JP6006045B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置に関する。
従来、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置として、ズームレンズを保持する第1レンズホルダと、フォーカスレンズを保持する第2レンズホルダと、第1レンズホルダを光軸方向へ駆動するための第1駆動機構と、第2レンズホルダを光軸方向へ駆動するための第2駆動機構とを備えるレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、第1駆動機構および第2駆動機構は、筺体に固定される駆動用磁石、外側ヨークおよび内側ヨークと、第1レンズホルダや第2レンズホルダに固定される駆動用コイルとを備えている。駆動用磁石は、外側ヨークの内側面に固定されている。内側ヨークは、外側ヨークとの間に駆動用磁石を挟むように、かつ、駆動用磁石との間に所定の隙間があくように配置されている。駆動用コイルは、扁平な四角筒状に形成されており、駆動用コイルの内周側には、内側ヨークが挿通されている。
また、従来、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置として、レンズを保持するレンズホルダと、レンズホルダが装着される樹脂製のベースと、レンズホルダを覆う樹脂製のカバーとを備えるレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、ベースの四隅に、レンズの光軸方向へ立ち上る三角柱状の柱状部が形成されている。柱状部の内側を向く側面には、長方形の平板状に形成された磁性部材が固定されている。磁性部材が固定された柱状部には、レンズホルダを光軸方向へ駆動するための第1、第2の駆動用コイルが巻回されている。第1の駆動用コイルと第2の駆動用コイルとは、光軸方向で重なるように柱状部に巻回されている。また、第2の駆動用コイルの巻回方向は、第1の駆動用コイルの巻回方向の逆方向となっている。
また、特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、レンズホルダの外周面に、第1、第2の駆動用コイルとともにレンズホルダを光軸方向へ駆動するための駆動用磁石が固定されている。駆動用磁石は、長方形の平板状に形成されている。また、駆動用磁石は、4個の第1、第2の駆動用コイルのそれぞれに対向するようにレンズホルダの外周面に固定されている。すなわち、4個の駆動用磁石がレンズホルダの外周面に固定されている。駆動用磁石は、第1の駆動用コイルとの対向面の磁極と、第2の駆動用コイルとの対向面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
特開2007−199253号公報 特開2011−39481号公報
特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、第1、第2の駆動用コイルに電流が供給されると、ローレンツ力の作用で、光軸方向へレンズホルダが移動する。このときには、第1、第2の駆動用コイルが巻回される磁性部材が磁化されるため、磁化された磁性部材と駆動用磁石との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力の作用で、光軸方向へ移動するレンズホルダの駆動力を高めることが可能になる。したがって、このレンズ駆動装置では、駆動用磁石や第1、第2駆動用コイル等を小型化してもレンズホルダの駆動力を確保することが可能になる。すなわち、このレンズ駆動装置では、レンズホルダの駆動力を確保しつつ、駆動用磁石や第1、第2駆動用コイル等を小型化することが可能になり、その結果、装置を小型化することが可能になる。
特許文献1に記載のレンズ駆動装置の第1駆動機構および第2駆動機構として、特許文献2に記載の駆動用磁石、第1、第2駆動用コイルおよび磁性部材等を用いれば、特許文献1に記載のレンズ駆動装置において、第1レンズホルダおよび第2レンズホルダの駆動力を確保しつつ、第1駆動機構および第2駆動機構を小型化することが可能になり、その結果、装置を小型化することが可能になる。
しかしながら、特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、磁性部材が固定された柱状部に、巻回方向が異なる第1の駆動用コイルと第2の駆動用コイルとが直接、巻回されているため、1本の導線によって第1の駆動用コイルと第2の駆動用コイルとが構成されている場合には、導線の巻回方向を変える際の作業が煩雑になる。また、2本の導線によって第1の駆動用コイルと第2の駆動用コイルとが構成されている場合には、2本の導線の端部の処理が必要になるため、導線の端部の処理が煩雑になる。すなわち、特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、第1、第2の駆動用コイルの巻回作業が煩雑になる。
また、特許文献2に記載のレンズ駆動装置では、レンズホルダの駆動力を確保するために、磁性部材が固定された柱状部に第1、第2の駆動用コイルが所定回数、巻回されるが、柱状部が三角柱状に形成されているため、第1、第2の駆動用コイルを構成する導線の長さが長くなりやすい。第1、第2の駆動用コイルを構成する導線の長さが長くなると、第1、第2の駆動用コイルでの消費電力が高くなり、レンズ駆動装置の消費電力が高くなる。
そこで、本発明の課題は、ズームレンズを駆動するための第1駆動機構およびフォーカスレンズを駆動するための第2駆動機構の駆動力を確保しつつ、装置を小型化することが可能であるとともに、駆動用コイルの巻回作業を容易に行うこと、および、駆動用コイルでの消費電力を低減させることが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のレンズ駆動装置は、ズームレンズを保持しズームレンズの光軸方向へ移動可能な第1可動体と、ズームレンズの光軸とその光軸とが一致するように配置されるフォーカスレンズを保持しフォーカスレンズの光軸方向へ移動可能な第2可動体と、第1可動体および第2可動体が収容される固定体と、第1可動体を光軸方向へ駆動するための第1駆動機構と、第2可動体を光軸方向へ駆動するための第2駆動機構と、第1可動体を光軸方向へ案内する第1ガイド軸と、第2可動体を光軸方向へ案内する第2ガイド軸とを備えるとともに、光軸方向から見たときの形状が略四角形状になるように形成されるレンズ駆動装置であって、第1駆動機構は、第1可動体または固定体の一方に固定される第1駆動用磁石と、磁性材料で形成され第1可動体または固定体の他方に固定される第1磁性部材と、絶縁性材料で形成され第1磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第1ボビンと、第1ボビンに巻回され第1駆動用磁石に対向するとともに光軸方向で重なるように配置される第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルとを備え、第2駆動機構は、第2可動体または固定体の一方に固定される第2駆動用磁石と、磁性材料で形成され第2可動体または固定体の他方に固定される第2磁性部材と、絶縁性材料で形成され第2磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第2ボビンと、第2ボビンに巻回され第2駆動用磁石に対向するとともに光軸方向で重なるように配置される第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルとを備え、第1駆動用磁石は、第1駆動用磁石の、第1駆動用コイルとの対向面である第1対向面の磁極と、第1駆動用磁石の、第2駆動用コイルとの対向面である第2対向面の磁極とが異なる磁極となるように着磁され、第2駆動用磁石は、第2駆動用磁石の、第3駆動用コイルとの対向面である第3対向面の磁極と、第2駆動用磁石の、第4駆動用コイルとの対向面である第4対向面の磁極とが異なる磁極となるように着磁され、第2駆動用コイルの巻回方向は、第1駆動用コイルの巻回方向の逆方向となっており、第4駆動用コイルの巻回方向は、第3駆動用コイルの巻回方向の逆方向となっており、第1磁性部材の、第1ボビンを介して第1駆動用コイルが巻回される部分である第1巻回部と、第1磁性部材の、第1ボビンを介して第2駆動用コイルが巻回される部分である第2巻回部とは、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルと第1駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成され、第2磁性部材の、第2ボビンを介して第3駆動用コイルが巻回される部分である第3巻回部と、第2磁性部材の、第2ボビンを介して第4駆動用コイルが巻回される部分である第4巻回部とは、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルと第2駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成され、第1駆動用コイルは、第1巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第2駆動用コイルは、第2巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第3駆動用コイルは、第3巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第4駆動用コイルは、第4巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第1可動体には、第1ガイド軸が挿通される第1挿通孔が形成され、第2可動体には、第2ガイド軸が挿通される第2挿通孔が形成され、第1駆動機構および第1ガイド軸は、光軸方向から見たときに、レンズ駆動装置の四隅のうちの対角線上の2箇所に配置され、第2駆動機構および第2ガイド軸は、光軸方向から見たときに、第1駆動機構および第1ガイド軸が配置される2箇所を除くレンズ駆動装置の四隅の残りの対角線上の2箇所に配置されていることを特徴とする。
