JP6007932B2 - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

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Description

本発明はシリンダヘッドガスケットに関し、詳しくはガスケット基板および中間板の燃焼室孔の開口縁を覆うように形成した断面略U字形のグロメットを備えたシリンダヘッドガスケットに関する。
従来、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されるシリンダヘッドガスケットが知られており、このようなシリンダヘッドガスケットではシール性の向上等を目的としてさまざまな構成を有したものが知られている。
たとえば、燃焼室孔の形成された第1、第2ガスケット基板と、当該第1、第2ガスケット基板の間に設けられるとともに燃焼室孔の形成された中間板と、上記第1、第2ガスケット基板および中間板の燃焼室孔の開口縁を覆い、かつその縁部が上記燃焼室孔に対して外周側に位置する断面略U字形のグロメットとを備えたシリンダヘッドガスケットが知られている(特許文献1)。
特開平10−196453号公報
しかしながら、上記グロメットを有するシリンダヘッドガスケットの場合、上記グロメットの縁部を超えて流入した燃焼ガスが、上記グロメットによって形成された空間の内部に流入して、上記ガスケット基板と中間板との間から漏出してしまう恐れがあった。
このような問題に鑑み、本発明はグロメットの縁部を超えて流入した燃焼ガスをシールすることが可能なシリンダヘッドガスケットを提供するものである。
すなわち請求項1の発明にかかるシリンダヘッドガスケットは、燃焼室孔の形成された第1、第2ガスケット基板と、当該第1、第2ガスケット基板に設けられて燃焼室孔を囲繞するフルビードと、上記第1、第2ガスケット基板の間に設けられるとともに燃焼室孔の形成された中間板と、上記第1、第2ガスケット基板および中間板の燃焼室孔の開口縁を覆い、かつその縁部が上記燃焼室孔に対して外周側に位置する断面略U字形のグロメットとを備えたシリンダヘッドガスケットにおいて、
上記第1、第2ガスケット基板における上記中間板側となる裏面側に、それぞれ中間板との隙間をシールする第1コーティングを設け、
当該第1コーティングにおける内周縁を上記グロメットの縁部よりも内周側で、かつ上記フルビードの頂部よりも外周側に設けたことを特徴としている。
上記発明によれば、燃焼室で発生した燃焼ガスがグロメットの縁部を超えて、当該グロメットによって形成された空間に流入した場合、第1、第2ガスケット基板の裏面側に設けた上記第1コーティングが上記中間板と密着することにより、上記燃焼ガスの流入を阻止することができる。
具体的には、上記第1コーティングの内周縁を上記グロメットの縁部よりも内周側で、かつ上記フルビードの頂部よりも外周側に位置させたことで、上記グロメットが圧縮により変形した場合に、その縁部が上記コーティングの内周縁近傍に面圧を発生させ、これにより当該位置でのシールをすることができる。
第1実施例にかかるシリンダヘッドガスケットの断面図。 上記シリンダヘッドガスケットの使用状態を示す断面図。 第2実施例にかかるシリンダヘッドガスケットの断面図。 第3実施例にかかるシリンダヘッドガスケットの断面図。
以下図示実施例について説明すると、図1は第1実施例にかかるシリンダヘッドガスケット1の断面図を示し、当該シリンダヘッドガスケット1は上方に位置するシリンダヘッドおよび下方に位置するシリンダブロック(図2参照)に挟持されるものとなっている。なお図1に示すシリンダヘッドガスケット1は、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間で挟持されていない状態を示し、上下からの圧力を受けていない状態を示している。
上記シリンダヘッドガスケット1は、シリンダヘッド側に位置する第1ガスケット基板2と、シリンダブロック側に位置する第2ガスケット基板3と、これら第1、第2ガスケット基板2、3の間に設けられた中間板4と、上記第1ガスケット基板2とシリンダヘッドとの間に設けられて断面略U字形のグロメット5aが形成されたグロメット基板5とを備えている。
またシリンダヘッドガスケット1は、シリンダブロックに形成されたシリンダボアの位置に合わせて後述する燃焼室孔が形成され、また図示しないが締結ボルトを挿通させるボルト孔や、潤滑油を流通させる油孔や、冷却水を流通させる水孔が形成されている。
