JP6007718B2 - パッチアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、パッチアンテナに関し、特に表面実装型パッチアンテナの電極構造に関するものである。
近年、GPS機能は携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等、様々な電子機器に標準で搭載されるようになってきている。GPS信号を受信するためにはGPS用アンテナが必要であり、GPS用アンテナとしてパッチアンテナが好ましく用いられている。
GPS用パッチアンテナはマイクロストリップアンテナの一種であり、GPS信号を高感度で受信できるように最適化されたものであるが、プリント基板上での実装位置や周囲の実装部品の影響により、そのままではGPS信号を高感度に受信できない場合がある。この場合、放射電極のパターン形状や特性調整素子の値を変更する必要がある。特許文献1及び2には、そのような特性調整を容易に行うことができるパッチアンテナが開示されている。
特開2001−230623号公報 特許第4507385号公報
しかしながら、上述した従来のパッチアンテナは、円偏波を構成する2つの共振周波数を個々に調整することしかできないため、縮退分離周波数の変化と同時に偏波形態の変化や共振周波数の変化を伴い、縮退分離周波数および共振周波数の微調整が非常に難しいという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、実装環境に応じてその特性を調整しなければならない場合であっても、放射電極等の電極パターンの形状を直接調整することなく、特性調整素子の値を変更するだけで縮退分離周波数と共振周波数とを高精度かつ容易に調整することが可能なパッチアンテナを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるパッチアンテナは、誘電体ブロックと、前記誘電体ブロックの上面に形成された放射電極と、前記誘電体ブロックの底面に形成された給電電極、周波数調整用電極、縮退調整用電極及びグランド電極とを備え、前記誘電体ブロックの前記底面は、互いに平行な第1及び第2の辺と、前記第1及び第2の辺と直交しかつ互いに平行な第3及び第4の辺と、前記第1の辺と前記第3の辺との交点に位置する第1の角部と、前記第1の辺と前記第4の辺との交点に位置する第2の角部と、前記第2の辺と前記第3の辺との交点に位置する第3の角部と、前記第2の辺と前記第4の辺との交点に位置する第4の角部とを有し、前記周波数調整用電極は、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第1の角部と前記第3の角部を覆うよう、前記第1の辺に沿って設けられ、前記縮退調整用電極は、前記第4の角部または前記第2の角部に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、周波数調整用電極のリアクタンスを変更することにより、共振周波数を大きく変化させることなく縮退分離周波数を調整することができる。また、縮退調整用電極のリアクタンスを変更することにより、縮退分離周波数を大きく変化させることなく縮退分離量を調整することができる。したがって、パッチアンテナのアンテナ利得を高精度に制御することができる。
本発明によるパッチアンテナは、前記周波数調整用電極に接続された周波数調整用素子と、前記縮退調整用電極に接続された縮退調整用素子とをさらに備え、前記周波数調整用電極は、前記周波数調整用素子を介してグランドに接続されており、前記縮退調整用電極は、前記縮退調整用素子を介してグランドに接続されていることが好ましい。この構成によれば、共振周波数を大きく変化させることなく、縮退分離周波数や縮退分離量の微調整が可能であり、これによりアンテナ利得を高精度に調整することができる。
本発明によるパッチアンテナは、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第1の角部及び前記第4の角部の少なくとも一方の上方に位置する前記放射電極の角部に設けられた切り欠きからなる縮退分離素子をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、縮退分離素子によって調整される共振モードを、周波数調整用電極および縮退調整用電極によっても調整することができ、縮退分離周波数および縮退分離量を高精度に調整することが可能となる。
