JP6007699B2 - パワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステム - Google Patents

パワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステム Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両、特にエンジンと変速機構との間に流体伝動装置が配設され、エンジンの排気通路に触媒装置が配設された車両のパワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステムに関し、車両のパワートレインシステムの制御技術の分野に属する。
自動車等の車両においては、排気ガス中の有害成分を除去するため、エンジンの排気経路に触媒装置が設置されるが、この触媒装置は低温状態では有効に機能せず、エンジンの冷間始動時には速やかに温度を上昇させて活性化させる必要がある。そこで、エンジンの冷間始動時にアイドル回転数を上昇させるアイドルアップ制御を行い、高温の排気ガスを排気経路に排出して、触媒装置の温度を速やかに上昇させる技術が実用化されている。
その場合、このアイドルアップ制御を、トルクコンバータ等の流体伝動装置を有する自動変速機が搭載された車両において、Dレンジ等の走行レンジで行うと、アイドル回転数が高いためにクリープ力が増大し、走行開始前に、運転者のブレーキペダルの踏み込みによる制動要求に打ち勝って車両が意に反して発進するおそれがあり、そのため、従来では、冷間始動時におけるアイドルアップによる触媒装置の早期活性化制御は、PレンジやNレンジ等の非走行レンジでのみ行い、運転者が走行レンジへ操作した時点で終了するようにしていた。
一方、近年の排ガス規制の強化に対応するため、触媒装置の活性化時間をさらに短縮することが要請され、そのため、非走行レンジから走行レンジへ移行したときに、クリープ力を抑制することにより、アイドルアップ制御を中断することなく、走行レンジへの移行後も継続して行うことが考えられている。
そして、走行レンジでのクリープ力を抑制する方法として、特許文献1には、走行レンジで締結される所定の摩擦要素をスリップさせて、エンジン出力の駆動輪への伝達を制限する方法(所謂ニュートラルアイドル制御)が開示されている。
この方法は、非走行レンジから走行レンジへの切り換え時に、前記摩擦要素に油圧を供給して該摩擦要素を解放状態からスリップ状態へ移行させるように行なわれるが、特にATFの粘度が大きい冷間時は油圧を精度良くコントロールできないため、スリップ状態への良好な移行制御が難しく、油圧が高くなりすぎて摩擦要素が完全に締結し、車両が運転者の意に反して発進することも考えられる。
また、クリープ力を抑制する他の方法として、非走行レンジから走行レンジへの移行時に、発進時に締結される摩擦要素に加えて他の所定摩擦要素を締結することにより、自動変速機を所謂インターロック状態に制御することが考えられる。この方法は、前記所定摩擦要素を締結させるだけであるから、油圧のコントロールが比較的容易であり、しかも、自動変速機の出力軸が固定されるため、前記ニュートラルアイドル制御による方法よりも、走行レンジへの移行後にエンジンのアイドルアップを継続しても、意に反して車両が発進することをより確実に防止することができる。
特開2008−213590号公報
ところで、前記のように、走行レンジで自動変速機をインターロックしてエンジンのアイドルアップを行う場合、その後、発進することなく非走行レンジに戻された際に、所定摩擦要素に供給されている油圧が発進用摩擦要素に供給されている油圧より先に抜けると、一時的にインターロックが解除されて変速機構が駆動輪へトルクを伝達する状態(1速に似た状態)が生じ、この走行レンジから非走行レンジへの切り換えの瞬間に、乗員に違和感を与えるような前向きのショックが車両に発生するおそれがある。
この問題は、発進用摩擦要素と所定摩擦要素への油圧の供給が、油圧源から油圧制御回路中のマニュアルバルブを介して行われ、走行レンジから非走行レンジへの切換時に、前記マニュアルバルブによって両摩擦要素から油圧が同時に排出される構成の場合に、起きやすくなることが考えられる。
本発明は、エンジンと変速機構との間に流体伝動装置が配設され、エンジンの排気通路に触媒装置が配設された車両のパワートレインシステムにおいて、冷間始動時、触媒装置の活性化促進のため、自動変速機をインターロックすることにより、非走行レンジから走行レンジへの切換後もアイドルアップを継続して実行可能とすると共に、再び非走行レンジへ戻したときのショックを防止することを課題とする。
また、アイドルアップを継続して実行可能とするために自動変速機をインターロックした場合に、その状態からの良好な発進性を確保することを第2の課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るパワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステムは、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
エンジンと、複数の摩擦要素を含む変速機構及び該変速機構にエンジン出力を伝達する流体伝動装置を有する自動変速機と、を備えた車両のパワートレインシステムの制御方法であって、前記エンジンの排気経路上に触媒装置が配設されている場合に、
前記エンジンのアイドル運転時に、前記触媒装置が非活性状態にあるときは、活性状態にあるときに比べてエンジン回転数を高くするアイドルアップステップと、