上記第1ガスケット基板2および第2ガスケット基板3は略同一の形状を有しており、以下の説明において、第1ガスケット基板2における中間板4とは反対側の面を表面側(図示上面)とするとともに中間板4側を裏面側(図示下面)とし、また第2ガスケット基板3における中間板4とは反対側の面を表面側(図示下面)とするとともに中間板4側を裏面側(図示上面)とする。
上記第1、第2ガスケット基板2、3には、シリンダボアに合わせて燃焼室孔2a、3aが穿設され、これら燃焼室孔2a、3aは同一の直径を有するとともにシリンダボアの内径よりも若干大径に形成されている。
また、上記第1ガスケット基板2には、上記燃焼室孔2aを囲繞するフルビード2bと、その外周に位置する第1ハーフビード2cと、そのさらに外周に位置する第2ハーフビード2dとが形成されており、これらは表面側となるシリンダヘッドに向けて突出している。
一方第2ガスケット基板3には、上記燃焼室孔3aを囲繞するフルビード3bと、その外周に位置するビード部としての第1ハーフビード3cと、そのさらに外周に位置する第2ハーフビード3dとが形成され、これらは表面側となるシリンダブロック側にそれぞれ突出している。
また上記第1ガスケット基板2のフルビード2bと第2ガスケット基板3のフルビード3bとは重合する位置に形成されており、これと同様、第1ガスケット基板2の第1ハーフビード2cと第2ガスケット基板3の第1ハーフビード3cと、第1ガスケット基板2の第2ハーフビード2dと第2ガスケット基板3の第2ハーフビード3dとは、それぞれ重合する位置に形成されている。
さらに上記第2ガスケット基板3において、上記第1、第2ハーフビード3c、3dの高さは、上記フルビード3aよりも高く形成されており、シリンダヘッドガスケット1がシリンダヘッドとシリンダブロックとによって挟持されていない状態において、後述するグロメット基板5のグロメット5aよりもシリンダブロック側に突出するようになっている。
上記中間板4は平板状に形成されており、シリンダボアに合わせて燃焼室孔4aが穿設され、図示しないが上記第1、第2ガスケット基板2、3と同様、上記油孔や水孔が穿設されている。
そして本実施例における中間板4の燃焼室孔4aは、上記第1、第2ガスケット基板2、3の燃焼室孔2a、3aよりも大径となっており、かつ上記フルビード2b、3bよりも内側に形成されている。
これにより、上記第1、第2ガスケット基板2、3の燃焼室孔2a、3aは、上記中間板4の燃焼室孔4aよりも内側に突出するようになっている。
上記中間板4と上記シリンダヘッド側の第1ガスケット基板2との間にはリング状のシム6が設けられており、当該シム6は上記第1、第2ガスケット基板2、3のフルビード2b、3bと重合する位置に設けられている。
具体的には、上記シム6は上記第1、第2ガスケット基板2、3のフルビード2b、3bの基部が当接する程度の幅を有しており、本実施例ではシム6の内周縁は上記中間板4の燃焼室孔4aと同径に、外周縁がグロメット5の縁部5cと同径にそれぞれ設定されている。
さらに、第2ガスケット基板3と中間板4との間には、図示しないボルト孔や水孔や油孔が穿設された平板状の調整板7が設けられており、当該調整板7におけるシリンダボア側の内周縁は、上記第2ガスケット基板3の第1ハーフビード3cの基部よりも外側に位置している。
なお、上記シム6および調整板7については、必要に応じて省略することも可能である。
上記グロメット基板5は、上記シリンダヘッドと第1ガスケット基板2との間に位置するとともに、フルビードやハーフビードの形成されていない略平板状の部材となっており、一方では図示しないボルト孔や油孔や水孔が穿設されている。
そしてグロメット基板5におけるシリンダボア側の端部は、シリンダブロック側に向けて略U字形に折り曲げられて、上記第1、第2ガスケット基板2、3および中間板4の燃焼室孔2a、3a、4aの開口縁を覆うグロメット5aが形成されている。
上記グロメット5aの頂部は、シリンダボアの内周面に露出して燃焼室孔5bを形成し、またグロメット5aの縁部5cはシリンダブロック側に位置するとともに、上記第2ガスケット基板3のフルビード3bよりも外周側に位置し、かつ第1ハーフビード3cの内周側に位置している。
