JP6006553B2 - 組換えクラミドモナス属及びそれを用いたラウリン酸高含有油脂の製造方法 - Google Patents

組換えクラミドモナス属及びそれを用いたラウリン酸高含有油脂の製造方法 Download PDF

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本発明は、組換えクラミドモナス属及びそれを用いたラウリン酸高含有油脂の製造方法に関する。
ラウリン酸は、界面活性剤や、石鹸、シャンプーなどの原料として一般的に使用されている脂肪酸であり、ヤシ油およびパーム核油から主に製造される。しかし、ヤシ油およびパーム核油の原料であるココナツやアブラヤシは、限られた地域でしか栽培できないため、十分な量を確保することが難しい。ココナツやアブラヤシ以外のラウリン酸の原料を開発することが求められている。
近年、藻類を利用した油脂生産技術が注目されている。藻類は、成長が早いこと、容易に培養できること、CO2の固定化効率が高いこと、生産された油脂を容易に回収できること、培養や油脂回収に係るコストが低いことなどから、有用な油脂供給源である。
さらに最近、油脂生産性が向上するように遺伝的に改変された藻類が知られている。特許文献1には、脂肪酸アシルACPチオエステラーゼ、脂肪酸アシルCoA還元酵素、脂肪酸アルデヒド還元酵素、脂肪酸アシルCoA/アルデヒド還元酵素、脂肪酸アルデヒドデカルボキシラーゼおよびアシル担体タンパク質を備える群から選択される一つまたは複数のタンパク質をコードする外来遺伝子を導入した石油生産微生物が開示されている。
アシルACPチオエステラーゼは、葉緑体中でアシル−ACPのチオエステル結合を加水分解して脂肪酸を生成させる酵素である。アシルACPチオエステラーゼには、脂肪酸の鎖長に対する特異性が異なる種々のタイプが存在する。特定の鎖長に特異的なアシルACPチオエステラーゼを導入した細胞で、特定の鎖長の脂肪酸を選択的に合成させることができる。例えば、特許文献2には、維管束のない光合成微生物にアシルACPチオエステラーゼを導入することにより、当該微生物のC10〜C18脂肪酸の生産性を向上させる方法が開示されている。また特許文献3には、鎖長C8〜C14のアシル−ACPを特異的に加水分解するアシルACPチオエステラーゼをコードする外来遺伝子を導入した組換えプロトテカ属細胞が開示されている。
藻類は、一般に、トリアシルグリセロール(TAG)として油脂を蓄積する。TAGは、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)によるアシル化により、ジアシルグリセロール(DAG)から変換される。DGATには複数のタイプが存在することが知られている。例えば、Chlamydomonas reinhardtiiには、DGAT1、および4種類のDGAT2(DGAT2−1、DGAT2−2、DGAT2−3、DGAT2−4)が存在していること知られており、DGAT2−1〜3は、窒素欠乏条件化でmRNA量が増加することが報告されている(非特許文献1)。特許文献4には、DGAT2を過剰発現させたC.reinhardtiiを用いてTAGを製造する方法が開示されている。特許文献5には、脂質合成抑制遺伝子が破壊または機能低下しているとともにSaccharomyces cerevisiaeのDGA1遺伝子が導入された、高脂質生産性微生物が開示されている。特許文献6には、Thalassiosira pseudonanaのDGAT2遺伝子を植物に導入することによる当該植物の超長鎖多価不飽和脂肪酸の量を変化させる方法が開示されている。
国際公開公報第2008/151149号 国際公開公報第2010/019813号 国際公開公報第2010/063032号 国際公開公報第2011/156520号 特開2007−209240号公報 国際公開公報第2009/085169号
Plant Physiol., 2010, 154:1737-1752
本発明は、ラウリン酸を高生産することができる組換えクラミドモナス属およびその製造方法、ならびに当該組換えクラミドモナス属を用いたラウリン酸高含有油脂の製造方法に関する。
本発明者は、ラウリン酸を効率良く生産することができる組換え細胞の開発を進めた。その結果、本発明者は、特定のアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、特定のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4(DGAT2−4)をコードする遺伝子とを組み合わせて導入した組換えクラミドモナス属細胞が、当該アシルACPチオエステラーゼ遺伝子を単独で導入した組換えクラミドモナス属細胞と比較して、ラウリン酸を効率よく生産することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下を提供する、
アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とが導入されている組換えクラミドモナス属細胞であって、
当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択され、且つ
当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
(d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と70%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
(g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、組換えクラミドモナス属細胞。
また本発明は、以下を提供する、
クラミドモナス属細胞に、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とを導入する工程を含む、組換えクラミドモナス属細胞の製造方法であって
当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択され、且つ
当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
(d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と70%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
(g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、方法。
また本発明は、上記組換えクラミドモナス属細胞を用いるラウリン酸含有油脂の製造方法を提供する。
また本発明は、上記組換えクラミドモナス属細胞により製造された油脂を用いる、ラウリン酸の製造方法を提供する。
本発明の組換えクラミドモナス属は高いラウリン酸生産能を有する。本発明の組換えクラミドモナス属を用いることによりラウリン酸高含有油脂を効率よく製造することが可能になる。
組換えクラミドモナス属に生産された脂肪酸中におけるラウリン酸の割合。 組換えクラミドモナス属に生産された脂肪酸中における各種脂肪酸の割合。 組換えクラミドモナス属の脂肪酸およびTAG生産量。
本明細書において、アミノ酸配列及びヌクレオチド配列の同一性(または配列同一性とも称される)は、Lipman−Pearson法(Lipman,DJ.,Pearson.WR.:Science,227,1435−1441,1985)によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
本明細書において、別途定義されない限り、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列におけるアミノ酸または塩基の欠失、置換、付加または挿入に関して使用される「1または複数個」とは、例えば、1〜50個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個であり得る。また本明細書において、アミノ酸または塩基の「付加」には、配列の一末端および両末端への1〜数個のアミノ酸または塩基の付加が含まれる。
