JP2017067321A - ヒートポンプ制御装置、ヒートポンプ式暖房システムの温水供給ユニット、ヒートポンプ式暖房システム、及びヒートポンプ制御装置によって実行される方法 - Google Patents

ヒートポンプ制御装置、ヒートポンプ式暖房システムの温水供給ユニット、ヒートポンプ式暖房システム、及びヒートポンプ制御装置によって実行される方法 Download PDF

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ワタンユー カイソンクラム
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保知  昌
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Abstract

【課題】ユーザーの快適性を向上させるのに有利なヒートポンプ制御装置を提供する。【解決手段】本開示のヒートポンプ制御装置(10a)は、ヒートポンプ(20)の冷媒と水とを熱交換させる熱交換器(30)と室内暖房器(32)との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置(5a)を制御する。ヒートポンプ制御装置(10a)は、室内温度入力部(13)と、入水温度入力部(14)と、出湯温度入力部(15)と、記憶部(12)と、制御部(11)とを備える。記憶部(12)は、室内温度情報と、入水温度情報と、出湯温度情報とを記憶する。制御部(11)は、室内温度入力部(13)に室内温度情報が入力されないときに、記憶部(12)に記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて、出湯温度から入水温度を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。【選択図】図1

Description

本開示は、ヒートポンプ制御装置、ヒートポンプ式暖房システムの温水供給ユニット、ヒートポンプ式暖房システム、及びヒートポンプ制御装置によって実行される方法に関する。
ヒートポンプ式暖房装置は、大気の熱を吸熱し電気で圧縮して加熱された冷媒と水とを熱交換器において熱交換させて作った温水を暖房に利用する装置である。例えば、特許文献1には、ヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置が記載されている。特許文献1に記載のヒートポンプ制御装置は、暖房装置が設置された需要家の空間の外気温度を示す温度情報が入力される入力部を備えている。外気温度に応じて目標出湯温度が定められる。また、このヒートポンプ制御装置は、ヒートポンプ式暖房装置の消費電力を抑制する出力抑制時間帯になると、室温の設定温度を第1設定温度(例えば、20℃)から第2設定温度(例えば、18℃)に切り替える。この場合、ヒートポンプ制御装置の制御部は、外気温度が同じ条件下においては、第1出湯温度が高いほど第1出湯温度からの変化量が大きい第2出湯温度を示す情報をヒートポンプ式暖房装置に出力する。
特許文献2には、ヒートポンプ式暖房装置ではないが、温度センサからの出力に基づいて空気制御ドアを制御する制御部を有する車輌用空気調和装置が記載されている。特許文献2に記載の車輌用空気調和装置には、温度センサの故障を判定する故障判定部が設けられている。故障判定部の出力により温度センサに故障が発生したときに空気制御ドアの制御動作を停止するように制御部に信号が送出され、空気制御ドアが温度センサの故障前の状態にロックされる。これにより、内気温度が温度センサの故障前の温度に設定される。
国際公開第2015/001730号 特開昭57−147907号公報
特許文献1及び2に記載の技術は、ユーザーの快適性を向上させる観点から改良の余地を有する。そこで、本開示は、ユーザーの快適性を向上させるのに有利なヒートポンプ制御装置を提供することを目的とする。
本開示は、
ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置であって、
前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報が入力される室内温度入力部と、
前記室内暖房器から前記熱交換器に向かって流れている前記温水の温度である入水温度を示す入水温度情報が入力される入水温度入力部と、
前記熱交換器から前記室内暖房器に向かって流れている前記温水の温度である出湯温度を示す出湯温度情報が入力される出湯温度入力部と、
前記室内温度入力部に入力された前記室内温度情報と、前記入水温度入力部に入力された前記入水温度情報と、前記出湯温度入力部に入力された前記出湯温度情報とを記憶する記憶部と、
前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度情報を用いて、前記熱交換器から排出される前記温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定し、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて、前記出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、制御部と、を備えた、
ヒートポンプ制御装置を提供する。
上記のヒートポンプ制御装置は、ユーザーの快適性を高めるうえで有利である。
第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システムの構成を示す図 第1実施形態に係るヒートポンプ制御装置の動作を示すフローチャート 参考例に係るヒートポンプ制御を行った場合の目標出湯温度の変化を示す図 第1実施形態に係るヒートポンプ制御装置を用いた場合の目標出湯温度の変化を示す図 第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房システムの構成を示す図 流量情報が利用されない場合の目標出湯温度の変化を示す図 第2実施形態に係るヒートポンプ制御装置を用いた場合の目標出湯温度の変化を示す図 第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房システムの構成を示す図 第4実施形態に係るヒートポンプ式暖房システムの構成を示す図 第4実施形態に係るヒートポンプ制御装置の動作を示すフローチャート
特許文献1に記載のヒートポンプ制御装置によれば、例えば、温度センサの故障又は通信切断により、外気温度を示す温度情報が入力部に入力されない事態が発生する可能性がある。この場合、目標出湯温度を適切に設定することが難しくなる。通信遮断の原因としては、例えば、電波の不安定さ、通信エラー、温度センサの電池切れ、及び通信に対する障害物の存在などが挙げられる。特許文献2に記載の技術によれば、温度センサが故障した場合、空気制御ドアが温度センサの故障前の状態にロックされる。しかし、温度センサが故障したと判定されてから温度センサの故障が回復するまでの期間において、外気温度の変化又は日射量の変化などの影響により、室内温度が大きく低下し、又は、大きく上昇してユーザーの快適性が損なわれる可能性がある。
本開示の第1態様は、
ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置であって、
前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報が入力される室内温度入力部と、
前記室内暖房器から前記熱交換器に向かって流れている前記温水の温度である入水温度を示す入水温度情報が入力される入水温度入力部と、
前記熱交換器から前記室内暖房器に向かって流れている前記温水の温度である出湯温度を示す出湯温度情報が入力される出湯温度入力部と、
前記室内温度入力部に入力された前記室内温度情報と、前記入水温度入力部に入力された前記入水温度情報と、前記出湯温度入力部に入力された前記出湯温度情報とを記憶する記憶部と、
前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度情報を用いて、前記熱交換器から排出される前記温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定し、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて、前記出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、制御部と、を備えた、
ヒートポンプ制御装置を提供する。
