JP2017072299A - 空気調和機 - Google Patents

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JP2017072299A JP2015198873A JP2015198873A JP2017072299A JP 2017072299 A JP2017072299 A JP 2017072299A JP 2015198873 A JP2015198873 A JP 2015198873A JP 2015198873 A JP2015198873 A JP 2015198873A JP 2017072299 A JP2017072299 A JP 2017072299A
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絢哉 中瀬
Junya Nakase
絢哉 中瀬
康介 木保
Kosuke Kiho
康介 木保
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Abstract

【課題】ユーザが把握しやすい数値に基づいて、部屋の熱容量を含むいくつかの数値を概算し、それを用いてよりよい制御を行うこと。【解決手段】空気調和機100は、室温制御機構と、第1室内機20aと、入力手段51aと、空間特性パラメータ推定部54と、を備える。室温制御機構は、冷媒を循環させる管路を有し、部屋の室温Tinを制御する。第1室内機20aは、室温制御機構の一部を含み、部屋に設置される。入力手段51aは、外部から入力情報を受け取る。空間特性パラメータ推定部54は、入力情報を用いて部屋に関する空間特性パラメータを推定する。空間特性パラメータは、部屋の熱容量を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機に関する。
空気調和機は、設定された目標温度に室温を近づける制御を行う。この制御のために、まず室温と目標温度の差分が算出される。次いで、その差分に基づいて、冷媒回路で実現すべき冷媒の蒸発温度または凝縮温度の目標値が算出される。最後に、その目標値に従って、この冷媒回路の空調能力が調節される。
特許文献1(特開2002−147823号公報)が開示する空気調和機は、ユーザが入力した内部負荷および外部負荷に関連する数値を考慮することによって、蒸発温度または凝縮温度の目標値をある程度の範囲で増減する調節処理を行う。ここで、内部負荷とは、室内に設置されている電子機器などの発熱源が単位時間内に発する熱量を意味する。また、外部負荷とは、建物を構成する壁などの建築部材を貫通して室外から室内へ単位時間内に流入する熱量を意味する。この調節処理によって、この空気調和機は空調能力の最適化を行い、消費エネルギーの節約を図っている。
このように、従来の空気調和機の能力制御においては、外部負荷や内部負荷が考慮されることがある一方で、室内機が設置される部屋の熱容量の数値が考慮されることはあまりなかった。熱容量を用いれば、空気調和機の能力がもたらす室温の変動をより正確に予測できるので、空調能力の最適化を通じて消費エネルギーの節約などに寄与する余地がある。それにもかかわらず熱容量が利用されることが少なかった理由の一つは、熱容量が概念的な量であるため、センサなどによって直接的に測定できない点にある。
本発明は、ユーザが把握しやすい数値に基づいて、部屋の熱容量を含むいくつかの数値を概算し、それを用いてよりよい制御を行うことである。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、室温制御機構と、第1室内機と、入力手段と、空間特性パラメータ推定部と、を備える。室温制御機構は、冷媒を循環させる管路を有し、部屋の室温を制御する。第1室内機は、室温制御機構の一部を含み、部屋に設置される。入力手段は、外部から入力情報を受け取る。空間特性パラメータ推定部は、入力情報を用いて部屋に関する空間特性パラメータを推定する。空間特性パラメータは、部屋の熱容量を含む。
この構成によれば、空気調和機は、部屋の熱容量を含む空間特性パラメータを入力情報から推定する。したがって、空間特性パラメータを考慮することにより、室温の制御をより望ましいものにできる。
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、熱容量が、
Figure 2017072299
の数式で表される。Cuは空気の単位体積あたりの熱容量である。Vは部屋の容積である。
この構成によれば、熱容量の推定値は空気の単位体積あたりの熱容量を用いて算出される。したがって、空気の単位体積あたりの熱容量を記憶しておくことにより、部屋の容積に応じた熱容量の推定値を算出できる。
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、容積が、
Figure 2017072299
の数式で表される。Afは部屋の床面積である。Hは部屋の壁の高さである。入力情報は、床面積および高さを含む。
この構成によれば、床面積および高さの値が入力される。したがって、入力されたこれらの値に応じた熱容量の値が推定できる。
本発明の第4観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、室温制御機構が、さらに第1室内機に隣接して部屋に設置される第2室内機を有する。容積は、
Figure 2017072299
の数式で表さる。Hは部屋の壁の高さである。L1、L2、L3、L4はいずれも、直交する四方向のそれぞれにおける第1室内機の担当距離である。第1室内機の担当距離とは、第1室内機から部屋の壁までの距離、および、第1室内機から第2室内機までの間隔の半分の距離のうち、短いものを意味する。入力情報は、四方向のそれぞれにおける第1室内機の担当距離、および高さを含む。
この構成によれば、第1室内機が空気調和を担当する空間の大きさが入力される。したがって、当該担当空間の大きさを考慮した熱容量Cの値が推定できる。
本発明の第5観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、第2室内機をさらに備える。第2室内機は、室温制御機構の一部を含み、第1室内機に隣接して部屋に設置される。容積は、