前記アイドルアップステップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求があり、かつ、前記自動変速機のレンジが走行レンジであるときに、前記変速機構における発進用摩擦要素以外の所定摩擦要素を締結することにより、該変速機構をインターロック状態とするインターロックステップと、
前記インターロックステップの実施中において、前記自動変速機のレンジが非走行レンジとなるときに、前記発進用摩擦要素を前記所定摩擦要素よりも早く解放するインターロック解除ステップと、
を実施することを特徴とする。
また、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記インターロックステップでは、前記発進用摩擦要素に供給される油圧を走行レンジでの正規油圧よりも低い所定低減油圧に設定し、
前記インターロック解除ステップでは、前記発進用摩擦要素及び前記所定摩擦要素に供給されている油圧を排出する
ことを特徴とする。
なお、前記正規油圧とは、走行時に必要なトルクを摩擦要素が伝達可能な油圧を意味している。
さらに、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記インターロックステップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求が解除されたときに、前記アイドルアップステップを終了し、かつ、前記発進用摩擦要素に供給される油圧を前記所定低減油圧から前記正規油圧に上昇させると共に、その後の運転者によるアクセルペダルの踏み込みによるエンジン回転数の上昇を、前記発進用摩擦要素に供給されている油圧が前記正規油圧に達するまで抑制する
ことを特徴とする。
さらにまた、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記自動変速機は、油圧制御回路に備えられたマニュアルバルブの走行レンジから非走行レンジへの操作に伴う作動により、前記発進用摩擦要素と前記所定摩擦要素に供給されている油圧が排出されるように構成されている
ことを特徴とする。
さらにまた、本願の請求項5に記載の発明は、
エンジンと、複数の摩擦要素を含む変速機構及び該変速機構にエンジン出力を伝達する流体伝動装置を有する自動変速機と、を備えた車両のパワートレインシステムであって、前記エンジンの排気経路上に触媒装置が配設されている場合に、
前記エンジンのアイドル運転時に、前記触媒装置が非活性状態にあるときは、活性状態にあるときに比べてエンジン回転数を高くするアイドルアップを実施し、
前記アイドルアップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求があり、かつ、前記自動変速機のレンジが走行レンジであるときに、前記変速機構における発進用摩擦要素以外の所定摩擦要素を締結することにより、該変速機構をインターロック状態とし、
前記インターロック状態において、前記自動変速機のレンジが非走行レンジとなるときに、前記発進用摩擦要素を前記所定摩擦要素よりも早く解放するコントローラを備えた
ことを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項に係る発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に係る発明によれば、冷間始動時に、非走行レンジから走行レンジへ切り換えた後もアイドルアップを継続して実施するため、触媒装置の活性化が促進される。さらに、走行レンジへの切換時に、変速機構をインターロック状態にするため、出力軸にトルクが伝達されず、意図しない発進が生じる事態が回避できる。
また、走行レンジから非走行レンジへ戻した際に、変速機構をインターロック状態とするために締結されていた所定摩擦要素よりも、発進用摩擦要素が先に解放されるため、一時的に変速機構が1速状態になると車両に生じてしまう前向きのショックを防止することができる。
さらに、請求項2に係る発明によれば、発進用摩擦要素に供給される油圧が走行レンジでの正規油圧よりも低いので、発進用摩擦要素及び所定摩擦要素に供給される油圧が同時に排出開始した場合でも、所定摩擦要素よりも発進用摩擦要素の方が先に解放される。したがって、請求項1の発明による非走行レンジへ戻した際のショック防止の効果が、発進用摩擦要素の簡素な油圧制御によって確実に達成される。
また、請求項2に係る発明では、発進用摩擦要素に供給される油圧が走行レンジでの正規油圧よりも低いため、エンジン出力トルクが増大したときに発進用摩擦要素でスリップが発生するおそれがあるという新たな課題が生じる。
そこで、請求項3に係る発明によれば、運転者によるアクセルペダルの踏み込みによるエンジン回転数の上昇を、前記発進用摩擦要素に供給されている油圧が前記正規油圧に達するまで抑制するため、発進用摩擦要素でのスリップ発生を防止することができ、インターロック後の良好な発進性を確保することができる。
さらに、運転者が走行レンジから非走行レンジへのシフト操作を行うと、このシフト操作に伴って油圧制御回路に備えられたマニュアルバルブが作動し、発進用摩擦要素と所定摩擦要素に供給されている油圧が同時に排出されるように自動変速機が構成されている場合、この自動変速機の油路やアクチュエータの構造等によっては、油圧の排出開始が同時であっても、所定摩擦要素が発進用摩擦要素よりも先に解放され、発進用摩擦要素がトルクを伝達可能な状態、すなわち1速に似た状態が一時的に起こり得る。そのため、乗員に違和感を与えるような前向きのショックが車両に発生する可能性がある。
そこで、請求項4に係る発明によれば、このような構成の場合にも、発進用摩擦要素に供給される油圧が所定摩擦要素よりも早く解放されるため、自動変速機は一時的にも1速に似た状態にはならない。したがって、走行レンジから非走行レンジへ戻した際のショックの発生を防止することができる。
