JP6549130B2 - 微分移動度分光計のための噴射注入器入口 - Google Patents

微分移動度分光計のための噴射注入器入口 Download PDF

Info

Publication number
JP6549130B2
JP6549130B2 JP2016543670A JP2016543670A JP6549130B2 JP 6549130 B2 JP6549130 B2 JP 6549130B2 JP 2016543670 A JP2016543670 A JP 2016543670A JP 2016543670 A JP2016543670 A JP 2016543670A JP 6549130 B2 JP6549130 B2 JP 6549130B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curtain
inlet
gas
opening
differential mobility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016543670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017503171A (ja
Inventor
ブラッドリー ビー. シュナイダー,
ブラッドリー ビー. シュナイダー,
トーマス アール. コービー,
トーマス アール. コービー,
アーキンジョン ナザロフ,
アーキンジョン ナザロフ,
Original Assignee
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド, ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド filed Critical ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Publication of JP2017503171A publication Critical patent/JP2017503171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6549130B2 publication Critical patent/JP6549130B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • G01N27/622Ion mobility spectrometry
    • G01N27/624Differential mobility spectrometry [DMS]; Field asymmetric-waveform ion mobility spectrometry [FAIMS]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus

Description

(関連出願)
本願は、2013年12月31日に出願された米国仮出願第61/922,275号および2014年2月4日に出願された米国仮出願第61/935,741号からの優先権の利益を主張するものであり、両仮出願の全内容は、参照により本明細書中に援用される。
本明細書の教示は、イオンを微分移動度分光計に導入する装置および方法を対象とする。
イオン移動度ベースの分析方法は、ガスにおける移動度係数の差に基づいて、(質量分析計と比較して)上昇圧力条件下でイオンを分離して分析する。従来の飛行時間イオン移動度分光計(IMS)のような微分移動度分光計(DMS)は、イオンの移動度特性に基づいてイオンを分離して分析するが、直交イオン特性評価を提供する。IMSでは、イオン分離は、イオン種断面に基づいて起こり、DMSでは、イオン分離は、電場の変動する強度におけるイオン移動度係数の差に関係付けられる、アルファパラメータに基づいて起こる。イオンは、IMSの中へパルスさせられ、一定の電場を受けながらドリフト管を通過する。イオンは、ドリフト領域を通過するにつれて、ドリフトガス分子と相互作用し得る。これらの相互作用は、サンプルの各イオン種に特異的であり、質量/電荷比以上のものに基づくイオン分離につながる、分析されたイオン種の断面に従属する。衝突断面の差により、異なるイオン種は、検出器板に向かって異なるドリフト速度を有し、異なる到達(またはドリフト)時間を生じる。
対照的に、飛行時間型質量分析計(ToF−MS)の衝突を含まない真空状態では、MS飛行管を通したイオンの飛行時間は、イオンの質量対電荷比(m/z)のみによって判定される。
DMSは、イオンが大気圧条件においてドリフトガス中で分離されるという点でIMSに類似する。しかしながら、IMSと異なり、DMSは、輸送ガス流量の中で掃引される、連続的にイオンが通過する少なくとも2つの平行電極の間に印加される、非対称電場波形を使用する。イオン分離は、輸送ガス流量の方向と垂直に配向される、強い非対称波形RF電場の効果の下で起こる。電場波形は、典型的には、波形の高電場部分で短い持続時間、次いで、反対極性における低電場持続時間でより長い時間を有する。高電場および低電場部分の持続時間は、DMSフィルタ電極に印加されている正味電圧(1つの全周期にわたる平均電圧)がゼロであるように適用される。これらの条件下で、異なる電場依存性移動度係数を伴うイオンは、それらのアルファパラメータにより、異なる軌道を有する。
ある状況では、DMSは、直交分離方法をMSに提供するように質量分析計(MS)と連動されている。2つの直交方法を含む、本組み合わせは、DMSの大気圧、気相、および連続イオン分離能力、ならびにDMS−MSシステムの増進した分析力を利用する。
DMSをMSと連動させることによって、プロテオミクス、ペプチド/タンパク質構造、薬物動態、および代謝分析を含む、サンプル分析の多数の分野が増進されている。医薬および生命工学用途に加えて、DMSベースの分析器は、痕跡レベル爆薬検出および石油監視のために使用されている。
DMSデバイスの分解能は、DMS移動度セルに先立った向流ガス流の追加により向上する。そのような構成は、図1で例示されている。DMSの入口に先立ってカーテン板を配置し、カーテン板開口とDMS入口との間の間隙を横断してイオンを推進させるようにDC電位(典型的には、500〜1500V)を印加することによって、カーテンガスが確立される。加えて、本アプローチは、移動度分析器に先立って効果的なイオン脱溶媒和を提供することに役立つことが実証されている。
イオン損失は、大部分はDMS分析間隙の中のイオン導入中に起こることが分かっている。これは、DMSの分析間隙の中の重畳分離(RF)および補償(DC)電場の存在に起因する、フリンジング電場の存在からの結果である。加えて、DMSセルの中へのイオン導入の効率は、移動度係数、極性、および電場依存性(アルファパラメータ)によって区別される、イオンの有効軌道の変化につながる、印加された分離および補償電圧の絶対値による影響を受け得ることも分かっている。いくつかのデバイスでは、例えば、狭い分析間隙を伴うシステムでは、これは、透過モード(非対称または補償電圧が印加されない)で使用されるときに測定される、有意に低減した信号として現れ、高いおよび低い移動度係数を伴うイオンの間のイオン透過に区別を導入する。
種々の実施形態では、DMSの入口または/および出口上のフリンジング電場の存在は、分析間隙を通したイオン透過の係数を必然的に減少させる。本不要な効果は、DMSセンサの多くのパラメータ、すなわち、分析間隙の物理的サイズ、間隙を通したイオンの直線速度(輸送ガス流速)、イオンファネリングのために使用される電極の幾何学形状、および分析されたイオン種の移動度に依存する。
種々の実施形態では、我々は、フリンジング電場領域の面積中のイオン損失の減少が、DMSの有害領域内のイオンの滞留時間を短縮することによって達成されることができることを発見した。我々は、分析間隙を通したイオン透過を増進する2つの方法を提案し、すなわち、a)第1は、DMSセルの入口にイオンを迅速に注入するガスビーム噴射を提供することによって、分析間隙の中へのイオンの高速注入の使用を介し、および/またはb)入口の前の領域中(フリンジング電場が活発である領域中)でイオンを事前に集束させ、分析間隙の中心軸に向かってそれらを集束させる。本実施形態では、イオン導入は、付加的集束RF電場、輸送ガス流、および分析間隙の中へのイオンの迅速噴射注入の調和的重畳効果により起こる。ガスビームまたは噴射は、イオンがDMSセルに効率的に注入されるように、入口に存在する有害電場を克服するために使用される。イオン集束は、有害フリンジング電場の効果が低減させられる、分析間隙の軸にイオンビームを合流させる。いくつかの実施形態では、有害フリンジング電場の効果は、(その開口を調節することによって)適切な噴射を形成するために同時に使用される移動度分析器に先立って、遮蔽電極を提供することによって、最小限にされ、DMSセルの入口から除去されることさえもできる。付加的電極は、遮蔽およびビーム/噴射形成を同時に提供する、DMSアセンブリの中へ密閉されることができる。ガスビームまたは噴射は、標的イオン種がDMSスロットの前方における絶縁表面から実質的に除去されることを確実にするように、DMSセルの中心軸の中へ指向されることができる。
種々の実施形態では、入口および出口を有する、筐体と、固定距離によって相互から分離される、該筐体内に配置された少なくとも2つの平行板電極であって、2つの電極の間の容積は、それを通ってイオンが入口から出口まで流動する、イオン経路を画定し、イオン経路は、イオン流の方向に垂直な断面積を有する、平行板電極と、移動度特性に基づいて選択されたイオン種を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源と、入口を通って出口まで流動するガスを供給するためのドリフトガス供給と、入口に密閉して係合され、平行板電極から電気的に分離される、少なくとも1つの入口電極板であって、筐体の中へのイオンおよびガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板とを備え、開口の断面積は、イオン経路の断面積より小さい、微分移動度装置が提供される。