Figure 2017072299
の数式で表される。πは円周率である。Iは第1室内機と第2室内機との間隔である。αは補正係数である。Hは部屋の壁の高さである。入力情報は、間隔および高さを含む。
この構成によれば、熱容量の推定に用いる入力すべき数値の数が少ない。したがって、部屋に関する数値の入力作業が容易になる。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、入力情報が、3次元CADのデータまたはBIMデータを含む建物構造データを含んでいる。容積は、建物構造データから算出される。
この構成によれば、入力手段は、建物構造データを受け取る。したがって、熱容量Cの推定のために、建物の設計に用いたデータを利用できる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る空気調和機において、空間特性パラメータが、熱容量のほか、さらに、内部負荷および外部負荷を含む。
この構成によれば、熱容量に加えて、内部負荷および外部負荷が推定される。したがって、室温の制御をより精度よく実施できる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、第7観点に係る空気調和機において、内部負荷が、
Figure 2017072299
の数式で表される。Npは部屋の中にいる人間の人数である。Qpは部屋の中にいる人間の1人あたりかつ単位時間あたりの発熱量である。Neは部屋の中にある電子機器の台数である。Qeは部屋の中にある電子機器の1台あたりかつ単位時間あたりの発熱量である。入力情報は、人数および台数を含む。
この構成によれば、入力した情報に基づいて内部負荷Linが決定される。したがって、空気調和機は、内部負荷を考慮した制御を行うことができる。
本発明の第9観点に係る空気調和機は、第7観点または第8観点に係る空気調和機において、外部負荷が、
Figure 2017072299
の数式で表される。Awは部屋の壁面積である。Kは部屋の壁の熱貫流率である。入力情報は、部屋の建物種類の指定および壁面積を含む。熱貫流率は、指定に係る建物種類に従って決定される定数である。
この構成によれば、入力した情報に基づいて外部負荷が決定される。したがって、空気調和機は、外部負荷を考慮した制御を行うことができる。
本発明の第10観点に係る空気調和機は、第7観点から第9観点のいずれか1つに係る空気調和機において、室温変化モデル保持部と、空調制御部と、をさらに備える。室温変化モデル保持部は、室温変化モデルを保持する。空調制御部は、室温軌道を実現するように空調能力を変化させるために、室温変化モデル保持部の出力に基づいて、室温制御機構を制御する。室温変化モデルは次の式で表される。
Figure 2017072299
Tinは室温である。dTin/dtは室温変化率である。
この構成によれば、室温軌道を実現するのに適した室温変化モデルの具体例が示される。
本発明の第11観点に係る空気調和機は、第10観点に係る空気調和機において、室温制御機構が、圧縮機、電動弁、およびファンをさらに有する。空調能力は、
Figure 2017072299
の数式で表される。γは風量指数である。Triは室内冷媒相変化温度である。室内冷媒相変化温度は、冷房運転の場合には冷媒の蒸発温度であり、暖房運転の場合には冷媒の凝縮温度である。空調制御部は、空調能力を生み出すような風量指数および室内冷媒相変化温度を算出し、風量指数に従ってファンを制御するとともに、室内冷媒相変化温度に従って圧縮機または電動弁を制御する。
この構成によれば、室温軌道を実現するための空調能力を風量指数および室内冷媒相変化温度に換算できる。したがって、ファンの制御の内容を風量指数から決定し、圧縮機または電動弁の制御の内容を、室内冷媒相変化温度から決定できる。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、空間特性パラメータを考慮することにより、室温の制御をより望ましいものにできる。
本発明の第2観点に係る空気調和機は、部屋の容積Vに応じた熱容量Cの推定値を算出できる。
本発明の第3観点に係る空気調和機は、入力された値に応じた熱容量Cの値が推定できる。
本発明の第4観点に係る空気調和機は、担当空間の大きさを考慮した熱容量Cの値が推定できる。
本発明の第5観点に係る空気調和機は、部屋に関する数値の入力作業が容易になる。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、熱容量の推定のために、建物の設計に用いたデータを利用できる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、室温の制御をより精度よく実施できる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、内部負荷を考慮した制御を行うことができる。
本発明の第9観点に係る空気調和機は、外部負荷を考慮した制御を行うことができる。
本発明の第10観点に係る空気調和機は、室温軌道を実現するのに適した室温変化モデルの具体例を示す。
本発明の第11観点に係る空気調和機は、ファンの制御の内容を風量指数から決定し、圧縮機または電動弁の制御の内容を、室内冷媒相変化温度から決定できる。
本発明の一実施形態に係る空気調和機100の室温制御機構40を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和機100の制御回路60を示す模式図である。 制御回路60のうち、第1室内機20aの制御に関連する箇所を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和機100が想定する室温変化モデルを示す模式図である。 冷房運転における室温軌道R1、R2、R3を示すグラフである。 冷房運転における冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示すグラフである。 暖房運転における室温軌道R1、R2、R3を示すグラフである。 暖房運転における冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示すグラフである。 変形例Aに係る熱貫流率Kのテーブルである。 変形例Bに係る第1室内機20aおよび第2室内機20bの配置を示す模式図である。 変形例Cに係る複数の室内機の模式図である。
