのガラスを20℃の蒸留水100mLに12時間浸漬することによって行う。
(2)加速試験
加速試験におけるガラスの質量減少率が2%以上である。
質量減少率は、次の式によって算出される。
(加速試験前のガラスの質量-加速試験後のガラスの質量)/加速試験前のガラスの質量×100
また、加速試験は、次のようにして行う。まず、ガラスを粉砕した後、篩を用いて粒子径1.4~2.0mmのガラス粒子に紛級し、その質量(加速試験前のガラスの質量)を測定する。次に、紛級したガラス粒子を90℃の蒸留水100mLに5時間浸漬した後、目開き0.5mmの篩を用いて篩分けする。篩分けは、劣化してガラスではなくなったものを潰して除去する。次に、篩に残ったガラス粒子を乾燥させ、その質量(加速試験後のガラスの質量)を測定する。
ガラスを緩水溶性とすることにより、ガラスが水に緩やかに溶解するにつれてCuイオンやZnイオンを徐々に溶出させることができるため、長期間にわたって水中にCuイオンやZnイオンを溶出することが可能となる。したがって、CuイオンやZnイオンによる効果(例えば、ボウフラなどの害虫や、苔類、藻類などの成長抑制又は忌避効果、抗菌効果、抗ウィルス効果)を長期間にわたって持続させることができる。
なお、CuイオンやZnイオンによる効果の持続期間は、緩水溶性ガラスの形状(特に、表面積)、水量、水温などに依存するが、例えば、緩水溶性ガラスが視認できる状態であれば、その効果を持続させることができる。効果の持続期間は、緩水溶性ガラスの用途などに応じて適宜設定すればよいが、例えば、1日~10年程度を持続できるように調整することができる。
SiO2は、ガラスの網目構造を形成する成分である。
SiO2の含有量が40.0モル%未満であると、ガラスの強度が不足してしまう。一方、SiO2の含有量が75.0モル%を超えると、網目構造が強固になりすぎてしまう。その結果、ガラスの溶解速度が低下してしまうため、水中にCuイオンやZnイオンが十分に溶出せず、CuイオンやZnイオンによる効果が十分に得られない。したがって、SiO2の含有量は、ガラスの強度及び溶解速度のバランスを安定して確保する観点から、40.0~75.0モル%、好ましくは42.0~72.0モル%、より好ましくは43.0~70.0モル%に制御される。
2Oは、ガラスの溶解速度を高める成分である。
2Oの含有量が5.0モル%未満であると、ガラスの溶解速度が低下してしまうため、水中にCuイオンやZnイオンが十分に溶出せず、CuイオンやZnイオンによる効果が十分に得られない。一方、K2Oの含有量が38.0モル%を超えると、ガラスの溶解速度が速くなりすぎてしまうため、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出することができなくなる。したがって、K2Oの含有量は、ガラスの適切な溶解速度を確保する観点から、5.0~38.0モル%、好ましくは7.0~37.0モル%、より好ましくは9.0~36.0モル%に制御される。
CuO及びZnOは、ガラスの網目構造内に含有され、ガラスを水と接触させた際にCuイオン及びZnイオンとして溶出する成分である。CuO及びZnOは、いずれか一方又は両方を組み合わせて用いることができる。
CuO及びZnOの合計含有量が0.1モル%未満であると、水中にCuイオン及びZnイオンの溶出量が不足し、CuイオンやZnイオンによる効果が十分に得られない。一方、CuO及びZnOの合計含有量が33.0モル%を超えると、ガラス化せずに結晶化し易くなってしまう結果、水に溶解し難くなったり、Cuイオン及びZnイオンの溶出量を適切な範囲に制御し難くなったりする。したがって、CuO及びZnOの合計含有量は、Cuイオン及びZnイオンの溶出量とガラスの溶解性とのバランスを確保する観点から、0.1~33.0モル%、好ましくは0.5~32.0モル%、より好ましくは0.8~31.0モル%に制御される。
CuO及びZnOの両方がガラスに含まれる場合、CuOとZnOとのモル比は、特に限定されないが、好ましくは35:1~1:35、より好ましくは10:1~1:10、更に好ましくは3:1~1:3である。このような範囲のモル比に制御することにより、水中にCuイオン及びZnイオンをバランス良く長期間にわたって溶出することが可能になる。
R’O(R’はアルカリ土類金属である)は、ガラスの吸湿性又は耐水性などの化学的耐久性を向上させる成分であり、必要に応じてガラスに含有される。R’としては、特に限定されないが、Mg、Ca、Sr、Baなどが挙げられる。R’Oは単一種であっても複数種であってもよい。
R’Oの含有量が28.0モル%を超えると、ガラスが水に溶解し難くなる。したがって、R’Oの含有量は、ガラスの溶解性を確保する観点から、28.0モル%以下、好ましくは25.0モル%以下、より好ましくは20.0モル%以下に制御される。