第1態様によれば、温度センサの故障又は通信遮断により、室内温度入力部に室内温度情報が入力されないときでも、記憶部に記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて目標出湯温度が設定される。この場合、目標出湯温度は、出湯温度から入水温度を差し引いた差が大きいほど高く設定される。外気温度の低下により室内温度が低下すると、出湯温度から入水温度を差し引いた差が大きくなりやすい。このため、第1態様によれば、例えば、室内温度の低下が抑制されるように、目標出湯温度が設定される。このように、第1態様に係るヒートポンプ制御装置は、ユーザーの快適性を高めるうえで有利である。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記熱交換器から排出された前記温水の流量である温水供給流量を示す流量情報が入力される流量入力部をさらに備え、前記記憶部は、前記流量入力部に入力された前記流量情報をさらに記憶し、前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記流量情報を用いて、前記温水供給流量が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、ヒートポンプ制御装置を提供する。第2態様によれば、温度センサの故障又は通信遮断により、室内温度入力部に室内温度情報が入力されないときに、記憶部に記憶された流量情報を用いて、目標出湯温度が設定される。この場合、温水供給流量が大きいほど、目標出湯温度が高く設定される。例えば、外気温度が低下した場合に、流量情報を用いずに目標出湯温度を設定すると、場合によっては、温水供給流量が大きくなって室内温度が低下する可能性がある。第2態様によれば、流量情報を用いて、温水供給流量が大きいほど目標出湯温度が高く設定されるので、室内温度の低下を抑制できる。その結果、ユーザーの快適性を高めることができる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記室内暖房器が設置された室内空間の温度の目標値である室内設定温度を示す設定温度情報が入力される室内設定温度入力部をさらに備え、前記記憶部は、前記室内設定温度入力部に入力された前記設定温度情報をさらに記憶し、前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度情報及び前記記憶部に記憶された前記設定温度情報を用いて前記目標出湯温度を設定し、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報、前記出湯温度情報、及び前記設定温度情報を用いて、前記室内設定温度から前記出湯温度と前記入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、ヒートポンプ制御装置を提供する。第3態様によれば、室内設定温度入力部に入力された設定温度情報を用いて目標出湯温度が設定される。すなわち、室内設定温度入力部に入力された設定温度情報が目標出湯温度の設定に反映される。これにより、ユーザーの快適性を高めることができる。
本開示の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に加えて、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されるときに、前記室内温度入力部に入力された前記室内温度情報が示す温度を前記表示部に表示させ、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて前記室内空間の温度を推定して前記表示部に表示させる、ヒートポンプ制御装置を提供する。第4態様によれば、温度センサの故障又は通信遮断により、室内温度入力部に室内温度情報が入力されないときでも、室内空間の温度を推定して表示部に表示させることができる。これにより、ユーザーの利便性を高めることができる。
本開示の第5態様は、
第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様のヒートポンプ制御装置と、
ヒートポンプと、
前記ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器であって、前記ヒートポンプの冷媒回路の一部及び当該熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるための温水回路の一部を有する熱交換器と、
前記温水回路において前記温水を循環させるための循環ポンプと、
前記入水温度情報を入力可能に前記入水温度入力部に接続されている、前記入水温度を検出するための入水温度センサと、
前記出湯温度情報を入力可能に前記出湯温度入力部に接続されている、前記出湯温度を検出するための出湯温度センサと、を備えた、
ヒートポンプ式暖房システムの温水供給ユニットを提供する。
本開示の第5態様によれば、第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様のヒートポンプ制御装置を備えているので、室内温度入力部に室内温度情報が入力されないときでもユーザーの快適性を高めるうえで有利な温水供給ユニットを提供できる。
本開示の第6態様は、
第5態様の温水供給ユニットと、
前記温水供給ユニットに温水を循環可能に接続された室内暖房器と、
前記室内温度情報を入力可能に前記室内温度入力部に接続されている、前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を検出するための室内温度センサと、を備えた、
ヒートポンプ式暖房システムを提供する。
第6態様によれば、第5態様の温水供給ユニットを備えているので、室内温度入力部に室内温度情報が入力されないときでもユーザーの快適性を高めるうえで有利なヒートポンプ式暖房システムを提供できる。
本開示の第7態様は、
ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置によって実行される方法であって、
前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報を取得し、
前記室内暖房器から前記熱交換器に向かって流れている前記温水の温度である入水温度を示す入水温度情報を取得し、
前記熱交換器から前記室内暖房器に向かって流れている前記温水の温度である出湯温度を示す出湯温度情報を取得し、
取得した、前記室内温度情報、前記入水温度情報、及び前記出湯温度情報を記憶し、
前記室内温度情報を取得できたときに、前記室内温度情報を用いて、前記熱交換器から排出される前記温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定し、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて、前記出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きくなるほど、前記目標出湯温度を高く設定する、
方法を提供する。
第7態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
本開示の第8態様は、第7態様に加えて、前記熱交換器から排出された前記温水の流量である温水供給流量を示す流量情報をさらに取得し、取得した前記流量情報をさらに記憶し、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記流量情報を用いて、温水供給流量が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、方法を提供する。第8態様によれば、第2態様と同様の効果を得ることができる。
本開示の第9態様は、第7態様又は第8態様に加えて、前記室内暖房器が設置された室内空間の温度の目標値である室内設定温度を示す設定温度情報をさらに取得し、取得した前記設定温度情報をさらに記憶し、前記室内温度情報を取得できたときに、前記室内温度情報及び記憶された前記設定温度情報を用いて前記目標出湯温度を設定し、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された、前記入水温度情報、前記出湯温度情報、及び前記設定温度情報を用いて、前記室内設定温度から前記出湯温度と前記入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、方法を提供する。第9態様によれば、第3態様と同様の効果を得ることができる。
本開示の第10態様は、第7態様〜第9態様のいずれか1つの態様に加えて、前記室内温度情報を取得できたときに、取得した前記室内温度情報が示す温度を表示部に表示させ、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて前記室内空間の温度を推定して前記表示部に表示させる、方法を提供する。第10態様によれば、第4態様と同様の効果を得ることができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、以下の実施形態に記載の数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、構成要素の接続形態、ステップ、及びステップの順序は、本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施形態に記載の構成要素のうち、特許請求の範囲の独立請求項に記載されていない構成要素は、課題解決のために必ずしも必要ではなく、望ましい実施形態を構成するものとして説明される。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aは、温水供給ユニット2aと、室内暖房器32と、室内温度センサ41とを備えている。室内暖房器32は、温水供給ユニット2aに温水を循環可能に接続されている。例えば、室内暖房器32は、温水供給ユニット2aから室内暖房器32に温水を供給するための配管及び室内暖房器32から温水供給ユニット2aに温水を戻すための配管によって温水供給ユニット2aに接続されている。室内暖房器32は、室内空間に配置されている。ヒートポンプ式暖房システム1aは、例えば、複数(図1では3つ)の室内暖房器32を備えている。例えば、各室内暖房器32は、それぞれ、別々の室内空間に配置されている。室内温度センサ41は、室内暖房器32が設置された室内空間の温度を検出するための温度センサである。
