JP6009275B2 - 加飾成形品の製造法及び共押し出しシート - Google Patents

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本発明は、所望の立体形状に熱成形した加飾シートを金型に装着し、熱可塑性樹脂を射出し一体化してなる加飾成形品の製造法およびこれに好適に使用できる赤外線加熱成形用の共押し出しシートに関する。
加飾成形品(絵付け成形品)或いはインモールド成形品が、その生産性、デザイン性、機能性などの側面から注目されている。この適用対象物としては、携帯電話の外装部品、自動車関係部品、医療用機械器具、エレクトロニクス製品、家電製品、建材、洗剤や化粧品などの容器、玩具などが挙げられる。
このような成形品を得る方法として、基材フィルム上に所定の絵柄や文字を有する印刷層を形成した加飾フィルムを適宜成形し、金型に装着し、樹脂を注入・固化するシートインサート成形法が用いられている。典型的には、所定の文字、絵柄などを印刷した紙を基材フィルムとして用いる方法(絵付け成形)があり、また、プラスチックスを用いる方法では、絵付けしたものをさらに所定の立体形状に成形して用いる方法があり、表面硬度の改良されたものとして表面のアクリル層を持つ共押し出しシートを使用するもの(特許文献1:特開平7-156197号:日本写真印刷)がある。また、表面にハードコートを施し、適宜、その裏面に意匠を施したフィルム或いはシートを用いる方法(特許文献2:特開昭57-193331号)などが開発された。
特に、透明窓部などのあるプラスチックス成形品の場合、該窓部などにはより高い耐擦り傷性が要求される。
しかし、4Hを超えるような表面硬度の高いハードコートを施したフィルム或いはシートを用いる方法では、ハードコート膜の性質から、適用可能な成形品は緩やかな曲面を有するものまでであり、ある程度以上の伸びを必要とする曲面には適用できないものであった。
そこで、平面からの賦形にある程度以上の伸びを必要とする曲面にハードコート、その裏面に意匠を有する成形品を製造する方法は、
(1)表面に熱成形可能な一次硬化膜を形成し裏面に所定の意匠を有するフィルム或いはシートを用いて所望の曲面に賦形したものをそのまま或いは一次硬化膜を硬化し金型に装着し、インサート成形品を得、適宜、後硬化する方法、
(2)適宜ハードコート用のプライマー層を表面に形成し裏面に所定の意匠を有するフィルム或いはシートを所望の曲面に賦形したものをそのまま或いはハードコートしたものを金型に装着し、インサート成形品を得、適宜、ハードコートを行う方法が考えられ開発改良など行われている。
この両者ともに、賦形された曲面に後処理を施す工程を必須とするものであることから、高歩留まりの工程とすることが困難であるという課題があり、さらに、シートインサート成形法の優れた生産性を生かしきれないという課題がある。
このような不具合のないものとして、熱成形可能なハードコート層を形成したフィルムの裏面に意匠を施した加飾フィルムが開示されている(例えば、特許文献3=特開2010-284910号公報)。この実施例は、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとし、片面にUV硬化型の厚さ4μmの特定のハードコート層を形成したものを開示し、180℃の熱成形にて、曲げや伸びの必要な20mm×30mm×5mm(縦×横×高さ)で曲面部R5の立体形状に加工できる旨を開示する。
この特許文献のハードコートフィルムは、当然に、熱成形性の殆どない従来のハードコートフィルムに比較して、表面硬度や耐薬品性などの点で劣る。また、ポリエチレンテレフタレート(=PET)フィルムにハードコートを施したものであり、この基材であるPETフィルムは二軸延伸され、熱固定の工程を経たものである。180℃の熱成形温度は、熱固定温度以下での熱成形であり、成形性が劣り、よりRの小さい、より局所伸びの大きい熱成形への適用は困難であった。なお、熱固定をしていないPETでは、ガラス転移温度が70℃程度と低く耐熱性の問題が生じ、また、結晶性が高いので透明品としての使用が難しい。熱固定しない延伸品は、このガラス転移温度以上では急速な収縮を発生する収縮フィルムとなり使用が困難である。なお、当然に、二軸延伸品をその熱固定温度近傍まで加熱すると、急激に収縮し、使用が困難であった。
また、この熱成形の点に問題のないフィルムとして、高分子量のアクリル系樹脂を基材フィルムに使用する方法がある。しかし、打ち抜きなどのある程度以上の耐衝撃性を必要とする工程が必須の場合には、割れなどの不具合があった。
特開平7−156197号公報 特開昭57−193331号公報 特開2010−284910号公報
熱成形の良好なシートとして芳香族ポリカーボネート(PC)/アクリル系樹脂(PMMA系)の共押出し品を選択し、そのPMMA系樹脂面にハードコートしたものを用いて、良好な熱成形品が得られるハードコートフィルムを見出すべく鋭意検討した。その結果、厚みが1μm程度の薄いハードコート層の場合に最も熱成形性に優れたものが得られたが、本来物性を示す厚さでは、大幅に熱成形性の劣ったものとなった。
この解決策に関して鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
<1> フィルム或いはシートの少なくとも表面にハードコートを施し、その裏面に任意に意匠を施した該フィルム或いはシートを赤外線加熱し、前記ハードコート側を外表面として立体形状に熱成形し、前記裏面に熱可塑性樹脂を射出一体化してシートインサート加飾成形品を製造する方法であって、
該フィルム或いはシートが、芳香族ポリカーボネート樹脂層の片面にアクリル系樹脂層を有する共押し出しシートであって、前記芳香族ポリカーボネート樹脂層が赤外線吸収剤(a)を配合してなるもの、または芳香族ポリカーボネート樹脂層面に赤外線吸収剤(a)を配合した層が形成されてなるものであることを特徴とする加飾成形品の製造法である。
<2> 前記共押し出しシートの熱成形が、赤外線加熱によって前記赤外線吸収剤(a)が添加または塗布された層の温度を180〜220℃とし、加圧空気にて賦形するものである上記<1>に記載の加飾成形品の製造法である。
<3> 熱成形前の前記共押し出しシートの厚みが 0.1〜0.6mmであり、前記アクリル系樹脂層の厚みが 30〜80μmである上記<1>または<2>に記載の加飾成形品の製造法である。
<4> 熱成形して加飾フィルムインサート成形品を製造するための共押し出しシートであって、
該共押し出しシートが、芳香族ポリカーボネート樹脂層の片面にアクリル系樹脂層を有し、少なくとも該アクリル系樹脂層上にハードコートを有し、該共押し出しシートの厚みが 0.1〜0.6mmであり、該アクリル系樹脂層の厚みが 30〜80μmであり、該芳香族ポリカーボネート樹脂層が赤外線吸収剤(a)を配合してなるもの、または芳香族ポリカーボネート樹脂層面に赤外線吸収剤(a)を配合した層が形成されてなるものであることを特徴とする共押し出しシートである。