本明細書において、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列における「相当する位置」または「相当する領域」は、目的アミノ酸配列を参照配列と比較し、各アミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えるように配列を整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,(1994)Nucleic Acids Res.22,p.4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。Clustal Wは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI,[www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ,[www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
本明細書において、ハイブリダイゼーションに関する「ストリンジェントな条件」としては、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION(Joseph Sambrook,David W.Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001)記載の条件が挙げられ、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mLニシン精子DNAを含む溶液にプローブとともに65℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件であり得る。
本明細書において、遺伝子の上流及び下流とは、それぞれ、対象として捉えている遺伝子または領域の5’側及び3’側に続く領域を示す。別途定義されない限り、遺伝子の上流及び下流とは、遺伝子の翻訳開始点からの上流領域及び下流領域には限定されない。
本明細書において、タンパク質またはポリペプチドの「C12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性」とは、葉緑体中でアシル−ACPのチオエステル結合を加水分解してC12脂肪酸を選択的に合成する活性をいう。
本明細書において、タンパク質またはポリペプチドの「ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性」とは、ジアシルグリセロール(DAG)をアシル化してトリアシルグリセロール(TAG)に変換する活性をいう。
本発明の組換えクラミドモナス属細胞は、親クラミドモナス属細胞に、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とを導入することによって作製される。
本発明の組換えクラミドモナス属細胞の親株となるクラミドモナス属細胞としては、任意のクラミドモナス属細胞であればよいが、Chlamydomonas reinhardtiiが好ましい。好ましいChlamydomonas reinhardtiiとしては、CC−125株、CC−425株、FUD7株などが挙げられる。このうち、葉緑体ゲノムに存在するpsbA遺伝子(光化学系II反応中心コアタンパク質D1をコードする遺伝子)が欠損した株であるFUD7株がさらに好ましい。上述したChlamydomonas reinhardtii株は、いずれも、Duke UniversityのChlamydomonas Centerより入手可能である。
本発明において、上記親株に導入される遺伝子がコードするアシルACPチオエステラーゼの例としては、配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。上記アシルACPチオエステラーゼの別の例としては、配列番号2に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。上記アシルACPチオエステラーゼのさらに別の例としては、配列番号2に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。
さらに、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子を葉緑体ゲノムに導入する場合、当該アシルACPチオエステラーゼの葉緑体移行シグナルペプチドは削除されていることが好ましい。配列番号2で示されるアシルACPチオエステラーゼの場合、そのアミノ酸配列の1〜83番アミノ酸が、葉緑体移行シグナルペプチドである。したがって、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼのうち、配列番号2で示されるアミノ酸配列の1〜83番アミノ酸、またはそれに対応する領域が削除されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子が、葉緑体ゲノムに導入する遺伝子として好ましい。
あるいは、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子を核ゲノムに導入する場合、上述の葉緑体移行シグナルペプチドの削除に加え、親株となるクラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドが、当該アシルACPチオエステラーゼに付加されていることが好ましい。クラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドの好ましい例としては、Chlamydomonas reinhardtii由来Ferredoxinの葉緑体移行シグナルペプチドが挙げられる。したがって、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼのうち、配列番号2で示されるアミノ酸配列の1〜83番アミノ酸、またはそれに対応する領域が削除されており、且つChlamydomonas reinhardtii由来Ferredoxinの葉緑体移行シグナルペプチドがその上流に付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子が、核ゲノムに導入する遺伝子として好ましい。
葉緑体移行シグナルペプチドが欠失したアシルACPチオエステラーゼの例としては、配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。配列番号4のアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列から、その葉緑体移行シグナルペプチド(1〜83番アミノ酸)が削除された配列に相当する。
したがって、本発明において上記親クラミドモナス属細胞に導入されるアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子としては、以下が挙げられる:
(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
上記(a)〜(c)のうち、好ましい例としては、以下が挙げられる:
(a')配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b')配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有し、葉緑体移行シグナルペプチドを有さないポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c')配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有し、葉緑体移行シグナルペプチドを有さないポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
これらの遺伝子は、親クラミドモナス属細胞の葉緑体ゲノムに導入する遺伝子として好適である。
上記(a)〜(c)の別の好ましい例としては、以下が挙げられる:
(a'')配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b'')配列番号2に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c'')配列番号2に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
上記(a)〜(c)のさらに別の好ましい例としては、上記(a)〜(c)または(a')〜(c')のポリヌクレオチドの上流に、クラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドが付加されたポリヌクレオチドが挙げられる。これらのポリヌクレオチドは、親クラミドモナス属細胞の核ゲノムに導入する遺伝子として好適である。クラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、Chlamydomonas reinhardtii由来Ferredoxinの葉緑体移行シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド(GenBank: AAA33085.1に記載されている配列のうち、移行シグナルとされている1〜32塩基:配列番号20)が挙げられる。