(1)全体構成
本発明に係る空気調和機100は、図1に示す室温制御機構40と、図2に示す制御回路60とを有する。図1に示すように、室温制御機構40は、室外機10、第1室内機20a、第2室内機20b、連絡配管30を有し、冷媒を循環させる冷媒回路である。図2に示すように、制御回路60は、第1室内機制御部50a、第2室内機制御部50b、および第1操作パネル51a、第2操作パネル51b、室外機制御部59を有する電気回路である。
(2)詳細構成
(2−1)室外機10
図1に示す室外機10は屋外に設置され、冷房運転時の冷熱源、または暖房運転時の温熱源として機能する。室外機10は、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁15、室外冷媒温度センサ16、室外気温センサ19を有する。
(2−1−1)圧縮機11
圧縮機11は、冷凍サイクルに必要な圧縮動作を行うためのものである。この圧縮動作において、圧縮機11は吸入した低圧ガス冷媒を圧縮し、高圧ガス冷媒にして吐出する。
(2−1−2)四路切換弁12
四路切換弁12は、冷媒回路の接続を変更するものである。図1において、四路切換弁12は、冷房運転の場合には実線で描かれた接続を行い、暖房運転の場合には破線で描かれた接続を行う。
(2−1−3)室外熱交換器13
室外熱交換器13は、空気と冷媒との熱交換を行うものである。室外熱交換器13は、冷房運転の場合には凝縮機として機能する一方、暖房運転の場合には蒸発機として機能する。室外熱交換器13には、熱交換の効率を向上させるために空気と室外熱交換器13との接触を促す室外ファン14が設けられている。
(2−1−4)室外膨張弁15
室外膨張弁15は開度調整が可能な電動弁であり、必要に応じて冷媒の減圧をする。
(2−1−5)室外冷媒温度センサ16
室外冷媒温度センサ16は室外熱交換器13を流れる冷媒が相変化をする温度である室外冷媒相変化温度Troを測定する。室外冷媒相変化温度Troは、冷房運転の場合には冷媒の凝縮温度であり、暖房運転の場合には冷媒の蒸発温度である。
(2−1−6)室外気温センサ19
室外気温センサ19は、室外機10が設置されている屋外の空気の温度、すなわち室外気温Toutを測定する。
(2−2)第1室内機20a
第1室内機20aは屋内に設置され、冷熱または温熱をユーザに提供する。第1室内機20aは、室内膨張弁21、室内熱交換器22、室内冷媒温度センサ26、室内気温センサ29を有する。
(2−2−1)室内膨張弁21
室内膨張弁21は開度調整が可能な電動弁であり、必要に応じて冷媒の減圧をする。
(2−2−2)室内熱交換器22
室内熱交換器22は、空気と冷媒との熱交換を行うものである。室内熱交換器22は、冷房運転の場合には蒸発機として機能する一方、暖房運転の場合には凝縮機として機能する。室内熱交換器22には、熱交換の効率を向上させるために空気と室内熱交換器22との接触を促す室内ファン23が設けられている。
(2−2−3)室内冷媒温度センサ26
室内冷媒温度センサ26は室内熱交換器22を流れる冷媒が相変化をする温度である室内冷媒相変化温度Triを測定する。室内冷媒相変化温度Triは、冷房運転の場合には冷媒の蒸発温度Teであり、暖房運転の場合には冷媒の凝縮温度Tcである。
(2−2−4)室内気温センサ29
室内気温センサ29は、第1室内機20aが設置されている部屋の空気の温度、すなわち室温Tinを測定する。
(2−3)第2室内機20b
第2室内機20bは、第1室内機20aに隣接して同じ部屋に設置されるか、または、第1室内機20aと同一の建築物の別の部屋に設置される。第2室内機20bは、第1室内機20aと同様の内部構成を有する。
(2−4)連絡配管30
連絡配管30は、室外機10、第1室内機20a、および第2室内機20bを接続しており、液冷媒配管31およびガス冷媒配管32を有する。
(2−4−1)液冷媒配管31
液冷媒配管31は、室外機10と第1室内機20aの間、および室外機10と第2室内機20bの間で液冷媒を移動させるための管路である。
(2−4−2)ガス冷媒配管32
ガス冷媒配管32は、室外機10と第1室内機20aの間、および室外機10と第2室内機20bの間でガス冷媒を移動させるための管路である。
(2−5)第1操作パネル51a
図2に示す第1操作パネル51aは、第1室内機20aの運転に関する設定の入力を受け取るためのものである。第1操作パネル51aは、室温Tinについて設定された目標温度Tin(target)、および配分値Pの設定値を受け取る。ここで、配分値Pとは、空気調和機100のユーザにとっての、温度収束性と省エネルギー性の重要度の主観的または客観的な比率である。第1操作パネル51aは、典型的には第1室内機20aが設置される部屋の壁に設置されるが、代替的に、リモートコントローラ、第1室内機20aそのもの、またはその他の箇所に設置されてもよい。
(2−6)第2操作パネル51b
第2操作パネル51bは、第2室内機20bの運転に関する設定の入力を受け取るためのものである。第2操作パネル51bは、第1操作パネル51aと同様の内部構成を有する。
(2−7)第1室内機制御部50a
図2に示す第1室内機制御部50aは、室温制御機構40のうち、第1室内機20aに関する各種センサおよびアクチュエータを制御する。図3に示すように、第1室内機制御部50aは、温度取得部53、空間特性パラメータ推定部54、室温変化モデル保持部62、室温軌道保持部61、冷媒相変化温度計算部63、制御計算部64、エネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67、空調制御部58を有する。
(2−7−1)温度取得部53
温度取得部53は、第1室内機20aの各種温度センサの出力を含む信号を受け取り、ディジタルデータの温度情報として整える。それから、温度取得部53は、温度情報を室温軌道保持部61へ送信する。
(2−7−2)空間特性パラメータ推定部54