本発明において、前記給電電極は、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第3の辺に接して設けられていることが好ましい。この構成によれば、縮退分離周波数および縮退分離量の調整が容易な右旋円偏波アンテナを構成することができる。
本発明によれば、パッチアンテナが実装されるプリント基板上の位置や周囲に実装される電子部品の影響によってその特性を微調整しなければならない場合であっても、放射電極等の誘電体ブロックの表面の電極パターンの形状を直接調整することなく、インダクタ、キャパシタ等のリアクティブ素子の値を変更することにより、縮退分離周波数や縮退分離量を調整することができる。特に、縮退分離量をほとんど変えずに縮退分離周波数だけを調整することが可能であり、特性を微調整しやすい。したがって、ユーザー自身による調整が可能となり、パッチアンテナのアンテナ利得を高精度に制御することができる。
本発明の第1の実施形態によるパッチアンテナの構成を示す略斜視図である。 図1に示したパッチアンテナの平面図である。 図1に示したパッチアンテナの周波数調整用素子の素子値を変化させた時のVSWR特性を示すグラフである。 図1に示したパッチアンテナの周波数調整用素子の素子値を変化させた時のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 図1に示したパッチアンテナの周波数調整用素子の素子値を変化させた時の縮退分離周波数の変化を示すグラフである。 図1に示したパッチアンテナの縮退調整用素子の素子値を変化させた時のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるパッチアンテナの構成を示す略斜視図であって、プリント基板から切り離した状態を示すものである。また、図2は、図1に示したパッチアンテナの平面図である。
図1及び図2に示すように、パッチアンテナ10は、誘電体ブロック11と、誘電体ブロック11の上面11aに形成された放射電極12と、誘電体ブロック11の底面11bに形成された給電電極13、周波数調整用電極14、縮退調整用電極15、並びにグランド電極16とを備えている。
誘電体ブロック11の外形は略直方体であり、上面11a、底面11bおよび4つの側面11c〜11fを有している。さらに、ブロックの欠けを防止するため各側面の角部に面取りが施されている。本実施形態において誘電体ブロック11の上面11aおよび底面11bの形状は正方形またはこれに近い長方形であることが好ましい。具体的には、誘電体ブロックの外形寸法を12×12×4(mm)とすることができる。
誘電体ブロック11の上面11aは、互いに平行な第1及び第2の辺ea1、ea2と、第1及び第2の辺ea1、ea2と直交しかつ互いに平行な第3及び第4の辺ea3、ea4を有している。そして、第1の辺ea1と第3の辺ea3との交点に位置する第1の角部ca1と、第1の辺ea1と第4の辺ea4との交点に位置する第2の角部ca2と、第2の辺ea2と第3の辺ea3との交点に位置する第3の角部ca3と、第2の辺ea2と第4の辺ea4との交点に位置する第4の角部ca4とを有している。
誘電体ブロック11の底面11bもまた、上面11aと同様に、互いに平行な第1及び第2の辺eb1、eb2と、第1及び第2の辺eb1、eb2と直交しかつ互いに平行な第3及び第4の辺eb3、eb4を有している。そして、第1の辺eb1と第3の辺eb3との交点に位置する第1の角部cb1と、第1の辺eb1と第4の辺eb4との交点に位置する第2の角部cb2と、第2の辺eb2と第3の辺eb3との交点に位置する第3の角部cb3と、第2の辺eb2と第4の辺eb4との交点に位置する第4の角部cb4とを有している。
誘電体ブロック11の材料としては、特に限定されるものではないが、Ba−Nd−Ti系材料(比誘電率80〜120)、Nd−Al−Ca−Ti系材料(比誘電率43〜46)、Li−Al−Sr−Ti(比誘電率38〜41)、Ba−Ti系材料(比誘電率34〜36)、Ba−Mg−W系材料(比誘電率20〜22)、Mg−Ca−Ti系材料(比誘電率19〜21)、サファイヤ(比誘電率9〜10)、アルミナセラミックス(比誘電率9〜10)、コージライトセラミックス(比誘電率4〜6)などを用いることができ、型枠を用いて焼成することによって作製される。