種々の実施形態では、微分移動度デバイスの中のイオンを分析する方法が提供され、本デバイスは、電場を生成する2つの平行板電極を有し、本方法は、イオンをドリフトガスに導入し、微分移動度デバイスの入口に向かってドリフトガスを指向するステップと、ドリフトガスが微分移動度デバイスに進入するにつれて、それを加速させ、いったんドリフトガスが微分移動度デバイスに進入すると、ドリフトガスを減速させるステップと、微分移動度デバイスを使用して、イオンに微分移動度分離を行うステップと、イオンを検出するステップとを含む。
種々の実施形態では、イオンを生成するためのイオン化源と、それを通ってイオンが流動するカーテン板開口を含有する少なくとも1つのカーテン板によって画定される、カーテンチャンバと、カーテンチャンバと流体連通しているカーテンガス供給と、カーテンチャンバ内に配置される筐体であって、開口部および出口を有し、開口部と出口との間の容積は、イオン経路を画定し、イオン経路は、カーテン板開口と略一致し、開口部は、カーテンチャンバと流体連通する、筐体と、筐体内に配置され、反対に配向され、イオン経路の両側で固定距離によって相互から分離される、少なくとも2つの平行板電極と、移動度特性に基づいて選択されたイオンの部分を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源およびコントローラと、開口部に密閉して係合され、平行板電極から電気的に分離される、少なくとも1つの入口電極板であって、筐体の中へのイオンおよびガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板とを備え、開口の断面積は、イオン経路の断面積より小さい、微分移動度フィルタ装置システムが提供される。
種々の実施形態では、微分移動度装置は、透過モードで動作することができる。
種々の実施形態では、1つの入口電極板は、取り外し可能である。
種々の実施形態では、開口は、アイリス絞り内に含有され、入口を通したガス流を変動させるように調節可能である。
種々の実施形態では、少なくとも1つの入口電極板は、平行板電極から電気的に分離され、コントローラおよび発電機は、RF集束電位および/またはDC電位を印加するために少なくとも1つの入口電極板に接続される。
種々の実施形態では、微分移動度装置はさらに、該平行板電極から下流に位置付けられる真空源を備える。
種々の実施形態では、筐体は、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、カーテンチャンバは、カーテンガスをカーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、カーテンチャンバの中のカーテンガスは、ドリフトガス供給になり、カーテンチャンバは、イオンがそれを通って流動することを可能にする、少なくとも1つの開口を有する。
種々の実施形態では、オリフィスは、円形またはスリット形状のいずれか一方である。
種々の実施形態では、2つの電極板は、入口に密閉して係合され、2つの電極板のそれぞれは、平行板電極から電気的に絶縁され、2つの電極板のそれぞれは、相互から電気的に絶縁され、2つの電極板のそれぞれは、RF集束電場を生成するためのRF源およびコントローラに接続される。
種々の実施形態では、ドリフトガスの加速は、平行板の面に密閉して係合される1つまたはそれを上回る電極板内に画定される開口にドリフトガスを通過させるステップを含み、ドリフトガスの減速は、開口から退出すると、ドリフトガスの膨張によって行われ、開口の断面は、微分移動度デバイスの入口の断面より小さい。
種々の実施形態では、ドリフトガスの加速はまた、2つの平行板電極から下流に吸引を印加するステップも含み、吸引は、真空源によって提供される。
種々の実施形態では、微分移動度デバイスは、DC電圧のみで動作する。
種々の実施形態では、微分移動度デバイスは、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、カーテンチャンバは、カーテンガスをカーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、カーテンガスは、微分移動度デバイスに流入するドリフトガスになり、カーテン板は、イオンがそれを通って流動することを可能にする、少なくとも1つの開口を有する。
種々の実施形態では、RF集束電位は、イオンの集束のために1つまたはそれを上回る電極板に印加される。
種々の実施形態では、入口電極の場所は、アイリス絞りであって、開口を画定し、開口部を通したガス流を変動させるように調節可能である、アイリス絞りを備える。
種々の実施形態では、イオン経路の断面積は、平行板電極の間の距離×平行板電極の幅として画定される。
種々の実施形態では、本装置は、DC電圧のみで動作する。
種々の実施形態では、RFコントローラおよび発電機は、RF集束電位を印加するために入口電極板に接続される。
種々の実施形態では、本装置はさらに、2つの平行板電極から下流に接続される真空源であって、筐体の中へ、およびそれを通したカーテンガス流を加速させるための真空源を備える。
種々の実施形態では、本装置はさらに、出口に動作可能に連結される付加的デバイスを備え、付加的デバイスは、質量分析計、ラマン分光計、および別のDMSデバイスから選択される。
種々の実施形態では、2つの入口電極板は、入口に密閉して係合され、2つの入口電極板は、相互から電気的に絶縁され、入口電極板のうちの第1のものは、第1の切り取り部分を画定し、入口電極板のうちの第2のものは、第2の切り取り部分を画定し、第1および第2の切り取り部分は、開口を形成するように協働する。
種々の実施形態では、RF集束電位は、第1の入口電極板から第2の入口電極板まで印加される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
入口および出口を有する、筐体と、
固定距離によって相互から分離される、前記筐体内に配置された少なくとも2つの平行板電極であって、前記2つの電極の間の容積は、それを通ってイオンが前記入口から前記出口まで流動する、イオン経路を画定し、前記イオン経路は、イオン流の方向に垂直な断面積を有する、平行板電極と、
移動度特性に基づいて選択されたイオン種を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を前記平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源と、
前記入口を通って前記出口まで流動するガスを供給するためのドリフトガス供給と、
前記入口に密閉して係合され、前記平行板電極から電気的に分離される、少なくとも1つの入口電極板であって、前記筐体の中へのイオンおよび前記ガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板と
を備え、
前記開口の断面積は、前記イオン経路の断面積より小さい、微分移動度装置。
(項目2)
前記装置は、透過モードで動作する、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目3)
前記少なくとも1つの入口電極板は、取り外し可能である、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目4)
前記開口は、アイリス絞り内に含有され、前記入口を通したガス流を変動させるように調節可能である、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目5)
前記少なくとも1つの入口電極板は、前記平行板電極から電気的に分離され、コントローラおよび発電機は、RF集束電位および/またはDC電位を印加するために前記少なくとも1つの入口電極板に接続される、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目6)
前記平行板電極から下流に位置付けられる真空源をさらに備える、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目7)
前記筐体は、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、前記カーテンチャンバは、カーテンガスを前記カーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、前記カーテンチャンバの中の前記カーテンガスは、前記ドリフトガス供給になり、前記カーテンチャンバは、イオンがそれを通って流動することを可能にする、少なくとも1つの開口を有する、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目8)
前記オリフィスは、円形またはスリット形状のいずれか一方である、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目9)
2つの電極板は、前記入口に密閉して係合され、前記2つの電極板のそれぞれは、前記平行板電極から電気的に絶縁され、前記2つの電極板のそれぞれは、相互から電気的に絶縁され、前記2つの電極板のそれぞれは、RF集束電場を生成するためのRF源およびコントローラに接続される、項目1に記載の微分移動度装置。
(項目10)
微分移動度デバイスの中のイオンを分析する方法であって、前記デバイスは、電場を生成する2つの平行板電極を有し、
イオンをドリフトガスに導入し、前記微分移動度デバイスの入口に向かって前記ドリフトガスを指向するステップと、