さらに、上記(a)〜(c)のポリヌクレオチドのうち、下記に示される配列番号4のアミノ酸配列上の位置又はそれに相当する位置において、下記に示されるアミノ酸残基を有し、且つチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが好ましい。
位置 アミノ酸残基
80位またはそれに相当する位置 トリプトファン
197位またはそれに相当する位置 アスパラギン酸
199位またはそれに相当する位置 アスパラギン
201位またはそれに相当する位置 ヒスチジン
207位またはそれに相当する位置 チロシン
さらに、上記ポリヌクレオチドのうち、下記に示される配列番号4のアミノ酸配列上の位置又はそれに相当する位置において、下記に示されるアミノ酸残基をさらに有し、且つチオエステラーゼ活性をコードするポリヌクレオチドがより好ましい。
位置 アミノ酸残基
30位またはそれに相当する位置 アルギニン
31位またはそれに相当する位置 セリン
33位またはそれに相当する位置 グルタミン酸
35位またはそれに相当する位置 グリシン
37位またはそれに相当する位置 アスパラギン酸
47位またはそれに相当する位置 アスパラギン
50位またはそれに相当する位置 グルタミン
55位またはそれに相当する位置 アスパラギン
61位またはそれに相当する位置 グリシン
66位またはそれに相当する位置 グリシン
68位またはそれに相当する位置 グリシン
70位またはそれに相当する位置 スレオニン
73位またはそれに相当する位置 メチオニン
78位またはそれに相当する位置 ロイシン
81位またはそれに相当する位置 バリン
92位またはそれに相当する位置 チロシン
95位またはそれに相当する位置 トリプトファン
104位またはそれに相当する位置 トリプトファン
109位またはそれに相当する位置 グリシン
133位またはそれに相当する位置 セリン
138位またはそれに相当する位置 メチオニン
143位またはそれに相当する位置 アルギニン
173位またはそれに相当する位置 リジン
188位またはそれに相当する位置 グリシン
189位またはそれに相当する位置 ロイシン
191位またはそれに相当する位置 プロリン
193位またはそれに相当する位置 トリプトファン
195位またはそれに相当する位置 アスパラギン酸
202位またはそれに相当する位置 バリン
206位またはそれに相当する位置 リジン
210位またはそれに相当する位置 トリプトファン
216位またはそれに相当する位置 プロリン
232位またはそれに相当する位置 チロシン
235位またはそれに相当する位置 グルタミン酸
244位またはそれに相当する位置 セリン
261位またはそれに相当する位置 ヒスチジン
278位またはそれに相当する位置 トリプトファン
本発明において上記親クラミドモナス属細胞に導入される遺伝子がコードするアシルACPチオエステラーゼの例としては、下記に挙げるC12:0特異的アシルACPチオエステラーゼが挙げられる:Umbellularia californicaアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAA34215.1);Cuphea calophylla subsp. mesostemonアシルACPチオエステラーゼ(GenBank ABB71581);Cocos nuciferaアシルACPチオエステラーゼ(CnFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cinnamomum camphoraアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAC49151.1);Myristica fragransアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71729);Myristica fragransアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71730);Cuphea lanceolataアシルACPチオエステラーゼ(GenBank CAA54060);Cuphea hookerianaアシルACPチオエステラーゼ(GenBank Q39513);Ulumus americanaアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71731);Sorghum bicolorアシルACPチオエステラーゼ(GenBank EER87824);Sorghum bicolorアシルACPチオエステラーゼ(GenBank EER88593);Cocos nuciferaアシルACPチオエステラーゼ(CnFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cocos nuciferaアシルACPチオエステラーゼ(CnFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシルACPチオエステラーゼ(CvFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシルACPチオエステラーゼ(CvFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシルACPチオエステラーゼ(CvFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Elaeis guineensisアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAD42220);Desulfovibrio vulgarisアシルACPチオエステラーゼ(GenBank ACL08376);Bacteriodes fragilisアシルACPチオエステラーゼ(GenBank CAH09236);Parabacteriodes distasonisアシルACPチオエステラーゼ(GenBank ABR43801);Bacteroides thetaiotaomicronアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAO77182);Clostridium asparagiformeアシルACPチオエステラーゼ(GenBank EEG55387);Bryanthella formatexigensアシルACPチオエステラーゼ(GenBank EET61113);Geobacillus sp.アシルACPチオエステラーゼ(GenBank EDV77528);Streptococcus dysgalactiaeアシルACPチオエステラーゼ(GenBank BAH81730);Lactobacillus brevisアシルACPチオエステラーゼ(GenBank ABJ63754);Lactobacillus plantarumアシルACPチオエステラーゼ(GenBank CAD63310);Anaerococcus tetradiusアシルACPチオエステラーゼ(GenBank EEI82564);Bdellovibrio bacteriovorusアシルACPチオエステラーゼ(GenBank CAE80300);Clostridium thermocellumアシルACPチオエステラーゼ(GenBank ABN54268)。
このうち、ゲッケイジュ(またはCalifornia bay;Umbellularia californica)由来のアシルACPチオエステラーゼ(GenBank AAA34215.1)であって、中鎖脂肪酸特異的アシルACPチオエステラーゼの機能を有するものがより好ましい例として挙げられる。配列番号2で示される、Umbellularia californica由来のC12:0特異的アシルACPチオエステラーゼがさらに好ましい。
上記に列挙したアシルACPチオエステラーゼは、葉緑体移行シグナルペプチドを欠失していてもよく、またはさらにクラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチド(例えば、配列番号20のポリヌクレオチドにコードされる、Chlamydomonas reinhardtii由来Ferredoxinの葉緑体移行シグナルペプチド)と連結されていてもよい。
上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子の例としては、以下が挙げられる:
配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
配列番号1に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
配列番号1に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに、
配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子の好ましい例としては、配列番号1で示される、ゲッケイジュ(California bay:Umbellularia californica)由来のC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられる。
上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子は、葉緑体移行シグナルペプチドをコードする領域を欠失していてもよく、またはその上流にクラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドをコードする領域(例えば、配列番号20で示される、Chlamydomonas reinhardtii由来Ferredoxinの葉緑体移行シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド)が連結されていてもよい。
さらに、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子は、導入されるクラミドモナス属におけるコドン使用頻度にあわせて、塩基配列をさらに変更されていてもよい。クラミドモナス属のコドンの情報は、例えば、Codon Usage Database([www.kazusa.or.jp/codon/])から入手可能である。さらに、上記で挙げたアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子は、それが導入されるゲノムの種類にあわせて改変され得る。例えば、上記遺伝子をクラミドモナス属の葉緑体ゲノムに導入する場合には、上記Codon Usage Databaseから、chloroplast Chlamydomonas reinhardtiiを参照し、クラミドモナス属の葉緑体ゲノムのコドン使用頻度にあわせて、塩基を改変することが好ましい。あるいは、上記遺伝子をクラミドモナス属の核ゲノムに導入する場合には、上記Codon Usage Databaseから、Chlamydomonas reinhardtiiを参照し、クラミドモナス属の核ゲノムのコドン使用頻度にあわせて塩基を改変することが好ましい。
配列番号3で示されるヌクレオチド配列は、配列番号1のヌクレオチド配列から、葉緑体移行シグナルペプチドをコードする領域(1〜249位)が欠失し、且つクラミドモナス属の葉緑体ゲノムのコドン使用頻度にあわせて塩基が改変された配列である。配列番号3で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドは、葉緑体ゲノムに導入するための遺伝子として好適である。
したがって、上記親クラミドモナス属細胞の葉緑体ゲノムに導入すべきアシルACPチオエステラーゼ遺伝子の好ましい例としては、以下が挙げられる:
配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
配列番号3に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
配列番号3に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに、
配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
好ましくは、上記配列番号3に示すヌクレオチド配列と70%以上配列同一な配列、上記配列番号3に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入された配列、および上記配列番号3のポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドにおいては、その塩基が、クラミドモナス属の葉緑体ゲノムのコドン使用頻度にあわせて改変されている。
また本発明において、上記親株に導入されるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)2−4をコードする遺伝子の例としては:配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;配列番号8に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;配列番号8に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;ならびに、配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挙げられる。これらのポリヌクレオチドはいずれも、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。
上記ポリヌクレオチドのうち、下記に示される配列番号8のポリヌクレオチドにコードされるアミノ酸配列(配列番号9)上の位置又はそれに相当する位置において、下記に示されるアミノ酸残基を有し、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドが好ましい。
位置 アミノ酸残基
109位またはそれに相当する位置 プロリン
110位またはそれに相当する位置 ヒスチジン
148位またはそれに相当する位置 プロリン
151位またはそれに相当する位置 アルギニン
182位またはそれに相当する位置 グリシン
183位またはそれに相当する位置 グリシン
202位またはそれに相当する位置 アルギニン
204位またはそれに相当する位置 グリシン
205位またはそれに相当する位置 フェニルアラニン
209位またはそれに相当する位置 アラニン
217位またはそれに相当する位置 バリン
218位またはそれに相当する位置 プロリン
222位またはそれに相当する位置 フェニルアラニン
223位またはそれに相当する位置 グリシン
276位またはそれに相当する位置 グリシン
さらに、上記ポリヌクレオチドのうち、下記に示される配列番号8のポリヌクレオチドにコードされるアミノ酸配列(配列番号9)上の位置又はそれに相当する位置において、下記に示されるアミノ酸残基をさらに有し、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドがより好ましい。
位置 アミノ酸残基
15位またはそれに相当する位置 アラニン
23位またはそれに相当する位置 イソロイシン
27位またはそれに相当する位置 バリン
29位またはそれに相当する位置 ロイシン
84位またはそれに相当する位置 チロシン
85位またはそれに相当する位置 フェニルアラニン
86位またはそれに相当する位置 プロリン
90位またはそれに相当する位置 バリン
101位またはそれに相当する位置 アルギニン
103位またはそれに相当する位置 チロシン
105位またはそれに相当する位置 フェニルアラニン
106位またはそれに相当する位置 グリシン
113位またはそれに相当する位置 ロイシン
114位またはそれに相当する位置 プロリン
115位またはそれに相当する位置 イソロイシン
139位またはそれに相当する位置 ロイシン
145位またはそれに相当する位置 フェニルアラニン
157位またはそれに相当する位置 ロイシン
158位またはそれに相当する位置 グリシン
161位またはそれに相当する位置 プロリン
164位またはそれに相当する位置 アルギニン
166位またはそれに相当する位置 セリン
170位またはそれに相当する位置 ロイシン
171位またはそれに相当する位置 ロイシン
180位またはそれに相当する位置 バリン
181位またはそれに相当する位置 プロリン
186位またはそれに相当する位置 グルタミン酸
188位またはそれに相当する位置 ロイシン
193位またはそれに相当する位置 グリシン
199位またはそれに相当する位置 ロイシン
206位またはそれに相当する位置 バリン
208位またはそれに相当する位置 ロイシン
213位またはそれに相当する位置 グリシン
214位またはそれに相当する位置 アラニン
216位またはそれに相当する位置 ロイシン
219位またはそれに相当する位置 バリン
228位またはそれに相当する位置 チロシン
266位またはそれに相当する位置 プロリン
268位またはそれに相当する位置 アルギニン