<5> 前記赤外線吸収剤(a)が添加または塗布された共押し出しシートにおける、800nm〜1800nmの近赤外線領域の最小透過率が10〜60%である上記<4>に記載の共押し出しシートである。
<6> 耐擦り傷性試験(ASTM D 2486-79に準拠、豚毛ブラシを用い荷重450gで200往復)において生じる擦り傷が10本以下である上記<4>または<5>に記載の共押し出しシートである。
<7> 前記赤外線吸収剤(a)が、下記一般式(I)
(但し、式中、Xは独立してSR1又はOR2を表し;Yは
を表し;R1は炭素原子数1〜20個のアルキル基を表し;R2は炭素原子数1〜20のアルキル基又は置換可能なフェニル基を表し;Zは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭素原子数1〜8個のアルコキシ基又はハロゲン原子を表し;aは2〜3の整数であり;bは0〜5の整数であり;Mは無金属、金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す)で表されるフタロシアニン化合物を含有する上記<4>から<6>のいずれかに記載の共押し出しシートである。
芳香族ポリカーボネート樹脂層に赤外線吸収剤(a)を配合することにより、或いは芳香族ポリカーボネート樹脂層に接触して赤外線吸収剤(a)を配合してなる層を用いることにより、裏面に形成する意匠の種類によることなく均一な基材加熱により転写性に優れた熱成形品が得られた。また、ハードコート層を形成したアクリル系樹脂層を過剰に加熱すること無く、熱成形性に直接関与する芳香族ポリカーボネート樹脂層を熱成形に好適な温度まで均一に急速加熱し、直ちに成形することにより、大きな伸びにおいてもアクリル系樹脂層に部分的欠陥が発生しなかった事で、ハードコート層に割れなどの発生のない形状精度の高い熱成形品が得られ、良好なハードコート層を有する立体成形品が得られた。
(共押し出しシート)
本発明の共押し出しシートは、熱成形して加飾フィルムインサート成形品を製造するために使用されるものであり、芳香族ポリカーボネート樹脂層の片面にアクリル系樹脂層を有し、少なくとも該アクリル系樹脂層上にハードコートを有し、該芳香族ポリカーボネート樹脂層上に適宜意匠が施されたシートである。
本発明は、この共押し出しシートの芳香族ポリカーボネート樹脂層として、赤外線吸収剤(a)を配合したものを用いるか、または、芳香族ポリカーボネート樹脂層面に赤外線吸収剤(a)を配合した印刷やハードコート層を形成したものを用いることを特徴とする。
共押し出しシートは、好ましくは片面に厚さ 30〜80μmのアクリル系樹脂層を有する。また、共押し出しシートの厚みは好ましくは 0.1〜0.6mmである。アクリル系樹脂層の厚みが30μm未満では、局所伸びが大きい部分のアクリル系樹脂層の厚みが薄くなり、鉛筆硬度が低くなり耐磨耗性の改善も不十分となる。また、80μmを超えても鉛筆硬度などの改善は殆どなく、場合によっては耐衝撃性に悪影響を与えるようになり好ましくない。また、共押し出しシートの総厚みが0.1mm未満では強度が不足してくるものであり、また、0.6mmを超えても使用できるが、本発明の用途においては射出樹脂の樹脂流路を狭くする点から好ましくなく、厚くするメリットは特にない。
また、アクリル系樹脂層は、通常、ハードコートを形成する表面のみに形成したものであるが、場合によっては金属蒸着層を設ける目的等で裏面にも用いられる。さらに、本共押し出しシートは、熱成形時の加熱収縮などがより小さいものが、より大きな伸びのある熱成形を可能とする傾向があることから好ましい。
本発明の共押し出しシートは、耐擦り傷性試験(ASTM D 2486-79に準拠、豚毛ブラシを用い荷重450gで200往復)において生じる擦り傷が10本以下であることが好ましく、5本以下であることがより好ましい。
(赤外線吸収剤(a))
赤外線吸収剤(a)は、これを配合した芳香族ポリカーボネート樹脂層または印刷などによる塗布層を透かして意匠を見ることとなることから、可視光線の透過を可能な限り妨げずかつ着色の少ないもの、意匠を阻害しないもの、意匠の一部を構成するようにしたもの或いは許容可能な着色に止まるように少量使用とすることなどの観点から適宜選択する。また、芳香族ポリカーボネート樹脂層に配合するものとして用いる場合には、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融混練にてペレットを製造する工程や、このペレットを用いて共押し出しシートを製造する工程において実質的に変質しないものを選択する。
赤外線吸収剤(a)の添加量としては、芳香族ポリカーボネート樹脂層に添加する場合は、肉厚が厚いために添加量が多いと可視光線透過率が低下してしまう為、0.005〜0.2重量%が好ましく、0.01〜0.1重量%がより好ましく、0.02〜0.08重量%が特に好ましく、基材の厚みと透過率によって選定される。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂面に、赤外線吸収剤(a)を含有する赤外線吸収層を形成する場合、赤外線吸収による加熱温度は通常、芳香族ポリカーボネート樹脂の融点以下であるので、用いる赤外線吸収剤の耐熱性はこの温度で使用できるもので良い。なお、基材全体を均一に加熱するためには、赤外線吸収剤を配合した透明なメジウムインキ、ハードコートなどを用いた赤外線吸収剤層を用いることができる。
また、使用量は、赤外線遮蔽が目的ではなく、均一加熱や急速加熱にあることから、800nm以上の近赤外線領域、特に1800nm以下において、透過率の最小値が10%以上で、近赤外線領域の透過率として80%以下から選択するのが好ましい。更に、800nm〜1800nmの近赤外線領域の最小透過率が10〜60%であることがより好ましい。
赤外線吸収剤(a)を用いた印刷やハードコート層は膜厚が20μm以下と薄いため、透明になりやすいが効果が劣るので、0.03〜0.2重量%の範囲で添加するのが好ましく、0.05〜0.1重量%の範囲で添加するのがより好ましい。
赤外線吸収剤を含まない無色透明な芳香族ポリカーボネート樹脂の可視光線(波長400−800nm)の透過率の上限値は約90%であり、フレネル反射によるもの(屈折率により決定される)であって、フィルムやシート程度の厚みにおいては実質的に吸収損失はない。屈折率は、波長が長いほど小さくなる。表面状態が波長に対して同じならば、近赤外線域(波長800−1800nm)の透過率の上限値は前記90%より大きくなるが、実際には85%程度と小さく、表面反射以外の損失があり、全赤外線の5%以上が発熱となると推定される。
無色透明なアクリル系樹脂も同様であり、両者とも略同一か又は芳香族ポリカーボネート樹脂層がやや大きいと思われる。
赤外線加熱は、この5%程度の吸収に基づく最小量の加熱に、裏面の意匠による吸収や反射による増加分を加えたものとなる。典型的には、赤外線を完全に遮蔽し吸収して発熱するような黒印刷層と、赤外線を完全に遮蔽し略反射して発熱しない白印刷層と、最小量と記載した先の透明部とである。黒印刷部がPCをまず加熱し、その加熱にてあとからPMMAが加熱されることから最も賦形性に優れた部分となる。均一な意匠層はない。ゆえに、場所に応じて大きな加熱速度の差が発生し、均一良好な成形品を製造することが困難となる。赤外線吸収層は、均一に存在し、この層に基づく発熱量は均一となる。