誘電体ブロック11の上面11aには、放射電極12が設けられている。放射電極12の形状は一辺が約λ/2の略正方形であり、誘電体ブロック11の上面11aの第1〜第4の辺ea1〜ea4(並びに底面11bの第1〜第4の辺eb1〜eb4)と平行な4辺を有している。また、上面11aの第1〜第4の角部ca1〜ca4(並びに底面11bの第1〜第4の角部cb1〜cb4)と同じ向きに4つの角部を有している。放射電極12の形状及び面積は概ね使用周波数との関係で定まり、ここでは図示のように、矩形状の放射電極12が誘電体ブロック11の上面11aの外周よりも内側に一定のマージンをもって形成される。
図2に示すように、誘電体ブロック11の第1及び第4の角部ca1、ca4と同じ向きにある放射電極12の2つの角部には、縮退分離素子17A、17Bとしての切り欠きが設けられている。給電電極13の位置(給電点)を図示のように下側に向けたとき、縮退分離素子17Aは、放射電極12の左下の角部を切り欠くことにより形成され、縮退分離素子17Bは放射電極12の右上の角部を切り欠くことにより形成される。
これら2つの縮退分離素子17A、17Bにより、矢印A方向の共振モードの周波数に比べて矢印B方向の共振モードの周波数が高いほうにずれ位相が進む。縮退分離素子17A、17Bの面積にほぼ比例して位相が進むため、適切な大きさの縮退分離素子17A、17Bを形成することにより、矢印B方向の共振モードが矢印A方向の共振モードに比べて90度位相が進む。また、それぞれの強度が同じなので、図に向かって左回りの共振モードが発生する。この結果、使用周波数帯において放射電磁界の電界成分がその伝搬方向に垂直な面内で右方向に回転する右旋円偏波アンテナとして動作する。ここで使用周波数帯は放射電極12の共振周波数を中心周波数とした帯域であり、放射電極12の一辺の長さが誘電体ブロック11内で伝搬波長の約半分(λ/2)となる周波数帯である。
誘電体ブロック11の底面11bには、給電電極13、周波数調整用電極14、縮退調整用電極15、並びにグランド電極16が設けられている。これらの電極13〜16は放射電極12と容量結合している。なお、誘電体ブロック11の4つの側面11c〜11fには電極パターンはなく、誘電体ブロック11の素地が完全に露出している。
給電電極13は、誘電体ブロック11の底面11bの第1の辺eb1に接した位置に設けられた小さな矩形の電極パターンである。給電電極13はプリント基板20上の給電パッド23に接続される。本実施形態による給電電極13は、第1の辺eb1の中央部に配置されている。
周波数調整用電極14は、誘電体ブロック11の底面11bの第1の角部cb1から第3の角部cb3までの間を跨がるように設けられた細長い帯状の電極パターンである。周波数調整用電極14は、第1の角部cb1に設けられたプリント基板20上の周波数調整用ランド24及び周波数調整用素子31を介してプリント基板20上のグランドパターン21に接続されている。
縮退調整用電極15は、誘電体ブロック11の底面11bの第1の角部cb1と対角関係にある第4の角部cb4に設けられた小さな矩形の電極パターンである。縮退調整用電極15は、第4の角部cb4に設けられたプリント基板20上の縮退調整用ランド25及び縮退調整用素子32を介してプリント基板20上のグランドパターン21に接続されている。
グランド電極16は、誘電体ブロック11の底面11bのうち、給電電極13、周波数調整用電極14および縮退調整用電極15が形成された領域以外の大部分の領域に設けられた電極パターンである。グランド電極16と他の電極パターン13〜15との間には所定幅の絶縁スペースが介在しており、他の電極パターン13〜15との絶縁性が確保されている。
これらの電極パターン12〜16は、誘電体ブロック11の表面に電極用ペースト材をスクリーン印刷や転写などの方法によって塗布した後、所定の温度条件で焼付けを行うことで形成される。電極用ペースト材としては、銀、銀−パラジウム、銀−白金、銅などを用いることができる。
