JP2017072298A - 空気調和機 - Google Patents

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Junya Nakase
絢哉 中瀬
康介 木保
Kosuke Kiho
康介 木保
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Abstract

【課題】部屋の熱容量を含むいくつかの数値を空気調和機自身が推定することにより、よりよい制御を行うこと。
【解決手段】空気調和機100は、室温制御機構40と、温度取得部53と、空間特性パラメータ推定部54と、を備える。室温制御機構40は、冷媒を循環させる管路を有し、部屋70の室温Tinを制御する。温度取得部53は、温度情報x[n]を繰り返し取得する。空間特性パラメータ推定部54は、取得された複数の温度情報x[n]を用いて、部屋70に関する空間特性パラメータを推定する。空間特性パラメータは、部屋の熱容量Cを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和機に関する。
空気調和機は、設定された目標温度に室温を近づける制御を行う。この制御のために、まず室温と目標温度の差分が算出される。次いで、その差分に基づいて、冷媒回路で実現すべき冷媒の蒸発温度または凝縮温度の目標値が算出される。最後に、その目標値に従って、この冷媒回路の空調能力が調節される。
特許文献1(特開2002−147823号公報)が開示する空気調和機は、ユーザが入力した内部負荷および外部負荷に関連する数値を考慮することによって、蒸発温度または凝縮温度の目標値をある程度の範囲で増減する調節処理を行う。ここで、内部負荷とは、室内に設置されている電子機器などの発熱源が単位時間内に発する熱量を意味する。また、外部負荷とは、建物を構成する壁などの建築部材を貫通して室外から室内へ単位時間内に流入する熱量を意味する。この調節処理によって、この空気調和機は空調能力の最適化を行い、消費エネルギーの節約を図っている。
このように、従来の空気調和機の能力制御においては、外部負荷や内部負荷が考慮されることがある一方で、室内機が設置される部屋の熱容量の数値が考慮されることはあまりなかった。熱容量を用いれば、空気調和機の能力がもたらす室温の変動をより正確に予測できるので、空調能力の最適化を通じて消費エネルギーの節約などに寄与する余地がある。それにもかかわらず熱容量が利用されることが少なかった理由の一つは、熱容量が概念的な量であるため、センサなどによって直接的に測定できない点にある。
本発明は、部屋の熱容量を含むいくつかの数値を空気調和機自身が推定することにより、よりよい制御を行うことである。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、室温制御機構と、温度取得部と、空間特性パラメータ推定部と、を備える。室温制御機構は、冷媒を循環させる管路を有し、部屋の室温を制御する。温度取得部は、温度情報を繰り返し取得する。空間特性パラメータ推定部は、取得された複数の温度情報を用いて、部屋に関する空間特性パラメータを推定する。空間特性パラメータは、部屋の熱容量を含む。
この構成によれば、空気調和機は、部屋の熱容量を含む空間特性パラメータを温度情報から推定する。したがって、空間特性パラメータを考慮することにより、室温の制御をより望ましいものにできる。
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、複数の温度情報のうちのn番目のものが、1つまたは複数の要素を有するベクトルである。前記要素は、室温Tin、室温変化率dTin/dt、室外温度Tout、および室内冷媒相変化温度Triのうちの一部を含む。
室内冷媒相変化温度は、冷房運転の場合には冷媒の蒸発温度であり、暖房運転の場合には冷媒の凝縮温度である。
この構成によれば、複数の温度情報が取得される。したがって、空間特性パラメータの推定において、精度が向上する。
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、複数の温度情報のうちのn番目のものは、室温、室温変化率、室外温度、および室内冷媒相変化温度の全部を含む要素を有することによって、
Figure 2017072298
という数式でベクトルとして表される。
この構成によれば、4種類の要素の数値が利用される。したがって、空間特性パラメータの推定において、精度がより向上する。
本発明の第4観点に係る空気調和機は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る空気調和機において、空間特性パラメータが、熱容量のほか、さらに、内部負荷および外部負荷を含む。
この構成によれば、室温変化モデルは、熱容量、内部負荷、および外部負荷を含む。したがって、空間特性パラメータ推定部が、熱容量のみならず、内部負荷、および外部負荷をも推定するので、空気調和機の制御の精度が改善される。
本発明の第5観点に係る空気調和機は、第4観点に係る空気調和機において、外部負荷が、
Figure 2017072298
の数式で表される。ここで、Awは部屋の壁面積であり、Kは部屋の熱貫流率である。空間特性パラメータは、さらに熱貫流率、または前記熱貫流率と前記壁面積の積を含む。
この構成によれば、空間特性パラメータ推定部が熱貫流率Kまたは積KAwを推定する。したがって、熱貫流率Kまたは積KAwの推定値の妥当性を、建築材料に関するデータなどと比較して検証しやすい。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、第4観点または第5観点に係る空気調和機において、空調制御部、をさらに備える。空調制御部は、空調能力を変化させるように室温制御機構を制御する。室温制御機構は、圧縮機、電動弁、およびファンをさらに有する。空調能力は、
