JP6007828B2 - (メタ)アクリル酸類の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、酸素含有ガスをプロセス流に供給して重合を防止することにより、高純度の(メタ)アクリル酸又はそのエステルを効率よく製造する方法に関する。(メタ)アクリル酸類は易重合性化合物であり、その取り扱い過程では、様々な重合防止策が施されている。該対策の1つに重合防止剤の添加があり、重合防止剤として用いられるものの中に、分子状酸酸素がある。本発明はこの分子状酸素の供給方法に関するものである。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の総称であり、そのいずれか一方でもよく双方でもよい。また、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルを「(メタ)アクリル酸類」と総称することがある。
(メタ)アクリル酸類の重合防止剤として広く用いられているものとして、ハイドロキノンやメトキノンなどのフェノール化合物、2,2−ジブチルジチオカルバミン酸等に代表されるジアルキルジチオカルバミン酸の銅ないしマンガン錯体、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジルオキシド等のニトロキシル化合物、フェノチアジン、及び、分子状酸素が挙げられる。
重合防止剤の多くが不揮発性ないし高沸点化合物であり、アクリル酸類が揮発しても同伴しない。故に、一旦揮発したアクリル酸類が凝縮すると、重合防止剤を含まない重合し易いアクリル酸類となる為、該凝縮液に対して速やかな重合防止剤の添加が行われると共に、揮発したアクリル酸類に分子状酸素を同伴させる事が多い。分子状酸素の供給形態は通常、空気ないし窒素等で希釈された空気であり、その価格の安さ、調達及び供給の容易さも含め、多用されている。
アクリル酸類の製造や精製は、その重合を防ぐ為、通常低い操作温度で行われる。特に、蒸留操作などアクリル酸類の揮発を伴う操作は、低温化の為に減圧下で行われる。
減圧状態を作り出す為の真空装置としては、該装置内の重合閉塞を避ける目的から、液封式の真空ポンプや蒸気エジェクタが用いられる事が多い。
真空装置に多大な負荷がかかるのは、一般的には運転開始時、蒸留塔など装置内の排気を行う時であり、運転継続時には、フランジ等の接続部から装置内に漏れ込んでくる微量の空気や、圧力計などの計装類がプロセス流体に触れないよう、該当装置に少量供給されるパージ窒素など、少量の気体を吸引するのみである。
これに対し、アクリル酸類の蒸留では、重合防止を目的として減圧装置内に積極的に希釈空気などのガスが供給される為、一般的な減圧蒸留に比べ、真空装置の能力は何倍も必要となる。また、供給するガス量が増えると、該ガスに同伴するアクリル酸類も増大する為、その損失ないしは該同伴アクリル酸類の回収負荷も増大する。
供給される分子状酸素の量を維持しつつ、真空装置への負荷を低減する方法として、供給ガス中の酸素濃度を高める方法が考えられるが、高濃度の酸素は、安価な空気に比べて、大幅に経済性を悪化させるとか、真空装置へ吸引されるガスの組成が爆発範囲内となり安全性に欠ける等々の問題がある。
プロセス液に分子状酸素含有ガスを吹き込む際、吹き込みノズルの先端を分岐させ、更に多数の小口径孔を設ける、又は焼結金属を分岐先に設ける事で、供給される気泡を微細化し、効率よく酸素を溶解させる方法が示されている(特許文献1)。また、蒸留塔に供給される液に対して、まず分子状酸素含有ガスを供給及び混合し、次いで該液中の余剰ガスを分離した後、該液を蒸留塔に供給する方法が示されている(特許文献2)。
特開2005−179352号公報 特開2003−277318号公報
しかし、特許文献1の方法は、酸素の溶解を高めようと分岐を増やし、孔径を小さくするほど、該孔が重合物により閉塞し易くなるという問題点を含んでいる。また特許文献2の方法は、供給液中の溶存酸素濃度を高めつつ、余剰ガスを蒸留塔に持ち込まないことから、真空装置への負荷を低く抑えられる点で優れているが、所要機器が大掛かりである事から、適用できる箇所が実質的に限定的となり、また機器の増加に伴う経済性の面でも充分とは言い難い。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、より効果的に重合防止用の分子状酸素をアクリル酸類の製造プロセス液流に供給し、高純度のアクリル酸類を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プロセス液から一部分岐された流れを取り出し、該流れ(プロセス液)と酸素含有ガスを、特定の容量比で、スタティックミキサー内で混合し、プロセス液に供給することにより、ノズル等のガス供給部の閉塞を防止できること、また従来と同程度以上の重合防止効果が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
即ち、本発明の要旨は、次の[1]〜[8]のとおりである。