先述した内容に加え、本願の共押し出しシートはハードコートを有するが、ハードコート層が厚くなり所望の硬度や擦傷性が発現する性能を示す場合に熱成形時にクラックが生じる理由として、PMMA層がかなり加熱され欠陥を生じ、PC層の加熱が不十分で不均一な粘度構成になっているために局所的な伸びを示すからであると考えられる。
それを裏付ける現象として、PC層全面に黒印刷を施すことによって、迅速かつ均一に加熱されることから、所望の性能が得られたハードコートであってもクラックを生じることなく、所定の性能まで伸ばす事が可能であるし、賦形性も向上させる事が可能である。
ただ意匠性という意味では、全面黒印刷はあり得ないため、透明であっても黒印刷並みに加熱速度を速めたり、均一に加熱できるような本願記載の基材が有効である。
本発明に用いる成形機としては、真空成形機、真空圧空成形機、圧空成形機などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本成形機の加熱源としては、面状のIRヒーターが多数個取りつけられており、広い面積であっても加熱する事が可能となっている。
IRヒーターとしては、近赤外、中赤外、遠赤外ヒーターなどを用いることができる。透明樹脂の場合、近赤外域において殆どの樹脂は透過率が高く(90%程度)、近赤外を10%程度しか吸収できないために遠赤外域でほぼ吸収を行っている。遠赤外ヒーターが多く使用されているのはこの理由からである。ただ遠赤外ヒーターであってもピークが2500nmにあるだけで近赤外も多く出ているために、本願のように通常吸収されない近赤外域で吸収させて効率良く加熱する事は、均一且つ迅速に加熱する手段としては理想的である。
赤外線吸収剤(a)の例示
本発明では、下記一般式(I)
(但し、式中、Xは独立してSR1又はOR2を表し;Yは
を表し;R1は炭素原子数1〜20個のアルキル基を表し;R2は炭素原子数1〜20のアルキル基又は置換可能なフェニル基を表し;Zは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭素原子数1〜8個のアルコキシ基又はハロゲン原子を表し;aは2〜3の整数であり;bは0〜5の整数であり;Mは無金属、金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す)で示されるフタロシアニン化合物を含有する赤外線吸収剤を好ましく使用することができるが、これに限定されるものではない。
本発明によれば、近赤外域の選択吸収能に優れ、樹脂との相溶性に優れた特定構造のフタロシアニンを含有するポリカーボネート樹脂が提供される。
前記一般式(I)において、ハロゲン原子としてはフッ素原子、クロル原子、ブロム原子などが挙げられ、これらハロゲン原子の中でフッ素原子が好ましい。フッ素原子を用いることによって樹脂との相溶性向上に効果がもたらされる。
炭素原子数1〜8個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分鎖のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基などが挙げられる。また、炭素原子数1〜20個のアルキル基としては、前記のアルキル基以外に、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノニデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。
置換基を有するフェニル基としては、炭素数1〜4のアルキル基で1〜3個置換されたフェニル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基で1〜2個置換されたフェニル基あるいはクロル、フッ素などのハロゲン元素で1〜5個置換されたフェニル基などが挙げられる。
中心金属(M)は、例えば銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、バナジウム、チタン、インジウム、錫等であり、金属ハロゲン化物は、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等である。Mが無金属とは、Mが金属以外の原子、例えば2個の水素原子であることを意味する。これらの中心金属として好ましくは、銅、亜鉛コバルト、ニッケル、鉄、バナジル、チタニル、クロロインジウム、ジクロロ錫を用いるのが良い。特に銅、亜鉛、コバルト、バナジル、ジクロロ錫を用いるのが好ましい。
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物において、アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲンなどによって置換可能なフェニルチオ基は、必須の成分であるが、この置換基はフタロシアニン骨格に4〜12ヶ導入するのが好ましい。残位にSR1で表される置換可能なアルキルチオ基:OR2で表される置換可能なフェニルオキシ基あるいは置換可能なアルキルオキシ基から選ばれた置換基が導入される。
前記一般式(I)のフタロシアニン骨格を具体的に挙げると、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(PhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(o−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(o−TolS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(p−TolS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−メトキシフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(p−MeOPhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(2,6−ジメチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(2,6−TolS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−フルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(p−FPhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(2,4−ジフルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(2,4−FPhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(F4PhS)12)、4−テトラキス(BuO)−3,5,6−ドデカキス(o−クロロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(o−ClPhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−クロロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(p−ClPhS)12)、4−テトラキス(ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(2,4−ジクロロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)4(2,4−ClPhS)12)、4−テトラキス(イソプロポキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(isoPrO)4(PhS)12)、4−テトラキス(イソブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(isoBuO)4(PhS)12)、4−テトラキス(tert−ブトキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(tertBuO)4(PhS)12)、4−テトラキス(ヘキシルオキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(HeO)4(PhS)12)、4−テトラキス(シクロヘキシルオキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(cyーHeO)4(PhS)12)、4−テトラキス(オキシルオキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(OctO)4(PhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(oーメチルフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(o−MePhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(p−メチルフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(p−MePhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(2,6−ジメチルフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(2,6−MePhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(p−メトキシフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(p−MeOPhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(o−メトキシフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(o−MeOPhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(p−エトキシフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(p−EtOPhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(p−ブトキシフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(p−BuOPhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(p−クロロフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(p−ClPhO)(PhS)12)、4−テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(FPhO)4(PhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(o−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(o−MePhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(p−MePhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−メトキシフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(p−MeOPhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−フルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(p−FPhS)12)、4−テトラキス(フェノキシ)−3,5,6−ドデカキス(p−クロロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)4(p−ClPhS)12)、4,5−オクタキス(ブチルオキシ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuO)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(フェニルオキシ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(PhO)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(イソプロピルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(isoPrS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(イソブチルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(isoBuS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(tert−ブチルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(tertBuS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(ヘキシルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