本発明のレンズ駆動装置では、第1ボビンを介して第1磁性部材に第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが巻回され、第2ボビンを介して第2磁性部材に第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルが巻回されている。そのため、本発明では、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルに電流が供給されたときに、第1磁性部材を磁化させることが可能になり、磁化された第1磁性部材と第1駆動用磁石との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力を利用して、第1駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。また、本発明では、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルに電流が供給されたときに、第2磁性部材を磁化させることが可能になり、磁化された第2磁性部材と第2駆動用磁石との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力を利用して、第2駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。したがって、本発明では、第1駆動用磁石および第1、第2駆動用コイルを小型化しても第1駆動機構の駆動力を確保することが可能になり、第2駆動用磁石および第3、第4駆動用コイルを小型化しても第2駆動機構の駆動力を確保することが可能になる。その結果、本発明では、第1駆動機構および第2駆動機構の駆動力を確保しつつ、レンズ駆動装置を小型化することが可能になる。
また、本発明のレンズ駆動装置では、第1磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第1ボビンに、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが巻回され、第2磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第2ボビンに、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルが巻回されている。そのため、本発明では、第1駆動用コイルの巻回方向と第2駆動用コイルの巻回方向とが逆方向になっていても、第1ボビンを利用して、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルを構成する導線の巻回方向を容易に変えることが可能になる。また、第3駆動用コイルの巻回方向と第4駆動用コイルの巻回方向とが逆方向になっていても、第2ボビンを利用して、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルを構成する導線の巻回方向を容易に変えることが可能になる。したがって、本発明では、第1〜第4駆動用コイルの巻回作業を容易に行うことが可能になる。
さらに、本発明のレンズ駆動装置では、第1巻回部と第2巻回部とが、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルと第1駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成されており、かつ、第1駆動用コイルは、第1巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第2駆動用コイルは、第2巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成されている。また、第3巻回部と第4巻回部とが、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルと第2駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成されており、かつ、第3駆動用コイルは、第3巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、第4駆動用コイルは、第4巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成されている。したがって、第1駆動機構の駆動力を確保するために、第1ボビンを介して第1磁性部材に所定回数、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが巻回されていても、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルを構成する導線の長さを短くすることが可能になる。また、第2駆動機構の駆動力を確保するために、第2ボビンを介して第2磁性部材に所定回数、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルが巻回されていても、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルを構成する導線の長さを短くすることが可能になる。その結果、本発明では、第1〜第4駆動用コイルでの消費電力を低減させることが可能になる。また、本発明では、レンズ駆動装置は、第1可動体を光軸方向へ案内する第1ガイド軸と、第2可動体を光軸方向へ案内する第2ガイド軸とを備えるとともに、光軸方向から見たときの形状が略四角形状になるように形成され、第1可動体には、第1ガイド軸が挿通される第1挿通孔が形成され、第2可動体には、第2ガイド軸が挿通される第2挿通孔が形成され、第1駆動機構および第1ガイド軸は、光軸方向から見たときに、レンズ駆動装置の四隅のうちの対角線上の2箇所に配置され、第2駆動機構および第2ガイド軸は、光軸方向から見たときに、第1駆動機構および第1ガイド軸が配置される2箇所を除くレンズ駆動装置の四隅の残りの対角線上の2箇所に配置されている。すなわち、デッドスペースとなりやすいレンズ駆動装置の角部に、第1駆動機構、第2駆動機構、第1ガイド軸および第2ガイド軸が配置されているため、ズームレンズおよびフォーカスレンズの径方向でレンズ駆動装置を小型化することが可能になる。あるいは、ズームレンズおよびフォーカスレンズの径方向でレンズ駆動装置を大型化させることなく、ズームレンズやフォーカスレンズレンズの径を大きくすることが可能になる。
本発明において、第1ボビンの、第1駆動用コイルが巻回される部分である第5巻回部、および、第1ボビンの、第2駆動用コイルが巻回される部分である第6巻回部は、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルと第1駆動用磁石との対向方向と光軸方向とに直交する方向の両側に配置される2個の第1側面部によって構成され、第2ボビンの、第3駆動用コイルが巻回される部分である第7巻回部、および、第2ボビンの、第4駆動用コイルが巻回される部分である第8巻回部は、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルと第2駆動用磁石との対向方向と光軸方向とに直交する方向の両側に配置される2個の第2側面部によって構成されていることが好ましい。すなわち、第5巻回部および第6巻回部には、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルと第1駆動用磁石との対向方向における側面が形成されておらず、第7巻回部および第8巻回部には、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルと第2駆動用磁石との対向方向における側面が形成されていないことが好ましい。このように構成すると、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルを構成する導線の長さをより短くすること、および、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルを構成する導線の長さをより短くすることが可能になり、その結果、第1〜第4駆動用コイルでの消費電力をより低減させることが可能になる。また、このように構成すると、第1ボビンを介して第1磁性部材に第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが巻回され、第2ボビンを介して第2磁性部材に第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルが巻回されていても、第1駆動用磁石と第1磁性部材との距離を縮めること、および、第2駆動用磁石と第2磁性部材との距離を縮めることが可能になる。したがって、第1〜第4駆動用コイルを通過する磁束の密度を高めることが可能になり、その結果、第1駆動機構の駆動力および第2駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。
