JP6008860B2 - ジアンヒドロヘキシトールのアルキルエステルによる脂肪族ポリエステルの可塑化 - Google Patents

ジアンヒドロヘキシトールのアルキルエステルによる脂肪族ポリエステルの可塑化 Download PDF

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Description

本発明の主題は、特定のジオールエステルにより可塑化した脂肪族又は半脂肪族ポリエステル組成物である。本発明の別の主題は、前記組成物を製造する方法及びこの組成物の使用である。本発明の別の主題は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの可塑剤としての上記ジオールエステルの使用である。
プラスチックの使用は、多くの用途で広がってきている。従って、世界中で生産され、使用されるプラスチックの量は、近年大幅に増加し、それに伴って、廃棄物の量の増加及び環境問題が深刻化している。
このようなプラスチック廃棄物の排除を容易にするために、生分解性ポリマーは、極めて関心の高いテーマとなっている。
生分解性ポリマーの例として、「生分解性ポリエチレン」が挙げられるが、これは、実際には、非生分解性ポリエチレンと、これを生分解性にすることができる添加物とから構成されている。
こうした有利なポリマーには、脂肪族又は半脂肪族ポリマーも含まれ、これらは、その独特の構造によって、添加剤の非存在下であっても、固有の生分解性を示す。
「半脂肪族ポリエステル」という用語は、少なくとも70モル%の脂肪族単位、すなわち芳香環のない単位を含むあらゆるポリエステルを意味するものとする。
「脂肪族ポリエステル」という用語は、脂肪族単位だけで構成されるあらゆるポリエステルを意味するものとする。
ポリエステルについて「単位」という用語は、ポリエステルを形成するモノマー、すなわち、ジカルボン酸、ジオール及びヒドロキシ酸から選択されるモノマーの重縮合によって得ることができるあらゆる単位を意味するものとする。
例えば、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)及びポリカプロラクトン(PCL)は、ヒドロキシアルカン酸から得られる脂肪族ポリエステルである。ジオール及びジカルボン酸の重縮合によって得られるポリエステルとしては、脂肪族ポリエステルであるポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、さらにまた、ブタンジオール、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸)及び芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸)の重縮合によって得られる半脂肪族ポリエステルであるポリ(アジピン酸ブチレン−コ−テレフタレート)(PBAT)も挙げられる。しかし、これらのポリエステルは、いくつかの問題点を呈する可能性がある。特に、その機械的性質は、特定の用途には不十分な場合がある。例えば、PLA、特に高度に結晶質のPLAは、周囲温度での破断点伸びが極めて低く(わずか数パーセント程度)、従って、非常に脆い。より多くの用途での使用を可能にするためには、上記ポリエステルの特性を改善する必要がある。そのために、上記ポリエステルを「可塑剤」とブレンドすることができる。
「可塑剤」という用語は、十分な量で、ポリマーと混合すると、前記ポリマーのガラス転移温度を低下させる作用を有する任意の物質を意味するものとする。
ポリマーのガラス転移温度を低下させることにより、ポリマーの柔軟度が増加して、可塑化したポリマーの機械的性質が改良される。従って、ポリマー組成物に、ポリマー組成物用の可塑剤を添加すると、ヤング曲げ率の減少、引張強さの減少及び/又は引張破壊ひずみの増加が一般にみとめられる。ポリマーのこれらの特性の改良によって、ポリマーをより多くの用途、例えば、軟質フィルムに用いることが可能になる。
しかし、ある種類のポリマーに用いられる可塑剤が、別の種類のポリマーに必ずしも適しているとは限らない。
例えば、欧州特許出願公開第0523789A1号明細書を挙げることができるが、この文献には、多数の公知の可塑剤を用いたPLAに対する可塑化試験が記載されている。ポリ塩化ビニル(PVC)用の公知の可塑剤であるトリオレイン酸グリセロール、デカン酸グリセロール、プロピレングリコール、トリヘキサン酸グリセロール、グリセロール、トリアセチン、乳酸エステル及びクエン酸エステルは、PLAを可塑化しないか、若しくは十分に可塑化しなかったり、PLAと相溶性でなかったり、又は可塑化作用が不十分であったりする。
また、Handbook of Plasticizers(Wypych G.,ChemTec Publishing,2004,pages 273−379)の第11章を参照にすることもでき、ここには、ポリマーの種類別に用いることができる可塑剤が記載されており、これらの適切な可塑剤は、対象とするポリマーに応じて異なる。
また、機械的性質に対するPLAの可塑化の作用についても、Jocobsenらにより、以下の論文:Plasticizing polylactide−the effect of different plasticizers on the mechanical properties(Polymer Engineering and Science,1999,Vol.39,No.7,pages 1303−1310)において研究がなされている。ポリエチレングリコール、部分的にエステル化した脂肪酸又はグルコースモノエステルを10重量%以下の量でPLAに導入する。ポリエチレングリコールは、最も有効な可塑剤である。PLAの可塑化は、極めて低い破断点伸びの値が示すように、不十分なままである。
様々なクエン酸エステルも、Labrecqueらにより、以下の論文:Citrate Esters as Plasticizers for Poly(lactic acid)(Journal of Applied Polymer Science,1997,Vol.66,No.8,pages 1507−1513)においてPLAの可塑剤として評価されている。この文献には、可塑剤として環状ジオールエステルは記載されていない。さらに、これらのエステルは、熱的にあまり安定ではなく、高い揮発性を呈示することから、可塑化PLA組成物の製造中に可塑剤の有意な消失が起こる。
ケタールもまた、PLA又はポリ(3−ヒドロキシアルカン酸)を含むポリマーのための可塑剤として、米国特許出願第2008/0242721号明細書に記載されている。
また、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)用の様々な可塑剤が、出願:国際公開第02/085983号パンフレットにも開示されており、パラフィン、エポキシ化合物、ポリオール、脂肪酸若しくはジカルボン酸エステル、オイル、グリセロールエステル又はリン酸エステルを含む。しかし、この文献には、可塑剤として環状ジオールエステルは一切記載されていない。
文献:欧州特許出願公開第2143743A1号明細書には、その一部として、樹脂の製造方法が記載されており、この方法では、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステル誘導体を溶剤、助溶剤及び/又は融合助剤として用いるが、可塑剤としてではない。60モル%の飽和脂肪族単位を含む、他のモノマー及びオリゴマーのポリエステルオリゴマーと、イソソルビドジエーテル:ジメチルイソソルビドを含む混合物を表1に記載する。この中間混合物は、後に、ポリウレタンの製造に使用する。