(HeS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(ヘキシルチオ)−3,6−オクタキス(p−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(HeS)8(p−MePhS)8)、4,5−オクタキス(シクロヘキシルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(cy−HeS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(オクチルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(OctS)8(PhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(o−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(o−MePhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(p−メチルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(p−MePhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(p−メトキシフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(p−MeOPhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(p−クロルフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(p−ClPhS)8)、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(p−フルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(p−FPhS)8)等が挙げられる。なお、上記のフタロシアニン化合物の3,6位に置換されている官能基の一部がフッ素原子で置換されているものも本発明では有効に使用できる
(芳香族ポリカーボネート樹脂)
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに少量のポリヒドロキシ化合物、分子量調節剤等を用いて反応させてなる、直鎖または分岐を持っていても良い公知の熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体であり、溶液法(界面法、ピリジン法など)、溶融法(エステル交換法)など公知の方法によって製造される。
例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、4−ヒドロキシフェニル基の3または5位を適宜、メチル、フェニル、ハロゲンなどで置換したもの、1,1−プロピリデン基(プロパン)に代えて、メタン、エタン、ブタン、オクタン、フェニルエタン、シクロヘキサン、フルオレンなどとしたもの、エーテル結合としたものが挙げられる。また、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル等も挙げられる。これらの中で好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]である。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]が、好ましくは15,000〜40,000、より好ましくは20,000〜35,000の範囲から適宜選択することができる。
なお、粘度平均分子量[Mv]は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4M0.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは、各溶液濃度[c](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、(ηsp/c)の値を濃度Cが0へ外捜して得られる値(濃度Cが0の極限値)である。
芳香族ポリカーボネート樹脂には、上記の赤外線吸収剤(a)の1種或いは2種以上を適宜配合して、或いは、配合することなくその芳香族ポリカーボネート樹脂面に赤外線吸収層を形成して共押し出しシートを製造するが、当然に、芳香族ポリカーボネート樹脂には安定剤や耐候性改良剤など公知のものを配合もよく、また、その他に、ポリオルガノシロキサン、離型剤、染料、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、透明微粒子、防菌剤等から一種又は二種以上をその用途を考慮して選択し添加含有させることができる。
(アクリル系樹脂)
本発明において共押し出しシートに用いるアクリル系樹脂は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリメタクリレート(PMA)に代表される各種(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、またはメチルメタクリレート(MMA)やメチルアクリレート(MA)と他の1種以上の単量体との共重合体であり、さらにそれらの樹脂の複数種が混合されたものでもよい。
MMAやMAを主体とした通常2H以上の硬質アクリル系樹脂は、耐擦り傷性の用途として好適である。アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレートを共重合したもの、好ましくは10モル%以上共重合した軟質アクリル系樹脂は、表面硬度や耐クラック性の改善の程度は劣るが柔軟で接着性などに優れたものであり、内層面用やハードコートなどのコーティング用の前処理層表面として好適に用いられている。
ここで、共重合可能な他の単量体として、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸およびそれらのアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド等が挙げられる。さらにそれらの共重合体の混合物や水素添加品などの各種誘導体でもよい。
これらのなかでも、脂肪族系の化合物が好ましく、アルキル基の炭素数が2〜18のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。また、スチレンなどを共重合したアクリル系樹脂のベンゼン環を水素添加したものも用いられる。以上のような(メタ)アクリル系樹脂の例として、アクリペット(商標・三菱レイヨン製)、デルペット(商標・旭化成ケミカルズ製)、パラペット(商標・クラレ製)などがある。