温水供給ユニット2aは、ヒートポンプ制御装置10aと、ヒートポンプ20と、熱交換器30と、循環ポンプ31と、入水温度センサ42と、出湯温度センサ43とを備えている。ヒートポンプ20は冷媒回路25を有し、冷媒回路25の一部が熱交換器30の内部に形成されている。例えば、ヒートポンプ20は、熱源機21と、熱交換器30と、熱源機21から熱交換器30に冷媒を供給するための配管と、熱交換器30から熱源機21に冷媒を戻すための配管とを備えている。例えば、熱源機21は、膨張弁、蒸発器、及び圧縮機を備え、冷媒が膨張弁、蒸発器、及び圧縮機の順番で流れるように、熱源機21の内部に膨張弁、蒸発器、及び圧縮機が配置されている。熱交換器30は、ヒートポンプ20の冷媒と水とを熱交換させる。熱交換器30は、ヒートポンプ20の冷媒回路25の一部及び熱交換器30と室内暖房器32との間で温水を循環させるための温水回路35の一部を有する。循環ポンプ31は、温水回路35において温水を循環させるためのポンプである。入水温度センサ42は、室内暖房器32から熱交換器30に向かって流れている温水の温度である入水温度を検出するための温度センサである。出湯温度センサ43は、熱交換器30から室内暖房器32に向かって流れている温水の温度である出湯温度を検出するための温度センサである。
ヒートポンプ20において、空気を熱源にして、圧縮機で冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒が生成される。例えば、熱交換器30から排出された低温高圧の冷媒は、熱源機21の内部の膨張弁を通過することによって減圧される。膨張弁を通過した低温低圧の冷媒は、熱源機21内部の蒸発器において室外空気との熱交換により加熱され、蒸発する。蒸発器を通過した冷媒は熱源機21内部の圧縮機において圧縮され、高温高圧の冷媒が生成される。高温高圧の冷媒は、熱交換器30に供給され、熱交換器30において水と熱交換する。熱交換器30を通過した冷媒は再び熱源機21に戻る。ヒートポンプ20における冷媒は、特に制限されないが、例えば、R−410Aである。熱交換器30から排出される温水の最高温度は、例えば、冷媒の特性の影響を受ける。
熱交換器30において冷媒と水とが熱交換することにより生成された高温の温水は、循環ポンプ31の働きにより室内暖房器32に供給される。室内暖房器32において高温の温水が有する熱が放熱されて室内空間が暖房され、室内空間の温度が室内空間の温度の目標値である室内設定温度を含む所定の温度範囲に保たれる。室内暖房器32を通過することにより温水の温度は低下し、室内暖房器32から排出された低温の温水は、熱交換器30に戻され、再び加熱される。室内暖房器32は、温水の有する熱を放熱するための放熱部を有する限り特に限定されない。室内暖房器32は、例えば、放熱パネルを介して室内空間に放熱するラジエータ又は温水パイプを有する床暖房器である。
例えば、循環ポンプ31が発揮する動力が調整されることによって、各室内暖房器32への温水の供給量が調整される。また、例えば、温水回路35における各室内暖房器32の上流側には上流側流量調整弁33が配置され、温水回路35における各室内暖房器32の下流側には下流側流量調整弁34が配置されている。この場合、上流側流量調整弁33及び下流側流量調整弁34が制御されることによっても、各室内暖房器32への温水の供給量が調整される。
図1に示すように、循環ポンプ31は、例えば、熱交換器30の温水の出口と室内暖房器32の温水の入口との間における温水回路35に配置されている。この場合、出湯温度センサ43は、例えば、熱交換器30の温水の出口と循環ポンプ31の入口との間で温水回路35を流れる温水の温度を検出するように配置されている。これにより、出湯温度センサ43によって検出される値が、循環ポンプ31の流量制御による影響を受けにくい。なお、循環ポンプ31は、例えば、室内暖房器32の温水の出口と熱交換器30の温水の入口との間における温水回路35に配置されていてもよい。この場合、入水温度センサ42は、例えば、循環ポンプ31の出口と熱交換器30の温水の入口との間で温水回路35を流れる温水の温度を検出するように配置されている。これにより、入水温度センサ42は、熱交換器30に流入する直前の温水の温度を検出できる。
図1に示すように、ヒートポンプ20、熱交換器30、及び室内暖房器32によってヒートポンプ式暖房装置5aが構成されている。ヒートポンプ式暖房装置5aは、上記の通り、熱交換器30と室内暖房器32との間で温水を循環させる。ヒートポンプ制御装置10aは、ヒートポンプ式暖房装置5aを制御する。ヒートポンプ制御装置10aは、室内温度入力部13と、入水温度入力部14と、出湯温度入力部15と、記憶部12と、制御部11とを備えている。室内温度入力部13には、室内暖房器32が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報が入力される。例えば、室内温度センサ41が室内温度情報を入力可能に室内温度入力部13に接続されている。入水温度入力部14には、入水温度を示す入水温度情報が入力される。例えば、入水温度センサ42が入水温度情報を入力可能に入水温度入力部14に接続されている。出湯温度入力部15には、出湯温度を示す出湯温度情報が入力される。例えば、出湯温度センサ43が出湯温度情報を入力可能に出湯温度入力部15に接続されている。記憶部12は、室内温度入力部13に入力された室内温度情報と、入水温度入力部14に入力された入水温度情報と、出湯温度入力部15に入力された出湯温度情報とを記憶する。制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されたときに、室内温度情報を用いて、熱交換器30から排出される温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定する。一方、制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、記憶部12に記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて、出湯温度から入水温度を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。このため、室内温度センサ41の故障又は室内温度センサ41と室内温度入力部13との通信障害により、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときでも、入水温度情報及び出湯温度情報を用いて目標出湯温度を設定できる。その結果、ユーザーの快適性が高まる。
ヒートポンプ制御装置10aは、例えば、CPUなどの演算装置、メモリなどの記憶装置、及びインターフェースがバスによって相互に接続されたコンピュータである。例えば、演算装置によって制御部11が構成され、記憶装置によって記憶部12が構成され、インターフェースによって室内温度入力部13、入水温度入力部14、及び出湯温度入力部15が構成されている。
ヒートポンプ式暖房装置5aは、設定された目標出湯温度に従って制御される。例えば、目標出湯温度が高く設定されたときには、熱源機21内部に配置された圧縮機の回転数が高められる。このようにして、出湯温度が目標出湯温度を含む所定の温度範囲に収まるようにヒートポンプ式暖房装置5aが制御される。目標出湯温度の上限値は、特に制限されず、ヒートポンプ20の冷媒の特性に依存して定まる。例えばヒートポンプ20の冷媒がR−410Aである場合、目標出湯温度の上限値は55℃である。また、熱交換器30における凍結を防止するために、熱交換器30から排出される温水の温度を所定温度以上に維持する必要がある。このような観点から、目標出湯温度の下限値が定められる。目標出湯温度の下限値は、熱交換器30の性能にもよるが、例えば25℃である。
室内温度入力部13、入水温度入力部14、及び出湯温度入力部15と、各温度センサとの接続は有線通信可能な接続又は無線通信可能な接続である。入水温度入力部14及び入水温度センサ42は、温水供給ユニット2aにおいて比較的近くに配置することができ、出湯温度入力部15及び出湯温度センサ43も、温水供給ユニット2aにおいて比較的近くに配置することができる。このため、通信の安定性の観点から、入水温度入力部14と入水温度センサ42との接続及び出湯温度入力部15と出湯温度センサ43との接続は、望ましくは有線による接続である。一方、室内温度入力部13は温水供給ユニット2aに配置され、室内温度センサ41は室内暖房器32が設置された室内空間に配置される必要がある。このため、設置作業の簡素化の観点から、室内温度入力部13と室内温度センサ41との接続は望ましくは無線による接続である。
