JP6004168B2 - 圧電振動片の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電振動片の製造方法に関するものである。
通信機器の高周波数化やマイクロコンピュータの動作周波数の高周波数化に伴って、水晶振動子や水晶フィルタ、水晶共振器等の圧電振動デバイスも高周波数化が要求されつつある。一般に、高周波数化に対応した圧電基板として、ATカット水晶基板の厚みすべり振動がよく用いられており、周知のとおりその周波数は圧電基板の厚さで決定され、周波数と厚さとは反比例する。そのため、水晶基板としては極薄型のものが必要になる。このような極薄板の加工は、研磨作業が難しく製造歩留まりを向上させることが困難であった。そこで、この課題を解決するために、所謂逆メサ型と呼ばれる構成の圧電振動片を備えた圧電振動デバイスが提案されている。
このような圧電振動片に対応する矩形領域を1枚のウエハ上に多数パターニングでマトリクス状に整列形成し、このウエハをスクライバ等のダイシングブレードで各矩形領域を個々に切断して圧電振動片を製造する技術が例えば特許文献1で提案されている。
従来の製造方法を、図9(a)(b)を参照して説明する。
図9(a)はウエハの部分平面図、図9(b)は図9(a)のB−B線の拡大断面図である。
まず圧電単結晶材としての水晶からなるウエハ51を用意する。
このウエハ51に、仮想線C1,C2で囲む複数の矩形領域52を作製する。矩形領域52は、圧電振動片に個片化される領域であり、長辺と短辺とを有する矩形形状をなし、その長辺方向が水晶の結晶軸であるX軸方向に、また、短辺方向がZ軸方向になる。
そして、各矩形領域52の中央部分の表裏両面に周知のエッチング技術により凹部を設けて、該中央部分に平面視矩形形状の薄肉部(振動領域)53と、該薄肉部53を補強する厚肉部54とを形成する。
薄肉部53に励振電極55a,55bを配置形成して、矩形領域52を、逆メサ型構成の圧電振動片領域とする。
次に、ウエハ51を仮想線C1,C2に沿ってダイシングブレードにより順次に貫通切断する。これにより、各矩形領域52を、個片化して、複数の圧電振動片を得る。
特開2006−49979号公報
上記従来の製造方法では、各矩形領域52を切断線C1,C2で切断して複数の圧電振動片に個片化するに際して、長辺側が切断線C1に沿って既にダイシングブレードで切断されている状態で、短辺側を切断線C2に沿ってダイシングブレードで貫通切断するようにしている。
しかしながら、このような従来の製造方法は、一方の平行する辺である長辺側が切断された状態で、他方の平行する辺である短辺側をダイシングブレードで貫通切断するので、技術的に容易な製造方法ではなく、そのため短辺側を貫通切断して、ウエハから個片化された複数の圧電振動片を製造するまでに相当程度に長い時間を要し、全体的に製造歩留まりが悪い製造方法である。
また、従来の製造方法では、長辺側がダイシングブレードで貫通切断されているので、短辺側をダイシングブレードで貫通切断する際に、短辺側のダイシングブレード方向端部に進行性のチッピングが生じやすく、この点からも製造歩留まりが悪い製造方法である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高い製造歩留まりでウエハから複数の圧電振動片を個片化できる圧電振動片の製造方法を提供するものである。
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、圧電性単結晶材からなるウエハ上に複数の矩形領域(薄肉部の周囲に厚肉部を有した逆メサ型の圧電振動片に個片化される領域)を形成し、前記矩形領域を個片化することで当該ウエハから複数の圧電振動片を製造する方法であって、前記各矩形領域における一方の平行する辺に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、次いで前記各矩形領域における他方の平行する辺に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化するものであり、前記各矩形領域を、前記他方の平行する辺を長辺に、また、前記一方の平行する辺を短辺とする矩形領域となし、前記各矩形領域の短辺方向に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、次いで前記各矩形領域の長辺方向に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化する、ことを特徴とする。
