JP6007565B2 - ラミネートチューブ用多層フィルムおよび該多層フィルムを用いたラミネートチューブ - Google Patents

ラミネートチューブ用多層フィルムおよび該多層フィルムを用いたラミネートチューブ Download PDF

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Description

本発明は、ペースト状物に代表される流体ないし半流体の内容物を収納するラミネートチューブに関する。更に詳しくは、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性、保香性、柔軟性に優れたラミネートチューブ用多層フィルムおよび該多層フィルムを用いたラミネートチューブに関するものである。
ラミネートチューブには、練り歯磨き、化粧品、食品などのペースト状物を長期保存するために、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性などのガスバリア性、保香性などの特性が求められている。これらの特性を満たすために、アルミニウム箔を使用した積層材料が一般的に用いられている。しかし、使用後、廃棄ゴミとして焼却処理する場合、その焼却適性に欠け、廃棄処理の問題がある。そして、異物混入の有無を検査するための金属探知機が使用できない問題もある。
また、ガスバリア材料として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用した積層材料においては、酸素ガスバリア、水蒸気バリアなどのガスバリア性は、所期の効果を発現するが、廃棄処理する際、焼却廃棄時に、例えば、有毒なガスなどを発生する原因となる場合がある。
またポリビニルアルコール系樹脂フィルム、あるいは、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムなどを使用した積層材料においては、酸素ガスバリア性は所期の効果を発現するが、水蒸気バリア性は、乾燥状態では所期の効果を発現するが、湿潤状態では所期の効果を発現できない問題がある。
これらの問題点を解決するために、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムとポリエステルフィルムを積層した積層体を用いたチューブの提案がある(特許文献1)。
ガスバリア性と保香性を向上させるための提案であるが、酸素ガスバリア性、保香性は良好であるが、湿潤状態での水蒸気バリア性の向上はみられない。
またガスバリア材料として、無機酸化物を蒸着したポリエステルフィルムを積層する提案がされている。安定したガスバリア性を発現させるために、ポリエステルフィルムと無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とからなる積層材料をガスバリアフィルムとして使用する提案がある(特許文献2)。
しかし、チューブとしての取り扱い性から、積層材料を押し潰す機会が多いことから、無機酸化物の蒸着層にクラックが入り易く、ガスバリア性を低下させる恐れがある。またベース基材がポリエステルフィルムであるために、例えば、ポリエチレンフィルムと貼り合わせるためには、接着剤が必要となり、内容物によっては、接着剤の劣化が懸念される。
ガスバリア性、特に湿潤状態での水蒸気バリア性に優れ、また内容物の充填適性、使用後の廃棄処理適性などにも優れたラミネートチューブ用多層フィルムおよび該多層フィルムを用いたラミネートチューブが求められている。
特開平7−187204号公報 特開2005−144812号公報
本発明は、このような問題点を解決するものであって、ガスバリア性、特に湿潤状態での水蒸気バリア性に優れ、かつ使用後の廃棄処理適性にも優れたラミネートチューブ用多層フィルムおよび該多層フィルムを用いたラミネートチューブを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。
本発明の請求項1に係る発明は、ラミネートチューブ用多層フィルムであって、少なくとも、基材層/ガスバリア層/シーラント層が順に積層された多層フィルムからなり、
前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層単体もしくは直鎖状低密度ポリエチレ
ン樹脂層を主体とする積層体で形成され、
前記ガスバリア層が、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層が積層された共押出しフィルムから形成され、
前記シーラント層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/高密度ポリエチレン樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層された三層フィルムであり、
前記ガスバリア層における共押出しフィルムが、接着層2/接着性樹脂層/エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着性樹脂層/接着層3の順で積層された五層フィルムであり、
前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/接着層1/着色低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層されており、
前記接着層1〜3の接着層が、ポリエチレン樹脂層からなることを特徴とするラミネートチューブ用多層フィルムである。
本発明の請求項に係る発明は、前記接着層1〜3のいずれかの接着層が、高密度ポリエチレン樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネートチューブ用多層フィルムである。