Figure 2017072298
の数式で表される。ここで、γは風量指数であり、Triは室内冷媒相変化温度である。室内冷媒相変化温度は、冷房運転の場合には冷媒の蒸発温度であり、暖房運転の場合には冷媒の凝縮温度である。空調制御部は、空調能力を生み出すような風量指数および室内冷媒相変化温度を算出する。空調制御部は、風量指数に従ってファンを制御するとともに、室内冷媒相変化温度に従って圧縮機または電動弁を制御する。
この構成によれば、室温軌道を実現するための空調能力Qを風量指数γに換算できる。したがって、行うべきファン制御を、風量指数γから知ることができる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、第6観点に係る空気調和機において、室温変化モデル保持部をさらに備える。室温変化モデル保持部は、室温変化モデルを保持する。室温変化モデルは次の数式で表される。
Figure 2017072298
ここで、Tinは室温であり、dTin/dtは室温変化率である。空調制御部は、室温変化モデル保持部の出力に基づいて室温制御機構を制御する。
この構成によれば、望ましい過渡的推移を表現する室温軌道が、室温変化モデルおよび空間特性パラメータを考慮することによって実現される。したがって、室温の時間推移をより望ましいものにできる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、第5観点から第7観点のいずれか1つに係る空気調和機において、空間特性パラメータ推定部が、多変数最小二乗法によって空間特性パラメータを推定する。多変数最小二乗法では、1≦n≦Mであるnについて、
Figure 2017072298
で表される値(f(x[n]))を計算し、次いで、
Figure 2017072298
の数式で表される二乗和(S)を計算する。二乗和を最小にするように空間特性パラメータが推定される。
この構成によれば、空間特性パラメータの推定には多変数最小二乗法が用いられる。したがって、適切な空間特性パラメータを効率よく算出できる。
本発明の第9観点に係る空気調和機は、第8観点に係る空気調和機において、空間特性パラメータ推定部が、空間特性パラメータに含まれる熱容量Ciおよび熱貫流率Kiを推定するi回目の推定を行う。空間特性パラメータ推定部は、それから所定期間の経過後、更新された熱容量Ci+1および更新された熱貫流率Ki+1を推定する(i+1)回目の推定を行う。(i+1)回目の推定においては、まず、空間特性パラメータ推定部は、多変数最小二乗法によって空間特性パラメータに含まれる熱容量Capproxおよび熱貫流率Kapproxを算出する仮計算処理を行う。次いで、空間特性パラメータ推定部は、
Figure 2017072298
および
Figure 2017072298
の数式によって補正処理を行う。ここで、αCは熱容量補正係数であり、αKは熱貫流率補正係数である。
この構成によれば、毎回の推定における熱容量と熱貫流率の変動を緩慢にできる。したがって、本質的には不変であるはずの熱容量と熱貫流率の推定値が何らかの原因により急激に変動した場合、その推定値の変動に対して制御状態が過剰反応することを抑制できる。
本発明の第10観点に係る空気調和機は、第1観点から第9観点のいずれか1つに係る空気調和機において、温度取得部が、室温制御機構の停止中に温度情報を取得する。
この構成によれば、温度取得部は、室温制御機構の停止中に温度情報を取得する。したがって、長らく空気調和動作を行っていない期間の後でも、空気調和機は適切な制御を行うことができる。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、空間特性パラメータを考慮することにより、室温の制御をより望ましいものにできる。
本発明の第2観点および第3観点に係る空気調和機によれば、空間特性パラメータの推定において、精度が向上する
本発明の第4観点に係る空気調和機は、空気調和機の制御の精度を改善する。
本発明の第5観点に係る空気調和機によれば、熱貫流率の推定値の妥当性を、建築材料に関するデータなどと比較して検証しやすい。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、行うべきファン制御を、風量指数から知ることができる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、室温の時間推移をより望ましいものにできる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、適切な空間特性パラメータを効率よく算出できる。
本発明の第9観点に係る空気調和機は、推定値の変動に対して制御状態が過剰反応することを抑制できる。
本発明の第10観点に係る空気調和機は、長らく空気調和動作を行っていない期間の後でも、空気調和機は適切な制御を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る空気調和機100の室温制御機構40を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る空気調和機100の制御回路60を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る空気調和機100が想定する室温変化モデルを示す模式図である。 冷房運転における室温軌道R1、R2、R3を示すグラフである。 冷房運転における冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示すグラフである。 暖房運転における室温軌道R1、R2、R3を示すグラフである。 暖房運転における冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示すグラフである。 空間特性パラメータ更新における、CおよびKの連続更新処理を示すフローチャートである。 空間特性パラメータ更新における、温度情報の取得処理を示すフローチャートである。 空間特性パラメータ更新における、CおよびKの仮計算処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る空気調和機100Aの室温制御機構40Aを示す模式図である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