最後に、請求項5に係る発明によれば、請求項1に係る方法の発明と同様の効果をパワートレインシステムにおいて得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るパワートレインシステムを構成する自動変速機の骨子図である。 同自動変速機の摩擦要素の締結の組合せと自動変速機の状態との関係を示す表である。 同自動変速機の油圧制御回路の概略図である。 同パワートレインシステムの制御ブロック図である。 同パワートレインシステムの制御動作を示すフローチャートである。 同パワートレインシステムのインターロック制御時の制御動作を示すフローチャートである。 同パワートレインシステムのニュートラルアイドル制御時の制御動作を示すフローチャートである。 同パワートレインシステムを適用した車両におけるN→D(インターロック)→Nの操作時の自動変速機等の状態を示すタイムチャートである。 同パワートレインシステムを適用した車両におけるN→D(インターロック)→発進の操作時の自動変速機等の状態を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るパワートレインシステムを適用した車両におけるN→D(インターロック)→Nの操作時の自動変速機等の状態を示すタイムチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るパワートレインシステムを適用した車両におけるN→D(インターロック)→Nの操作時の自動変速機等の状態を示すタイムチャートである。
以下、本発明に係るパワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステムの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る車両のパワートレインシステムは、フロントエンジン・フロントドライブ車に適用されるものであって、横置きされたエンジン(図示せず)と、有段の自動変速機とを有しており、前記エンジンの排気経路上には、排気ガス中の有害成分を除去するための触媒装置(図示せず)が配設されている。
図1は、自動変速機1の構成を示す骨子図であり、この自動変速機1は、主たる構成要素として、エンジン出力軸Aに取り付けられたトルクコンバータ2と、該トルクコンバータ2を介して前記エンジン出力軸Aに駆動されるオイルポンプ3と、前記トルクコンバータ2の出力回転が入力軸4を介して入力される変速機構5とを有し、前記オイルポンプ3や変速機構5が入力軸4の軸心上に配置された状態で、変速機ケース6に収納されている。
そして、前記変速機構5の出力回転が、同じく入力軸4の軸心上に配置された出力ギヤ7からカウンタドライブ機構8を介して差動装置9に伝達され、左右の車軸9a、9bが駆動されるようになっている。
前記トルクコンバータ2は、エンジン出力軸Aに連結されたケース2aと、該ケース2a内に固設されたポンプ2bと、該ポンプ2bに対向配置されて該ポンプ2bにより作動油を介して駆動されるタービン2cと、該ポンプ2bとタービン2cとの間に介設され、かつ、前記変速機ケース6にワンウェイクラッチ2dを介して支持されてトルク増大作用を行うステータ2eと、前記ケース2aとタービン2cとの間に設けられ、該ケース2aを介してエンジン出力軸Aとタービン2cとを直結するロックアップクラッチ2fとで構成されている。そして、タービン2cの回転が前記入力軸4を介して変速機構5に入力されるようになっている。
一方、変速機構5は、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30を有し、これらが変速機ケース6内における前記出力ギヤ7の反トルクコンバータ側において、トルクコンバータ側から順に配置されている。
また、変速機構5を構成する摩擦要素として、前記出力ギヤ7のトルクコンバータ側に、第1クラッチ40(特許請求の範囲の「発進用摩擦要素」)及び第2クラッチ50が配置されていると共に、出力ギヤ7の反トルクコンバータ側には、第1ブレーキ60、第2ブレーキ70(特許請求の範囲の「所定摩擦要素」)及び第3ブレーキ80がトルクコンバータ側から順に配置されている。
前記第1、第2、第3ギヤセット10、20、30は、いずれもシングルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、前記入力軸4が第3ギヤセット30のサンギヤ31に連結されていると共に、第1ギヤセット10のサンギヤ11と第2ギヤセット20のサンギヤ21、第1ギヤセット10のリングギヤ14と第2ギヤセット20のキャリヤ23、第2ギヤセット20のリングギヤ24と第3ギヤセット30のキャリヤ33が、それぞれ連結されている。そして、第1ギヤセット10のキャリヤ13に前記出力ギヤ7が連結されている。
また、第1ギヤセット10のサンギヤ11及び第2ギヤセット20のサンギヤ21は、前記第1クラッチ40を介して入力軸4に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のキャリヤ23は、前記第2クラッチ50を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
