JP6004098B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は質量分析装置に関する。
液体クロマトグラフの検出器として質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置(LCMS)では、一般に、液体試料を直接イオン化することができる大気圧イオン源を用いた質量分析装置が使用される。こうした質量分析装置では、試料のイオン化は略大気圧雰囲気の下で行われ、生成されたイオンの質量分析は高真空雰囲気に維持される分析室内に配置された四重極マスフィルタ等の質量分析器により行われる。また、分析室内の真空度を維持するために、大気圧雰囲気であるイオン化室と分析室との間には、段階的に真空度を高めた1乃至複数の中間真空室が設けられ(つまりは、差動排気系の構成が採られ)、隣接する各室を隔てる隔壁に形成された小径のイオン通過孔を通してイオンは輸送されるようになっている。
また、イオンを効率よく輸送するために、各中間真空室内には、電場の作用によってイオンを収束したり場合によっては加速又は減速したりするイオンレンズ或いはイオンガイドなどと呼ばれるイオン輸送光学系が設けられている。また、上述したように各室を隔てる隔壁に形成されたイオン通過孔を頂部に有するサンプリングコーンやスキマーなども、印加された適宜の電圧によって形成される電場によりイオンを収束させたり加速又は減速したりする作用を有するから、一種のイオン輸送光学系であるといえる。さらにまた、分析室内に配置される四重極マスフィルタやその前段に設けられるプレフィルタなども一種のイオン輸送光学系であるといえる。このように質量分析装置は、電場の作用によりイオンの飛行軌道に影響を与える複数のイオン輸送光学系を備えている。
ところで、大気圧イオン化質量分析装置では、分析対象であるイオンのほかに、溶媒等に由来する中性粒子や完全には溶媒が気化していない微細液滴などが多少なりとも中間真空室や分析室へと導入される。こうした不所望の粒子はしばしば、上述したイオン輸送光学系に付着しその表面に堆積する。イオン輸送光学系の表面に汚れや異物が付着して絶縁性の皮膜が形成されると、その部分にイオンが衝突したときにチャージアップ(帯電)し易くなる(特許文献1など参照)。また、四重極マスフィルタやイオンガイドなどは、セラミックや合成樹脂等の絶縁性材料から成る構造体に保持されることでそれぞれ空間内の所定の位置に固定されており、こうした絶縁性の構造体にイオンが接触すると、やはりチャージアップが生じる。こうしたチャージアップがひどくなると、イオン輸送光学系に印加された電圧によってイオン通過空間に形成される電場に乱れが生じてしまい、イオンが通過しにくくなったりイオンが適切に収束或いは加速されなくなったりして、検出器に到達するイオンの量が減少する。即ち、測定を続けるに従い、イオン強度が低下してくるおそれがある。
図4(a)は、四重極型質量分析装置を用いたLCMSにおいて、所定時間間隔で標準試料を繰り返し導入したときの該試料に対するイオンの検出結果を示すクロマトグラムである。図中のピークが標準試料由来のイオンピークであり、本来であれば、そのピーク強度は変わらない筈であるが、時間が経過するに従い、つまりは測定を繰り返すに従い、ピーク強度が下がっていくことが分かる。本願発明者の実験によれば、このイオン強度の低下は、主として四重極マスフィルタのチャージアップによるものと推測できる。
特開平8−7830号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、イオン輸送光学系のチャージアップを防止する又は軽減することにより、経時的なイオン強度の低下を防止又は軽減し高感度の分析を行うことができる質量分析装置を提供することにある。
図4(a)の実験結果を見ると、測定実行中の比較的短い時間経過の中でもイオン強度の低下が生じていることが分かる。したがって、こうしたイオン強度の低下を防止する又は軽減するには、測定実行中においてできるだけ高い頻度でチャージアップを解消する又はその程度を軽減する方策が必要となる。