換言すると、上記第2ガスケット基板3の上記第1ハーフビード3cと、また第1ガスケット基板2の上記第1ハーフビード2cとは、その基部が上記グロメット5aの縁部5cよりも外周側に位置しており、グロメット5aが変形した際にはその圧力が作用しないようになっている。
そして、本実施例におけるシリンダヘッドガスケット1を構成する第1、第2ガスケット基板2、3、上記調整板7、上記グロメット基板5には、それぞれ所要の位置に第1〜第4コーティングC1〜C4が形成されている。
これら第1〜第3コーティングC1〜C4は、いずれも同じ材料によって形成されており、具体的にはフッ素ゴムによって構成されている。なお当該コーティングの材料については上述した材料に限定されないことは言うまでもない。
上記第1コーティングC1は、上記第1、第2ガスケット基板2、3における上記中間板4側となる裏面側に形成され、上記中間板4に密着して当該中間板4との隙間をシールするようになっている。
これら第1コーティングC1の内周縁は、上記グロメット基板5における上記グロメット5aの縁部5cよりも内周側で、かつ上記フルビード2b、3bよりも外周側に位置し、これにより当該第1コーティングC1の一部は上記シム6と重合するようになっている。
次に、上記第2コーティングC2は、上記第1、第2ガスケット基板2、3の上記中間板4とは反対側の表面側に形成されており、第1ガスケット基板2の第2コーティングC2は上記グロメット基板5の裏面側に密着して当該グロメット基板5との隙間をシールし、第2ガスケット基板3の第2コーティングC2は上記シリンダブロックに密着して当該シリンダブロックとの隙間をシールするようになっている。
そしてこれら第2コーティングC2の内周縁は、上記グロメット基板5におけるグロメット5aの縁部5cよりも外周側で、かつ上記第1ハーフビード2c、3cの頂部よりも内周側に位置している。
上記構成を換言すると、上記第1、第2ガスケット基板2、3の表面側および裏面側には、上記グロメット基板5のグロメット5aと重合する上記フルビード2b、3bの頂部にコーティングを設けない構成となっている。
ここで、上記第1、第2ガスケット基板2、3の所要の部分にコーティングを形成しないようにする方法としては、一旦塗布したコーティングを剥がすか、またはマスキング等により当該位置に上記コーティングを形成しないようにすることができる。
上記第3コーティングC3は、上記グロメット基板5における上記第1、第2ガスケット基板2、3の外側となる表面側、すなわちシリンダヘッドに接触する部分と、上記燃焼室孔5bとしてシリンダボアに露出する部分と、上記グロメット5aにおける上記シリンダブロックに接触する部分とにかけて形成されている。
一方、グロメット基板5における裏面側、すなわちグロメット5aによって上記第1、第2ガスケット基板2、3や中間板4を収容する側にはコーティングを形成しないようになっている。
そして上記第4コーティングC4は、上記調整板7における中間板4と接触する表面側に形成されている。
上記構成を有するシリンダヘッドガスケット1によれば以下の効果を得ることができる。ここで図2は本実施例のシリンダヘッドガスケット1を装着したエンジンを耐久評価試験にかけた使用状態の断面図を示している。この図2におけるシリンダヘッドガスケット1も、シリンダヘッドとシリンダブロックとからの圧縮力が作用していない状態を示している。
上記シリンダヘッドガスケット1をシリンダヘッドとシリンダブロックとによって挟持すると、上記第1、第2ガスケット基板2、3および中間板4の燃焼室孔2a、3a、4aの開口縁が上記グロメット基板5のグロメット5aによって覆われているため、燃焼ガスはシリンダヘッドとグロメット基板5との間、並びにシリンダブロックとグロメット基板5との間より流入しようとする。
一方、燃焼室孔を囲繞する位置には、上記第1、第2ガスケット基板2、3のフルビード2b、3bと上記グロメット基板5と上記中間板4とシム6とが積層しており、十分な面圧により上記燃焼ガスの流入を阻止するようになっている。
しかしながら、図2に示すようにエンジンを使用すると、上記グロメット基板5の表面側に設けた第3コーティングC3のうち、燃焼室孔5b周辺の部分には燃焼ガスの熱や繰り返し荷重等によってへたりや損傷が発生する。
具体的には、燃焼室孔5b周辺における上記面圧の高い部分、すなわち第1、第2ガスケット基板2、3のフルビードやシムと重合している部分の第3コーティングC3にへたりや損傷が発生する。