さらに、第1ギヤセット10のリングギヤ14及び第2ギヤセット20のキャリヤ23は、前記第1ブレーキ60を介して変速機ケース6に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33は、前記第2ブレーキ70を介して変速機ケース6に断接可能に連結されており、さらに、第3ギヤセット30のリングギヤ34は、前記第3ブレーキ80を介して変速機ケース6に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構5によれば、図2に示すように、第1、第2クラッチ40、50及び第1、第2、第3ブレーキ60、70、80の締結状態の組み合わせにより、P(駐車)、R(後退)、N(中立)、D(前進)の各レンジと、Dレンジでの1〜6速とが達成されるようになっている。なお、図2の空欄部分は、摩擦要素が解放されていることを示し、また、この実施形態では、P、Nレンジで、第1ブレーキ60が締結されるようになっている。
また、図2には、本実施形態に係る自動変速機1のインターロック制御及びニュートラルアイドル制御を実施した際の摩擦要素の締結の組み合わせについても示している。インターロック制御を実施した際には、1速で締結される第1クラッチ40と第1ブレーキ60とに加え、第2ブレーキ70が締結され、これにより、変速機構5の入力軸4及び出力ギヤ7が固定されるインターロック状態が実現される。一方、ニュートラルアイドル制御を実施した際には、第1ブレーキ60と第2ブレーキ70とが締結されると共に、第1クラッチ40がスリップ状態にされ、これにより、変速機構5の出力ギヤ7が固定されるインターロック状態かつニュートラルアイドル状態が実現される。
前記各摩擦要素40〜80の締結制御は油圧によって行われ、自動変速機1には、そのための油圧制御回路90が備えられており、その概略の構成を図3に示している。
この油圧制御回路90には、エンジン出力軸Aによってトルクコンバータ2を介して駆動されるオイルポンプ3(図1参照)から元圧が供給され、この元圧を所定油圧のライン圧に調整するレギュレータバルブ91と、前記ライン圧を選択されたレンジに応じて該油圧制御回路90の変速制御部92における各種ソレノイドバルブ93…93に選択的に供給するマニュアルバルブ94とを備えており、DレンジやRレンジにおいて、前記ソレノイドバルブ93…93の作動に応じて、前記各摩擦要素40〜80に選択的に油圧が供給されることにより、前述の1〜6速と後退速とが実現される。
また、この油圧制御回路90の変速制御部92から第1クラッチ40へ油圧を供給するライン上には第1クラッチ圧センサ95が設けられており、このセンサ95によって第1クラッチ40に実際に供給されている油圧を検出する。
さらに、図4に示すように、この実施形態に係るパワートレインシステムはコントローラ100を有し、このコントローラ100は、運転者によって選択されている自動変速機1のレンジを検出するレンジセンサ101からの信号と、当該車両の車速を検出する車速センサ102からの信号と、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ103からの信号とを入力し、これらの信号に基づき、選択されたレンジや当該車両の運転状態に応じた変速段を決定し、その変速段が実現されるように、前記油圧制御回路90の変速制御部92における各種ソレノイドバルブ93…93に制御信号を出力する。
また、このコントローラ100は、エンジンの冷間始動時に、触媒装置の活性化促進のためのアイドルアップを行うと共に、このアイドルアップを当該車両の発進前におけるPレンジからDレンジへの移行後も行うために変速機構5をインターロック状態とするインターロック制御と、一旦走行後に停車した際に、未だ触媒装置が非活性な場合に、この停車時にもアイドルアップを行うために、第1クラッチ40をスリップさせて変速機構5をニュートラルアイドル状態とするニュートラルアイドル制御とを行うようになっている。
そして、これらの制御用として、前記各センサ101〜103からの信号に加えて、運転者によるブレーキペダルの踏み込みの有無を検出するブレーキセンサ104からの信号と、触媒装置の温度を検出する触媒温度センサ105からの信号と、第1クラッチ圧センサ95からの信号とが入力され、第1クラッチ40に供給される油圧が正規油圧に達するまで、すなわち、前記締結完了判定制御によって第1クラッチ40が締結完了と判定されるまでは、アクセルペダルが踏み込まれた際のアクセルセンサ103からの信号に応じてエンジン回転数が上昇するのを禁止するように、エンジン回転数制御装置110へ制御信号を出力する。
次に、コントローラ100による、前記インターロック制御等を含むエンジンのアイドルアップ制御の具体的動作を、図5のフローチャートに従って説明する。なお、以下の動作は、本発明に係るパワートレインシステムの制御方法に係る第1の実施形態を構成する。
コントローラ100は、自動変速機1のレンジがPレンジの状態でエンジンのイグニッションスイッチがONされたときに制御動作を開始する。まず、ステップS1で、図4に示す各センサ101〜105及び第1クラッチ圧センサ95からの信号を入力し、次いで、ステップS2で、Pレンジで締結される第1ブレーキ60を締結するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。
次に、ステップS3で、車速センサ102の信号から車両が停車している(車速が0km/h)か否かを判定する。そして、車両が停車していると判定したときには、ステップS4で、エンジンのアイドル回転数を上昇させるアイドルアップ要求があるか否かを判定する。
ここで、このアイドルアップ要求は、この実施形態では、触媒温度センサ105からの信号が示す触媒装置の温度が該触媒装置の活性化温度まで上昇していないときに、早期に活性化させる必要上、アイドルアップ要求があると判断する。なお、触媒装置の温度はエンジン始動後の経過時間と共に上昇するので、その経過時間に基づいてアイドルアップ要求があるか否かを判定してもよい。
そして、エンジンの始動直後は触媒温度が低く、アイドルアップ要求があると判定されるので、コントローラ100は、次にステップS5で、前記ステップS3での停車判定時にレンジがDレンジであったか否かを判定する。