ヒートポンプ制御装置10aによって実行されるヒートポンプ式暖房装置5aの制御方法を説明する。この方法において、ヒートポンプ制御装置10aは、(i)室内温度情報を取得し、(ii)入水温度情報を取得し、(iii)出湯温度情報を取得し、(iv)取得した、前記室内温度情報、前記入水温度情報、及び前記出湯温度情報を記憶する。さらに、ヒートポンプ制御装置10aは、(v)室内温度情報を取得できたときに、室内温度情報を用いて、目標出湯温度を設定し、室内温度情報を取得できないときに、記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて、出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きくなるほど、目標出湯温度を高く設定する。
ヒートポンプ制御装置10aは、例えば図2に示すように動作する。以下に述べるヒートポンプ制御装置10aの一連の動作は、例えば、所定の時刻を経過したときに開始され、望ましくは定期的に行われる。まず、ステップS101において、ヒートポンプ制御装置10aは、室内温度センサ41、入水温度センサ42、及び出湯温度センサ43を含む各センサによって検出された現在の計測データを取得して記憶部12に記憶する。このとき、現在の室内温度情報、現在の入水温度情報、及び現在の出湯温度情報は、それぞれ、室内温度入力部13、入水温度入力部14、及び出湯温度入力部15に入力される。次に、ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS102において、現在の室内温度情報が入力されているか判断する。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS102における判断結果がYESの場合、ステップS103の処理に進み、室内温度推定係数が記憶部12に記憶されているか判断する。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS103における判断結果がYESの場合、ステップS104の処理に進み、記憶部12から室内温度推定係数を削除し、その後ステップS105の処理に進む。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS103における判断結果がNOの場合、ステップS104の処理を経ることなく、ステップS105の処理に直接進む。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS105において、現在の室内温度情報を用いて目標出湯温度を決定する。その後、ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS106の処理に進み、ステップS105で決定した目標出湯温度をヒートポンプ20に設定し一連の処理を終了する。その後、設定された目標出湯温度に従ってヒートポンプ20が運転される。
ステップS105において、目標出湯温度は、例えば、予め定められた室内設定温度及び現在の室内温度情報が示す現在の室内温度を用いて、以下の式により決定される。なお、本明細書において、「*」は乗算を意味する。
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−現在の室内温度)+Tout(0) (1)
Pは、室内設定温度と現在の室内温度との偏差に比例するように目標出湯温度の補正量を調節するための無次元の係数である。KPは、典型的には室内設定温度を含む所定の許容温度範囲の広さによって定められ、許容温度範囲が狭いほどKPは大きく定められる。KPは、例えば5である。Tout(0)は、室内温度をある程度維持するためにヒートポンプ20において生成されるべき熱量を決定するための目標出湯温度の基準値である。Tout(0)は、例えば、目標出湯温度の上限値(例えば55℃)と目標出湯温度の下限値(例えば25℃)との算術平均値(例えば40℃)である。
室内温度入力部13に現在の室内温度情報が入力されないとき、すなわち、ステップS102における判断結果がNOの場合、ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS107の処理に進む。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS107において、室内温度推定係数が記憶部12に記憶されているか判断する。ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS107における判断結果がNOの場合、ステップS108の処理に進み、記憶部12に記憶されているセンサによる過去の計測データを用いて室内温度推定係数を算出して記憶部12に記憶する。室内温度推定係数は、例えば、以下の式により算出される。
室内温度推定係数=ΔT’/([Tout'+Tin']/2−Troom') (2)
式(2)において、Tout'、Tin'、Troom'、及びΔT’はそれぞれ以下のように定義される。
out':現在時刻を除いた直近1時間における出湯温度の平均値
in':現在時刻を除いた直近1時間における入水温度の平均値
room':現在時刻を除いた直近1時間における室内温度の平均値
ΔT’=Tout'−Tin'
室内温度推定係数は、定常状態における、熱交換器30から供給された温水から室内暖房器32への熱伝達率と、室内暖房器32から室内暖房器32が設置された室内空気への対流熱伝達の熱伝達率との比に対応する。
ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS107における判断結果がYESの場合にはステップS108の処理を経ることなく、又は、ステップS108の処理の後、ステップS109の処理に進む。ヒートポンプ制御装置10aは、センサによる現在の計測データと、記憶部12に記憶されている室内温度推定係数又はステップS108で算出した室内温度推定係数とを用いて、現在の室内温度の推定値を算出する。現在の計測データには、例えば、入水温度入力部14及び出湯温度入力部15に入力された現在の入水温度情報及び現在の出湯温度情報が含まれる。現在の室内温度の推定値は、例えば以下の式により算出される。
現在の室内温度の推定値=(Tout+Tin)/2−ΔT/室内温度推定係数 (3)
式(3)において、Tout、Tin、及びΔTはそれぞれ以下のように定義される。
out:現在時刻の出湯温度
in:現在時刻の入水温度
ΔT=Tout−Tin
現在の室内温度の推定値は、以下のように表すこともできる。
現在の室内温度の推定値=(Tout+Tin)/2−(ΔT/ΔT’)*([Tout'+Tin']/2−Troom') (4)
次に、ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS110の処理に進み、現在の室内温度の推定値を用いて目標出湯温度を決定する。この場合、目標出湯温度は、例えば以下の式により決定される。ここで、KP及びTout(0)としては、ステップS105で使用される値と同一の値を用いることができる。
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−現在の室内温度の推定値)+Tout(0) (5)
この場合、目標出湯温度を決定するための式は以下のように表すこともできる。
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−(Tout+Tin)/2+ΔT/室内温度推定係数)+Tout(0) (6)
次に、ヒートポンプ制御装置10aは、ステップS111の処理に進み、ヒートポンプ20にステップS110で決定した目標出湯温度を設定して一連の処理を終了する。このように、目標出湯温度は、現在時刻における出湯温度から現在時刻における入水温度を差し引いた差ΔTが大きくなるほど、高く設定される。
図3は、時刻t1以降に室内温度情報が入力されなくなった場合に、目標出湯温度として、時刻t1よりも前の期間における直近の目標出湯温度を用いてヒートポンプ式暖房装置を制御したときの出湯温度、入水温度、及び室内温度の変化を示している。図3に示すように、時刻t1より前の期間において、ヒートポンプ制御装置は室内温度情報を取得できるので、現在の室内温度に応じて適切な目標出湯温度を設定できる。時刻t1以降も暖房負荷が大きく変わらないのであれば、時刻t1よりも前の期間における直近の目標出湯温度を用いても室内温度を所定の温度範囲に維持できる。しかし、図3に示すように、時刻t1経過後の時刻t2以降に外気温度が低下し、これに伴い室内温度も低下したと仮定する。この場合、暖房対象の室内空間における暖房負荷が大きくなる。時刻t2以降においても、目標出湯温度として、時刻t1よりも前の期間における直近の目標出湯温度を用いてヒートポンプ式暖房装置を制御すると、ヒートポンプ20から供給される熱量が暖房負荷に見合わなくなり、時刻t2以降に低下した室内温度が低下したままとなる。このため、室内設定温度と室内温度との差が大きくなり、ユーザーの快適性が損なわれる。