前記ドリフトガスが前記微分移動度デバイスに進入するにつれて、それを加速させ、いったん前記ドリフトガスが前記微分移動度デバイスに進入すると、前記ドリフトガスを減速させるステップと、
前記微分移動度デバイスを使用して、前記イオンに微分移動度分離を行うステップと、
前記イオンを検出するステップと、
を含む、方法。
(項目11)
前記ドリフトガスの前記加速は、前記平行板の面に密閉して係合される1つまたはそれを上回る電極板内に画定される開口に前記ドリフトガスを通過させるステップを含み、前記ドリフトガスの前記減速は、前記開口から退出すると、前記ドリフトガスの膨張によって行われ、前記開口の断面は、前記微分移動度デバイスの前記入口の断面より小さい、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記ドリフトガスの前記加速はまた、前記2つの平行板電極から下流に吸引を印加するステップも含み、前記吸引は、真空源によって提供される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記微分移動度デバイスは、DC電圧のみで動作する、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記微分移動度デバイスは、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、前記カーテンチャンバは、カーテンガスを前記カーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、前記カーテンガスは、前記微分移動度デバイスに流入する前記ドリフトガスになり、前記カーテン板は、イオンがそれを通って流動することを可能にする、少なくとも1つの開口を有する、項目10に記載の方法。
(項目15)
RF集束電位は、前記イオンの集束のために前記1つまたはそれを上回る電極板に印加される、項目11に記載の方法。
(項目16)
イオンを生成するためのイオン化源と、
少なくとも1つのカーテン板によって画定されるカーテンチャンバであって、前記カーテン板は、それを通って前記イオンが流動するカーテン板開口を含有する、カーテンチャンバと、
前記カーテンチャンバと流体連通しているカーテンガス供給と、
前記カーテンチャンバ内に配置される筐体であって、前記筐体は、開口部および出口を有し、前記開口部と出口との間の容積は、イオン経路を画定し、前記イオン経路は、前記カーテン板開口と略一致し、前記開口部は、前記カーテンチャンバと流体連通する、筐体と、
前記筐体内に配置され、反対に配向され、前記イオン経路の両側で固定距離によって相互から分離される、少なくとも2つの平行板電極と、
移動度特性に基づいて選択されたイオンの部分を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を前記平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源およびコントローラと、
前記開口部に密閉して係合され、前記平行板電極から電気的に分離される、少なくとも1つの入口電極板であって、前記筐体の中へのイオンおよび前記ガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板と、
を備え、
前記開口の断面積は、前記イオン経路の断面積より小さい、微分移動度フィルタ装置システム。
(項目17)
前記入口電極の場所は、アイリス絞りであって、前記開口を画定し、前記開口部を通したガス流を変動させるように調節可能である、アイリス絞りを備える、項目16に記載の微分移動度装置。
(項目18)
前記イオン経路の前記断面積は、前記平行板電極の間の距離×前記平行板電極の幅として画定される、項目16に記載の装置。
(項目19)
前記装置は、DC電圧のみで動作する、項目16に記載の装置。
(項目20)
RFコントローラおよび発電機は、RF集束電位を印加するために前記入口電極板に接続される、項目16に記載の装置。
(項目21)
前記2つの平行板電極から下流に接続される真空源であって、前記筐体の中へ、およびそれを通したカーテンガス流を加速させるための真空源をさらに備える、項目16に記載の装置。
(項目22)
前記出口に動作可能に連結される付加的デバイスをさらに備え、前記付加的デバイスは、質量分析計、ラマン分光計、微分移動度分光計、高電場非対称波形イオン移動度分光計、およびイオン移動度分光計デバイスから選択される、項目1に記載の装置。
(項目23)
2つの入口電極板は、前記入口に密閉して係合され、前記2つの入口電極板は、相互から電気的に絶縁され、前記入口電極板のうちの第1のものは、第1の切り抜き部分を画定し、前記入口電極板のうちの第2のものは、第2の切り抜き部分を画定し、前記第1および第2の切り抜き部分は、前記開口を形成するように協働する、項目1に記載の装置。
(項目24)
RF集束電位は、前記第1の入口電極板から前記第2の入口電極板まで印加される、項目23に記載の装置。
図1は、典型的なDMSデバイスのレイアウトを描写する。
図2は、従来のDMSデバイスの入口におけるイオン軌道の図を描写する。
図3は、従来のDMSデバイスの入口における異なるイオン種のイオン軌道の代替図を描写する。
図4は、本教示の実施形態での入口におけるイオン軌道の図を描写する。
図5は、分析間隙の軸に向かったイオンファネリング/集束を示す、本教示の代替実施形態での入口におけるイオン軌道の図を描写する。
図6は、DMS電極の入口におけるイオンビームの汚染効果を描写する。
図7は、小型の非最適化0.5mm噴射注入器を用いた、ベンゾイルエクゴニン応答へのDMSのフリンジング効果を遮蔽する効果を描写する。
図8は、異なる噴射注入構成のピーク幅への効果を描写する。
図9は、従来のDMSデバイスおよび種々の噴射モード注入器を用いた、いくつかの化合物のMRM信号を示す。
図10は、様々な注入器デバイス開口直径における化合物混合物の平均半値全幅(FWHM)プロットを描写する。
図11は、従来のDMSデバイスと比較した、3.5mm(最適化)注入器開口のイオノグラム強度を描写する。
図12は、従来のDMSデバイスと比較した、3.5mm(最適化)注入器を用いた、いくつかの被分析物の正規化イオノグラムを描写する。両方の場合の補償電圧は類似する。
図13は、化学修飾剤の有無による、噴射注入器電極を使用して分析された化合物レセルピンおよびクロミプラミンのイオノグラムを描写する。
図14は、従来のDMS(左の棒)および本教示に従って修正されたもの(右の棒)を用いた、9つの化合物および種々の分離電圧値における強度トレースの一連のプロットを描写する。
図15は、従来のDMSおよび本教示によるものを使用した、プロリンおよびバリン被分析物(高い移動度係数)のイオノグラムを描写する。
図16は、種々の条件および装置を使用する、トリアゾールのデータを描写する。
図17は、より高いサンプル流速において種々の条件および装置を使用する、トリアゾールのイオノグラムを描写する。
図18は、本噴射支援の教示の実施形態を描写する。
図19は、本噴射支援の教示の代替実施形態を描写する。
図1は、典型的なDMSデバイス10の構成を描写する。筐体11は、非対称電圧および補償電圧が印加されることができる、2つの平行電極12を囲繞する。2つの電極の間の空間は、容積を有する分析間隙を画定する。筐体11は、イオンおよびガスが流入することができる入口13と、出口14とを有する。入口と出口との間の領域は、それを通ってイオンが流動する経路15を画定する。筐体11に進入するイオン16は、2つの平行電極12の間を通過し、そこで、異なるイオン移動度性質を有するイオンを分離することができる、非対称および補償電場を受ける。
理解されるように、電極12は、電極12を通したRFおよびDC電場の生成を可能にする、好適な電源およびコントローラに接続される。電極12は同一の識別子を使用して本明細書に説明されるが、一対の電極が明確に異なる電極として個別に動作するように、電極は、別個のRFおよび/またはDC電位が2つの電極のそれぞれに別個に伝送されることができるように、構成されることができると理解されるであろう。
カーテンチャンバ17は、カーテン板18によって画定される筐体11を囲繞する。カーテン板18は、筐体13の入口と直接一致する開口部を含有する。カーテンガス供給源20は、導管21によってカーテンチャンバ17に流体的に接続され、カーテンガスをカーテンチャンバ17に供給する。カーテンガスは、カーテンチャンバを充填し、カーテンチャンバ17の開口部19から流出して筐体11の開口部13に流入する。筐体11は、カーテンガスが筐体開口部13を介して平行電極12に進入し、それを通り越して流動することのみができるように、構成される。筐体11の中へ進入するカーテンガスは、ドリフトガスになり、2つの平行板電極12の間を流動し、筐体出口14を通って筐体11から退出する。
好適なイオン化源(エレクトロスプレー、化学、MALDI等)からのイオン16は、カーテンチャンバ17の入口19に接近し、そこで、イオンの乾燥を支援する退出カーテンガスからの向流を通過する。好適な電圧源からカーテン板18に印加される電圧は、カーテン板18と入口13との間の間隙を横断して筐体11へイオン16を推進させる。筐体11に進入すると、イオン16は、ドリフトガスの中で掃引され、平行電極12に印加される非対称電圧は、イオン移動度性質に基づいてイオンの分離を引き起こす。イオン16およびドリフトガスは、イオン経路15を下って出口14まで進行し続け、そこでイオンは、検出されるか、または質量分析等のさらなるプロセスもしくはデバイスに曝されてもよい。