従って、既存の溶液のいずれも、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの可塑化に完全に満足のゆくものではない。
さらに、上記のポリエステルから製造された製品のもう一つの問題として、その使用に伴って発生する騒音のレベルがある。
これは、最終消費者による製品の取り扱う際に、発生する騒音が非常に大きくなる可能性があるためであり、これは、特に、前記製品が、上記ポリエステル製のシート又はフィルム(一般に包装用である)を含む場合に起こる。
例として、消費者の不満によって、Frito Lay(登録商標)は、2010年、米国市場で販売していた、PLA製の材料で包装されたポテトチップの袋を回収しなければならなかった。というのは、ポテトチップの消費者が袋を開けたり、取り扱ったりしたとき、騒音が大きすぎたからである。
同様の問題は、PLA製の物品を製造する工場でも、特に、これらの物品を押出によって得る場合に、みとめることができた。
欧州特許出願公開第0523789A1号明細書 米国特許出願第2008/0242721号明細書 欧州特許出願公開第2143743A1号明細書
Wypych G.,ChemTec Publishing,2004,pages 273−379 Polymer Engineering and Science,1999,Vol.39,No.7,pages 1303−1310 Journal of Applied Polymer Science,1997,Vol.66,No.8,pages 1507−1513
従って、現時点でも、上記ポリエステルを基材とする新規の可塑化組成物をみいだす必要があり、これらの組成物は、以下のものを呈示する:
・ポリエステル単独と比較して、高い柔軟性、
・ポリエステル単独と比較して、高い引張破壊ひずみ、
・微臭、
・及び/又は可塑剤とのポリエステルとの優れた相溶性、これによって、製造時の可塑剤とポリエステルの良好なブレンドが可能になり、しかも、使用中のポリマーからの可塑剤の滲出を低くする、さらには滲出が存在しないようにすることができる。
また、上記ポリエステルの1つを基材とし、取扱いの際に発生する音が過剰に大きくない物品の製造を可能にする組成物をみいだすことができること、さらには、前記物品の製造中の不快な音を制限することも有利である。
さらに、用いる可塑剤が、この組成物の製造中に揮発しないこと、又はほとんど揮発しないことも有利である。
出願人は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの機械的性質を改善することを目標とする研究において、これらのポリエステルが、ジアンヒドロヘキシトールの特定のアルキルエステルによって有利に可塑化することができること、また、こうした可塑化によって、前述した従来の技術の問題点を解決できることをみいだした。
本発明の主題は、従って、以下:
−少なくとも70モル%の飽和脂肪族単位を含む少なくとも1つの脂肪族又は半脂肪族ポリエステルであって、これらの単位は、
式:HO−C2x−COOHの飽和ヒドロキシアルカン酸、
式:HOOC−C2x−COOHの飽和ジカルボン酸、及び
式:HO−C2x−OHの飽和ジオール
(式中、x=1〜20、好ましくは1〜6である)
から選択されるモノマーの重縮合によって得ることができ、
残りの部分の単位が、芳香族単位から形成される、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルと;
−イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドのモノアルキルエステル並びにジアルキルエステルから選択される少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルと
を含む組成物である。
ビニルポリマー、酢酸セルロースポリマー又は合成ゴムの可塑剤としての1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール(及び特にイソソルビド)エステルの使用は、1944年に遡る米国特許第2 387 842号明細書からすでに公知である。
また、Hachihama及びHayashiによる論文:Studies on the Preparation of Plasticizers from Carbohydrate Sources(Technol.Repts.Osaka Univ.,Vol.3,1953)を挙げることができ、これは、様々なイソソルビドエステルによるPVCの可塑化を研究したものである。さらに近年では、上記の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルによるポリマーの可塑化はまた、国際公開第99/45060号パンフレット及び米国特許出願第2007/0282042号明細書の主題を形成している。さらに、米国特許出願第2009/0301348号明細書を挙げることができ、これは、炭素数9の飽和カルボン酸から得られる特定の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルに関するものであるが、これらのエステルは、PVC又はアクリルポリマーの懸濁液において可塑剤として用いられている。
しかし、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルは、前段落で述べたポリマー用の可塑剤として公知であるが、このエステルは、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの可塑剤として用いられたことはなかった。
驚くことに、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルは、これら特定のポリエステルを非常に有効に可塑化することを可能にし、これによって、上記ポリエステルを基材とする従来の可塑化組成物と比較して、改善された特性を取得することが可能になる。
式:HO−CH2−COOHの飽和ヒドロキシアルカン酸の重縮合によって得ることができる脂肪族又は半脂肪族ポリエステルは、以下の単位を含む:
Figure 0006008860
このポリエステルは、以後、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)(PHA)と称する。これは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオン酸)(PHP)、ポリ(2−ヒドロキシ酪酸)(P2HB)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(PHB)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)(P4HB)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)(PHV)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)(P4HV)及びポリ(5−ヒドロキシ吉草酸)(P5HV)、ポリ(6−ヒドロキシヘキサン酸)(ポリカプロラクトン(PCL)の名称でも知られる)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサン酸)又はポリ(3−ヒドロキシヘプタン酸)から選択することができる。
好ましくは、PHAは、PGA、PCL及びPLAから選択される。