これに対し、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、記憶部12に記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて、出湯温度から入水温度を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。このため、ヒートポンプ制御装置10aによれば、時刻t1以降に室内温度情報が入力されなくなり、かつ、時刻t2以降に外気温度が急激に低下した場合に、目標出湯温度及び室内温度は図4に示すように変化する。
時刻t1より前の期間において、室内温度情報が室内温度入力部13に入力されるので、ヒートポンプ制御装置10aは、式(1)により現在の室内温度に基づいて目標出湯温度を設定できる。これにより、室内設定温度を含む所定の温度範囲に室内温度を維持できる。時刻t1以降に室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなると、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、式(4)に基づいて、現在の室内温度の推定値を算出する。時刻t1以降も暖房負荷が大きく変化しない場合、入水温度及び出湯温度も大きく変化しないので、算出された現在の室内温度の推定値は、実際の室内温度とほとんど変わらない。このため、図4に示すように、室内設定温度を含む所定の温度範囲に室内温度が維持される。
図4に示すように、時刻t2以降に外気温度が低下することに伴い室内温度が低下して、暖房対象の室内空間の暖房負荷が大きくなる。また、時刻t2経過後の時刻t3に、ヒートポンプ制御装置10aによる図2に示す一連の動作が開始される。この場合、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、式(6)に基づいて目標出湯温度を決定する。室内温度が低下すると、室内暖房器32からの放熱量が大きくなり、入水温度が低下する。これにより、現在の出湯温度から現在の入水温度を差し引いた差ΔTが、図4に示すように、ΔT1からΔT2に増加する。ΔT2はΔT1よりも大きいので、式(6)によれば、目標出湯温度は、時刻t3より前の目標出湯温度であるTs1よりも高いTs2に設定される。これにより、ヒートポンプ20において生成される熱量が暖房負荷の増加に見合うように目標出湯温度が設定される。その結果、図4に示すように、低下した室内温度が回復して室内設定温度に近づく。
このように、ヒートポンプ制御装置10aによれば、室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなった場合でも、過去の計測データ(室内温度情報、入水温度情報、及び出湯温度情報)を用いて、現在の室内温度を推定できる。また、ヒートポンプ20が供給する熱量を示す、現在の出湯温度から現在の入水温度を差し引いた差ΔTを考慮したうえで、暖房負荷に見合うように目標出湯温度が決定される。これにより、室内温度を、室内設定温度を含む所定の温度範囲に維持することができ、ユーザーの快適性が向上する。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1bは、特に説明する場合を除き、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aと同様に構成される。第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1bの構成要素のうち、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aの構成要素と同一又は対応する構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第1実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、第2実施形態にも適用される。
図5に示すように、ヒートポンプ式暖房システム1bにおける温水供給ユニット2bは流量センサ44をさらに備え、第2実施形態に係るヒートポンプ制御装置10bは、流量入力部16をさらに備えている。流量入力部16には、熱交換器30から排出された温水の流量である温水供給流量を示す流量情報が入力される。例えば、流量センサ44は、流量情報を入力可能に流量入力部16に接続されている。記憶部12は、流量入力部16に入力された流量情報をさらに記憶する。制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、記憶部12に記憶された流量情報を用いて、温水供給流量が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。これにより、温水供給流量を考慮したうえで目標出湯温度を適切に設定でき、ユーザーの快適性を高めることができる。
また、ヒートポンプ制御装置10bは、以下の動作を行う以外は、ヒートポンプ制御装置10aと同様に動作する。ヒートポンプ制御装置10bは、(i)流量情報をさらに取得し、(ii)取得した流量情報をさらに記憶し、(iii)室内温度情報を取得できないときに、記憶された流量情報を用いて、温水供給流量が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。
ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、ステップS108において、例えば、式(2)の代わりに以下の式を用いて室内温度推定係数を算出して記憶部12に記憶する。
室内温度推定係数=Pout'/([Tout'+Tin']/2−Troom’) (7)
式(7)において、Pout'=F’*C*(Tout'−Tin')であり、F’、C、Tout'、Tin'、及びTroom’はそれぞれ以下のように定義される。
F’:現在時刻を除いた直近1時間における温水供給流量の平均値
C:温水の比熱(4.2[kJ/[K*kg]])
out':現在時刻を除いた直近1時間における出湯温度の平均値
in':現在時刻を除いた直近1時間における入水温度の平均値
room’:現在時刻を除いた直近1時間における室内温度の平均値
この場合、室内温度推定係数は、定常状態における室内暖房器32から室内暖房器32が設置された室内空気への対流熱伝達の熱伝達率に対応する。
また、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、ステップS109において、式(3)の代わりに以下の式を用いて現在の室内温度の推定値を算出する。ここで、室内温度推定係数としては、記憶部12に予め記憶されていた以下の式に対応する室内温度推定係数又はステップS108において、式(7)により算出された室内温度推定係数が使用される。
現在の室内温度の推定値=(Tout+Tin)/2−Pout/室内温度推定係数 (8)
式(8)において、Pout=F*C*(Tout−Tin)であり、F、C、Tout、及びTinはそれぞれ以下のように定義される。
F:現在時刻における温水供給流量
C:温水の比熱(4.2[kJ/[K*kg]])
out:現在時刻における出湯温度
in:現在時刻における入水温度
この場合、現在の室内温度の推定値は、以下のように表すこともできる。なお、ΔT=Tout−Tinであり、ΔT’=Tout’−Tin’である。
現在の室内温度の推定値=(Tout+Tin)/2−(F*ΔT/F’*ΔT’)*([Tout'+Tin']/2−Troom') (9)
次に、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、ステップS110において、式(9)により算出した現在の室内温度の推定値を用いて、以下の式により目標出湯温度を決定する。なお、KP及びTout(0)としては、ステップS105で使用される値と同一の値を用いることができる。
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−現在の室内温度の推定値)+Tout(0) (10)
式(10)は以下のように表すこともできる。
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−(Tout+Tin)/2+Pout/室内温度推定係数)+Tout(0) (11)
目標出湯温度=KP*(室内設定温度−(Tout+Tin)/2+F*C*ΔT/室内温度推定係数)+Tout(0) (12)
このように、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、現在時刻の温水供給流量Fが大きくなるほど、目標出湯温度を高く設定する。
図6は、第1実施形態に係るヒートポンプ制御装置10aが、室内温度情報が入力されないときに、流量情報を用いずに目標出湯温度を設定してヒートポンプ式暖房装置5aを制御する場合の出湯温度、入水温度、室内温度、及び温水供給流量の変化を示している。ここで、出湯温度から入水温度を差し引いた差がΔT1に近づくように循環ポンプ31が発揮する動力が調整され、時刻t1以降に室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなるものと仮定する。