空間特性パラメータ推定部54は、第1操作パネル51aから受け取った入力情報に基づいて、後述する「空間特性パラメータ」を推定し、それらの推定値を室温変化モデル保持部62へ送信する。
(2−7−3)室温変化モデル保持部62
室温変化モデル保持部62は、後述する「室温変化モデル」を保持している。また、室温変化モデル保持部62は、空間特性パラメータ推定部54より空間特性パラメータの値を受け取り、室温変化モデルの一部として保持する。
(2−7−4)室温軌道保持部61
室温軌道保持部61は、室温Tinについて設定された初期温度Tin(initial)および目標温度Tin(target)を受け取り、それらに基づいて形成した室温軌道R(t、τ)保持する。室温軌道R(t、τ)は、時間変数tと室温軌道パラメータτを有する関数である。ただし、室温軌道保持部61は、室温軌道パラメータτについての情報を保持していない。
(2−7−5)冷媒相変化温度計算部63
冷媒相変化温度計算部63は、室温変化モデルに基づいて、室温制御機構40において実現されるべき冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する。冷媒相変化温度軌道U(t、τ)とは、室内冷媒相変化温度Triにおいて実現されるべき時間推移のことである。
(2−7−6)制御計算部64
制御計算部64は、冷媒相変化温度計算部63が算出した冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を実現するような、各種アクチュエータの制御シーケンスを算出する。
(2−7−7)エネルギー指数計算部65
エネルギー指数計算部65は、制御計算部64が算出した制御シーケンスに対応するエネルギー指数JE(t、τ)を算出する。
(2−7−8)室温収束性指数計算部66
室温収束性指数計算部66は、室温軌道パラメータ計算部67と情報を授受することにより室温収束性指数JD(t、τ)を算出する。
(2−7−9)室温軌道パラメータ計算部67
室温軌道パラメータ計算部67は、エネルギー指数JE(t、τ)と室温収束性指数JD(t、τ)に基づいて、最適な室温軌道パラメータτを算出する。
(2−7−10)空調制御部58
空調制御部58は、制御計算部64の計算結果に基づいて、最適な室温軌道パラメータτを有する室温軌道R(t、τ)を実現するように、室温制御機構40の各種アクチュエータを制御する。空調制御部58が制御するアクチュエータには、室内膨張弁21、室内ファン23が含まれる。空調制御部58からは、室外機制御部59とデータを授受するためのデータ線DLaが延びている。
(2−8)第2室内機制御部50b
図2に戻り、第2室内機制御部50bは、室温制御機構40のうち、第2室内機20bに関する各種センサおよびアクチュエータを制御する。第2室内機制御部50bは、第1室内機制御部50aと同様の内部構成を有する。第2室内機制御部50bからは、室外機制御部59とデータを授受するためのデータ線DLbが延びている。
(2−9)室外機制御部59
室外機制御部59は、第1室内機20aおよび第2室内機20bの両方の制御が総合的に適切になるように、室温制御機構40のうち、室外機10に関する各種センサおよびアクチュエータを制御する。室外機制御部59が制御するアクチュエータには、圧縮機11、四路切換弁12、室外ファン14、室外膨張弁15が含まれる。
(3)基本動作
(3−1)冷房運転
冷房運転の場合、図1に示す室温制御機構40において、四路切換弁12は実線で示す回路を構成する。以下の説明において、第1室内機20aの動作のみを説明し、第2室内機20bの動作についての説明は省略する。
室外機10において、圧縮機11が矢印の方向に吐出した高圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して室外熱交換器13へ進む。室外熱交換器13において、高圧ガス冷媒は空気に熱を放出して凝縮し、高圧液冷媒となる。高圧液冷媒は室外膨張弁15へ進む。室外膨張弁15の開度は全開にされているので、高圧液冷媒はそのまま室外膨張弁15を通過する。その後、高圧液冷媒は、室外機10を出て、液冷媒配管31を通過して第1室内機20aに入り、室内膨張弁21へ進む。室内膨張弁21の開度は適切に絞られているので、高圧液冷媒は室内膨張弁21によって減圧されて、低圧気液二層冷媒になる。低圧気液二層冷媒は、室内熱交換器22へ進む。室内熱交換器22において、低圧気液二層冷媒は空気から熱を吸収し、室温Tinを低下させながら蒸発し、低圧ガス冷媒となる。低圧ガス冷媒は第1室内機20aを出て、ガス冷媒配管32を通過して室外機10に入る。その後、低圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して、圧縮機11に吸入される。
(3−2)暖房運転
暖房運転の場合、図1に示す室温制御機構40において、四路切換弁12は破線で示す回路を構成する。以下の説明において、第1室内機20aの動作のみを説明し、第2室内機20bの動作についての説明は省略する。
圧縮機11が矢印の方向に吐出した高圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由し、室外機10から出て、ガス冷媒配管32を通過して第1室内機20aに入り、室内熱交換器22へ進む。室内熱交換器22において、高圧ガス冷媒は空気へ熱を放出し、室温Tinを上昇させながら凝縮し、高圧液冷媒となる。高圧液冷媒は室内膨張弁21へ進む。室内膨張弁21の開度は全開にされているので、高圧液冷媒はそのまま室内膨張弁21を通過する。その後、高圧液冷媒は、第1室内機20aを出て、液冷媒配管31を通過して室外機10に入り、室外膨張弁15へ進む。室外膨張弁15の開度は適切に絞られているので、高圧液冷媒は室外膨張弁15によって減圧されて、低圧気液二層冷媒になる。低圧気液二層冷媒は、室外熱交換器13へ進む。室外熱交換器13において、低圧気液二層冷媒は空気から熱を吸収して蒸発し、低圧ガス冷媒となる。低圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して、圧縮機11に吸入される。
(4)室温制御動作
以下、第1室内機制御部50aによる室温制御の詳細について説明する。第2室内機制御部50bもまた、第1室内機制御部50aと同様の室温制御を行う。以下の説明では、第2室内機制御部50bに関する事項は省略する。