上述したように、質量分析装置に設けられたイオン輸送光学系には、イオンを収束したり場合によっては加速又は減速したりするために適宜の高周波電圧や直流電圧が印加され、その電圧値は通常、そのときの測定対象であるイオンの質量電荷比又は質量電荷比範囲に最適又はそれに近い状態となるように設定される。例えば四重極型質量分析装置における選択イオンモニタリング(Selected Ion Monitoring=SIM)測定やタンデム四重極型質量分析装置における多重反応モニタリング(Multiple Reaction Monitoring=MRM)多重反応モニタリング)測定などの場合には、予め定められた質量電荷比を持つイオンに対する検出を順次実行するというサイクルが繰り返され、その際には、イオン輸送光学系に印加される電圧も順次切り替えられる。こうした電圧の切替えは瞬時に行うことはできず、切替え後の電圧が静定するまでには少し時間が掛かる。そこで、一般的に、イオン強度等の検出データを取り込むための期間(ドウェル時間:Dwell time)の前に検出データの取り込みを禁止する期間(ポーズ時間:Pause time)を設け、そのポーズ時間を電圧が静定するに要する時間以上確保するようにしている。本願発明者は、このポーズ時間中にはデータの収集が行われないこと、及びポーズ時間が高い頻度で確実に設けられることに着目し、チャージアップを解消する又は軽減するための動作をポーズ時間中に実施することに想到し、本発明をするに至った。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係る第1の態様は、イオン源とイオン検出器との間に、電場の作用によりイオンを輸送するイオン輸送光学系を1乃至複数有する質量分析装置であって、予め指定された複数の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析を順番に行うサイクルを繰り返すSIM測定又はMRM測定を行う質量分析装置において、
a)前記SIM測定又はMRM測定に際し前記イオン輸送光学系の少なくとも1つに、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じた直流電圧を印加する電圧発生部と、
b)SIM測定又はMRM測定において測定対象イオンの質量電荷比の切替えの前後で該測定対象イオンの極性が同じであるとき、質量電荷比を切り替えるに伴って前記イオン検出器による検出データの収集を休止するポーズ時間中に、前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する直流電圧を切り替えつつ、その切り替えの前後の直流電圧とは極性が相違する直流電圧又はその切り替えの前後の直流電圧と同極性で且つそのいずれよりも絶対値が小さい直流電圧を一時的に印加するべく前記電圧発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴としている。
ここでいう「イオン輸送光学系」は、直流電場、高周波電場又はそれらを重畳した電場の作用により、イオンを収束したり発散したり或いは加速したり減速したりする要素を全て含む。具体的には、例えば、通常、イオンレンズやイオンガイドなどと呼ばれるデバイス、イオン通過孔を有するスキマー、サンプリングコーン或いはアパーチャ電極など、さらには、四重極マスフィルタやその前段に設けられるプレ四重極マスフィルタなども含むものとする。
本発明の第1の態様に係る質量分析装置では、好ましくは、前記制御部は、ポーズ時間中に前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する直流電圧を切り替えつつ、その切り替えの前後の直流電圧とは極性が相違する直流電圧を一時的に印加するべく前記電圧発生部を制御する構成とすることができる。
この構成において、制御部による制御の下に、ポーズ時間中に電圧発生部からイオン輸送光学系に印加される直流電圧の極性が一時的に反転されるとき、その電圧の極性は、イオン輸送光学系の表面に形成されている不所望の絶縁性の皮膜やそのイオン輸送光学系を保持する絶縁性の支持構造体などの表面に溜まっている電荷と同極性である。そのため、表面に溜まっていた電荷や表面付近に存在する電荷は静電的な斥力により離散し、チャージアップが解消される。SIM測定やMRM測定ではポーズ時間は比較的短い時間間隔で現れ、ポーズ時間毎にチャージアップが解消されるので、測定実行中にチャージアップに起因するイオン強度の低下は殆ど起こらない。
また、ポーズ時間中にイオン輸送光学系に印加される直流電圧の極性が一時的に反転されると、そのイオン輸送光学系をイオンが通過しにくく(実質的には殆ど通過し得なく)なる。その結果、そのイオン輸送光学系の後段にはイオンが殆ど達しなくなり、その後段のイオン輸送光学系自体やそれを保持する絶縁性の支持構造体などのチャージアップが軽減されることになる。
また、ポーズ時間中に電圧発生部からイオン輸送光学系に印加される直流電圧の極性が反転されるのではなく、そのポーズ時間の前後の直流電圧と同極性で且つそのいずれよりも絶対値が小さい直流電圧が一時的に印加された場合には、上述したような静電的斥力による電荷の離散効果は得られないものの、イオンはそのイオン輸送光学系を通過しにくくなるので、その後段のイオン輸送光学系自体やそれを保持する絶縁性の支持構造体などのチャージアップを軽減することができる。