図2は、従来の構成を通した、カーテン板18の開口部19、ならびに筐体11およびイオン軌道30への入口13の簡略化された図を描写する。2つの平行板電極12およびカーテン板境界18は、イオン流16を生成する、エレクトロスプレーイオン源噴霧器の先端とともに示されている。イオン16は、カーテン板18を通過し、最終的に、2つの平行電極12から成るDMSセル22の入口13に到達する。(約500Vにおける)カーテン板18とDMS入口13との間に確立される電場は、発散的であり、DMS22の中へのより低いイオン透過をもたらす。具体的には、最初の15本の流れのうちの2つのイオン流のみが、DMS22の中へ達する。残りの流れは、平行板電極12の前面に影響を及ぼし、除去される。
図3は、5つの異なるイオンについて、2つのDMS電極12への異なるDC電位(すなわち、補償電圧)の印加の結果として、フリンジング電場を通したイオン軌道(31、32、33、34、35)への効果のより詳細な図を示す。軌道は、非対称電場の印加による、イオンの振動性質を実証する。中間点41の上方の3つの軌道(31、32、33)は、正電荷を持つイオンを表し、正中線41点の下方の2つの軌道(34、35)は、負電荷を持つイオンを表す。本図では、イオンは、カーテン板18の開口19を通過し、次いで、壁40が別様にカーテン板開口19と同一の幅であり、2つの平行板電極12を含有するDMSセル22に進入する前に、非伝導性絶縁体の役割を果たす、領域を通過する。正DC補償電圧(CoV)が、底部電極に印加され、これに起因するフリンジング電場が、カーテン板開口19を通過した直後にイオンの運動に影響を及ぼす。正イオンは、底板から離れて偏向させられ、負イオンは、底板に向かって引き付けられ、DMSセル22の進入に先立って、異なる極性のイオンの隔離をもたらす。加えて、DMSの中心軸41の上方に位置する正イオンが、上部電極上で失われる可能性が高く、DMSの中心軸41の下方に位置する負イオンが、底部電極上で失われる可能性が高いであろうため、フリンジング電場効果は、DMSセル22のための受入領域を制限する。イオン軌道は、フリンジング電場の有害な効果の結果として、DMSセル22の中へのイオンの進入に先立って損なわれている。イオン軌道33のうちの1つは、DMSセル22を通って横断するように回復させられることができるが、DMSセル22に進入する際のイオンの初期位置付けは、フリンジング電場の存在により、中心から外れている。例えば、カーテン板開口19におけるイオン流の初期位置付けが、中間点線41の上方にあった場合、本軌道はまた、上部電極に接触することによって、不安定な経路をもたらした可能性もある。図3のモデリング結果はまた、イオンがカーテン板開口を通過した直後に非対称RF電圧による影響を受けるが、結果は、イオンへのわずかな鋸歯状運動であることを実証する。補償電圧の存在からのDC電場は、SVよりもはるかに有害な効果をオン軌道に及ぼす。
図4は、本教示によって具現化されるDMS装置50構成の実施例を描写する。図2で描写される従来のデバイスと同様に、DMSデバイス50は、イオン流52を生成するイオン源噴霧器51と、開口54を含有するカーテン板53と、DMSの分析間隙を形成する平行板電極55とを含有する。しかしながら、DMSデバイス50は、カーテン板53と筐体の入口における平行板電極55との間に位置付けられる、付加的噴射注入器電極56を含有する。注入器電極56は、電気的に分離された単一の伝導性噴射注入器板58から成り、加えて、例えば、平行板電極55に印加されている電圧が注入器電極56に伝送されることを防止する電気絶縁材料57によって等、平行板電極55から隔離される。噴射電極56は、円形、スリット形状、または任意の好適な形状であり得る、オリフィス59を含有する。オリフィス59は、イオン噴霧器51から通過するイオンが、カーテン板54の開口部、噴射電極59のオリフィス、次いで、DMSセル61の入口を通過するように、イオン流52、カーテン板53の開口部54、およびDMSセル61の入口と略一致する。噴射電極56は、電気絶縁材料57を介してDMS平行電極55から分離されることができ、DMS電極55に密閉して係合され、平行板電極55から下流で、オリフィス開口部61を通る、またはDMSセルの出口から以外のガスの流入または流出を防止する。代替として、噴射電極が、噴射注入器オリフィス19を通る以外のガスの流入を防止するように、DMS電極に密閉して係合されたままである限り、絶縁材料57は、静的空隙と部分的に置換されてもよい。噴射電極56内のオリフィス59の断面積62は、2つの平行板電極55の間に位置するイオン経路の断面積63より小さい。噴射注入器電極56は、DMS入口の中への透過を最適化するように、DMSセルに類似するか、またはそれと異なるDC電位において操作されてもよい。驚くことに、たとえ噴射電極56内のオリフィス62の断面積が2つの平行板電極55の間のイオン経路の断面積63より小さく、より多くのイオンが電極56の表面に影響を及ぼすと予期されても、本構成は、イオンファネリングにより、より多くのイオン流をDMSセルの中へ透過させることが分かっている。つまり、より多数の元のイオン分布が、DMSデバイスを通して透過された。具体的には、本実施例では、4つのイオン流がセルの中へ透過される。理論によって拘束されることを希望しないが、噴射電極における(縮小した断面による)利用可能なオリフィス透過能力の本減少によるイオンの損失は、イオンがフリンジング電場の有害な効果を受ける時間の減少をもたらす、(固定ガス流における縮小した断面積による)オリフィスを通って進行するガスおよびイオンの速度の増加によって構成されるよりも大きいと考えられる。噴射注入器DMS構成はまた、より電極セットの中心に向かってイオンを指向して透過を向上させるために、より強い(より高い直線速度を伴う)ガス流が使用されるにつれて、DMSのイオン移動を向上させる。
さらに明確にするために、噴射注入器電極56の断面積62および2つの平行板電極55の間のイオン経路の断面積63を参照するとき、参照される面積は、噴射支援イオン注入システムの図面が提示される、図18でより容易に視覚化されることができる。単一の噴射注入器板58から成る噴射注入器電極56の開口59の断面積62は、2つの平行板電極55の間のイオン経路の断面積63より小さい。両方の場合において、断面積は、イオン流70の方向に垂直である平面的面積である。噴射注入器電極56の開口59の断面積62が、略円形である一方で、イオン経路の断面積63は、略長方形である。2つの断面積は、同一の断面形状である必要はない。噴射注入器板58から平行板電極55を分離するために使用される絶縁材料57は、内部の視覚化を可能にするように切り取られている。別の実施形態が、開口59がスリット形状であり、噴射注入器電極56が上部注入器板65および底部注入器板66から形成されることを除いて、図18で説明される実施形態に類似する図19で説明される。これら2つの板のそれぞれは、絶縁体材料67によって相互から分離される。このようにして、RF電場は、2つの電極を横断して生成されることができる。2つの注入器板(65、66)は、断面積64を有する、スリット形状のオリフィス59の上部および底部を形成する。上部および底部注入器板は両方とも、開口59を形成するようにともに協働する、切り抜きを有する。スリット64の断面積は、概して、イオン経路の断面積63と同一の形状である。他の開口構成も利用されてもよい。
図5は、本教示の別の実施形態を描写する。我々は、噴射形成開口を横断して付加的な周期的/調和的RF/AC電場を印加することによって、イオン注入の効率が増加させられることができることを発見した。本向上は、RF電場およびガス流の重畳効果による、噴射開口の中心に向かったイオンの集束により起こる。本組み合わせは、噴射注入器電極56から退出すると、イオンビームがより狭くなり、分析間隙の中への進入につながる、図5で描写されるようなオリフィスの入口および排出口において、イオンビームをオリフィスの中心に合流させる。
本実施形態では、噴射電極56上に集束RF電位を印加することによって、イオン透過のさらなる向上が達成されることができるが、その他の点では図4で説明される実施形態に類似する。図5で実証されるように、さらに多数のイオンが透過された(6つの流れ)。
噴射注入器板はまた、2電極システムを形成するよう相互から絶縁される、2つの別個の電極から成ってもよい。さらに、3つまたはそれを上回る電極が利用されてもよく、2つまたはそれを上回る電極は、相互から絶縁される。
平行板電極55から退出した後に、イオンはさらに、操作および/またはフィルタリングのために他のデバイスに輸送され、および/または検出されてもよい。いくつかの実施形態では、カーテンチャンバは、筐体の出口と略一致する出口開口と、イオンがカーテンチャンバから退出することを可能にし、次いで、そこでイオンが他のデバイス上へ渡され得る、イオン経路とを有する。そのようなデバイスの例示的実施例は、検出器、質量フィルタ、質量分析計、ラマンまたはIR等の他のタイプの分光計、ならびに別のDMSシステム、高電場非対称波形イオン移動度分光計、およびイオン移動度分光計デバイス等の他の移動度ベースのデバイスを含む。
図6は、標準DMS構成および噴射注入器DMS構成の汚染効果を比較する、実験結果を示す。それぞれの場合において、不希釈ハンク緩衝溶液を含むサンプルが、約15時間にわたって約75uL/分で質量分析計上に直接注入された。ハンク緩衝剤は、非常に高い塩分を有する、細胞培地であり、ガス流と相関する明確な残屑パターンをDMS電極上に残す。それぞれの場合において、これらの実験は、DMS入口と直角に配向されたAB Sciex Turbo VTMイオン源を用いて行われた。図6に示される2つの電極は、標準DMSセル構成(上のペイン)および噴射注入器DMS構成(下のペイン)に由来する。第1に標準DMSセルを参照すると、残屑の大部分が、より容易な視覚化のために輪郭を描かれており、噴霧の直交性質と一致して、DMS入口の下半分の上に位置する。本構成が、セルの長さに及ぶ層流条件を確立するために、オリフィスに密閉されたDMSセルを使用すると考慮して、セルホルダ壁に近い低速領域に進入するイオンの有意な割合により、有意な信号損失が予期され得る。逆に、噴射注入器を用いると、残屑は、DMS電極に対してほぼ中心に置かれ、ガス噴射と一致するパターンを形成する。この場合、イオンは、透過のための最適な場所で(すなわち、セルの軸上で)セルに進入する。