本発明の第1実施形態に係る空気調和機100は、図1に示す室温制御機構40と、図2に示す制御回路60とを有する。図1に示すように、室温制御機構40は、室外機10、室内機20、連絡配管30を有し、冷媒を循環させる冷媒回路である。図2に示すように、制御回路60は、制御部50および操作パネル51を有する電気回路である。
(2)詳細構成
(2−1)室外機10
図1に示す室外機10は屋外に設置され、冷房運転時の冷熱源、または暖房運転時の温熱源として機能する。室外機10は、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁15、室外冷媒温度センサ16、室外気温センサ19を有する。
(2−1−1)圧縮機11
圧縮機11は、冷凍サイクルに必要な圧縮動作を行うためのものである。この圧縮動作において、圧縮機11は吸入した低圧ガス冷媒を圧縮し、高圧ガス冷媒にして吐出する。
(2−1−2)四路切換弁12
四路切換弁12は、冷媒回路の接続を変更するものである。図1において、四路切換弁12は、冷房運転の場合には実線で描かれた接続を行い、暖房運転の場合には破線で描かれた接続を行う。
(2−1−3)室外熱交換器13
室外熱交換器13は、空気と冷媒との熱交換を行うものである。室外熱交換器13は、冷房運転の場合には凝縮機として機能する一方、暖房運転の場合には蒸発機として機能する。室外熱交換器13には、熱交換の効率を向上させるために空気と室外熱交換器13との接触を促す室外ファン14が設けられている。
(2−1−4)室外膨張弁15
室外膨張弁15は開度調整が可能な電動弁であり、必要に応じて冷媒の減圧をする。
(2−1−5)室外冷媒温度センサ16
室外冷媒温度センサ16は室外熱交換器13を流れる冷媒が相変化をする温度である室外冷媒相変化温度Troを測定する。室外冷媒相変化温度Troは、冷房運転の場合には冷媒の凝縮温度であり、暖房運転の場合には冷媒の蒸発温度である。
(2−1−6)室外気温センサ19
室外気温センサ19は、室外機10が設置されている屋外の空気の温度、すなわち室外気温Toutを測定する。
(2−2)室内機20
室内機20は屋内に設置され、冷熱または温熱をユーザに提供する。室内機20は、室内膨張弁21、室内熱交換器22、室内冷媒温度センサ26、室内気温センサ29を有する。
(2−2−1)室内膨張弁21
室内膨張弁21は開度調整が可能な電動弁であり、必要に応じて冷媒の減圧をする。
(2−2−2)室内熱交換器22
室内熱交換器22は、空気と冷媒との熱交換を行うものである。室内熱交換器22は、冷房運転の場合には蒸発機として機能する一方、暖房運転の場合には凝縮機として機能する。室内熱交換器22には、熱交換の効率を向上させるために空気と室内熱交換器22との接触を促す室内ファン23が設けられている。
(2−2−3)室内冷媒温度センサ26
室内冷媒温度センサ26は室内熱交換器22を流れる冷媒が相変化をする温度である室内冷媒相変化温度Triを測定する。室内冷媒相変化温度Triは、冷房運転の場合には冷媒の蒸発温度Teであり、暖房運転の場合には冷媒の凝縮温度Tcである。
(2−2−4)室内気温センサ29
室内気温センサ29は、室内機20が設置されている部屋の空気の温度、すなわち室温Tinを測定する。
(2−3)連絡配管30
連絡配管30は、室外機10と室内機20とを接続しており、液冷媒配管31およびガス冷媒配管32を有する。
(2−3−1)液冷媒配管31
液冷媒配管31は、室外機10と室内機20の間で液冷媒を移動させるための管路である。
(2−3−2)ガス冷媒配管32
ガス冷媒配管32は、室外機10と室内機20の間でガス冷媒を移動させるための管路である。
(2−4)操作パネル51
図2に示す操作パネル51は、ユーザによる運転設定の入力を受け取るためのものである。操作パネル51は、室温Tinについて設定された目標温度Tin(target)、および配分値Pの設定値を受け取る。ここで、配分値Pとは、空気調和機100のユーザにとっての、温度収束性と省エネルギー性の重要度の主観的または客観的な比率である。操作パネル51は、典型的には室内機20が設置される部屋の壁に設置されるが、代替的に、リモートコントローラ、室内機20そのもの、またはその他の箇所に設置されてもよい。
(2−5)制御部50
制御部50は、室温制御機構40の各種センサおよびアクチュエータを制御する。制御部50は、温度取得部53、空間特性パラメータ推定部54、室温変化モデル保持部62、室温軌道保持部61、冷媒相変化温度計算部63、制御計算部64、エネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67、空調制御部58を有する。
(2−5−1)温度取得部53
温度取得部53は、各種温度センサの出力を含む信号を受け取り、ディジタルデータの温度情報として整える。それから、温度取得部53は、温度情報を空間特性パラメータ推定部54および室温軌道保持部61へ送信する。