チャージアップを確実に解消するには、直流電圧の極性を反転している時間は長いほうが好ましいものの、ポーズ時間が終了して次のドウェル時間が開始する時点ではイオンが十分にイオン輸送光学系を通過可能であってイオン検出器で得られるイオン強度が十分に回復している必要がある。そこで、本発明の第1の態様の質量分析装置において、好ましくは、前記制御部は、ポーズ時間の長さに応じて、極性が相違する直流電圧を一時的に印加する時間を変化させる構成とするとよい。
この構成では、ポーズ時間が短い場合には、電圧の極性反転時間を短くすることで、イオン強度の立ち上がりの遅れによる感度低下を最小限に抑えることができ、且つチャージアップを解消することができる。一方、ポーズ時間が長い場合には電圧の極性反転時間を長くすることで、チャージアップ解消の効果を十分に発揮させることができる。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る第2の態様は、イオン源とイオン検出器との間に、電場の作用によりイオンを輸送するイオン輸送光学系を1乃至複数有する質量分析装置であって、予め指定された複数の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析を順番に行うサイクルを繰り返すSIM測定又はMRM測定を行う質量分析装置において、
a)前記SIM測定又はMRM測定に際し前記イオン輸送光学系の少なくとも1つに、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じた振幅の高周波電圧を印加する電圧発生部と、
b)SIM測定又はMRM測定において測定対象イオンの質量電荷比を切り替えるに伴って前記イオン検出器による検出データの収集を休止するポーズ時間中に、前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する高周波電圧の振幅を切り替えつつその振幅をイオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させるべく前記電圧発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴としている。
第2の態様の質量分析装置において、典型的で且つ好ましくは、ポーズ時間中に、前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する高周波電圧を一時的に停止する(振幅をゼロにする)構成とするとよい。
この構成において、制御部による制御の下に、ポーズ時間中に電圧発生部からイオン輸送光学系に印加される高周波電圧が一時的に停止されると、そのイオン輸送光学系におけるイオンの収束作用がなくなるので、イオンがそのイオン輸送光学系を通過しにくく(実質的には殆ど通過し得なく)なる。その結果、そのイオン輸送光学系の後段にはイオンが殆ど達しなくなり、その後段のイオン輸送光学系自体やそれを保持する絶縁性の支持構造体などのチャージアップが軽減されることになる。また、例えば或るイオン輸送光学系と次段のイオン輸送光学系との間に直流的な電位差がある場合に、前段側のイオン輸送光学系に高周波電圧が印加されているとそれにより形成される電場の作用により電位差のある領域付近にイオンが溜まり易く、それが後段側のイオン輸送光学系やその支持構造体に接触してチャージアップを生じ易い。これに対し、前段側のイオン輸送光学系に印加される高周波電圧が一時的に停止され、イオンの収束作用がなくなると、直流的な電位差がある領域に溜まっていたイオンが散逸し易くなり、それによって後段側のイオン輸送光学系やその支持構造体のチャージアップが軽減されるという効果も得られる。
第2の態様の質量分析装置でも第1の態様の質量分析装置と同様に、ポーズ時間の長さに応じて、イオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させる時間を変化させる構成とするとよい。これにより、ポーズ時間が短い場合には、イオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させる時間を短くすることで、イオン強度の立ち上がりの遅れによる感度低下を最小限に抑えることができ、且つチャージアップを解消することができる。一方、ポーズ時間が長い場合にはイオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させる時間を長くすることで、チャージアップ解消の効果を十分に発揮させることができる。