本発明において、第1ボビンの、光軸方向における両端側には、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルを構成する導線である第1導線の端部を絡げるための第1導線端部絡げ用ピンが形成され、第1ボビンの、第1駆動用コイルが巻回される部分である第5巻回部と、第1ボビンの、第2駆動用コイルが巻回される部分である第6巻回部との間には、第1導線の巻回方向を変えるための第1巻回方向変更用ピンが形成され、第2ボビンの、光軸方向における両端側には、第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルを構成する導線である第2導線の端部を絡げるための第2導線端部絡げ用ピンが形成され、第2ボビンの、第3駆動用コイルが巻回される部分である第7巻回部と、第2ボビンの、第4駆動用コイルが巻回される部分である第8巻回部との間には、第2導線の巻回方向を変えるための第2巻回方向変更用ピンが形成されていることが好ましい。このように構成すると、第1導線端部絡げ用ピンを用いて第1導線の端部の処理をすることができ、第2導線端部絡げ用ピンを用いて第2導線の端部の処理をすることができるため、第1、第2導線の端部の処理が容易になる。また、このように構成すると、第1巻回方向変更用ピンを用いて第1導線の巻回方向を変えることができ、第2巻回方向変更用ピンを用いて第2導線の巻回方向を変えることができるため、第1、第2導線の巻回方向の変更が容易になる。
本発明において、光軸方向における第1磁性部材の長さは、光軸方向における第1駆動用磁石の長さよりも長くなっており、光軸方向における第1磁性部材の両端側は、光軸方向における第1駆動用磁石の両端よりも光軸方向の外側へ突出しており、光軸方向における第2磁性部材の長さは、光軸方向における第2駆動用磁石の長さよりも長くなっており、光軸方向における第2磁性部材の両端側は、光軸方向における第2駆動用磁石の両端よりも光軸方向の外側へ突出していることが好ましい。光軸方向における第1磁性部材の長さが光軸方向における第1駆動用磁石の長さよりも短くなっていて、光軸方向における第1磁性部材の両端が光軸方向における第1駆動用磁石の両端よりも光軸方向の内側に配置されている場合には、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルに電流が供給されていないときに、光軸方向における第1磁性部材の中心へ向かう磁気的吸引力が第1駆動用磁石に働きやすくなる。そのため、この場合には、光軸方向における所定の位置へ第1可動体を移動させるために必要な第1駆動機構の駆動力を大きくしなければならない。これに対して、光軸方向における第1磁性部材の長さが光軸方向における第1駆動用磁石の長さよりも長くなっており、光軸方向における第1磁性部材の両端側が光軸方向における第1駆動用磁石の両端よりも光軸方向の外側へ突出していれば、光軸方向における第1磁性部材の中心へ向かう磁気的吸引力が第1駆動用磁石に働きにくくなる。したがって、光軸方向における所定の位置へ第1可動体を移動させるために必要な第1駆動機構の駆動力を低減させることが可能になる。同様に、光軸方向における第2磁性部材の長さが光軸方向における第2駆動用磁石の長さよりも長くなっており、光軸方向における第2磁性部材の両端側が光軸方向における第2駆動用磁石の両端よりも光軸方向の外側へ突出していれば、光軸方向における第2磁性部材の中心へ向かう磁気的吸引力が第2駆動用磁石に働きにくくなるため、光軸方向における所定の位置へ第2可動体を移動させるために必要な第2駆動機構の駆動力を低減させることが可能になる。
本発明において、第1駆動用コイルの、第2駆動用コイル側の端面である第1端面と、第2駆動用コイルの、第1駆動用コイル側の端面である第2端面との距離は、第1可動体の移動可能距離よりも長くなっており、第1対向面の磁極と第2対向面の磁極との境界は、第1可動体が光軸方向へ移動しても、光軸方向において、第1端面と第2端面との間にあり、第3駆動用コイルの、第4駆動用コイル側の端面である第3端面と、第4駆動用コイルの、第3駆動用コイル側の端面である第4端面との距離は、第2可動体の移動可能距離よりも長くなっており、第3対向面の磁極と第4対向面の磁極との境界は、第2可動体が光軸方向へ移動しても、光軸方向において、第3端面と第4端面との間にあることが好ましい。このように構成すると、第1可動体が光軸方向へ移動しても、第1対向面は、第2駆動用コイルと対向せず、かつ、第2対向面は、第1駆動用コイルと対向しない。また、第2可動体が光軸方向へ移動しても、第3対向面は、第4駆動用コイルと対向せず、かつ、第4対向面は、第3駆動用コイルと対向しない。したがって、光軸方向への第1可動体の移動に伴う第1駆動機構の駆動力の低下、および、光軸方向への第2可動体の移動に伴う第2駆動機構の駆動力の低下を抑制することが可能になる。
本発明において、第1可動体には、第2ガイド軸が挿通される第1貫通孔が形成され、第2可動体には、第1ガイド軸が挿通される第2貫通孔が形成されていることが好ましい。このように構成すると、第2ガイド軸を利用して、第1ガイド軸を中心とする第1可動体の回転を防止することが可能になる。また、第1ガイド軸を利用して、第2ガイド軸を中心とする第2可動体の回転を防止することが可能になる。
本発明において、第1駆動用磁石は、第1可動体に固定され、第2駆動用磁石は、第2可動体に固定され、第1磁性部材および第2磁性部材は、固定体に固定され、固定体は、非磁性材料で形成されていることが好ましい。このように構成すると、第1可動体に第1磁性部材が固定されている場合(すなわち、第1可動体に第1、第2駆動用コイルが取り付けられている場合)と比較して、第1駆動用コイルの処理が容易になり、第2可動体に第2磁性部材が固定されている場合(すなわち、第2可動体に第3、第4駆動用コイルが取り付けられている場合)と比較して、第2駆動用コイルの処理が容易になる。また、このように構成すると、固定体が非磁性材料で形成されているため、第1可動体に固定される第1駆動用磁石と固定体との間に生じる磁気的吸引力によって第1駆動機構の駆動力が低下するのを防止することが可能になり、第2可動体に固定される第2駆動用磁石と固定体との間に生じる磁気的吸引力によって第2駆動機構の駆動力が低下するのを防止することが可能になる。
以上のように、本発明では、ズームレンズを駆動するための第1駆動機構およびフォーカスレンズを駆動するための第2駆動機構の駆動力を確保しつつ、レンズ駆動装置を小型化することが可能になるとともに、駆動用コイルの巻回作業を容易に行うこと、および、駆動用コイルでの消費電力を低減させることが可能になる。
本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の要部の構成を示す斜視図である。 図1に示すレンズ駆動装置の要部の分解斜視図である。 図1に示すレンズ駆動装置の要部の平面図である。 図2に示す磁性部材にボビンおよび駆動用コイルが取り付けられた状態の斜視図である。 図2に示す駆動用磁石、磁性部材およびボビンの斜視図である。 図1に示す可動体が光軸方向へ移動するときおよびその前後の駆動用磁石の状態および磁性部材の状態を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(レンズ駆動装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1の要部の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すレンズ駆動装置1の要部の分解斜視図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の要部の平面図である。
以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とし、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。また、X方向とY方向とから構成される平面を「XY平面」、Y方向とZ方向とから構成される平面を「YZ平面」、Z方向とX方向とから構成される平面を「ZX平面」とする。
本形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等で使用される比較的小型の光学ズーム付きオートフォーカスカメラに搭載されるものであり、ズームレンズ2とフォーカスレンズ3とを備えている。ズームレンズ2とフォーカスレンズ3とは、その光軸Lが一致するように配置されている。このレンズ駆動装置1は、全体として略四角柱状に形成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。また、レンズ駆動装置1の4つの側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。
本形態では、Z方向(上下方向)が光軸方向とほぼ一致している。また、レンズ駆動装置1が搭載されるカメラでは、レンズ駆動装置1の下端側に撮像素子(図示省略)が配置されており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
レンズ駆動装置1は、ズームレンズ2を保持し光軸方向へ移動可能な第1可動体としての可動体4と、フォーカスレンズ3を保持し光軸方向へ移動可能な第2可動体としての可動体5と、可動体4を光軸方向へ駆動するための第1駆動機構としての駆動機構6と、可動体5を光軸方向へ駆動するための第2駆動機構としての駆動機構7とを備えている。可動体4、5は、図示を省略する固定体に収容されている。この固定体は、非磁性材料で形成されている。
また、レンズ駆動装置1は、可動体4を光軸方向へ案内するための第1ガイド軸としてのガイド軸8と、可動体5を光軸方向へ案内するための第2ガイド軸としてのガイド軸9とを備えている。ガイド軸8、9は、上下方向を軸方向として固定体に固定されている。また、ガイド軸8は、レンズ駆動装置1の左前端の角部に配置され、ガイド軸9は、レンズ駆動装置1の左後端の角部に配置されている。