なお、前記矩形領域は、平面視外形の形状が長方形であり、前記一方の平行する辺および前記他方の平行する辺は、該長方形の長辺、短辺のいずれであってもよい
本発明によれば、ダイシングブレードでの貫通切断が前記他方の平行する辺に沿う工程のみであり、前記一方の平行する辺はダイシングブレードで切断するのではなく、予め形成されたブレーク用溝に沿ってブレークすればよいので、従来よりも、ウエハから複数の個片化された圧電振動片を製造するまでの時間が大幅に短縮され、全体的には、製造時間の短縮および製造コストの低減が可能となる。
また、本発明では、前記他方の平行する辺がダイシングブレードで貫通切断されても、前記一方の平行する辺をダイシングブレードで貫通切断するのではなく、ブレークするので、当該一方の平行する辺側には、従来のようにダイシングブレード方向の端部に進行性のチッピングが生じることがなくなり、この点からも従来よりも製造歩留まりが向上する。
また、本発明では、前記一方の平行する辺のみブレーク用溝を形成するので、前記一方と他方の辺方向のいずれにもブレーク用溝を形成する場合と比較して、矩形領域を小さく形成することが可能となり、1枚のウエハから個片化できる圧電振動片の個数が増加し、それだけ、製造歩留まりが向上する上に、圧電振動片の小型化が容易となる。
なぜならば、いずれの平行する辺の方向にもブレーク用溝を形成すると、それだけ、ブレーク用溝形成の領域を確保するうえで、矩形領域全体の面積が大きくなる。そうすると、1枚のウエハに形成できる矩形領域の領域数が減るので、1枚のウエハから個片化できる圧電振動片の個数が減り、製造歩留まりが低下するだけでなく、圧電振動片のサイズも大型化するからである。
また、本発明では、前記他方の平行する辺方向にはダイシングブレードでブレードするものの、前記一方の平行する辺方向にはダイシングブレードではなく、ブレーク用溝においてブレークするので、ダイシングブレードの使用機会が減り、それだけ、ダイシングブレードの磨耗、損傷が低減され、その交換やメンテナンスの作業機会が少なくなり、この点からも、製造時間の短縮や、製造コストの低減を図れるようになる。
なお、前記各矩形領域を前記他方の平行する辺を長辺に、また、前記一方の平行する辺を短辺とする矩形領域となし、前記各矩形領域の短辺方向に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、次いで前記各矩形領域の長辺方向に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化するようにしてもよい。
また、前記圧電振動片は、中央部分に薄肉部を有し、その周囲に厚肉部を有する逆メサ型のものであればよい。この場合、厚肉部の形状は、特に限定しないが、薄肉部の全周を囲むものであってもよいし、その一部に薄肉部の厚さと同程度の厚さの領域を有するものでもよい。
また、ブレーク用溝は、短辺方向または長辺方向に直線的に連続したスリット状の溝であってもよいし、短辺方向または長辺方向に不連続な複数のスリットからなる溝であっても、また、短辺方向または長辺方向に不連続な複数の複数のミシン目状からなる溝、その他の溝であってもよい。これらブレーク用溝の形状は、ウエハのハンドリングでウエハの損傷しないように機械的強度を保持する一方、ブレーク用溝でのブレークのし易さの兼ね合いで決めることができる。
前記ブレーク用溝は、一方向に連続または不連続に形成された溝でもよいし、両面からブレーク用溝を形成する場合は、表裏面でそれらブレーク用溝の形状が相違していてもよい。例えば、一方の面がスリット状のブレーク用溝、他方の面がミシン目状のブレーク用溝でもよい。また、両面のブレーク用溝はその形成方向で多少ずれて形成されてもよい。
前記ブレーク用溝の形成手段は、特に限定しない。この場合、実施形態では、エッチング技術によりブレーク用溝を形成してもよいし、ダイシングブレードでハーフカット状に形成してもよい。
ウエハは、圧電性単結晶材であれば、特に水晶に限定されないが、ATカット水晶でウエハを作製した場合、前記矩形領域の長辺方向は水晶の結晶軸のX軸方向、短辺方向をZ軸方向とするのが好ましい。
また、前記ブレーク用溝は、ウエハの片面側だけに形成してもよいが、ウエハの両面側に設けた場合は、ブレークに際して、短辺側に進行性のチッピングがより生じにくく、製造歩留まりが向上する。
特に、ウエハの片面または両面にエッチング技術で凹部を形成して薄肉部を形成するに際しては、ブレーク用溝を同時にそのエッチングで形成すると、ブレーク用溝の形成に特段、コストを必要としなくなり、製造コストを削減できる。