270位またはそれに相当する位置 プロリン
274位またはそれに相当する位置 バリン
275位またはそれに相当する位置 バリン
278位またはそれに相当する位置 プロリン
279位またはそれに相当する位置 イソロイシン
281位またはそれに相当する位置 バリン
324位またはそれに相当する位置 ロイシン
上記DGAT2−4をコードする遺伝子のより具体的な例としては、配列番号8で示される、Chlamydomonas reinhardtii由来のDGAT2−4をコードする遺伝子が挙げられる。
上述したクラミドモナス属細胞に導入されるアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子およびDGAT2−4をコードする遺伝子は、化学的に合成してもよいが、各種生物から通常の方法に従って単離してもよい。例えば、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子であれば上述したゲッケイジュ(California bay:Umbellularia californica)から、DGAT2−4をコードする遺伝子であれば上述したクラミドモナス属生物から、それぞれ単離することができる。これらの遺伝子は、例えば、上記の微生物からゲノムDNAを抽出し、上記配列番号1または8で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドやそのフラグメントをプローブとしたサザンハイブリダイゼーションによって同定することができる。また例えば、公知のゲノム配列情報に基づいて上記微生物のゲノムのヌクレオチド配列と配列番号1または8のヌクレオチド配列とを比較することによって、目的のアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、または目的のDGAT2−4をコードする遺伝子を同定することができる。同定された遺伝子はさらに、クラミドモナス属のコドン頻度にあわせて、上述した手順に従ってその塩基を改変されてもよい。あるいはさらに、葉緑体移行シグナルペプチドを削除するか、またはさらにクラミドモナス属細胞で機能する葉緑体移行シグナルペプチドと連結されてもよい。
本発明の組換えクラミドモナス属細胞は、上述した親クラミドモナス属細胞(宿主)に、上述したアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子およびDGAT2−4をコードする遺伝子を導入することによって作製することができる。当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と当該DGAT2−4をコードする遺伝子とは、別々に導入されてもよいが、一緒に導入されてもよい。
上記遺伝子の宿主への導入には、プラスミド等の通常のベクターを使用することができる。当該ベクターの種類は、宿主であるクラミドモナス属に適用できるベクターであれば特に限定されないが、例えば、pUC19やpBlueScript等の一般的なベクターが挙げられる。
好ましくは、宿主に導入されるアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子またはDGAT2−4をコードする遺伝子の上流には、当該遺伝子の発現を制御する制御領域が作動可能に連結されている。当該制御領域としては、目的遺伝子の上流に連結されるプロモーターおよび目的遺伝子の下流に連結されるターミネーターが挙げられる。当該制御領域は、好ましくは、宿主内における下流の遺伝子の発現を高める機能を有し、より好ましくは、下流遺伝子を発現または高発現させる機能を有する。当該制御領域の例としては、DGAT2−4遺伝子のためには、Chlamydomonas reinhardtii由来由来のHsp70A−Rbcs2プロモーターおよびPsaD等が挙げられ、アシルACPチオエステラーゼ遺伝子のためには、葉緑体に導入する場合、psbA、rbcL、psbDの5’−UTR領域、3’−UTR領域等が、核に導入する場合、上述したDGAT2−4遺伝子のための制御領域等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、遺伝子が「制御領域と作動可能に連結されている」とは、当該遺伝子が当該制御領域による制御の下に発現し得るように配置されていることをいう。
上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と上記DGAT2−4をコードする遺伝子、上記制御領域のベクターへの挿入は、当該分野における通常の方法に従って行うことができる。例えば、上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、上記DGAT2−4をコードする遺伝子、及び上記制御領域の断片をPCR等によって増幅し、これらの断片を制限酵素法等によってプラスミド等のベクターに挿入し、連結すればよい。あるいは、上記遺伝子及び制御領域の断片を予め連結した断片を作製し、これをプラスミド等のベクターに挿入してもよい。その際、上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と上記DGAT2−4をコードする遺伝子とは、1つのベクターに一緒に挿入することもできるが、別々のベクターに挿入することが好ましい。ベクター上においては、上流から、制御領域断片(プロモーター)、目的遺伝子(アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子の断片またはDGAT2−4をコードする遺伝子の断片)、制御領域断片(ターミネーター)の順で連結されているようにすればよい。アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と上記DGAT2−4をコードする遺伝子とを1つのベクターに挿入する場合、それぞれの遺伝子について、[プロモーター−目的遺伝子−ターミネーター]の単位がベクター内に構築されるようにすればよい。この場合、アシルACPチオエステラーゼをコードする単位とDGAT2−4をコードする単位は、何れが上流に配置されてもよい。
構築された目的遺伝子を含むベクターは、エレクトロポレーション法、ガラスビーズ法、パーティクルガン法等の方により宿主に導入され得る。葉緑体へ導入する場合には、パーティクルガン法を用いるのが好ましい。
以上の手順で、親クラミドモナス属細胞に、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、DGAT2−4をコードする遺伝子とを導入することによって、本発明の組換えクラミドモナス属細胞を作製することができる。本発明の組換えクラミドモナス属細胞は、ラウリン酸の生産性が顕著に高く、ラウリン酸(C12:0脂肪酸)を豊富に含む油脂を生産する。したがって、本発明の組換えクラミドモナス属細胞を培養し、当該細胞が産生した油脂を回収することによって、ラウリン酸高含有油脂を得ることができる。当該油脂は、ラウリン酸の原料として使用することができる。
本発明の組換えクラミドモナス属細胞の培養は、通常の手順に従えばよい。例えば、本発明の組換えクラミドモナス属細胞は、Tris-Acetate-Phosphate(TAP)培地で、20℃、4000lux程度の光照射下(明暗12時間周期)の条件下で培養することができる。ラウリン酸の高生産のためには窒素欠乏条件での培養も有効であり、例えば、TAP培地に含まれるNH4Clを除いた培地で20℃、4000lux程度の光照射下、明暗12時間周期の条件下で培養することが可能である。
以上のように、本発明のクラミドモナス属細胞を培養することによって、細胞内に油脂が生産される。生産された油脂は、公知の方法によって回収することができる。産生された油脂を単離、回収する方法としては、特に限定されず、通常生体内の脂質成分を単離する際に用いられる方法により行うことができる。例えば、培養物からろ過、遠心分離、細胞の破砕、クロロホルム/メタノール抽出法、ヘキサン抽出法、エタノール抽出法等により油脂を単離、回収することができる。またより大規模な生産の場合は、培養物より油分を圧搾または抽出により回収後、脱ガム、脱酸、脱色、脱蝋、脱臭等の一般的な精製を行い、脂質を得ることができる。本発明のクラミドモナス属細胞によって生産された油脂は、その構成脂肪酸中ラウリン酸を豊富に含有する、ラウリン酸高含有油脂である。より具体的には、本発明の組換えクラミドモナス属細胞によって生産された油脂は、上述のアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子のみを導入された組換えクラミドモナス属株、または上述のアシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子とクラミドモナス属由来DGAT2−1〜2−3のいずれかをコードする遺伝子を挿入された組換えクラミドモナス属株と比べて、構成脂肪酸中に占めるラウリン酸の比率が顕著に高い。