プリント基板20上のパッチアンテナ10の実装領域には、パッチアンテナ10の底面11bの電極パターン13〜15と実質的に同一形状のランドパターンが形成されている。すなわち、アンテナ実装領域には、給電電極13に接続される給電パッド23と、周波数調整用電極14に接続される周波数調整用ランド24と、縮退調整用電極15に接続される縮退調整用ランド25と、グランド電極16に接続されるグランドパターン26が形成されている。さらに、アンテナ実装領域の周囲にはグランドパターン21が形成されている。グランドパターン21はグランドパターン26と一体的なパターンであるが、説明の便宜上、別々のパターンとして示している。なおグランドパターン21はアンテナ実装領域の周囲を完全に取り囲んでいる必要はなく、部分的に取り囲んでいてもよい。
給電パッド23は給電ライン22に接続されている。給電パッド23の近くの給電ライン22には、2つのインピーダンス調整素子33、34が接続されている。一方のインピーダンス調整素子33は、給電ライン22に対して直列的に挿入されており、他方のインピーダンス調整素子34は、給電ライン22に対して並列的に挿入されている。インピーダンス調整素子33、34は、チップインダクタまたはチップキャパシタからなるリアクティブ素子であり、その素子値を変更することにより、パッチアンテナ10の入力インピーダンスを調整することができる。
上記のように、2つの縮退分離素子17A、17Bが存在する対角線Aの方向の共振モードの共振長は、これと直交するもう一つの対角線Bの方向の共振モードの共振長に比べて短くなっており、縮退していない共振モードと縮退した共振モードとの位相差が約90度となるように設定することにより、両共振モードを合成した主モードが励振されて、このパッチアンテナ10を右旋円偏波アンテナとして動作させることができる。
誘電体ブロック11の底面11bの第3の辺eb3に沿って延設された周波数調整用電極14の一端は、一方の共振モードに関与する第1の角部cb1に位置し、他端は、他方の共振モードに関与する第2の角部cb3に位置する。すなわち、周波数調整用電極14は、第1の角部cb1と第3の角部cb3の両方を覆うように設けられている。そのため、周波数調整用電極14のリアクタンスを変えることにより、2つの共振モードを同時に動かすことができる。
第1の角部cb1における周波数調整用電極14とその周囲のグランドパターン21との間には、周波数調整用素子31が直列的に挿入されている。周波数調整用素子31はチップインダクタまたはチップキャパシタからなるリアクティブ素子であり、その素子値を変更することにより、パッチアンテナ10の縮退分離周波数を調整することができる。すなわち、周波数調整用電極14は、誘電体ブロック11の底面11bの第3の辺eb3に沿って第1の角部cb1から第3の角部cb3まで延設された細長い電極パターンであり、これに接続された周波数調整用素子31の値を変更した場合には、図2の矢印Aで示す縮退していない共振モードと矢印Bで示す縮退している共振モードの両方を同時に動かすことができる。つまり、縮退分離周波数をシフトさせることができる。
第4の角部cb4における縮退調整用電極15とその周囲のグランドパターン21との間には、縮退調整用素子32が直列的に挿入されている。縮退調整用素子32はチップインダクタまたはチップキャパシタからなるリアクティブ素子であり、その素子値を変更することにより、パッチアンテナ10の縮退分離量を調整することができる。すなわち、縮退調整用電極15は、誘電体ブロック11の底面11bの第4の角部cb4に形成された電極パターンであり、これに接続された縮退調整用素子32の値を変更した場合には、図2の矢印Aで示す縮退していない共振モードを動かさずに、矢印Bで示す縮退している共振モードだけを動かすことができる。つまり、縮退分離量を調整することができる。
プリント基板20上にパッチアンテナ10を実装する場合には、誘電体ブロック11の底面11b側の各電極パターンをプリント基板20上の対応するランドに半田接続される。半田接続は例えばリフロー工程により行われる。これにより、放射電極12は給電パッド23との容量結合を介してプリント基板20上の給電ライン22に接続され、給電ライン22を介してRF回路(不図示)に接続される。また、周波数調整用電極14は周波数調整用素子31を介して接地され、縮退調整用電極15は縮退調整用素子32を介して接地される。
