JP6001302B2 - スポットめっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、端子、コネクタ等の電子部品を製造するために所定形状に打ち抜かれた長尺の金属条に貴金属をスポットめっきするスポットめっき装置に関するものである。
従来、端子、コネクタ等の電子部品を製造するために所定形状に打ち抜かれた長尺の金属条には、耐食性の向上、半田付け性の向上、接触抵抗の劣化防止を目的として、貴金属めっきが施される。めっきを施す貴金属としては、金が主として用いられているが、金が高価であることから、被めっき部の必要なエリアのみにめっきを施すスポットめっきが行われている(例えば、特許文献1参照)。
図10に、従来のスポットめっき装置1Aの一例を示す。本例にて、スポットめっき装置1Aは、樹脂製の支持体ドラム10と、めっき液噴出機構20と、を備えている。
スポットめっきを施す長尺の金属条3は、供給側装置(図示せず)から樹脂製の支持体ドラム10へと供給され、支持体ドラム10の入口側ガイドロール15aに案内されて支持体ドラム10の外周部の一部に巻回され、その後、支持体ドラム10の出口側ガイドロール15bに案内されて巻取側装置(図示せず)に巻き取られる。
金属条3は、図3に示すように、例えば電子機器の端子として使用される端子形状部材(被めっき部)が対称配置にて2列30A1、30A2にて打ち抜かれ、更に、本例では、上下に二組30A、30Bが配置されている。また、金属条3には、金属条3の長手方向(長尺方向)に沿って上下方向両端縁部及び中央部に所定間隔にてキャリア穴3(3a1、3b1;3a2、3b2)が穿設されており、図4に示すように、キャリア穴3a1、3b1がそれぞれ支持体ドラム10の外周面に設けられた突起部13(13a1、13b1)に係合する。
上記構成にて、図10に示すように、支持体ドラム10の外周部に沿って搬送される金属条3に、支持体ドラム10に形成されためっき孔16を介してめっき液噴出機構20からめっき液を供給することにより金属条3にスポットめっきが施される。
めっき孔16は、金属条3の表面にめっき液を接触させるために支持体ドラム10の表面に開口して設けられた透孔であり、金属条3に施すめっきの形状及び大きさに対応している。
更に、図10に示すように、金属条3を支持体ドラム表面に押圧するべく所定の張力で張架されたバックアップ部材としてのバックアップベルト41を備えた押圧機構40が設けられている。支持体ドラム10に巻回された金属条3は、外側方向からバックアップベルト41により押圧され、図10に示すように、例えば、中心角(θ)が45度程度となるような密着領域にて支持体ドラム10の外周面に密着するように構成されている。ベルト41は軟質性の材質、例えば塩化ビニル等が用いられている。
また、特許文献1に記載するように、本例では、図10に一点鎖線にて示すように、金属条3と接する側のベルト41には、金属条3とベルト41の間に入り込んだめっき液を逃がすために所定の間隔で幅方向に溝41aが設けられたものもある。これは、金属条3とベルト41の間にめっき液が入り込むとベルト41がスリップし易くなり、その際、金属条3も支持体ドラム10からズレてしまい正確なめっきができなくなってしまう。そこで、ベルト41の金属条3と接触する面に溝41aを設け間に入り込んだめっき液を溝41aに沿って逃がすことによりベルト41のスリップを防止するためである。
特開2006−283127号公報
しかしながら、本発明者の研究実験の結果によると、図10に示す上記構成のスポットめっき装置1Aでは、金属条3の外面がバックアップベルト41にて被覆された状態となっているためにめっき液が金属条3の裏面側へと抜けることができず、めっき液が滞留して、所謂、「めっき抜け」が生じた。
尚、上述したように、特許文献1に記載するように、金属条3と接する側のベルト41に金属条3とベルト41の間に入り込んだめっき液を逃がすために所定の間隔で幅方向に溝41aを設けた構成では、「めっき抜け」を大幅に改善することはできなかった。
そこで、図11に示すように、金属条3と支持体ドラム10との滑りをなくすためにバックアップベルト41を中央部のキャリア穴部分3a2、3b2(図3(a)参照)のみに配置して支持体ドラム10に押圧し、被めっき部30(30A、30B)は被覆しない方法を試みた。
この方法では、めっき液は金属条3の裏面側へと抜け、めっき液の滞留はなく、「めっき抜け」は大幅に改善することができた。しかし、図12に示すように、キャリア穴領域は支持体ドラム10に密着して保持されているが、端子形状部30は、一点鎖線にて示すように、支持体ドラム表面から浮き上がり、端子形状部と支持体ドラム表面との間に空間部(v)が形成される。
つまり、この構成では、中央部のキャリア穴部分のみを支持体ドラム10に押圧するため、めっき液は金属条3の裏面側へと抜けるものの、ベルト41により押圧されていない端子形状部30においては、端子形状部30と支持体ドラム表面との間に空間部(v)が形成されるために所定領域以外へのめっき液の回り込みが生じ、端子形状部30が支持体ドラム表面から浮き上がった分「にじみ」が発生することが分かった。
そこで、本発明者は、金属条の少なくとも被めっき部を支持体ドラムの外周部に押圧して密着させるために、支持体ドラムに巻回された金属条の外周部の少なくとも一部に巻回され、金属条と共に支持体ドラムの回転方向に移動するバックアップ部材を作製して実験を行った。
多くの研究実験の結果、めっき抜け、にじみを抑制するには、開口部とめっき孔との開口サイズの関係と共に、開口部とめっき孔との位置関係が重要であり、特に、開口部の孔径をめっき孔の孔径より大とし、開口部とめっき孔との位置ズレ量を一定の範囲に規定することによりめっき抜け、にじみを飛躍的に改善し得ることを見出した。