(4−1)室温変化モデルおよび空間特性パラメータ
図4は、第1室内機制御部50aの室温変化モデル保持部62が想定する室温変化モデルを示す。
部屋70は壁71によって外部空間と隔てられている。室外機10は部屋70の外に設置され、第1室内機20aは部屋70の中に設置されている。部屋70は熱容量C[J/K]を有している。室温はTin[℃]であり、室外気温はTout[℃]である。部屋70の中には、家電製品、電子機器、または人間などの熱源72が存在する。
室温Tinは、内部負荷Lin[W]、外部負荷Lout[W]、空調能力Q[W]によって上昇させられる。内部負荷Linとは、熱源72が単位時間当たりに発する熱量を意味する。外部負荷Loutとは、外部空間から部屋70の中へ流入する単位時間当たりの熱量を意味する。空調能力Qとは、第1室内機20aが放出する単位時間当たりの熱量を意味する。空気調和機100の冷房運転において空調能力Qは負数になり、暖房運転において空調能力Qは正数になる。この室温変化モデルは、室温変化率dTin/dtを用いて下記の数式で表される。
Figure 2017072299
この室温変化モデルで用いられるパラメータ、すなわち熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutを、本願では空間特性パラメータと総称する。
次に、外部負荷Loutおよび空調能力Qを別の表現に書き換える。
外部負荷Loutは、下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072299
ここで、K[W/m2・K]は部屋の壁の熱貫流率である。Aw[m2]は部屋70の壁面積である。
空調能力Qは、下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072299
ここで、γは第1室内機20aによって起こされる風量の強さを示す風量指数である。Tri[℃]は室内熱交換器22における室内冷媒相変化温度である。
以上の書き換えにより、室温変化モデルは下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072299
すなわち、熱容量C、内部負荷Lin、熱貫流率K、壁面積Aw、室外気温Toutが把握できれば、採用できる室温Tinの推移と、それを実現する風量指数γ、室内冷媒相変化温度Triの可能な組み合わせが得られる。
(4−2)室温軌道R(t、τ)
制御回路60の目的は、室内気温センサ29によって検出される室温Tinの時間推移を、室温軌道R(t、τ)に合致させることである。前述のとおり、室温軌道R(t、τ)は、時間変数tと室温軌道パラメータτを有する関数である。関数はどのようなものであってもよい。室温軌道R(t、τ)の一例は、下記の式で表される指数関数である。
Figure 2017072299
ここで、Tin(initial)[℃]は初期室温であり、例えば、第1室内機制御部50aまたは第2室内機制御部50bが室温軌道Rを設定する時点における室温Tinである。Tin(target)[℃]はユーザによって設定された室温Tinの目標温度である。室温軌道パラメータτは時間推移の時定数である。当然ながら、室温軌道R(t、τ)として指数関数以外の関数を採用する場合には、室温軌道パラメータτは時定数以外のパラメータであってよい。
図5は、この数式で定義される室温軌道R(t、τ)に基づく冷房運転時における、三種類の時定数τ1、τ2、τ3(τ1<τ2<τ3)に相当する室温軌道R1、R2、R3を示す。室温軌道R1は、室温Tinが目標温度Tin(target)に近づくまでの時間が速いので、最も良好な温度収束性を示す。一方、室温軌道R3は、室温Tinが目標温度Tin(target)に近づくまでの時間が長いので、空気調和機100の消費エネルギーの節約に最も寄与する。
図5は、この数式で定義される室温軌道R(t、τ)に基づく暖房運転時における、三種類の時定数τ1、τ2、τ3(τ1<τ2<τ3)に相当する室温軌道R1、R2、R3を示す。初期室温Tin(initial)[℃]が目標温度Tin(target)[℃]よりも低い点で冷房運転時と異なるが、室温Tinの時間推移は、冷房運転の場合について上述した数式と同一数式として表される。
(4−3)冷媒相変化温度軌道U(t、τ)の算出
図3に示す冷媒相変化温度計算部63は、室温変化モデルと室温軌道R(t、τ)に基づいて、室温制御機構40において実現されるべき冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する。室温変化モデルと室温軌道R(t、τ)から冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する具体的な計算方法は、どのようなものであってもよい。
図6は、冷房運転時における三つの冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示している。冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3は、実現すべき室内冷媒相変化温度Triの時間推移を意味する。冷房運転において、室内冷媒相変化温度Triは、室内熱交換器22における冷媒の蒸発温度Teを意味する。
冷媒相変化温度軌道U1が用いられる場合、蒸発温度Teは、蒸発温度目標値Tesに初めから達している。一方、冷媒相変化温度軌道U2、U3が用いられる場合、蒸発温度Teは、より低い温度から蒸発温度目標値Tesへ漸近していく。空調開始時刻t0からしばらくの間、冷媒相変化温度軌道U2、U3の蒸発温度Teが蒸発温度目標値Tesよりも低く設定されることにより、冷媒相変化温度軌道U1が採用される場合と比較して消費エネルギーの節約を図ることができる。
図8は、暖房運転時における三つの冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示している。ここでも、冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3は、実現すべき室内冷媒相変化温度Triの時間推移を意味する。暖房運転において、室内冷媒相変化温度Triは、室内熱交換器22における冷媒の凝縮温度Tcを意味する。暖房運転において冷媒相変化温度軌道U2、U3が用いられる場合、凝縮温度Tcは、凝縮温度目標値Tcsに漸近するように制御される。