本発明の組換えクラミドモナス属細胞によって生産された油脂は、ラウリン酸の原料油脂として有用である。当該油脂からのラウリン酸の製造は、公知の方法、例えば、アルカリ溶液中で70℃程度の高温で処理する方法、リパーゼ処理をする方法、高圧熱水を用いて分解する方法等により、実施することができる。
本発明の例示的実施形態として、さらに以下の組成物、製造方法、用途、あるいは方法を本明細書に開示する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
<1>アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とが導入されている組換えクラミドモナス属細胞であって、
当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択され、且つ
当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
(d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
(g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、組換えクラミドモナス属細胞。
<2>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、葉緑体に導入されている、<1>記載の方法。
<3>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下:
(h)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(i)配列番号3に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(j)配列番号3に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに、
(k)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、<2>記載の組換えクラミドモナス属細胞。
<4>上記ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、Chlamydomonas reinhardtii由来の遺伝子である、<1>〜<3>のいずれか1に記載の組換えクラミドモナス属細胞。
<5>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、ゲッケイジュ(Umbellularia californica)由来の遺伝子である、<1>〜<4>のいずれか1に記載の組換えクラミドモナス属細胞。
<6>クラミドモナス属細胞に、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とを導入する工程を含む、組換えクラミドモナス属細胞の製造方法であって
当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択され、且つ
当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
(d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
(g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、方法。
<7>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、葉緑体に導入される、<6>記載の方法。
<8>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(h)〜(k):
(h)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(i)配列番号3に示すヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおより好ましくは98%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(j)配列番号3に示すヌクレオチド配列において1または複数個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに、
(k)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
からなる群より選択される、<7>記載の方法。
<9>上記ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、Chlamydomonas reinhardtii由来の遺伝子である、<6>〜<8>のいずれか1に記載の方法。
<10>上記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、ゲッケイジュ(Umbellularia californica)由来の遺伝子である、<6>〜<9>のいずれか1に記載の方法。
<11>上記<1>〜<5>のいずれか1に記載の組換えクラミドモナス属細胞を用いるラウリン酸含有油脂の製造方法。
上記<1>〜<5>のいずれか1に記載の組換えクラミドモナス属細胞により製造された油脂を用いる、ラウリン酸の製造方法。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:組換えクラミドモナス属の作製
1)ゲッケイジュ(California bay:Umbellularia californica)由来アシルACPチオエステラーゼ遺伝子導入用ベクターの構築
ゲッケイジュ(California bay:Umbellularia californica)由来Acyl−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子(以下、BTE遺伝子)のポリヌクレオチド(配列番号3)を、GenScript社(Piscataway,New Jersey)の提供する受託合成サービスを利用して人工的に合成した。このポリヌクレオチドは、BTE遺伝子の全ヌクレオチド配列から葉緑体移行シグナルペプチドをコードする領域を除いたヌクレオチド配列を有する。人工合成する際に、配列番号3のポリヌクレオチド配列の塩基は、Chlamydomonas reinhardtiiのコドン使用頻度にあわせて本来のBTE遺伝子の塩基から変更された。
配列番号3のポリヌクレオチドをP−484プラスミド(Duke UniversityのChlamydomonas Centerより入手)のaadA遺伝子と置き換えることにより、プラスミドP−484+BTEを作製した。P−484−BTEを配列番号10および配列番号11のプライマー(表1)でPCR増幅し、増幅断片を、P−322(Chlamydomonas Center)のBamHIサイトに連結し、プラスミドP−322+BTEを作製した。P−322+BTEのEcoRIサイトにP−66(Chlamydomonas Center)よりEcoRIで切断したインサートを導入することにより、P−322+66+BTEを作製した。
2)DGAT2−1〜2−4遺伝子導入用ベクターの構築
Chlamydomonas reinhardtii(CC-125株、Duke UniversityのChlamydomonas Centerより入手)を、Tris−Acetate−Phosphate培地(TAP培地)を用いて、20℃、4000lux、明暗12時間周期、120rpmで旋回培養を行った。培養液50mLを遠心して細胞を回収し、液体窒素で凍結させた後、Total RNAを抽出した。RNA抽出には、RNeasy Plant mini kit(QIAGEN社製)を用いて抽出を行った。抽出したRNAからQuantiTect Rev. Transcription Kit(QIAGEN社製)を用いてcDNAの調製を行った。調製したcDNAを、表2に示すプライマーを用いたPCRにて増幅させてジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT2−1〜2−4)遺伝子をクローニングした。PCR増幅では、DGAT2−1(配列番号5)には配列番号12および13のプライマー、DGAT2−2(配列番号6)には配列番号14および15のプライマー、DGAT2−3(配列番号7)には配列番号16および17のプライマー、DGAT2−4(配列番号8)には配列番号18および19のプライマーを使用した。