そこで、本発明の目的は、電子製品の例えば端子或いはコネクタの形状とされる所定形状に打ち抜かれた長尺の金属条におけるスポットめっきにおいて、密着性能を保持したまま、めっき液が滞留せず、「めっき抜け」及び「にじみ」の問題を解決し、安定した高品質のスポットめっきを可能とするスポットめっき装置を提供することである。
上記目的は本発明に係るスポットめっき装置にて達成される。要約すれば、本発明は、所定形状の被めっき部が長尺方向に繰り返し形成された長尺の金属条を支持体ドラムの外周部の一部に沿って巻回して前記支持体ドラムと共に回転移動させ、前記金属条の被めっき部の所定のめっきエリアに対して、前記支持体ドラムに形成しためっき孔を介して前記支持体ドラムの内部からめっき液を供給することにより前記金属条の被めっき部の所定のめっきエリアにスポットめっきするスポットめっき装置において、
前記金属条の少なくとも前記被めっき部を前記支持体ドラムの外周部に押圧して密着させるために、前記支持体ドラムに巻回された前記金属条の外周部の少なくとも一部に巻回され、前記金属条と共に前記支持体ドラムの回転方向に移動するバックアップ部材を備えており、
前記バックアップ部材は、前記支持体ドラムのめっき孔に対応してめっき液抜け用の開口部が形成され、前記開口部は、前記開口部の内周面は、前記めっき孔の内周面を内包する大きさとされ、
前記バックアップ部材の前記開口部と前記支持体ドラムの前記めっき孔とのずれ量(△D)は、
前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面とが最も近接した位置での前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面との間の距離をDminとし、前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面とが最も離間した位置での前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面との間の距離をDmaxとしたとき、Dmin≦△D≦Dmaxであり、
Dmin=0
Dmax=0.4mm
であり、
前記バックアップ部材の前記開口部及び前記支持体ドラムの前記めっき孔は、円形とされ、
前記開口部の孔径をDb、前記めっき孔の孔径をDdとしたとき、
(Dd+0.2)mm≦Db≦(Dd+0.4)mm
前記バックアップ部材の厚みは、前記開口部の孔径の3倍未満とする、
ことを特徴とするスポットめっき装置である。
本発明の一実施態様によれば、前記バックアップ部材は、複数の支持ローラに張設巻回されて循環移動する無端ベルトである。
本発明の他の実施態様によれば、前記バックアップ部材は、PEEK樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アラミド樹脂、ポリアリレート樹脂、PBO樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、又は、ポリイミド樹脂で作製された樹脂シートである。
本発明の他の実施態様によれば、前記めっき孔は、最大径が1〜5mmである。
本発明の他の実施態様によれば、前記バックアップ部材は、厚みが0.5〜2.0mmである。
本発明によれば、電子製品の例えば端子或いはコネクタの形状とされる所定形状に打ち抜かれた長尺の金属条におけるスポットめっきにおいて、密着性能を保持したまま、めっき液が滞留せず、「めっき抜け」及び「にじみ」の問題を解決し、安定した高品質のスポットめっきを可能とする。
本発明に係るスポットめっき装置及びスポットめっき装置用バックアップ部材の一実施例の概略構成を示す斜視図である。 スポットめっき装置の縦断面図である。 図3(a)は金属条の一実施例の平面図であり、図3(b)は金属条の被めっき部の拡大図である。 支持体ドラムの一実施例の斜視図である。 金属条の被めっき部と支持体ドラムのめっき孔との位置関係を示す図である。 支持体ドラムのめっき孔と、金属条の被めっき部と、バックアップベルトの開口部との関係を説明する図である。 支持体ドラムのめっき孔と、金属条の被めっき部と、バックアップベルトの開口部との関係を説明する図である。 支持体ドラムのめっき孔と、バックアップベルトの開口部との位置関係を説明する図である。 支持体ドラムのめっき孔と、バックアップベルトの開口部の形状を説明する図である。 従来のスポットめっき装置の概略構成を示す斜視図である。 従来のスポットめっき装置の概略構成を示す斜視図である。 従来のスポットめっき装置の問題を説明するための図である。
以下、本発明に係るスポットめっき装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1、図2に、本発明に係るスポットめっき装置1の一実施例の概略全体構成を示す。本実施例にて、スポットめっき装置1は、図3(a)、(b)に示すように、所定形状の被めっき部30が長尺方向に繰り返し打ち抜かれて形成された金属条3の所定の位置(めっきエリア)31m、32m、33mに、例えば金めっきを施す装置として説明するが、これに限定されるものではない。
(めっき装置の全体構成)
図1〜図3を参照すると、本実施例のスポットめっき装置1は、従来の装置と同様に、支持体ドラム10と、めっき液噴出機構20と、めっき液が溜められためっき槽5と、を備えている。
スポットめっきを施す長尺の金属条3は、供給側装置(図示せず)から支持体ドラム10へと供給され、支持体ドラム10の入口側ガイドロール15aに案内されて支持体ドラム10の外周部の少なくとも一部に巻回され、その後、支持体ドラム10の出口側ガイドロール15bに案内されて巻取側装置130に巻き取られる。