図3は、図1に示したパッチアンテナ10の周波数調整用素子31の素子値を変化させた時のVSWR特性を示すグラフであり、横軸は周波数(GHz)、縦軸はVSWRをそれぞれ示している。また、図4は、図1に示したパッチアンテナ10の周波数調整用素子31の素子値を変化させた時のインピーダンス特性を示すスミスチャートであり、図5は、図1に示したパッチアンテナ10の周波数調整用素子31の素子値を変化させた時の縮退分離周波数の変化を示すグラフである。なお周波数調整用素子31にはキャパシタを用い、その値(測定パラメータ)を0nF(ショート)、1nF,1.5nF,2nF,3nF,4nF,5nF,6nF,7nF,8nF,10nF、∞(オープン)としたものである。
図3〜図5から明らかなように、周波数調整用素子31の値を変化させた場合、VSWRのボトムのピーク(共振周波数)はほとんど変化しないが、縮退分離周波数は1.582〜1.598GHzの範囲で変化する。図3において、共振周波数は周波数調整用素子31のキャパシタンスが大きくなるほど高周波側にわずかにシフトする傾向がみられる。図4のスミスチャート上でもループの窪みの位置、つまり縮退分離周波数がキャパシタンスの増加に合わせてシフトしていることが分かる。このように、周波数調整用素子31の値を変化させることで、縮退分離周波数を調整することができる。
上記のように、本実施形態においては、周波数調整用素子31の素子値を変更することにより、共振周波数を大きく変化させることなく縮退分離周波数を調整することができる。縮退分離周波数は、この縮退分離周波数をGPS信号の搬送周波数(1.575GHz)にできるだけ近づけることにより、アンテナ利得を高くすることができる。ここで、縮退分離周波数とは、円偏波の受信感度が最も強くなる周波数であり、スミスチャート上ではインピーダンス軌跡の途中の小ループの位置またはループの窪みの位置として現れる。周波数調整用素子31の素子値を変更することにより、ループの形状や窪みの大きさを大きく変えることなく、小ループの位置またはループの窪みの位置を変えることができる。
図6は、図1に示したパッチアンテナ10の縮退調整用素子32の素子値を変化させた時のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。なお縮退調整用素子32にはキャパシタを用い、その値(測定パラメータ)を1pF、3pF、6pF、10pFの4通りとしたものである。
図6から明らかなように、縮退調整用素子32の値を変化させた場合、二重ループを構成するインピーダンス軌跡の小ループのサイズが変化する。特に、キャパシタが1pFのときには小ループがほとんど発生せず、キャパシタンスが大きくなるにつれて小ループのサイズが大きくなる。このように、縮退調整用素子32の値を変化させることで、スミスチャート上での小ループの大きさ、つまり縮退分離量を調整することができる。
上記のように、本実施形態においては、縮退調整用素子32の素子値を変更することにより、縮退分離周波数を大きく変化させることなく縮退分離量を調整することができる。縮退分離量は、スミスチャート上ではインピーダンス軌跡の途中の小ループの大きさまたは窪みの大きさとして現れる。縮退調整用素子32の素子値を変更することにより、ループの形状やループの窪みの位置を大きく変えることなく、小ループの大きさまたは窪みの大きさを変えることができる。
以上説明したように、本実施形態によるパッチアンテナは、誘電体ブロック11の底面11bに設けられた周波数調整用電極14と縮退調整用電極15とを備え、それぞれに接続されたリアクティブ素子の値を個別に調整することにより、縮退分離周波数と縮退分離量とを独立に制御することができる。したがって、アンテナ利得の調整が容易なパッチアンテナを提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、縮退調整用電極15を第4の角部cb4に設けているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、縮退調整用電極15を第2の角部cb2に設けてもよい。さらに、縮退調整用電極15を第1の角部cb1に設けるとともに、周波数調整用電極14を第4の辺eb4に設けても構わない。


また、上記実施形態においては、給電電極13を誘電体ブロック11の底面11bの第1の辺eb1に接した位置に設けているが、第2の辺eb2に接した位置や、第4の辺eb4に接した位置に設けてもよい。