取得した遺伝子の配列を確認し、プラスミドpHsp70A/RBCS2−Chlamy(Chlamydomonas Center)のXhoIサイトとBamHIサイトの間にあるルシフェラーゼ遺伝子と置き換えた。DGAT2−1、2−2、2−3および2−4を挿入されたプラスミドを、それぞれpDGAT2−1、pDGAT2−2、pDGAT2−3、およびpDGAT2−4とした。各プラスミドと、C. reinhardtiiで機能するparomomycin耐性遺伝子を有するプラスミドpKS−aphVIII−loxとを、lox配列を利用したCre recombinaseによって連結させた。すなわち、100ngのpDGAT2−1〜4、50ngのpKS−aphVIII−lox、1UのCre recombinase、およびreaction bufferを混合し、37℃にて1時間インキュベートした後、70℃で15分間インキュベートして酵素を失活させ、得られた反応液2μLをDH5α(E. coli)コンピテントセルに混合して形質転換を行うことにより、連結したプラスミドpAphVIII+DGAT2−1〜4を取得した。
3)Chlamydomonas reinhardtiiの培養
葉緑体ゲノムに存在するpsbA遺伝子(光化学系II反応中心コアタンパク質D1をコードする遺伝子)の欠損株であるChlamydomonas reinhardtii FUD7株(Chlamydomonas Center)を用いた。培養には、表3に記載のTris−Acetate−Phosphate培地(TAP培地)を用いた。液体培養する場合は20℃、明暗12時間周期、120rpmで旋回培養を行った。また、固体培養する場合は、TAP培地に終濃度2%になるようBacto寒天(日本ベクトン・ディッキンソン社製)を加えて調製したTAPプレート培地を用いて、20℃、明暗12時間周期にて静置培養を行った。
4)アシルACPチオエステラーゼ遺伝子の導入
FUD7株をTAP培地にて培養して2〜6×106cells/mLまで増殖させた。細胞を遠心して回収し、1×108cells/mLになるように調製した。TAPプレート培地に懸濁した細胞500μLを均一に塗布した。上記1)で構築したプラスミドP−322+66+BTEを、タングステン粒子(B10、粒径1μm、株式会社アライドマテリアル)に結合させ、パーティクルガン(Bio−Rad社製)を用いて1100psiにて細胞に導入した。細胞をTAP寒天培地にて回復培養を行った後、細胞を表4に記載のHSM寒天培地にて培養した。目的の遺伝子が導入された細胞は、psbA遺伝子を有することにより光合成機能を回復し、HSM寒天培地にて生育可能になる。HSM寒天培地にて増殖した細胞を回収することにより、目的のアシルACPチオエステラーゼ遺伝子が導入された形質転換体を得た。
5)DGAT遺伝子の導入
上記4)で得られた形質転換体を、TAP培地200mL、20℃、明暗12時間周期で、対数増殖期まで培養を行った。培養液25mLを遠心し、50mM Sucroseを含むTAP培地で細胞を洗浄し、250μLになるように濃縮した。細胞懸濁液250μLをキュベット(4mm gap)に入れ、熱変性した10mg/mL salmon spermDNA(5μL)と、線形化した2μgの上記2)で構築したプラスミド(pAphVIII+DGAT2−1〜4)のいずれかを混合し、15℃で10分間以上静置した。GenePulserII(BioRad社製)を用いて1550V/cm(620V)、500Ω、50μFの条件でパルスをかけ、キュベットごと15℃で1時間静置した。静置している間は、15分おきに混合し、遠心により細胞を回収し、細胞懸濁液を2枚の選択寒天培地(50μg/mLのパロモマイシンを含むTAPプレート培地)の上に広げた。光照射下で1〜2週間培養し、コロニーを取得した。これらのコロニーよりDNAを取得し、ゲノムPCRを行うことによってHsp70A/Rbcs2プロモーターおよびDGAT2遺伝子が形質転換体の核遺伝子に導入されているコロニーを選択することにより、アシルACPチオエステラーゼ遺伝子とDGAT2遺伝子とが導入された組換えクラミドモナス属株を取得した。
実施例2:組換えクラミドモナス属による脂質生産および生産された脂質の解析
1)組換えクラミドモナス属からの脂質抽出とメチルエステル化
実施例1で作製した組換えC.reinhardtii株をTAP培地にて20℃、4000lux程度の光照射下、明暗12時間周期、120rpmで旋回培養した。定常期に達した後に、窒素成分を取り除いたTAP培地にて同条件にて培養を行った。培養液を遠心して得た沈殿画分を80℃にて約3時間乾燥させ、固形分を乾燥藻体として取得した。乾燥藻体の乾燥重量を測定後、0.5mLの1%食塩水に懸濁し、内部標準として5mg/mLの7−ペンタデカノンを10μL添加後、1mLのクロロホルムおよび1mLのメタノールを培養液に添加して激しく攪拌後30分間静置し、その後さらに0.5mLの1.5%KClを添加して攪拌後、遠心し、クロロホルム層を回収した。窒素にて乾固後、0.7mLの0.5M KOH−メタノール溶液を添加して70℃にて30分間恒温し、さらに1mLの14%三フッ化ホウ素溶液を添加し、80℃にて10分間恒温し、その後、ヘキサン、飽和食塩水を各1mL添加し、室温にて30分間静置後、ヘキサン層を回収し、後述するガスクロマトグラフィ(GC)分析用のサンプルとした。
2)脂質のガスクロマトグラフィ分析
上記でメチルエステル化したサンプルをGC分析した。使用したGCはカラム:DB1−MS(J&W scientific,Folsom,California)、分析装置:6890N(Agilent technology,SantaClara,California)を用いて、以下の条件にて行った:[カラムオーブン温度:100℃保持1分→100〜300℃(10℃/分昇温)→300℃保持5分(ポストラン2分)、注入口検出器温度:300℃、注入法:スプリットモード(スプリット比=100:1)、サンプル注入量1μL、カラム流速:0.5mL/minコンスタント、検出器:FID、キャリアガス:水素、メイクアップガス:ヘリウム]。GC解析により得られた波形データのピーク面積より、各脂肪酸のメチルエステル量を定量した。なお、各ピーク面積を内部標準である7−ペンタデカノンのピーク面積と比較することでサンプル間の補正を行い、解析に供したサンプル中に含まれる脂肪酸量を算出した。なお、各脂質に対応するGCのピークは、各脂肪酸の標準品のメチルエステルの保持時間(Retention Time、RT)、及び下記3)で述べるGC/MS解析により同定した。算出された各脂肪酸量の総脂肪酸量に占める割合を求めた。
3)GC/MS分析
GC分析に供したサンプルを、必要に応じてGC/マススペクトル(MS)分析にかけた。GC/マススペクトル(MS)分析は、キャピラリーカラム:DB1−MS、GC分析装置:7890A(Agilent technology)、MS分析装置:5975C(Agilent technology)を用いて、以下の条件にて行った:[カラムオーブン温度:100℃保持2分→100〜300℃(10℃/分昇温)→300℃保持5分(平衡時間2分、ポストラン320℃で5分)もしくは100℃保持2分→100〜200℃(10℃/分昇温)→200〜320℃(50℃/分昇温)→320℃保持5分(平衡時間2分、ポストラン320℃で5分)、注入口検出器温度:250℃、注入法:スプリットレスモード、サンプル注入量1μL、カラム流速:1mL/minコンスタント、検出器:FID、キャリアガス:水素、メイクアップガス:ヘリウム、溶媒待ち時間:7分もしくは3.5分、イオン化法:EI法、イオン源温度:250℃、インターフェース温度:300℃、測定モード:スキャンモード(m/z:20〜550若しくは10〜550)]。
4)トリアシルグリセロール(TAG)の定量
TAGの定量はイアトロスキャン(三菱化学メディエンス)を用いて行った。上記1)で得た培養された組換えC.reinhardtii株の乾燥藻体を、乾燥重量を測定後、0.5mLの1%食塩水に懸濁し、1mLのクロロホルムおよび1mLのメタノールを添加して激しく攪拌した後30分間放置した。この溶液にさらに0.5mLの1.5%KClを添加して攪拌後、遠心し、クロロホルム層200μLを回収した。回収した液を窒素にて乾固後、クロロホルム10μLに溶解し、試料溶液を調製した。イアトロスキャンのクロマロッドの表面に1μL程度の試料溶液をスポットした。展開溶媒としてヘキサン:ジエチルエーテル:蟻酸=42:28:0.3を用いて試料溶液を分離後、クロマロッドの表面に吸着した展開溶媒を除去した。その後、イアトロスキャンにセットし、試料溶液中のTAG量を測定した。トリステアリンを1、2、4mg/mLに調製した溶液によって作成した検量線に基づき、測定したTAGの量を定量した。