また、ウエハをATカット水晶で構成し、そのウエハの両面にエッチングで凹部を形成して薄肉部を形成し、同時に、当該両面にブレーク用溝を当該エッチングで形成するにあたり、前記両ブレーク用溝の頂点をウエハの厚さ方向で略対向させ、この対向するウエハ部分をブレークポイントに設定し、該ブレークポイントでブレークさせると、そのブレーク箇所に多少チッピングが生じたとしても、そのチッピングの進行が抑制され、圧電振動片の製造歩留まりが向上する。
なお、前記ウエハをATカット水晶で形成すると共に、前記矩形領域の両面にエッチングで凹部を形成して前記薄肉部および前記厚肉部を形成する際に、同時に前記エッチングで当該ウエハの両面それぞれに、前記ブレーク用溝を、前記ATカット水晶の結晶軸であるY軸方向で略対向した状態に形成してもよい。
また、前記ウエハをATカット水晶で形成すると共に、前記矩形領域の前記一方の平行する辺を前記ATカット水晶の結晶軸のX軸またはZ軸のいずれか一方の軸方向、前記他方の平行する辺を結晶軸のX軸またはZ軸のいずれか他方の軸方向となるよう当該矩形領域を作製してもよい。
また、前記各矩形領域を、前記他方の平行する辺を長辺、前記一方の平行する辺を短辺とする矩形領域に作製し、前記各矩形領域の長辺方向を前記結晶軸のX軸方向、前記短辺方向を前記結晶軸のZ軸方向としてもよい。
さらに、前記両ブレーク用溝の底部の頂点が前記Y軸方向で略一致した状態で対向して、両頂点間のウエハ部分がブレークポイントとなるように前記エッチングを行い、前記各矩形領域を短辺方向に沿って前記ブレーク用溝を利用してブレークするに際しては、前記ブレークポイントにおいてブレークして、前記各矩形領域から、個片化された圧電振動片を得るようにしてもよい。
なお、本発明の圧電性単結晶材は、水晶に限定されず、ニオブ酸リチウムや、タンタル酸リチウム等の他の圧電性単結晶材でもよい。
なお、製造した圧電振動片をパッケージに収納して圧電振動デバイスを構成することができる。
本発明によれば、各矩形領域の長辺方向と短辺方向とのうち、長辺方向(または短辺方向)のみダイシングブレードで貫通切断し、短辺方向(または長辺方向)については、ダイシングブレードによる貫通切断ではなく、ブレーク用溝を用いてブレークするので、ウエハから複数の圧電振動片を個片化するまでの時間が格段に短縮され、全体の製造歩留まりが向上し、その結果として、圧電振動片の製造コストが従来よりも低減する。
図1は、本発明の実施形態に係る圧電振動片の製造方法で作製されるウエハの平面図である。 図2は、図1のA−A線に沿う拡大断面図である。 図3は、他のブレーク用溝を有するウエハの平面図である。 図4は、さらに他のブレーク用溝を有するウエハの平面図である。 図5(a)は、ウエハの両面に形成されるブレーク用溝近傍の拡大断面図、図5(b)は、ウエハの両面に形成される別のブレーク用溝近傍の拡大断面図である。 図6は、ウエハの片面に形成される別のブレーク用溝近傍の拡大断面図である。 図7は、ウエハをダイシングブレードで切断する工程の説明に供するウエハの平面図である。 図7は、ウエハのブレーク工程の説明に供する図である。 図9(a)は従来の製造方法の説明に供するもので、ウエハの部分平面図、図9(b)は図9(a)のB−B線の拡大断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する。
図1ないし図8を参照して、本実施形態の圧電振動片の製造方法を説明する。まず、本実施形態では、図1および図2で示すウエハ1を準備する。図1は、同ウエハの平面図、図2は、図1のA−A線に沿う拡大断面図である。このウエハ1は、圧電性単結晶材としてATカット水晶から作製される。
ウエハ1は、平板形状であり、このウエハ1には、仮想線C1,C2で囲むように、長辺と短辺がそれぞれ同一方向に整列した複数の矩形領域2を作製する。これら各矩形領域2は、平行する一方と他方の2辺とで囲まれる領域であり、それら平行する2辺のうち、短辺が一方の平行する辺、長辺が他方の平行する辺となる矩形領域であり、逆メサ型の圧電振動片に個片化される領域を形成する。
各矩形領域2の長辺方向は、ATカット水晶の結晶軸であるX軸方向となり、短辺方向は、該結晶軸のZ軸方向となり、厚さ方向は該結晶軸のY軸方向となる。
各矩形領域2の中央部分の表裏両面に周知のウェットエッチング等のエッチング技術により凹部3,4を設け、該中央部分に平面視矩形形状の薄肉部5を形成する。薄肉部5の形成により、薄肉部5の周囲に、薄肉部5を補強する厚肉部6を同時に形成する。なお、薄肉部5の周囲の全体に厚肉部6に形成することに限定されず、厚肉部6の一部に、薄肉部5の厚さと同等の厚さとして、後述する引出電極を引き出す電極引き出し領域を形成してもよい。