式:HOOC−CH2−COOHの飽和ジカルボン酸、及び式:HO−CH2−OHの飽和ジオールの重縮合によって得られる脂肪族又は半脂肪族ポリエステルは、以下の構造を含む:
Figure 0006008860
上記構造を含む脂肪族ポリエステルは、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、ポリ(アジピン酸ブチレン)(PBA)、ポリ(コハク酸エチレン)又はポリ(アジピン酸エチレン)であってよい。
上記ポリエステルの構造は、ポリエステルホモポリマーに相当する。
しかし、本発明で用いるポリエステルは、コポリマー、すなわち、複数のジオール、二酸及び/又はヒドロキシ酸の組合せの重縮合によって得られるポリエステルであってもよい。
ポリ(ヒドロキシアルカン酸)(PHA)は、もちろん、ヒドロキシアルカン酸モノマー(例えば、PGAはグリコール酸、又はPLAは乳酸)の直接重合によって得ることができる。このヒドロキシアルカン酸は、2〜21個の炭素原子を含む。
しかし、ヒドロキシ酸からのこれらポリ(ヒドロキシアルカン酸)の生成は、放出される反応水のために困難であることが往々にして明らかにされており、多くの場合、これらのポリエステルは、ヒドロキシアルカン酸の環状エステル及び二量体環状エステルから合成することが好ましく、二量体環状エステルは、2つのヒドロキシアルカン酸の環化反応によって得られる。
こうしたモノマーの例として、以下のものが挙げられる:グリコール酸の二量体環状エステルであるグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、乳酸の二量体環状エステルであるラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロパン酸の環状エステルであるα,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、3−ヒドロキシ酪酸の環状エステルであるβ−ブチロラクトン、5−ヒドロキシペンタン酸エステルの環状エステルであるδ−バレロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸の環状エステルであるε−カプロラクトン、又は6−ヒドロキシヘキサン酸のメチル置換誘導体(例えば、2−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸、3−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸、4−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸など)のラクトン。
グリコール酸を除くヒドロキシアルカン酸は、少なくとも1つの不斉炭素を呈示することから、鏡像異性体の形態で存在する。従って、乳酸は、D−乳酸及びL−乳酸の形態で存在する。ポリ(乳酸)は、これら2つのほぼ純粋な鏡像異性体の各々から、又は2つの鏡像異性体のラセミ混合物から取得することができる。例えば、PLAは、85〜99.9モル%のD−乳酸単位と、1〜15モル%のL−乳酸単位を含んでいてよい。
本発明の好ましい実施形態では、脂肪族ポリエステルは、90〜99.9モル%、好ましくは92〜99モル%のD−乳酸単位と、0.1〜10モル%、好ましくは1〜8モル%のL−乳酸単位を含む半結晶質PLAである。この半結晶質PLAは、実際には、可塑化されていない場合、特に脆いため、その満足のゆく可塑化は、決定的に重要である。この高度に結晶質のPLAの不十分な特性にもかかわらず、PLAから得られる本発明の組成物は、驚くことに、ある程度の柔軟性を必要とする用途に完全に満足のゆくものである。
ポリエステルの製造のためのモノマーとして用いることができるこれらヒドロキシアルカン酸の一利点は、植物原料(以後、概して「再生可能な原料」と称する)から製造することができることにある。油資源の枯渇や、これら資源の消費に関する環境問題(大気中へのCOの再放出)の結果として、再生可能な原料から製造したポリエステルは、特に有利である。
脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの形成に有用な飽和ジオールは、1〜20個の炭素原子を含む。これは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール又は2−メチル−2,4−ペンタンジオールから選択することができる。ジオールは、好ましくはエチレングリコール又は1,4−ブタンジオールである。
脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの形成に有用な飽和ジカルボン酸は、3〜22個、好ましくは3〜8個の複数の炭素原子を含む。これは、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸から選択することができる。ジカルボン酸は、好ましくはコハク酸又はアジピン酸である。
脂肪族ポリエステルは、ホモポリマー、すなわち、ただ1つのヒドロキシアルカン酸又はただ1つのジオール/ジカルボン酸対の重縮合によって得られるポリマーであってよい。
別の形態では、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルは、コポリマー、すなわち:
a)モノマーの重縮合によって得ることができる単位を含むポリマーであって、これらのモノマーは、少なくとも2つの異なる飽和ヒドロキシアルカン酸、2つの異なる飽和ジオール及び/若しくは2つの異なる飽和ジカルボン酸を含む、ポリマー;
b)並びに/又は前述したモノマーの重縮合によって得ることができるものからの異なる単位を含むポリマー
であってもよい。
コポリマーa)の例として、乳酸とグリコール酸から得ることができるPLA/GAコポリマー、及び3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸から得ることができるPHBVコポリマーが挙げられる。
コポリマーb)は、芳香族モノマーの重縮合によって得られる少なくとも1つの芳香族単位を含んでいてよく、これらの芳香族単位は、30モル%を下回る割合で存在する。これらの芳香族単位は、芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸の共重合によって導入することができる。
このようにして形成したポリエステルが、半脂肪族ポリエステルである。半脂肪族ポリエステルの例として、ポリ(アジピン酸ブチレン−コ−テレフタレート)(PBAT)、ポリ(コハク酸エチレン−コ−テレフタレート)又はポリ(コハク酸ブチレン−コ−アジペート−コ−テレフタレート)が挙げられる。
半脂肪族ポリエステルは、少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90%の飽和脂肪族単位を含むことが有利である。
ポリエステルは、好ましくは脂肪族ポリエステル、すなわち100%飽和脂肪族単位から構成されるポリエステルである。これは、好ましくはポリ(C2−7ヒドロキシアルカン酸)、特にポリ(乳酸)である。
本発明で有用なポリエステルは、3,000〜1,000,000g/モルの範囲内、例えば、20,000〜600,000g/モル、好ましくは50,000〜400,000g/モルの重量平均分子量(M)を有することが有利である。この重量平均分子量は、溶離液としてのテトラヒドロフランと、40℃に加熱したカラム(ポリスチレンゲル)を用いて、ISO 16014−1規格及びISO 16014−3規格に従い、ポリスチレン等価量としてサイズ排除クロマトグラフィー(GPC、ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