(2−5−2)空間特性パラメータ推定部54
空間特性パラメータ推定部54は、温度取得部53から送られる温度情報を逐次、温度情報履歴として蓄積する。さらに、空間特性パラメータ推定部54は、自身が保持する温度情報履歴の一部または全部に基づいて、後述する「空間特性パラメータ」を推定し、それらの推定値を室温変化モデル保持部62へ送信する。
(2−5−3)室温変化モデル保持部62
室温変化モデル保持部62は、後述する「室温変化モデル」を保持している。また、室温変化モデル保持部62は、空間特性パラメータ推定部54より空間特性パラメータの値を受け取り、室温変化モデルの一部として保持する。
(2−5−4)室温軌道保持部61
室温軌道保持部61は、室温Tinについて設定された初期温度Tin(initial)および目標温度Tin(target)を受け取り、それらに基づいて形成した室温軌道R(t、τ)保持する。室温軌道R(t、τ)は、時間変数tと室温軌道パラメータτを有する関数である。ただし、室温軌道保持部61は、室温軌道パラメータτについての情報を保持していない。
(2−5−5)冷媒相変化温度計算部63
冷媒相変化温度計算部63は、室温変化モデルに基づいて、室温制御機構40において実現されるべき冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する。冷媒相変化温度軌道U(t、τ)とは、室内冷媒相変化温度Triにおいて実現されるべき時間推移のことである。
(2−5−6)制御計算部64
制御計算部64は、冷媒相変化温度計算部63が算出した冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を実現するような、各種アクチュエータの制御シーケンスを算出する。
(2−5−7)エネルギー指数計算部65
エネルギー指数計算部65は、制御計算部64が算出した制御シーケンスに対応するエネルギー指数JE(t、τ)を算出する。
(2−5−8)室温収束性指数計算部66
室温収束性指数計算部66は、室温軌道パラメータ計算部67と情報を授受することにより室温収束性指数JD(t、τ)を算出する。
(2−5−9)室温軌道パラメータ計算部67
室温軌道パラメータ計算部67は、エネルギー指数JE(t、τ)と室温収束性指数JD(t、τ)に基づいて、最適な室温軌道パラメータτを算出する。
(2−5−10)空調制御部58
空調制御部58は、制御計算部64の計算結果に基づいて、最適な室温軌道パラメータτを有する室温軌道R(t、τ)を実現するように、室温制御機構40の各種アクチュエータを制御する。空調制御部58が制御するアクチュエータには、圧縮機11、四路切換弁12、室外ファン14、室外膨張弁15、室内膨張弁21、室内ファン23が含まれる。
(3)基本動作
(3−1)冷房運転
冷房運転の場合、図1に示す室温制御機構40において、四路切換弁12は実線で示す回路を構成する。
室外機10において、圧縮機11が矢印の方向に吐出した高圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して室外熱交換器13へ進む。室外熱交換器13において、高圧ガス冷媒は空気に熱を放出して凝縮し、高圧液冷媒となる。高圧液冷媒は室外膨張弁15へ進む。室外膨張弁15の開度は全開にされているので、高圧液冷媒はそのまま室外膨張弁15を通過する。その後、高圧液冷媒は、室外機10を出て、液冷媒配管31を通過して室内機20に入り、室内膨張弁21へ進む。室内膨張弁21の開度は適切に絞られているので、高圧液冷媒は室内膨張弁21によって減圧されて、低圧気液二層冷媒になる。低圧気液二層冷媒は、室内熱交換器22へ進む。室内熱交換器22において、低圧気液二層冷媒は空気から熱を吸収し、室温Tinを低下させながら蒸発し、低圧ガス冷媒となる。低圧ガス冷媒は室内機20を出て、ガス冷媒配管32を通過して室外機10に入る。その後、低圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して、圧縮機11に吸入される。
(3−2)暖房運転
暖房運転の場合、図1に示す室温制御機構40において、四路切換弁12は破線で示す回路を構成する。
圧縮機11が矢印の方向に吐出した高圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由し、室外機10から出て、ガス冷媒配管32を通過して室内機20に入り、室内熱交換器22へ進む。室内熱交換器22において、高圧ガス冷媒は空気へ熱を放出し、室温Tinを上昇させながら凝縮し、高圧液冷媒となる。高圧液冷媒は室内膨張弁21へ進む。室内膨張弁21の開度は全開にされているので、高圧液冷媒はそのまま室内膨張弁21を通過する。その後、高圧液冷媒は、室内機20を出て、液冷媒配管31を通過して室外機10に入り、室外膨張弁15へ進む。室外膨張弁15の開度は適切に絞られているので、高圧液冷媒は室外膨張弁15によって減圧されて、低圧気液二層冷媒になる。低圧気液二層冷媒は、室外熱交換器13へ進む。室外熱交換器13において、低圧気液二層冷媒は空気から熱を吸収して蒸発し、低圧ガス冷媒となる。低圧ガス冷媒は、四路切換弁12を経由して、圧縮機11に吸入される。
(4)室温制御動作
(4−1)室温変化モデルおよび空間特性パラメータ
図3は、本発明に係る空気調和機100の室温変化モデル保持部62が想定する室温変化モデルを示す。部屋70は壁71によって外部空間と隔てられている。室外機10は部屋70の外に設置され、室内機20は部屋70の中に設置されている。部屋70は熱容量C[J/K]を有している。室温はTin[℃]であり、室外気温はTout[℃]である。部屋70の中には、家電製品、電子機器、または人間などの熱源72が存在する。