このように矩形領域2は、公知のエッチング等により逆メサ型に形成することができる。そして、本実施形態では、前記エッチングにより前記凹部3,4を形成するときに、同時に、仮想線C2に沿って、当該エッチングによりブレーク用溝8,9をウエハ1両面に同時に形成する。
このようにして、ウエハ1に凹部3,4と、ブレーク用溝8,9とを同時に形成した後、各矩形領域2それぞれの薄肉部3の両面に励振電極7a,7bを配置形成することで、個片化されることで圧電振動片を得る矩形領域2を形成する。
なお、励振電極7a,7bは、実施形態では、薄肉部3を間にして対向する一対の電極であったが、これに限定されず、例えば一方が共通電極で、他方が一対の分割電極としたモノリシック圧電振動片(モノリシック水晶フィルタ)であってもよい。
ブレーク用溝8,9は、スリット状で短辺方向に直線的に連続した溝形状をなしていて、互いの溝底部が厚さ方向で対向しており、その対向するウエハ部分の厚さは、他のウエハ部分の厚さよりも薄い。ただし、薄肉部5の厚さは、ブレーク用溝8,9の対向底部間のウエハ部分のそれと同程度であっても、薄肉部5はその周囲を厚肉部6で囲まれるので、短辺方向からの厚さは、ブレーク用溝8,9の底部間のウエハ部分のそれよりも厚い。よって、ブレーク用溝8,9の底部間のウエハ部分で、後述するブレークを実施するに際して、そのウエハ部分にブレーク力が集中する。
なお、ブレーク用溝8,9は、連続したスリット状溝に限定されず、例えば、図3で示すように、短辺方向に複数のスリットが形成された不連続なブレーク用溝8,9であってもよいし、図4で示すように、複数のピット(小穴)が一列に並ぶような、複数のミシン目状の不連続なブレーク用溝8,9であってもよい。また、ブレーク用溝は、その他の形状のブレーク用溝であってもよい。これらブレーク用溝8,9の形状は、ウエハを各工程でハンドリングするに際してウエハが損傷しないようにその機械的強度を保持できる一方で、ブレーク用溝8,9での後述するブレークのし易さの兼ね合いで決めてよい。
図5(a)を参照して、ブレーク用溝8,9の形状を詳細に説明する。
ブレーク用溝8,9の内壁は所定の傾斜角度θ1の斜側壁8a,9aに、また、他方側内壁は所定の傾斜角度θ2(<θ1)の斜側壁8b,9bと平坦底壁8c,9cとに形成される。前記傾斜角度は、水晶固有であるが、その具体数値は略する。
ブレーク用溝8,9それぞれの頂点は、ウエハ1の厚さ方向で略一致対向し、その対向するウエハ部分10は、後述のブレーク作業でブレークがしやすいブレークポイントとなる。そして、ブレーク用溝8,9それぞれの頂点間のウェハ部分10にチッピングが生じたとしても、ブレークポイントがウエハ1の面上に無いので、チッピングの進行を抑制でき、圧電振動片の製造歩留まりが向上する。
図5(b)を参照して、別のブレーク用溝8,9の形状を詳細に説明する。
ブレーク用溝8,9の一方側内壁は、所定の傾斜角度θ3の斜側壁8d,9dに、他方側内壁は、所定の傾斜角度θ4(<θ3)の斜側壁8e,9eに形成される。前記傾斜角度も、水晶固有であるが、角度の具体数値は略する。
この場合も、ブレーク用溝8,9の底部それぞれの頂点はウエハの厚さ方向、すなわち、水晶のY軸方向で略一致していて両頂点の対向間のウエハ部分10が、厚さが最も薄くなり、ブレークしやすいブレークポイントとなり、また、このブレークポイントがウエハ1の面上に無いので、前記頂点11間のウェハ部分10にチッピングが生じたとしても、チッピングの進行は抑制され、圧電振動片の製造歩留まりが向上する。
ブレーク用溝8,9は、上記のように、図5(a)や図5(b)の形状があるが、エッチング技術により他の形状に形成することもでき、本発明のブレーク用溝8,9は、図5(a)や図5(b)の形状に限定されない。
なお、図5(a)(b)は、エッチングでウエハの両面にブレーク用溝8,9を形成したが、本発明は、ウエハ1の両面にブレーク用溝8,9を形成することに限定されないが、前記チッピングの進行を無視できれば、例えば、図6で示すように、ウエハ1の片面にだけ形成されたブレーク用溝8でもよい。
こうしてウエハ1の両面に各矩形領域2の短辺方向にブレーク用溝8,9を形成した後、図7で示すように、ウエハ1を仮想線C1に沿ってダイシングブレードで貫通切断することにより、各矩形領域2を長辺方向に切断する。
前記長辺方向の切断が終了すると、ウエハ1を、ブレーク用溝8,9を利用して、短辺方向でブレークする。この短辺方向のブレークの一例を図8(a)(b)(c)を参照して詳細に説明する。