5)ラウリン酸生産量
各形質転換体における、総脂肪酸中のラウリン酸の割合を図1に示す。図1には、DGAT2−1、2−2、2−3または2−4を導入した形質転換体それぞれについて、最も高いC12/総脂肪酸比が得られた形質転換体の結果を示した。BTE遺伝子のみを導入した形質転換体、またはBTE遺伝子とDGAT2−1〜2−3遺伝子のいずれかとを導入した形質転換体に比べて、BTE遺伝子とDGAT2−4遺伝子を導入した形質転換体では、総脂肪酸中に占めるラウリン酸の割合が顕著に増加した。
6)脂肪酸組成比
BTE遺伝子のみを導入した形質転換体と、さらにDGAT2−4遺伝子を導入した形質転換体における、総脂肪酸に占める各種脂肪酸の割合を図2に示す。DGAT2−4遺伝子を導入した形質転換体では、BTE遺伝子のみを導入した形質転換体と比べてC12およびC14の中鎖脂肪酸の比率が増加していた。したがって、アシルACPチオエステラーゼおよびDGAT2−4の発現を強化した形質転換体では、中鎖脂肪酸(特にラウリン酸)の総脂肪酸に対する割合が高まることがわかった。
7)脂肪酸およびTAG生産量
総脂肪酸量の変化、TAG量の変化を図3に示す。

Claims (12)

  1. アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とが導入されている組換えクラミドモナス属細胞であって、
    当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
    (a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (b)配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1〜20個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    からなる群より選択され、且つ
    当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
    (d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と90%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1〜50個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
    (g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    からなる群より選択される、組換えクラミドモナス属細胞。
  2. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、葉緑体に導入されている、請求項1記載の組換えクラミドモナス属細胞
  3. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(h)〜(k):
    (h)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (i)配列番号3に示すヌクレオチド配列と90%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (j)配列番号3に示すヌクレオチド配列において1〜50個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および、
    (k)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    からなる群より選択される、請求項2記載の組換えクラミドモナス属細胞。
  4. 前記ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、Chlamydomonas reinhardtii由来の遺伝子である、請求項1〜3のいずれか1項記載の組換えクラミドモナス属細胞。
  5. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、Umbellularia californica由来の遺伝子である、請求項1〜4のいずれか1項記載の組換えクラミドモナス属細胞。
  6. クラミドモナス属細胞に、アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子と、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子とを導入する工程を含む、組換えクラミドモナス属細胞の製造方法であって
    当該アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(a)〜(c):
    (a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (b)配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (c)配列番号4に示すアミノ酸配列において1〜20個のアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列を含み、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    からなる群より選択され、且つ
    当該ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、以下の(d)〜(g):
    (d)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (e)配列番号8に示すヌクレオチド配列と90%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (f)配列番号8に示すヌクレオチド配列において1〜50個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
    (g)配列番号8に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    からなる群より選択される、方法。
  7. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、葉緑体に導入される、請求項6記載の方法。
  8. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、以下の(h)〜(k):
    (h)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (i)配列番号3に示すヌクレオチド配列と90%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (j)配列番号3に示すヌクレオチド配列において1〜50個の塩基が欠失、置換、付加または挿入されたヌクレオチド配列からなり、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および、
    (k)配列番号3に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つC12:0脂肪酸選択的アシルACPチオエステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
  9. 前記ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2−4をコードする遺伝子が、Chlamydomonas reinhardtii由来の遺伝子である、請求項6〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記アシルACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が、Umbellularia californica由来の遺伝子である、請求項6〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項記載の組換えクラミドモナス属細胞を用いる、ラウリン酸含有油脂の製造方法。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項記載の組換えクラミドモナス属細胞により製造された油脂を用いる、ラウリン酸の製造方法。
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