(4−3)室温軌道パラメータτの決定
最適な室温軌道パラメータτの決定は、図3に示すエネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67によって行われる。
まず、エネルギー指数計算部65が、次式にしたがってエネルギー指数JE(τ)を算出する。
Figure 2017072299
ここで、E(t、τ)は、特定の室温軌道パラメータτにおける、各種アクチュエータの消費電力の総和の時間関数である。エネルギー指数JEは値が大きいほど多くのエネルギーを消費することを意味する。
次に、室温収束性指数計算部66が、次式にしたがって室温収束性指数JD(τ)を算出する。
Figure 2017072299
室温収束性指数JDは値が大きいほど室温Tinの収束に時間を要することを意味する。
次に、室温軌道パラメータ計算部67が、次式にしたがって評価関数J(τ、P)を算出する。
Figure 2017072299
ここで、係数mは定数である。配分値Pは、ユーザが操作パネル51を用いて設定する値であり、大きいほど室温収束性よりも省エネルギー性を重視することを意味する。
次いで、室温軌道パラメータ計算部67は、設定された配分値Pについて、あらゆる室温軌道パラメータτの値に対する評価関数J(τ、P)の値を算出することによって、評価関数J(τ、P)の形状を調べる。次いで、評価関数J(τ、P)の値を最小にする室温軌道パラメータτが決定される。
この構成によれば、室温軌道Rの設定者は、室温収束性と省エネルギー性の配分値Pという直感的な量さえ決定すれば、室温軌道パラメータτという値を直接的に決定する必要がない。
(4−4)室温制御機構40の制御
図3に示す空調制御部58は、室温軌道パラメータ計算部67によって決定された室温軌道パラメータτについての室温軌道R(t、τ)に相当する冷媒相変化温度軌道Uが実現されるように、室温制御機構40の各種アクチュエータを制御する。
例えば、空調制御部58は、室内ファン23の回転速度の時間推移、または、室内膨張弁21の開度の時間推移をも制御してもよい。さらに、空調制御部58は、データ線DLaを経由して、圧縮機11のモータの回転速度の時間推移、または、室外膨張弁15の開度の時間推移を制御してもよい。
(5)空間特性パラメータの推定
図3の空間特性パラメータ推定部54は、図4の室温変化モデルで用いられる空間特性パラメータ、すなわち、熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutを以下の要領で推定する。
(5−1)熱容量Cの推定
熱容量Cは、下記の数式で算出される。
Figure 2017072299
ここで、Cuは空気の単位体積あたりの熱容量であり、Cu=1.235[kJ/m3・K]である。また、V[m3]は第1室内機20aが空気調和を担当する空間の容積であり、典型的には部屋の容積である。
容積Vは、下記の数式で表される。
Figure 2017072299
ここで、Af[m2]は部屋70の床面積である。また、H[m]は部屋70の壁の高さである。
空間特性パラメータ推定部54は、空気の単位体積あたりの熱容量Cuの値を予め記憶する。床面積Afおよび壁の高さHは、ユーザが第1操作パネル51aから入力する。これにより、空間特性パラメータ推定部54は熱容量Cを上述の2つの数式から推定できる。
(5−2)内部負荷Linの推定
図4に示す熱源72がNp[人]の人間およびNe[台]の電子機器から構成される場合、内部負荷Linは、下記の数式で算出される。
Figure 2017072299
ここで、Qp[J/分・人]は部屋の中にいる人間の1人あたりかつ単位時間あたりの発熱量である。Qe[J/分・台]は部屋の中にある電子機器の1台あたりかつ単位時間あたりの発熱量である。
空間特性パラメータ推定部54は、QpおよびQeの値を予め記憶する。これらの値は、例えば実験により経験的に得られてもよい。人数Npおよび台数Neは、ユーザが第1操作パネル51aから入力する。これにより、空間特性パラメータ推定部54は内部負荷Linを上述の数式から推定できる。
(5−3)外部負荷Loutの推定
外部負荷Loutは、下記の数式で算出される。
Figure 2017072299
ここで、Aw[m2]は部屋の壁面積である。K[W/m2・K]は部屋の壁の熱貫流率である。
壁面積Awは、ユーザが第1操作パネル51aから入力する。
空間特性パラメータ推定部54は、図9に示す熱貫流率の値のテーブルを保持している。ユーザが第1操作パネル51aから建物種類TBを指定することにより、その指定に係る建物種類TBに対応する熱貫流率Kの値が得られる。これにより、空間特性パラメータ推定部54は内部負荷Linを上述の数式から推定できる。
(6)特徴
(6−1)
空気調和機100は、部屋70の熱容量Cを含む空間特性パラメータを入力情報から推定する。したがって、空間特性パラメータを考慮することにより、室温Tinの制御をより望ましいものにできる。
(6−2)
空気調和機100では、熱容量Cの推定値は空気の単位体積あたりの熱容量Cuを用いて算出される。したがって、空気の単位体積あたりの熱容量Cuを記憶しておくことにより、部屋70の容積Vに応じた熱容量Cの推定値を算出できる。
(6−3)
空気調和機100では、床面積Afおよび高さHの値が入力される。したがって、入力されたこれらの値に応じた熱容量Cの値が推定できる。
(6−4)
空気調和機100では、熱容量Cに加えて、内部負荷Linおよび外部負荷Loutが推定される。したがって、室温Tinの制御をより精度よく実施できる。
(6−5)
空気調和機100では、入力した情報に基づいて内部負荷Linが決定される。したがって、空気調和機100は、内部負荷Linを考慮した制御を行うことができる。
(6−6)
空気調和機100では、入力した情報に基づいて外部負荷Loutが決定される。したがって、空気調和機100は、外部負荷Loutを考慮した制御を行うことができる。
