JP2001247726A - 抗菌性付与用ガラス組成物、及び抗菌性高分子複合材料 - Google Patents

抗菌性付与用ガラス組成物、及び抗菌性高分子複合材料

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JP2001247726A
JP2001247726A JP2000292962A JP2000292962A JP2001247726A JP 2001247726 A JP2001247726 A JP 2001247726A JP 2000292962 A JP2000292962 A JP 2000292962A JP 2000292962 A JP2000292962 A JP 2000292962A JP 2001247726 A JP2001247726 A JP 2001247726A
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Makio Nomura
牧夫 野村
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の添加量で、高い耐久性を備える抗菌性
付与用ガラス組成物、及びそれを用いた抗菌性高分子複
合材料を提供する。 【解決手段】 本発明の抗菌性付与用ガラス組成物は少
なくともAgを含有し、高分子基質に該抗菌性付与用ガ
ラス組成物を複合化した複合材料を、90℃の蒸留水に
16時間浸漬処理した後で、25℃の蒸留水に24時間
浸漬させたときの、該複合材料からのAgの溶出量が、
0.5ng/cm/day以上を満たす。また、この
ような抗菌性付与用ガラス組成物を、高分子基質中に分
散、及び/又は該基質表面に定着することにより複合化
させた抗菌性高分子複合材料は、特に台所、浴室、トイ
レ等の水周りで用いた場合に、優れた抗菌性持続効果を
発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性付与用ガラ
ス組成物及び抗菌性高分子複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系抗菌剤、例えば銀を担持し
たリン酸ジルコニウム、銀ゼオライト、溶解性ガラス等
を使用した抗菌樹脂製品が水周り製品として多く普及さ
れている。
【0003】特に、溶解性ガラスは、制御された溶解速
度を持つように、ガラスの物理的、化学的特性を考慮し
て組成を調整したガラスの総称であり、抗菌性を有する
銀、銅、亜鉛化合物等を含有させたものは、数時間から
数年の任意の期間にわたって定められた一定速度で、前
記銀、銅、亜鉛イオンを溶出させることができるものと
して知られている。そして、溶出した銀、銅、亜鉛イオ
ンは、細菌や微生物の細胞壁へ吸着したり、細胞内に濃
縮したりして、いわゆるオリゴジナミー作用によって細
菌や微生物の成育を阻害し、抗菌作用を発揮するもので
ある。この溶解性ガラスは、抗菌剤を使用するあらゆる
分野で利用されており、合成樹脂製品や繊維製品等に複
合させることも行われている。複合方法は、さまざまに
開発されており、成形前の材料から練り込んで製品化し
たり、製品に後加工で抗菌性の溶解性ガラスを付着させ
たりすることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような溶解性ガラ
ス等の上記無機系抗菌剤を含む水周り製品(例えば抗菌
樹脂製品)は、いずれも水や洗剤と接する機会の多いこ
とから抗菌効果の持続性が保ちにくい。特に溶解性ガラ
スは、水温が高くなるとガラスの溶解量が多くなり、ま
た、洗剤に晒されると、界面活性剤やキレート剤により
ガラス中の特定成分が選択的に溶解され、抗菌持続性が
劣るものとなる。そのため、高い添加量が必要とされる
が、添加量を多くすると経済的にコスト高になるだけで
なく、無機系抗菌剤に含有される銀等による変色の問題
も生じやすくなり、製品の外観上好ましくない。
【0005】本発明の課題は、少量の添加量で、高い抗
菌耐久性を備える抗菌性付与用ガラス組成物、及びそれ