なお、R’Oはガラスに含有されていなくてもよいため、その含有量の下限は特に限定されない。R’Oによる上記の効果を得る観点からは、R’Oの下限値は一般的に0.1モル%である。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、本発明の効果を阻害しない範囲において、ガラスに含有され得る公知の成分を必要に応じて更に含むことができる。このような公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、R2O(Rは、K以外のアルカリ金属である)、Al23を用いることができる。
2O(Rは、K以外のアルカリ金属である)は、ガラスの融点や粘性を低下させる成分であり、必要に応じてガラスに含有される。Rとしては、特に限定されないが、Na、Li、Rb、Csなどが挙げられる。これらの中でもコストの観点から、RはNa又はLiであることが好ましい。R2Oは単一種であっても複数種であってもよい。
2Oの含有量が35.0モル%を超えると、ガラスが水に溶解し易くなる。したがって、R2Oの含有量は、ガラスの緩溶解性を確保する観点から、35.0モル%以下、好ましくは33.0モル%以下、より好ましくは31.0モル%以下に制御される。
なお、R2Oはガラスに含有されていなくてもよいため、その含有量の下限は特に限定されない。R2Oによる上記の効果を得る観点からは、R2Oの下限値は一般的に0.1モル%である。
Al23は、R’Oと同様に、ガラスの吸湿性又は耐水性などの化学的耐久性を向上させる成分である。
Al23の含有量が30.0モル%を超えると、ガラスが水に溶解し難くなる。したがって、Al23の含有量は、ガラスの溶解性を確保する観点から、好ましくは30.0モル%以下、より好ましくは28.0モル%以下、更に好ましくは25.0モル%以下である。なお、Al23の含有量の下限値は、特に限定されないが、Al23による上記の効果を得る観点から、一般的に0.1モル%である。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、B23及びP25から選択される少なくとも一種を含まないことが好ましく、B23及びP25の両方を含まないことがより好ましい。
23及びP25は、環境負荷が大きい成分である。そのため、これらの成分を含まない組成のガラスとすることにより、屋外の水たまりなどにガラスを散布して使用することもでき、様々な用途で用いることが可能となる。
ただし、B23及びP25は、SiO2と同様にガラスの網目構造を形成する成分であり、環境に影響を与えない範囲であれば必要に応じてガラスに含まれてもよい。環境に影響を与えない範囲の量としては、B23及びP25それぞれ0.5モル%未満である。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、比重が2.4以上であることが好ましい。このような範囲の比重に制御することにより、例えば、緩水溶性ガラスを屋外の水たまりなどに散布して使用する場合に、緩水溶性ガラスが雨などによって流出され難くすることができる。なお、比重の上限値は、特に限定されないが、緩水溶性ガラスの運搬性などを考慮すると、好ましくは10.0、より好ましくは8.0、更に好ましくは5.0である。
なお、比重は、アルキメデス法を用いた市販の比重計により測定することができる。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、Cuイオン及び/又はZnイオンを長期間にわたって溶出することができるため、Cuイオン及び/又はZnイオンによる効果を長期間にわたって得ることが望ましい各種用途で用いることができる。当該用途の例としては、害虫、苔類、藻類などの成長抑制剤又は忌避剤、抗菌剤、抗ウィルス剤などが挙げられる。これらの中でも害虫、苔類、藻類など(特に、ボウフラ)の成長抑制剤又は忌避剤が好ましい。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスの形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定することができる。
例えば、緩水溶性ガラスそれ自体を害虫、苔類、藻類などの成長抑制剤又は忌避剤などとして用いる場合には、緩水溶性ガラスを適切な剤形とすればよい。なお、緩水溶性ガラスを成長抑制剤又は忌避剤などとして植物育成剤などの既存の薬剤に配合して用いる場合には、緩水溶性ガラスを粉末状にして既存の薬剤に配合すればよい。さらに、緩水溶性ガラスを成形材料やコーティング材料などの原料として用いる場合には、緩水溶性ガラスを粉末状にして成形材料やコーティング材料に配合すればよい。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスをボウフラの成長抑制剤又は忌避剤に用いる場合、水中のCuイオン及び/又はZnイオンの濃度が0.5ppm以上、好ましくは1.0ppm以上、より好ましくは2.0ppm以上となるように用いることが好ましい。Cuイオン及び/又はZnイオンの濃度を0.5ppm以上とすることにより、ボウフラの成長抑制効果又は忌避効果を得ることができる。特に、Cuイオン及び/又はZnイオンの濃度を2.0ppm以上とすれば、ボウフラはほとんど成長しない。
