JP6004228B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JP6004228B2
JP6004228B2 JP2013083164A JP2013083164A JP6004228B2 JP 6004228 B2 JP6004228 B2 JP 6004228B2 JP 2013083164 A JP2013083164 A JP 2013083164A JP 2013083164 A JP2013083164 A JP 2013083164A JP 6004228 B2 JP6004228 B2 JP 6004228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indoor
compressor
air conditioner
outdoor
coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013083164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014206304A (ja
Inventor
太田 裕樹
裕樹 太田
康孝 吉田
康孝 吉田
松村 賢治
賢治 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Original Assignee
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc filed Critical Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority to JP2013083164A priority Critical patent/JP6004228B2/ja
Publication of JP2014206304A publication Critical patent/JP2014206304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6004228B2 publication Critical patent/JP6004228B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、空気調和機に関する。
例えば特許文献1には、「本多室空気調和機は、部屋の熱容量並びに熱通過係数を少なくとも要因とする利用部161等の熱環境の状態、及び圧縮機2の駆動周波数と多室空気調和機の能力との関係を表す係数を、複数の所定の観測量を元に時々刻々同定していくオンラインシステム同定器47と、フィードバック演算器44とを有する制御演算装置32を有している。」と記載されている(要約参照)。
特開平9−21574号公報
特許文献1に記載される多室空気調和機は、フィードバック演算器で圧縮機の最適操作量を求めるために用いる規範の係数として、正の定数を使用することが望ましいとされている。しかしながら、このような多室空気調和機では、利用部の熱環境の大きな変化に対して制御に用いる係数が適合範囲を超えてしまい好適な制御状態を維持できなくなる場合がある。
例えば、多室空気調和機が暖房運転されるときの圧縮機の最適操作量を求めるのに用いる規範の係数を定格出力付近の定数とした場合、定格出力に見合った環境では利用部(暖房する居室内等)の温度を好適に調節できるが、利用部が熱通過等によって加熱される状況にある場合など加熱をあまり必要としない状態においては、オーバーシュートが生じるなどして利用部が好適に温度調節されないことがある。
そこで本発明は、空調を行う利用部の熱環境の大きな変化に対して好適に制御される空気調和機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、空気調和機をシステム同定するオンラインシステム同定器が、利用部の特性を示すパラメータを逐次同定するとともに、同定したパラメータに基づいて、制御に用いる規範の係数を変更するという特徴を有する。
本発明によると、空調を行う利用部の熱環境の大きな変化に対して好適に制御される空気調和機を提供できる。
本発明の実施例に係る多室空気調和機のブロック図である。 利用部室内温度がオーバーシュートする状態を示すグラフである。 利用部の熱通過係数と規範の係数の関係を示すマップの一例である。 利用部の室内温度がオーバーシュートすることなく設定温度に収束する状態を示すグラフである。 制御演算装置が多室空気調和機を制御する手順を示すフローチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る多室空気調和機のブロック図である。また、図2は利用部室内温度がオーバーシュートする状態を示すグラフであり、縦軸が利用部の室内温度、横軸が時間を示している。