を用いた抗菌性高分子複合材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明の抗菌性付与用ガラス組成物
の第1の構成は、少なくともAgを含有し、高分子基質
に該抗菌性付与用ガラス組成物を複合化した複合材料
を、90℃の蒸留水に16時間浸漬処理した後で、25
℃の蒸留水に24時間浸漬させたときの、該複合材料か
らのAgの溶出量が、0.5ng/cm/day以上
であることを特徴とする。なお、単位(ng/cm
day)は、1日当たりに高分子基質の1cmから溶
出するAgの量をナノグラムで示したものである(以
下、同様)。
【0007】本発明の上記抗菌性付与用ガラス組成物に
おいては、Agが抗菌性を示すための主たる成分であっ
て、上記のような構成であるために、90℃の蒸留水に
16時間浸漬されてもAgの溶出量は低いものとなる。
したがって、当該抗菌性付与用ガラス組成物を、特に台
所、浴室、トイレ等の水周りで用いても、抗菌性は長い
期間持続される。なかでも、本発明の抗菌性付与用ガラ
ス組成物は、高い温度の水を使用する環境に晒される浴
室に用いる場合、抗菌性持続効果を大いに発揮する。
【0008】なお、上記複合材料からのAgの溶出量
は、好ましくは0.5〜8ng/cm /day、さら
に好ましくは0.5〜5ng/cm/dayであるの
がよく、このような抗菌性付与用ガラス組成物はより一
層、抗菌性持続効果が発揮される。
【0009】次に、本発明の抗菌性付与用ガラス組成物
の第2の構成は、少なくともAgを含有し、高分子基質
に該抗菌性付与用ガラス組成物を複合化した複合材料
を、濃度0.5〜10重量%の界面活性剤及び/又はキ
レート剤の水溶液に8時間浸漬処理した後で、25℃の
蒸留水に24時間浸漬させたときの、該複合材料からの
Agの溶出量が、0.5ng/cm/day以上であ
ることを特徴とする。
【0010】第2の構成の抗菌性付与用ガラス組成物に
おいても、Agが抗菌性を示すための主たる成分であっ
て、上記のような構成であるために、濃度0.5〜10
重量%の界面活性剤及び/又はキレート剤の水溶液に8
時間浸漬されてもAgの溶出量は低く、したがって、当
該抗菌性付与用ガラス組成物を、洗剤が頻繁に使用され
る台所、浴室、トイレ、洗濯機の筐体、衣類の繊維製品
(各種製品には、製品の材料基質に複合化して用いるこ
とが可能)等に用いても、抗菌性は長い期間持続され
る。
【0011】なお、第2の構成における上記複合材料か
らのAgの溶出量は、好ましくは0.5〜8ng/cm
/day、さらに好ましくは0.5〜5ng/cm
/dayであるのがよく、このような抗菌性付与用ガラ
ス組成物はより一層、抗菌性持続効果が発揮される。
【0012】また、上記高分子基質としてはポリオレフ
ィン系熱可塑性樹脂又はポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー等を用いるのがよく、なかでもポリプロピレン
を用いるのがよい。また、高分子基質に対する抗菌性付
与用ガラス組成物の含有量は0.01〜1.0重量%、
好ましくは0.1〜0.8重量%とすることができる。
【0013】上記抗菌性付与用ガラス組成物には、P
を30〜60mol%、B を2〜40mol
%、MgO,CaO,ZnOから選択される1種又は2
種以上のものを1〜50mol%含有させることができ
る。
【0014】上記各成分は、溶解性ガラス(ガラス組成
物)として構成され、このような溶解性ガラスを抗菌性
付与用ガラス組成物を含有させると、上記Agが任意の
期間にわたって定められた一定速度で溶出され、該Ag
により例えば樹脂等の抗菌性付与対象材料に対して高い
抗菌性を付与することが可能となる。そして、上記構成
においては、特に耐水性を向上させるための成分として
MgO,CaO,ZnOから選択される1種又は2種以
上のもの(以下、これを耐水性付与用成分ともいう)
を、当該抗菌性付与用ガラス組成物に1〜50mol%
含有させたため、抗菌性付与対象材料に対して少量の添
加量で抗菌性付与効果を従来のものと同様程度に維持し