本発明の請求項に係る発明は、請求項1または2に記載のラミネートチューブ用多層フィルムを用いたラミネートチューブである。
本発明のラミネートチューブ用多層フィルムは、ガスバリア層に、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層が積層された共押出しフィルムを使用したものである。この場合、ガスバリア性の中、酸素バリア性については十分であるが、水蒸気バリア性については、まだ不十分なものであった。そこで、特に湿潤状態での水蒸気バリア性を向上させるべき、多層フィルムに形成されるシーラント層を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/高密度ポリエチレン樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層、の順で積層された三層フィルムにしたものである。高密度ポリエチレン樹脂層を積層することで、湿潤状態での水蒸気バリア性を向上させることができる。また多層フィルムの剛性、例えば、腰強度も向上させることができる。
本発明の請求項1によれば、本発明の多層フィルムは、ガスバリア層に、エチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと記す)樹脂層が積層された共押出しフィルムを使用したものである。EVOH樹脂層は、酸素バリア性については十分であるが、特に湿潤状態での水蒸気バリア性については不十分である。これを解決するために、シーラント層に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/高密度ポリエチレン樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層された三層フィルムを使用することで、湿潤状態での水蒸気バリア性を向上させたものである。高密度ポリエチレン樹脂層を積層することで、湿潤状態での水蒸気バリア性を向上させることができる。(以下、水蒸気バリア性とは、湿潤状態での水蒸気バリア性を意味する)。
シーラント層の内層である直線状低密度ポリエチレン層は、内容物の芳香成分の吸着量が低減し、保香性を向上させる効果を有している。また基材層を形成する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と熱接着する。
また本発明の請求項によれば、ガスバリア層における共押出しフィルムは、接着層2/接着性樹脂層/EVOH樹脂層/接着性樹脂層/接着層3の順で積層された五層フィルムである。EVOH樹脂層は、単体では、吸湿するなどして取り扱いがし難い面を持っている。これに対して、接着性樹脂層と接着層と共に共押出しすることで取り扱いがし易くなる。共押出しフィルムとしては、EVOH樹脂層層との接着性を有する接着性樹脂層と、基材層の着色低蜜度ポリエチレン樹脂層およびシーラント層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と熱接着する接着層2、接着層3を、上記したような順で共押出しされた五層フィルムで形成したものが好ましい。
また本発明の請求項によれば、基材層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/接着層1/着色低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層されていることにより、多層フィルムの隠蔽性付与および可撓性を向上させることができる。
また本発明の請求項によれば、接着層1〜3の接着層が、ポリエチレン樹脂層からなることにより、基材層、ガスバリア層、シーラント層を熱接着させることができる。多層フィルムは、接着剤を使用しないために内容物による接着剤の劣化の心配がなく、かつ柔軟性があり、可撓性を有している。また加工工程も簡略化でき、生産性が向上する。
本発明の請求項によれば、接着層1〜3のいずれかの接着層を、高密度ポリエチレン樹脂層にすることで、更に水蒸気バリア性を向上させることができる。
本発明の請求項によれば、請求項1または2に記載のラミネートチューブ用多層フィルムを用いたラミネートチューブである。本発明のラミネートチューブは、ガスバリア性に優れ、特に水蒸気バリア性にも優れている。また保香性、隠蔽性、可撓性、耐内容物性、シール性などの物性も優れている。
本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明のラミネートチューブの組み立ての一例を示す説明図である。 本発明のラミネートチューブの一例を示す説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。ラミネートチューブ用多層フィルム50である。基材層Aは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層1、接着層a、着色低密度ポリエチレン層4が積層され形成される。接着層aは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層1と着色低密度ポリエチレン層4を押出しラミネートする低密度ポリエチレン層2からなっている。
ガスバリア層Bは、接着層b/接着性樹脂層5/EVOH樹脂層6/接着性樹脂層5/接着層cからなる共押出しされた五層のフィルムからなっている。また、接着層b、接着層cは、共に低密度ポリエチレン樹脂層2から形成されている。
シーラント層Cは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層1/高密度ポリエチレン樹脂層3/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層1からなる共押出しされた三層のフィルムからなっている。