なお、Cuイオン及び/又はZnイオンの濃度の上限値は、特に限定されず、環境基準などに応じて適宜設定すればよい。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、公知のガラスの製造方法と同様にして製造することができる。すなわち、本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラスは、上記の成分を所定の含有量となるように配合し、高温で加熱して溶融させた後、溶融物を所定の形状(例えば、板状)に成形し、冷却することによって製造することができる。なお、溶融物を所定の型枠に流し込んで冷却することによって、所定の形状に成形してもよい。また、緩水溶性ガラスを成形材料やコーティング材料などの原料に用いる場合には、得られた緩水溶性ガラスを粉砕して粉末状とすればよい。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラス製品は、上記の緩水溶性ガラスを備える。この緩水溶性ガラス製品は、上記の緩水溶性ガラスを備えているため、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出することができる。したがって、この緩水溶性ガラス製品は、CuイオンやZnイオンによる効果(例えば、ボウフラなどの害虫や、苔類、藻類などの成長抑制又は忌避効果、抗菌効果、抗ウィルス効果)を長期間にわたって得ることが可能である。
本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラス製品の例としては、基材と、基材の表面に形成されたコーティング層とを備え、コーティング層が上記の緩水溶性ガラスを含むコーティング製品である。コーティング製品において、緩水溶性ガラスはコーティング層中に分散して存在していることが好ましい。基材としては、特に限定されず、金属、樹脂などから形成されるものを用いることができる。
また、本発明の実施形態に係る緩水溶性ガラス製品の別の例としては、上記の緩水溶性ガラスを含む樹脂成形品である。樹脂成形品において、緩水溶性ガラスは樹脂中に分散して存在していることが好ましい。
上記のような緩水溶性ガラス製品は、緩水溶性ガラスを含む組成物を用いて製造することができる。例えば、コーティング製品は、緩水溶性ガラスを含む組成物をコーティング材料として用い、基材をコーティング材料で被覆することによって製造することができる。また、樹脂成形品は、緩水溶性ガラスを含む組成物を成形材料として用い、成形材料を所定の形状に成形することによって製造することができる。
コーティング材料として用いられる組成物は、緩水溶性ガラス以外に、コーティング材料に用いられる公知の成分(例えば、樹脂成分、溶剤、無機成分など)を含むことができる。
成形材料として用いられる組成物は、緩水溶性ガラス以外に、成形材料に用いられる公知の成分(例えば、樹脂成分、無機成分など)を含むことができる。
本発明の実施形態に係る水質改善方法は、上記の緩水溶性ガラス又は上記の緩水溶性ガラス製品を水に浸漬し、Cuイオン及びZnイオンから選択される少なくとも一種のイオンを水に溶出させる。この方法によれば、Cuイオン及び/又はZnイオンの溶出によって、ボウフラなどの害虫や、苔類、藻類などの成長抑制又は忌避効果を得ることができるため、水質を改善することが可能となる。
水におけるCuイオン及び/又はZnイオンの溶出濃度は、特に限定されないが、0.5ppm以上、好ましくは1.0ppm以上、より好ましくは2.0ppm以上であることが好ましい。Cuイオン及び/又はZnイオンの溶出濃度を0.5ppm以上とすることにより、上記の効果を得ることができる。なお、Cuイオン及び/又はZnイオンの溶出濃度の上限値は、特に限定されず、環境基準などに応じて適宜設定すればよい。
水に対する上記の緩水溶性ガラス又は上記の緩水溶性ガラス製品の投入量は、特に限定されず、所定のCuイオン及び/又はZnイオンの溶出濃度を長期間にわたって維持できるように水の量に応じて適宜設定すればよい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