[1](メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液流を蒸留塔へ導入して蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルを製造する方法において、プロセス液流を分岐により、該プロセス液流の1〜20容量%を抜き出し液とし、該抜き出し液と酸素含有ガスを、容量比5:1〜1:5で、スタティックミキサー内で混合して気液混相流とし、該気液混相流を蒸留塔に供給することを特徴とする(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
[2]供給先のプロセス液の組成が、気液混相流の液の組成と比較して80質量%以上同じであることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]プロセス液流の送液を行う送液ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出すことを特徴とする[1]又は[2]に記載の方法。
[4]蒸留塔が、フィードポンプ、還流ポンプ、還流槽、塔底抜き出しポンプ又は塔底循環ラインの少なくとも一つを備えることを特徴とする[1]〜[3]の何れかに記載の方法。
[5]還流ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を蒸留塔の還流槽へ供給することを特徴とする[4]に記載の方法。
[6]フィードポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、蒸留塔の還流槽、塔底循環ライン、塔底部液中の何れかに供給することを特徴とする[4]に記載の方法。
[7]塔底抜き出しポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、塔底循環ライン又は塔底部液中に供給することを特徴とする[4]に記載の方法。
[8]蒸留塔が、塔底抜き出しポンプ及び塔底循環ラインを備える反応蒸留塔であり、該反応蒸留塔へプロセス液を導入して反応蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、塔底抜き出しポンプ吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、反応蒸留塔の塔底循環ライン又は塔底部液中に供給することを特徴とする[1]又は[2]に記載の方法。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸類のプロセス流体からの重合物の発生を防ぐことができるので、この重合物による製造ラインの閉塞や精製機器の異常運転が防止され、高純度の(メタ)アクリル酸類を長期間安定して効率的に製造することができる。特に本発明によると、ノズル上の小孔や焼結金属の微細孔などを用いることなく、気液混相流がプロセス液体中に噴出されることにより酸素含有ガスを供給できるので、プロセス液の局所的滞留によって頻発する重合閉塞を確実かつ効率的に回避することができる。
アクリル酸を製造するプロセスフローの1例を示す図である。 アクリル酸を製造するプロセスフローの1例を示す図である。 アクリル酸エステルを製造するプロセスフローの1例を示す図である。 図4aは酸素含有ガスを蒸留塔へ供給する従来のプロセスフローを示す図であり、図4bは本発明の方法を適用するプロセスフローの1例を示す図である。 図5aは酸素含有ガスを反応蒸留塔へ供給する従来のプロセスフローを示す図であり、図5bは本発明の方法を適用するプロセスフローの1例を示す図である。 実験例(実施例、比較例)で用いた装置の模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の(メタ)アクリル酸類の製造方法は、(メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液流を蒸留塔へ導入して蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルを製造する方法において、プロセス液流からプロセス液の一部を抜き出し、該抜き出し液と酸素含有ガスを、容量比5:1〜1:5で、スタティックミキサー内で混合して気液混相流とし、該気液混相流を蒸留塔に供給することに特徴を有するものである。
(1)プロセス液流
本発明においてプロセス液流とは、(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造工程に存在し、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエステル((メタ)アクリル酸類)を含有する液流を含むものである。プロセス液流には、目的物質であるアクリル酸類の他、重合防止剤を含み、工程によっては水や共沸溶媒、酢酸又は酢酸エステルなどの副生成物を含有しうる。
(メタ)アクリル酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエステル、即ち(メタ)アクリルモノマーを、例えば、プロパンをMo−V−Te系複合酸化物触媒或いはMo−V−Sb系複合酸化物触媒等の触媒の存在下、気相接触酸化して得られるアクリル酸;プロピレン又はイソブチレンをMo−Bi系複合酸化物触媒等の触媒の存在下、気相接触酸化し、アクロレイン又はメタクロレインを生成させ、更にMo−V系複合酸化物触媒等の触媒の存在下、気相接触酸化して得られるアクリル酸又はメタクリル酸を挙げることができる。