本発明に係る質量分析装置によれば、SIM測定やMRM測定の実行中に、イオン輸送光学系自体或いはイオン輸送光学系を保持する支持構造体などのチャージアップを解消又は軽減することができる。それにより、チャージアップに起因するイオンの通過量の減少を回避することができるので、経時的な検出感度や精度の低下を防止し、高感度、高精度の分析を達成することができる。
本発明の一実施例による四重極型質量分析装置の要部の概略構成図。 SIM測定の際の測定シーケンス(プレ四重極マスフィルタへの印加電圧の時間的変化)を示す模式図。 本実施例の装置と従来装置とのポーズ時間中の印加電圧の相違を説明するタイミング図。 従来装置(直流電圧極性反転なし)と本実施例の装置(直流電圧極性反転あり)とにおける時間経過に対するイオン強度変化の実測結果を示すクロマトグラム。 ポーズ時間:1[ms]、直流電圧極性反転時間:0.8[ms]とした場合における印加電圧の変化とイオン強度変化とを示す図。 ポーズ時間:1[ms]、直流電圧極性反転時間:0.4[ms]とした場合における印加電圧の変化とイオン強度変化とを示す図。 ポーズ時間:5[ms]、直流電圧極性反転時間:4[ms]とした場合における印加電圧変化とイオン強度変化とを示す図。 本発明の他の実施例による四重極型質量分析装置における高周波電圧の変化とイオン強度変化とを示す図。
以下、本発明の一実施例である四重極型質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の四重極型質量分析装置の要部の構成図である。
本実施例の四重極型質量分析装置は、チャンバ1の内部に、略大気圧雰囲気の下で試料中の化合物をイオン化するためのイオン化室2と、イオンを質量分析して検出するための高真空雰囲気に維持される分析室5とを有し、さらにイオン化室2と分析室5との間に、段階的に真空度が高まる第1中間真空室3及び第2中間真空室4を有する。イオン化室2内には、液体状の試料を静電噴霧することで該試料中の化合物をイオン化するエレクトロスプレイイオン化(ESI)プローブ6が配置されている。第1中間真空室3及び第2中間真空室4内にはそれぞれ高周波電場の作用によりイオンを収束しつつ輸送するイオンレンズ8及び多重極イオンガイド10が配置されている。また、分析室5内には、イオン光軸Cに沿って、プレ四重極マスフィルタ12、主四重極マスフィルタ13、及びイオン検出器14が配置されている。
この実施例の装置において、イオンレンズ8は、イオン光軸C方向に所定間隔離して複数並べた仮想的なロッド電極をイオン光軸Cの周りに複数(例えば4本)配置した構成である。また、多重極イオンガイド10は、イオン光軸C方向に延伸するロッド電極をイオン光軸Cの周りに複数(例えば8本)配置した構成である。プレ四重極マスフィルタ12、主四重極マスフィルタ13はいずれも、イオン光軸C方向に延伸するロッド電極をイオン光軸Cの周りに4本配置した構成であり、前者は後者に比べてロッド電極が短くなっている。
イオン化室2と第1中間真空室3の間は適度な温度に加熱される加熱キャピラリ7を通して連通し、第1中間真空室3と第2中間真空室4との間はスキマー9の頂部に形成された微小なイオン通過孔を通して連通し、第2中間真空室4と分析室5との間はアパーチャ電極11に形成された微小なイオン通過孔を通して連通している。
イオン光軸Cに沿って配列されているイオンレンズ8、スキマー9、多重極イオンガイド10、アパーチャ電極11、プレ四重極マスフィルタ12、主四重極マスフィルタ13にはそれぞれ、電源部21〜26から直流電圧、又は高周波電圧と直流電圧とを加算した電圧が印加される。これらはいずれも、電場(高周波電場又は直流電場)の作用によってイオンを収束又は発散させたりイオンを加速又は減速させたりする、つまりイオンの挙動を制御しつつイオンを輸送するものであるので、広い意味でイオン輸送光学系であるといえる。なお、図1中には記載していないが、加熱キャピラリ7などにも適宜の電圧が印加される。
電源部21〜26は分析制御部30によりその動作が制御される。分析制御部30は本実施例の装置に特徴的な動作を担う機能ブロックとして、測定シーケンス決定部31及び測定パラメータ記憶部32を備える。データ処理部35はイオン検出器14により得られた検出信号を受けて、例えばマススペクトル、マスクロマトグラム、トータルイオンクロマトグラムなどを作成したり、未知化合物の定性や目的化合物の定量などを実施したりする。制御部36は分析制御部30よりも上位のシステム制御や入力部37、表示部38を通したユーザインターフェイスを担う。なお、一般的に、制御部36、データ処理部35、分析制御部30の少なくとも一部は、パーソナルコンピュータをハードウエア資源とし、該コンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより、それぞれの機能を実現する構成とすることができる。
本実施例の四重極型質量分析装置における一般的な質量分析の動作を概略的に説明する。