アジピン酸ポリエステルは、当業者には公知の方法によって製造することができる。重縮合は、触媒の存在下で実施することができる。製造方法は、用いるモノマーの性質に応じて異なる。
例えば、ヒドロキシアルカン酸の脱水及び溶媒及び触媒の存在下でのその直接重縮合のための第1のタイプの方法(例えば、米国特許第5 310 865号明細書及び米国特許第5 401 796号明細書を参照)を用いる。
別のタイプの方法は、二量体環状エステルを開環重合するものであり、これらの二量体は、例えば、米国特許第2 703 316号明細書に記載のように、ヒドロキシアルカン酸の脱水の前段階で生成されたものである。
ブロックポリマーはまた、欧州特許第712 880号明細書に記載の方法を用いて製造することもできる。
また、PHAの製造の場合には、発酵経路による方法も存在する。
脂肪族及び半脂肪族ポリエステルは、市販のものが入手可能である。例としては、Kurehaが、Kureflex(登録商標)の商標名で、PGAを販売している。PLAも、NatureworksによりIngeo(商標)の商標名で、また、Futerro(登録商標)によっても販売されている。また、Mirel(商標)の商標名を有するPHBVコポリマーが、Tellesによって販売されている。PCLも、SolvayからのCapa(登録商標)の商標名で入手可能である。IRe Chemicalは、PBSグレード(EnPol)を販売し、またBASFは、Ecoflex(登録商標)商標名でPBATグレードを販売している。
本発明の別の形態では、組成物は、本発明で有用なポリエステルのブレンドを含み、これは、本発明で有用な複数のポリマーのブレンドであってよい。これは、例えば、PLAとPBATのブレンドであってよい。BASFは、Ecovio(登録商標)の商標名でこうしたブレンド(45重量%のPLAと55重量%のPBAT)を販売している。組成物はまた、PLA立体錯体、すなわち、ほぼD−乳酸単位から構成される第1PLAと、ほぼL−乳酸単位から構成される第2PLAとのブレンドを含んでもよい。
本発明では、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルによって、組成物を可塑化することが可能になり、好ましくはこれを柔軟にすることができる。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、分子式:C10を有するジオールである。
本発明において、3つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール異性体、すなわち、イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドを使用するが、好ましくはイソソルビドを用いる。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルは、アルキルモノエステル及びジアルキルエステルから選択される。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルのアルキル基は、有利にはC3−15アルキル基、好ましくはC4−10アルキル基、特にC6−9アルキル基である。
アルキル基は、シクロアルキル、直鎖状アルキル又は分枝鎖状アルキル基であってよい。好ましくは、アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であり、非常に好ましくは直鎖状である。
アルキルエステルは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとカルボン酸とのエステル化反応によって生成される。エステル化反応は、以下のように表すことができる:
R−OH + HO(O)C−R’ ⇒ R−O(O)C−R’+ H
従って、エステル化に用いられる酸が、8個の炭素原子を含む場合には、このエステルのアルキル基はR’であり、従って、Cアルキル基である。
カルボン酸の例として、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルグ酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカノン酸、又はパルミチン酸が挙げられる。
ジオールの2つのアルコール官能基の1つだけがエステル化によって反応した場合には、このエステルはモノエステルである。ジオールのアルコール官能基の両方がエステル化反応で反応した場合には、これはジエステルである。1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルは、好ましくはジエステルである。この実施形態では、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールジエステルは、異なるアルキル基を含んでもよい。すなわち、上記のジエステルは、2つの異なるカルボン酸を用いて得られる。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルの混合物を含む組成物が、本発明によるものであることは言うまでもない。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、一般に、水素添加糖の内部脱水によって得られる。従って、イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドは、それぞれソルビトール、マンニトール及びイジトールの脱水によって得ることができる。
これらジアンヒドロヘキシトールの合成は、公知であり、様々な方法が、例えば、以下の文献に記載されている:Fletcherらによる(1,4,3,6−Hexitoldianhydride,L−isoidide,J.Am.Chem.Soc.,1945,67,1042−3、及び1,4,3,6−Dianhydro−L−iditol and the structure of isomannide and isosorbide,J.Am.Chem.Soc.,1946,68,939−41)、Montgomeryらによる(Anhydrides of polyhydric alcohols.IV.Constitution of dianhydrosorbitol,J.Chem.Soc.,1946,390−3,及びAnhydrides of polyhydric alcohols.IX.Derivatives of 1,4−anhydrosorbitol from 1,4,3,6−dianhydrosorbitol,J.Chem.Soc.,1948,237−41)、Flecheらによる(Isosorbide.Preparation,properties and chemistry,Starch/Staerke,1986,38,26−30)、Fukuokaらによる(Catalytic conversion of cellulose into sugar alcohols,Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,5161−3)、米国特許第3 023 223号明細書、又は1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルに関する既述の文献のいくつか。