つつ、耐水性を向上させることが可能で、特に水周りで
の抗菌性持続効果が向上する。さらに、該耐水性付与用
成分の含有量を1〜50mol%としたため、耐洗剤性
も十分に保持しており、特に台所、浴室、トイレ等の洗
剤を頻繁に使用する場所での抗菌性持続効果が発揮され
る。
【0015】なお、上記耐水性付与用成分の含有量が1
mol%未満の場合、溶解性ガラスの耐水性が十分に得
られなくなり、該溶解性ガラスの溶解速度が速過ぎて、
抗菌性付与用ガラス組成物の抗菌性持続効果が低下する
場合がある。耐水性付与用成分の含有量が50mol%
を超えると、溶解性ガラスの水に対する溶解速度が遅く
なり、当該抗菌性付与用ガラス組成物の少量添加での抗
菌効果が見込めなくなる一方、逆に、洗剤に対しては溶
解速度が速くなり、洗剤に対する抗菌耐久性が見込めな
くなる場合があり、洗剤に対する抗菌性持続効果が低下
する場合がある。なお、耐水性付与用成分の含有量は好
ましくは5〜50mol%、さらに好ましくは25〜5
0mol%とするのがよい。なお、場合によっては耐水
性付与用成分の含有量は1〜25mol%、もしくは5
〜24mol%とすることもできる。
【0016】次に、上記抗菌性付与用ガラス組成物に含
有される各成分の臨界的意味を以下に説明する。
【0017】Pは溶解性ガラスにおいてガラス形
成の主成分となる。Pの含有量が30mol%未
満の場合、溶解性ガラスのガラス化が困難になる場合が
ある。Pの含有量が60mol%を超えると、溶
解性ガラスの耐水性が著しく低下したり、当該抗菌性付
与用ガラス組成物を樹脂等の抗菌性付与対象物に微粉砕
化して複合化させる場合に、微粉砕化させる工程におい
て吸湿性が生じ、2次凝集により微粉砕が不可能となる
場合がある。なお、Pの含有量は好ましくは35
〜60mol%、さらに好ましくは35〜55mol%
とするのがよい。
【0018】Bは溶解性ガラスにおいて上記P
に次ぐガラス形成の成分となる。Bの含有量
が2mol%未満の場合、溶解性ガラスの溶解速度が遅
く、少量での抗菌効果が見込めなくなる場合がある。B
の含有量が40mol%を超えると、溶解性ガラ
スのガラス化が困難になる場合がある。なお、B
の含有量は好ましくは5〜35mol%、さらに好まし
くは5〜30mol%とするのがよい。
【0019】次に、本発明の抗菌性付与用ガラス組成物
には、Alを15mol%以下の範囲(下限値と
しては0.1mol%)で含ませることができる。Al
を含ませると耐水性、耐洗剤性が一層向上する。
Alの含有量が15mol%を超えると、溶解性
ガラスのガラス化が困難になる場合がある。なお、Al
の含有量は好ましくは0.1〜12mol%とす
るのがよい。
【0020】また、本発明の抗菌性付与用ガラス組成物
には、LiO,NaO,KOから選択される1種
又は2種以上のもの(以下、これをガラス化促進成分と
もいう)を15mol%以下の範囲(下限値としては
0.1mol%)で含ませることができる。上記ガラス
化促進成分は、溶解性ガラス(ガラス組成物)のガラス
化を容易化するものではあるが、15mol%を超える
と、ガラス組成物(溶解性ガラス)の水に対する溶解速
度が速くなり、抗菌性持続効果が低下する場合がある。
なお、ガラス化促進成分の含有量は好ましくは0.1〜
10mol%とするのがよい。
【0021】一方、抗菌性付与用ガラス組成物には、A
g成分としてAgO換算で0.1〜5.0重量%含有
させることができる。AgOの含有量が、0.1重量
%未満の場合、当該抗菌性付与用ガラス組成物の抗菌性
付与対象材料への少量添加での抗菌効果が得られなくな
る場合がある。また、AgOの含有量が、5.0重量
%を超えると、抗菌性付与対象材料(複合化された結果
としての抗菌性製品)に変色が生じる場合がある。な
お、AgOの含有量は好ましくは0.3〜3.5重量
%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%とするのが
よい。
【0022】以上のような構成の抗菌性付与用ガラス組
成物は、微粉砕化して粒子形態とし樹脂等の抗菌性付与