この際、プロピレン又はイソブチレンを酸化して主としてアクロレイン又はメタクロレインを生成する前段反応と、アクロレイン又はメタクロレインを酸化して主としてアクリル酸又はメタクリル酸を生成する後段反応とをそれぞれ別の反応器で行うものであっても、一つの反応器に前段反応を行う触媒と後段反応を行う触媒を同時に充填して反応を行うものであっても良い。更には、このようにして製造されたアクリル酸又はメタクリル酸を原料としてそのエステルを製造する工程で得られるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが挙げられる。
このアクリル酸エステル類の具体例を例示すると、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル等が挙げられる。メタクリル酸エステル類についても同様の化合物を例示することができる。
本発明においては、後に詳述するとおり、プロセス液流からプロセス液の一部を抜き出し、該抜き出し液と酸素含有ガスを、特定の容量比で、スタティックミキサー内で混合した気液混相流を、蒸留塔に供給する。ここで、蒸留塔へ気液混相流を供給する方法としては、例えば、蒸留塔の槽内に直接供給する、還流槽を介して蒸留塔に供給する、塔底部への供給ラインを介して蒸留塔に供給する、塔底循環ラインを介して蒸留塔に供給する等の方法が挙げられる。
(2)蒸留塔
本発明において、蒸留塔とは、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルが気液平衡に関与する蒸留塔の全てであり、分離、濃縮、回収、精製等の操作を行うための蒸留塔を指す。また、蒸留塔には反応蒸留塔も含まれ、蒸留には反応蒸留も含まれる。
蒸留塔としては、理論段3段以上のものが好ましい。理論段の上限は特に制限されないが、設備費用などを考えて通常は40段以下である。より好ましい理論段は5〜25段である。本発明に用いられる蒸留塔の形式には特に制限はなく、棚段塔、充填塔、或いはこれらの組合せ型(例えば、棚段塔と充填塔との組合せ。)等が挙げられる。溢流堰やダウンカマーの有無は区別されず、いずれも本発明で使用できる。棚段塔の場合は、上記の好ましい理論段を与えるためには、通常10〜80段程度のトレイが用いられる。
具体的なトレイとして、泡鐘トレイ、デュアルフロートレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、スーパーフラッシュトレイ、マックスフラクストレイ等が挙げられる。充填物としては、円柱状、円筒状、サドル型、球状、立方体状、角錐体状等の従来から使用されているものの他、近年、高性能充填物として市販されている特殊形状を有する規則的又は不規則的な充填物も好ましく用いられる。
かかる市販品を例示すると、規則充填物として、例えば、スルーザーパッキング(スルザーケムテック社製)、テクノパック(三冷テクノ社製)等のガーゼ型規則充填物、メラパック(スルザーケムテック社製)、テクノパック(三冷テクノ社製)、エムシーパック(三菱化学エンジニアリング社製)等のシート型規則充填物、フレキシグリッド(コークグリッチ社製)等のグリッド型規則充填物等が挙げられる。その他、金属線を束ねて編まれたグッドロールパッキング(トウトクエンジ社製)、金属線を垂直に多数配したスーパーHパック(ナガオカ社製)等が挙げられる。
また、不規則充填物としては、カスケードミニリング、IMTP、インタロックス(コークグリッチ社製)、テラレット(月島環境エンジニアリング社製)、フレキシリング(日揮社製)等が挙げられる。
(3)蒸留操作
(メタ)アクリル酸類の蒸留操作は、重合防止を目的とした低温化の為に、減圧下で行われる。操作温度は(メタ)アクリル酸類の種類によって異なるが、100℃未満、又は常圧下の該(メタ)アクリル酸類の沸点より40℃以上低い温度が望ましい。
また、本発明の方法においては、(メタ)アクリル酸類の重合防止のために、蒸留塔の塔頂、塔低液中、及び蒸留塔等に導入する(メタ)アクリル酸類を含む溶液(プロセス液)のうちのいずれか1以上に重合防止剤を供給するのが好ましい。
用い得る重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノンやメトキノン等のフェノール化合物、2,2−ジブチルジチオカルバミン酸等に代表されるジアルキルジチオカルバミン酸の銅ないしマンガン錯体、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジルオキシド等のニトロキシル化合物、フェノチアジン等が挙げられる。これらの重合防止剤は、重合防止剤は蒸留塔に直接供給する事もできるが、該重合防止剤が固体の場合には、溶媒に溶解して供給する事が望ましい。
(4)スタティックミキサー
スタティックミキサーとは、駆動部のない静止型混合器(ラインミキサー)を意味する。スタティックミキサーは、機械メーカー等から市販されている、それ自体既知の通常用いられるものである。本発明において、ミキサー内に入ったプロセス液と酸素含有ガスは、エレメントによる分割・転換・反転等の作用より撹拌混合される。