また、エンジンの始動直後のレンジはPレンジであるから、前記ステップS5で、停車判定時にDレンジではなかったと判定し、次に、ステップS6で、現在のレンジがRレンジか否かを判定する。Rレンジではない、すなわちPレンジと判定したとき、ステップS7で、図4に示すエンジン回転数制御装置110にアイドルアップするように信号を出力する。これにより、エンジン始動後、走行開始前のPレンジの状態でアイドルアップが行われ、触媒装置の活性化が促進される。一方で、前記ステップS6でRレンジであると判定されると、ステップS8で、エンジン回転数制御装置110にアイドルアップしないようにアイドルアップ禁止の信号を出力する。
次に、ステップS9で、前記ステップS4での停車判定時にレンジがNレンジ(Pレンジも含む)であったか否かを判定し、エンジンの始動直後のレンジはPレンジであるから、前記ステップS9でYESと判定する。
その後、ステップS10で、レンジセンサ101の信号からN−D操作が行われたか否か、すなわち運転者によってNレンジ(Pレンジ)からDレンジにシフト操作が行われたか否かを判定し、N−D操作が行われたと判定するまでは、Pレンジでのアイドルアップを継続する。
ここで、Pレンジの状態でアイドルアップを実施する中、N−D操作が行われると、前記ステップS10で、N−D操作が行われたと判定され、Dレンジの状態でアイドルアップを継続する。その際に、運転者によってブレーキペダルが踏み込まれているか、すなわちブレーキONか否かを、ブレーキセンサ104の信号に基づいてステップS11で判定し、ブレーキONと判定したときは、ステップS14で、後述のインターロック制御を実行する。一方で、前記ステップS11で、ブレーキONではないと判定したときは、運転者による制動意思がなくなったと考え、車両を発進させるため、ステップS12で、第1クラッチ40を締結すると共に、ステップS13で、アイドルアップを禁止するようにエンジン回転数制御装置110に信号を出力する。
一方、一旦走行した後に停車した際に、触媒装置が未だ非活性状態であり、前記ステップS4でアイドルアップ要求があると判定された場合は、停車時はDレンジであるため、前記ステップS5で、停車判定時Dレンジであったと判定され、ステップS15で、ブレーキセンサ104の信号に基づいてブレーキONか否かを判定し、前記ステップS15で、ブレーキONと判定したときは、ステップS16で、後述のニュートラルアイドル制御を実行し、前記ステップS15でブレーキONではないと判定したときは、アイドルアップを禁止するようにエンジン回転数制御装置110に信号を出力する。
次に、図6を参照しながら、インターロック制御時の動作について説明する。
まず、コントローラ100は、ステップS21で、第2ブレーキ70を締結すると共に、ステップS22で、第1クラッチ40を所定低減油圧で締結するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。これにより、変速機構5はインターロック状態となる。このインターロック状態でシフト操作せずにブレーキペダルが踏まれている間は、アイドルアップを継続する。なお、前記所定低減油圧とは、クラッチを確実に締結させる油圧であるが、正規油圧よりも低い油圧である。
そして、Dレンジのままブレーキペダルの踏み込みがなくなる(ブレーキOFF)と、ステップS23で、Nレンジではないと判定し、ステップS24で、ブレーキOFFであると判定して、ステップS25で、エンジン回転数制御装置110にアイドルアップを終了するように信号を出力する。これにより、Dレンジでのアイドルアップが終了される。
次に、ステップS26で、第1クラッチ40に供給される油圧を所定低減油圧から正規油圧に上昇させると共に、ステップS27で、第2ブレーキ70を解放するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。これにより、第1クラッチ40及び第1ブレーキ60が締結されると、変速機構5はインターロック状態が解除されて、自動変速機1は1速の状態となる。
さらに、ステップS28で、第1クラッチ圧センサ95の信号に基づいて、第1クラッチ40に実際に供給されている油圧が正規油圧まで上昇したか否かを判定し、上昇完了と判定するまでは、ステップS29で、運転者がアクセルペダルを踏み込むことによってアクセル踏込量が上昇しても、アクセルセンサ103からの信号に応じてエンジン回転数を上昇させないように、エンジン回転数制御装置110へ制御信号を出力する。なお、上記正規油圧とは、走行時に必要なトルクを伝達可能な締結油圧である。
第1クラッチ40が正規油圧まで上昇すると、前記ステップS28で、上昇完了と判定して、ステップS30で、車速センサ102の信号に基づいて、車両が所定車速(例えば、時速3km/h)以上になったか否かを判定し、所定車速以上になったと判定すると、ステップS31で、ニュートラルアイドル実施条件のフラグを設定(ON)して、図5のメインルーチンに戻る。
一方、前記インターロック状態で、運転者がNレンジへのシフト操作を行うと、前記ステップS23で、Nレンジであると判定され、ステップS32で、第1クラッチ40を解放すると共に、ステップS33で、第2ブレーキ70を解放するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。これにより、油圧制御回路90のマニュアルバルブ94によって両摩擦要素から油圧が同時に排出されて、変速機構5はインターロック状態が解除され、自動変速機1はNレンジの状態となるが、アイドルアップを継続する。その後、図5のメインルーチンに戻る。
次に、図7を参照しながら、ニュートラルアイドル制御時の動作について説明する。