可動体4は、ズームレンズ2を保持するレンズホルダ11を備えている。レンズホルダ11は、樹脂で形成されている。また、レンズホルダ11は、ズームレンズ2が固定されるレンズ固定部11aと、駆動機構6を構成する後述の駆動用磁石15が固定される磁石固定部11bとを備えている。
レンズ固定部11aは、略正方形の平板状に形成されており、XY平面と略平行になるように配置されている。レンズ固定部11aの左前端の角部には、ガイド軸8が挿通される第1挿通孔としての挿通孔11cがレンズ固定部11aを貫通するように形成されている。また、レンズ固定部11aの左後端の角部には、ガイド軸9が挿通される第1貫通孔としての貫通孔11dがレンズ固定部11aを貫通するように形成されている。挿通孔11cおよび貫通孔11dは、丸孔状に形成されている。挿通孔11cの内径は、貫通孔11dの内径よりも小さくなっている。本形態では、挿通孔11cは、ガイド軸8と協働して、可動体4を光軸方向へ案内する機能を果たしている。また、貫通孔11dは、ガイド軸9と協働して、ガイド軸8を中心とする可動体4の回転を防止する機能を果たしている。
磁石固定部11bは、略長方形の平板状に形成されている。この磁石固定部11bは、レンズ固定部11aの右後端の角部から上下方向の両側へ立ち上るように形成されている。また、磁石固定部11bは、XY平面において左右方向に対して45°傾いた方向がその厚さ方向となるように、レンズ固定部11aの右後端の角部に形成されている。なお、レンズ固定部11aの右前端の角部には、可動体5を構成する後述のレンズホルダ12の磁石固定部12bおよび駆動機構7を構成する後述の駆動用磁石20との干渉を防止するための切欠き部11eが形成されている。
可動体5は、フォーカスレンズ3を保持するレンズホルダ12を備えている。レンズホルダ12は、樹脂で形成されている。また、レンズホルダ12は、フォーカスレンズ3が固定されるレンズ固定部12aと、駆動機構7を構成する後述の駆動用磁石20が固定される磁石固定部12bとを備えている。
レンズ固定部12aは、略正方形の平板状に形成されており、XY平面と略平行になるように配置されている。レンズ固定部12aの左後端の角部には、ガイド軸9が挿通される第2挿通孔としての挿通孔12cがレンズ固定部12aを貫通するように形成されている。また、レンズ固定部12aの左前端の角部には、ガイド軸8が挿通される第2貫通孔としての貫通孔12dがレンズ固定部12aを貫通するように形成されている。挿通孔12cおよび貫通孔12dは、丸孔状に形成されている。挿通孔12cの内径は、貫通孔12dの内径よりも小さくなっている。本形態では、挿通孔12cは、ガイド軸9と協働して、可動体5を光軸方向へ案内する機能を果たしている。また、貫通孔12dは、ガイド軸8と協働して、ガイド軸9を中心とする可動体5の回転を防止する機能を果たしている。
磁石固定部12bは、略長方形の平板状に形成されている。この磁石固定部12bは、レンズ固定部12aの右前端の角部から上下方向の両側へ立ち上るように形成されている。また、磁石固定部12bは、XY平面において前後方向に対して45°傾いた方向がその厚さ方向となるように、レンズ固定部12aの右前端の角部に形成されている。なお、レンズ固定部12aの右後端の角部には、レンズホルダ11の磁石固定部11bおよび駆動機構6を構成する後述の駆動用磁石15との干渉を防止するための切欠き部12eが形成されている。
レンズ固定部12aは、レンズ固定部11aの下側に配置されている。レンズ固定部11aおよび/またはレンズ固定部12aには、レンズ固定部11aとレンズ固定部12aとの衝突を防止するための衝突防止突起(図示省略)が形成されている。
駆動機構6は、レンズ駆動装置1の右後端の角部に配置されている。この駆動機構6は、可動体4に固定される第1駆動用磁石としての駆動用磁石15と、固定体に固定される第1磁性部材としての磁性部材16と、磁性部材16の側面の一部を覆う第1ボビンとしてのボビン17(図4、図5参照)と、ボビン17に巻回される第1駆動用コイルとしての駆動用コイル18と、ボビン17に巻回される第2駆動用コイルとしての駆動用コイル19とを備えている。なお、図1〜図3では、ボビン17の図示を省略している。
駆動用コイル18、19は、上下方向で重なるようにボビン17に巻回されている。また、駆動用コイル18、19は、駆動用磁石15の右後ろ側に配置されており、右後ろ側から駆動用磁石15に対向している。駆動用磁石15は、レンズホルダ11の磁石固定部11bの外側面に固定されている。磁性部材16の上端側および下端側は、固定体に固定されている。磁性部材16は、駆動用磁石15の右後ろ側に配置されている。そのため、駆動用磁石15と磁性部材16との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4は、右後ろ側に付勢されている。駆動機構6の具体的な構成については後述する。
駆動機構7は、レンズ駆動装置1の右前端の角部に配置されている。この駆動機構7は、可動体5に固定される第2駆動用磁石としての駆動用磁石20と、固定体に固定される第2磁性部材としての磁性部材21と、磁性部材21の側面の一部を覆う第2ボビンとしてのボビン22(図4、図5参照)と、ボビン22に巻回される第3駆動用コイルとしての駆動用コイル23と、ボビン22に巻回される第4駆動用コイルとしての駆動用コイル24とを備えている。なお、図1〜図3では、ボビン22の図示を省略している。
駆動用コイル23、24は、上下方向で重なるようにボビン22に巻回されている。また、駆動用コイル23、24は、駆動用磁石20の右前側に配置されており、右前側から駆動用磁石20に対向している。駆動用磁石20は、レンズホルダ12の磁石固定部12bの外側面に固定されている。磁性部材21の上端側および下端側は、固定体に固定されている。磁性部材21は、駆動用磁石20の右前側に配置されている。そのため、駆動用磁石20と磁性部材21との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体5は、右前側に付勢されている。駆動機構7の具体的な構成については後述する。
(駆動機構の構成)
図4は、図2に示す磁性部材16にボビン17および駆動用コイル18、19が取り付けられた状態の斜視図である。図5は、図2に示す駆動用磁石15、磁性部材16およびボビン17の斜視図である。
上述のように、駆動機構6は、駆動用磁石15と磁性部材16とボビン17と駆動用コイル18、19とを備えている。
駆動用磁石15は、略長方形の平板状に形成されている。この駆動用磁石15は、XY平面において左右方向に対して45°傾いた方向と駆動用磁石15の厚さ方向とが略一致するように、レンズホルダ11の磁石固定部11bに固定されており、XY平面において左右方向に対して45°傾いた方向で、駆動用コイル18、19と対向している。また、駆動用磁石15は、その長手方向が上下方向と略一致するように磁石固定部11bに固定されている。駆動用磁石15は、駆動用磁石15の、駆動用コイル18との対向面15aの磁極と、駆動用磁石15の、駆動用コイル19との対向面15bの磁極とが異なる磁極となるように、上下方向で2極に着磁されている。たとえば、駆動用磁石15は、対向面15aの磁極がS極となり、対向面15bの磁極がN極となるように着磁されている。本形態の対向面15aは第1対向面であり、対向面15bは第2対向面である。
磁性部材16は、軟磁性材料で形成されている。また、磁性部材16は、略長方形の板状に形成されている。この磁性部材16は、駆動用磁石15と略平行に配置されている。すなわち、磁性部材16は、XY平面において左右方向に対して45°傾いた方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。また、磁性部材16は、その長手方向が上下方向と略一致するように配置されている。上下方向における磁性部材16の長さは、上下方向における駆動用磁石15の長さよりも長くなっている。また、図1に示すように、磁性部材16の上端側は、駆動用磁石15の上端よりも上側へ突出し、磁性部材16の下端側は、駆動用磁石15の下端よりも下側へ突出している。本形態の磁性部材16は、駆動機構6の磁気回路を形成するためのヨークの機能を果たしている。
ボビン17は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。このボビン17は、ボビン17の上端側部分を構成する上端部17aと、上下方向におけるボビン17の中間部分を構成する中間部17bと、ボビン17の下端側部分を構成する下端部17cと、上端部17aと中間部17bとの間に形成される第5巻回部としての巻回部17dと、中間部17bと下端部17cとの間に形成される第6巻回部としての巻回部17eとから構成されている。
駆動用磁石15と駆動用コイル18、19との対向方向(すなわち、駆動用磁石15、磁性部材16の厚さ方向)を第1方向とし、第1方向と上下方向とに直交する方向を第2方向とすると、上端部17a、中間部17bおよび下端部17cは、第1方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されており、ボビン17は、全体として第1方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。上下方向から見たときに、上端部17aの内周面と中間部17bの内周面と下端部17cの内周面とは一致しており、上端部17aの外周面と中間部17bの外周面と下端部17cの外周面とは一致している。