図1に示すように、本実施例の空気調和機は、室外機1と、複数台(例えば2台)の室内機91,92を有し、室外機1と複数台の室内機91,92が閉回路に配管接続されて冷媒が封入されている多室空気調和機Sとする。
室外機1には、周波数可変の圧縮機2と室外熱交換器3及び室外電子膨張弁8が配管接続され、室外熱交換器3に送風する室外ファン4が備わっている。
なお、複数台(例えば2台)の室内機91,92が配設される多室空気調和機Sに限定されるものではなく、1台の室内機91が配設される空気調和機であってもよい。
また、室内機91,92には、室内空気と冷媒が熱交換する室内熱交換器101,102と、その室内熱交換器101,102の冷媒の流量を調節する室内電子膨張弁121,122が順次配管接続され、室内熱交換器101,102に送風する室内ファン111,112がそれぞれ備わっている。
さらに、多室空気調和機Sは、室内機91,92が配設される部屋(利用部161,162)の熱容量並びに熱通過係数を少なくとも要因とする利用部熱環境の状態、及び、圧縮機2の駆動周波数と多室空気調和機Sの能力との関係を表すパラメータを、複数の所定の観測量を元に時々刻々同定していくオンラインシステム同定器47と、フィードバック演算器44とを有する制御演算装置32を有している。
また、室外機1は、アキュムレータ5、四方弁6及びレシーバ7を備えている。そして、室外機1と室内機91,92の各ガス側及び液側を、各々ガス側管路13、液側管路14及び分岐管151,152で接続して閉回路をなし、その閉回路の内部に冷媒が封入される。
また、多室空気調和機Sの室外機1には、室外温度(利用部161,162の室外の気温)を検知する室外温度検知器17、圧縮機冷媒吐出温度検知器及び冷媒過熱度演算器からなる圧縮機冷媒吐出過熱度検知器18、圧縮機冷媒吸入圧力を検知する圧縮機冷媒吸入圧力検知器19、圧縮機冷媒吐出圧力を検知する圧縮機冷媒吐出圧力検知器20、圧縮機2の消費電力を検知する圧縮機電力検知器21、室外ファン4の消費電力を検知する室外ファン電力検知器24、が検知手段として備わる。さらに室外機1には、圧縮機2の駆動周波数を操作するインバータ圧縮機操作器22、室外ファン4の送風能力(回転速度)を操作する室外側送風能力操作器23、室外電子膨張弁8の開度を操作する室外電子膨張弁開度操作器25が操作手段として備わる。
また、利用部161,162には、当該利用部161,162の室内温度を検知する利用部室内温度検知器261,262、利用部161,162への吹き出し温度を検知する利用部吹き出し温度検知器271,272、室内ファン111,112の電力を検知する室内ファン電力検知器291,292が検知手段として備わる。さらに、利用部161,162には、室内ファン111,112の送風能力(回転速度)を操作する室内側送風能力操作器281,282と、室内電子膨張弁121,122の冷媒循環量を操作する室内電子膨張弁開度操作器301,302と、が操作手段として備わる。また、利用部161,162には、予め与えられた設定値を記憶あるいは使用者が好みの熱環境を設定するための設定器311,312が設定手段として備わる。
以上のように構成される多室空気調和機Sを制御する制御演算装置32は、フィードバック演算器44におけるゲイン(フィードバックゲイン)をオンラインシステム同定器47が逐次同定するパラメータに基づいて逐次更新し、多室空気調和機Sをフィードバック制御する。
なお、本実施例のオンラインシステム同定器47が多室空気調和機Sを同定(システム同定)する原理、および制御演算装置32が多室空気調和機Sを制御する技術は、前記した特許文献1に記載される技術を利用するものとし、以下に簡単に説明する。
本実施例の制御演算装置32は、利用者が設定器311,312で設定する設定温度(設定値r(k))を目標温度とし、利用部161,162の室内温度(制御量x(k))と、利用部161,162のそれぞれの目標温度となる設定値r(k)の偏差(x(k)−r(k))を解消するように多室空気調和機Sをフィードバック制御する。なお、(k)は時系列を示す変数であり、(k+1)は時系列的に(k)の次を示す。
なお、連続時間システムか離散時間システムか、或るいは一次遅れ系か高次遅れ系か、一入力一出力系か多入力多出力系かは、多室空気調和機Sの設計仕様、制御対象の次数判定結果、線形化法に依存し、解析、設計法も異なる。ここでは離散時間システム、一次遅れ系、一入力一出力系、むだ時間無しのシステムについて説明する。