スタティックミキサーのエレメントとしては、ケニックス型(ロビン&マイヤーズ社)、スルザーSMV型(スルザーケムテック社製)やハイミキサー(東レ社製)等、内部に複雑な形状の板や管が連なったものが用いられるが、本発明においては、スルザーCompaX型(スルザーケムテック社製)、ウエストフォール2800プレート型(ウエストフォール・マニュファクチャリング[westfall manufacturing]社製)等の実質的に一枚板からなるオリフィス型の機器を用いる事もできる。また、これら市販品に限らず、配管流路の途中に複数の金網や格子を設ける事でも、二相流の分割・転換・反転等の作用による攪拌は可能である。
配管の途中に挿入されるスタティックミキサーは、保全の点からフランジによる接続が望ましい。改良工事等で既設は配管に対して新たにスタティックミキサーを設置する場合、コンパクトなオリフィス型は好適である。
スタティックミキサーによる圧力損失が高すぎると、気液混相流のプロセス液への供給が難しくなる為、該圧力損失は0.2MPaのものが望ましい。該圧力損失が攪拌の原動力であるから、充分な気液混相流を形成する為(後述)に、少なくとも2kPa以上の圧力損失は必要である。
気体と液体ではその密度差が大きい為、弱い攪拌では直ぐに気相と液相に分離してしまう。そのため、混合には強い攪拌が必要となる。しかし、攪拌翼を供えた攪拌槽を用いると、その費用や駆動機器の保全など経済性や管理上の問題で、適用箇所が限られてしまう。スタティックミキサーであればプロセス流体配管の途中に挿入するだけでよく、運転期間中の管理も不要であるから、より広範囲にかつ経済的に適用できる点で優れている。
(5)酸素含有ガス
酸素含有ガスは、空気又は酸素を希釈するためのガス(希釈ガス)を含んだものである。希釈ガスとしては、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の1種以上を用いることができる。酸素含有ガスは、酸素濃度が、通常5〜21容量%程度のものを用いることができる。酸素含有ガスとしては、好ましくは空気又は空気を窒素で希釈したガスである。
抜き出されたプロセス液(抜き出し液)と酸素含有ガスとの混合比が、混合条件下での容量比で通常5:1〜1:5、好ましくは4:1〜1:4である。
上記のとおり抜き出し液と酸素含有ガスとの混合比は、スタティックミキサーによる混合条件下での容量比である。この容量比で混合することにより、スタスティックミキサー内で抜き出し液と酸素含有ガスとを確実に気液混相流とすることができる。ここで、気液混相流とは、液中に微細気が存在している流体を意味する。微細気泡の直径は、通常1〜800μm程度、好ましくは2〜400μm程度である。
本発明において、プロセス液(抜き出し液)と酸素含有ガスとを混合することは、プロセス液に「効率よく酸素を溶解させる」ことではなく、液中に「微細気泡を存在させる」事で、重合防止(液粘度上昇の抑制)効果を発現させるためである。プロセス液中に微細気泡を存在させることにより、如何なる化学的な機序により粘度上昇が抑制されるのか不明であるが、これにより確実な重合防止効果を奏する。よって、スタティックミキサーでかかる状況を作り出す為には、液体と気体の容量比が混合状態において上記のとおり同程度である必要がある。仮にある好適な状態に対して、ガス中の酸素濃度が半減した場合、ガス流量のみを倍増するのは望ましくない。同一量の酸素を供給する為には、液とガスの容量比を保ったまま、つまり液/ガス共に流量を増加する必要がある。
(6)プロセス液流の抜き出し
プロセス液流に比べて、供給される酸素含有ガスの容量は非常に小さい場合が多い。故に、プロセス液と供給ガス(酸素含有ガス)の容量を同程度とする為、プロセス液流の一部を分岐して抜き出す必要がある。該分岐の為に新たに送液ポンプ等を設置すると、その分だけ設備費が増加し、また運転/管理の対象も増えるので、経済性及び安全安定運転の観点からあまり望ましくない。プロセスに既存の送液ポンプ吐出液を分岐し、酸素含有ガスとの混合に用いる方が望ましい。具体的には、例えば、プロセス液流の送液を行う送液ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出すことが好ましい。
分岐元のプロセス液流を元流、酸素含有ガスとの混合用に分岐されたプロセス液流を支流、残りのプロセス液流を本流とすると、支流は本流とは合流しない(後述)ので、支流の流量に関わらず、本流の流量は一定である事が望ましい。よって支流の流量増加は、元流の流量増加を伴うこととなる。元流の送液ポンプ負荷を鑑みれば、支流に分岐される割合は多くとも20容量%以下、より望ましくは10容量%以下である。また、分岐される流量の割合が少なすぎると、該流量の安定が難しくなることから、分岐される割合は少なくとも1容量%以上が望ましい。
(7)気液混相流の供給(合流)
本発明において、プロセス液流からプロセス液の一部を抜き出し、酸素含有ガスとスタティックミキサー内で混合された流体(気液混相流)は、上記のとおり直接又は間接的に蒸留塔に供給される。気液混相流の供給先(合流先)は、圧力が低く、プロセス液の組成が近い箇所が好ましい。
スタティックミキサーによる混合時の圧力損失により、気液混相流の吐出圧は、送液ポンプの吐出圧に比べて大きく下がることが多い。故に、該気液混相流は、より圧力の低いプロセス液流に合流させる必要がある。送液ポンプの吸引側に循環させる事も可能な場合もあるが、該ポンプがキャビテーションを起こす場合には合流箇所の変更が必要となる。