室温Tinは、内部負荷Lin[W]、外部負荷Lout[W]、空調能力Q[W]によって上昇させられる。内部負荷Linとは、熱源72が単位時間当たりに発する熱量を意味する。外部負荷Loutとは、外部空間から部屋70の中へ流入する単位時間当たりの熱量を意味する。空調能力Qとは、室内機20が放出する単位時間当たりの熱量を意味する。空気調和機100の冷房運転において空調能力Qは負数になり、暖房運転において空調能力Qは正数になる。この室温変化モデルは、室温変化率dTin/dtを用いて下記の数式で表される。
Figure 2017072298
この室温変化モデルで用いられるパラメータ、すなわち熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutを、本願では空間特性パラメータと総称する。
次に、外部負荷Loutおよび空調能力Qを別の表現に書き換える。
外部負荷Loutは、下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072298
ここで、K[W/m2・K]は部屋の壁の熱貫流率である。Aw[m2]は部屋70の壁面積である。
空調能力Qは、下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072298
ここで、γは室内機20によって起こされる風量の強さを示す風量指数である。Tri[℃]は室内熱交換器22における室内冷媒相変化温度である。
以上の書き換えにより、室温変化モデルは下記の数式で表すことができる。
Figure 2017072298
すなわち、熱容量C、内部負荷Lin、熱貫流率K、壁面積Aw、室外気温Toutが把握できれば、採用できる室温Tinの推移と、それを実現する風量指数γ、室内冷媒相変化温度Triの可能な組み合わせが得られる。
(4−2)室温軌道R(t、τ)
制御回路60の目的は、室内気温センサ29によって検出される室温Tinの時間推移を、室温軌道R(t、τ)に合致させることである。前述のとおり、室温軌道R(t、τ)は、時間変数tと室温軌道パラメータτを有する関数である。関数はどのようなものであってもよい。室温軌道R(t、τ)の一例は、下記の式で表される指数関数である。
Figure 2017072298
ここで、Tin(initial)[℃]は初期室温であり、例えば、制御部50が室温軌道Rを設定する時点における室温Tinである。Tin(target)[℃]はユーザによって設定された室温Tinの目標温度である。室温軌道パラメータτは時間推移の時定数[分]である。当然ながら、室温軌道R(t、τ)として指数関数以外の関数を採用する場合には、室温軌道パラメータτは時定数以外のパラメータであってよい。
図4は、この数式で定義される室温軌道R(t、τ)に基づく冷房運転時における、三種類の時定数τ1、τ2、τ3(τ1<τ2<τ3)に相当する室温軌道R1、R2、R3を示す。室温軌道R1は、室温Tinが目標温度Tin(target)に近づくまでの時間が速いので、最も良好な温度収束性を示す。一方、室温軌道R3は、室温Tinが目標温度Tin(target)に近づくまでの時間が長いので、空気調和機100の消費エネルギーの節約に最も寄与する。
図6は、この数式で定義される室温軌道R(t、τ)に基づく暖房運転時における、三種類の時定数τ1、τ2、τ3(τ1<τ2<τ3)に相当する室温軌道R1、R2、R3を示す。初期室温Tin(initial)[℃]が目標温度Tin(target)[℃]よりも低い点で冷房運転時と異なるが、室温Tinの時間推移は、冷房運転の場合について上述した数式と同一数式として表される。
(4−3)冷媒相変化温度軌道U(t、τ)の算出
図2に示す冷媒相変化温度計算部63は、室温変化モデルと室温軌道R(t、τ)に基づいて、室温制御機構40において実現されるべき冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する。室温変化モデルと室温軌道R(t、τ)から冷媒相変化温度軌道U(t、τ)を算出する具体的な計算方法は、どのようなものであってもよい。
図5は、冷房運転時における三つの冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示している。冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3は、実現すべき室内冷媒相変化温度Triの時間推移を意味する。冷房運転において、室内冷媒相変化温度Triは、室内熱交換器22における冷媒の蒸発温度Teを意味する。
冷媒相変化温度軌道U1が用いられる場合、蒸発温度Teは、蒸発温度目標値Tesに初めから達している。一方、冷媒相変化温度軌道U2、U3が用いられる場合、蒸発温度Teは、より低い温度から蒸発温度目標値Tesへ漸近していく。空調開始時刻t0からしばらくの間、冷媒相変化温度軌道U2、U3の蒸発温度Teが蒸発温度目標値Tesよりも低く設定されることにより、冷媒相変化温度軌道U1が採用される場合と比較して消費エネルギーの節約を図ることができる。
図7は、暖房運転時における三つの冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3を示している。ここでも、冷媒相変化温度軌道U1、U2、U3は、実現すべき室内冷媒相変化温度Triの時間推移を意味する。暖房運転において、室内冷媒相変化温度Triは、室内熱交換器22における冷媒の凝縮温度Tcを意味する。暖房運転において冷媒相変化温度軌道U2、U3が用いられる場合、凝縮温度Tcは凝縮温度目標値Tcsに漸近するように制御される。
(4−4)室温軌道パラメータτの決定