表1に示す組成となるように各原料を秤量して均一に攪拌混合し、この混合物を1300~1450℃で2~3時間加熱して溶融させた後、溶融物を板状に成形し、冷却することによって板状サンプルを得た。なお、試験No.9、10、13及び14のサンプルはガラス化せずに結晶化してしまったのに対し、その他の試験のサンプルはガラス化した。このようにして得られた板状サンプルについて、以下の評価を行った。
<比重>
比重計(アルファーミラージュ株式会社製MD-200S)を用いて比重を測定した。
<溶解試験>
溶解試験として、上記した通常試験及び加速試験を行った。
(1)通常試験
通常試験は、1cm×1cm×0.5cmのガラスを20℃の蒸留水100mLに12時間浸漬した。この通常試験の評価において、ガラスが完全に溶解しなかったものを〇、ガラスが完全に溶解したものを×と表す。ガラスが完全に溶解したか否かは、目視観察によって行った。
(2)加速試験
板状サンプルを粉砕した後、篩を用いて粒子径1.4~2.0mmのガラス粒子に紛級し、その質量(加速試験前のガラスの質量)を測定した。次に、紛級したガラス粒子を90℃の蒸留水100mLに5時間浸漬した後、目開き0.5mmの篩を用いて篩分けした。篩に残ったガラス粒子は、蒸留水を用いて十分に洗浄した。次に、篩に残ったガラス粒子を乾燥させ、その質量(加速試験後のガラスの質量)を測定した。そして、上記した式によってガラスの質量減少率を求めた。この加速試験の評価において、ガラスの質量減少率が2%以上のものを〇、ガラスの質量減少率が2%未満であったものを×と表す。
上記の各評価結果を表1に示す。
Figure 2022146713000001
表1に示されるように、試験No.2~8、15、19~21及び23~24(本発明例)のサンプルは、溶解試験の結果から緩水溶性ガラスであり、所定量のCuO及び/又はZnOを含有している。したがって、これらのサンプルは、ガラスが水に緩やかに溶解するにつれてCuイオン及び/又はZnイオンを徐々に溶出することができる。
これに対して、試験No.1、16及び17(比較例)のサンプルは、溶解(通常)試験の結果から水溶性ガラスである。したがって、これらのサンプルは、ガラスが水に直ぐに溶解してしまい、Cuイオン及び/又はZnイオンを徐々に溶出することができない。
また、試験No.11、12、18及び22(比較例)のサンプルは、溶解(加速)試験の結果から難水溶性ガラスである。したがって、これらのサンプルは、ガラスが水に溶解し難く、Cuイオン及び/又はZnイオンを徐々に溶出することができない。
なお、試験No.9、10、13及び14(比較例)のサンプルは、ガラス化せずに結晶化したため、水に溶解しないと考えられる。したがって、これらのサンプルは、Cuイオン及び/又はZnイオンを徐々に溶出することができない。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、CuイオンやZnイオンを長期間にわたって溶出可能な緩水溶性ガラス、緩水溶性ガラス製品及び水質改善方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記の特徴を有する緩水溶性ガラス製品を製造可能な組成物を提供することができる。

Claims (9)

  1. 40.0~75.0モル%のSiO2と、5.0~38.0モル%のK2Oと、0.1~33.0モル%の、CuO及びZnOから選択される少なくとも一種と、28.0モル%以下のR’O(R’はアルカリ土類金属である)とを含む緩水溶性ガラス。
  2. 35.0モル%以下のR2O(Rは、K以外のアルカリ金属である)、30.0モル%以下のAl23から選択される少なくとも一種を更に含む、請求項1に記載の緩水溶性ガラス。
  3. 23及びP25から選択される少なくとも一種を含まない、請求項1又は2に記載の緩水溶性ガラス。
  4. 比重が2.4以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の緩水溶性ガラス。
  5. 害虫、苔類、藻類の成長抑制剤若しくは忌避剤、抗菌剤、又は抗ウィルス剤に用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の緩水溶性ガラス。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の緩水溶性ガラスを備える緩水溶性ガラス製品。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の緩水溶性ガラスを含む組成物。
  8. 成形材料又はコーティング材料である、請求項7に記載の組成物。
  9. 請求項1~5のいずれか一項に記載の緩水溶性ガラス又は請求項6に記載の緩水溶性ガラス製品を水に浸漬し、Cuイオン及びZnイオンから選択される少なくとも一種のイオンを前記水に溶出させる水質改善方法。
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