基材層の着色低密度ポリエチレン層4の面と接着層bの面を、また接着層cの面とシーラント層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層1の面をそれぞれ熱接着し、基材層Aとガスバリア層Bとシーラント層Cを積層してラミネートチューブ用積層フィルム50が形成される。即ち、多層フィルム50は、接着剤を使用しないで熱接着され形成される。
図2は、本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。図1の多層フィルム50の基材層Aを形成する接着層aの低密度ポリエチレン樹脂層を高密度ポリエチレン樹脂層3にした一例を示したものである。
図3は、多層フィルムの一例を示す断面図である。図1の多層フィルム50の接着層2bの低密度ポリエチレン樹脂層を高密度ポリエチレン樹脂層3にした一例を示したものである。
図4は、本発明のラミネートチューブの組み立ての一例を示す説明図である。多層フィルムの本体胴部20と、インジェクション成形、またはコンプレッション成形された首部21と、首部の開口先端部22を熱接着するシール材23と、キャップ24から形成されている。本体胴部20の一方の開口部に該首部21を挿入し、熱接着して一体化させる。そして、首部の開口先端部22にシール材23を熱接着し、その後、キャップ24を首部に螺合する。
図5は、本発明のラミネートチューブの一例を示す説明図である。キャップ24を首部に螺合したラミネートチューブの他方の開口部より内容物を適量分だけ充填し、開口部の端部を熱接着し、内容物を密封したラミネートチューブ60が形成される。
本発明の実施する形態を更に詳しく説明する。
基材層を形成する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の他に、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、エチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂に不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などが使用できる。中でも直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層が、柔軟性に優れ、印刷適性に優れることから好ましい。またインキによる印刷層を設けることができる。フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷など公知の印刷方法を使用することができる。また直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層は、チューブを形成する際には、シーラント層の内面の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と熱接着される。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を形成するには、Tダイ押出し法、インフレーション法などの成形法を用いて製膜が可能である。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚としては、25〜100μmの範囲がよく、好ましくは30〜80μmの範囲が好ましい。
また基材層を形成する着色低密度ポリエチレン樹脂層は、隠蔽性の為に必要である。特に、乳白低密度ポリエチレン樹脂層が使用される。隠蔽性には、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天然珪酸、合成珪酸(ホワイトカーボン)などの無機酸化物、または有機系顔料を、樹脂に練り込むことにより付与できるが、中でも隠蔽性、分散性の点から酸化チタンが好ましい。無機酸化物が練り込まれた低密度ポリエチレン樹脂をTダイ押出し法やインフレーション法などの成形法を用いてフィルム成形して、乳白低密度ポリエチレン樹脂層を形成することができる。乳白低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚としては、50〜300μmの範囲がよく、好ましくは60〜200μmの範囲が好ましい。また、乳白低密度ポリエチレン層を着色せず透明にしても構わない。該透明低密度ポリエチレン層を使用することで、ガスバリア層およびシーラント層も透明であることから内容物を視認できる効果が出る。
基材層を形成する低密度ポリエチレン樹脂層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と着色低密度ポリエチレン樹脂層を貼りあわせるために使用する。該低密度ポリエチレン樹脂層は、Tダイ押出し成形機により押出し、サンドポリにてラミネート加工される。低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚としては、15〜60μmの範囲がよく、特に20〜60μmの範囲が好ましい。
ガスバリア層であるEVOH樹脂層は、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性、保香性を有している。EVOH樹脂は、エチレンとビニルアルコールとの共重合体であり公知のものである。その共重合比は、モル比でビニルアルコールの多いものが好ましい。その比率は、エチレンが20〜50モル%で、ビニルアルコールが80〜50モル%の範囲内のものを用いるのが好ましい。EVOH樹脂層の膜厚としては、7〜20μmの範囲がよく、特に8〜12μmの範囲が好ましい。