(6−7)
空気調和機100は、室温軌道Rを実現するのに適した室温変化モデルの具体例を示している。
(6−8)
空気調和機100は、室温軌道Rを実現するための空調能力Qを風量指数γおよび室内冷媒相変化温度Triに換算できる。したがって、室内ファン23の制御の内容を風量指数γから決定し、圧縮機11、室外膨張弁15、または室内膨張弁21の制御の内容を、室内冷媒相変化温度Triから決定できる。
(7)変形例
(7−1)熱容量Cの推定(その2)
上述の実施形態では、第1室内機20aが空気調和を担当する空間の容積V[m3]を、床面積Af[m2]を用いて算出した。これに代えて、下記の数式により容積Vを算出してもよい。
Figure 2017072299
図10は、この数式が想定している室内機の配置の一例である。同一の部屋70の中で、第2室内機20bは第1室内機20aに隣接して配置されている。L1、L2、L3、L4[m]はいずれも、直交する四方向のそれぞれにおける第1室内機20aの担当距離である。ここで、第1室内機の担当距離とは、(A)第1室内機20aから壁71までの距離、および、(B)第1室内機20aから第2室内機20bまでの間隔の半分の距離、のうち短いものを意味する。本図では、L1、L2、L3は前者(A)に該当し、L4は後者(B)に該当する。
上述の数式におけるH[m]は部屋の壁の高さである。
空間特性パラメータ推定部54は、空気の単位体積あたりの熱容量Cuの値を予め記憶する。4つの担当距離L1、L2、L3、L4および壁の高さHは、ユーザが第1操作パネル51aから入力する。これにより、空間特性パラメータ推定部54は熱容量Cを推定できる。
この構成によれば、第1室内機が空気調和を担当する空間の大きさが入力される。したがって、当該担当空間の大きさを考慮した熱容量Cの値が推定できる。
(7−2)熱容量Cの推定(その3)
あるいは、容積Vを下記の数式により算出してもよい。
Figure 2017072299
図11は、この数式が想定している室内機の配置の一例である。同一の部屋70の中で、第2室内機20bは第1室内機20aに隣接して配置されている。さらに、部屋70には第3室内機20cおよび第4室内機20dも設置されている。
I[m]は第1室内機20aと第2室内機20bとの間隔である。αは補正係数であり、例えばα=0.566である。補正係数αの値は、各室内機が空気調和を担当する空間の床面積を、近似する面積を持つ円に換算するために設定される。πは円周率である。また、H[m]は部屋の壁の高さである。
空間特性パラメータ推定部54は、空気の単位体積あたりの熱容量Cuの値、および補正係数αの値を予め記憶する。間隔Iおよび壁の高さHは、ユーザが第1操作パネル51aから入力する。これにより、空間特性パラメータ推定部54は熱容量Cを推定できる。
この構成によれば、熱容量Cの推定に用いる入力すべき数値の数が少ない。したがって、部屋に関する数値の入力作業が容易になる。
(7−3)熱容量Cの推定(その4)
熱容量Cは、部屋70を有する建物の設計に用いられた建物構造データから推定されてもよい。建物構造データの例としては、3次元CADのデータ、またはBIMデータが挙げられる。
この構成によれば、入力手段は、建物構造データを受け取る。したがって、熱容量Cの推定のために、建物の設計に用いたデータを利用できる。
(7−4)推定される空間特性パラメータ
上述の実施形態によれば、空間特性パラメータ推定部54が推定する空間特性パラメータは、熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutの3つ、またはこれらに熱貫流率Kを加えた4つである。これに代えて、空間特性パラメータ推定部54は、これら以外のパラメータ、または、5以上の個数のパラメータを推定してもよい。この構成によれば、空気調和の目的に応じて、より適した室温変化モデルに依拠した制御を行うことができる。
(7−5)配分値Pの設定者
配分値Pの設定は、ユーザではなく、空気調和機100の施工者または製造者が行っても良い。そのような設定方法に合致させるため、第1操作パネル51aおよび第2操作パネル51bは、第1室内機20aおよび第2室内機20bの内部またはリモートコントローラの内部のように、ユーザの手が届かない領域に設置されてもよい。あるいは、配分値Pの設定は、ユーザが使用しないサービスマン・モードにおいて行われてもよい。
(7−6)制御回路60の構成
上述の実施形態では、制御回路60は図2および図3に示す構造を有していたが、これ以外の様々な態様が採用可能である。例えば、室温変化モデルから冷媒相変化温度軌道Uに変換を計算する工程を経ることなく、直接的に室温制御機構40の各種アクチュエータの制御シーケンスが算出されてもよい。
さらに、例えば、温度取得部53、空間特性パラメータ推定部54、室温変化モデル保持部62、室温軌道保持部61、冷媒相変化温度計算部63、制御計算部64、エネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67温は、別個のハードウェアである必要はない。すなわち、プログラムを格納した共通のメモリと共通のCPUとによって、これらの一部または全部を構成してもよい。
第1室内機制御部50a、第2室内機制御部50b、室外機制御部59の一部または全部が統合されたハードウェアであってもよい。
(7−8)室内機の台数
上述の実施形態では、室温制御機構40は、第1室内機20aおよび第2室内機20bという2台の室内機を有する。これに代えて、室温制御機構40が有する室内機の台数は、これ以外の数、例えば1台、3台、または4台以上であってよい。
10 :室外機
20a〜20d:第1〜第4室内機
30 :連絡配管
40 :室温制御機構
50a :第1室内機制御部
50b :第2室内機制御部
51a :第1操作パネル(入力手段)
51b :第2操作パネル(入力手段)
60 :制御回路
70 :部屋
100 :空気調和機
Af :床面積
Aw :壁面積
C :熱容量
Cu :空気の単位体積あたりの熱容量
DLa、DLb :データ線
H :部屋の壁の高さ
K :部屋の壁の熱貫流率
L1〜L4 :担当距離
Lin :内部負荷
Lout :外部負荷
P :配分値
Q :空調能力
R :室温軌道