最適な室温軌道パラメータτの決定は、図2に示すエネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67によって行われる。
まず、エネルギー指数計算部65が、次式にしたがってエネルギー指数JE(τ)を算出する。
Figure 2017072298
ここで、E(t、τ)は、特定の室温軌道パラメータτにおける、各種アクチュエータの消費電力の総和の時間関数である。エネルギー指数JEは値が大きいほど多くのエネルギーを消費することを意味する。
次に、室温収束性指数計算部66が、次式にしたがって室温収束性指数JD(τ)を算出する。
Figure 2017072298
室温収束性指数JDは値が大きいほど室温Tinの収束に時間を要することを意味する。
次に、室温軌道パラメータ計算部67が、次式にしたがって評価関数J(τ、P)を算出する。
Figure 2017072298
ここで、係数mは定数である。配分値Pは、ユーザが操作パネル51を用いて設定する値であり、大きいほど室温収束性よりも省エネルギー性を重視することを意味する。
次いで、室温軌道パラメータ計算部67は、設定された配分値Pについて、あらゆる室温軌道パラメータτの値に対する評価関数J(τ、P)の値を算出することによって、評価関数J(τ、P)の形状を調べる。次いで、評価関数J(τ、P)の値を最小にする室温軌道パラメータτが決定される。
この構成によれば、室温軌道Rの設定者は、室温収束性と省エネルギー性の配分値Pという直感的な量さえ決定すれば、室温軌道パラメータτという値を直接的に決定する必要がない。
(4−5)室温制御機構40の制御
図2に示す空調制御部58は、室温軌道パラメータ計算部67によって決定された室温軌道パラメータτについての室温軌道R(t、τ)に相当する冷媒相変化温度軌道Uが実現されるように、室温制御機構40の各種アクチュエータを制御する。
例えば、空調制御部58は、圧縮機11のモータの回転速度の時間推移を制御してもよい。加えて、空調制御部58は、室内ファン23の回転速度の時間推移をも制御してもよい。さらに、空調制御部58は、室内膨張弁21および室外膨張弁15の少なくとも一方の開度の時間推移をも制御してもよい。
(5)空間特性パラメータの推定
図2の空間特性パラメータ推定部54は、図3の室温変化モデルで用いられる空間特性パラメータ、すなわち、熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutを以下の要領で推定する。
(5−1)温度情報の取得
空間特性パラメータ推定部54は、温度取得部53を介して温度情報を繰り返し取得し、温度情報履歴として蓄積する。n番目の温度情報x[n]は、例えば4つの要素を有する下記のベクトルで表すことができる。
Figure 2017072298
ここで、Tinは室温であり、dTin/dtは室温変化率であり、Toutは室外気温であり、Triは内部冷媒相変化温度である。
(5−2)多変数最小二乗法の実行
次に、空間特性パラメータ推定部54は、蓄積した温度情報履歴の中から引き出した直近のM個の温度情報x[n](1≦n≦M)につき、多変数最小二乗法を実行する。
具体的には、まず空間特性パラメータ推定部54は、M個の温度情報x[n]について、下記の数式で表される値f(x[n])を計算する。
Figure 2017072298
次いで、空間特性パラメータ推定部54は、下記の数式で表される二乗和Sを計算する。
Figure 2017072298
最後に、空間特性パラメータ推定部54は、二乗和Sを最小にするような解を求めることにより、空間特性パラメータ、すなわち熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutを推定する。当然ながら、推定された外部負荷Loutの値を、設定者によってあらかじめ決定された壁面積Awの値を用いて、熱貫流率Kに換算することも可能である。推定した空間特性パラメータは室温変化モデル保持部62に送られ、室温変化モデルの作成または更新に利用される。
(6)特徴
(6−1)
空気調和機100は、熱容量Cを含む空間特性パラメータを、温度情報x[n]から推定する。したがって、空間特性パラメータを考慮することにより、室温Tinの制御をより望ましいものにできる。
(6−2)
空気調和機100では、M個という複数の温度情報x[n]が取得される。したがって、空間特性パラメータの推定において、精度が向上する。
(6−3)
室温Tin、室温変化率dTin/dt、室外温度Tout、および室内冷媒相変化温度Triという4種類の要素の数値が利用される。したがって、空間特性パラメータの推定において、精度がより向上する。
(6−4)
室温変化モデルは、熱容量C、内部負荷Lin、および外部負荷Loutを含む。したがって、空間特性パラメータ推定部54が、熱容量Cのみならず、内部負荷Lin、および外部負荷Loutをも推定するので、空気調和機100の制御の精度が改善される。
(6−5)
空間特性パラメータ推定部54は、熱貫流率Kを推定する。したがって、熱貫流率Kの推定値の妥当性を、建築材料に関するデータなどと比較して検証しやすい。
(6−6)
空気調和機100は、室温軌道Rを実現するための空調能力Qを風量指数γに換算できる。したがって、行うべきファン制御を、風量指数γから知ることができる。
(6−7)
空気調和機100では、望ましい過渡的推移を表現する室温軌道Rが、室温変化モデルおよび空間特性パラメータを考慮することによって実現される。したがって、室温Tinの時間推移をより望ましいものにできる。
(6−8)
空間特性パラメータの推定には多変数最小二乗法が用いられる。したがって、適切な空間特性パラメータを効率よく算出できる。
(7)変形例
(7−1)空間特性パラメータの更新処理