対象材料(高分子基質)に複合化するのがよく、その場
合、平均粒径を0.1〜55μmとすることができる。
平均粒径が0.1μm未満の場合、粒子の製造が困難に
なる場合がある他、抗菌性付与対象材料へ複合化した場
合に偏在が生じ、複合を均一にできない場合があるた
め、抗菌性付与効果が低下したり、抗菌性付与対象材料
(複合化された結果としての抗菌性製品)の性能が特に
その偏在領域において低下したりする場合がある。ま
た、平均粒径が55μmを超える場合、抗菌性付与対象
材料の特性が低下したり、抗菌性付与対象材料(抗菌性
製品)が外観不良を起こしたりする場合がある。なお、
平均粒径は好ましくは0.5〜55μm程度にするのが
よい。
【0023】なお、平均粒径の測定は、例えばレーザー
回折式粒度計を用いることができる。この場合、レーザ
ー回折式粒度計による測定では、入射レーザー光の凝集
粒子による回折挙動と、孤立した一次粒子による回折挙
動とで大きな差異を生じないため、測定された粒径が、
一次粒子単体で存在するものの粒径なのか、あるいはこ
れが凝集した二次粒子の粒径なのかが互いに区別されな
い。したがって、該方法で測定した平均粒径は、凝集を
起こしていない孤立した一次粒子も広義に含めた二次粒
子の平均粒径を反映した値となる。
【0024】次に、本発明の抗菌性高分子複合材料は、
上記のような抗菌性付与用ガラス組成物を、高分子基質
中に分散、及び/又は該基質表面に定着することにより
複合化させたことを特徴とする。このような抗菌性高分
子複合材料は、抗菌性付与用ガラス組成物が少量添加で
あっても、特に水周りでの抗菌性持続効果が向上する材
料となる。なお、高分子基質中に対する抗菌性付与用ガ
ラス組成物の複合量は、0.01〜1.0重量%とする
ことができる。該複合量が、0.01重量%未満の場
合、抗菌効果の持続性が得られなくなる場合があり、ま
た、1.0重量%を超えると、抗菌性高分子複合材料の
高分子特有の性質が低下したり、抗菌性高分子複合材料
が外観不良を起こしたりする場合があるほか、コスト高
となる問題が生じる場合がある。該複合量は好ましくは
0.03〜0.8重量%、さらに好ましくは0.1〜
0.8重量%とするのがよい。
【0025】このような抗菌性高分子複合材料を所定の
形状に成形し、抗菌性高分子複合材料成形体を得ること
もできる。この場合、当該成形体を上記高分子基質の軟
化を伴う再成形を前提としない、最終成形体として構成
したり、あるいは該高分子基質を軟化させて所期の二次
形状に再成形するための仮成形体(いわゆるマスターバ
ッチ)等として構成したりすることができる。
【0026】
【実施例】P、B、Al、MgO、
CaO、ZnO、LiO、Na O、KOを表1に
示す各組成比(mol%)となるようにそれぞれ混合
し、さらに、これにAgOを表1に示す各重量比(重
量%)にて混合し、これを電気炉にて1300〜135
0℃で1時間溶融した。その後、電気炉から溶融ガラス
を取り出し、カーボン板上に流し出して自然放冷させ
た。放冷後、ロールクラッシャー、ボールミルを用いて
平均粒径が約8μmとなるように微粉砕化し、本発明に
属する抗菌性付与用ガラス組成物(サンプルA〜F)、
及び比較例としてのサンプルG〜Iを得た。
【0027】
【表1】
【0028】得られた各サンプルA〜Iと、樹脂として
ポリプロピレン粉末あるいはペレットとを、表2(実施
例)及び表3(比較例)に示す各配合量(樹脂に対し
て、各サンプル0.1〜1.5重量%)にて混合し、そ
の後、射出成形機に入れ、210℃にて抗菌性テスト用
サンプル形状に射出成形した。抗菌性テスト用サンプル
形状は、長さ98mm、幅48mm、厚み2.0mmと
した。
【0029】上記抗菌性テスト用サンプルを、耐水試験
として90℃の蒸留水に16時間浸漬処理し、その後、
被浸漬処理サンプルをフィルム密着法で抗菌性試験し
た。すなわち、被浸漬処理サンプルに、大腸菌及び黄色
ぶどう状球菌を10個含む1/50普通ブイヨンを滴
下し、上からフィルムを密着させ、35℃で24時間放
置後洗い出し、SCD寒天培地にて培養して生菌数を計
数した。