この場合、時刻t1より前の期間において、室内温度情報が室内温度入力部13に入力されるので、ヒートポンプ制御装置10aは、式(1)により現在の室内温度に基づいて目標出湯温度を設定できる。これにより、室内設定温度を含む所定の温度範囲に室内温度を維持できる。時刻t1以降に室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなると、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、式(4)に基づいて、現在の室内温度の推定値を算出したうえで、式(5)に基づいて目標出湯温度を設定する。時刻t1以降も暖房負荷が大きく変化しない場合、入水温度及び出湯温度も大きく変化しないので、算出された現在の室内温度の推定値は、実際の室内温度とほとんど変わらない。このため、図6に示すように、室内設定温度を含む所定の範囲に室内温度が維持される。
図6に示すように、時刻t2以降に外気温度が低下することに伴い室内温度が低下して、暖房対象の室内空間の暖房負荷が大きくなると仮定する。暖房負荷が大きくなるので、室内暖房器32から室内空間への放熱量が大きくなる。このため、図6に示すように、時刻t2以降に入水温度が低下する。その結果、出湯温度から入水温度を差し引いた差が拡大する。しかし、出湯温度から入水温度を差し引いた差をΔT1に近づけるために時刻t2経過後の時刻t3に循環ポンプ31の動力が変更され、時刻t3以降に温水供給流量がF1からF2に増加する。これにより、単位時間あたりに室内暖房器32に供給される温水の量が増加する。このため、室内暖房器32から室内空間への放熱量がほぼ一定であるとすると、室内暖房器32を通過することによる温水の温度変化量は、温水供給流量が増加する前の温水の温度変化量よりも小さくなる。すなわち、時刻t3以降に温水供給流量が増加して出湯温度から入水温度を差し引いた差が小さくなる。その結果、図6に示すように、時刻t3を経過した直後に入水温度が上昇し、出湯温度から入水温度を差し引いた差がΔT1に戻る。
ここで、ヒートポンプ制御装置10aによる図2に示す一連の動作が時刻t3経過後の時刻t4に開始されると仮定する。この場合、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、式(6)に基づいて目標出湯温度を決定する。ここで、出湯温度から入水温度を差し引いた差ΔTは、外気温度が低下する時刻t2より前の期間におけるΔTと同じΔT1である。このため、ヒートポンプ制御装置10aの制御部11は、時刻t4以降においても、時刻t2よりも前の期間に設定されていた目標出湯温度と同一の値を目標出湯温度として決定する。
時刻t2以降において室内空間から外気への放熱量が大きくなるので、時刻t2より前の期間の室内温度を時刻t2以降も維持するためには、室内暖房器32の表面温度(Tout+Tin)/2と室内温度との差を大きくする必要がある。しかし、図6に示すように、ヒートポンプ制御装置10aの上記の動作によれば、時刻t2の前後で出湯温度は変わらない。また、出湯温度から入水温度を差し引いた差がΔT1に近づくように循環ポンプ31が発揮する動力が調整されるので、時刻t4以降の入水温度は、時刻t2よりも前の期間における入水温度と変わらない。このため、時刻t4以降の室内暖房器32の表面温度(Tout+Tin)/2が時刻t2以降の室内暖房器32の表面温度と変わらないので、時刻t2以降に時刻t2より前の期間における室内温度を維持できなくなる。このように、ヒートポンプ制御装置10aの上記の動作によれば、流量情報が考慮されないので、室内温度を正確に推定できず、適切な目標出湯温度が設定されなくなる。その結果、図6に示すように、実際の室内温度が、室内設定温度を含む所定の温度範囲の下限を下回ってしまう可能性がある。
図7は、第2実施形態に係るヒートポンプ制御装置10bがヒートポンプ式暖房装置5bを制御する場合の、出湯温度、入水温度、目標出湯温度、室内温度、及び温水供給流量の変化を示す。ここで、図6と同様に、外気温度が変化し、かつ、温水供給流量が増加する。また、図6と同様に、時刻t1以降に室内温度情報が入力されなくなるものと仮定する。
この場合、時刻t1より前の期間において、室内温度情報が室内温度入力部13に入力されるので、ヒートポンプ制御装置10bは、式(1)により現在の室内温度に基づいて目標出湯温度を設定できる。これにより、室内設定温度を含む所定の温度範囲に室内温度を維持できる。時刻t1以降に室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなると、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、式(9)に基づいて、現在の室内温度の推定値を算出したうえで、式(10)に基づいて目標出湯温度を設定する。時刻t1以降も暖房負荷が大きく変化しない場合、入水温度及び出湯温度も大きく変化しないので、算出された現在の室内温度の推定値は、実際の室内温度とほとんど変わらない。このため、図7に示すように、室内設定温度を含む所定の温度範囲に室内温度が維持される。
時刻t2以降に外気温度が低下することに伴い室内温度が低下して、暖房対象の室内空間の暖房負荷が大きくなる。暖房負荷が大きくなるので、室内暖房器32から室内空間への放熱量が大きくなる。このため、図7に示すように、時刻t2以降に入水温度が低下する。その結果、出湯温度から入水温度を差し引いた差が拡大する。しかし、出湯温度から入水温度を差し引いた差をΔT1に近づけるために時刻t2経過後の時刻t3に循環ポンプ31の動力が変更され、時刻t3以降に温水供給流量がF1からF2に増加する。これにより、単位時間あたりに室内暖房器32に供給される温水の量が増加する。このため、室内暖房器32から室内空間への放熱量がほぼ一定であるとすると、室内暖房器32を通過することによる温水の温度変化量は、温水供給流量が増加する前の温水の温度変化量よりも小さくなる。すなわち、時刻t3以降に温水供給流量が増加して出湯温度から入水温度を差し引いた差が小さくなる。その結果、図7に示すように、時刻t3を経過した直後に入水温度が上昇し、出湯温度から入水温度を差し引いた差がΔT1に戻る。
ここで、ヒートポンプ制御装置10bは、目標出湯温度を設定するための一連の動作を時刻t3経過後の時刻t4に開始すると仮定する。この場合、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、式(9)に基づいて現在の室内温度の推定値を算出し、式(12)に基づいて目標出湯温度を決定する。すなわち、ヒートポンプ制御装置10bの制御部11は、時刻t4におけるΔTに加えて時刻t4における温水供給流量F2を用いて、現在の室内温度の推定値を算出し、目標出湯温度を決定する。ここで、出湯温度から入水温度を差し引いた差ΔTは、時刻t2より前の期間におけるΔTと同じΔT1である。一方、時刻t4以降における温水供給流量は、時刻t2より前の期間における温水供給流量F1からF2に増加している。このため、時刻t4以降における目標出湯温度は、時刻t2よりも前の期間に設定されていた目標出湯温度Ts1よりも高いTs2に設定される。
時刻t2以降において室内空間から外気への放熱量が大きくなるので、時刻t2より前の期間の室内温度を時刻t2以降も維持するためには、室内暖房器32の表面温度(Tout+Tin)/2と室内温度との差を大きくする必要がある。ヒートポンプ制御装置10bの上記の動作によれば、時刻t4以降における目標出湯温度Ts2が時刻t2より前の期間における目標出湯温度Ts1よりも高く設定され、出湯温度が高くなる。また、出湯温度から入水温度を差し引いた差をΔT1に近づくようにポンプ31が発揮する動力が変更される。このため、室内暖房器32の表面温度(Tout+Tin)/2が時刻t2より前の期間よりも高くなるので、時刻t4以降の室内温度が時刻t2より前の期間の室内温度とほぼ同じ温度に保たれる。このように、大きくなった暖房負荷に見合うように、ヒートポンプ20が生成する熱量が増加して室内温度が室内設定温度を含む所定の温度範囲に収まる。
ヒートポンプ制御装置10bによれば、室内温度情報が入力されなくなった場合でも、過去の計測データ(室内温度情報、入水温度情報、出湯温度情報、及び流量情報)を用いて、現在の室内温度の推定値が算出される。そのうえで、現在の出湯温度から現在の入水温度を差し引いた差(ΔT)及び現在の温水供給流量(F)が考慮されたうえで、暖房負荷に見合うように目標出湯温度が設定される。このため、室内温度情報が入力されなくなったときに暖房負荷が大きく変化する場合でも、室内温度が室内設定温度を含む所定の温度範囲に維持されやすく、ユーザーの快適性を高めることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1cは、特に説明する場合を除き、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aと同様に構成される。第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1cの構成要素のうち、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aの構成要素と同一又は対応する構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第1実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、第3実施形態にも適用される。なお、ヒートポンプ式暖房システム1cには、第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1bに特有の特徴が組み合わされてもよい。