金属条3は、その表面にスポットめっきが施される細長い帯状の長尺金属製部材であり、銅合金、ステンレス等の金属製材料から形成されている。通常、金属条3は、長尺方向に直交する幅が10.0 〜50.0 mm、厚さが0.1 〜0.5 mmの帯状体とされる。
本実施例で使用する金属条3は、図3(a)、(b)に示すように、例えば電子機器の端子として使用される端子形状部材(被めっき部)30が対称配置により2列30A1、30A2にて金属条の長尺方向に沿って繰り返して打ち抜かれ、更に、本実施例においては、上下に二組30A、30Bが配置されて形成されている。また、金属条3には、金属条3の長手方向に沿って所定間隔Pにてキャリア穴3(3a1、3a2;3b1、3b2)が穿設されており、本実施例では、キャリア穴3a1、3b1が、それぞれ、図4に示す支持体ドラム10の外周面に所定間隔Pにて設けられた突起部(以下、「ガイドピン」という。)13(13a1、13b1)に係合する。なお、キャリア穴3a2、3b2は、金属条3のプレス成形時に使用される穴である。
本実施例にて、被めっき部30は、図3(b)に示すように、コ字状に形成された端子片31、32と、端子片31、32の連結部33aより突出した突片33とを備えている。また、被めっき部30のめっきエリアは、図3(b)にてハッチングを付して示す端子片31、32、及び突片33の外方先端部31m、32m、33mとされる。これら端部めっき部は、電子部品端子とされたときのリード部、接点部を構成することとなる。
なお、本実施例では、具体的寸法としては、金属条3の長手方向の被めっき部30の最大長さL1が22mm、端子片31、32の長さL2が略20mm、被めっき部30の幅方向長さHが10mmとされた。しかし、この寸法に限定されるものではなく、更に、小さな、例えば、上記寸法の10分の1程度にまで小さくされた寸法の被めっき部30であっても良い。
また、金属条3は、図示しない電極と接続されて陰極とされる。
(支持体ドラム)
支持体ドラム10は、上述のように、その外周部に金属条3を密着させた状態で巻回して支持する。支持体ドラム10用の材料に対しては、低熱膨張性、耐食性、電気絶縁性、適度な強度、軽重量化、が要求される。支持体ドラム10の材質として樹脂、例えば、PPSなどを使用し得る。
支持体ドラム10は、図1、図2を参照すると理解されるように、外周面が円筒形とされ、中心部に軸受け部12が設けられている。また、支持体ドラム10の外周部両側縁部には鍔部11が形成されている。
支持体ドラム10は、この軸受け部12を、めっき装置本体100に固定された支持軸101に嵌合することにより、めっき装置本体100に対して回転自在に担持される。
支持体ドラム10は、図4に図示するように、外周面には円周方向に沿って複数のガイドピン13(13a1、13b1)、及び、円周方向に2列にて、複数のめっき孔16(16a1、16b1、16c1、16a2、16b2、16c2)が設けられている。ガイドピン13(13a1、13b1)は、支持体ドラム10の幅方向両側部に円周方向に沿って所定間隔Pにて形成されており、金属条3に設けられたキャリア穴3(3a1、3b1)と嵌合して金属条3を支持体ドラム表面の所定の位置に正確に定着させると共に、金属条3が巻取側装置130により巻き取られることにより、支持体ドラム10を回転させる。
更に、ガイドピン13(13a1、13b1)は、金属条3を支持体ドラム10に押圧する押圧機構40を構成するバックアップ部材41に設けられたキャリア穴44a1、44b1(図1、図7参照)とも係合し、支持体ドラム10とバックアップ部材41とを同期をとって回転する機能をもなす。
支持体ドラム10のめっき孔16は、金属条3の表面にめっき液を接触させるために支持体ドラム10の表面に開口して設けられた透孔であり、図3(b)、図5に示すように、金属条3の端子形状部材(被めっき部)30(30A、30B)のめっきエリア31m(31m1、31m2)、32m(32m1、32m2)、33m(33m1、33m2)の形状及び大きさに対応している。
本実施例では、めっき孔16は、図4、図5に示すように、端子の形状に合わせて支持体ドラム10の周方向に、二つの円形の透孔16c(16c1、16c2)と、この透孔16cから、支持体ドラム10の回転方向下流側に形成された四つの円形の透孔16a(16a1、16a2)、16b(16b1、16b2)との、六つの透孔から成る一組の透孔16a1、16b1、16c1;16a2、16b2、16c2が、金属条3の端子形状部30のめっきエリア31m、32m、33mに対応して、即ち、めっきエリア31m(31m1、31m2)、32m(32m1、32m2)、33m(33m1、33m2)に対応して、支持体ドラム10の円周方向に所定の間隔にて繰り返し形成されている。
図3(a)、(b)、図5に示すように、支持体ドラム10に形成した各組の透孔16a1、16b1、16c1;16a2、16b2、16c2にて、二つの円形透孔16c1、16c2は、第1列と第2列30A1、30A2の端子形状部30の端部めっき部33m1、33m2に対応しており、また、他の四つの円形透孔16a1、16b1及び16a2、16b2は、それぞれ、第1列30A1の二つの端部めっき部31m1、32m1及び第2列30A2の二つの端部めっき部31m2、32m2にそれぞれ対応している。従って、二つの円形透孔16c1、16c2から噴出されるめっき液で、第1列と第2列30A1、30A2の端子形状部の端部めっき部33m1、33m2がめっきされ、他の四つの円形透孔16a1、16b1及び16a2、16b2から噴出されるめっき液で、第1列の二つの端部めっき部31m1、32m1、及び、第2列の二つの端部めっき部31m2、32m2がめっきされることになる。
(めっき液噴出機構)
次に、図1、図2を参照して、めっき液噴出機構20について説明する。