一連の修正されたDMSホルダが、従来のDMSに先立った噴射注入器電極の組み込みへの効果を評価するために利用された。小開口を伴う平板が、セラミックDMSホルダの前方上にろう付けされた。DMS電極の長さは、アーク放電効果を最小限にするために使用された従来のDMSで使用された30mmと比較して、28mmであった。種々の開口サイズが、これらの実験のために0.5mm〜3.5mmの0.25mm増分で変動させられた。噴射注入器電極は、DMS電極に印加されるDC電位からイオンを保護し、ホルダの中へのその密閉により、DMS電極の前方の中へガスビームまたは噴射を生成し、フリンジング電場の中でイオンによって費やされる時間を最小限にする。
フリンジング電場効果の一実施例は、0.5mm噴射注入器電極を伴って構成されたDMSが典型的なDMSシステムと比較された、図7で描写される。本図は、化合物ベンゾイルエクゴニンについて増加する分離電圧(SV)を用いて取得されたデータを実証する。透過モードで動作するDMSに一致する、0のSVにおいて、193,043cpsにおける(図1または2で描写される)従来のDMSデバイスのための信号は、修正されたシステムより約20.4倍小さい入口断面積にもかかわらず、68,377cpsにおける0.5mm噴射注入器の存在を伴って修正されたDMSで観察されたものよりわずか約2.8倍大きかった。
SVを増加させることにより、従来のDMS構成を用いた本化合物の2倍よりわずかに大きい信号ブーストを生じ、入口フリンジング電場で失われた信号を復元することに役立つ。逆に、噴射注入器電極を用いると、修正されたDMSは、理論的に予測されるように挙動し(Krylov EV., “Comparison of the Planar and Coaxial Field Asymmetrical Waveform Ion Mobility Spectrometer (FAIMS)”, Int. J. Mass Spectrom., 2003, 225, 39−51.)、噴射形成電極の存在による遮蔽効果により、SVの増加とともに信号の増加が見られない。これらの結果は、噴射注入器電極が、カーテン板またはDMS電極の間のDCオフセット(すなわち、CoV)等のより高い電位で維持される上流レンズ要素の存在によって引き起こされるかどうかにかかわらず、有害なフリンジング電場からイオンを効率的に保護する方法を提供することができることを実証する。これは、DMSデバイスのための噴射注入器電極入口の2つの利点を実証し、すなわち、電極は、DMS入口とより高い電位で維持される上流電極との間に生じ得るフリンジング効果からDMSセルを保護することができ、DMSの前方の中へ確立される、複合遮蔽およびガスビーム/噴射は、より効率的なイオンの輸送を提供することができる。
図8は、従来のDMSデバイス、および様々なオリフィスサイズの13個の異なる噴射注入器構成を含む、1mmの分析間隙幅を伴う一連の異なるDMS構成を使用して、14個の化合物の混合物について観察された、透過モード全イオン電流(TIC)の比較を示す。
図8を参照すると、ちょうど2,000,000cps未満の信号計数率を伴う菱形は、透過モードの従来のDMSデバイスを用いて取得されたTICデータを示す。噴射注入器電極の使用により、噴射注入器電極のオリフィスサイズを0.5mmから約2.25mmまで増大させることが信号に関して有益であり、透過モードについては従来のDMSより約3倍の最大増大を示すことが分かる。噴射注入器電極の直径のさらなる増大は、低減した信号につながるが、3.5mmの最大噴射注入器電極オリフィスを伴う透過モードTICは、噴射注入器を伴わない従来のDMSデバイスより約1.6倍高い強度を示した。これらのデータは、種々の噴射注入器電極オリフィスサイズ下での混合物の各構成要素について、および従来のDMSについて、測定されたMRM強度のプロットを示す、図9の混合物構成要素のそれぞれについて別個に描画されている。各化合物に関して、一連の棒グラフが表示されている。左から右へ、棒のそれぞれは、1)透過モードで動作する従来のDMS(分離電圧または補償電圧なし)、2)分離場(約115.5Td)を伴って動作する従来のDMS、3)0.5mm噴射注入器電極、4)0.75mm噴射注入器電極、5)1.0mm噴射注入器電極、6)1.2mm噴射注入器電極、7)1.5mm噴射注入器電極、8)1.778mm噴射注入器電極、9)2.0mm噴射注入器電極、10)2.25mm噴射注入器電極、11)2.5mm噴射注入器電極、12)2.75mm噴射注入器電極、13)3.0mm噴射注入器電極、14)3.25mm噴射注入器電極、15)3.5mm噴射注入器電極に対応する。分離電圧は、これらの電極のうちのいずれにも印加されなかった。
噴射注入器データ点の大部分は、従来のDMSシステムより多くの信号数を表示する。加えて、これは、DMSに利用される噴射注入器入口が増加したイオン透過を提供できることを実証する。
DMSピーク幅効果はまた、図10に示されるような噴射注入器電極修正DMSデバイスを用いて評価された。14個の化合物の混合物の平均観察ピーク幅が、種々の噴射注入器電極オリフィスサイズ構成を用いて描画されている。未修正DMSを用いた値は、y軸の原点である(すなわち、1.68V半値全幅(FWHM))。わずかに短いDMS電極長(28mm対30mm)を考慮すると、約0.2VのFWHM増加が予期されるであろう。図10に示されるように、0.5mm噴射注入器を用いた平均FWHMは、5.34Vであり、未修正デバイスに対して実質的分解能損失を実証した。ピークは、噴射注入器開口がDMS間隙の高さ(1mm)に合致するように増大させられるにつれて、さらに拡大した。本時点で、修正されたDMS応答の強度は、従来のDMSの強度に近くなった。しかしながら、噴射開口直径のさらなる増大は、DMSピーク幅の狭小化につながり、おそらく、DMSの前方の中への低減したガス噴射分布、および入口スロットに実際に衝突するビームのより少ない割合により、同時に信号を増加させる。実際、噴射注入器開口は、3.5mmまで増大させられ、観察されたFWHMは、電極が2mm短かったという事実にもかかわらず、未修正デバイスの期待値に非常に近かった。
図10に存在する結果は、DMSのための噴射注入器電極入口の付加的な潜在的利点を実証する。開口のサイズを変動させることができる電極を使用することによって、付加的ガス流(スロットルガス等)または吸引/真空を提供する必要性を要求することなく、例えば、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,084,736号で達成されるものと同様に、有限制御が分解能と感度との間で維持されることができる。開口のサイズの変動は、例えば、異なる噴射注入器電極を物理的に置換することによって、またはアイリス絞り制御システムを使用することによって、達成されることができる。アイリス絞り流量制御システムは、カメラに入射する光の量を制御する、カメラ上のレンズ内の開口システムと概念が類似する。アイリスシステムは、概して、ガス流を妨害するように流域の中へ移動させられることができる、流路の周囲で円周方向に配列される3本またはそれを上回る指部から成る。概して、利用される指部が多いほど、増加した複雑性を犠牲にして形成される開口部がより円形になる。
図11および12で実証されるように、3.5mm噴射注入器デバイスを用いた観察された分解能(上のトレース)は、約115.5Tdの分離場が印加された未修正DMSデバイスを用いて観察されたもの(下のトレース)に類似した。図11は、噴射注入器(上のペイン)対標準DMS(下のペイン)を用いて観察された信号利得を実証するようにy軸が同様に拡大縮小された、これら2つのデバイスを用いた14個の化合物の混合物のイオノグラムの比較を示す。図12は、類似分解能が2つの移動度セルを用いて観察されることを実証するように、データが正規化されていることを除いて、図11と同一の情報を提示する。
範囲内で説明される修正はまた、分解能を増加させるために化学修飾剤を使用するDMSシステムで利用されることもできる。図13は、本教示による噴射注入器電極を使用した、クロミプラミンおよびレセルピンを含有する混合物の2つのイオノグラムプロットを示す。上のイオノグラムプロットが、化学修飾剤を使用することなく行われた一方で、下のイオノグラムは、1.5%イソプロパノール化学修飾剤を使用して得られ、噴射注入器電極がDMSシステムで利用される化学修飾剤の有用性にほとんど影響を及ぼさないことを実証し、噴射注入器を用いたDMSが化学修飾剤とともに機能することを示す。
0V〜4000V(約132Td)に及ぶ種々のSV設定を用いて、多化合物混合物の透過特性を検証するように、一連の実験が行われた。図14は、種々の分離電圧におけるミノキシジル、ベルベリン、ペルフェナジン、メチルヒスタミン、ブスピロン、プロリン、ベンゾイルエクゴニン、テルフェナジン、およびレセルピンの透過強度を示す。各分離電圧における第1の棒が、従来のDMS構成に対するものである一方で、第2の棒は、3.5mm開口噴射注入器電極を伴って修正されたDMSに対するものである。噴射注入器について観察された利得は、未修正DMSと比較したとき、約1.38倍〜2.00倍に及んだ。