気液混相流の供給先としては、例えば、塔底循環ライン、プロセス液を含む内槽の液中が好ましい。ここで、プロセス液を含む内槽とは、例えば、蒸留塔や反応蒸留塔の内槽、還流槽の内槽等を示す。
(メタ)アクリル酸類の製造プロセスで用いられる蒸留塔(反応蒸留塔を含む)や、エステル化反応器等の反応器は、通常、蒸留塔が、フィードポンプ、還流ポンプ、塔底抜き出しポンプ又は塔底循環ラインの少なくとも一つを備えている。
この場合、具体的な実施形態としては、例えば、次の(a)〜(d)のとおりである。
(a)蒸留塔の還流ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を蒸留塔の還流槽へ供給する。
還流槽に直接ノズルで酸素含有ガスが供給されていた場合、該酸素含有ガスを分岐したプロセス液との混合に充てることができる。また、還流ポンプのキャビテーションを防ぐ為、還流槽から還流ポンプで液を抜き出す位置と、気液混合流を還流槽に供給する位置は、離していることが望ましい。
(b)蒸留塔のフィードポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、蒸留塔の還流槽、塔底循環ライン、塔底部液中の何れかに供給する。
(c)蒸留塔の塔底液の抜き出しポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、塔底循環ライン又は塔底部液中に供給する。
塔底循環ラインまたは塔底液内に直接ノズルで酸素含有ガスが供給されていた場合、該酸素含有ガスを、分岐したプロセス液との混合に充てることができる。
(d)塔底抜き出しポンプ及び塔底循環ラインを備える反応蒸留塔へプロセス液を導入して反応蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法である場合、塔底抜き出しポンプ吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、反応蒸留塔の塔底循環ライン又は塔底部液中に供給する。
塔底循環ラインまたは反応蒸留塔内液に直接ノズルで酸素含有ガスが供給されていた場合、該酸素含有ガスを、分岐したプロセス液との混合に充てることができる。
供給先(合流先)のプロセス液の組成は、供給元(気液混相流)の液の組成と比較して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上が同一であることが望ましい。ここで、プロセス液の組成とは、アクリル酸や水、トルエンなどの含有される化合物の割合を重量分率で表したものである。比較する二つの液組成において、共通して含有される全ての化合物について、重量分率の小さい方を足し合わせた値が上記%となる。
次に、図面を参照して本発明が適用される(メタ)アクリル酸類の製造プロセスについて説明する。
図1は、アクリル酸を製造するプロセスフロー図の一例である。
[捕集塔]
接触気相酸化により得られたアクリル酸含有ガスがライン1を経てアクリル酸捕集塔Iの塔底に導入される。塔頂からは捕集用水がライン2より供給され、塔底にてアクリル酸水溶液が得られる。塔底のライン4から抜き出されたアクリル酸水溶液は、塔底循環及び塔底抜き出しを兼ねた送液ポンプP1により、一部は冷却器C1を経てライン5より捕集塔Iに循環され、他はライン6より脱水蒸留塔IIに送られる。アクリル酸含有ガスに含まれる窒素等の非凝縮成分、及び一部の水やホルムアルデヒド等の低沸点副生物は、塔頂ライン3より抜き出される。
[脱水蒸留塔]
脱水蒸留塔IIの還流ライン10からは共沸溶媒が供給され、塔頂ライン7より共沸溶媒と水を含むガスが抜き出される。該ガスはコンデンサC2で凝縮された後、デカンタV1にて有機相と水相に分離される。有機相はライン9より抜き出され、還流用送液ポンプP2により還流ライン10を経て脱水蒸留塔IIに循環される。水相はライン8より抜き出される。抜き出された水相の全量ないしは一部がライン2を経て捕集用水に用いられる事もある(図示なし)。
塔底にて脱水されたアクリル酸溶液が得られる。該溶液は共沸溶媒を含んでいる事が多い。塔底ライン11より抜き出されたアクリル酸溶液は、リボイラB1で加熱された後にライン12を経て脱水蒸留塔IIに循環されると共に、一部は塔底抜き出し用の送液ポンプP3により、ライン13を経て軽沸分離塔IIIに送られる。
[軽沸分離塔]
軽沸分離塔IIIの塔頂ライン14より共沸溶媒や酢酸等のアクリル酸に比べて沸点の低い成分(軽沸物)を含んだガスが抜き出される。該ガスにはアクリル酸も含まれていることが多い。該ガスはコンデンサC3で凝縮された後、還流槽V2に供給される。ライン15から抜き出された該凝縮液は、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP4により一部は還流ライン16を経て軽沸分離塔IIIに循環されると共に、残分はライン17を経て抜き出される。該抜き出し液の一部ないし全量は、直接ないし更なる分離工程を経て、捕集塔I又は脱水蒸留塔IIに循環される(図示なし)。