本実施例の多室空気調和機Sは、圧縮機2の駆動周波数、室外ファン4の回転速度、室外電子膨張弁8の弁開度、室内ファン111,112の回転速度、室内電子膨張弁121,122の弁開度などの操作量をu(k)、外乱をv(k)、利用部161,162の室内温度などの制御量をx(k)とし、さらに、利用部161,162の特性を示すパラメータをa,bとして、次式(1)に示すような時系列モデルにモデル化される。
Figure 0006004228
式(1)に示す制御量x(k)、操作量u(k)は、一例として、それぞれ利用部161,162の室内温度、圧縮機2の駆動周波数である。また、パラメータa,bは、利用部161,162の熱容量や熱通過係数などの特性を表す数である。パラメータa,bは、利用部161,162の特性に依存する値であるため、多室空気調和機Sの設計値として一概に決定することができない未知の数となる。
また、圧縮機2で消費される電力量W(k)は次式(2)で示されるものとする。
Figure 0006004228
式(2)のα,βは、多室空気調和機Sの性能を示すパラメータであり、多室空気調和機Sの特性値(設計値)として予め決定されている値である。
そして、オンラインシステム同定器47は、式(1)のパラメータa,bを同定する。このときオンラインシステム同定器47は、観測を行うと同時に逐次同定するオンラインシステム同定を行う。
オンラインシステム同定器47は、パラメータa,bの推定値をa”(k),b”(k)と表し、ベクトルを用いて、a”(k),b”(k)を要素とする推定ベクトル(パラメータ推定値信号ベクトル)θ”(k)を次式(3)のように定義する。
Figure 0006004228
なお、「k=0」のときの初期値θ”(0)は予め与えられている。
また、オンラインシステム同定器47は、観測ベクトルZ(k)を次式(4)のように定義する。
Figure 0006004228
なお、式(4)の変数「y(k)」は、制御量x(k)の観測値を示す信号(検知信号)を示す。例えば、制御量x(k)が利用部161,162の室内温度の場合、検知信号y(k)は、利用部室内温度検知器261,262が利用部161,162の室内温度を検知したときに出力する信号になる。
つまり、観測ベクトルZ(k)は、検知信号y(k)と操作量u(k)を要素とするベクトルである。
式(3)で示されるパラメータ推定値信号ベクトルθ”(k)は、例えば、下式(5)で示される値Jを最小にするように設計すれば、下式(6)に示す逐次計算の形が求められる。
Figure 0006004228
Figure 0006004228
なお、オンラインシステム同定器47には、操作量u(k)についての信号を要素とする操作量信号ベクトルと、各検知手段が検知した検知信号y(k)を要素とする検知信号ベクトルと、が入力される。そして、オンラインシステム同定器47は、入力された操作量信号ベクトルと、検知信号ベクトルと、に基づいて式(4)に示す観測ベクトルZ(k)を設定し、パラメータ推定値信号ベクトルθ”(k)を演算するように構成される。
また、多室空気調和機Sの制御にあたり、オンラインシステム同定器47は、下式(7)のように二次式で示される規範(制御規範)を最小にする最適解を求め、制御演算装置32は、それによって決定されるフィードバックゲインに基づいて多室空気調和機Sを制御する。本実施例で使用する規範は制御精度と消費電力の二次規範である。
Figure 0006004228
また、本実施例のオンラインシステム同定器47は、式(7)で示される二次規範(二次式)を最小とするように最適解を求めるものであり、最小二乗オンラインシステム同定器になる。
オンラインシステム同定器47が最適解を求めるとき、式(7)に含まれる利用部161,162の室内温度を制御量x(k)として、同定されたパラメータa,bを含む多室空気調和機Sの時系列モデル(式(1))が利用される。
そして、最適なフィードバックゲイン(K,K,K)およびバイアス(f)が、動的計画法等によって求まり、下式(8)に示す形の出力信号ベクトルu(k)が決定される。
Figure 0006004228
なお、式(8)において、外乱v(k)は室外気温等のように検知可能する。また、制御量x(k)となる室内温度は、利用部室内温度検知器261,262によって直接計測可能(観測可能)である。したがって、検知信号y(k)のフィードバック形として下式(9)に示す形の出力信号ベクトルu(k)が使用される。
Figure 0006004228
式(9)に示すフィードバックゲイン(K,K,K)およびバイアス(f)の初期値は、パラメータa,b,α,βの事前情報に基づいて決定される。そして、制御演算装置32は式(9)で演算される出力信号ベクトルu(k)に要素として含まれる駆動周波数で圧縮機2を運転する。