教示内の使用による性能の向上はまた、高流速条件で利用されたときにも観察される。種々の化合物が、化合物のそれぞれのために750℃に最適化されたソース加熱器を用いて、500uL/分の流速においてネブライザ支援型エレクトロスプレーイオン源を伴う流動注入分析(FIA)によって分析された。熱交換器が、カーテンガス/輸送ガスの温度を約150℃まで上昇させるように、カーテン板に組み込まれた。データは、各構成を用いた5回の注入の平均について表1で要約される。第1に、標準未修正DMSセルおよび標準質量分析計器具を用いた透過を比較すると、化合物に応じて、4.5〜9.7倍の感度低減があった。これらの損失は、噴射注入器電極セットが代わりに使用されたときに、平均で約2倍低減させられた。
範囲内の教示は、劇的なアルファ挙動を呈する化合物とともに使用されたときに、有意な利益を有することも分かっている。極めて急勾配のアルファ曲線を伴う化合物は、DMSを通って透過するために非常に高い補償電圧値を必要とし得る。これらの化合物は、特に、大きい低電場移動度を有する場合に、入口フリンジング電場の問題を起こす傾向が最も高いであろう。これらのタイプの化合物の実施例は、イソプロパノール修飾剤の存在下で利用されるときに、プロリンおよびバリンイオンである。図15は、同一の設定(SV=3500V、DMO=60V、カーテンガス=20psi)で、噴射注入器DMSとともに利用された噴射注入器電極および噴射電極を利用しない標準DMSセルを用いてプロリン(上)およびバリン(下)について取得されたイオノグラムの実施例を示す。CoV値が極めて大きい、これらの条件下で、噴射注入器電極の利益は実質的になる。
本明細書に説明される教示は、参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許第8,084,736号で説明される、分解能を増加させる方法の代替案を提供するが、2つの方法は相互排他的ではなく、分解能を向上させるために相乗的な方法でともに使用されることができる。
トリアゾールは、従来のDMSデバイスを通した不良な透過特性を有する、非常に低質量の化合物であり、これは、部分的に、本明細書に説明されるDMSデバイスの入口フリンジング電場効果およびイオンによって示される比較的高い移動度特性の存在によるものであると考えられる。トリアゾールのサンプルが10uL/分で注入され、ソース加熱器が300℃に最適化された。図16の上のペインは、約1.6×10cps信号強度を実証する、本化合物について標準質量分析計システムを用いて取得された注入データを示す。図16の中央のペインは、DMSセルを伴わない標準器具と比較してほぼ20倍の信号低減を実証する、最適化条件下で動作する従来のDMSセルが装備された質量分析計システムを用いて生成されたイオノグラムを示す。図16の下のペインは、種々の条件下で設置された噴射注入器電極を有した従来のDMSセルが装備された質量分析計システムを用いて得られたイオノグラムを示す。付加的ガス流を伴わない下のペイン内のトレースは、標準的な従来のDMSセルデバイスと比べて約2.4倍の向上を実証するが、依然としてDMS器具がないよりも約8倍低い感度を実証する。他の2つのトレースは、2L/分および4L/分によって増強された、デバイスを通したガス流を用いて分析された噴射注入器電極を使用して取得されたデータを示す。噴射注入器電極および4L/分増強ガス流を用いた信号強度は、標準器具の約2倍以内であった。これは、未修正DMSデバイスを使用して取得されたデータと比べて、ほぼ10倍の利得を表す。
図17は、500uL/分においてFIAとともにトリアゾール化合物を使用して行われた類似実験を示す。トリアゾール化合物のピーク領域は、標準質量分析計デバイスを用いて166,927カウントであった(図17の上のペイン)。図17の中央のペインは、DMSセルの結果として感度の約21倍の低減を実証する、従来のDMSセルの設置後の結果を示す。下のペインは、噴射注入器および種々の輸送ガス流速を用いた結果を示す。標準噴射注入器のデータは、トリアゾール化合物の信号が従来のDMSセルと比較して約2倍向上した、(A)トレースに示されている。(B)、(C)、および(D)イオノグラムは、それぞれ、2L/分、4L/分、および6L/分によって増強された、噴射注入器を通したガス流を用いて取得されたデータを実証する。標準DMSセルにわたる信号の総利得は、最大6L/分のガス流増強を使用したときに、およそ6倍であった。
噴射注入器DMSセルおよび増強ガス流の組み合わせは、高流量において他の化合物のための利益も提供する。表2は、500uL/分において流動注入分析のために5つの異なる化合物について取得されたデータを示す。これらの化合物は、標準5500に対して4.5〜9.7倍の低減の範囲を実証する、前述のトリアゾール化合物よりも少ない、標準DMSセルを用いた損失を呈した。噴射注入器セルは、透過を約2倍向上させたが、噴射注入器セルを通したガス流を増強することにより、性能をさらに約2倍向上させた。噴射注入器および4L/分を用いた信号は、標準器具に対して1.3〜2.0倍の低減に及び、標準噴射注入器セルと比べた実質的向上を実証した。
多数の実施形態の範囲内の説明は、例証および説明の目的で提示されていることを理解されたい。これは、包括的ではなく、請求された発明を開示された通りの形態に限定することを意図していない。修正および変形例は、上記の説明を踏まえて可能であるか、または本発明を実践することから取得され得る。例えば、噴射注入器電極が電極である実施形態が、具体的に開示されているが、絶縁体材料が噴射注入器電極の代わりに使用されるが、依然として別様に開口を含有し、平行板電極に密閉して係合されるときに、噴射注入器性質およびイオンがフリンジング電場内で費やす時間の短縮も存在するであろうことが理解されるであろう。請求項およびそれらの均等物は、本発明の範囲を定義する。加えて、噴射注入器の利益はまた、DMSセルの後に低圧力領域を含まないシステムについて実現されることもできる。この場合、分析器を通して輸送ガスを引くためにセルの背後からの吸引がないであろう。逆に、噴射注入器開口に先立った領域中の圧力が、DMSセルを通して輸送ガスを流動させるように上昇させられることができる。この場合、輸送ガス流は、後方から「引かれる」よりもむしろ前方から「押される」であろう。

Claims (23)

  1. 入口および出口を有する筐体と、
    固定距離によって相互から分離される前記筐体内に配置された少なくとも2つの平行板電極であって、前記2つの電極の間の容積は、イオン経路を画定し、前記イオン経路を通ってイオンが前記入口から前記出口まで流動、前記イオン経路は、イオン流の方向に垂直な断面積を有する、平行板電極と、
    移動度特性に基づいて選択されたイオン種を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を前記平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源と、
    前記入口を通って前記出口まで流動するガスを供給するためのドリフトガス供給と、
    前記ガスが前記入口を通って流動する以外のガスの流入または流出を防止するように前記入口に密閉して係合され、前記平行板電極から電気的に分離される少なくとも1つの入口電極板であって、前記少なくとも1つの入口電極板は、前記筐体の中へのイオンおよび前記ガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板と
    を備え、
    前記開口の断面積は、前記イオン経路の断面積より小さい、微分移動度装置。
  2. 前記装置は、透過モードで動作する、請求項1に記載の微分移動度装置。
  3. 前記少なくとも1つの入口電極板は、取り外し可能である、請求項1に記載の微分移動度装置。
  4. 前記開口は、アイリス絞り内に含有され、前記入口を通したガス流を変動させるように調節可能である、請求項1に記載の微分移動度装置。
  5. 前記少なくとも1つの入口電極板は、前記平行板電極から電気的に分離され、コントローラおよび発電機は、RF集束電位および/またはDC電位を印加するために前記少なくとも1つの入口電極板に接続される、請求項1に記載の微分移動度装置。
  6. 前記平行板電極から下流に位置付けられる真空源をさらに備える、請求項1に記載の微分移動度装置。
  7. 前記筐体は、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、前記カーテンチャンバは、カーテンガスを前記カーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、前記カーテンチャンバの中の前記カーテンガスは、前記ドリフトガス供給になり、前記カーテンチャンバは、イオンがそれを通って流動することを可能にする少なくとも1つの開口を有する、請求項1に記載の微分移動度装置。
  8. 前記開口は、円形またはスリット形状のいずれか一方である、請求項1に記載の微分移動度装置。
  9. 前記少なくとも1つの入口電極板は、2つの入口電極板を含み、前記2つの入口電極板は、前記入口に密閉して係合され、前記2つの入口電極板のそれぞれは、前記平行板電極から電気的に絶縁され、前記2つの入口電極板のそれぞれは、相互から電気的に絶縁され、前記2つの入口電極板のそれぞれは、RF集束電場を生成するためのRF源およびコントローラに接続される、請求項1に記載の微分移動度装置。
  10. 微分移動度デバイスの中のイオンを分析する方法であって、前記デバイスは、電場を生成する2つの平行板電極を有し、前記方法は、
    イオンをドリフトガスに導入し、前記微分移動度デバイスの入口に向かって前記ドリフトガスを指向することと、
    前記ドリフトガスが前記微分移動度デバイスに進入するにつれて、前記ドリフトガスを加速させ、いったん前記ドリフトガスが前記微分移動度デバイスに進入すると、前記ドリフトガスを減速させることと、
    前記微分移動度デバイスを使用して、前記イオンに微分移動度分離を行うことと、
    前記イオンを検出することと
    を含
