JP6001115B2 - ガバナロープ引き上げ治具 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ガバナロープ引き上げ治具に関する。
エレベータは、かごの昇降時における調速を目的としてガバナを備える。ガバナは、昇降路内をメインレールに沿って昇降するエレベータのかごが過速状態となると、エレベータを駆動するための電源を遮断し、かごの非常止め装置を作動させるものである。ガバナは、かごの非常止め装置に連結されるガバナロープと、フレームに回転自在に支持され、ガバナロープが巻き掛けられているガバナシーブと有しており、ガバナシーブに巻き掛けられたガバナロープが通過する貫通穴が形成されている床部に設置されている。ガバナの点検作業時には、ガバナシーブが自由に回転できるように、ガバナロープをガバナシーブに対して引き上げる。このとき、ガバナロープ引き上げ治具が用いられる。
特開2012−35993号公報
ガバナロープ引き上げ治具は、巻き掛けられているガバナロープをガバナシーブから離間する方向に引き上げるためのものであり、把持具によりガバナロープを把持した状態で、この把持具をガバナシーブ側に移動させるものである。つまり、ガバナロープ引き上げ治具は、ガバナシーブからガバナロープを離間させることができるまで、床部に対して把持具を移動させることとなる。従って、ガバナシーブと、ガバナが設置される床部との隙間が狭いと、この間にガバナロープ引き上げ治具を設置した状態において、把持具をガバナシーブ側に十分に移動させることができず、ガバナシーブからガバナロープを十分に離間させることができない可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、把持具をガバナシーブ側に十分に引き上げることができるガバナロープ引き上げ治具を提供することを目的とする。
実施形態のガバナロープ引き上げ治具は、基部に対して回転自在に設置されたガバナシーブに巻き掛けられたガバナロープをガバナシーブから引き上げるものであり、少なくとも1以上の雄ねじ部材と、第1プレートと、第2プレートと、ナットと、把持具と、を備える。第1プレートは、雄ねじ部材が螺合する雌ねじ穴と、基部とガバナシーブとの間に位置するガバナロープが通過する第1空間部とを有し、基部とガバナシーブとの間において基部に対して支持される。第2プレートは、第1プレートよりもガバナシーブ側に配置され、かつ、雄ねじ部材が移動自在に挿入される雄ねじ部材挿入穴と、第1空間部を通過するガバナロープが通過する第2空間部とを有する。ナットは、第1プレートと第2プレートとの間に配置された状態で、雄ねじ部材に螺合し、第2プレートを第1プレート側から支持する。把持具は、ガバナロープを把持し、ガバナロープを把持した状態で、第2プレートの第1プレート側と反対側の把持具載置面に載置される。雄ねじ部材の第1プレートに対する回転動作、あるいはナットの雄ねじ部材に対する回転動作の少なくともいずれかにより、第1プレートと第2プレートとの間隔を調整する。第1プレートは、第1空間部が形成される本体部と、雌ねじ穴が形成されるねじ穴形成部とを有し、本体部とねじ穴形成部との間は、段差が形成され、ねじ穴形成部は、本体部よりも、第2プレートと反対側に位置する。
図1は、実施形態に係るガバナの概略構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具の動作説明図(待機位置)を示す斜視図である。 図4は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(待機位置)を示す斜視図である。 図5は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具の動作説明図(引き上げ位置)を示す斜視図である。 図6は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)の変形例1を示す斜視図である。 図7は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)の変形例2を示す斜視図である。
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態は例示であり、発明の範囲がそれらに限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、下記の実施形態では、機械室に設けられるガバナに用いるガバナロープ引き上げ治具について説明するが、これに限定されるものではなく、昇降路内に設けられるガバナに用いることもできる。ここで、「高さ方向」とはガバナロープの引き上げ、引き下げ方向をいい、「幅方向」とは、高さ方向と直交し、第1および第2プレートの長手方向をいい、「奥行き方向」とは高さ方向および幅方向に直交する方向をいう。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るガバナの概略構成例を示す図である。なお、図1は、カバーが取り外された状態を示すものである。ガバナ100は、本実施形態では、昇降路上部に設けられた機械室に配置され、昇降路と機械室を隔てる機械室の床部200に固定されている。ガバナ100は、ガバナシーブ101と、ガバナロープ102と、フレーム103と、カバー104と、フライウェイト機構105と、スイッチ機構106と、ラチェット機構107と、図示しないブレーキ機構とを含んでいる。
ガバナシーブ101は、ガバナロープ102が巻き掛けられるものである。ガバナシーブ101は、フレーム103の軸部103aにより回転自在に支持される。
ガバナロープ102は、基部の一部を構成する床部200に形成された機械室と昇降路とを貫通する貫通孔200a,200bを通り、昇降路に延在している。ガバナロープ102は、昇降路内のかごの非常止め装置に連結され、かごの昇降に連動して移動するものである。