塔底にて、軽沸物の分離された粗アクリル酸が得られる。塔底ライン18より抜き出された粗アクリル酸は、リボイラB2で加熱された後にライン19を経て軽沸分離塔IIIに循環されると共に、一部は塔底抜き出し用の送液ポンプP5により、ライン20を経てアクリル酸精製塔IVに送られる。
[アクリル酸精製塔]
アクリル酸精製塔IVの塔頂ライン21より、アクリル酸より沸点の高い成分(高沸物)の除かれた精製アクリル酸のガスが得られる。該ガスはコンデンサC4で凝縮された後、還流槽V3に供給される。ライン22から抜き出された該凝縮アクリル酸は、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP6により一部は還流ライン23を経てアクリル酸精製塔IVに循環されると共に、残分は精製アクリル酸としてライン24を経て抜き出される。
塔底にて、高沸物を多く含んだ粗アクリル酸が得られる。塔底ライン25より抜き出された粗アクリル酸は、塔底液循環ポンプP7によりリボイラB3へ送られて加熱された後、ライン26を経てアクリル酸精製塔IVに循環される。
また、粗アクリル酸の一部は抜き出し用の送液ポンプP8により、ライン27を経て抜き出される。該粗アクリル酸の一部は、更なる分離工程を経て、塔I〜IIIの何れかに循環される(図示なし)。
図2は、アクリル酸を製造するプロセスプローの別例の一部であり、図1における脱水蒸留塔IIと軽沸分離塔IIIに相当する分離精製を行うものである。
[抽出塔]
捕集塔より得られたアクリル酸水溶液が抽出塔Vの塔頂部にライン31から供給される。塔底からは抽出用の低極性溶媒がライン32から供給される。低極性溶媒とは、20℃において水100gに対する溶解度が1g未満である事を意味する。塔頂ライン33からアクリル酸を含んだ抽出溶媒が得られ、該液は送液ポンプP11によりライン34を経て溶媒分離塔VIに供給される。塔底ライン35からは不純物を含んだ水溶液が得られる。
[溶媒分離塔]
溶媒分離塔VIの塔頂ライン35より、抽出溶媒及び軽沸物を含んだガスが得られる。該ガスはコンデンサC11で凝縮された後、還流槽V11に供給される。ライン36から抜き出された該凝縮液は、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP12により一部は還流ライン37を経て溶媒分離塔VIに循環されると共に、残分は抽出溶媒としてライン32を経て抽出塔Vに循環される。
塔底にて、軽沸物の分離された粗アクリル酸が得られる。塔底ライン39より抜き出された粗アクリル酸は、リボイラB11で加熱された後にライン40を経て溶媒分離塔VIに循環されると共に、一部は塔底抜き出し用の送液ポンプP13により、ライン41を経てアクリル酸精製塔に送られる。
図3はC4以上のアルコールとアクリル酸からアクリル酸エステルを製造するプロセスフロー図の一例である。
[反応蒸留塔]
原料アクリル酸、アルコール及び反応促進の為の酸触媒が各々、ライン51〜53から反応蒸留塔VIIの塔底部(反応槽)に供給される。塔頂ライン54よりエステル化反応により生じた反応生成水や原料アルコール、生成したアクリル酸エステル等を含むガスが抜き出される。有機相と水相に分離される。有機相はライン56より抜き出され、還流用送液ポンプP21により還流ライン57を経て反応蒸留塔VIIに循環される。水相はライン55より抜き出される。抜き出された水相の全量ないしは一部が後述する抽出や洗浄に用いられる事もある。
反応蒸留塔VIIの反応槽からライン58を経て抜き出されたエステル化反応液は、リボイラB21で加熱された後、ライン59を経て反応蒸留塔VIIに循環される。
反応槽からライン60を経て抜き出されたエステル化反応液は、送液ポンプ22により抽出塔VIIIの塔底部に供給される。
[抽出塔]
エステル化反応液に含まれる酸触媒を分離回収する為、抽出塔の塔頂部のライン62から抽出水が供給される。塔頂ライン63から酸触媒の分離されたエステル化反応液が得られ、該液は送液ポンプP23により洗浄塔IXの塔底部に供給される。塔底からは酸触媒を含んだ水溶液が得られる。その一部ないし全量は酸触媒の供給ライン53に循環される。
[洗浄塔]
酸触媒分離後のエステル化反応液に残存する微量の酸分を除去する為、洗浄水が塔頂ライン66より供給される。より酸分除去の効率を高める為、アルカリが併用される場合もある。塔頂ライン67より微量酸分の除去されたエステル化反応液が得られ、該液は送液ポンプP24によりライン69を経て軽沸分離塔XIに供給される。塔底ライン68からは酸分を含んだ水が得られる。
[軽沸分離塔]
軽沸分離塔XIの塔頂ライン70よりアルコールや水等のアクリル酸エステルに対する軽沸物を含んだガスが抜き出される。該ガスにはアクリル酸エステルも含まれている。該ガスはコンデンサC22で凝縮された後、還流槽V22に供給される。ライン71から抜き出された該凝縮液は、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP25により一部は還流ライン72を経て軽沸分離塔XIに循環されると共に、残分はライン73を経て抜き出される。該抜き出し液は塔VII〜IXに循環される(図示なし)。
塔底にて、軽沸物の分離された粗アクリル酸エステルが得られる。塔底ライン74より抜き出された粗アクリル酸エステルは、リボイラB22で加熱された後にライン75を経て軽沸分離塔XIに循環されると共に、一部は塔底抜き出し用の送液ポンプP26により、ライン76を経て精製塔XIIに送られる。