上述の実施形態では、室温変化モデル保持部62が保持する室温変化モデルの中の空間特性パラメータを、空間特性パラメータ推定部54が新たに推定した値で単に上書きすることにより、空間特性パラメータの更新が行われる。これに代えて、毎回の更新において、空間特性パラメータごとに個々に異なる変動感度を設定することによって、一部の空間特性パラメータの値の変動を緩慢にしてもよい。
この構成によれば、大きく変動しうる内部負荷Linと比較してあまり変動しないはずの熱容量Cおよび外部負荷Loutに関し、大きく変動した推定値が算出された場合に、その変動を抑制して制御を安定させることができる。
熱容量Cの変動、および、外部負荷Loutに関連する熱貫流率Kの変動を緩慢にする制御の一例を、図8〜図10のフローチャートを参照して以下に説明する。
図8は[C、Kの連続更新]メインルーチンである。ステップS10において、メインルーチンが開始される。ステップS11でカウンタ変数iが初期値を設定される。ステップS12において(i+1)番目の推定が開始される時点では、温度取得部53が保持する室温変化モデルには、前回のCの推定値Ci、および前回のKの推定値Kiが設定されている。ステップS13で[温度情報の取得]サブルーチンが呼び出される。図9の[温度情報の取得]サブルーチンでは、「(5−1)温度情報の取得」で上述したように、M個の温度情報x[n](1≦n≦M)が取得される(ステップS20〜S25)。次いで、図8のステップS14で[C、Kの仮計算]サブルーチンが呼び出される。図10の[C、Kの仮計算]サブルーチンでは、「(5−2)多変数最小二乗法の実行」で上述したように、多変数最小二乗法を用いてCの仮推定値Capprox、およびKの仮推定値Kapproxが算出される(ステップS31〜S34)。次いで、図8のステップS15で、補正処理が行われる。この補正処理でおよび、前回の推定値Ci、Kiを用いて、以下の数式に従って仮推定値Capprox、Kapproxの補正を行う。
Figure 2017072298
Figure 2017072298
ここで、αCは熱容量補正係数であり、αKは熱貫流率補正係数である、これらの補正係数を小さくするほど、変動は緩慢になる。ステップS16において、補正後のCi+1、Ki+1を(i+1)番目の正式な推定値とし、これらによって、室温変化モデルに組み込まれている前回の推定値Ci、Kiを上書き更新する。ステップS17において、(i+1)番目の推定を終了する。ステップS18でカウンタ変数iをインクリメントし、ステップS12へ戻る。
(7−2)温度情報x[n]の取得の時期
上述の実施形態では、温度取得部53は、室温制御機構40の運転中に温度情報x[n]を取得することを想定している。これに代えて、温度取得部53は、室温制御機構40の停止中に温度情報x[n]を取得してもよい。この構成によれば、長らく空気調和動作を行っていない期間の後でも、空気調和機100は適切な制御を行うことができる。
(7−3)推定される空間特性パラメータ
上述の実施形態によれば、空間特性パラメータ推定部54が推定する空間特性パラメータは、熱容量C、内部負荷Lin、外部負荷Loutの3つ、またはこれらに熱貫流率Kを加えた4つである。
熱貫流率Kに代えて、空間特性パラメータ推定部54は、前記熱貫流率と前記壁面積の積KAwを推定してもよい。このとき、設定者が壁面積Awの値をあらかじめ決定する必要はない。
さらに、空間特性パラメータ推定部54は、これまでに述べたパラメータ以外のパラメータ、または、5以上の個数のパラメータを推定してもよい。
これらの構成によれば、空気調和の目的に応じて、より適した室温変化モデルに依拠した制御を行うことができる。
(7−4)配分値Pの設定者
配分値Pの設定は、ユーザではなく、空気調和機100の施工者または製造者が行っても良い。そのような設定方法に合致させるため、操作パネル51は、室内機20の内部またはリモートコントローラの内部のように、ユーザの手が届かない領域に設置されてもよい。あるいは、配分値Pの設定は、ユーザが使用しないサービスマン・モードにおいて行われてもよい。
(7−5)制御部50の構成
上述の実施形態では、制御部50は図2に示す構造を有していたが、制御部50の構成として、これ以外の様々な態様が採用可能である。例えば、室温変化モデルから冷媒相変化温度軌道Uを計算する工程を経ることなく、直接的に室温制御機構40の各種アクチュエータの制御シーケンスが算出されてもよい。
さらに、例えば、温度取得部53、空間特性パラメータ推定部54、室温変化モデル保持部62、室温軌道保持部61、冷媒相変化温度計算部63、制御計算部64、エネルギー指数計算部65、室温収束性指数計算部66、室温軌道パラメータ計算部67は、別個のハードウェアである必要はない。すなわち、プログラムを格納した共通のメモリと共通のCPUとによって、これらの一部または全部を構成してもよい。
<第2実施形態>
(1)構成
本発明の第2実施形態に係る空気調和機100Aは、図11に示す室温制御機構40Aを有する。室温制御機構40Aは、2台の室内機20a、20bを有する点で第1実施形態と異なる。
(2)特徴
この実施形態によれば、第1実施形態について説明した精度のよい制御を、2台の室内機のそれぞれについて別個に行うことができる。
(3)変形例
(3−1)
第1実施形態の各変形例を第2実施形態に適用してもよい。
(3−2)
上述の実施形態では、室温制御機構40Aは、2台の室内機20a、20bを有する。これに代えて、室温制御機構40Aは、3台以上の室内機を有してもよい。
10 :室外機
20、20a、20b :室内機
30 :連絡配管
40、40A :室温制御機構
50 :制御部
60 :制御回路
70 :部屋
100、100A:空気調和機
C :熱容量
J :評価関数
K :熱貫流率
Lin :内部負荷
Lout :外部負荷
P :配分値