本実施例によれば、めっき液噴出機構20は、支持体ドラム10の内側に配置される。めっき液噴出機構20は、支持体ドラム10の外周壁面へ向かってめっき液を噴出させ、支持体ドラム10のめっき孔16を介してめっき液を金属条3の表面に接触させると共に、噴出されためっき液に電流を供給する電極の役割をなす。
めっき液噴出機構20は、図1に概略示すように、半円形状の箱体とされるめっき液噴出タンク21にめっき液が供給管22により供給される。めっき液は、図2に示すように、めっき液噴出タンク21の、支持体ドラム10に対向した半円形の射出板23に形成した噴出口(ノズル)24から、即ち、支持体ドラム10の内部から支持体ドラム10のめっき孔16を通って金属条3の被めっき部30のスポット部(めっきエリア)31m(31m1、31m2)、32m(32m1、32m2)、33m(33m1、33m2)に噴射される。また、射出板23は、導電可能な金属製材料で形成され、電極(アノード)として機能する。
(押圧機構)
スポットめっき装置1は、押圧機構40を有している。この押圧機構40は、支持体ドラム10の外周部の一部に巻回された金属条3を外側方向から押圧して、金属条3を支持体ドラム10に押圧するバックアップ部材41を備えている。バックアップ部材41は、本実施例では、支持体ドラム10に巻回された金属条3の円周部の少なくとも一部に対して押圧するように、所定の張力で張架されたベルト状のバックアップ部材、即ち、バックアップベルト41とされる。これにより、金属条3は、支持体ドラム10に密着させられる。また、この金属条3が支持体ドラム10に密着される領域は、支持体ドラム10の中心角(θ)にて約45度程度とされる。また、この密着領域に対してめっき液が噴射される。なお、バックアップベルト41については後で更に説明する。
図1に示すように、本実施例では、押圧機構40は支持体ドラム10と同一水平面内に位置し、支持体ドラム10側により近接した所定位置に配置された複数の支持ローラ、即ち、第1ローラ組42a、42a、及び、第1ローラ組42a、42aから所定の距離離間して支持体ドラム10とは反対側に配置された第2ローラ組42b、42bを備えている。バックアップベルト41は、第1、第2ローラ組42a、42a;42b、42bを巻回して取り付けられている。第1ローラ組42a、42aは、各ローラ42a、42aが支持体ドラム10の両側部に位置するようにして配置されており、また、支持体ドラム10に対して離接して水平方向に移動可能とされる。第1ローラ組42a、42aは、金属条3を支持体ドラム10に巻回して取り付けるときは、バックアップベルト41を支持体ドラム10から離間させるために図1にて左側へと移動し、金属条3を支持体ドラム表面へと押圧するときには図1にて右側へ移動してドラム本体外周面に密着させる。また、バックアップベルト41の張力を調整するために図1にて水平方向左右方向に移動可能なプーリ43が設けられている。
(バックアップ部材)
次に、バックアップ部材としてのバックアップベルト41について説明する。
本発明にて、バックアップベルト41は、金属条3の少なくとも所定形状部、即ち、被めっき部30を支持体ドラム10の外周表面に密着するために、金属条3の被めっき部30を支持体ドラム10の外周部に押圧する。そのために、バックアップベルト41は、支持体ドラム10に巻回された金属条3の外周部の少なくとも一部に巻回され、金属条3と共に支持体ドラム10の回転方向に回転移動する構成とされる。
本実施例にて、バックアップベルト41は、上述のように、複数の支持ローラ42a、42b、及び、プーリ43などに張設巻回されて循環移動する無端ベルトとされるが、勿論、ベルト張設構造は、この構成に限定されるものではない。
本実施例では、バックアップベルト41は、図7(b)に示すように、バックアップベルト41の幅方向両側部に長手方向に沿って所定間隔Pにてキャリア穴44(44a1、44b1)が穿設されており、それぞれ、図4に示す支持体ドラム10の外周面に設けられたガイドピン13(13a1、13b1)に係合する。従って、バックアップベルト41は、支持体ドラム10の回転と共に、即ち、同期して回転し、支持体ドラム10との間に相対運動は発生しない。
バックアップベルト41は、図1に示すように、支持体ドラム10の外周部の少なくとも一部に巻回されて支持体ドラム10と共に回転している金属条3の2列の被めっき部30(30A、30B)を支持体ドラム表面へと押し付けている。勿論、本実施例のように、金属条3が2列とされる上下二組の被めっき部30A、30Bを備えている場合には、分離された二本のバックアップベルト41にて各列毎に所定形状部30A、30Bを押圧する構成としても良い。
本発明によれば、バックアップベルト41は、金属条3を支持体ドラム10の円筒状表面へと押圧して密着させるに十分な可撓性、柔軟性を有しているシート材にて作製される。また、バックアップベルト41は、支持体ドラム10に巻回されて支持体ドラムと共に回転されるとき、図7(b)に示すように、支持体ドラム10に形成されためっき孔16に対応するように、めっき液抜け孔(開口部)46が形成される。
つまり、バックアップベルト41に形成された開口部46は、めっき孔16から金属条3へと噴射されためっき液を支持体ドラム10から外方へと逃出させるためのめっき抜け孔(透孔)であり、上述のように、支持体ドラム10に形成されためっき孔16に対応しており、当然に、金属条3に施す端子形状部材(被めっき部)30のめっきエリア31m(31m1、31m2)、32m(32m1、32m2)、33m(33m1、33m2)の形状及び大きさに対応している。
更に説明すると、上述したように、支持体ドラム10には、支持体ドラム10の周方向に、二つの円形の透孔16c(16c1、16c2)と、この透孔16cから、支持体ドラム10の回転方向下流側に形成された四つの円形の透孔16a(16a1、16a2)、16b(16b1、16b2)との、六つの透孔から成る一組の透孔16a1、16b1、16c1;16a2、16b2、16c2が、連続して所定の間隔にて周方向に繰り返して形成されている。