なお、前記したように、オンラインシステム同定器47による同定(システム同定)の原理や、フィードバックゲインを決定する原理は、特許文献1に記載される技術を利用するものであり、その詳細は特許文献1で説明されるものである。
例えば、フィードバック演算器44には、パラメータ推定値信号ベクトルθ”(k)、検知信号y(k)を要素とするベクトル(検知信号ベクトル)、および設定値r(k)を要素とするベクトル(設定値信号ベクトル)が入力される構成とする。そして、フィードバック演算器44は、入力された各ベクトルに対して、COP(Coefficient Of Performance:単位消費電力あたりの冷暖房能力)が最大となるようにフィードバックゲイン(K,K,K)およびバイアス(f)を決定し、式(8),(9)に示す出力信号ベクトルu(k)を出力するように構成されている。
このように、フィードバック演算器44は、入力された各ベクトル(パラメータ推定値信号ベクトルθ”(k),検知信号y(k)を要素とする検知信号ベクトル,設定値r(k)を要素とする設定値信号ベクトル)に対してCOPが最大になるように、出力信号ベクトルu(k)を決定するフィードバック操作量演算器として機能する。
以上のように、出力信号ベクトルu(k)が決定される過程において、式(7)で示される規範の係数nが、圧縮機2の定格運転を想定した定数に決定されると、利用部161,162の状態によっては、図2に示すように、利用部161,162の室内温度の調節(室内温度の時間的変化)にオーバーシュートが生じることがある。
例えば、制御演算装置32が、出力信号ベクトルu(k)に要素として含まれる駆動周波数で圧縮機2を運転すると、利用部161,162の室内温度がオーバーシュートする場合がある。
これは、熱通過係数などの特性が異なる利用部161,162に対して同じ能力を圧縮機2に要求することによって生じるものである。つまり、熱通過係数などの特性が異なる利用部161,162に対して同じ値を式(7)に示す規範の係数nに設定することによって生じる。
例えば、熱通過係数の大きな利用部ほど圧縮機2の運転に対する外乱が大きくなり、圧縮機2に要求される能力が大きくなる。したがって、多室空気調和機Sが暖房運転される場合には、熱通過係数の大きな利用部ほど低温の外気の影響を受けやすく利用部室内温度の低下が激しいため圧縮機2に要求される能力が大きくなる。
そこで、本実施例の多室空気調和機Sは、利用部161,162の熱通過係数に応じて式(7)で示される規範の係数nを決定する構成とする。
なお、式(7)で示される規範の係数mは、係数nほど室内温度の調節に大きな影響を与える値ではなく、例えば「1」などの定数に設定されればよい。
図3は利用部の熱通過係数と規範の係数の関係を示すマップの一例、図4は利用部の室内温度がオーバーシュートすることなく設定温度に収束する状態を示すグラフであり、縦軸が利用部の室内温度、横軸が時間を示している。
前記したように、利用部161,162の熱通過係数が大きいほど圧縮機2に大きな能力が要求される。また、式(7)で示される規範は、係数nが小さいほど圧縮機2に要求される能力が大きくなることがわかっている。
よって、図3に示すように、利用部161,162の熱通過係数が大きいほど式(7)で示される規範の係数nが小さくなることが好ましい。
つまり、規範の係数nが大きいほど熱通過係数が小さくなり、圧縮機2に要求される能力が小さくなる。よって、規範の係数nが大きいほど圧縮機2の駆動周波数が小さくなるような構成が好ましい。
利用部161,162の熱通過係数と規範の係数nの関係を示すマップは、利用部161,162に考えられる複数の熱通過係数(例えば、図3における、A,B,C)に対して利用部161,162の利用部室内温度を最適に調節できる係数n(丸で示すna,nb,nc)を実験計測やシミュレーション等によって決定し、これらの点を直線(Ln)又は曲線(Cn)で結ぶことによって作成される。
そして、図1に示すオンラインシステム同定器47は、利用部161,162の特性を示すパラメータa,bを同定し、さらに、同定したパラメータa,bに基づいて利用部161,162の熱通過係数を演算する。
利用部161,162の特性を示すパラメータa,bと利用部161,162の熱通過係数との関係は特性式で表されるものであり、オンラインシステム同定器47は同定したパラメータa,bに基づいて当該特性式を利用して利用部161,162の熱通過係数を演算する。
さらにオンラインシステム同定器47は、演算した熱通過係数に基づいて図3に示すマップを参照し、式(7)で示す規範の係数nを決定する。