このようにして、第3コーティングC3における上記部分が損傷すると、燃焼ガスがグロメット基板5とシリンダヘッドとの間、およびグロメット基板5のグロメット5aとシリンダブロックとの間から流入しようとする。
このうち、シリンダヘッドとグロメット基板5との間に進入した燃焼ガスは、上記グロメット5aの縁部5cよりも外側の部分、すなわち面圧が低く第3コーティングC3が損傷していない部分によって流入を阻止することができる。
一方、シリンダブロックとグロメット基板5との間より流入した燃焼ガスは、グロメット基板5の上記グロメット5aを超えて流入しようとするが、上記第2ガスケット基板3に形成した第1ハーフビード3cがシリンダブロックに当接し、かつ当該第1ハーフビード3cの頂部に形成された第2コーティングC2によってシールされていることから、この燃焼ガスも流入を阻止することができる。
このとき、上記第1ハーフビード3cの高さを、上記グロメット基板5のグロメット5aの高さよりも高く設定しているため、上記第1ハーフビード3cによる良好なシール性を得ることができる。
しかしながら、一部の燃焼ガスは上記グロメット5aと第2ガスケット基板3との間から、上記グロメット5aによって形成された空間Sの内部に流入してしまう。
上記空間Sに流入した燃焼ガスのうち、グロメット基板5と第1ガスケット基板2との間に流入した燃焼ガスは、当該第1ガスケット基板2に形成した第1ハーフビード2cがグロメット基板5に当接し、かつ当該ハーフビード2cの頂部に形成された上記第2コーティングC2がグロメット基板5に密着するため、流入を阻止することができる。
これと同様、第1、第2ガスケット基板2、3と中間板4との間に流入した燃焼ガスも、第1、第2ガスケット基板2、3の裏面側に設けた第1コーティングC1によって流入を阻止することができる。
具体的に説明すると、上記第1、第2ガスケット基板2、3の裏面側に設けた第1コーティングC1の内周縁を上記グロメット5aの縁部5cよりも内周側に設けたことにより、シリンダヘッドガスケット1がシリンダヘッドとシリンダブロックとによって挟持された際に、上記グロメット5aが変形して上記縁部5cが上記第1コーティングC1の内周縁近傍に重合する位置を押圧することとなる。
その結果、上記第1ガスケット基板2の裏面側の第1コーティングC1が上記シム6の外周縁に密着し、また上記第2ガスケット基板2の裏面側の第1コーティングC1が中間板4に密着するため、燃焼ガスの流入を阻止することができる。
このように、本実施例のシリンダヘッドガスケット1によれば、グロメット基板5のグロメット5aの縁部5cを超えて流入した燃焼ガスをシールするとともに、上記グロメット基板5のグロメット5aによって形成された空間Sに流入した燃焼ガスもシールすることが可能となっている。
一方、エンジンが作動すると、シリンダボアでの爆発によってシリンダヘッドとシリンダブロックとの間隔が拡縮し、これによりシリンダヘッドガスケット1には繰り返し荷重が作用する。
本実施例のシリンダヘッドガスケット1は、上記第1、第2ガスケット基板2、3に上記フルビード2b、3bを設け、かつこれらフルビード2b、3bの表面側および裏面側の双方にコーティングを設けていないことから、シリンダヘッドガスケット1の上下方向の厚みが薄くなっている。
このため、シリンダヘッドとシリンダブロックとによる繰り返し荷重が作用しても、当該繰り返し荷重による隙間の振幅を小さくすることができ、上記グロメット基板5における上記グロメット5aが疲労によって損傷してしまうのを防止することができる。
これに対し、第1、第2ガスケット基板2、3における上記フルビード2b、3bの表面側および裏面側の双方にコーティングを設けてしまうと、当該コーティングの分だけシリンダヘッドガスケット1の上下方向の厚みが増すこととなる。
また上記コーティングは軟質であるため、上記繰り返し荷重によってコーティングが変形することから、繰り返し荷重の際の振幅が大きくなってしまい、上記グロメット基板5における上記グロメット5aのうち、特に図2の○で示す部分が疲労により損傷する問題があった。
更に、第1、第2ガスケット基板2、3における上記フルビード2b、3bの表面側および裏面側の双方にコーティングを設けないことで、フルビード2b、3bの表面側とグロメット基板5の内周側が金属接触し、またフルビード2b、3bの裏面側と中間板4とが金属接触するようになっている。