本実施例では、バックアップベルト41の開口部46は、図7(b)に示すように、支持体ドラム10の外周面に所定の間隔にて形成される六つの透孔から成る透孔16a1、16b1、16c1;16a2、16b2、16c2に対応して、バックアップベルト41の長手方向に所定の間隔にて繰り返して形成されている。
つまり、バックアップベルト41には、支持体ドラム10の二つの透孔16c(16c1、16c2)に対応して、開口部(円形の透孔)46c(46c1、46c2)が形成され、更に、透孔16cから、支持体ドラム10の回転方向下流側に形成された四つの円形の透孔16a(16a1、16a2)、16b(16b1、16b2)に対応して、開口部(円形の透孔)46a(46a1、46a2)、46b(46b1、46b2)が形成されている。
図6(a)〜(d)を参照して、上述のように構成される支持体ドラム10、金属条3(被めっき部30)及びバックアップベルト41の配置関係を説明する。
図6(a)に示すように、金属条3の被めっき部30は、めっき部31m、32m、33mを備えており、支持体ドラム10には、このめっき部31m、32m、33mに対応してめっき孔16a、16b、16cが形成されている。従って、支持体ドラム10に金属条3が巻回され時は、図6(b)に示すように、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16cは、金属条30のめっき部31m、32m、33mに対応している。
ここで、金属条3を支持体ドラム10に押圧するために、バックアップベルト41が金属条3を支持体ドラム10に押圧した状態では、図6(c)、(d)に示すように、バックアップベルトの開口部、即ち、めっき液抜け孔46a、46b、46cが、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16c及び金属条30のめっき部31m、32m、33mに対応して配置される。
本発明によれば、バックアップベルト41の開口部、即ち、めっき液抜け孔46a、46b、46cの孔径(Db)は、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16cの孔径(Dd)よりも大とされる。以下に詳しく説明する。
本実施例にて、バックアップベルトの開口部(めっき液抜け孔)46a、46b、46c、及び、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16cは、円形の孔とされ、めっき孔16の孔径(直径Dd)は、最大径1〜5mm、最小径は0.2〜0.4mmとされる。好ましくは、直径Ddの最大径は、3mmより小さくされ、更に好ましくは、1mmより小さくされる。通常、めっき孔16の孔径(Dd)は、0.5〜0.8mmとされる。
めっき孔16及びめっき液抜け孔(開口部)46は、円形孔に限定されるものではなく、図9(a)〜(n)に示されるように、円形の他に、楕円形、平行四辺形、正方形、長方形、台形、角丸四角形、三角形、多角形(五角形、六角形、八角形など)、十字形、ひし形、又は、ドーム形、などとされる。円形以外の形状とされる場合に、最大径及び最小径とは、それぞれ、円形以外の孔形状の内周面の「最大差し渡し長さ(φ1)」及び「最小差し渡し長さ(φ2)」を意味するものとする。
尚、本実施例では、上述のように、めっき孔16及びめっき液抜け孔46は円形透孔であるとして説明する。
本発明では、バックアップ部材として軟質性のベルト41を使用することにより、金属条3の被めっき部30を支持体ドラム表面に密着して押圧することができ、しかも、バックアップベルト41には、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16cと対応して、めっき孔16より大径とされるめっき液抜け孔46a、46b、46cが形成される。従って、支持体ドラム10側から金属条3へと噴射されためっき液を、ベルト41に形成されためっき液抜け孔(開口部)46を通して外方へと、即ち、金属条3と接触していないベルト外面側へと噴射方向に逃すことができる。
従って、本発明によれば、従来の問題点である、金属条所定形状部(被めっき部)30と支持体ドラム表面との密着性が悪いことによりめっき液が金属条3の被めっき部30のめっきエリア以外へと回り込み、所謂、「にじみ」を生じるといった問題を回避することができる。更に、めっき液が、金属条3を押圧しているベルト41の外方へと抜けないことにより生じるめっき液の滞留が原因とされる「めっき抜け(無めっき)」の問題をも防止することができる。
また、本発明にて、バックアップベルト41の開口部46の開口サイズ(孔径Db)と厚さ(T)との関係、及び、めっき液抜け孔46の孔径(Db)とめっき孔16の孔径(Dd)との関係は、重要である。
バックアップベルト41は、めっき液が付着するものであり耐酸性を有すること、及び、軟質性(可撓性、柔軟性)を有することが要求される。例えば、厚さ(T)が0.5〜2.0mm、好ましくは、0.5〜1.0mmとされる樹脂シートを使用することができる。樹脂シート材としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アラミド樹脂、ポリアリレート樹脂、PBO樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、などとされる。このような樹脂シートにレーザ加工により多数の孔46を形成したものとされる。
次に、バックアップ部材、即ち、バックアップベルト41の孔46の開口サイズ(Db)及びバックアップベルト41の厚さ(T)と、めっき孔16の開口サイズ(Dd)及びバックアップベルト41の開口サイズ(Db)との関係について説明する。