このように決定された係数nを含む規範は、利用部161,162の熱通過係数の影響が考慮されたものであり、この規範に基づいて決定されるフィードバックゲイン(K,K,K)は利用部161,162の熱通過係数の影響が考慮されたものになる。
したがって、制御演算装置32(フィードバック演算器44)による多室空気調和機Sのフィードバック制御も利用部161,162の熱通過係数の影響が考慮されたものになり、利用部161,162の熱環境の変化(外気による利用部室内温度の変化など)に好適に対応して多室空気調和機Sを制御できる。
そして、利用部161,162の熱環境が大きく変化した場合であっても、図4に示すように室内温度はオーバーシュートすることなく時間的に変化し、目標温度となる設定温度に収束する。このように、利用部161,162の熱環境が大きく変化する場合であっても、多室空気調和機Sの好適な制御状態が維持される。
図5は制御演算装置が多室空気調和機を制御する手順を示すフローチャートである。図5を参照して制御演算装置32が多室空気調和機Sを制御する手順を説明する(適宜図1〜3参照)。
制御演算装置32は多室空気調和機Sの制御を開始すると、利用部室内温度検知器261,262の計測値に基づいて利用部161,162の室内温度を取得する(ステップS1)。
さらに、制御演算装置32のオンラインシステム同定器47は取得した室内温度に基づいて、式(1)で示す時系列モデルのパラメータa,bを同定する(ステップS2)。さらに制御演算装置32のオンラインシステム同定器47は、同定したパラメータa,bに基づいて利用部161,162の熱通過係数を演算し(ステップS3)、演算した熱通過係数に対する、規範の係数nを決定する(ステップS4)。
そして制御演算装置32のオンラインシステム同定器47は、決定した係数nによって式(7)に示される規範(二次規範)を設定し、この規範を最小にする最適解を求めることによって最適なフィードバックゲイン(K,K,K)を決定する(ステップS5)。
また、制御演算装置32のフィードバック演算器44は、オンラインシステム同定器47が求めたフィードバックゲインを含んだ、式(9)で示される出力信号ベクトルu(k)を演算し、出力信号ベクトルu(k)に基づいて多室空気調和機Sを制御する。例えば、制御演算装置32は、出力信号ベクトルu(k)の要素として演算される駆動周波数で圧縮機2を駆動する(ステップS6)。
制御演算装置32は、ステップS1〜S6を繰り返し実行して、すなわち、ステップS6からステップS1に手順を戻して、駆動周波数を含む出力信号ベクトルu(k)を逐次演算して圧縮機2を駆動する。
なお、圧縮機2(図1参照)の駆動周波数のほか、室外電子膨張弁8(図1参照)や室内電子膨張弁121,122(図1参照)の開度、室外ファン4(図1参照)や室内ファン111,112(図1参照)の回転速度も、式(9)に示す出力信号ベクトルu(k)の要素として含まれる場合がある。この場合は、室外電子膨張弁8や室内電子膨張弁121,122、および室外ファン4や室内ファン111,112も、利用部161,162の特性に応じて制御されるため、利用部161,162の室内温度を好適に調節できる。
以上のように、本実施例の多室空気調和機Sを制御する制御演算装置32(図1参照)は、出力信号ベクトルu(k)を演算するための規範の係数(特に、式(7)に示す規範の係数n)を利用部161,162(図1参照)の特性(例えば、熱通過係数)に基づいて決定することができる。
このことによって、例えば、圧縮機2(図1参照)の駆動周波数が、利用部161,162の熱通過係数の影響が考慮されて演算される。したがって、制御演算装置32は、利用部161,162の熱環境の大きな変化に対して圧縮機2を効果的に制御することができ、利用部161,162の室内温度を好適に調節できる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではない。例えば、前記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
本実施例の多室空気調和機S(図1参照)は、利用部161,162(図1参照)の熱通過係数に応じて決定される係数nが含まれる規範(式(7))に基づいたフィードバックゲイン(K,K,K)で制御される。
しかしながら、利用部161,162の熱容量も圧縮機2の運転能力に影響を与える。
つまり、熱容量の小さな利用部ほど室内温度に対する外乱が大きくなる。例えば、多室空気調和機Sが暖房運転される場合には、熱容量の小さな利用部ほど気温の低い外気の影響を受けやすく利用部室内温度の低下が激しいため圧縮機2に要求される能力が大きくなる。
したがって、式(7)に示す規範の係数nが、利用部の熱容量が小さいほど小さくなるように補正される構成としてもよい。