【0030】一方、耐洗剤試験として、上記抗菌性テス
ト用サンプルを市販の合成洗剤(商品名:トイレマジッ
クリン(花王株式会社製))に25℃で8時間浸漬処理
した。その後、被浸漬処理サンプルを上記耐水試験と同
様のフィルム密着法で抗菌性試験した。
【0031】また、耐光変色試験として、抗菌性テスト
用サンプルをキセノンランプ450W/mに200時
間照射した後の、該抗菌性テスト用サンプルの変色度合
を分光光度計にて色差(ΔE)を測定した。
【0032】さらに、抗菌性テスト用サンプルを、90
℃の蒸留水に10cc/cmの割合で16時間浸漬処
理し、その後25℃の蒸留水に24時間浸漬させたとき
の、該抗菌性テスト用サンプルからのAgの溶出量(n
g/cm/day)を評価した。また、濃度8重量%
の界面活性剤を含む洗剤(商品名:トイレマジックリン
(花王株式会社製))に10cc/cmの割合で8時
間浸漬処理し、その後25℃の蒸留水に24時間浸漬さ
せたときの、該抗菌性テスト用サンプルからのAgの溶
出量(ng/cm/day)を評価した。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】なお、耐水試験及び耐洗剤試験後の抗菌性
試験においては、抗菌性付与用ガラス組成物(サンプル
A〜I)を含まないポリプロピレン樹脂(標準サンプ
ル)のフィルム密着法により計数された生菌数をX、実
施例及び比較例のサンプルの生菌数をYとしたときに、
X/Yの対数値が2以上の場合を○、2未満の場合を×
として評価した。また、耐光変色試験においては、試験
前後の色差(ΔE)を測定し、1以下の場合を○、1を
超える場合を×として評価した。
【0036】本発明に属する抗菌性付与用ガラス組成物
(サンプルA〜F)を樹脂に添加(複合化)した実施例
1〜6(表2参照)は、耐光変色、耐水試験後の抗菌効
果、耐洗剤試験後の抗菌効果の全てにおいて優れた結果
を示した。また、90℃蒸留水浸漬試験、及び洗剤浸漬
試験においても、実施例1〜6(表2参照)は、Agの
溶出量が0.5ng/cm/day以上という結果を
示し、この各浸漬試験後において上記耐水試験及び耐洗
剤試験後の抗菌性試験を行ったところ、X/Yの対数値
が2以上を示した。なお、実施例2,3及び6に示すよ
うに、LiO、NaO、KOのいずれをも含まな
いサンプルB,C,Fをガラス組成物として樹脂に添加
した場合も、耐光変色、耐水試験後の抗菌効果、耐洗剤
試験後の抗菌効果の全てにおいて優れた結果を示した。
【0037】一方、本発明外の比較例1〜4は、各試験
において劣な結果を示した。比較例1は、ガラス組成物
としてMgO、CaO及びZnOの含有量が大きい(5
3mol%)サンプルG(表1参照)を用いたため、耐
洗剤性が低下し、耐洗剤試験後の抗菌効果が小さいもの
となった。
【0038】比較例2は、ガラス組成物としてAg
の含有量が大きい(5.5重量%)サンプルH(表1参
照)を用いたため、耐光変色試験にて色差(ΔE)が1
以上となった。また、比較例3は、ガラス組成物として
AgOの含有量が小さい(0.05重量%)サンプル
I(表1参照)を用いたため、抗菌効果が小さいものと
なった。
【0039】比較例4は、樹脂へのガラス組成物の添加
量が多い(1.5重量%)ために、耐光変色試験にて色
差(ΔE)が1以上となった。
【0040】一方、比較例1は洗剤浸漬試験において,
比較例3は90℃蒸留水浸漬試験及び洗剤浸漬試験にお
いて、Agの溶出量が0.5ng/cm/day未満
という結果を示し、この各浸漬試験後において上記耐水
試験及び耐洗剤試験後の抗菌性試験を行ったところ、X
/Yの対数値が2未満を示した。
【0041】なお、本明細書において「主成分」とは、
特に断りがないかぎり、最も重量含有率の高くなる成分