まず、ステップS41で、フラグがONか否かを判定するが、一旦走行して前記ステップS33でフラグを設定しているため、前記ステップS41で、フラグONと判定する。次に、ステップS42で、第2ブレーキ70を締結すると共に、ステップS43で、変速機構5をニュートラルアイドル状態、すなわち、第1クラッチ40に供給される油圧を下げてスリップ状態にするように油圧制御回路90に制御信号を出力する。
これにより、変速機構5は、特に問題が無ければ、アイドルアップを継続しながらニュートラルアイドル状態かつインターロック状態となるが、確認のために、ステップS44で、実際に変速機構5はインターロックが完了しているか否かを判定して、完了していると判定したときに、ステップS45で、エンジン回転数制御装置110にアイドルアップするように信号を出力する。
なお、このインターロック完了判定は、例えば、第2ブレーキ70に供給されている油圧を検出する第2ブレーキ圧センサ(図示しない)を設けて、このセンサからの出力信号をコントローラ100に入力して、第2ブレーキ70に実際に供給されている油圧が正規油圧に達したときをインターロック成立として判定しても良い。
ここで、何らかの異常により、例えば第2ブレーキ70が締結されない場合、前記ステップS44で、インターロックが完了していないと判定され、第2ブレーキ70が締結されてインターロックが完了するまでは、次の前記ステップS45のアイドルアップを実施しない。これにより、確実にインターロック状態でアイドルアップを行うことができるため、インターロック不成立の状態でエンジンが高回転で回転し、大きなクリープ力によって運転者の意に反して車両が発進する、という事態が回避される。
次に、ステップS46で、ブレーキセンサ104の信号からブレーキがOFFか否か、すなわち運転者がブレーキペダルを離しているか否かを判定し、前記ステップS46でブレーキOFFと判定するまでは、変速機構5がニュートラルアイドル状態かつインターロック状態でアイドルアップが継続される。
そして、運転者がブレーキペダルを離して、前記ステップS46で、ブレーキOFFと判定すると、ステップS47で、エンジン回転数制御装置110にアイドルアップを終了するように信号を出力し、ステップS48で、第2ブレーキ70を解放すると共に、ステップ49で、第1クラッチ40を締結するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。これにより、変速機構5はニュートラルアイドル状態及びインターロック状態が解除されて1速の状態となり、運転者のアクセルペダルの踏み込みに応じて発進することになる。
その後、ステップS50で、ニュートラルアイドル実施条件のフラグを解除(OFF)して、図5のメインルーチンに戻る。
なお、一旦走行後にDレンジで停車する場合には、インターロック状態(入力軸4と出力ギヤ7を固定)ではなくニュートラルアイドル状態(出力ギヤ7のみを固定)でアイドルアップを行っているが、この場合には、第1クラッチ40に供給される油圧を低減して締結状態からスリップ状態にする制御を行うため、油圧制御が比較的容易であり、かつ、ニュートラルアイドル状態(第1クラッチ40の摩擦板間のスリップ摩擦によりロス発生)はインターロック状態(トルクコンバータ2内部の作動油の粘性によりロス発生)に比べてエンジンの負荷が小さくなるため、触媒装置をより早く活性化できる、すなわち、エンジン負荷が小さいほど、エンジンのピストンを押し下げる力が小さくて済むので、その分エンジンを触媒装置の活性化に有利な燃焼をさせることができるからである。
以上のようにして、エンジンの冷間始動時等において、アイドルアップ要求がある場合は、運転者がブレーキペダルを踏み込んで自動変速機1をPレンジからDレンジに切り換えた後も、ブレーキペダルが踏み込まれている間は、アイドルアップが継続して実施され、触媒装置の活性化が促進される。また、自動変速機1が走行可能な状態(1速状態)でアイドルアップを行なうことによるクリープ力の増大に対しては、自動変速機1の変速機構5がインターロックされることにより対処され、運転者の意に反した車両の発進が防止される。
さらに、油圧制御回路90が、運転者によるレンジを走行レンジから非走行レンジにするシフト操作に伴うマニュアルバルブ94の作動により、第1クラッチ40と第2ブレーキ70とが同時に排出される構成である場合にも、インターロック制御の際の第1クラッチ40に供給される油圧を正規油圧より低い所定低減油圧として締結したことにより、第1クラッチ40が第2ブレーキ70より早く解放されるため、第2ブレーキ70が解放されて第1クラッチ40がトルク伝達可能な状態、すなわち、自動変速機が1速の状態になることがない。したがって、走行レンジから非走行レンジへの切り換えの瞬間に、乗員に違和感を与えるような前向きのショックが車両に発生するのを防止することができる。
次に、第1の実施形態に係るパワートレインシステムを適用した車両を運転操作した際の車両状態の変化について説明する。
図8は、エンジンの冷間始動直後にN−D操作後、再びNレンジに戻した場合の車両の状態をタイムチャートに表したものである。
当初車両はNレンジにあるため、変速機構5は第1ブレーキ60のみが締結されており(S2)、ブレーキONにより停車して、エンジンの冷間始動直後でアイドルアップ要求がONであるため、エンジンはアイドルアップ回転数で回転している(S7)。なお、このとき、第1クラッチ40が解放されているため、変速機構5の入力軸4は、トルクコンバータ2により連れ回りしてエンジン回転数とほぼ同じ速度で回転している。