図8に示すように、ヒートポンプ式暖房システム1cのヒートポンプ制御装置10cは、室内設定温度入力部17をさらに備えている。室内設定温度入力部17には、室内暖房器32が設置された室内空間の温度の目標値である室内設定温度を示す設定温度情報が入力される。ヒートポンプ式暖房システム1cは、室内設定温度入力部17に設定温度情報を発信するための発信部45をさらに備えている。発信部45は、設定温度情報を入力可能に室内設定温度入力部17に接続されている。発信部45は、例えば、ユーザーによる室内設定温度の入力を受け付けるための操作ボタン又はユーザーによって操作されるリモートコントローラ(図示省略)からの室内設定温度を示す信号を受信する受信部(図示省略)を備える。
記憶部12は、室内設定温度入力部17に入力された設定温度情報をさらに記憶し、制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されるときに、室内温度情報及び記憶部12に記憶された設定温度情報を用いて目標出湯温度を設定する。また、制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、記憶部12に記憶された入水温度情報、出湯温度情報、設定温度情報を用いて、室内設定温度から出湯温度と入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。
また、ヒートポンプ制御装置10cは、ヒートポンプ制御装置10aの動作に加えて、(i)設定温度情報をさらに取得し、(ii)取得した設定温度情報をさらに記憶し、(iii)室内温度情報を取得できたときに、室内温度情報及び記憶された設定温度情報を用いて目標出湯温度を設定し、室内温度情報を取得できないときに、記憶された、入水温度情報、出湯温度情報、及び設定温度情報を用いて、室内設定温度から出湯温度と入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度を高く設定する。
ヒートポンプ制御装置10cの制御部11は、図2に示すステップS105において、式(1)に基づいて目標出湯温度を決定する。また、ヒートポンプ制御装置10cの制御部11は、図2に示すステップS109において、式(6)に基づいて目標出湯温度を決定する。このとき、室内設定温度としては、室内設定温度入力部17に入力され、記憶部12に記憶された設定温度情報が示す室内設定温度が用いられる。室内設定温度入力部17には、ユーザーが望む室内設定温度を示す情報が発信部45を介して入力される。このため、ヒートポンプ制御装置10cによれば、ユーザーが望む室内設定温度に見合うように目標出湯温度が設定される。また、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されない場合に、ユーザーが望む室内設定温度から出湯温度と入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、目標出湯温度が高く設定される。これにより、室内温度が、ユーザーが望む室内設定温度を含む所定の温度範囲に収まりやすい。このため、ユーザーの快適性を高めることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1dは、特に説明する場合を除き、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aと同様に構成される。第4実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1dの構成要素のうち、第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1aの構成要素と同一又は対応する構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第1実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、第4実施形態にも適用される。また、ヒートポンプ式暖房システム1dには、第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1b又は第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房システム1cに特有の特徴が組み合わされてもよい。
図9に示すように、ヒートポンプ式暖房システム1dのヒートポンプ制御装置10dは、表示部18をさらに備えている。表示部18は、例えば、室内暖房器32が設置された室内空間に配置されている。ヒートポンプ制御装置10dの制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されるときに、室内温度入力部13に入力された室内温度情報が示す温度を表示部18に表示させる。また、ヒートポンプ制御装置10dの制御部11は、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときに、記憶部12に記憶された入水温度情報及び出湯温度情報を用いて室内空間の温度を推定して表示部18に表示させる。
ヒートポンプ制御装置10dは、図10に示すように動作して、室内温度又は室内温度の推定値を表示部18に表示させる。ヒートポンプ制御装置10dは、ステップS201において、室内温度センサ41、入水温度センサ42、及び出湯温度センサ43を含む各センサによって検出された現在の計測データを取得して記憶部12に記憶する。このとき、現在の室内温度情報、現在の入水温度情報、及び現在の出湯温度情報は、それぞれ、室内温度入力部13、入水温度入力部14、及び出湯温度入力部15に入力される。次に、ヒートポンプ制御装置10dは、ステップS202において、現在の室内温度情報が入力されているか否か判断する。ステップS202における判断がYESである場合、ヒートポンプ制御装置10dの制御部11は、室内温度入力部13に入力され、記憶部12に記憶された現在の室内温度情報が示す温度を表示部18に表示させて、処理が終了する。一方、ステップS202における判断がNOである場合、制御部11は、ステップS204の処理を行う。ステップS204において、制御部11は、記憶部12に記憶された、各センサによって検出された現在の計測データと、室内温度推定係数とを用いて、現在の室内温度の推定値を算出する。ここで、制御部11は、例えば、式(4)に基づいて現在の室内温度の推定値を算出する。その後、制御部11は、ステップS205の処理を行い、ステップS205で算出した現在の室内温度の推定値を表示部18に表示させて、処理が終了する。なお、図2におけるステップS109で算出され記憶部12に既に記憶されている室内温度の推定値を示す情報が現在の室内温度の推定値を表示部18に表示するために利用可能である場合もある。この場合、制御部11は、ステップS204及びステップS205の処理に代えて、記憶部12に記憶されている室内温度の推定値を示す情報を利用して、現在の室内温度の推定値を表示部18に表示させてもよい。
このように、室内温度入力部13に室内温度情報が入力されないときでも、現在の室内温度の推定値が表示部18に表示されるので、ユーザーの利便性を高めることができる。
<変形例>
ヒートポンプ式暖房システム1a〜1dは、様々な観点から変更が可能である。例えば、ヒートポンプ制御装置10a〜10dの制御部11が、室内温度情報が入力されなくなる前に、予め室内温度推定係数を算出し、記憶部12に記憶させておいてもよい。この場合、その後、室内温度情報が室内温度入力部13に入力されなくなったときに、制御部11は、記憶部12に記憶された室内温度推定係数を用いて現在の室内温度の推定値を算出してもよい。
ヒートポンプ制御装置10a〜10dの制御部11は、循環ポンプ31が発揮する動力が変更できる場合、ヒートポンプ20において生成される熱量を調整するために、場合によっては、目標出湯温度の代わりに目標流量を設定してもよい。ここで、目標流量は、熱交換器30から排出される温水の流量の目標値である。この場合、例えば、目標流量に基づいて循環ポンプ31が発揮する動力が調整される。
図2のステップS102における判断の方法は、特に限定されない。例えば、室内温度入力部13から記憶部12に定期的に室内温度情報が入力されて記憶されると仮定する。この場合、ヒートポンプ制御装置10a〜10dは、室内温度情報が入力されるべき時刻に記憶部12に室内温度情報が入力されないことによって、図2のステップS102におけるNOの判断を行ってもよい。また、例えば、室内温度が変化したときに、室内温度入力部13から記憶部12に室内温度情報が入力されると仮定する。この場合、ヒートポンプ制御装置10a〜10dは、室内温度入力部13から記憶部12に室内温度情報が最後に入力された時刻から所定の期間(例えば1時間)以上経過した場合に、図2のステップS102におけるNOの判断を行ってもよい。