TB :建物種類
Tc :凝縮温度
Tcs :凝縮温度目標値
Te :蒸発温度
Tes :蒸発温度目標値
Tin(initial) :初期室温
Tin(target) :目標温度
Tin :室温
Tout :室外気温
Tri :室内冷媒相変化温度
Tro :室外冷媒相変化温度
U :冷媒相変化温度軌道
α :補正係数
γ :風量指数
τ :時定数
特開2002−147823号公報

Claims (11)

  1. 冷媒を循環させる管路(30)を有し、部屋(70)の室温(Tin)を制御する室温制御機構(40)と、
    前記室温制御機構の一部を含み、前記部屋に設置される第1室内機(20a)と、
    外部から入力情報を受け取る入力手段(51a)と、
    前記入力情報を用いて前記部屋に関する空間特性パラメータを推定する空間特性パラメータ推定部(54)と、
    を備え、
    前記空間特性パラメータは、前記部屋の熱容量(C)を含む、
    空気調和機(100)。
  2. 前記熱容量(C)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、Cuは空気の単位体積あたりの熱容量であり、Vは前記部屋の容積である、
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記容積(V)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、Afは前記部屋の床面積であり、Hは前記部屋の壁の高さであり、
    前記入力情報は、前記床面積(Af)および前記高さ(H)を含む、
    請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記室温制御機構は、さらに前記第1室内機に隣接して前記部屋に設置される第2室内機(20b)を有し、
    前記容積(V)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、Hは前記部屋の壁の高さであり、L1、L2、L3、L4はいずれも、直交する四方向のそれぞれにおける前記第1室内機の担当距離であり、
    前記第1室内機の前記担当距離とは、前記第1室内機から前記部屋の壁までの距離、および、前記第1室内機から前記第2室内機までの間隔の半分の距離のうち、短いものを意味し、
    前記入力情報は、前記四方向のそれぞれにおける前記第1室内機の前記担当距離(L1、L2、L3、L4)、および前記高さ(H)を含む、
    請求項2に記載の空気調和機。
  5. 前記室温制御機構の一部を含み、前記第1室内機に隣接して前記部屋に設置される第2室内機(20b)、
    をさらに備え、
    前記容積(V)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、πは円周率であり、Iは前記第1室内機と前記第2室内機との間隔であり、αは補正係数であり、Hは前記部屋の壁の高さであり、
    前記入力情報は、前記間隔(I)および前記高さ(H)を含む、
    請求項2に記載の空気調和機。
  6. 前記入力情報は、3次元CADのデータまたはBIMデータを含む建物構造データを含んでおり、
    前記容積(V)は、前記建物構造データから算出される、
    請求項2に記載の空気調和機。
  7. 前記空間特性パラメータは、前記熱容量(C)のほか、さらに、内部負荷(Lin)および外部負荷(Lout)を含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和機。
  8. 前記内部負荷(Lin)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、Npは前記部屋の中にいる人間の人数であり、Qpは前記部屋の中にいる前記人間の1人あたりかつ単位時間あたりの発熱量であり、Neは前記部屋の中にある電子機器の台数であり、Qeは前記部屋の中にある前記電子機器の1台あたりかつ単位時間あたりの発熱量であり、
    前記入力情報は、前記人数(Np)および前記台数(Ne)を含む、
    請求項7に記載の空気調和機。
  9. 前記外部負荷(Lout)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、Awは前記部屋の壁面積であり、Kは前記部屋の壁の熱貫流率であり、
    前記入力情報は、前記部屋の建物種類(TB)の指定および前記壁面積(Aw)を含み、
    前記熱貫流率(K)は、前記指定に係る前記建物種類に従って決定される定数である、
    請求項7または請求項8に記載の空気調和機。
  10. 室温変化モデルを保持する室温変化モデル保持部(62)と、
    前記室温軌道を実現するように空調能力(Q)を変化させるために、室温変化モデル保持部の出力に基づいて、前記室温制御機構を制御する空調制御部(58)と、
    をさらに備え、
    前記室温変化モデルは次の式で表され、
    Figure 2017072299
    ここで、Tinは前記室温であり、dTin/dtは室温変化率である、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の空気調和機。
  11. 前記室温制御機構は、圧縮機(11)、電動弁(15、21)、およびファン(23)をさらに有し、
    前記空調能力(Q)は、
    Figure 2017072299
    の数式で表され、ここで、γは風量指数であり、Triは室内冷媒相変化温度であり、
    前記室内冷媒相変化温度(Tri)は、冷房運転の場合には前記冷媒の蒸発温度(Te)であり、暖房運転の場合には前記冷媒の凝縮温度(Tc)であり、
    前記空調制御部は、前記空調能力(Q)を生み出すような前記風量指数(γ)および前記室内冷媒相変化温度(Tri)を算出し、前記風量指数(γ)に従って前記ファンを制御するとともに、前記室内冷媒相変化温度(Tri)に従って前記圧縮機または前記電動弁を制御する、
    請求項10に記載の空気調和機。
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