    前記ドリフトガスの前記加速は、前記ドリフトガスが前記微分移動度デバイスの前記入口を通って流動する以外のガスの流入または流出を防止するように前記平行板の面に密閉して係合される1つ以上の入口電極板内に画定される開口に前記ドリフトガスを通過させることを含み、前記ドリフトガスの前記減速は、前記開口から退出するときの前記ドリフトガスの膨張によって行われ、前記開口の断面は、前記微分移動度デバイスの前記入口の断面より小さい、方法。
  11. 前記ドリフトガスの前記加速はまた、前記2つの平行板電極から下流に吸引を印加することも含み、前記吸引は、真空源によって提供される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記微分移動度デバイスは、DC電圧のみで動作する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記微分移動度デバイスは、カーテンチャンバを画定するカーテン板によって囲繞され、前記カーテンチャンバは、カーテンガスを前記カーテンチャンバに提供するカーテンガス供給と流体連通し、前記カーテンガスは、前記微分移動度デバイスに流入する前記ドリフトガスになり、前記カーテン板は、イオンがそれを通って流動することを可能にする少なくとも1つの開口を有する、請求項10に記載の方法。
  14. RF集束電位は、前記イオンの集束のために前記1つ以上の入口電極板に印加される、請求項10に記載の方法。
  15. イオンを生成するためのイオン化源と、
    少なくとも1つのカーテン板によって画定されるカーテンチャンバであって、前記カーテン板は、カーテン板開口を含有し、前記カーテン板開口を通って前記イオンが流動するカーテンチャンバと、
    前記カーテンチャンバと流体連通しているカーテンガス供給と、
    前記カーテンチャンバ内に配置される筐体であって、前記筐体は、開口部および出口を有し、前記開口部と出口との間の容積は、イオン経路を画定し、前記イオン経路は、前記カーテン板開口と略一致し、前記開口部は、前記カーテンチャンバと流体連通し、前記カーテンガス供給は、前記開口部から前記出口まで流動するガスを供給する、筐体と、
    前記筐体内に配置され、反対に配向され、前記イオン経路の両側で固定距離によって相互から分離される少なくとも2つの平行板電極と、
    移動度特性に基づいてイオンの選択された部分を通過するための電場を生成するように、RFおよびDC電圧を前記平行板電極のうちの少なくとも1つに提供するための電圧源およびコントローラと、
    前記ガスが前記開口部から前記出口まで流動する以外のガスの流入または流出を防止するように前記開口部に密閉して係合され、前記平行板電極から電気的に分離される少なくとも1つの入口電極板であって、前記少なくとも1つの入口電極板は、前記筐体の中へのイオンおよび前記ガスの横断を可能にするための開口を有する、少なくとも1つの入口電極板
    を備え、
    前記開口の断面積は、前記イオン経路の断面積より小さい、微分移動度フィルタ装置システム。
  16. 前記入口電極は、アイリス絞りを備え前記アイリス絞りは、前記開口を画定し、前記開口部を通したガス流を変動させるように調節可能である請求項15に記載の微分移動度装置。
  17. 前記イオン経路の前記断面積は、前記平行板電極の間の距離×前記平行板電極の幅として定義される、請求項15に記載の装置。
  18. 前記装置は、DC電圧のみで動作する、請求項15に記載の装置。
  19. RFコントローラおよび発電機は、RF集束電位を印加するために前記入口電極板に接続される、請求項15に記載の装置。
  20. 前記2つの平行板電極から下流に接続される真空源であって、前記筐体の中へのおよび前記筐体を通したカーテンガス流を加速させるための真空源をさらに備える、請求項15に記載の装置。
  21. 前記出口に動作可能に連結される付加的デバイスをさらに備え、前記付加的デバイスは、質量分析計、ラマン分光計、微分移動度分光計、高電場非対称波形イオン移動度分光計、およびイオン移動度分光計デバイスから選択される、請求項1に記載の装置。
  22. 前記少なくとも1つの入口電極板は、2つの入口電極板を含み、前記2つの入口電極板は、前記入口に密閉して係合され、前記2つの入口電極板は、相互から電気的に絶縁され、前記入口電極板のうちの第1の入口電極板は、第1の切り抜き部分を画定し、前記入口電極板のうちの第2の入口電極板は、第2の切り抜き部分を画定し、前記第1および第2の切り抜き部分は、前記開口を形成するように協働する、請求項1に記載の装置。
  23. RF集束電位は、前記第1の入口電極板から前記第2の入口電極板まで印加される、請求項22に記載の装置。
JP2016543670A 2013-12-31 2014-11-18 微分移動度分光計のための噴射注入器入口 Active JP6549130B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361922275P 2013-12-31 2013-12-31
US61/922,275 2013-12-31
US201461935741P 2014-02-04 2014-02-04
US61/935,741 2014-02-04
PCT/IB2014/002517 WO2015101817A1 (en) 2013-12-31 2014-11-18 Jet injector inlet for a differential mobility spectrometer

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017503171A JP2017503171A (ja) 2017-01-26
JP6549130B2 true JP6549130B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=53493324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016543670A Active JP6549130B2 (ja) 2013-12-31 2014-11-18 微分移動度分光計のための噴射注入器入口

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9835588B2 (ja)
EP (1) EP3089812B1 (ja)
JP (1) JP6549130B2 (ja)
CN (1) CN105916571B (ja)
CA (1) CA2932661A1 (ja)
WO (1) WO2015101817A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11424114B2 (en) 2017-11-28 2022-08-23 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Predicting molecular collision cross-section using differential mobility spectrometry
CN109065435A (zh) * 2018-08-28 2018-12-21 山东省分析测试中心 一种微电离喷雾离子源差分离子迁移谱及其应用方法
CN117120834A (zh) * 2021-03-23 2023-11-24 Dh科技发展私人贸易有限公司 传输气流量大于10升/分钟的差分迁移率谱仪/质谱仪接口
WO2023067447A1 (en) 2021-10-18 2023-04-27 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Methods and systems for simultaneously generating differential mobility spectrometry-ms and -ms/ms data
WO2023119062A1 (en) 2021-12-21 2023-06-29 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Method and systems for analyzing ions using differential mobility spectrometry and an ion guide comprising additional auxiliary electrodes

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4234791A (en) * 1978-11-13 1980-11-18 Research Corporation Tandem quadrupole mass spectrometer for selected ion fragmentation studies and low energy collision induced dissociator therefor
US6229143B1 (en) 2000-09-07 2001-05-08 Saes Getters S.P.A. Ion mobility spectrometer with improved drift region and method for making same
US6586732B2 (en) * 2001-02-20 2003-07-01 Brigham Young University Atmospheric pressure ionization ion mobility spectrometry
JP2005108578A (ja) 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Ltd 質量分析装置