例えば図示しない液体クロマトグラフのカラムから溶出した試料液がエレクトロスプレイイオン化プローブ6に導入されると、該プローブ6の先端で試料液に電荷が付与され、微細な液滴としてイオン化室2内に噴霧される。帯電液滴は周囲の空気に接触して微細化されるとともに液滴中の溶媒は蒸発する。その過程で液滴中の試料成分は電荷を付与され、イオンが発生する。加熱キャピラリ7の両端面の間の差圧により、イオン化室2側から第1中間真空室3へと流れる空気流が形成されている。そのため、発生したイオンは加熱キャピラリ7に吸い込まれ、第1中間真空室3内へと送られる。試料由来のイオンは、イオンレンズ8で収束されてスキマー9頂部のイオン通過孔を通して第2中間真空室4へと送られる。さらにイオンガイド10で収束されてアパーチャ電極11に形成されたイオン通過孔を通して分析室5へと送られる。
分析室5内で、試料由来のイオンはプレ四重極マスフィルタ12を経て主四重極マスフィルタ13へと導入される。主四重極マスフィルタ13のロッド電極には、電源部26から直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧が印加されており、その電圧に応じた特定の質量電荷比を有するイオンのみが主四重極マスフィルタ13を通過してイオン検出器14に到達する。イオン検出器14は到達したイオンの量に応じたイオン強度信号を生成し、データ処理部35はこのイオン強度信号をデジタル化した検出データを処理する。
本実施例の四重極型質量分析装置では一般の装置と同様に、ユーザ(オペレータ)の入力設定に応じて、スキャン測定やSIM測定などを選択的に実施することが可能である。SIM測定の場合、ユーザは同時に測定したい質量電荷比のほか、一つのイオン当たりの検出データを取り込むドウェル時間や、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく主四重極マスフィルタ13等へ印加する電圧を切り替えるためのポーズ時間を入力設定する。ただし、例えば、複数の測定対象の質量電荷比(つまりチャンネル)を1セットとしたSIM測定の繰り返し周期を示すサイクル時間をユーザが入力設定すると、このサイクル時間とチャンネル数とから自動的にドウェル時間とポーズ時間とが算出されるようにしてもよい。即ち、ドウェル時間とポーズ時間とは必ずしもユーザが入力するとは限らず、他の測定パラメータから自動的に算出することも可能である。
図2は、SIM測定の際に測定シーケンスとして設定される、プレ四重極マスフィルタへの印加電圧の時間的変化の一例を示す模式図である。この例では、測定対象の質量電荷比がM1、M2、M3の3種類(つまりチャンネル数は3)である。図2に示すように、一つのドウェル時間中に質量電荷比がM1、M2、又はM3であるイオンの強度を示す検出データを取り込み、二つのドウェル時間に挟まれたポーズ時間中に、例えば測定対象の質量電荷比をM1からM2へ、或いはM2からM3へと変更するための電圧切替えを行う。通常、分析制御部30から電圧切替えの指示を出しても実際に主四重極マスフィルタ13のロッド電極における電圧が変化してその電圧値が安定するまでに時間が掛かる。そこで、それを見込んだ上で或る程度の余裕を確保してポーズ時間が決められる。
前述したように、イオン輸送光学系の表面に汚れや異物が付着して絶縁性の皮膜が形成された部分やイオン輸送光学系を保持するための絶縁性の構造体にイオンが衝突すると、該イオンの電荷によるチャージアップが生じ、効率的なイオンの輸送に支障をきたす。そこで、本実施例の装置では、こうしたチャージアップを防止する又は軽減するために、SIM測定の実行時に特徴的な制御を実施する。この制御について詳しく説明する。
図3は本実施例の装置と従来装置とのポーズ時間中の印加電圧の相違を説明するタイミング図である。これは、測定対象イオンが正イオンである場合のプレ四重極マスフィルタ12に印加される直流電圧(直流バイアス電圧)の変化を示したものである。
或るチャンネルにおけるイオンを測定するための最適直流電圧は−V1であり、次のチャンネルにおけるイオンを測定するための最適直流電圧は−V2である。そこで、従来の装置では、前のチャンネルに対するドウェル時間が終了したあと、次のドウェル時間が始まるまでのポーズ時間中に、プレ四重極マスフィルタ12に印加する直流電圧を−V1から−V2に切り替える。これに対し、本実施例の装置では、前のチャンネルに対するドウェル時間が終了したあと、次のドウェル時間が始まるまでのポーズ時間中に、プレ四重極マスフィルタ12に印加する直流電圧を、−V1からその値は同一で極性のみを反転した+V1に変化させ、それから−V2へと切り替える。