巻回部17d、17eは、第2方向の両側に配置される第1側面部としての2個の側面部17fによって構成されている。すなわち、巻回部17d、17eには、第1方向における側面が形成されておらず、巻回部17d、17eには、第1方向に開口する開口部が形成されている。上下方向から見たときに、第2方向における側面部17fの内側端は、第2方向における上端部17a、中間部17bおよび下端部17cの内側端と一致している。一方、上下方向から見たときに、第2方向における側面部17fの外側端は、第2方向における上端部17a、中間部17bおよび下端部17cの外側端よりも、第2方向の内側に配置されている。本形態では、第2方向の両側に配置される2個の側面部17fの間隔は、磁性部材16の幅W1と略等しくなっている。また、本形態では、第1方向における側面部17fの厚さは、磁性部材16の厚さよりも厚くなっている。
ボビン17の内周側には、磁性部材16が挿通されて固定されている。上下方向におけるボビン17の長さは、上下方向における磁性部材16の長さよりも短くなっている。また、図4に示すように、磁性部材16の上端側は、ボビン17の上端よりも上側へ突出し、磁性部材16の下端側は、ボビン17の下端よりも下側へ突出している。第2方向における磁性部材16の側面は、上端部17a、中間部17b、下端部17cおよび側面部17fによって覆われている。一方、第1方向における磁性部材16の側面は、上端部17a、中間部17bおよび下端部17cのみに覆われており、駆動用コイル18、19が巻回されていない状態では、巻回部17d、17eにおいて、第1方向における磁性部材16の側面が露出している。なお、上下方向におけるボビン17の長さは、上下方向における駆動用磁石15の長さよりも長くなっている。
巻回部17dには、駆動用コイル18が巻回され、巻回部17eには、駆動用コイル19が巻回されている。すなわち、駆動用コイル18、19は、ボビン17を介して磁性部材16に巻回されている。また、駆動用コイル18、19は、上下方向で重なるように、ボビン17を介して磁性部材16に巻回されている。本形態では、駆動用コイル18、19は、1本の導線によって構成されており、1本の導線を順次、巻回することで駆動用コイル18、19が形成されている。また、駆動用コイル18、19は、その巻回方向が逆方向となるように、ボビン17に巻回されている。たとえば、上下方向から見たときに、駆動用コイル18が時計回りの方向に巻回され、駆動用コイル19が反時計回りの方向に巻回されている。
上端部17aおよび下端部17cには、駆動用コイル18、19を構成する導線である第1導線の端部を絡げるための第1導線端部絡げ用ピンとしてのピン17gが形成されている。また、中間部17bには、第1導線の巻回方向を変えるための第1巻回方向変更用ピンとしてのピン17hが形成されている。ピン17g、17hは、右後ろ側へ突出するように、上端部17a、中間部17bまたは下端部17cに形成されている。
上端部17aのピン17gに一端部が巻回された第1導線は、巻回部17dに巻回された後、ピン17hに巻回されて、その巻回方向を変えてから、巻回部17eに巻回される。また、巻回部17eに巻回された第1導線の他端部は、下端部17cのピン17gに巻回される。2本のピン17gに巻回された第1導線の両端部は、たとえば、図示を省略する配線に電気的に接続されている。上端部17aおよび中間部17bは、駆動用コイル18の巻崩れを防止する機能を果たしており、下端部17cおよび中間部17bは、駆動用コイル19の巻崩れを防止する機能を果たしている。
巻回部17d、17eに巻回された(すなわち、第2方向の両側に配置される2個の側面部17fに巻回された)駆動用コイル18、19は、磁性部材16の外周面に沿うように略四角筒状に形成されている。具体的には、駆動用コイル18、19は、第1方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。なお、本形態では、磁性部材16の、ボビン17を介して駆動用コイル18が巻回される部分は、第1巻回部であり、磁性部材16の、ボビン17を介して駆動用コイル19が巻回される部分は、第2巻回部である。
上述のように、駆動機構7は、駆動用磁石20と磁性部材21とボビン22と駆動用コイル23、24とを備えている。
駆動用磁石20は、駆動用磁石15と同形状に形成されている。この駆動用磁石20は、XY平面において前後方向に対して45°傾いた方向と駆動用磁石20の厚さ方向とが略一致するように、レンズホルダ12の磁石固定部12bに固定されており、XY平面において前後方向に対して45°傾いた方向で、駆動用コイル23、24と対向している。また、駆動用磁石20は、その長手方向が上下方向と略一致するように磁石固定部12bに固定されている。駆動用磁石20は、駆動用磁石15と同様に、駆動用磁石20の、駆動用コイル23との対向面20aの磁極と、駆動用磁石20の、駆動用コイル24との対向面20bの磁極とが異なる磁極となるように、上下方向で2極に着磁されている。たとえば、対向面20aの磁極はS極であり、対向面20bの磁極はN極である。本形態の対向面20aは第3対向面であり、対向面20bは第4対向面である。
磁性部材21は、磁性部材16と同形状に形成されている。この磁性部材21は、駆動用磁石20と略平行に配置されている。すなわち、磁性部材21は、XY平面において前後方向に対して45°傾いた方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。また、磁性部材21は、その長手方向が上下方向と略一致するように配置されている。上下方向における磁性部材21の長さは、上下方向における駆動用磁石20の長さよりも長くなっており、図1に示すように、磁性部材21の上端側は、駆動用磁石20の上端よりも上側へ突出し、磁性部材21の下端側は、駆動用磁石20の下端よりも下側へ突出している。本形態の磁性部材21は、駆動機構7の磁気回路を形成するためのヨークの機能を果たしている。
ボビン22は、ボビン17と同形状に形成されている。すなわち、ボビン22は、ボビン17の上端部17aに相当する上端部22aと、ボビン17の中間部17bに相当する中間部22bと、ボビン17の下端部17cに相当する下端部22cと、ボビン17の巻回部17dに相当する第7巻回部としての巻回部22dと、ボビン17の巻回部17eに相当する第8巻回部としての巻回部22eとから構成されている。
駆動用磁石20と駆動用コイル23、24との対向方向(すなわち、駆動用磁石20、磁性部材21の厚さ方向)を第3方向とし、第3方向と上下方向とに直交する方向を第4方向とすると、上端部22a、中間部22bおよび下端部22cは、第3方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されており、ボビン22は、全体として第3方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。巻回部22d、22eは、第4方向の両側に配置される第2側面部としての2個の側面部22fによって構成されている。すなわち、巻回部22d、22eには、第3方向における側面が形成されておらず、巻回部22d、22eには、第3方向に開口する開口部が形成されている。
ボビン22の内周側には、磁性部材21が挿通されて固定されている。第4方向における磁性部材21の側面は、上端部22a、中間部22b、下端部22cおよび側面部22fによって覆われている。一方、第3方向における磁性部材21の側面は、上端部22a、中間部22bおよび下端部22cのみに覆われており、駆動用コイル23、24が巻回されていない状態では、巻回部22d、22eにおいて、第3方向における磁性部材21の側面が露出している。
巻回部22dには、駆動用コイル23が巻回され、巻回部22eには、駆動用コイル24が巻回されている。すなわち、駆動用コイル23、24は、上下方向で重なるように、ボビン22を介して磁性部材21に巻回されている。本形態では、駆動用コイル23、24は、1本の導線によって構成されており、1本の導線を順次、巻回することで駆動用コイル23、24が形成されている。また、駆動用コイル23、24は、その巻回方向が逆方向となるように、ボビン22に巻回されている。
上端部22aおよび下端部22cには、駆動用コイル23、24を構成する導線である第2導線の端部を絡げるための第2導線端部絡げ用ピンとしてのピン22gが形成されている。また、中間部22bには、第2導線の巻回方向を変えるための第2巻回方向変更用ピンとしてのピン22hが形成されている。ピン22g、22hは、右前側へ突出するように、上端部22a、中間部22bまたは下端部22cに形成されている。
上端部22aのピン22gに一端部が巻回された第2導線は、巻回部22dに巻回された後、ピン22hに巻回されて、その巻回方向を変えてから、巻回部22eに巻回される。また、巻回部22eに巻回された第2導線の他端部は、下端部22cのピン22gに巻回される。2本のピン22gに巻回された第2導線の両端部は、たとえば、図示を省略する配線に電気的に接続されている。上端部22aおよび中間部22bは、駆動用コイル23の巻崩れを防止する機能を果たしており、下端部22cおよび中間部22bは、駆動用コイル24の巻崩れを防止する機能を果たしている。
巻回部22d、22eに巻回された(すなわち、第4方向の両側に配置される2個の側面部22fに巻回された)駆動用コイル23、24は、磁性部材21の外周面に沿うように、第3方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。なお、本形態では、磁性部材21の、ボビン22を介して駆動用コイル23が巻回される部分は、第3巻回部であり、磁性部材21の、ボビン22を介して駆動用コイル24が巻回される部分は、第4巻回部である。
(レンズ駆動装置の概略動作)
図6は、図1に示す可動体4が光軸方向へ移動するときおよびその前後の駆動用磁石15の状態および磁性部材16の状態を説明するための図である。