Q :空調能力
R :室温軌道
S :二乗和
Tc :凝縮温度
Tcs :凝縮温度目標値
Te :蒸発温度
Tes :蒸発温度目標値
Tin :室温
Tout :室外気温
Tri :室内冷媒相変化温度
Tro :室外冷媒相変化温度
U :冷媒相変化温度軌道
特開2002−147823号公報

Claims (10)

  1. 冷媒を循環させる管路(30)を有し、部屋(70)の室温(Tin)を制御する室温制御機構(40)と、
    温度情報(x[n])を繰り返し取得する温度取得部(53)と、
    取得された複数の前記温度情報を用いて、前記部屋に関する空間特性パラメータを推定する空間特性パラメータ推定部(54)と、
    を備え、
    前記空間特性パラメータは、前記部屋の熱容量(C)を含む、
    空気調和機(100)。
  2. 複数の前記温度情報のうちのn番目のもの(x[n])は、1つまたは複数の要素を有するベクトルであり、
    前記要素は、
    前記室温(Tin)、
    室温変化率(dTin/dt)、
    室外温度(Tout)、および
    室内冷媒相変化温度(Tri)、
    のうちの一部を含み、
    前記室内冷媒相変化温度(Tri)は、冷房運転の場合には前記冷媒の蒸発温度(Te)であり、暖房運転の場合には前記冷媒の凝縮温度(Tc)である、
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 複数の前記温度情報のうちの前記n番目のもの(x[n])は、前記室温(Tin)、前記室温変化率(dTin/dt)、前記室外温度(Tout)、および前記室内冷媒相変化温度(Tri)の全部を含む前記要素を有することによって、
    Figure 2017072298
    という数式でベクトルとして表される、
    請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記空間特性パラメータは、前記熱容量(C)のほか、さらに、内部負荷(Lin)および外部負荷(Lout)を含む、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の空気調和機。
  5. 前記外部負荷(Lout)は、
    Figure 2017072298
    の数式で表され、ここで、Awは前記部屋の壁面積であり、Kは前記部屋の熱貫流率であり、
    前記空間特性パラメータは、さらに前記熱貫流率(K)、または前記熱貫流率と前記壁面積の積(KAw)を含む、
    請求項4に記載の空気調和機。
  6. 空調能力(Q)を変化させるように前記室温制御機構を制御する空調制御部(58)、
    をさらに備え、
    前記室温制御機構は、圧縮機(11)、電動弁(15、21)、およびファン(23)をさらに有し、
    前記空調能力(Q)は、
    Figure 2017072298
    の数式で表され、ここで、γは風量指数であり、Triは室内冷媒相変化温度であり、
    前記室内冷媒相変化温度(Tri)は、冷房運転の場合には前記冷媒の蒸発温度(Te)であり、暖房運転の場合には前記冷媒の凝縮温度(Tc)であり、
    前記空調制御部は、前記空調能力(Q)を生み出すような前記風量指数(γ)および前記室内冷媒相変化温度(Tri)を算出し、前記風量指数(γ)に従って前記ファンを制御するとともに、前記室内冷媒相変化温度(Tri)に従って前記圧縮機または前記電動弁を制御する、
    請求項4または請求項5に記載の空気調和機。
  7. 室温変化モデルを保持する室温変化モデル保持部(62)、
    をさらに備え、
    前記室温変化モデルは次の数式で表され、
    Figure 2017072298
    ここで、Tinは前記室温であり、dTin/dtは室温変化率であり、
    前記空調制御部は、前記室温変化モデル保持部の出力に基づいて前記室温制御機構を制御する、
    請求項6に記載の空気調和機。
  8. 前記空間特性パラメータ推定部は、多変数最小二乗法によって前記空間特性パラメータを推定し、
    前記多変数最小二乗法では、1≦n≦Mであるnについて、
    Figure 2017072298
    で表される値(f(x[n]))を計算し、
    次いで、
    Figure 2017072298
    の数式で表される二乗和(S)を計算し、
    前記二乗和を最小にするように前記空間特性パラメータが推定される、
    請求項5から7のいずれか1つに記載の空気調和機。
  9. 前記空間特性パラメータ推定部は、前記空間特性パラメータに含まれる前記熱容量Ciおよび前記熱貫流率Kiを推定するi回目の推定を行い、それから所定期間の経過後、更新された熱容量Ci+1および更新された熱貫流率Ki+1を推定する(i+1)回目の推定を行い、
    前記(i+1)回目の推定においては、
    まず、前記空間特性パラメータ推定部は、前記多変数最小二乗法によって前記空間特性パラメータに含まれる前記熱容量Capproxおよび前記熱貫流率Kapproxを算出する仮計算処理を行い、
    次いで、前記空間特性パラメータ推定部は、
    Figure 2017072298
    および
    Figure 2017072298
    の数式によって補正処理を行い、ここで、αCは熱容量補正係数であり、αKは熱貫流率補正係数である、
    請求項8に記載の空気調和機。
  10. 前記温度取得部は、前記室温制御機構の停止中に前記温度情報を取得する、
    請求項1から9のいずれか1つに記載の空気調和機。
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