このNレンジでのアイドルアップ中に、運転者がN−D操作を行うと、アイドルアップを継続したままインターロック制御が実施され(S14)、第2ブレーキ70が締結されると共に、第1クラッチ40が正規油圧よりも低い所定低減油圧で締結され(S21、S22)、変速機構5はインターロック状態となる。なお、この際に、第1クラッチ40に供給されている油圧が上がるにつれて入力軸4の回転が減速する。
このインターロック状態で、運転者がNレンジに戻すシフト操作を行うと、第1クラッチ40(特許請求の範囲の「発進用摩擦要素」)及び第2ブレーキ70(特許請求の範囲の「所定摩擦要素」)は解放するように指示され(S32、S33)、マニュアルバルブ94によって両摩擦要素40、70から油圧が同時に排出開始されるが、それまで第1クラッチ40は正規油圧よりも低い所定低減油圧で締結されていたため、第1クラッチ40に供給されている油圧が第2ブレーキ70に供給されている油圧よりも早く排出されて、第1クラッチ40が先に解放される。
そのため、変速機構5は、一時的に第1クラッチ40がトルクを伝達可能な状態(1速に似た状態)が生じることなく、アイドルアップを継続したままインターロック状態が解除される。なお、第1クラッチ40が解放されてインターロックが解除されると、入力軸回転数が再び上昇する。
したがって、例えば、車庫から発進させようと一旦Dレンジにシフトさせたが、何らかの理由で発進を思い止まってNレンジに戻したような場合にも、Dレンジで停車中に、変速機構5をインターロック状態にしてアイドルアップを行うことによって、触媒装置の活性化促進のために、Dレンジでのアイドルアップを、意図しない発進等を招くことなく、良好に行うことができる。
また、第1クラッチ40(特許請求の範囲の「発進用摩擦要素」)と第2ブレーキ70(特許請求の範囲の「所定摩擦要素」)への油圧の供給が、油圧源から油圧制御回路90中のマニュアルバルブ94を介して行われ、走行レンジから非走行レンジへの切換時に、マニュアルバルブ94によって両摩擦要素40、70から油圧が同時に排出される構成の場合にも、再びNレンジへ戻した際のショックを防止することができる。
図9は、エンジンの冷間始動直後にN−D操作後もしばらく停車してから発進する場合の車両の状態をタイムチャートに表したものである。
当初のNレンジから、N−D操作後のDレンジでのインターロック状態までは、図8の場合と同じであるため、説明を省略する。
Dレンジでのインターロック状態で、運転者がブレーキペダルから足を離すと、アイドルアップが終了して(S25)、エンジン回転数が減速する。また、第2ブレーキ70を解放する共に、第1クラッチ40に供給する油圧を所定低減油圧から正規油圧に上げる(S26、S27)ように指示されるが、第1クラッチ40に実際に供給されている油圧(以下、「実油圧」という。図9の矢印を参照。)は、指示されてすぐに正規油圧まで上昇せず、正規油圧になるまでにタイムラグがある。
このタイムラグの間は、運転者がアクセルペダルを踏み込んでも、第1クラッチ40の実油圧が、走行時に必要なトルクを伝達可能な締結油圧である正規油圧に達するまでは、アクセル踏込量に応じてエンジン回転数は上昇しない(S29)。なお、仮に、アクセル踏込量に応じてエンジン回転数が上昇するのを制限しない場合、図9の点線グラフ(矢印「上昇制限なし」を参照)のように、アクセル踏込量に応じてエンジン回転数は上昇する。
そして、第1クラッチ40に供給されている油圧が正規油圧まで上昇完了すると、自動変速機1は1速に似た状態となり、運転者のアクセルペダルの踏み込みに応じて、車両が発進可能となる。その後、車両が所定車速以上になると、ニュートラルアイドル実施条件のフラグが設定される(S31)。
したがって、例えば、車庫から発進する際のわずかなDレンジでの停車時間にも、変速機構5を第1クラッチ40を締結しながらインターロック状態にしてアイドルアップを行うことによって、触媒装置の活性化を促進することができる。また、インターロック状態で運転者がブレーキペダルから足を離した際に、アクセル踏込量によらずエンジン回転数が上昇しないように制御することによって、第1クラッチ40に供給されている油圧が低い状態でエンジン出力トルクが増大したときに生じるおそれのある第1クラッチ40でのスリップを防止することできるため、インターロック状態からの良好な発進性を確保できる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る車両のパワートレインシステムは、第1の実施形態に係る車両のパワートレインシステムと同様の構成を有するため、共通する構成に関する図1から図5及び図7の説明を省略する。
図10は、エンジンの冷間始動直後にN−D操作後、Nレンジに戻した場合の車両の状態をタイムチャートに表したものであり、第1の実施形態の図8とは、Nレンジに戻した際の摩擦要素に供給される油圧の制御方法の点でのみ異なる。
第2の実施形態の場合、運転者がNレンジからDレンジにレンジ操作した際に、コントローラ100は、第1クラッチ40及び第2ブレーキ70を共に正規油圧で締結するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。そして、運転者がNレンジへのシフト操作を行うと、第1クラッチ40及び第2ブレーキ70を解放するため、各摩擦要素に供給される油圧を低減するように油圧制御回路90に制御信号を出力するが、この油圧低減の際、第1クラッチ40に供給される油圧の油圧低減速度(図10の矢印c)が第2ブレーキ70に供給される油圧の油圧低減速度(図10の矢印d)よりも早くなるように制御している。
これによれば、実際に第1クラッチ40に供給されている油圧が第2ブレーキ70に供給されている油圧よりも早く抜けるため、第1の実施形態と同様の理由で、Nレンジへ戻した際のショックを防止することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る車両のパワートレインシステムの構成も、第1の実施形態とほとんど共通しており、図1から図5及び図7の説明は、第3の実施形態にも共通する。