このようにポーズ時間中にプレ四重極マスフィルタ12に印加する直流電圧の極性を一時的に反転させると、その極性は、プレ四重極マスフィルタ12のロッド電極の表面(厳密にいえばその表面に形成されている絶縁性皮膜)や該プレ四重極マスフィルタ12を保持する絶縁性構造体の表面に溜まっている(又はその表面付近に存在している)電荷と同極性となるため、溜まっていた電荷が離散しチャージアップが解消される。また、プレ四重極マスフィルタ12に印加する直流電圧の極性を一時的に反転させると、それにより形成される電場の作用によってイオンがプレ四重極マスフィルタ12を殆ど通過しなくなるので、主四重極マスフィルタ13に到達するイオン量が大きく減少し(実質的にはほぼゼロになり)、主四重極マスフィルタ13のロッド電極の表面や該主四重極マスフィルタ13を保持する絶縁性構造体の表面のチャージアップが軽減される。
上述したように、図4(a)は、従来装置(直流電圧極性反転なし)における時間経過に対するイオン強度変化の実測結果を示すクロマトグラムであり、図4(b)は図3に示したようにポーズ時間中に直流電圧の極性を反転させた本実施例の装置における時間経過に対するイオン強度変化の実測結果を示すクロマトグラムである。ポーズ時間中に直流電圧の極性を反転しない場合には測定を繰り返すに従いイオン強度が明らかに低下していくが、ポーズ時間中に直流電圧の極性を反転させるとイオン強度の低下は殆ど生じていない。これは、プレ四重極マスフィルタ12への直流電圧の極性反転によって、プレ四重極マスフィルタ12及び主四重極マスフィルタ13周辺におけるチャージアップが解消しているためであると推測できる。
チャージアップの解消効果を高めるには、直流電圧の極性を反転させている時間(以下「電圧極性反転時間」という)を長くするほうがよい。しかしながら、ポーズ時間はもともと質量電荷比の切替えに対応して電圧を切り替えるために設けられた期間であり、電圧極性反転時間を長くしすぎると、ポーズ時間中に切替え後の電圧が十分に静定しない等の理由によって、次のドウェル時間に入っても測定対象イオンがプレ四重極マスフィルタ12及び主四重極マスフィルタ13を十分に通過し得ないおそれがある。図5は、ポーズ時間を1[ms]、電圧極性反転時間を0.8[ms]とした場合における印加電圧の変化とイオン強度変化とを示す図である。また、図6は、ポーズ時間を1[ms]、電圧極性反転時間を図5の場合の1/2の0.4[ms]とした場合における印加電圧の変化とイオン強度変化とを示す図である。
図5に示すように、プレ四重極マスフィルタ12への印加電圧の極性を反転している間はイオンがプレ四重極マスフィルタ12を通過できないため、イオン強度は一旦ほぼゼロになる。印加電圧が元の極性に戻った後にイオン強度は増加し始めるが、図5の例では電圧極性反転時間の終了時点から次のドウェル時間の開始時点までの時間幅が短すぎるため、ドウェル時間の開始時点でもイオン強度が十分に立ち上がらない。この場合、データ処理部35では、十分にイオン強度が立ち上がる前のイオン強度に対応した検出データを有効データとして取り込んでしまうため、イオン強度の精度や感度が下がることになる。これに対し、図6の例では、電圧極性反転時間が短く、電圧極性反転時間の終了時点から次のドウェル時間の開始時点までの時間幅が十分に確保されているため、ドウェル時間の開始時点でイオン強度が十分に立ち上がっている。この場合には、電圧の極性を反転させたことによるイオン強度の精度や感度の低下は生じない。
したがって、イオン検出の精度や感度の低下を招くことなくチャージアップをできるだけ効果的に解消するには、ポーズ時間の長さに応じて電圧極性反転時間を適切な値に設定することが望ましい。そこで、本実施例の四重極型質量分析装置において、測定パラメータ記憶部32は、設定可能な複数のポーズ時間毎にそれぞれ最適な電圧極性反転時間を格納したテーブル32aを保持している。ポーズ時間毎の最適な電圧極性反転時間は、例えば本装置の製造メーカが予め実験的に調べて装置出荷前に測定パラメータ記憶部32に記憶させておくようにすればよい。
SIM測定を実行するべく上述したようにユーザの入力等によりポーズ時間が確定すると、測定シーケンス決定部31は測定パラメータ記憶部32に記憶されているテーブル32aを参照して、設定されたポーズ時間に対応する最適な電圧極性反転時間を決定する。例えば、ポーズ時間が1[ms]である場合には電圧極性反転時間を0.4[ms]と決めればよよい。そして、測定シーケンス決定部31は、SIM測定での測定対象の質量電荷比に応じた電圧(例えば図3、図6の例では−V1、−V2など)を求め、ドウェル時間、ポーズ時間、サイクル時間などから、1サイクル中の時間経過に伴う電圧変化を表す測定シーケンスを決定する。また、プレ四重極マスフィルタ12以外の印加電圧についても同様にして測定シーケンスを決定する。そして、測定実行時に分析制御部30は決定された測定シーケンスに従って各電源部21〜26を制御し、各電源部21〜26はプレ四重極マスフィルタ12を含むイオン輸送光学系に電圧を印加する。