以上のように構成されたレンズ駆動装置1では、駆動用コイル18、19に電流が供給されると、ローレンツ力の作用で、たとえば、図6(A)に示す位置にある駆動用磁石15が図6(B)に示すように、上側へ移動する。すなわち、可動体4が上側へ移動する。本形態では、図6(B)に示すように磁性部材16が磁化されるように、駆動用コイル18、19が巻回されており、このときには、駆動用磁石15と磁性部材16との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力の作用で、上側へ移動する可動体4の駆動力が大きくなる。
また、図6(B)に示す状態で、駆動用コイル18、19への電流の供給が停止されると、磁化されていた磁性部材16が元の状態に戻り、駆動用磁石15と磁性部材16との間に作用する磁気的吸引力によって、図6(C)に示すように、駆動用磁石15の位置が保持される。すなわち、可動体4の位置が保持される。また、この状態で、駆動用コイル18、19に逆方向の電流が供給されると、ローレンツ力の作用で、図6(D)に示すように、駆動用磁石15が下側へ移動し始める。すなわち、可動体4が下側へ移動し始める。このときには、磁性部材16は、図6(D)に示すように磁化されるため、駆動用磁石15と磁性部材16との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力の作用で、下側へ移動する可動体4の駆動力が大きくなる。
同様に、駆動用コイル23、24に電流が供給されると、ローレンツ力の作用で、可動体5が光軸方向へ移動する。このときには、磁性部材21が、磁性部材16と同様に磁化されるため、駆動用磁石20と磁性部材21との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力の作用で、光軸方向へ移動する可動体5の駆動力が大きくなる。また、駆動用コイル23、24への電流の供給が停止されると、磁化されていた磁性部材21が元の状態に戻り、駆動用磁石20と磁性部材21との間に作用する磁気的吸引力によって、可動体5の位置が保持される。
また、上述のように、駆動用磁石15と磁性部材16との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4は、右後ろ側に付勢されているため、駆動用コイル18、19に電流が供給されると、可動体4は、右後ろ側へ付勢された状態で、ガイド軸8に沿って光軸方向へ移動する。同様に、駆動用磁石20と磁性部材21との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体5は、右前側に付勢されているため、駆動用コイル23、24に電流が供給されると、可動体5は、右前側へ付勢された状態で、ガイド軸9に沿って光軸方向へ移動する。
本形態では、駆動用コイル18の下端面(すなわち、駆動用コイル19側の端面)である第1端面としての端面18aと、駆動用コイル19の上端面(すなわち、駆動用コイル18側の端面)である第2端面としての端面19aとの距離は、可動体4の移動可能距離よりも長くなっている。同様に、駆動用コイル23の下端面(すなわち、駆動用コイル24側の端面)である第3端面としての端面23aと、駆動用コイル24の上端面(すなわち、駆動用コイル23側の端面)である第4端面としての端面24aとの距離は、可動体5の移動可能距離よりも長くなっている。
また、本形態では、駆動用磁石15の対向面15aの磁極と対向面15bの磁極との境界D1は、可動体4が光軸方向へ移動しても、光軸方向において、端面18aと端面19aとの間にある。すなわち、可動体4の可動範囲において、境界D1が端面18aよりも上側にくることはなく、また、境界D1が端面19aよりも下側にくることはない。同様に、駆動用磁石20の対向面20aの磁極と対向面20bの磁極との境界D2は、可動体5が光軸方向へ移動しても、光軸方向において、端面23aと端面24aとの間にある。すなわち、可動体5の可動範囲において、境界D2が端面23aよりも上側にくることはなく、また、境界D2が端面24aよりも下側にくることはない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、駆動用コイル18、19に電流が供給されると、図6(B)、(D)に示すように磁性部材16が磁化される。そのため、本形態では、駆動用磁石15と磁性部材16との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力を利用して、駆動機構6の駆動力を高めることができる。また、本形態では、駆動用コイル23、24に電流が供給されると、磁性部材16と同様に磁性部材21が磁化されるため、駆動用磁石20と磁性部材21との間に生じる磁気的吸引力および磁気的反発力を利用して、駆動機構7の駆動力を高めることができる。したがって、本形態では、駆動用磁石15、20および駆動用コイル18、19、23、24を小型化しても駆動機構6、7の駆動力を確保することが可能になる。その結果、本形態では、駆動機構6、7の駆動力を確保しつつ、レンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。
本形態では、ピン17hが形成されるボビン17に、駆動用コイル18、19が巻回され、ピン22hが形成されるボビン22に、駆動用コイル23、24が巻回されている。そのため、本形態では、駆動用コイル18の巻回方向と駆動用コイル19の巻回方向とが逆方向になっていても、ピン17hを利用して、駆動用コイル18、19を構成する第1導線の巻回方向を容易に変えることができる。また、駆動用コイル23の巻回方向と駆動用コイル24の巻回方向とが逆方向になっていても、ピン22hを利用して、駆動用コイル23、24を構成する第2導線の巻回方向を容易に変えることができる。また、本形態では、ボビン17にピン17gが形成され、ボビン22にピン22gが形成されているため、第1導線の端部の処理および第2導線の端部の処理を容易に行うことができる。したがって、本形態では、駆動用コイル18、19、23、24の巻回作業を容易に行うことが可能になる。
本形態では、磁性部材16は第1方向を厚さ方向とする平板状に形成されており、かつ、駆動用コイル18、19は、磁性部材16の外周面に沿うように第1方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。そのため、本形態では、駆動機構6の駆動力を確保すべく、ボビン17を介して磁性部材16に所定回数、駆動用コイル18、19が巻回されていても、駆動用コイル18、19を構成する第1導線の長さを短くすることが可能になる。また、本形態では、磁性部材21は第3方向を厚さ方向とする平板状に形成されており、かつ、駆動用コイル23、24は、磁性部材21の外周面に沿うように第3方向を扁平方向とする扁平な略四角筒状に形成されている。そのため、本形態では、駆動機構7の駆動力を確保すべく、ボビン22を介して磁性部材21に所定回数、駆動用コイル23、24が巻回されていても、駆動用コイル23、24を構成する第2導線の長さを短くすることが可能になる。したがって、本形態では、駆動用コイル18、19、23、24での消費電力を低減させることが可能になる。
特に本形態では、ボビン17の巻回部17d、17eが、第2方向の両側に配置される2個の側面部17fによって構成されており、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されていないため、第1導線の長さをより短くすることが可能になる。同様に、本形態では、ボビン22の巻回部22d、22eが、第4方向の両側に配置される2個の側面部22fによって構成されており、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されていないため、第2導線の長さをより短くすることが可能になる。したがって、本形態では、駆動用コイル18、19、23、24での消費電力をより低減させることが可能になる。
また、本形態では、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されていないため、ボビン17を介して磁性部材16に駆動用コイル18、19が巻回されていても、第1方向における駆動用磁石15と磁性部材16との距離を縮めることが可能になる。同様に、本形態では、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されていないため、ボビン22を介して磁性部材21に駆動用コイル23、24が巻回されていても、第3方向における駆動用磁石20と磁性部材21との距離を縮めることが可能になる。したがって、本形態では、駆動用コイル18、19、23、24を通過する磁束の密度を高めることが可能になり、その結果、駆動機構6、7の駆動力を高めることが可能になる。
また、本形態では、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されていないため、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されている場合と比較して、磁性部材16と駆動磁石15との磁気的吸引力を大きくすることが可能になる。同様に、本形態では、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されていないため、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されている場合と比較して、磁性部材21と駆動磁石20との磁気的吸引力を大きくすることが可能になる。