イソソルビド、イソマンニド又はイソイジドエステルは、上に説明したように、該当するジアンヒドロヘキシトールとカルボン酸とのエステル化反応によって得られる。
エステル化反応の条件については、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルに関する既述の文献を参照することができる。また、出願人名義の国際公開第2006/103338パンフレットの教示を用いてもよい。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルの混合物は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのエステル化によって得られる様々なエステルの単純な混合によって得ることができる。
混合物は、カルボン酸混合物と1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのエステル化によっても得ることができる。
本発明の組成物の別の利点は、可塑剤、すなわち1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルが、再生可能な資源から製造することができる点にあり、これにより、ジアンヒドロヘキシトール及びカルボン酸を再生可能な資源から取得することが可能である。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルは、脂肪族及び半脂肪族ポリエステルの総重量に対し、1〜30重量%の範囲内の量で、本発明による組成物中に存在する。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルの量は、脂肪族及び半脂肪族ポリエステルの総重量に対し、10〜25重量%の範囲内にあることが有利であり、好ましくは11〜20重量%、さらには12〜18重量%、例えば13〜18重量%である。上記の範囲において、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルの可塑化作用は、特に、これが、組成物における唯一の可塑剤として用いられる場合に、極めて有意である。組成物の柔軟性は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステル単独の場合と比較して、大幅に増加し、製造後のポリマーからの可塑剤の滲出が非常に低い、さらには滲出が存在しない。この効果は、脂肪族ポリエステルが半結晶質PLAのとき、特に有意であり、従って有利である。
本発明の一実施形態では、組成物は、さらに、別の可塑剤、すなわち1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステル以外の可塑剤を含む。例として、以下のものが挙げられる:任意でエポキシ化されているポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、部分的にエステル化されている脂肪酸、又はグルコースモノエステル、クエン酸エステル、アジピン酸エステル、エポキシ化ダイズ油、アセチル化ヤシ油、任意でエポキシ化したアマニ油、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル及びヒドロキシアルカン酸。
好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステル/他の可塑剤の比は、50:50〜100:0の範囲内にあり、非常に好ましくは80:20〜100:0である。
組成物は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステル以外の付加的ポリマー、例えば、ポリアミド又はポリオレフィンをさらに含む。好ましくは、脂肪族ポリエステル及び/又は半脂肪族ポリエステル/付加的ポリマーの比は、50:50〜100:0の範囲内にあり、非常に好ましくは80:20〜100:0である。
上記の追加的ポリマーは、耐衝撃性改良剤の役割を果たすことができる。すなわち、上記ポリマーは、組成物の衝撃挙動を改善することができる。例として、この耐衝撃性改良剤は、エチレンコポリマー、例えば、米国特許出願公開第2005/0131120 A1号明細書の段落[0017]〜[0022]に記載されるものの1つであってよい。
本発明の組成物の一実施形態では、組成物のポリマーは、実質的に、少なくとも1つの脂肪族又は半脂肪族ポリエステルから構成される。すなわち、組成物は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの総重量に対し、多くとも5重量%の付加的ポリマーを含む。本発明の組成物は、唯一の有機ポリマーとして、前述した脂肪族又は半脂肪族ポリエステルを含むことが好ましい。
組成物は、組成物の最終特性の少なくとも1つを改善することができる、及び/又は前記組成物の製造方法を促進することができる、熱可塑性樹脂の製造において常用の他の添加剤をさらに含んでもよい。
常用の添加剤の例は、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料又は顔料、核剤、難燃剤、潤滑剤、粘着防止剤、離型剤、固化防止剤、抗菌剤、防曇剤及び発泡剤から選択することができる。組成物は、常用添加剤として、ポリエステル及び可塑剤の他に、強化材又は充填材、例えば、天然植物繊維、例えば、おがくず、木繊維又は麻線維を含んでもよい。この特定の組成物は、優れた熱機械的挙動を呈示する。
好ましくは、これらの常用添加剤は、組成物の30重量%以下、好ましくは組成物の20重量%以下の量で存在する。
本発明の別の形態では、組成物は、組成物の総重量に対して以下:
・40〜99重量%、有利には45〜89重量%、好ましくは50〜88重量%の脂肪族又は半脂肪族ポリエステル;
・1〜30重量%、有利には11〜25重量%、好ましくは12〜20重量%の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステル;
・0〜30重量%の付加的ポリマー;
・0〜30重量%の別の可塑性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂の製造において常用の添加剤
を含む。
脂肪族又は半脂肪族ポリエステルが、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルによって可塑化されているか否かを決定する1つの方法は、ポリエステル/可塑剤ブレンドのガラス転移温度(T1)を上記ポリエステル単独のガラス転移温度(T2)と比較することである。T1がT2より低ければ、ポリエステルは可塑化したとみなすことができる。
好ましくは、組成物は、T1<(T2−5)、さらにはT1<(T2−10)、例えば、T1<(T2−20)であるようにする。言い換えれば、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルへの可塑剤の含有は、5℃を超える、好ましくは10℃を超える、特に20℃を超える、ガラス転移温度の低下として現れる。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルによって、本発明に従い可塑化したPLAは、好ましくは約40℃のTgを有する。
ポリエステルがブロックコポリマーであるとき、ポリエステルは、複数のガラス転移温度を呈示することも可能である。この場合、このポリエステルコポリマーは、そのガラス転移温度の少なくとも1つが低下すれば、可塑化したとみなされる。