アクリル系樹脂中には、耐候性を長期間保持する目的のために紫外線吸収剤を0.005〜3.0重量%添加することが好ましい。また、共押出し成形時にアクリル系樹脂の熱劣化を防止するため、酸化防止剤と着色防止剤を添加してもよい。酸化防止剤はアクリル系樹脂に対して0.01〜3重量%添加するのが良い。着色防止剤は0.01〜3重量%添加することができる。紫外線吸収剤、酸化防止剤及び着色防止剤の合計の添加量が0.1重量%未満の場合、十分な耐候性を示さないことがある。また、5重量%を超えて添加してもさらなる耐候性向上は期待できないばかりでなく、これら添加剤がブリードアウトを起こし、白化の原因になったり、密着性や衝撃強度の低下を招くこともある。
これらアクリル系樹脂に添加される紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系の紫外線吸収剤、さらに、脂肪族ヒンダードアミンが挙げられる。
酸化防止剤、着色防止剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、住友化学工業(株)、旭電化工業(株)などのカタログに記載の各種のヒンダードフェノール類などの酸化防止剤、フォスファイト類などの着色防止剤の使用が可能である。
(ハードコート)
上記共押し出しシートのアクリル系樹脂面にハードコート層(以下、適宜、HC層と記す)を形成して本発明の共押し出しシートとする。
ハードコート層は、共押し出しシートの芳香族ポリカーボネート樹脂(基材)層のガラス転位温度以上において、特に熱成形時において伸びが、30%以上を示すものがより好ましい。
ハードコート層の形成に用いる塗料は、PET用として公知の市販の伸びを示すものから適宜選択したもの、或いはこれをベースとして、本共押し出しシートに適用可能なように副成分、例えば、溶剤系などを変更したものが使用できる。
ハードコート層の厚みの調製は、主にハードコート塗料の固形分濃度を調製することにより行う。
本発明では、アクリル系樹脂面に下記ハードコート塗料を所定厚みとなるように塗布し、適宜、乾燥し、紫外線を照射して硬化することにより、ハードコート層を形成することができる。
ハードコート層の厚みは、通常0.5〜10μmであり、耐薬品性の向上の点から好ましくは4μm以上を選択する。このハードコート層がアクリル系樹脂層上に形成されることにより、アクリル系樹脂の示す鉛筆硬度以上、例えばH以上を示し、所定レベルの耐擦り傷性や耐薬品性を発揮する。
本発明の共押し出しシートは、そのままでも適宜使用できるが、通常は裏面に、数字、文字、符号、模様、その他の識別符号類や模様の印刷などまたは金属化などの意匠を形成して用いる。なお、意匠を形成した裏面は、射出成形樹脂との接着面となるので、接着性に課題がある場合には、接着用のプライマー層を適宜形成することができる。
伸びを示すハードコート用の塗料は、通常の紫外線硬化型の塗料成分に、伸びを付与するための数平均分子量が数百以上〜数千程度の長鎖成分(a)と、架橋密度を上げて主に硬さを付与する(メタ)アクリロイル基を平均で3〜8個持つ(メタ)アクリレート成分(b)とを必須成分として混合したものが好ましい。ハードコート層とされたときの官能基の反応率などにより性能の幅はあるが、主に(a)と(b)との比率で伸びと硬さとのバランスが決定される。
なお、伸びを示すハードコートも架橋構造からなるので、架橋結合の開列反応以外では通常は劣化しない。しかし、架橋構造の網の目は、伸びを保持するために緩やかである。有機薬品などは、この網の目の大きさと、自身の大きさとに応じて時間は変化するが、浸透し基材フィルムに到達することが可能である。ゆえに、高温時、長時間後の耐薬品性は、基材フィルム、特にアクリル系樹脂の耐性となるが、ハードコート層が厚ければ、厚さに応じて耐薬品性が向上するので、伸びが保持される限り厚くすることが好ましい。
上記した長鎖成分(a)としては、脂肪族または脂環族のジオール類と、イソシアナト基を2個有する化合物類とを反応させてなる両末端にイソシアナト基を有するジイソシアネート;このジイソシアネートとジヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートとを反応させてなる両末端に(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。ジオール類としては、炭素数2〜10の直鎖、分岐鎖、脂環などの構造を有する脂肪族ジヒドロキシ化合物類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、ポリエステルジオールなどのオリゴマー乃至中分子量物などが好ましく挙げられる。
脂肪族または脂環族のジイソシアネートとしては、炭素数8〜15の脂肪族ジイソシアネートが例示され、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記の長鎖成分(a)に用いる(メタ)アクリレート、および(b)成分の(メタ)アクリレートに関して簡単に説明する。
まず、(メタ)アクリレートとは、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を持つ化合物を意味する。
(メタ)アクリレートは、モノマー、オリゴマー、プレポリマーのいずれでもよい。(メタ)アクリレートは、単官能、2官能性以上の多官能でもよく、極性基を有していてもよいし低極性分子構造でもよい。
極性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基等が例示され、1種以上を複数持つものも好適に使用出来る。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート((メタ)アクリルアミド)の水酸基は、イソシアネートとの反応に好適であり、上記の(a)成分の調製に用いられる。
上記(b)成分は、(メタ)アクリロイル基を3〜8個持つものである。本成分は、単独でも、2種以上でもよいが、多種類を組み合わせて用いることが、通常好ましい。
これらの(メタ)アクリレート基が結合する部分の分子構造は、その構造中に、直鎖、分岐鎖、脂環や芳香環を1種以上有するもの、エーテル、エステル、ウレタン、アミドなどの結合構造及びシリコーン鎖などにてオリゴマー化したものが例示される。
グリコールと脂肪族ジイソシアネートとの反応、ウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート又はヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミドとの反応、脂肪族ポリイソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート又はヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミドとの反応、及びジオールとジカルボン酸との反応は、公知の方法にて実施できる。
上記の光硬化成分に、光重合開始剤、その他の添加剤、及び溶剤を混合してハードコート塗料とすることができる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、単体または混合して用いられる。