まず、図8(a)で示すように、熱発泡テープ等の接着テープ11上にウエハ1を貼り付ける。このウエハ1の各矩形領域2は、既に、前記したように仮想線C1に沿ってダイシングブレードにより、長辺方向に貫通切断されている。図8(a)は、各矩形領域2が長辺方向に貫通切断されて接着テープ11に貼り付けられたウエハ1を短辺方向から見た側面図である。
次に、図8(b)で示すウエハブレーク装置12を用いて、ウエハ1をブレーク用溝8,9からブレークする。
ウエハブレーク装置12は、ウエハ1を搭載して案内する案内台13と、ウエハ1を案内台13上に矢印P1の方向に押さえ込むウエハ押さえ板14と、接着テープ11を強制的に矢印P2の方向に引っ張る図示略の引張り機構と、を備える。
案内台13は、ウエハ1を途中まで水平に案内する水平台面13aと、その途中箇所からウエハ1を、所要角度付けて、斜め下方に案内する斜め台面13bと、を有し、前記途中箇所をウエハ1のブレーク箇所13cとしたものである。
そして、図8(b)で示すように、案内台13の水平台面13a上にウエハ1を貼り付けた接着テープ11を搭載すると共に、矢印P1方向に押さえ板14を押下するにより、ウエハ1を水平台面15a上に押さえる。
この状態で、接着テープ11を引張り機構により、水平台面13aから斜め台面13bへ向けて搬送する。
そして接着テープ11がブレーク箇所13cまで搬送され、さらにブレーク箇所13cを越えて、斜め台面13b上を矢印P2の方向に引っ張られると、ウエハ1には当該ブレーク箇所13cでブレーク力が作用する。
このとき、ウエハ1は、ブレーク用溝8,9の頂点のウエハ部分10の厚さが最も薄いのでブレークポイントとなって、そのウエハ部分10にブレーク力が集中的に作用し、ウエハ1は、図8(c)で示すように、ブレーク用溝8,9のウエハ部分10で、短辺方向でブレークする。
そうすると、ウエハ1の各矩形領域2は、既に長辺方向で切断されているので、複数の圧電振動片15に個片化される。こうして、ウエハ1の各矩形領域2から複数の圧電振動片15を製造することができる。
このブレークによれば、単に、接着テープ11をウエハ1と共に、水平台面13aと斜め台面13bとのブレーク箇所13cでブレークできるので、ブレークが容易である。
以上説明したように、本実施形態の製造方法は、各矩形領域の短辺側に短辺方向に沿うブレーク用溝を形成しておき、次いで各矩形領域の長辺側を長辺方向にダイシングブレードにより貫通切断し、次いで各矩形領域を短辺方向に沿ってブレーク用溝を利用してブレークして、複数の圧電振動片に個片化するので、ダイシングブレードでの貫通切断が長辺方向のみであり、ダイシングブレードの短辺方向の切断は必要でなくなる。これにより、圧電振動片の個片化までの作業時間が短縮し、製造の時間およびコストを低減することができる。
なお、本実施形態では、前記矩形領域は、平面視外形の形状が長辺と短辺を有する長方形であり、該長方形の長辺側をダイシングブレードで貫通切断し、短辺側をブレーク用溝でブレークしたが、該長方形の長辺側をブレークし、短辺側をダイシングブレードで貫通切断する場合も本発明に含む。
1 ウエハ
2 矩形領域
3,4 凹部
5 薄肉部
6 厚肉部
7a,7b 励振電極
8,9 ブレーク用溝
10 ウエハ部分(ブレークポイント)
11 接着テープ
12 ウエハブレーク装置

Claims (10)

  1. 圧電性単結晶材からなるウエハ上に複数の矩形領域(薄肉部の周囲に厚肉部を有した逆メサ型の圧電振動片に個片化される領域)を形成し、前記矩形領域を個片化することで当該ウエハから複数の圧電振動片を製造する方法であって、
    前記各矩形領域における一方の平行する辺に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、
    次いで前記各矩形領域における他方の平行する辺に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、
    次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化するものであり、
    前記各矩形領域を、前記他方の平行する辺を長辺に、また、前記一方の平行する辺を短辺とする矩形領域となし、
    前記各矩形領域の短辺方向に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、