ガスバリア層は、基材層の着色低密度ポリエチレン樹脂層と、シーラント層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層とに熱接着するべく、低密度ポリエチレン樹脂層/接着性樹脂層/EVOH樹脂層/接着性樹脂層/低密度ポリエチレン樹脂層の順に共押出しされた五層フィルムで形成させる。
接着性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が使用される。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸・アクリル酸エチル三元共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、エチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂に不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などが使用できる。一例としてエチレンを主体とし、これに無水マレイン酸、アクリル酸エ
チルのいずれか、または無水マレイン酸およびアクリル酸エチルの共重合体を用い、三次元共重合体フィルムとしたものを使用できる。またアクリル酸エチルの代わりに酢酸ビニルを用いた三次元共重合体フィルムを使用することもできる。接着樹脂層の膜厚としては、3〜10μmの範囲が好ましい。特に4〜7μmの範囲が好ましい。また共押出しされる低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚としては、10〜20μmの範囲が好ましい。
基材層を形成する低密度ポリエチレン樹脂層、ガスバリア層を形成する低密度ポリエチレン樹脂層のいずれかを高密度ポリエチレン樹脂層にすることで、さらに水蒸気バリア性を向上させることができる。また低密度ポリエチレン樹脂層を、高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂からなる樹脂層であってもよい。高密度ポリエチレン樹脂の密度が0.950g/cm以上あれば好ましい。
シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/高密度ポリエチレン樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の順で共押出しされた三層フィルムから形成される。高密度ポリエチレン樹脂の密度が0.950g/cm以上あれば好ましい。また高密度ポリエチレン樹脂層の膜厚としては、シーラント層の膜厚に対して20〜70%が好ましい。好ましくは30〜60%が好ましい。20%未満の場合や、70%を超えるとTダイ押出し成形での製膜がし難い問題がある。またシーラント層の膜厚としては、30〜300μmの範囲がよく、特に80〜200μmの範囲が好ましい。また高密度ポリエチレン樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂から形成された樹脂層であってもよい。この際は、水蒸気バリア性ならびに前述した諸物性を確認して混合比率を決めて行えばよい。
本発明のラミネートチューブ用多層フィルムを用いたラミネートチューブは、ガスバリア性、保香性、隠蔽性、加工性、スクイズ性、耐内容物適性、充填適性、シール性、印刷適性などを有している。
次に本発明のラミネートチューブ用多層フィルムを用いたラミネートチューブの製造する一例を説明する。
ラミネートチューブ用多層フィルムを、チューブの本体胴部を形成するサイズに裁断し、チューブ用包材として形成する。該チューブ用包材の両端部を重ね合わせて、その重合部分の基材層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層面とシーラント層の内面の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層面とを熱接着して筒状胴部を形成する。次いで、筒状胴部の一方の開口部に、例えば、インジェクション成形法やコンプレッション成形法などの公知の方法によって成形した首部を、該開口部に挿入し熱接着し、さらに該首部の開口先端部にシール材を熱接着し、その後キャップを螺合させてチューブを製造する。
次に、キャップを螺合したチューブの他方の開口部より、例えば、練り歯磨き、その他の内容物を適量分だけ充填し、しかる後に、該開口部の端部を熱接着して密封し、内容物を収納したチューブが製造される。チューブに収納された製品が製造される。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
基材層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム60μmと、乳白色低密度ポリエチレンフィルム100μmを、低密度ポリエチレン樹脂を用いてサンドポリ加工した。低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚を40μmにて作成した。
次に、EVOH樹脂として、エチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%の樹脂、接着性樹脂層としてエチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂
、低密度ポリエチレン樹脂を共押出し機にて共押出しして五層フィルムを作成した。該五層フィルムの構成は、低密度ポリエチレン樹脂層15μm/接着性樹脂層5μm/EVOH樹脂層10μm/接着性樹脂層5μm/低密度ポリエチレン樹脂層15μmである。ガスバリア層の膜厚は、50μmであった。
次にシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を使用し、共押出し機にて共押出しして三層フィルムを作成した。該三層フィルムの構成は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層25μm/高密度ポリエチレン樹脂層50μm/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層25μmである。シーラント層の膜厚は、100μmであった。
次に基材層の乳白色低密度ポリエチレンフィルムとガスバリア層の低密度ポリエチレン樹脂層、ガスバリア層の一方の低密度ポリエチレン樹脂層とシーラント層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、を熱接着して積層し、多層フィルムを作成した。
基材層を形成する低密度ポリエチレン樹脂層を高密度ポリエチレン樹脂層とした以外は、実施例1と同様に行い、多層フィルムを作成した。
以下に、本発明の具体的比較例について説明する。
<比較例1>
シーラント層を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いてTダイ押出し機にて単層にて押出し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚100μmにした以外は、実施例1と同様に行い、多層フィルムを作成した。
<比較例2>
シーラント層を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いてTダイ押出し機にて単層にて押出し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の膜厚100μmにした以外は、実施例2と同様に行い多層フィルムを作成した。
実施例1〜2、比較例1〜2の多層フィルムを用い、以下の測定を行った。
<水蒸気バリア性>
モダンコントロール社製 MOCON PERMATRAN W3/33を用いて測定を行った。測定環境は、40℃、90%RHで行った。
<腰強度>
ループスティフネス測定値である。測定方法は、幅15mm、長さ120mmの短冊状のサンプルでループを作り、押し潰し距離20mm、圧縮速度3.5mm/秒にてループを潰し、該ループの反発力を測定し、腰強度とした。測定装置としては、ループスティフネステスター{(株)東洋精機製作所製}を使用した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0006007565
実施例1〜2から、高密度ポリエチレン樹脂層を積層することで水蒸気バリア性が向上した。また高密度ポリエチレン樹脂層により、腰強度も向上した。特に多層フィルムを用いたラミネートチューブでは、スクイズ性も向上した。
本発明のラミネートチューブ用多層フィルムを使用したラミネートチューブは、湿潤状
態での水蒸気バリア性を有している。よって該ラミネートチューブに収納する内容物の種類を拡大することができる。例えば、ボイル殺菌食品、セミレトルト殺菌食品、レトルト殺菌食品などにも利用できる。
A 基材層
B ガスバリア層
C シーラント層
a 接着層1
b 接着層2
c 接着層3
1 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層
2 低密度ポリエチレン樹脂層
3 高密度ポリエチレン樹脂層
4 着色低密度ポリエチレン樹脂層
5 接着性樹脂層
6 EVOH樹脂層
20 本体胴部
21 首部
22 開口先端部
23 シール材
24 キャップ
50 ラミネートチューブ用多層フィルム
60 ラミネートチューブ

Claims (3)

  1. ラミネートチューブ用多層フィルムであって、少なくとも、基材層/ガスバリア層/シーラント層が順に積層された多層フィルムからなり、
    前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層単体もしくは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を主体とする積層体で形成され、
    前記ガスバリア層が、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層が積層された共押出しフィルムから形成され、
    前記シーラント層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/高密度ポリエチレン樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層された三層フィルムであり、
    前記ガスバリア層における共押出しフィルムが、接着層2/接着性樹脂層/エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層/接着性樹脂層/接着層3の順で積層された五層フィルムであり、
    前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/接着層1/着色低密度ポリエチレン樹脂層の順で積層されており、
    前記接着層1〜3の接着層が、ポリエチレン樹脂層からなることを特徴とするラミネートチューブ用多層フィルム。
  2. 前記接着層1〜3のいずれかの接着層が、高密度ポリエチレン樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネートチューブ用多層フィルム。
  3. 請求項1または2に記載のラミネートチューブ用多層フィルムを用いたラミネートチューブ。
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