光重合開始剤の使用量は、ハードコート層の全固形分中、0.1〜7重量%は好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。0.1重量%未満では光硬化性が低下し、7重量%を超えた場合には、着色する場合があり、また、硬化反応の進行が変わらない。
また、光硬化性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することができる。さらに熱重合開始剤を併用することも出来る。
(その他添加剤)
ハードコート層には状況に応じてレベリング剤、消泡剤、防汚剤等の界面活性剤や、表面改質剤等の添加剤や、有機フィラー、無機フィラー等のフィラーを添加することができる。
(共押し出しシートの製造法)
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂を押し出すメイン押出機と、アクリル系樹脂を押し出すサブ押出機とを用い、各々用いる樹脂の条件にて樹脂を溶融し押し出しダイに導き、ダイ内部で積層しシート状に成形した後或いはシート状に成形し積層した後、鏡面成形ロール(ポリッシングロール)に導き共押し出しシートとする。
芳香族ポリカーボネート樹脂の押出温度条件は、通常、230〜300℃、好ましくは240〜290℃であり、アクリル系樹脂の押出温度条件は通常220〜270℃、好ましくは230〜260℃である。
ダイ内部で溶融樹脂を積層する方法としては、マルチマニホールド方式、フィードブロック方式など公知の方法を用いる。
マルチマニホールドダイの場合は、溶融樹脂をダイ内で積層し、ダイ内部にてシート状に成形した後、鏡面処理された成形ロールに導き、適宜バンク成形し、鏡面成形し、冷却して積層体とする。
ダイの温度としては、通常250〜320℃、好ましくは270〜300℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜190℃、好ましくは110〜180℃である。
(熱成形)
次に、本発明の共押し出しシートを熱成形して、所望の立体形状とする。
熱成形の典型的方法は、共押し出しシートのハードコート面を上面として金型上にセットし、赤外線加熱にて急速に基材層(芳香族ポリカーボネート樹脂層)における樹脂のガラス転位温度以上の熱成形温度まで加熱し、加圧空気にて、所定の立体形状を形成し、かつ、芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転位温度以下に設定された金型面に押し付けることによる。
本発明では、共押し出しシートの熱成形が、赤外線加熱によって前記赤外線吸収剤(a)が添加または塗布された層の温度を180〜220℃とし、加圧空気にて賦形するものである態様が好ましい。
本発明の共押し出しシートを用いることにより、ハードコートの割れを生じることなく小さな曲率半径を有する熱成形品を得ることが可能である。例えば、3mm以下、2mm以下あるいは1.5mm以下の曲率半径を有する熱成形品をハードコートの割れを生じることなく得ることができる。
共押し出しシートを、印刷後、所望形状に打ち抜き加工し、金型に装着し、熱可塑性樹脂を射出成形して加飾成形品を得ることができる。
本共押し出しシートの装着部の金型温度は、ハードコート層が傷つかない温度であり、ハードコート付着面樹脂のガラス転位温度より低い温度、通常、10℃以上低い温度を選択する。なお、本共押し出しシートの装着部と、射出成形樹脂が直接接触する部分との金型温度は独立に設定可能とすることにより、熱挙動の異なる場合にも安定した形状とすることができる。
射出成形に用いる熱可塑性樹脂は、本共押し出しシートとの接着性があれば、特に限定されない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた原材料などは次の通りである。
<PC-IR: 赤外線吸収剤配合の芳香族ポリカーボネート樹脂>
赤外線吸収剤として、4,5−オクタキス(イソブチルチオ)−3,6−オクタキス(フェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(isoBuS)8(PhS)8)を、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 E2000)に其々0、0.01、0.05、0.1重量%配合したペレットを準備した。記述上、これらを0PC-IR、0.01PC-IR、0.05PC-IR、0.1PC-IRと記す。
<IRab: 赤外線吸収インク>
赤外線吸収剤として、4,5−オクタキス(ブチルチオ)−3,6−オクタキス(p−フルオロフェニルチオ)フタロシアニン(略称:Pc(BuS)8(p−FPhS)8)を、IPX-HF;帝国インキ製造株式会社製メジウムインキ(透明)に0.1重量%添加した。
<PMMA: 紫外線吸収剤配合のポリメチルメタクリレート>
紫外線吸収剤として、トリアジン系のCGX006(BASF JAPAN LTD)を、メチルメタクリレート/メチルアクリレート=95.6/4.4の共重合体に、0.1重量%配合した。スチレンカラムGPCによるこのアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は8.5万であった。
<E-HC: 伸びるハードコート塗料>
ユニディックEKC-578(DIC株式会社製)を使用した。
実施例1〜4及び比較例1
上記芳香族ポリカーボネート樹脂の押出機として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度を270℃とした。
上記アクリル樹脂の押出機として、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度を250℃とした。
2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロックを使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂の片面に上記のPMMAを積層した。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度を110℃、2番ロール温度を140℃、3番ロール温度を180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させる方法にて共押し出しシートを製造した。
上記の製法に基づき、芳香族ポリカーボネート樹脂として上記の0.01 PC-IR、0.05 PC-IR、及び0.1PC-IRを用い、それぞれ0.5mm厚の共押し出しシート(PMMA層厚み0.04mm)を製造した。得られたそれぞれの共押し出しシートのPMMA面に、上記の伸びるハードコート塗料を用いて塗膜(HC膜)をバーコーターにて塗布後、UV硬化させた(以下、得られたシートをそれぞれE1(0.01%)、E2(0.05%)、E3(0.1%)と記す)。このHC膜は、厚み5μmで、鉛筆硬度2H、耐擦り傷性試験(ASTM D 2486-79に準拠、豚毛ブラシを用い荷重450gで200往復)において、生じる擦り傷が4本以下であった。