図11も、エンジンの冷間始動直後にN−D操作後、Nレンジに戻した場合の車両の状態をタイムチャートに表したものであり、第1の実施形態の図8とは、Nレンジに戻した際の摩擦要素に供給される油圧の制御方法の点でのみ異なる。
第3の実施形態の場合、運転者がNレンジからDレンジにレンジ操作した際に、コントローラ100は、第1クラッチ40及び第2ブレーキ70を共に正規油圧で締結するように油圧制御回路90に制御信号を出力する。そして、運転者がNレンジへのシフト操作を行うと、第1クラッチ40及び第2ブレーキ70を解放するため、各摩擦要素に供給される油圧を低減するように油圧制御回路90に制御信号を出力するが、この油圧低減の際、第1クラッチ40を解放(図11の矢印e)してから所定時間経過後、第2ブレーキ70を解放(図11の矢印f)するように制御している。
これによれば、実際に第1クラッチ40に供給されている油圧が第2ブレーキ70に供給されている油圧よりも早く抜けるため、第3の実施形態も第1の実施形態と同様の理由で、Nレンジへ戻した際のショックを防止することができる。
なお、本発明は例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明によれば、エンジンと変速機構との間に流体伝動装置が配設され、エンジンの排気通路に触媒装置が配設された車両のパワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステムにおいて、非走行レンジから走行レンジへの切換後もアイドルアップを継続して実行可能とすると共に、再び非走行レンジへ戻した際のショックを防止することができるので、この種の車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動変速機
2 トルクコンバータ(流体伝動装置)
5 変速機構
40 発進用摩擦要素(第1クラッチ)
70 所定摩擦要素(第2ブレーキ)
100 コントローラ

Claims (5)

  1. エンジンと、複数の摩擦要素を含む変速機構及び該変速機構にエンジン出力を伝達する流体伝動装置を有する自動変速機と、を備えた車両のパワートレインシステムの制御方法であって、前記エンジンの排気経路上に触媒装置が配設されている場合に、
    前記エンジンのアイドル運転時に、前記触媒装置が非活性状態にあるときは、活性状態にあるときに比べてエンジン回転数を高くするアイドルアップステップと、
    前記アイドルアップステップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求があり、かつ、前記自動変速機のレンジが走行レンジであるときに、前記変速機構における発進用摩擦要素以外の所定摩擦要素を締結することにより、該変速機構をインターロック状態とするインターロックステップと、
    前記インターロックステップの実施中において、前記自動変速機のレンジが非走行レンジとなるときに、前記発進用摩擦要素を前記所定摩擦要素よりも早く解放するインターロック解除ステップと、
    を実施することを特徴とするパワートレインシステムの制御方法。
  2. 前記インターロックステップでは、前記発進用摩擦要素に供給される油圧を走行レンジでの正規油圧よりも低い所定低減油圧に設定し、
    前記インターロック解除ステップでは、前記発進用摩擦要素及び前記所定摩擦要素に供給されている油圧を排出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワートレインシステムの制御方法。
  3. 前記インターロックステップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求が解除されたときに、前記アイドルアップステップを終了し、かつ、前記発進用摩擦要素に供給される油圧を前記所定低減油圧から前記正規油圧に上昇させると共に、その後の運転者によるアクセルペダルの踏み込みによるエンジン回転数の上昇を、前記発進用摩擦要素に供給されている油圧が前記正規油圧に達するまで抑制する
    ことを特徴とする請求項2に記載のパワートレインシステムの制御方法。
  4. 前記自動変速機は、油圧制御回路に備えられたマニュアルバルブの走行レンジから非走行レンジへの操作に伴う作動により、前記発進用摩擦要素と前記所定摩擦要素に供給されている油圧が排出されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパワートレインシステムの制御方法。
  5. エンジンと、複数の摩擦要素を含む変速機構及び該変速機構にエンジン出力を伝達する流体伝動装置を有する自動変速機と、を備えた車両のパワートレインシステムであって、前記エンジンの排気経路上に触媒装置が配設されている場合に、
    前記エンジンのアイドル運転時に、前記触媒装置が非活性状態にあるときは、活性状態にあるときに比べてエンジン回転数を高くするアイドルアップを実施し、
    前記アイドルアップの実施中において、運転者による前記車両に対する制動要求があり、かつ、前記自動変速機のレンジが走行レンジであるときに、前記変速機構における発進用摩擦要素以外の所定摩擦要素を締結することにより、該変速機構をインターロック状態とし、
    前記インターロック状態において、前記自動変速機のレンジが非走行レンジとなるときに、前記発進用摩擦要素を前記所定摩擦要素よりも早く解放するコントローラを備えた
    ことを特徴とするパワートレインシステム。
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