US6967325B2 (en) * 2003-10-30 2005-11-22 Battelle Memorial Institute High performance ion mobility spectrometry using hourglass electrodynamic funnel and internal ion funnel
CA2468586A1 (en) * 2004-05-21 2005-11-25 National Research Council Of Canada Apparatus for ion desolvation in faims
US7476852B2 (en) 2005-05-17 2009-01-13 Honeywell International Inc. Ionization-based detection
PL1971855T3 (pl) * 2006-01-10 2018-10-31 Smiths Detection-Watford Limited Urządzenie i sposób selekcji jonów
GB0620748D0 (en) * 2006-10-19 2006-11-29 Smiths Group Plc Spectrometer apparatus
US20090283674A1 (en) * 2006-11-07 2009-11-19 Reinhold Pesch Efficient Atmospheric Pressure Interface for Mass Spectrometers and Method
US7491930B2 (en) * 2006-12-29 2009-02-17 Battelle Memorial Institute Hooked differential mobility spectrometry apparatus and method therefore
JP4862738B2 (ja) * 2007-05-08 2012-01-25 株式会社日立製作所 イオン移動度分析装置およびイオン移動度分離/質量分析複合装置
WO2009031179A1 (ja) * 2007-09-04 2009-03-12 Shimadzu Corporation 質量分析装置
US7858927B2 (en) * 2007-11-23 2010-12-28 Dh Technologies Development Pte, Ltd. Apparatus and method for operating a differential mobility analyzer with a mass spectrometer
EP2266130A1 (en) * 2008-04-02 2010-12-29 Sociedad Europea De Analisis Diferencial De Movilidad S.L. The use ion guides with electrodes of small dimensions to concentrate small charged species in a gas at relatively high pressure
US8084736B2 (en) * 2008-05-30 2011-12-27 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc. Method and system for vacuum driven differential mobility spectrometer/mass spectrometer interface with adjustable resolution and selectivity
US20100282966A1 (en) * 2008-05-30 2010-11-11 DH Technologies Development Pte Ltd. Method and system for vacuum driven mass spectrometer interface with adjustable resolution and selectivity
US8258470B2 (en) * 2008-12-15 2012-09-04 Edward W Sheehan Radio frequency lens for introducing ions into a quadrupole mass analyzer
GB0907619D0 (en) * 2009-05-01 2009-06-10 Shimadzu Res Lab Europe Ltd Ion analysis apparatus and method of use
US20110139972A1 (en) * 2009-12-11 2011-06-16 Mark Hardman Methods and Apparatus for Providing FAIMS Waveforms Using Solid-State Switching Devices
WO2011094529A2 (en) 2010-01-28 2011-08-04 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc. Mass analysis system with low pressure differential mobility spectrometer
GB201007210D0 (en) * 2010-04-30 2010-06-16 Verenchikov Anatoly Time-of-flight mass spectrometer with improved duty cycle
JP5582190B2 (ja) 2010-05-28 2014-09-03 三菱電機株式会社 ロギング装置、ロギングシステム、及びロギング装置の制御方法
JP5881187B2 (ja) * 2010-09-27 2016-03-09 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド 質量分析システムに二重カーテンガスを提供する方法およびシステム
GB2508574B (en) * 2012-06-24 2014-12-17 Fasmatech Science And Technology Sa Improvements in and relating to the control of ions

Also Published As

Publication number Publication date
EP3089812A4 (en) 2017-09-06
EP3089812B1 (en) 2024-01-10
US20160334369A1 (en) 2016-11-17
CN105916571B (zh) 2018-08-03
WO2015101817A1 (en) 2015-07-09
CA2932661A1 (en) 2015-07-09
CN105916571A (zh) 2016-08-31
EP3089812A1 (en) 2016-11-09
JP2017503171A (ja) 2017-01-26
US9835588B2 (en) 2017-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11133162B2 (en) IRMS sample introduction system and method
US6504149B2 (en) Apparatus and method for desolvating and focussing ions for introduction into a mass spectrometer
JP6549130B2 (ja) 微分移動度分光計のための噴射注入器入口
US7002146B2 (en) Ion sampling for APPI mass spectrometry
JP5652473B2 (ja) イオン分析装置及びその使用方法
US6621077B1 (en) Apparatus and method for atmospheric pressure-3-dimensional ion trapping
JP6091620B2 (ja) イオン化装置及び質量分析装置
JP6593548B2 (ja) 質量分析装置及びイオン検出装置
JP2017535040A (ja) 不要イオンを抑制するシステム及び方法
WO2016079780A1 (ja) イオン移動度分析装置
JP6746617B2 (ja) 延長された稼働寿命を有する質量フィルタ
US20200144045A1 (en) Double bend ion guides and devices using them
EP2808888B1 (en) Mass analysis device
JP2014533873A (ja) 質量分析計においてカーテンガス流動を適用するためのシステムおよび方法
JP2005259483A (ja) 質量分析装置
JP6969682B2 (ja) 質量分析装置
US20150380226A1 (en) Ionization chamber
CA2273322C (en) Apparatus and method for desolvating and focussing ions for introduction into a mass spectrometer
EP3627534B1 (en) Ion detection device and mass spectrometer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180704

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6549130

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250