ただし、上記説明では、SIM測定で同極性のイオン(例えば正イオン)を続けて測定する場合を想定しているが、正イオンと負イオンとを交互に測定するような場合もある。各イオン輸送光学系に印加される直流電圧の極性は測定対象のイオンの極性に依存するから、正イオンと負イオンとを交互に測定する場合には、ドウェル時間毎に印加電圧の正負が切り替わり、ポーズ時間中に電圧の極性を反転させる意味はない。そこで、ポーズ時間を挟んだ前後のドウェル時間中に測定するイオンの極性が同一である場合にのみ、上述したようにポーズ時間中において印加電圧の極性を反転させるようにすればよい。
図7はポーズ時間が5[ms]と長く、直流電圧極性反転時間を4[ms]とした場合における印加電圧変化とイオン強度変化とを示す図である。このように、ポーズ時間が長い場合にイオン強度の立ち上がりの遅れがない範囲で直流電圧極性反転時間を延ばせば、電圧極性反転時間中に電荷の消失がより確実に行われるので、チャージアップを解消するのにより有効である。
なお、上記実施例では、プレ四重極マスフィルタ12へ印加する直流電圧の極性をポーズ時間中に反転させる場合について説明したが、他のイオン輸送光学系のチャージアップを解消又は軽減するために、それらイオン輸送光学系へ印加する直流電圧の極性をポーズ時間中に反転させるようにしてもよいことは明らかである。
また、ポーズ時間中に直流電圧の極性を反転することなく、単にその直流電圧の電圧値(絶対値)をポーズ時間を挟む前後のドウェル時間における直流電圧の電圧値(絶対値)よりも小さくなるようにしてもよい。この場合、イオン輸送光学系に印加される電圧はイオンの極性と逆極性のままであるのでチャージアップした電荷を離散させる作用は有さないものの、ポーズ時間中に例えばプレ四重極マスフィルタ12をイオンが通過しにくくなるので、後述する高周波電圧の印加を停止する場合と同様に、後段のイオン輸送光学系、つまりは主四重極マスフィルタ13やその支持構造体のチャージアップを軽減することができる。
また、直流電圧だけでなく、主としてイオンを収束させる(場合によっては不要なイオンを発散させる)ために高周波電圧が印加されているイオン輸送光学系では、そのイオン輸送光学系よりも後段に配置されたイオン輸送光学系のチャージアップを解消又は軽減するために、ポーズ時間中に一時的に上記高周波電圧の振幅をゼロにしたり(つまりは高周波電圧の印加を停止したり)実質的にイオンの収束作用がなくなる程度まで振幅を小さくしたりしてもよい。
例えば図1に示した四重極型質量分析装置では、一般的には、プレ四重極マスフィルタ12に、直流電圧のほかに、その後段の主四重極マスフィルタ13に印加されるのと同じ高周波電圧が印加される。そこで、図8に示すように、ポーズ時間中であって上記実施例における電圧極性反転時間に相当する停止時間中に、高周波電圧の印加を停止する。すると、プレ四重極マスフィルタ12内の空間におけるイオンの収束作用がなくなり、イオンが発散してしまうためにイオンがプレ四重極マスフィルタ12を通過しなくなる。また、プレ四重極マスフィルタ12と主四重極マスフィルタ13との間には直流的な電位の段差があり、プレ四重極マスフィルタ12による四重極高周波電場が形成されていると、その電場による拘束を受けるために上記電位段差にイオンが溜まり易く、これが主四重極マスフィルタ13の支持構造体などに接触してチャージアップを生じ易い。これに対し、上記のようにプレ四重極マスフィルタ12への高周波電圧の印加が停止されて電場による拘束がなくなると、電位段差にあったイオンは移動し易くなってその密度が減少するため、主四重極マスフィルタ13の支持構造体などのチャージアップが軽減されることになる。
このように高周波電圧の印加を停止したり実質的にイオンの収束作用がなくなる程度まで振幅を小さくたりする時間の長さも、ポーズ時間の長さに応じて変更するのが好ましいのは上記実施例と同様である。
また上記実施例は本発明を通常の四重極型質量分析装置に適用した例であるが、本発明はコリジョンセルを挟んでその前後に四重極マスフィルタを備えたタンデム四重極型質量分析装置にも適用することができる。この場合、SIM測定ではなくMRM測定において前後の四重極マスフィルタで選択するイオン(プリカーサイオン及びプロダクトイオン)の質量電荷比を切り替えるためのポーズ時間中に、イオン輸送光学系に印加する直流電圧の極性を反転させたり高周波電圧の印加を停止したりすればよい。それにより、上記実施例と同様の効果を奏することは明らかである。