また、上記実施形態においては、放射電極の対角関係にある2つの角部に切り欠きを設けているが、一方の角部だけに切り欠きを設けてもよく、切り欠きをまったく設けなくてもかまわない。
また、上記実施形態においては、周波数調整用素子31および縮退調整用素子32がパッチアンテナ10の実装面と同じプリント基板の一方の主面に実装されているが、他方の主面に実装されていてもよく、スルーホール導体を介して周波数調整用電極14や縮退調整用電極15に接続されていてもよい。
また、上記実施形態においては右旋円偏波アンテナの構造を挙げたが、本発明は右旋円偏波アンテナへの適用に限定されるものではなく、左旋円偏波アンテナへの適用も可能である。また、本発明によるパッチアンテナはGPS用に限定されず、他の様々な用途に適用することが可能である。
10 パッチアンテナ
11 誘電体ブロック
11a 誘電体ブロックの上面
11b 誘電体ブロックの底面
11c〜11f 誘電体ブロックの側面
12 放射電極
13 給電電極
14 周波数調整用電極
15 縮退調整用電極
16 グランド電極
17A,17B 縮退分離素子
20 プリント基板
21 グランドパターン
22 給電ライン
23 給電パッド
24 周波数調整用ランド
25 縮退調整用ランド
26 グランドパターン
31 周波数調整用素子
32 縮退調整用素子
33 インピーダンス調整素子
34 インピーダンス調整素子
ca1〜ca4 誘電体ブロックの上面の角部
cb1〜cb4 誘電体ブロックの底面の角部
ea1〜ea4 誘電体ブロックの上面の辺
eb1〜eb4 誘電体ブロックの底面の辺

Claims (4)

  1. 誘電体ブロックと、
    前記誘電体ブロックの上面に形成された放射電極と、
    前記放射電極の角部に設けられた切り欠きからなる縮退分離素子と、
    前記誘電体ブロックの底面に形成された給電電極、周波数調整用電極、縮退調整用電極及びグランド電極と、
    前記周波数調整用電極に接続された周波数調整用素子と、
    前記縮退調整用電極に接続された縮退調整用素子とを備え、
    前記誘電体ブロックの前記底面は、
    互いに平行な第1及び第2の辺と、
    前記第1及び第2の辺と直交しかつ互いに平行な第3及び第4の辺と、
    前記第1の辺と前記第3の辺との交点に位置する第1の角部と、
    前記第1の辺と前記第4の辺との交点に位置する第2の角部と、
    前記第2の辺と前記第3の辺との交点に位置する第3の角部と、
    前記第2の辺と前記第4の辺との交点に位置する第4の角部とを有し、
    前記周波数調整用電極は、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第1の角部と前記第3の角部を覆うように前記第3の辺に沿って設けられ、且つ、前記周波数調整用素子を介してグランドに接続されており、
    前記縮退調整用電極は、前記第4の角部または前記第2の角部に設けられ、且つ、前記縮退調整用素子を介してグランドに接続されており、
    前記縮退分離素子が設けられた前記放射電極の前記角部は、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第1の角部及び前記第4の角部の少なくとも一方の上方に位置していることを特徴とするパッチアンテナ。
  2. 前記誘電体ブロック、前記周波数調整用素子及び前記縮退調整用素子が実装されたプリント基板と、
    前記プリント基板上に形成された周波数調整用ランド、縮退調整用ランド及びグランドパターンとをさらに備え、
    前記周波数調整用電極は、前記周波数調整用ランド及び周波数調整用素子を介して前記グランドパターンに接続されており、
    前記縮退調整用電極は、前記縮退調整用ランド及び前記縮退調整用素子を介して前記グランドパターンに接続されている、請求項1に記載のパッチアンテナ。
  3. 前記周波数調整用電極は帯状の電極パターンである、請求項1又は2に記載のパッチアンテナ。
  4. 前記給電電極は、前記誘電体ブロックの前記底面の前記第1の辺に接して設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパッチアンテナ。
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