Tgは、加熱速度10℃/分の示差操作熱量測定(DSC)による公知の方法で測定することができる。この測定は、サンプルの第1加熱、ポリマーのガラス転移温度より低い温度への冷却、次いでサンプルの第2加熱を実施し、その間にガラス転移温度を測定することによって行うことができ、加熱及び冷却速度は10℃/分である。
一般的には、以下のプロトコルを用いる:
・10℃/分で−120℃から220℃への第1加熱;
・10℃/分で220℃から−120℃への冷却;
・10℃/分で−120℃から220℃への第2加熱。
上に説明したように、いくつかの脂肪族又は半脂肪族ポリエステル、例えば、PLA又はPGAは、非常に脆い。従って、その機械的性質を改良し、それによりポリエステルをより多様な用途で使用できるようにするために、これらを十分に「可塑化」することが有利である。
従って、組成物の破断点伸びは、100%以上、さらには500%以上である。この破断点伸びは、EN ISO527−1:1996規格に従って測定することができる。
本発明の別の主題は、本発明の組成物の調製方法であり、この方法は、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルと、組成物の他の成分を溶融混合するステップを含む。
温度調節される熱可塑性樹脂を加工する、当業者には公知の装置、例えば、ミキサー又は押出機を用いることができる。例えば、あらゆるタイプの加工装置、例えば、押出機、ニーダー、密閉式混合機又は外部混合機、例えば、ロールミキサーを使用してよい。
本発明の別の主題は、本発明の組成物の製造方法であり、この方法は、押出機を用いて、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルと1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルを押出によりブレンドするステップを含む。
本方法は、例えば、同方向回転二軸スクリュー押出機、逆方向回転二軸スクリュー押出機又は一軸スクリュー押出機を用いて、好ましくは同方向回転二軸スクリュー押出機を用いて、実施する。
用いる加工装置の温度は、導入するポリエステルの性質に合わせて調節する。この温度は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの可塑化特性を保持することを可能にする、80〜200℃の範囲内であることが有利である。さらに、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルは、他の多くの公知の可塑剤とは対照的に、上記の温度範囲内では揮発性ではなく、蒸発しない。
温度は、PLAを基材とする組成物の場合、130〜180℃の範囲内であることが好ましい。
組成物は、単一ステップで、すなわち成分を同時に導入して、又は複数のステップで、すなわち例えば、押出機の様々な地点で、成分を順次導入して、製造することができる。
好ましくは、本発明の組成物の製造方法は、以下:
・第1計量装置を用いて、同方向回転二軸スクリュー押出機に1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルを導入するステップ;
・押出機に沿ってさらに配置された第2計量装置を用いて、ポリエステルを導入するステップ;
・押出機のブレンディングゾーンで組成物の成分をブレンドするステップ;
・こうして形成された組成物を回収するステップ
を含む。
この方法により、組成物中の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルの優れた均質化が達成される。従って、押出中の騒音は、この方法を用いることによって顕著に制限される。
押出によりブレンドするステップを含む製造方法は、押出品、例えば、顆粒又は形材要素の製造に用いることができる。押出により溶融ブレンドするステップを含む、上記製品の製造方法に続いて、成形、射出成形、紡糸又は吹込成形によって上記溶融ブレンドを成形することにより、それぞれ、成形、射出成形、紡糸又は吹込成形品を形成するステップを実施することもできる。
本発明は従って、本発明の組成物を含むあらゆるタイプの押出、成形、射出成形、紡糸又は吹込成形品に関する。
上記の製品は、糸、顆粒、シートの形態、又はあらゆるタイプの3次元物品であってよい。
顆粒は、組成物の押出によって得られるロッドの顆粒化によって得ることができる。
本発明の組成物のシートは、押出機端のフラットダイを用いた押出によって得ることができる。こうして得られたシートは、シートの長さ全体に沿って均一な厚さを得るために、後に圧延する。「シート」という用語は、本明細書ではあらゆる厚さのシートを包含し、特に、本発明の組成物を含むフィルムでありうることを明示しておく。
このシートは、単層であってもよいし、多層、すなわち、本発明の組成物を含む第1層と、第1層とは異なる組成物を含む少なくとも1つの第2層を含んでいてもよい。
第2層は、ポリマー(例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなど)、金属、酸化金属又は酸化ケイ素を含む組成物から製造することができる。
上記の多層シートは、フラットダイを用いた様々な層の同時押出、押出被覆又は押出貼合せによって製造することができる。
多層シートに用いることができる様々な層についての詳細な説明は、特許出願:米国特許出願公開第2008/0071008A1号明細書の段落[0037]〜「0054]に記載されている。
本発明の組成物は、包装材又は容器、例えば、フィルム、カップ、蓋、ポット、バッグ、ビン、かご、キャップ又はストッパーの製造に用いることができる。
単層又は多層シートは、前記シートを熱成形することによる前記包装材又は容器の製造において、中間物として特に有用である。
組成物はまた、織布及び不織布の製造においても有用である。さらには、乳児用おむつ又は女性用衛生用品の製造にも有用となりうる。
組成物はまた、接着剤、特に、特許:米国特許第5 252 646号明細書に記載されているものと類似したホットメルト接着剤(本発明の組成物が、本発明で有用な1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルを含む点で異なる)の製造にも用いることができる。接着剤を形成するためには、組成物は、接着剤、例えば、微晶質ワックス、脂肪酸アミドワックス及び酸化フィッシャー−トロプッシュ(Fischer−Tropsch)ワックスの適用のための開放時間を増加する作用を有するワックスを含んでもよい。組成物はまた、接着剤の「粘着力」を高めることを可能にする粘着付与樹脂、例えば、ロジン、ロジン誘導体、テルペン又は改質テルペンを含んでいてもよい。ワックス及び粘着付与樹脂は、ポリマーであることを明示しておく。
本発明の組成物の別の用途は、医療分野で有用な製品、例えば、創傷を縫合する糸、ステント、透析装置又は薬剤計量分配装置の製造である。
本発明の別の主題は、前述した脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの可塑化における、イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドモノアルキルエステル及びジアルキルエステルから選択される1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの使用である。
本出願に記載する本発明の組成物に関する様々な好ましい形態は、もちろん、脂肪族又は半脂肪族ポリエステルの可塑化における1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの使用に適応させることができる。