本発明者は、以下に説明するめっき装置を使用して、多くの実験を行い、バックアップ部材(バックアップベルト)41の開口部46の開口サイズ(Db)と厚さ(T)との関係、バックアップベルト41の開口部46の孔径(Db)とめっき孔16の孔径(Dd)との関係について検討した。実験結果を表1に示す。
実験結果より得られた結論を最初に述べれば、次の通りである。
(1)バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)は、支持体ドラム10のめっき孔16のサイズ(Dd)より大とされ(即ち、Db>Dd)、特に、直径で0.2mm以上、1.0mm以下とする。即ち、
(Dd+0.2)mm≦Db≦(Dd+1.0)mm
バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)より直径で0.2mm以上の大きさとされない場合、めっき液抜けが悪くなり、めっき抜け(無めっき)が生じる。一方、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)より直径で1.0mmを超える大きさとされる場合、バックアップベルト41による金属条3の支持体ドラム10への押圧効果が低下し、にじみが発生する。
(2)バックアップベルト41の厚み(T)が、開口部46のサイズ(Db)の3倍以上となると、めっき液がバックアップベルト41を抜け難くなり、開口部46に滞留し、にじみ、無めっきが発生する。即ち、
T<3・Db
である。
Figure 0006001302
実験結果の考察
実験例1〜4は、本発明に従って構成された実施例であり、にじみ及び無めっきの発生がない。実験例5〜8は、比較例であり、にじみ及び/又は無めっきの発生がある。つまり、
(1)実験例1〜4は、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Db)より直径で0.2mm以上、1.0mm以下とされ、かつ、バックアップベルト41の厚み(T)が、開口部46のサイズ(Db)の3倍未満の厚さとされる。
実験例1〜4は、本発明に従って構成された実施例であり、にじみ及び無めっきの発生がない。
(2)実験例5は、バックアップベルト41の厚み(T)は、開口部46のサイズ(Db)の3倍未満の厚さとされているが、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)より直径で1.0mmを超えている。従って、無めっきは解決されるものの、にじみが生じた。
(3)実験例6は、バックアップベルト41の厚み(T)は、開口部46のサイズ(Db)の3倍未満の厚さとされているが、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)と同じとされている。従って、にじみは解決されるものの、無めっきが発生した。
(4)実験例7は、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)は、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)より0.2mmだけ大とされているが、バックアップベルト41の厚み(T)が開口部46のサイズ(Db)の3倍とされている。従って、にじみは解決されるものの、無めっきが発生した。
(5)実験例8は、バックアップベルト41の厚み(T)は、開口部46のサイズ(Db)の3倍以上の厚さとされており、且つ、バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)が、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)と同じとされている。従って、無めっきが発生した。
上述したように、本発明によれば、
(1)バックアップベルト41の開口部46のサイズ(Db)は、支持体ドラム10のめっき孔16の孔径(Dd)より直径で0.2mm以上、1.0mm以下とする。
(2)バックアップベルト41の厚み(T)は、開口部46のサイズ(Db)の3倍未満とする。
ことにより、「めっき抜け」がなくなり、また、「にじみ」が減少し、安定したスポットめっきを施すことが可能となった。
更に、本発明者は、多くの研究実験の結果、めっき抜け、にじみを抑制するには、バックアップベルト41開口部46と支持体ドラム10のめっき孔16との位置関係が重要であり、特に、上述したように、開口部46の孔径Dbをめっき孔16の孔径Ddより大とし、且つ、バックアップベルト41の厚さ(T)を孔径(Db)の3倍未満とした条件下において、開口部46とめっき孔16との位置ズレ量を一定の範囲に規定することによりめっき抜け、にじみを更に改善し得ることを見出した。以下、本発明の特徴部について説明する。
図8(a)〜(d)は、バックアップベルト41と支持体ドラム10が矢印方向に移動する際の、開口部46とめっき孔16との位置関係のずれを示す。図8(a)は、開口部46がめっき孔16に対して移動方向下流側に最もズレた状態を示しており、一方、図8(e)は、開口部46がめっき孔16に対して移動方向上流側に最もズレた状態を示している。
上述したように、本実施例によると開口部46の孔径Dbは、めっき孔16の孔径Ddより大とされる。即ち、
(Dd+0.2)mm≦Db≦(Dd+1.0)mm
である。
つまり、本実施例によれば、図6(d)の矢印A方向から見たとき、図8(c)に示すように、バックアップベルト41の開口部46の内周面46inは、支持体ドラム10のめっき孔16の内周面16inを内包する大きさとされる。逆に、開口部46の孔径Dbが、めっき孔16の孔径Ddより小とされると、即ち、Db<(Dd+0.2)mmであると、バックアップベルト41の開口部46がめっき孔16の内側に配置されることとなり、めっき液の抜けが悪く、無めっきが発生する。なお、バックアップベルト41の厚みは、開口部46の孔径(Db)の3倍未満とする。