さらにまた、上記実施例はいずれも本発明の一例であるから、上記記載以外の点について、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…チャンバ
2…イオン化室
3…第1中間真空室
4…第2中間真空室
5…分析室
6…エレクトロスプレイイオン化プローブ
7…加熱キャピラリ
8…イオンレンズ
9…スキマー
10…多重極イオンガイド
11…アパーチャ電極
12…プレ四重極マスフィルタ
13…主四重極マスフィルタ
14…イオン検出器
21〜26…電源部
30…分析制御部
31…測定シーケンス決定部
32…測定パラメータ記憶部
32a…テーブル
35…データ処理部
36…制御部
37…入力部
38…表示部
C…イオン光軸

Claims (7)

  1. イオン源とイオン検出器との間に、電場の作用によりイオンを輸送するイオン輸送光学系を1乃至複数有する質量分析装置であって、予め指定された複数の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析を順番に行うサイクルを繰り返すSIM測定又はMRM測定を行う質量分析装置において、
    a)前記SIM測定又はMRM測定に際し前記イオン輸送光学系の少なくとも1つに、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じた直流電圧を印加する電圧発生部と、
    b)SIM測定又はMRM測定において測定対象イオンの質量電荷比の切替えの前後で該測定対象イオンの極性が同じであるとき、質量電荷比を切り替えるに伴って前記イオン検出器による検出データの収集を休止するポーズ時間中に、前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する直流電圧を切り替えつつ、その切り替えの前後の直流電圧とは極性が相違する直流電圧又はその切り替えの前後の直流電圧と同極性で且つそのいずれよりも絶対値が小さい直流電圧を一時的に印加するべく前記電圧発生部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記制御部は、ポーズ時間中に前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する直流電圧を切り替えつつ、その切り替えの前後の直流電圧とは極性が相違する直流電圧を一時的に印加するべく前記電圧発生部を制御することを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記制御部は、ポーズ時間の長さに応じて、極性が相違する直流電圧を一時的に印加する時間を変化させることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の質量分析装置であって、
    前記少なくとも1つのイオン輸送光学系は、イオンを質量電荷比に応じて分離する四重極マスフィルタの直前に配置されたイオン輸送光学系であることを特徴とする質量分析装置。
  5. イオン源とイオン検出器との間に、電場の作用によりイオンを輸送するイオン輸送光学系を1乃至複数有する質量分析装置であって、予め指定された複数の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析を順番に行うサイクルを繰り返すSIM測定又はMRM測定を行う質量分析装置において、
    a)前記SIM測定又はMRM測定に際し前記イオン輸送光学系の少なくとも1つに、測定対象であるイオンの質量電荷比に応じた振幅の高周波電圧を印加する電圧発生部と、
    b)SIM測定又はMRM測定において測定対象イオンの質量電荷比を切り替えるに伴って前記イオン検出器による検出データの収集を休止するポーズ時間中に、前記少なくとも1つのイオン輸送光学系に印加する高周波電圧の振幅を切り替えつつその振幅をイオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させるべく前記電圧発生部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項5に記載の質量分析装置であって、
    前記制御部は、ポーズ時間の長さに応じて、イオンに対する収束作用を有さない振幅に一時的に変化させる時間を変化させることを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項5又は6に記載の質量分析装置であって、
    前記少なくとも1つのイオン輸送光学系は、イオンを質量電荷比に応じて分離する四重極マスフィルタの直前に配置されたイオン輸送光学系であることを特徴とする質量分析装置。
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