以下の実施例では、実施形態について詳しく説明する。これらの例示的実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではないことを明示しておく。
実施例1−脂肪族及び半脂肪族ポリマーの可塑化:官能評価と、ガラス転移温度の変化
用いる製品
用いるポリマー
−PLA1:ポリ(乳酸)、グレード6302D(NatureWorks)、Mw=170,000g/モル
−PCL:ポリカプロラクトン、Capa(登録商標)650(Solvay)
−PBAT:ポリ(アジピン酸ブチレンテレフタレート)、Ecoflex FBX 7011(BASF)
−PBS:ポリ(コハク酸ブチレン)、EnPol GA4560J(IRe Chemical)
−PET:ポリ(テレフタル酸エチレン)、Lighter C93(Equipolymers)
−PBT:ポリ(テレフタル酸ブチレン)、Valox325F(Sabic)
−PS:結晶質ポリスチレン、PS500(Sabic)
可塑剤:
−IDE(本発明で用いる可塑剤):イソソルビドジアルキルエステル(Cアルキル基)
−DINP:フタル酸ジイソノニル(Sigma−Aldrich)
−Jayflex Dina Z:アジピン酸ジイソノニル(Exxon−Mobil)
−Diplast TM ST:トリメリット酸エステル(Polynt)
組成物の調製
上記組成物を調製するために、円筒ローターを備える容量120cmのRheomix600(Haake)ニーダーを用いた。初期温度50℃、ローターの回転速度80回転/分で、ポリマーと可塑剤を導入する。このブレンドは、80重量%のポリマーと20重量%の可塑剤を含む。温度を5分かけて生成物の処理温度(PT)まで徐々に上昇させた後、この温度で、ブレンドをPTで10分間均質化する。
可塑化したポリマーを回収した後、加熱プレス(Carver)を用いて、厚さ約150ミクロンのフィルムの形態に成形する(PTにて20トンの圧力下で3分間)。
フィルム上で、可塑剤が、可塑化をもたらすか否か、すなわち柔軟性及び延伸能力の増加を手触りで評価する。また、可塑剤とポリエステルとの優れた相溶性も確認する。相溶性は、低い浸出、さらに言えば浸出の非存在によって表される。
PLAと様々な可塑剤のブレンドについて得られた結果を表1に示す。PLAのPTは150℃である。
Figure 0006008860
IDEは、延伸能力及び柔軟性の両方に関してPLAに対し可塑化作用を付与することがわかる。さらに、滲出が観察されないことから、IDEがPLAと相溶性であることも明らかである。
対照的に、PVCの公知の可塑剤はフィルムに対し可塑化作用を示さず、さらにはポリマーから滲出することもある。
前述のプロトコルに従い、IDEと一緒に用いた様々なポリマーのブレンドも調製した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006008860
PLAについてみとめられる可塑化作用は、PCL及びPBSについてもみとめられることがわかるだろう。
PET、PBT(本発明で用いられる脂肪族及び半脂肪族ポリエステル以外のもの)又はPSを基材とする組成物は、表に示していない。ポリマーの可塑化はみとめられず、材料の分解が観察されたが、この分解は、過度に高いPT(220℃超)による可塑剤の熱分解に関連している。
半脂肪族ポリエステルであるPBATについても可塑化作用がみとめられる。しかし、若干の浸出が観察されており、これは、これらの芳香族ポリエステルが、IDEとの相溶性にやや劣ることを示している。
PLAとIDEのブレンドを、前述と同じプロトコルに従い、5重量%〜12.5重量%の範囲の量のIDEを用いて調製する。ブレンドのPLAのガラス転移をDSC(Mettler Toledo)により、以下のプロトコルを用いて測定する:
・10℃/分で−120から220℃への第1加熱;
・10℃/分で220から−120℃への冷却;
・10℃/分で−120から220℃への第2加熱。
表3に示すガラス転移温度は、第2加熱中に観測した温度である。
Figure 0006008860
5%の生成物のガラス転移温度の低下によって示されるように、低レベルのIDEから可塑化がみとめられる。可塑化は、IDEの含量を増加することによって高くなる。
実施例2−PLAの可塑化:機械的性質の決定
用いる製品
−用いるポリマー
−PLA2:ポリ(乳酸)、グレード3051D(NatureWorks)、Mw=95,000g/モル
可塑剤:
−IDE(本発明で用いる可塑剤):イソソルビドジ(C)エステル;
−PEG400:分子量400g/モルのポリエチレングリコール(Sigma−Aldrich);
−トリアセチン(Sigma−Aldrich)。
組成物の調製
これら組成物の調製には、TSA EMP26−40同方向回転二軸スクリュー押出機(TSA Industriale Srl)を使用し、直径3cmのダイを用いて押出を実施する。
表4に示す重量比率で、様々な可塑剤をPLAとブレンドする。
調製条件は、以下の通りである:
−温度プロフィール:170℃(8つの加熱ゾーン)
−ダイヘッド温度:170℃
−計量ポンプにより可塑剤を入口ゾーンに導入後、サイドフィーダーによりポリマーをゾーン3に導入
−スクリュー回転速度:200回転/分
−流量:5kg/時。
PLAと一緒にIDEを用いると、PLAの押出中の騒音を低減することが可能になることがわかった。
冷却したロッドを回収して、顆粒に切断した後、以下の条件下で、引張及び曲げ試験片の形態に、Carver射出成型機で生成物を射出成型する:
−バレルの温度:160/160/160
−スクリューの回転速度=280回転/分
−サイクル時間:1〜2分
−型の温度:5〜20℃
−保持圧力=100kpsi/cm
続いて、上記の試験片を、引張についてはEN ISO 527−1:1996規格(破断点伸び及び引張試験)に従い、また曲げの場合は、NF EN ISO 178:2003−05規格(戻り剛性率)に従って特性決定した。
実施例1と同じプロトコルに従いガラス転移を測定するために、顆粒もDSCで特性決定した。
可塑化によって改変されたすべての特性、すなわち戻り剛性率及び引張強度の低下、破断点伸びの増加並びにガラス転移温度の低下を、試験したそれぞれの組成物について以下の表4に示す。
Figure 0006008860
IDEベースのPLA組成物については、以下に挙げる理由から、PLAに対するIDEの有意な可塑化の特性をみとめることができる:
−曲げ弾性率が、純粋なPLAに対して、12.5〜14%のIDEで半分に減少している;
−延伸能力、すなわち破断点伸びが、20%(すなわち非常に脆いプラスチック)から非常に高いレベル(400〜600%)へと変化している;
−引張強度が約2〜3倍減少している。
機械的性質に対するこれらの改良点は、PLAのガラス転移温度の低下と相関している。
IDEベースの組成物と、PLAの他の認定可塑剤(PEG400又はトリアセチン)ベースの組成物を比較すると、以下のことがわかる:
−トリアセチンの可塑化能力は、生成物の脆性(低い破断点伸び)が保持されていることから、IDEのそれより著しく劣っている;
−PEG400の可塑化能力は、IDEの能力の大きさと同等及びほぼ同程度である。
しかし、IDEとは対照的に、トリアセチン及びPEG400ベースの組成物は、10重量%という含有率でさえ、PLAとの相溶性という観点から満足のゆくものではない。これは、以下のことを観察することができたためである:
−トリアセチンの調製段階から、生成物の押出中の有意な滲出;
−純粋PEG400のガラス転移温度(−77℃でのTg)に相当するDSCシグナル、分離PEG相の兆候、すなわちPLAとのPEGの相溶性の欠如。
実施例3−脂肪族及び半脂肪族/半芳香族ポリエステルブレンドの可塑化:機械的性質の決定
用いる製品
−ポリエステルのブレンド:PBAT(55重量%)とPLA(45重量%)からなるEcovio(登録商標)(BASF);
−IDE(本発明で用いる可塑剤):イソソルビドジ(C)エステル。
実施例2と同じプロトコルに従って組成物を調製する。同様に、実施例2と同じ測定条件を用いて、特性を測定する。
ポリエステルとIDEのブレンドについて得られた特性を表5に示す。
Figure 0006008860
これらの試験は、IDEが実際に、ポリエステルのブレンドに対し可塑化作用を有することを示している:
・14%のIDEの含有で、可塑剤を含まないブレンドに比べ、4倍曲げ弾性率が減少する。
・IDEの添加により、破断点伸びが有意に増加する。
機械的性質に対するこれらの改良点は、PBAT及びPLAのガラス転移温度にみとめられる低下によって確認される。
実施例4−PLAフィルムの騒音の測定
製品
−PLA3:ポリ(乳酸)、グレード2002D(NatureWorks)、Mw=200,000g/モル
−IDE(本発明で用いる可塑剤)
これらの組成物を調製するために、円筒ローターを備える容量120cmのRheomix600(Haake)ニーダーを用いる。初期温度50℃、ローターの回転速度80回転/分で、ポリマーと可塑剤を導入する。ブレンドは、80重量%のPLAと15重量%又は20重量%の可塑剤を含む。温度を5分かけて170℃の温度まで徐々に上昇させた後、この温度で、ブレンドを15分間均質化する。
可塑化ポリマーを回収した後、加熱プレス(Carver)を用いて、厚さ約180ミクロンのフィルムの形態に成形する(170℃にて20トンの圧力下で3分間)。
試験実施の条件:
上で得られたフィルムを一様に手でくしゃくしゃに揉み、B&K商標(2232型)の騒音計を用いて、揉んだときに発生する騒音を測定する。その際、測定プローブと揉むフィルムとの間の距離は10cm、すなわちフィルムに極めて接近した距離である。
得られた結果は次の通りである。
Figure 0006008860
IDEの使用により、フィルムを揉んだときに発生する騒音が大幅に減少することがみとめられる。これは、3dBの低下が、騒音の半分の減少に相当するためである。従って、15%のIDEを使用すると、フィルムから発生する騒音を2分の1にすることができる。さらに、可塑剤の含量を15%から20%に増加することによって、揉んだときに発生する音の強度は、純粋PLAのフィルムから発生する騒音に比べ8倍減少する(9dBの減少)。

Claims (16)

  1. −ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)およびポリ(アジピン酸ブチレン−コ−テレフタレート)(PBAT)からなる群から選択される少なくとも1つのポリエステルと;
    −イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドのモノアルキルエステル及びジアルキルエステルから選択される少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルと
    を含
    前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの量が、前記ポリエステルの総重量に対して、1〜30重量%の範囲内であることを特徴とする、組成物(ただし、PLAとイソソルビドジエステルとの組み合わせ、並びにPLA、PCLおよびイソソルビドジエステルとの組み合わせは除く)。
  2. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルのアルキル基が、C3−15アルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールエステルのアルキル基が、直鎖状又は分枝鎖状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの量が、前記ポリエステルの総重量に対して、10〜25重量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルが、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールジアルキルエステルであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルが、イソソルビドアルキルエステルであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記ポリエステルが、少なくとも80モル%の飽和脂肪族単位を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ポリエステルが、100%の飽和脂肪族単位から構成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記脂肪族ポリエステルが、ポリ(C2−7ヒドロキシアルカン酸)であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  10. 前記脂肪族ポリエステルが、90〜99.9モル%のD−乳酸単位と0.1〜10%のL−乳酸単位を含む半結晶質ポリ(乳酸)であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  11. 押出機を用いて、前記ポリエステルと前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルを押出によりブレンドするステップを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  12. ブレンディング中に用いる押出機のダイヘッドの温度が、80〜200℃の範囲内であることを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を含む、押出、成形、射出成型、紡糸又は吹込成形品。
  14. 糸、顆粒、シート又は3次元の物品であることを特徴とする、請求項13に記載の物品。
  15. 包装材、容器、織布及び不織布、乳児用おむつ、女性用衛生用品、若しくは接着剤又は医療分野で使用する製品の製造における、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  16. ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)およびポリ(アジピン酸ブチレン−コ−テレフタレート)(PBAT)からなる群から選択される少なくとも1つのポリエステルの可塑化における、イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドモノアルキルエステルから選択される1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールアルキルエステルの使用(ただし、PLAとイソソルビドジエステルとの組み合わせ、並びにPLA、PCLおよびイソソルビドジエステルとの組み合わせは除く)。
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