本形態では、上下方向における磁性部材16の長さは、上下方向における駆動用磁石15の長さよりも長くなっている。また、磁性部材16の上端側は、駆動用磁石15の上端よりも上側へ突出し、磁性部材16の下端側は、駆動用磁石15の下端よりも下側へ突出している。上下方向における磁性部材16の長さが上下方向における駆動用磁石15の長さよりも短くなっていて、磁性部材16の上下両端が駆動用磁石15の上下両端よりも上下方向の内側に配置されている場合には、駆動用コイル18、19に電流が供給されていないときに、上下方向における磁性部材16の中心へ向かう磁気的吸引力が駆動用磁石15に働きやすくなるため、所定位置へ可動体4を移動させるために必要な駆動機構6の駆動力を大きくしなければならない。これに対して、本形態では、上下方向における磁性部材16の中心へ向かう磁気的吸引力が駆動用磁石15に働きにくくなるため、所定位置へ可動体4を移動させるために必要な駆動機構6の駆動力を低減させることが可能になる。
同様に本形態では、上下方向における磁性部材21の長さが上下方向における駆動用磁石20の長さよりも長くなっており、磁性部材21の上端側が駆動用磁石20の上端よりも上側へ突出し、磁性部材21の下端側が駆動用磁石20の下端よりも下側へ突出しているため、所定位置へ可動体5を移動させるために必要な駆動機構7の駆動力を低減させることが可能になる。
本形態では、駆動用磁石15の対向面15aの磁極と対向面15bの磁極との境界D1は、可動体4が光軸方向へ移動しても、光軸方向において端面18aと端面19aとの間にある。そのため、本形態では、可動体4が光軸方向へ移動しても、対向面15aは駆動用コイル19と対向せず、かつ、対向面15bは駆動用コイル18と対向しない。したがって、本形態では、可動体4の移動に伴う駆動機構6の駆動力の低下を抑制することが可能になる。同様に、本形態では、駆動用磁石20の対向面20aの磁極と対向面20bの磁極との境界D2は、可動体5が光軸方向へ移動しても、光軸方向において端面23aと端面24aとの間にあり、可動体5が移動しても、対向面20aは駆動用コイル24と対向せず、かつ、対向面20bは駆動用コイル23と対向しない。したがって、本形態では、可動体5の移動に伴う駆動機構7の駆動力の低下を抑制することが可能になる。
本形態では、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるレンズ駆動装置1の右後端の角部に駆動機構6が配置され、レンズ駆動装置1の右前端の角部に駆動機構7が配置されている。また、本形態では、レンズ駆動装置1の左前端の角部にガイド軸8が配置され、レンズ駆動装置1の右後端の角部にガイド軸9が配置されている。すなわち、本形態では、デッドスペースとなりやすいレンズ駆動装置1の4つの角部に、駆動機構6、7およびガイド軸8、9が配置されている。そのため、本形態では、レンズ駆動装置1の径方向でレンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。あるいは、レンズ駆動装置1の径方向でレンズ駆動装置1を大型化させることなく、ズームレンズ2やフォーカスレンズ3の径を大きくすることが可能になる。
本形態では、駆動用コイル18、19に電流が供給されると、可動体4は、右後ろ側へ付勢された状態で、ガイド軸8に沿って光軸方向へ移動する。すなわち、本形態では、駆動用コイル18、19に電流が供給されると、可動体4は、上下方向から見たときにガイド軸8の軸中心と光軸Lと駆動機構6の中心とを結ぶ仮想線上の一方向側である右後ろ側へ付勢された状態で、ガイド軸8に沿って光軸方向へ移動する。同様に、本形態では、駆動用コイル23、24に電流が供給されると、可動体5は、右前側へ付勢された状態で、ガイド軸9に沿って光軸方向へ移動する。すなわち、本形態では、駆動用コイル23、24に電流が供給されると、可動体5は、上下方向から見たときにガイド軸9の軸中心と光軸Lと駆動機構7の中心とを結ぶ仮想線上の一方向側である右前側へ付勢された状態でガイド軸9に沿って光軸方向へ移動する。そのため、本形態では、光軸方向へ移動する際の可動体4、5のがたつきを抑制することが可能になる。
本形態では、駆動用コイル18、19、23、24が固定体に取り付けられている。そのため、可動体4に駆動用コイル18、19が取り付けられ、可動体5に駆動用コイル23、24が取り付けられている場合と比較して、駆動用コイル18、19、23、24の処理が容易になる。また、本形態では、固定体が非磁性材料で形成されているため、可動体4に固定される駆動用磁石15および可動体5に固定される駆動用磁石20と固定体との間に生じる磁気的吸引力によって駆動機構6、7の駆動力が低下するのを防止することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、磁性部材16は、略長方形の平板状に形成されている。この他にもたとえば、磁性部材16の、ボビン17を介して駆動用コイル18が巻回される部分、および、磁性部材16の、ボビン17を介して駆動用コイル19が巻回される部分が、第1方向をその厚さ方向とする平板状に形成されているのであれば、磁性部材16は、どのような形状に形成されても良い。同様に、上述した形態では、磁性部材21は、略長方形の平板状に形成されているが、磁性部材21の、ボビン22を介して駆動用コイル23が巻回される部分、および、磁性部材21の、ボビン22を介して駆動用コイル24が巻回される部分が、第3方向をその厚さ方向とする平板状に形成されているのであれば、磁性部材21は、どのような形状に形成されても良い。
上述した形態では、ボビン17の巻回部17d、17eは、第2方向の両側に配置される2個の側面部17fによって構成されており、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されていないが、巻回部17d、17eに、第1方向における側面が形成されても良い。同様に、上述した形態では、ボビン22の巻回部22d、22eは、第4方向の両側に配置される2個の側面部22fによって構成されており、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されていないが、巻回部22d、22eに、第3方向における側面が形成されても良い。
上述した形態では、上下方向における磁性部材16の長さは、上下方向における駆動用磁石15の長さよりも長くなっており、磁性部材16の上端側は、駆動用磁石15の上端よりも上側へ突出し、磁性部材16の下端側は、駆動用磁石15の下端よりも下側へ突出している。この他にもたとえば、上下方向における磁性部材16の長さが上下方向における駆動用磁石15の長さよりも短くなっていて、磁性部材16の上下両端が駆動用磁石15の上下両端よりも上下方向の内側に配置されていても良い。この場合には、駆動用コイル18、19に電流が供給されていないときに、上下方向における磁性部材16の中心へ向かう磁気的吸引力が駆動用磁石15に働きやすくなる。したがって、駆動用コイル18、19に電流が供給されていないときに、可動体4を一定位置で停止させることが可能になる。
また、同様に、上述した形態では、上下方向における磁性部材21の長さは、上下方向における駆動用磁石20の長さよりも長くなっており、磁性部材21の上端側は、駆動用磁石20の上端よりも上側へ突出し、磁性部材21の下端側は、駆動用磁石20の下端よりも下側へ突出しているが、上下方向における磁性部材21の長さが上下方向における駆動用磁石20の長さよりも短くなっていて、磁性部材21の上下両端が駆動用磁石20の上下両端よりも上下方向の内側に配置されていても良い。
上述した形態では、ガイド軸8によって可動体4が光軸方向へ案内されている。この他にもたとえば、可動体4と固定体との間に配置されるガイドボールによって可動体4が光軸方向へ案内されても良い。同様に、上述した形態では、ガイド軸9によって可動体5が光軸方向へ案内されているが、可動体5と固定体との間に配置されるガイドボールによって可動体5が光軸方向へ案内されても良い。
上述した形態では、レンズホルダ11に駆動用磁石15が固定され、固定体に磁性部材16が固定されているが、レンズホルダ11に磁性部材16が固定され、固定体に駆動用磁石15が固定されても良い。同様に、上述した形態では、レンズホルダ12に駆動用磁石20が固定され、固定体に磁性部材21が固定されているが、レンズホルダ12に磁性部材21が固定され、固定体に駆動用磁石20が固定されても良い。
上述した形態では、駆動用磁石20は、駆動用磁石15と同形状に形成され、磁性部材21は、磁性部材16と同形状に形成され、ボビン22は、ボビン17と同形状に形成され、駆動用コイル23、24は、駆動用コイル18、19と同形状に形成されている。この他にもたとえば、駆動用磁石20の形状と駆動用磁石15の形状とが異なっても良いし、磁性部材21の形状と磁性部材16の形状とが異なっても良い。また、ボビン22の形状とボビン17の形状とが異なっても良いし、駆動用コイル23、24の形状と駆動用コイル18、19の形状とが異なっても良い。
上述した形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。また、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略六角形状等の多角形状、円形状、あるいは、楕円形状となるように形成されても良い。
1 レンズ駆動装置
2 ズームレンズ
3 フォーカスレンズ
4 可動体(第1可動体)
5 可動体(第2可動体)
6 駆動機構(第1駆動機構)
7 駆動機構(第2駆動機構)
8 ガイド軸(第1ガイド軸)
9 ガイド軸(第2ガイド軸)
11c 挿通孔(第1挿通孔)
11d 貫通孔(第1貫通孔)
12c 挿通孔(第2挿通孔)
12d 貫通孔(第2貫通孔)
15 駆動用磁石(第1駆動用磁石)
15a 対向面(第1対向面)
15b 対向面(第2対向面)
16 磁性部材(第1磁性部材)
17 ボビン(第1ボビン)
17d 巻回部(第5巻回部)