制御部11及び記憶部12の具体的な配置形態は、特に限定されない。例えば、制御部11及び記憶部12は、ヒートポンプ20の内部の制御基板に配置されていてもよい。また、制御部11及び記憶部12は、ヒートポンプ20の外部からヒートポンプ20に制御信号を出力可能に接続されたコントローラ、又は、インターネットを経由してヒートポンプ20に制御信号を出力可能に接続されたサーバーに配置されていてもよい。
1a〜1d ヒートポンプ式暖房システム
2a〜2d 温水供給ユニット
5a〜5d ヒートポンプ式暖房装置
10a〜10d ヒートポンプ制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 室内温度入力部
14 入水温度入力部
15 出湯温度入力部
16 流量入力部
17 室内設定温度入力部
18 表示部
20 ヒートポンプ
30 熱交換器
31 循環ポンプ
32 室内暖房器
41 室内温度センサ
42 入水温度センサ
43 出湯温度センサ

Claims (10)

  1. ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置であって、
    前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報が入力される室内温度入力部と、
    前記室内暖房器から前記熱交換器に向かって流れている前記温水の温度である入水温度を示す入水温度情報が入力される入水温度入力部と、
    前記熱交換器から前記室内暖房器に向かって流れている前記温水の温度である出湯温度を示す出湯温度情報が入力される出湯温度入力部と、
    前記室内温度入力部に入力された前記室内温度情報と、前記入水温度入力部に入力された前記入水温度情報と、前記出湯温度入力部に入力された前記出湯温度情報とを記憶する記憶部と、
    前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度情報を用いて、前記熱交換器から排出される前記温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定し、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて、前記出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、制御部と、を備えた、
    ヒートポンプ制御装置。
  2. 前記熱交換器から排出された前記温水の流量である温水供給流量を示す流量情報が入力される流量入力部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記流量入力部に入力された前記流量情報をさらに記憶し、
    前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記流量情報を用いて、前記温水供給流量が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、請求項1に記載のヒートポンプ制御装置。
  3. 前記室内暖房器が設置された室内空間の温度の目標値である室内設定温度を示す設定温度情報が入力される室内設定温度入力部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記室内設定温度入力部に入力された前記設定温度情報をさらに記憶し、
    前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度情報及び前記記憶部に記憶された前記設定温度情報を用いて前記目標出湯温度を設定し、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報、前記出湯温度情報、及び前記設定温度情報を用いて、前記室内設定温度から前記出湯温度と前記入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、請求項1又は2に記載のヒートポンプ制御装置。
  4. 表示部をさらに備え、
    前記制御部は、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されたときに、前記室内温度入力部に入力された前記室内温度情報が示す温度を前記表示部に表示させ、前記室内温度入力部に前記室内温度情報が入力されないときに、前記記憶部に記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて前記室内空間の温度を推定して前記表示部に表示させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプ制御装置と、
    ヒートポンプと、
    前記ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器であって、前記ヒートポンプの冷媒回路の一部及び当該熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるための温水回路の一部を有する熱交換器と、
    前記温水回路において前記温水を循環させるための循環ポンプと、
    前記入水温度情報を入力可能に前記入水温度入力部に接続されている、前記入水温度を検出するための入水温度センサと、
    前記出湯温度情報を入力可能に前記出湯温度入力部に接続されている、前記出湯温度を検出するための出湯温度センサと、を備えた、
    ヒートポンプ式暖房システムの温水供給ユニット。
  6. 請求項5に記載の温水供給ユニットと、
    前記温水供給ユニットに温水を循環可能に接続された室内暖房器と、
    前記室内温度情報を入力可能に前記室内温度入力部に接続されている、前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を検出するための室内温度センサと、を備えた、
    ヒートポンプ式暖房システム。
  7. ヒートポンプの冷媒と水とを熱交換させる熱交換器と室内暖房器との間で温水を循環させるヒートポンプ式暖房装置を制御するヒートポンプ制御装置によって実行される方法であって、
    前記室内暖房器が設置された室内空間の温度を示す室内温度情報を取得し、
    前記室内暖房器から前記熱交換器に向かって流れている前記温水の温度である入水温度を示す入水温度情報を取得し、
    前記熱交換器から前記室内暖房器に向かって流れている前記温水の温度である出湯温度を示す出湯温度情報を取得し、
    取得した、前記室内温度情報、前記入水温度情報、及び前記出湯温度情報を記憶し、
    前記室内温度情報を取得できたときに、前記室内温度情報を用いて、前記熱交換器から排出される前記温水の温度の目標値である目標出湯温度を設定し、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて、前記出湯温度から前記入水温度を差し引いた差が大きくなるほど、前記目標出湯温度を高く設定する、
    方法。
  8. 前記熱交換器から排出された前記温水の流量である温水供給流量を示す流量情報をさらに取得し、
    取得した前記流量情報をさらに記憶し、
    前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記流量情報を用いて、温水供給流量が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記室内暖房器が設置された室内空間の温度の目標値である室内設定温度を示す設定温度情報をさらに取得し、
    取得した前記設定温度情報をさらに記憶し、
    前記室内温度情報を取得できたときに、前記室内温度情報及び記憶された前記設定温度情報を用いて前記目標出湯温度を設定し、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された、前記入水温度情報、前記出湯温度情報、及び前記設定温度情報を用いて、前記室内設定温度から前記出湯温度と前記入水温度との平均値を差し引いた差が大きいほど、前記目標出湯温度を高く設定する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記室内温度情報を取得できたときに、取得した前記室内温度情報が示す温度を表示部に表示させ、前記室内温度情報を取得できないときに、記憶された前記入水温度情報及び前記出湯温度情報を用いて前記室内空間の温度を推定して前記表示部に表示させる、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113137701A (zh) * 2021-05-14 2021-07-20 青岛海尔空调电子有限公司 用于空调控制的方法、装置和空调
CN114963279A (zh) * 2021-08-24 2022-08-30 青岛海尔新能源电器有限公司 空气能热泵制热控制方法、装置、电子设备及存储介质

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