[精製塔]
精製塔XIIの塔頂ライン77より、アクリル酸エステルに対する高沸物の除かれた精製アクリル酸エステルのガスが得られる。該ガスはコンデンサC23で凝縮された後、還流槽V23に供給される。ライン78から抜き出された該凝縮アクリル酸エステルは、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP27により一部は還流ライン79を経て精製塔XIIに循環されると共に、残分は精製アクリル酸エステルとしてライン80を経て抜き出される。
塔底にて、高沸物を多く含んだ粗アクリル酸エステルが得られる。塔底ライン81より抜き出された粗アクリル酸エステルは、リボイラB23で加熱された後にライン82を経て精製塔XIIに循環される。
また、粗アクリル酸エステルの一部は抜き出し用の送液ポンプP28により、ライン83を経て抜き出される。該粗アクリル酸エステルの一部は、更なる分離工程を経て、塔VII〜XIの何れかに循環される(図示なし)。
ここで、本発明における蒸留塔としては、例えば、図1の脱水蒸留塔II、軽沸分離塔(酢酸分離塔)III、アクリル酸精製塔(高沸分離塔)IV、図2の抽出塔V、溶媒分離塔VI、図3の反応蒸留塔(エステル化反応器)VII、軽沸分離塔XI、精製塔XII等が該当する。また、還流槽としては、例えば、図1のV1、V2、V3、図2のV11、図3のV21、V22、V23のデカンタ又は還流槽が該当する。
本発明は、上記したアクリル酸エステル類を製造するプロセスに適用することができるが、以下において、酸素含有ガスを蒸留塔へ供給する従来のプロセスフローと、本発明の方法を適用するプロセスフローの例を、図4、図5を参照して、さらに具体的に説明する。
図4aは図1のアクリル酸精製塔を例に、従来の酸素含有ガスの供給を示したプロセスフローである。
還流槽V3、蒸留塔IVの塔底部、塔底リボイラB3の循環ラインに対して各々、ガス配管91〜93により直接酸素含有ガスが吹き込まれている。
図4bは図1のアクリル酸精製塔を例に、本発明の手法による酸素含有ガスの供給を示したプロセスフローである。スタティックミキサー(M1〜M3)の設置位置を示した。これらは1つ以上設置されていればよい。
アクリル酸精製塔XIIIへの送液に用いるポンプ(フィードポンプ)35の吐出液が一部分岐(ライン203)され、ガス配管192からの酸素含有ガスと共にスタティックミキサーM1にて混合された後、精製塔XIIIの塔底部液中に気液混相流として供給される(ライン204)。
還流槽V33の液は、還流及び抜き出しを兼ねた送液ポンプP36により抜き出され、その一部が分岐され(ライン201)、ガス配管191からの酸素含有ガスと共にスタティックミキサーM2にて混合された後、還流槽V33の液中に気液混相流として供給される(ライン202)。該図とは異なり、ライン201の分岐は、還流ライン123と抜き出しライン124の分岐後、何れかのラインからから行う事も可能である。配管の設置及び保全の点から、ライン201が短くなるように分岐位置を定めるのが望ましい。
塔底抜き出しポンプP38の吐出液が一部分岐(ライン205)され、ガス配管193からの酸素含有ガスと共にスタティックミキサーM3にて混合された後、アクリル酸精製塔XIIIの塔底循環ラインにあるリボイラB33の入口側ラインに供給される(ライン206)。
図5aは図3の反応蒸留塔を例に、従来の酸素含有ガスの供給(ライン94)を示したプロセスフローである。塔底循環ラインにあるリボイラB21入口側ラインに、ガス配管94から直接、酸素含有ガスが供給される。
図5bは図3の反応蒸留塔を例に、本発明の手法による酸素含有ガスの供給(ライン208)を示したプロセスフローである。塔底抜き出しポンプP42の吐出液が一部分岐され(ライン207)、ガス配管194からの酸素含有ガスと共にスタティックミキサーM4にて混合された後、塔底循環ラインにあるリボイラB41入口側ラインに気液混相流として供給される(ライン208)。
以下に実験例(実施例、比較例)を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、下記の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と下記実施例の値又は実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
[実施例1]
図6に示す装置を用いて次のとおり実験を行った。
(装置の説明)
図6のAは、側面に液抜き出し用のノズル二本を備えた、ステンレス製ジャケット式反応槽で、上方には冷却管D、該冷却管を通して攪拌翼dを設置した。反応槽Aの一方のノズルを送液ポンプBに繋ぎ、三方コックeにて空気ラインaと合流した後、スタティックミキサーC(配管内にグラスウールを詰めたもの)に導き、該スタティックミキサーC出口を、反応槽Aのもう一方のノズルに繋いだ。
反応槽Aには、空気ラインaとは別に、直接槽内に空気を供給する空気ラインbも設けた。
(操作)