17e 巻回部(第6巻回部)
17f 側面部(第1側面部)
17g ピン(第1導線端部絡げ用ピン)
17h ピン(第1巻回方向変更用ピン)
18 駆動用コイル(第1駆動用コイル)
18a 端面(第1端面)
19 駆動用コイル(第2駆動用コイル)
19a 端面(第2端面)
20 駆動用磁石(第2駆動用磁石)
20a 対向面(第3対向面)
20b 対向面(第4対向面)
21 磁性部材(第2磁性部材)
22 ボビン(第2ボビン)
22d 巻回部(第7巻回部)
22e 巻回部(第8巻回部)
22f 側面部(第2側面部)
22g ピン(第2導線端部絡げ用ピン)
22h ピン(第2巻回方向変更用ピン)
23 駆動用コイル(第3駆動用コイル)
23a 端面(第3端面)
24 駆動用コイル(第4駆動用コイル)
24a 端面(第4端面)
D1 第1対向面の磁極と第2対向面の磁極との境界
D2 第3対向面の磁極と第4対向面の磁極との境界
L 光軸
Z 光軸方向

Claims (7)

  1. ズームレンズを保持し前記ズームレンズの光軸方向へ移動可能な第1可動体と、前記ズームレンズの光軸とその光軸とが一致するように配置されるフォーカスレンズを保持し前記フォーカスレンズの光軸方向へ移動可能な第2可動体と、前記第1可動体および前記第2可動体が収容される固定体と、前記第1可動体を前記光軸方向へ駆動するための第1駆動機構と、前記第2可動体を前記光軸方向へ駆動するための第2駆動機構と、前記第1可動体を前記光軸方向へ案内する第1ガイド軸と、前記第2可動体を前記光軸方向へ案内する第2ガイド軸とを備えるとともに、前記光軸方向から見たときの形状が略四角形状になるように形成されるレンズ駆動装置であって、
    前記第1駆動機構は、前記第1可動体または前記固定体の一方に固定される第1駆動用磁石と、磁性材料で形成され前記第1可動体または前記固定体の他方に固定される第1磁性部材と、絶縁性材料で形成され前記第1磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第1ボビンと、前記第1ボビンに巻回され前記第1駆動用磁石に対向するとともに前記光軸方向で重なるように配置される第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルとを備え、
    前記第2駆動機構は、前記第2可動体または前記固定体の一方に固定される第2駆動用磁石と、磁性材料で形成され前記第2可動体または前記固定体の他方に固定される第2磁性部材と、絶縁性材料で形成され前記第2磁性部材の側面の少なくとも一部を覆う第2ボビンと、前記第2ボビンに巻回され前記第2駆動用磁石に対向するとともに前記光軸方向で重なるように配置される第3駆動用コイルおよび第4駆動用コイルとを備え、
    前記第1駆動用磁石は、前記第1駆動用磁石の、前記第1駆動用コイルとの対向面である第1対向面の磁極と、前記第1駆動用磁石の、前記第2駆動用コイルとの対向面である第2対向面の磁極とが異なる磁極となるように着磁され、
    前記第2駆動用磁石は、前記第2駆動用磁石の、前記第3駆動用コイルとの対向面である第3対向面の磁極と、前記第2駆動用磁石の、前記第4駆動用コイルとの対向面である第4対向面の磁極とが異なる磁極となるように着磁され、
    前記第2駆動用コイルの巻回方向は、前記第1駆動用コイルの巻回方向の逆方向となっており、
    前記第4駆動用コイルの巻回方向は、前記第3駆動用コイルの巻回方向の逆方向となっており、
    前記第1磁性部材の、前記第1ボビンを介して前記第1駆動用コイルが巻回される部分である第1巻回部と、前記第1磁性部材の、前記第1ボビンを介して前記第2駆動用コイルが巻回される部分である第2巻回部とは、前記第1駆動用コイルおよび前記第2駆動用コイルと前記第1駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成され、
    前記第2磁性部材の、前記第2ボビンを介して前記第3駆動用コイルが巻回される部分である第3巻回部と、前記第2磁性部材の、前記第2ボビンを介して前記第4駆動用コイルが巻回される部分である第4巻回部とは、前記第3駆動用コイルおよび前記第4駆動用コイルと前記第2駆動用磁石との対向方向を厚さ方向とする平板状に形成され、
    前記第1駆動用コイルは、前記第1巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、前記第2駆動用コイルは、前記第2巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、前記第3駆動用コイルは、前記第3巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され、前記第4駆動用コイルは、前記第4巻回部の外周面に沿うように略筒状に形成され
    前記第1可動体には、前記第1ガイド軸が挿通される第1挿通孔が形成され、
    前記第2可動体には、前記第2ガイド軸が挿通される第2挿通孔が形成され、
    前記第1駆動機構および前記第1ガイド軸は、前記光軸方向から見たときに、前記レンズ駆動装置の四隅のうちの対角線上の2箇所に配置され、
    前記第2駆動機構および前記第2ガイド軸は、前記光軸方向から見たときに、前記第1駆動機構および前記第1ガイド軸が配置される2箇所を除く前記レンズ駆動装置の四隅の残りの対角線上の2箇所に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記第1ボビンの、前記第1駆動用コイルが巻回される部分である第5巻回部、および、前記第1ボビンの、前記第2駆動用コイルが巻回される部分である第6巻回部は、前記第1駆動用コイルおよび前記第2駆動用コイルと前記第1駆動用磁石との対向方向と前記光軸方向とに直交する方向の両側に配置される2個の第1側面部によって構成され、
    前記第2ボビンの、前記第3駆動用コイルが巻回される部分である第7巻回部、および、前記第2ボビンの、前記第4駆動用コイルが巻回される部分である第8巻回部は、前記第3駆動用コイルおよび前記第4駆動用コイルと前記第2駆動用磁石との対向方向と前記光軸方向とに直交する方向の両側に配置される2個の第2側面部によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記第1ボビンの、前記光軸方向における両端側には、前記第1駆動用コイルおよび前記第2駆動用コイルを構成する導線である第1導線の端部を絡げるための第1導線端部絡げ用ピンが形成され、
    前記第1ボビンの、前記第1駆動用コイルが巻回される部分である第5巻回部と、前記第1ボビンの、前記第2駆動用コイルが巻回される部分である第6巻回部との間には、前記第1導線の巻回方向を変えるための第1巻回方向変更用ピンが形成され、
    前記第2ボビンの、前記光軸方向における両端側には、前記第3駆動用コイルおよび前記第4駆動用コイルを構成する導線である第2導線の端部を絡げるための第2導線端部絡げ用ピンが形成され、
    前記第2ボビンの、前記第3駆動用コイルが巻回される部分である第7巻回部と、前記第2ボビンの、前記第4駆動用コイルが巻回される部分である第8巻回部との間には、前記第2導線の巻回方向を変えるための第2巻回方向変更用ピンが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記光軸方向における前記第1磁性部材の長さは、前記光軸方向における前記第1駆動用磁石の長さよりも長くなっており、
    前記光軸方向における前記第1磁性部材の両端側は、前記光軸方向における前記第1駆動用磁石の両端よりも前記光軸方向の外側へ突出しており、
    前記光軸方向における前記第2磁性部材の長さは、前記光軸方向における前記第2駆動用磁石の長さよりも長くなっており、
    前記光軸方向における前記第2磁性部材の両端側は、前記光軸方向における前記第2駆動用磁石の両端よりも前記光軸方向の外側へ突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記第1駆動用コイルの、前記第2駆動用コイル側の端面である第1端面と、前記第2駆動用コイルの、前記第1駆動用コイル側の端面である第2端面との距離は、前記第1可動体の移動可能距離よりも長くなっており、
    前記第1対向面の磁極と前記第2対向面の磁極との境界は、前記第1可動体が前記光軸方向へ移動しても、前記光軸方向において、前記第1端面と前記第2端面との間にあり、
    前記第3駆動用コイルの、前記第4駆動用コイル側の端面である第3端面と、前記第4駆動用コイルの、前記第3駆動用コイル側の端面である第4端面との距離は、前記第2可動体の移動可能距離よりも長くなっており、
    前記第3対向面の磁極と前記第4対向面の磁極との境界は、前記第2可動体が前記光軸方向へ移動しても、前記光軸方向において、前記第3端面と前記第4端面との間にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記第1可動体には、前記第2ガイド軸が挿通される第1貫通孔が形成され、
    前記第2可動体には、前記第1ガイド軸が挿通される第2貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記第1駆動用磁石は、前記第1可動体に固定され、前記第2駆動用磁石は、前記第2可動体に固定され、
    前記第1磁性部材および前記第2磁性部材は、前記固定体に固定され、
    前記固定体は、非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のレンズ駆動装置。
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