また、上記の製法に基づき、芳香族ポリカーボネート樹脂として上記の0 PC-IRを用い、0.5mm厚の共押し出しシート(PMMA層厚み0.04mm)を製造した。得られた共押し出しシートのPMMA面に、上記の伸びるハードコート塗料を用いて塗膜(HC膜)をバーコーターにて塗布し、UV硬化させた(以下、得られたシートをCE1(0%)と記す)。このHC膜は、厚み5μmで、上記HC膜と同じ性能であった。
次に、この共押し出しシートCE1(0%)の一部を使用し、HC膜の反対面である芳香族ポリカーボネート樹脂面に、上記の赤外線吸収インクIRabを用いて、全面に印刷を施して厚み8μmの塗膜を形成した(以下、得られたシートをCE2(赤外インク)と記す)。この膜は、IR吸収剤の吸収ピーク波長において、IR透過率45%であった。
上記のシートE1(0.01%)、E2(0.05%)、E3(0.1%)、CE2(赤外インク)及びCE1(0%)をそのまま用いて、以下のように加熱到達時間及び成形性を調べた。
成形機として圧空成形機(有限会社エヌケイエンタープライズ製)を使用した。
IRヒーターとして、上記成形機に付属している遠赤外ヒーター(2500nmにピーク波長)を使用し、360℃に設定した。なお、このヒーターによれば近赤外も発生させることができる。
上記シートの上側を上記IRヒーターにより360℃に加熱した。そして、上記シートの下側に赤外放射温度計(キーエンス社製(商品名)IT2-01)を設置してシート温度を測定し、190℃に達した時間を計測した。
金型として、50mm角、稜線1R、コア高さ4mmの凸型形状のものを使用した。
成形:シート温度が190℃に達したら、型締ゾーンに移動し、型締後、圧空を2MPaで5秒吹き込み、その後型開きして成形品を取りだした。
シート温度が190℃になるまでの到達時間を測定し、HC膜のクラック有無と賦形性を評価した。
HC膜のクラック有無は目視で観察した。クラックがない場合は○、クラックがある場合は×とした。
賦形性は、底面根元のエッジ有無をRゲージにて測定した。1.5mmR以下の場合は○、1.5mmRを超えた場合は×とした。
透過率測定:IR透過率 分光光度計(BIO-RAD社製 FTS-60A)で測定した最小透過率を測定した。
可視光透過率 分光光度計(島津製作所製 UV2000)で測定した最大透過率を測定した。
表1の結果から、本発明に用いられるシートE1(0.01%)、E2(0.05%)、E3(0.1%)及びCE2(赤外インク)では、ハードコート膜にクラックの発生がなく、賦形性に優れていることがわかる。また、シート裏面側において所定の温度に到達するまでの時間が短く、更に、優れた透過率を有することがわかる。
次に、圧空成形により熱成形された後の0.5mm厚の上記のシートE1(0.01%)、E2(0.05%)、E3(0.1%)及びCE2(赤外インク)をそれぞれ射出成形金型形状(51mm角、高さ4.5mm)にプレスにて打ち抜いた。
ついで射出成形金型に上記で打ち抜いたシートをそれぞれインサートして、射出成形材料としてPC(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 ユーピロンH3000)を用いて、樹脂温度290℃、射出圧力100MPa、金型温度60℃にて射出して、上記で打ち抜いたそれぞれのシートと射出成形材料を一体化させた成形品を得た。得られた成形品の肉厚は2mmであった。射出成形機として、日本製鋼所株式会社製 J110ADを使用した。
上記のシートE1(0.01%)、E2(0.05%)、E3(0.1%)及びCE2(赤外インク)を用いて得られた本発明の成形品は、シートと射出成形材料が完全に融着しており、手では剥がす事が出来なかった。また、ハードコートも射出成形によるクラックの発生が生じていなかった。

Claims (7)

  1. フィルム或いはシートの少なくとも表面にハードコートを施し、その裏面に任意に意匠を施した該フィルム或いはシートを赤外線加熱し、前記ハードコート側を外表面として立体形状に熱成形し、前記裏面に熱可塑性樹脂を射出一体化してシートインサート加飾成形品を製造する方法であって、
    該フィルム或いはシートが、芳香族ポリカーボネート樹脂層の片面にアクリル系樹脂層を有する共押し出しシートであって、前記芳香族ポリカーボネート樹脂層が赤外線吸収剤(a)を配合してなるもの、または芳香族ポリカーボネート樹脂層面に赤外線吸収剤(a)を配合した層が形成されてなるものであることを特徴とする加飾成形品の製造法。
  2. 前記共押し出しシートの熱成形が、赤外線加熱によって前記赤外線吸収剤(a)が添加または塗布された層の温度を180〜220℃とし、加圧空気にて賦形するものである請求項1に記載の加飾成形品の製造法。
  3. 熱成形前の前記共押し出しシートの厚みが 0.1〜0.6mmであり、前記アクリル系樹脂層の厚みが 30〜80μmである請求項1または2に記載の加飾成形品の製造法。
  4. 熱成形して加飾フィルムインサート成形品を製造するための共押し出しシートであって、
    該共押し出しシートが、芳香族ポリカーボネート樹脂層の片面にアクリル系樹脂層を有し、少なくとも該アクリル系樹脂層上にハードコートを有し、該共押し出しシートの厚みが 0.1〜0.6mmであり、該アクリル系樹脂層の厚みが 30〜80μmであり、該芳香族ポリカーボネート樹脂層が赤外線吸収剤(a)を配合してなるもの、または芳香族ポリカーボネート樹脂層面に赤外線吸収剤(a)を配合した層が形成されてなるものであることを特徴とする共押し出しシート。
  5. 前記赤外線吸収剤(a)が添加または塗布された共押し出しシートにおける、800nm〜1800nmの近赤外線領域の最小透過率が10〜60%である請求項4に記載の共押し出しシート。
  6. 耐擦り傷性試験(ASTM D 2486-79に準拠、豚毛ブラシを用い荷重450gで200往復)において生じる擦り傷が10本以下である請求項4または5に記載の共押し出しシート。
  7. 前記赤外線吸収剤(a)が、下記一般式(I)
    (但し、式中、Xは独立してSR1又はOR2を表し;Yは
    を表し;R1は炭素原子数1〜20個のアルキル基を表し;R2は炭素原子数1〜20のアルキル基又は置換可能なフェニル基を表し;Zは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭素原子数1〜8個のアルコキシ基又はハロゲン原子を表し;aは2〜3の整数であり;bは0〜5の整数であり;Mは無金属、金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す)で表されるフタロシアニン化合物を含有する請求項4から6のいずれかに記載の共押し出しシート。
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