このように決定された係数nを含む規範は、利用部161,162の熱容量の影響が考慮されたものであり、この規範に基づいて決定されるフィードバックゲイン(K,K,K)は利用部161,162の熱容量の影響が考慮されたものになる。
したがって、制御演算装置32による多室空気調和機Sの制御も利用部161,162の熱容量の影響が考慮されたものになり、利用部161,162の熱環境の変化(外気による利用部室内温度の変化)をより効果的に吸収した多室空気調和機Sの制御が可能になる。
また、本実施例では、多室空気調和機Sを、一次遅れ系、一入力一出力系、むだ時間無しのシステムとし、オンライン同定は逐次最小二乗法とした。また、制御規範は、制御精度と消費電力の二次規範とした。
この構成に限定されず、多室空気調和機Sが高次遅れ系、多入力多出力系、むだ時間を有するシステムであってもよいし、他の同定法、他の制御規範であってもよい。
この他、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本実施例の制御演算装置32(図1参照)は、オンラインシステム同定器47(図1参照)が推定するパラメータa,bに基づいて演算される利用部161,162(図1参照)の熱通過係数と、図3に示すマップから、式(7)で示す規範の係数nを決定する構成であるが、熱通過係数と規範の係数nの関係を示す関数から係数nを決定する構成であってもよい。
また、パラメータa,bと、規範の係数nと、の関係を示すマップや関数が制御演算装置32に備わる構成であってもよい。
1 室外機
2 圧縮機
3 室外熱交換器
4 室外ファン
8 室外電子膨張弁
17 室外温度検知器(検知手段)
18 圧縮機冷媒吐出過熱度検知器(検知手段)
19 圧縮機冷媒吸入圧力検知器(検知手段)
20 圧縮機冷媒吐出圧力検知器(検知手段)
21 圧縮機電力検知器(検知手段)
22 インバータ圧縮機操作器(操作手段)
23 室外側送風能力操作器(操作手段)
24 室外ファン電力検知器(検知手段)
25 室外電子膨張弁開度操作器(操作手段)
44 フィードバック演算器
47 オンラインシステム同定器
91,92 室内機
101,102 室内熱交換器
111,112 室内ファン
121,122 室内電子膨張弁
161,162 利用部(部屋)
261,262 利用部室内温度検知器(検知手段)
271,272 利用部吹き出し温度検知器(検知手段)
281,282 室内側送風能力操作器(操作手段)
291,292 室内ファン電力検知器(検知手段)
301,302 室内電子膨張弁開度操作器(操作手段)
311,312 設定器(設定手段)
S 多室空気調和機
n 規範の係数

Claims (3)

  1. 室外機と、1台または複数台の室内機と、を設け、前記室外機と前記室内機とを配管接続して閉回路をなし、前記閉回路の中に冷媒を封入し、
    前記室外機においては、周波数可変の圧縮機と室外熱交換器及び室外電子膨張弁を配管するとともに前記室外熱交換器に送風する室外ファンを備え、
    前記室内機においては、室内空気と熱交換を行う室内熱交換器と前記室内熱交換器の冷媒の流量を調節する室内電子膨張弁を順次配管するとともに前記室内熱交換器に送風する室内ファンを備えて形成される空気調和機において、
    前記室内機が配置される利用部の熱容量並びに熱通過係数を少なくとも要因とする利用部熱環境の状態と、前記圧縮機の駆動周波数と当該空気調和機の能力の関係と、を表すパラメータを、複数の所定の観測量を元に時々刻々同定していくオンラインシステム同定器と、
    フィードバック演算器と、
    室外温度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度、室内吹き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知する検知手段と、
    前記圧縮機の駆動周波数、室外ファン回転速度、室外電子膨張弁開度、室内ファン回転速度、室内電子膨張弁開度を少なくとも含む各操作量を操作する操作手段と、
    少なくとも室内温度を含む設定値を設定する設定手段と
    を有し、
    前記オンラインシステム同定器は、前記各操作量についての信号を要素とする操作量信号ベクトルと、前記検知手段が検知した各検知信号を要素とする検知信号ベクトルと、を入力して、当該空気調和機と前記利用部の動特性を表すパラメータ推定値信号ベクトルを最小二乗の意味で同定出力する最小二乗オンラインシステム同定器であり、