を意味するものとして用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/22 C08K 3/22 3/40 3/40 E03D 11/02 E03D 11/02 Z 13/00 13/00 Fターム(参考) 2D032 AB02 GA00 2D039 AA02 AA03 AA04 DB08 4G062 AA10 BB09 CC10 DA01 DB01 DB02 DB03 DB04 DC03 DC04 DC05 DD05 DD06 DE01 DE02 DE03 DE04 DE05 DF01 EA01 EA02 EA03 EA04 EA10 EB01 EB02 EB03 EB04 EC01 EC02 EC03 EC04 ED01 ED02 ED03 ED04 ED05 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM15 MM17 NN40 4H011 AA02 BA01 BB18 BC18 BC19 DA02 DD07 DH02 4J002 BB011 BB121 DE097 DL006 FD187 GL00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともAgを含有する抗菌性付与用
    ガラス組成物であって、 高分子基質に該抗菌性付与用ガラス組成物を複合化した
    複合材料を、90℃の蒸留水に16時間浸漬処理した後
    で、25℃の蒸留水に24時間浸漬させたときの、該複
    合材料からのAgの溶出量が、0.5ng/cm/d
    ay以上であることを特徴とする抗菌性付与用ガラス組
    成物。
  2. 【請求項2】 少なくともAgを含有する抗菌性付与用
    ガラス組成物であって、 高分子基質に該抗菌性付与用ガラス組成物を複合化した
    複合材料を、濃度0.5〜10重量%の界面活性剤及び
    /又はキレート剤の水溶液に8時間浸漬処理した後で、
    25℃の蒸留水に24時間浸漬させたときの、該複合材
    料からのAgの溶出量が、0.5ng/cm/day
    以上であることを特徴とする抗菌性付与用ガラス組成
    物。
  3. 【請求項3】 Pが30〜60mol%、B
    が2〜40mol%、MgO,CaO,ZnOから選
    択される1種又は2種以上のものが1〜50mol%含
    有される請求項1又は2に記載の抗菌性付与用ガラス組
    成物。
  4. 【請求項4】 Alが15mol%以下の範囲で
    含有される請求項1ないし3のいずれかに記載の抗菌性
    付与用ガラス組成物。
  5. 【請求項5】 LiO,NaO,KOから選択さ
    れる1種又は2種以上のものが15mol%以下の範囲
    で含有される請求項1ないし4のいずれかに記載の抗菌
    性付与用ガラス組成物。
  6. 【請求項6】 AgOが0.1〜5.0重量%含有さ
    れる請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌性付与用
    ガラス組成物。
  7. 【請求項7】 平均粒径が0.1〜55μmの粒子形態
    にて前記高分子基質に含有される請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の抗菌性付与用ガラス組成物。
  8. 【請求項8】 前記高分子基質はポリオレフィン系熱可
    塑性樹脂又はポリオレフィン系熱可塑性エラストマーで
    ある請求項1ないし7のいずれかに記載の抗菌性付与用
    ガラス組成物。
  9. 【請求項9】 前記高分子基質はポリプロピレンである
    請求項1ないし8のいずれかに記載の抗菌性付与用ガラ
    ス組成物。
  10. 【請求項10】 前記高分子基質に対して0.01〜
    1.0重量%の割合で複合化される請求項1ないし9の
    いずれかに記載の抗菌性付与用ガラス組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の抗菌性付与用ガラス組成物を、高分子基質中に分散、
    及び/又は該基質表面に定着することにより複合化させ
    たことを特徴とする抗菌性高分子複合材料。
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