    次いで前記各矩形領域の長辺方向に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、
    次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化する、
    ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  2. 圧電性単結晶材からなるウエハ上に複数の矩形領域(薄肉部の周囲に厚肉部を有した逆メサ型の圧電振動片に個片化される領域)を形成し、前記矩形領域を個片化することで当該ウエハから複数の圧電振動片を製造する方法であって、
    前記各矩形領域における一方の平行する辺に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、
    次いで前記各矩形領域における他方の平行する辺に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、
    次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化するものであり、
    前記各矩形領域を、前記他方の平行する辺を短辺に、また、前記一方の平行する辺を長辺とする矩形領域となし、
    前記各矩形領域の長辺方向に沿って当該ウエハにブレーク用溝を形成し、
    次いで前記各矩形領域の短辺方向に沿ってダイシングブレードにより当該ウエハを貫通切断し、
    次いで前記各矩形領域を、前記ブレーク用溝を利用してブレークして、前記各矩形領域を複数の圧電振動片に個片化する、
    ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  3. 前記短辺方向または前記長辺方向のいずれか一方の方向に沿って形成される前記ブレーク用溝は、
    前記いずれか一方の方向に連続する直線的なスリットからなる溝、または前記いずれか一方の方向の直線上において不連続な複数のスリットからなる溝、または前記いずれか一方の方向の直線上においてミシン目状の複数の小穴からなる溝である、
    請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ブレーク用溝を、ウエハの片面側だけに形成する
    請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記ブレーク用溝を、ウエハの両面に形成する
    請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記矩形領域にエッチング技術でその片面または両面に凹部を形成して前記薄肉部を形成する、
    請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前記ウエハをATカット水晶で形成すると共に、前記矩形領域の両面にエッチングで凹部を形成して前記薄肉部および前記厚肉部を形成する際に、同時に前記エッチングで当該ウエハの両面それぞれに、前記ブレーク用溝を、前記ATカット水晶の結晶軸であるY軸方向で略対向した状態に形成する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記ウエハをATカット水晶で形成すると共に、前記矩形領域の前記一方の平行する辺を前記ATカット水晶の結晶軸のX軸またはZ軸のいずれか一方の軸方向、前記他方の平行する辺を結晶軸のX軸またはZ軸のいずれか他方の軸方向となるよう当該矩形領域を作製する、
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記各矩形領域を、前記他方の平行する辺を長辺、前記一方の平行する辺を短辺とする矩形領域に作製し、前記各矩形領域の長辺方向を前記結晶軸のX軸方向、前記短辺方向を前記結晶軸のZ軸方向とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記両ブレーク用溝の底部の頂点が前記Y軸方向で略一致した状態で対向して、両頂点間のウエハ部分がブレークポイントとなるように前記エッチングを行い、
    前記各矩形領域を短辺方向に沿って前記ブレーク用溝を利用してブレークするに際しては、前記ブレークポイントにおいてブレークして、前記各矩形領域から、個片化された圧電振動片を得る、
    請求項7ないし9のいずれかに記載の製造方法。
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