金属接触することにより、シリンダヘッドとシリンダブロックとが冷熱等によって横方向に変形しても、これらが相互に積層すべりをしてしまうことが抑えられ、上記グロメット基板5の上記折り返し部5aが、シリンダブロックの横方向の変形に追従しないようにすることができる。その結果、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの横方向への変形による、上記折り返し部5aの疲労による損傷を防止することができる。
このように、本実施例のシリンダヘッドガスケット1によれば、上記グロメット基板5のグロメット5aと重合する、第1、第2ガスケット基板2、3のフルビード2b、3bの頂部にコーティングを設けないことで、上記グロメット基板5のグロメット5aの損傷を可及的に防止することができる。
さらに、本実施例のシリンダヘッドガスケット1では、上記中間板4の燃焼室孔4aの開口縁が第1、第2ガスケット基板2、3の燃焼室孔2a、3aの開口縁よりも外周側に退避している。
このため、上記グロメット5aが圧縮変形しても、第1、第2ガスケット基板2、3における中間板4の燃焼室孔4aよりも内周側に突出した部分が中間板4側に向けて変形して、上記第1、第2ガスケット基板2、3とグロメット5aとの接触部分の応力集中を低減させることができ、グロメット5aの耐久性を向上させることができる。
図3は第2実施例にかかるシリンダヘッドガスケット1の断面図を示している。以下に説明する部分を除き、第2実施例のシリンダヘッドガスケット1は第1実施例のシリンダヘッドガスケット1と共通する構成を有しており、当該共通する構成については説明を省略する。
本実施例における上記中間板4には、上記シム6と重合する位置に板厚を薄くして形成した逃がし部4bが設けられている。
上記逃がし部4bは、上記燃焼室孔4aに沿ってその深さを変化させることが可能であり、例えば燃焼室孔4aにおける上記ボルト孔近傍の部分を深く、隣接する燃焼室孔4aと燃焼室孔4aとが接近した部分を浅くすることができる。
上記ボルト孔近傍は、シリンダヘッドとシリンダブロックとをボルトによって締結することにより大きな面圧が作用し、一方燃焼室孔4aと燃焼室孔4aとが接近した部分の面圧は低くなる傾向があるため、上記逃がし部4bの深さを変化させることで、燃焼室孔の全周にわたって面圧を一定にすることができる。
図4は第3実施例にかかるシリンダヘッドガスケット1の断面図を示している。以下に説明する部分を除き、第3実施例のシリンダヘッドガスケット1は第1実施例のシリンダヘッドガスケット1と共通する構成を有しており、当該共通する構成については説明を省略する。
本実施例のシリンダヘッドガスケット1には、第1、第2実施例におけるグロメット基板5は設けられておらず、これに代えて第1、第2ガスケット基板2、3および中間板4の燃焼室孔2a,3a,4aの開口縁を覆うグロメット5aを設けたものとなっている。
上記グロメット5aのシリンダヘッド側およびシリンダブロック側の縁部5cは重合した位置に形成されており、当該縁部5cの位置は上記第1実施例におけるグロメット基板5のグロメット5aの縁部5cと同じ位置となっている。
すなわち本実施例の第1ガスケット基板2における第1ハーフビード2cは、シリンダヘッドに第2コーティングC2を介して密着するビード部を構成しており、本実施例において第1、第2ハーフビード2c、2dは上記グロメット5aよりも高く形成されている。
このような構成を有するシリンダヘッドガスケット1においても、シリンダヘッドとグロメット5aとの間、およびシリンダブロックとグロメット5aとの間から流入した燃焼ガスは、それぞれグロメット5aの縁部5cを超えて流入しようとする。
このうち、シリンダヘッド側からグロメット5aの縁部5cを超えて流入した燃焼ガスは、上記シリンダヘッドと第1ガスケット基板2の第1ハーフビード2cとが第2コーティングC2を介して密着していることから、その流入を阻止することができる。
これと同様、シリンダブロック側からグロメット5aの縁部5cを超えて流入した燃焼ガスも、上記シリンダブロックと第2ガスケット基板3の第1ハーフビード3cとが第2コーティングC2を介して密着していることから、その流入を阻止することができる。
一方、グロメット5aの縁部5cを超えて当該グロメット5aによって形成された空間Sの内部に流入した燃焼ガスは、第1、第2実施例と同様、上記グロメット5aが変形して上記縁部5cが上記コーティングCの内周縁近傍に重合する位置を押圧する。