反応槽A内にメトキノン50ppmを含んだアクリル酸を300mL入れ、攪拌翼dを120rpmで回し、送液ポンプBにより槽内の液を200mL/分で循環を開始した。冷却管には20℃の冷却水を供給し、冷却管の上部より、メトキノン300ppmを含んだアクリル酸を30ml/時の速度で供給した。空気ラインaより乾燥空気を50ml/分(ntp)の速度で供給開始した後、反応槽Aのジァケット側に加熱用オイルの供給を始め、槽内のアクリル酸温度が90℃になるよう、該オイルの温度を調整した。
槽内の温度が90℃に到達してから二時間この状態を維持し、次いで槽内アクリル酸の一部を取り出した。冷却後、メッシュサイズ10μmの濾紙で濾過し、20℃における粘度を測定したところ、1.3×10−3Pa.sであった。尚、加熱前のアクリル酸粘度は1.3×10−3Pa.sであった。
[比較例1〜5、実施例2、3]
条件を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、実験を行った。但し、比較例1〜3の空気供給方法として、ラインa又はラインbを用い、ラインbの先端には焼結金属又は1mm孔を6つ開けたノズル(1mm孔*6)を設置した。
表1に上記実施例、比較例の条件と結果を示す。表1の結果から、実施例のアクリル酸粘度は比較例の粘度と比べて小さく、本願発明により高い重合防止効果が得られることが分かる。
焼結金属を用いた場合と同量の分子状酸素ガスを供給するにもかかわらず、高い重合防止効果が得られた理由については定かでないが、気液混相流としてスタティックミキサー内で攪拌されて生じたと考えられる分子状酸素含有ガスのマイクロバブルが、焼結金属からの発泡とは異なる重合防止効果を有するのではないかと推察する。
Figure 0006007828
I アクリル酸捕集塔
II 脱水蒸留塔
III 軽沸分離塔(酢酸分離塔)
IV アクリル酸精製塔(高沸分離塔)
V 抽出塔
VI 溶媒分離塔
VII 反応蒸留塔(エステル化反応器)
VIII 抽出塔
IX 洗浄塔
XI 軽沸分離塔
XII 精製塔
XIII アクリル酸精製塔
XIV 反応蒸留塔(エステル化反応器)
V1、V21 デカンタ
V2、V3、V11、V22、V23、V33 還流槽
M1、M2、M3、M4 スタティックミキサー
A ジャケット式反応槽
B 送液ポンプ
C スタティックミキサー
D 冷却管
a 空気
b 空気
c 冷却水
d 攪拌翼

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液流を蒸留塔へ導入して蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルを製造する方法において、プロセス液流を分岐により、該プロセス液流の1〜20容量%を抜き出し液とし、該抜き出し液と酸素含有ガスを、容量比5:1〜1:5で、スタティックミキサー内で混合して気液混相流とし、該気液混相流を蒸留塔に供給することを特徴とする(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
  2. 供給先のプロセス液の組成が、気液混相流の液の組成と比較して80質量%以上同じであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. プロセス液流の送液を行う送液ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出すことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 蒸留塔が、フィードポンプ、還流ポンプ、還流槽、塔底抜き出しポンプ又は塔底循環ラインの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 還流ポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を蒸留塔の還流槽へ供給することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. フィードポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、蒸留塔の還流槽、塔底循環ライン、塔底部液中の何れかに供給することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 塔底抜き出しポンプの吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、塔底循環ライン又は塔底部液中に供給することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  8. 蒸留塔が、塔底抜き出しポンプ及び塔底循環ラインを備える反応蒸留塔であり、該反応蒸留塔へプロセス液を導入して反応蒸留を行う工程を含む(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、塔底抜き出しポンプ吐出液を分岐してプロセス液を抜き出し、酸素含有ガスと混合した気液混相流を、反応蒸留塔の塔底循環ライン又は塔底部液中に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
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