    前記フィードバック演算器は、前記パラメータ推定値信号ベクトルと、前記検知信号ベクトルと、前記設定手段で設定された設定値を要素とする設定値信号ベクトルと、を入力して、入力した各ベクトルに対してCOPを最大化する出力信号ベクトルを出力するフィードバック操作量演算器であり、
    前記オンラインシステム同定器は、前記出力信号ベクトルを演算するための規範の係数を前記パラメータに基づいて決定することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記オンラインシステム同定器は、
    同定した前記パラメータに基づいて、少なくとも前記利用部の熱通過係数を演算し、
    さらに、演算した熱通過係数が大きくなるほど前記規範の係数を小さな値に設定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記規範の係数が大きいほど、前記出力信号ベクトルの要素として演算される前記圧縮機の駆動周波数が小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
JP2013083164A 2013-04-11 2013-04-11 空気調和機 Active JP6004228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013083164A JP6004228B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 空気調和機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013083164A JP6004228B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014206304A JP2014206304A (ja) 2014-10-30
JP6004228B2 true JP6004228B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=52119985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013083164A Active JP6004228B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6004228B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109028513A (zh) * 2018-07-12 2018-12-18 河南恩久信息科技有限公司 一种室内通风优化控制系统及方法
WO2020238183A1 (zh) * 2019-05-24 2020-12-03 青岛海尔空调电子有限公司 多联机空调系统及其换热量计算方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017072299A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 ダイキン工業株式会社 空気調和機
JP2017072298A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 ダイキン工業株式会社 空気調和機
CN107062538B (zh) * 2017-03-29 2019-09-10 奥克斯空调股份有限公司 一种空调器智能检测方法
CN108592342B (zh) * 2018-05-02 2020-09-01 广东美的制冷设备有限公司 频率控制方法及频率控制装置、一拖多空调器和存储介质
CN110906496B (zh) * 2019-11-04 2020-12-01 珠海格力电器股份有限公司 空调系统及其控制方法、装置和设备
CN111520895B (zh) * 2020-04-29 2021-04-06 珠海格力电器股份有限公司 冷凝风机的控制方法、制冷机组
CN113432336B (zh) * 2021-04-26 2022-11-18 深圳市深蓝电子股份有限公司 一种喷气增焓空气源热泵系统及动态排气过热度控制方法
CN113819596B (zh) * 2021-08-23 2023-01-13 青岛海尔空调器有限总公司 一种空调控制方法及空调器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2954660B2 (ja) * 1990-05-30 1999-09-27 株式会社東芝 モデル予測制御装置
JPH07191709A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Toshiba Corp モデル予測制御のパラメータ設定方法