その結果、上記第1ガスケット基板2の裏面側の第1コーティングC1が上記シム6の外周縁に密着し、また上記第2ガスケット基板2の裏面側の第1コーティングC1が中間板4に密着するため、燃焼ガスの流入を阻止することができる。
さらに、本実施例のシリンダヘッドガスケット1においても、上記第1、第2ガスケット基板2、3の表面側および裏面側には、上記フルビード2b、3bの頂部にコーティングを設けていないことから、繰り返し荷重による隙間の振幅を小さくすることができ、上記グロメット5aが疲労によって損傷してしまうのを防止することができる。
なお、上記第1、第2実施例を示す図1、図3において、シリンダヘッドガスケット1をその上下方向を逆転させた状態で用いても良い。すなわち、グロメット基板5のグロメット5aをシリンダヘッド側に折り返すようにしても良い。
また、上記実施例において第1、第2ガスケット基板2,3の表面側の第2コーティングC2の内周縁は、グロメット基板5のグロメット5aの縁部5cよりも外周側に位置しているが、フルビード2b、3bの頂部よりも外周側に位置していれば、当該縁部5cよりも内周側に位置していてもよい。
ただし、上記グロメット5aの変形によるコーティングC2のへたりや、第1、第2ガスケット基板2,3の裏面側に形成したコーティングC1における面圧の確保を考慮すると、上記実施例のようにコーティングC2の内周縁を上記縁部5cよりも外周側に設けることが望ましい。
1 シリンダヘッドガスケット 2、3 第1、第2ガスケット基板
2a、3a 燃焼室孔 2b、3b フルビード
3c 第1ハーフビード 4 中間板
4a 燃焼室孔 5 グロメット基板
5a グロメット 5c 縁部
C コーティング

Claims (6)

  1. 燃焼室孔の形成された第1、第2ガスケット基板と、当該第1、第2ガスケット基板に設けられて燃焼室孔を囲繞するフルビードと、上記第1、第2ガスケット基板の間に設けられるとともに燃焼室孔の形成された中間板と、上記第1、第2ガスケット基板および中間板の燃焼室孔の開口縁を覆い、かつその縁部が上記燃焼室孔に対して外周側に位置する断面略U字形のグロメットとを備えたシリンダヘッドガスケットにおいて、
    上記第1、第2ガスケット基板における上記中間板側となる裏面側に、それぞれ中間板との隙間をシールする第1コーティングを設け、
    当該第1コーティングにおける内周縁を上記グロメットの縁部よりも内周側で、かつ上記フルビードの頂部よりも外周側に設けたことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
  2. 上記第1、第2ガスケット基板のそれぞれに、上記中間板と反対側に突出するとともに上記グロメットの縁部よりも外周側に位置するビード部を設け、
    上記第1、第2ガスケット基板における中間板とは反対側の表面側に第2コーティングを形成し、当該第2コーティングの内周縁を上記ビード部の頂部よりも内周側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
  3. 上記第1ガスケット基板とシリンダヘッドもしくはシリンダブロックのいずれか一方との間にグロメット基板を設けて、当該グロメット基板に上記グロメットを形成し、当該グロメットの縁部を上記第2ガスケット基板とシリンダヘッドもしくはシリンダブロックのいずれか他方との間に位置させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダヘッドガスケット。
  4. 上記グロメット基板における上記第1、第2ガスケット基板に対して外側となる表面側に第3コーティングを形成したことを特徴とする請求項3に記載のシリンダヘッドガスケット。
  5. 上記第1ガスケット基板および第2ガスケット基板の少なくともいずれか一方と上記中間板との間に、上記フルビードと重合するシムを設け、
    上記シムの外周縁を上記グロメットの縁部と同径にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
  6. 上記中間板における上記シムが重合した部分に、板厚を薄くした逃がし部を形成したことを特徴とする請求項5に記載のシリンダヘッドガスケット。
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