ここで、バックアップベルトの開口部46の孔径(Db)、厚さ(T)、及び、めっき孔16の孔径Ddの関係を上記条件を満足する構成としたときにおいて、バックアップ部材(バックアップベルト)41の開口部46と、支持体ドラム10のめっき孔16とのズレ量(△D)と、めっき性能との関係について実験を行った。実験結果を表2に示す。
Figure 0006001302
実験結果の考察
本発明者の実験結果によると、表2から分かるように、バックアップベルト41の開口部46と、支持体ドラム10のめっき孔16とのずれ量(△D)は、開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとが最も近接した位置、即ち、図8(b)、(d)での開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとの間の距離をDminとし、開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとが最も離間した位置、即ち、図8(b)、(d)での開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとの間の距離をDmaxとしたとき、Dmin≦△D≦Dmaxであり、且つ、
Dmin=0
Dmax=0.4mm
とすることにより、めっき抜け、にじみを大幅に抑制し得ることが分かった。
実験例3〜5に示すように、図8(a)或いは図8(e)のように、めっき孔16の一部がバックアップベルト41にて塞がれるような状態に至ると、即ち、バックアップベルト41の開口部46が支持体ドラム10のめっき孔16の外側にズレると、にじみが発生する。
このとき、バックアップベルト41の開口部46及び支持体ドラム10のめっき孔16が円形とされた場合には、開口部46の孔径(Db)とめっき孔の孔径(Dd)とは、(Dd+0.2)mm≦Db≦(Dd+0.4)mm
とされることが必要である。また、バックアップベルト41の厚み(T)は、上述のように、開口部41の孔径(Db)の3倍未満とすることが必要である。
勿論、図8(f)に示すように、開口部41及びめっき孔16の形状が、図8(f)に示すように、非円形とされる場合にも、図6(d)の矢印A方向から見たとき、バックアップベルト41の開口部46の内周面46inは、支持体ドラム10のめっき孔16の内周面16inを内包する大きさとされる。また、バックアップベルト41の開口部46と支持体ドラム10のめっき孔16とのずれ量(△D)は、開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとが最も近接した位置での開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとの間の距離をDminとし、開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとが最も離間した位置での開口部46の内周面46inとめっき孔16の内周面16inとの間の距離をDmaxとしたとき、Dmin≦△D≦Dmaxであり、
Dmin=0
Dmax=0.4mm
とされる。
(めっき装置の作動説明)
先ず、本実験に使用しためっき装置1の作動態様、仕様について説明する。
図1にて、押圧機構40のバックアップベルト41が取り付けられた第1及び第2ローラ組42a、42a;42b、42bの中の、第1ローラ組42a、42aを左側方向に移動する。次いで、長尺の金属条3をガイドローラ15a、15bを介してドラム本体13に設けられたガイドピン13a1、13b1にキャリア穴3a1、3b1を嵌合させて支持体ドラム10に巻回し、金属条3の端部を巻取側装置130に係止する。この時、図6(a)、(b)及び図7(a)に示すように、金属条3は、金属条3のめっき部31m、32m、33mが、支持体ドラム10に形成しためっき孔16a、16b、16cの位置に一致するように調整して巻回する。
そして、第1ローラ組42a、42aを右側方向に移動させて、バックアップベルトのキャリア孔44a1、44b1を、ドラム本体13に設けられたガイドピン13a1、13b1に嵌合させて支持体ドラム10に巻回し、バックアップベルト41にて金属条3を外側方向から押圧し、支持体ドラム10表面に密着させる。この時、図6(b)、(c)に示すように、バックアップベルト41に形成した開口部(めっき抜け孔)46a、46b、46cが、金属条3のめっき部31m、32m、33m及び支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16cの位置に一致するように調整して巻回する。
上述のように、金属条3及びバックアップベルト41の支持体ドラム10に対する巻回が完了すると、めっき液を供給管22を介してめっき液タンク21に供給し、射出板21の開口24からめっき液を勢い良く噴出させる。そして、射出板21をプラスとし、金属条3をマイナスとして電流を通電する。このとき噴出されためっき液が金属条3と常に接触した状態となるのでめっき液を介して電流が流れ、めっき液中の金属イオンがめっき孔16から金属条3の表面に付着しめっきが行なわれる。噴出されためっき液は、バックアップベルト41のめっき液抜け孔46から外方へと逃出し、めっき槽5内に落下し再び供給ポンプ(図示せず)でめっき液噴出タンク21へ送られる。