JP3388305B2 (ja) * 1995-07-04 2003-03-17 株式会社日立製作所 多室空気調和機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109028513A (zh) * 2018-07-12 2018-12-18 河南恩久信息科技有限公司 一种室内通风优化控制系统及方法
WO2020238183A1 (zh) * 2019-05-24 2020-12-03 青岛海尔空调电子有限公司 多联机空调系统及其换热量计算方法
US11892213B2 (en) 2019-05-24 2024-02-06 Qingdao Haier Air-Conditioning Electronic Co., Ltd Multi-connection air conditioning system and method for calculating heat exchange amount thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014206304A (ja) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6004228B2 (ja) 空気調和機
JP4336209B2 (ja) 伝熱システムおよび伝熱方法
JP6385446B2 (ja) 空調システムの制御装置および空調システムの制御方法
DK2985563T3 (en) Apparatus for controlling a cooling system
JP4134781B2 (ja) 空調設備
JP5975867B2 (ja) 蒸気圧縮システム、および、蒸気圧縮システムの動作を制御するための制御システム及び方法
EP3306216B1 (en) Control device for heat-pump-using system, and heat-pump-using system provided with same
JP6706197B2 (ja) 熱交換システム、コントローラ、及び、ニューラルネットワークの構築方法
JP6433588B2 (ja) 空調システム並びに空調システムの動作を制御するためのシステム及び方法
JP2017506734A (ja) 蒸気圧縮システムを制御するための極値探索コントローラー及び方法
WO2016158938A1 (ja) 空気調和機
JPH1068554A (ja) 蒸気圧縮サイクルにおける設定値最適化
JP2013200115A (ja) 蒸気圧縮システムを動作させるための方法、蒸気圧縮システムの動作を制御するための方法、および蒸気圧縮システムの性能を最適化するための最適化コントローラ
JP6910554B2 (ja) 空気調和装置及び空気調和方法
US10914480B2 (en) Building control system with decoupler for independent control of interacting feedback loops
JP2020153574A (ja) 情報処理装置、空気調和装置、情報処理方法、空気調和方法、及びプログラム
KR101731191B1 (ko) 감시 장치 및 감시 방법
Muñoz et al. Real-time neural inverse optimal control for indoor air temperature and humidity in a direct expansion (DX) air conditioning (A/C) system
JP5737173B2 (ja) 温度および湿度の調整を行う空調システム
Xu et al. A novel hybrid steady-state model based controller for simultaneous indoor air temperature and humidity control
JP5673524B2 (ja) 温度および湿度の調整を行う空調システム
CN109186043A (zh) 壁挂式空调及其控制方法
JP3388305B2 (ja) 多室空気調和機
JP4498041B2 (ja) 空調システムの制御方法
TWI852191B (zh) 多聯式空調設備之溫度控制方法及其系統

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6004228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250