金属条3は、図示しないモータにより駆動される巻取側装置130により順次巻き取られ回収される。この巻取側装置130の駆動により金属条3を介して支持体ドラム10及びバックアップベルト41も回転する。従って、金属条3の巻取り速度は、金属条3がドラム本体13の表面に接触している間にめっきが完了するような回転速度で行なわれる。
本実験例における上記装置でのスポットめっき条件は次の通りであった。
・支持体ドラム(10) 材質:PPS 直径:300mm
めっき孔(16a、16b、16c)の直径(Dd):表1、表2に記載の通り
・金属条(3) 材質:C5240R(リン青銅) 幅:20.8mm 厚さ:0.12mm
・バックアップベルト(41)
材質:表1、表2に記載の通り
開口部(46a、46b、46c)の直径(Db):表1、表2に記載の通り
厚さ(T):表1、表2に記載の通り
・液量 50L
・温度 60℃
・流量 20〜100L/min
・電流 0.3〜2.0A
・L/S(金属条の送り速度) 2.5〜15m/min
・Au(金めっき液)濃度 8g/L
上記実施例では、金属条3に金めっきを施すものとして説明したが、金めっきの他に銀めっき、ニッケルめっきなどにも同様に実施し得ることは当然である。
また、本実施例のスポットめっき装置1は、支持体ドラム10の回転軸101が垂直に配置された構成とされたが、回転軸101が水平となるように配置されたスポットめっき装置とすることもできる。斯かる構成のスポットめっき装置も上記実施例の場合と同様の作用効果を奏し得る。
上記実施例及び実験例では、支持体ドラム10のめっき孔16a、16b、16c及びバックアップベルト41の開口部(めっき液抜け孔)46a、46b、46cは、円形の孔であるとして説明し、そのサイズ(孔径)は、円形孔の直径であるとして説明した。
しかしながら、上述したように、めっき孔16及びめっき液抜け孔は、円形孔に限定されるものではなく、図9に示すような楕円形状、多角形状などの孔とすることもできる。
このような変更実施例においても、上記実施例と同様の作用効果を達成し得る。
1 スポットめっき装置
3 金属条
3a1、3a2、3b1、3b2 キャリア穴
10 支持体ドラム
13(13a1、13b1) 突起部(ガイドピン)
16(16a、16b、16c) 透孔(めっき孔)
20 めっき液噴出機構
21 射出板
30 所定形状部材(被めっき部)
31m、32m、33m めっきエリア
41 バックアップベルト(バックアップ部材)
46(46a、46b、46c) 開口部(めっき液抜け孔)
100 装置本体
101 回転支持軸
130 巻取側装置

Claims (5)

  1. 所定形状の被めっき部が長尺方向に繰り返し形成された長尺の金属条を支持体ドラムの外周部の一部に沿って巻回して前記支持体ドラムと共に回転移動させ、前記金属条の被めっき部の所定のめっきエリアに対して、前記支持体ドラムに形成しためっき孔を介して前記支持体ドラムの内部からめっき液を供給することにより前記金属条の被めっき部の所定のめっきエリアにスポットめっきするスポットめっき装置において、
    前記金属条の少なくとも前記被めっき部を前記支持体ドラムの外周部に押圧して密着させるために、前記支持体ドラムに巻回された前記金属条の外周部の少なくとも一部に巻回され、前記金属条と共に前記支持体ドラムの回転方向に移動するバックアップ部材を備えており、
    前記バックアップ部材は、前記支持体ドラムのめっき孔に対応してめっき液抜け用の開口部が形成され、前記開口部は、前記開口部の内周面は、前記めっき孔の内周面を内包する大きさとされ、
    前記バックアップ部材の前記開口部と前記支持体ドラムの前記めっき孔とのずれ量(△D)は、
    前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面とが最も近接した位置での前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面との間の距離をDminとし、前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面とが最も離間した位置での前記開口部の内周面と前記めっき孔の内周面との間の距離をDmaxとしたとき、Dmin≦△D≦Dmaxであり、
    Dmin=0
    Dmax=0.4mm
    であり、
    前記バックアップ部材の前記開口部及び前記支持体ドラムの前記めっき孔は、円形とされ、
    前記開口部の孔径をDb、前記めっき孔の孔径をDdとしたとき、
    (Dd+0.2)mm≦Db≦(Dd+0.4)mm
    前記バックアップ部材の厚みは、前記開口部の孔径の3倍未満とする、
    ことを特徴とするスポットめっき装置。
  2. 前記バックアップ部材は、複数の支持ローラに張設巻回されて循環移動する無端ベルトであることを特徴とする請求項1に記載のスポットめっき装置。
  3. 前記バックアップ部材は、PEEK樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アラミド樹脂、ポリアリレート樹脂、PBO樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、又は、ポリイミド樹脂で作製された樹脂シートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポットめっき装置。
  4. 前記めっき孔は、最大径が1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載のスポットめっき装置。
  5. 前記バックアップ部材は、厚みが0.5〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載のスポットめっき装置。
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