フレーム103は、床部200に固定されている。つまり、ガバナシーブ101は、床部200に対して回転自在に設置されている。本実施形態では、フレーム103と床部200との間に、ガバナロープ通過部材108が形成されている。ガバナロープ通過部材108は、基部の一部を構成するものであり、台座部108aと、2つの筒状部108b,108cとを有する。台座部108aは、床部200に、例えば、ボルトなどの固定具により固定される。筒状部108bは、台座部108aの幅方向のうち、スイッチ機構106側に配置され、ガバナシーブ101側の端部、すなわち先端部が半径方向外側に突出してフランジ部108dを形成している(図4参照)。筒状部108bは、内部空間が貫通孔200aと連通しており、ガバナロープ102が通過する。筒状部108cは、台座部108aの幅方向のうち、スイッチ機構106側と反対側に配置され、ガバナシーブ101側の端部、すなわち先端部が半径方向外側に突出してフランジ部108dを形成している。筒状部108cは、内部空間が貫通孔200bと連通しており、ガバナロープ102が通過する。つまり、筒状部108b,108cは、床部200とガバナシーブ101との間に位置するガバナロープ102が外部に露出する高さ方向における領域を狭くするものである。ここで、フレーム103は、ガバナロープ通過部材108を介して床部200に固定されていてもよい。
カバー104は、本実施形態では、対象部材であり、ガバナシーブ101等を覆うものである。カバー104は、対象部材用固定具であるカバー用固定具109により、ガバナ100、本実施形態では、フレーム103に着脱自在に固定されている。カバー用固定具109は、フレーム103の床部200側の幅方向における両端部(本実施形態では、各端部の2箇所)において、カバー104をフレーム103に対して固定する。カバー用固定具109は、対象部材用ボルトであるカバー用ボルト109aと、対象部材用ナットであるカバー用ナット109bとを有する。なお、カバー用固定具109は、幅方向において筒状部108b,108cとの間に位置するものである。
フライウェイト機構105は、ガバナシーブ101の回転により、スイッチ機構106をOFFとするものである。フライウェイト機構105は、かごが過速状態にあるとき、ガバナシーブ101の回転に伴って回動する。フライウェイト機構105は、回動することで、スイッチ機構106をOFFとする。スイッチ機構106は、かごを昇降させる駆動源への電力の供給を遮断するものである。スイッチ機構106は、かごが過速状態にあるときに、フライウェイト機構105によりOFFとされると、駆動源への電力の供給を遮断する。
ラチェット機構107は、ブレーキ機構を作動させるものである。ラチェット機構107は、ラチェット本体と、作動爪とを含んでいる。ラチェット本体は、ガバナシーブ101と同軸上に設けられている。作動爪は、フライウェイト機構105に設けられている。ラチェット機構107は、上記スイッチ機構106をOFFとする過速状態よりもかごが過速状態となると、フライウェイト機構105のさらなる回動により作動爪がラチェット本体と係合し、ラチェット本体が回転する。
ブレーキ機構は、ガバナロープ102を介して、かごの非常止め装置を作動させるものである。ブレーキ機構は、ラチェット本体が回転することで、ガバナロープ102をガバナシーブ101に押しつけるように作動する。これにより、ガバナロープ102にガバナシーブ101の方向(同図では、引き上げ方向)に張力が作用し、かごの非常止め装置が作動してかごを停止させる。
次に、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具について説明する。図2は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)を示す斜視図である。図3は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具の動作説明図(待機位置)を示す斜視図である。図4は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(待機位置)を示す斜視図である。図5は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具の動作説明図(引き上げ位置)を示す斜視図である。ガバナロープ引き上げ治具1Aは、ガバナシーブ101に巻き掛けられたガバナロープ102をガバナシーブ101から引き上げることで、ガバナロープ102をガバナシーブ101から離間させるものである。ガバナロープ引き上げ治具1Aは、図2および図3に示すように、2つのボルト2A,2Bと、第1プレート3と、第2プレート4と、2つのナット5A,5Bと、把持具6とを有している。
2つのボルト2A,2Bは、雄ねじが形成される雄ねじ部材であり、図2に示すように、頭部21A,21Bと、軸部22A,22Bとをそれぞれ有している。頭部21A,21Bは、本実施形態では、六角柱形状であり、軸部22A,22Bの軸方向の両端部のうち、一方の端部と連結している。軸部22A,22Bは、外周に雄ねじが形成されている。本実施形態における雄ねじは、軸部22A,22Bの外周の全域に形成されている。
第1プレート3は、2つのボルト2A,2Bが螺合し、床部200とガバナシーブ101との間に配置されるものである。第1プレート3は、金属製の板材により構成されている。なお、板厚は、把持具6により把持されているガバナロープ102の荷重を支持することができる厚さであり、例えば、3mm程度である。本実施形態における第1プレート3は、基部である筒状部108bに載置されることで、床部200に対して高さ方向において支持されている。第1プレート3は、本体部31と、2つのねじ穴形成部32,33とを有する。
本体部31は、第1プレート3の幅方向における中央部に位置しており、第1空間部34が形成されている。本実施形態における第1空間部34は、基部とガバナシーブ101との間、すなわち筒状部108bとガバナシーブ101との間に位置するガバナロープ102が通過するものであり、第1プレート3をU字状に切り欠くことで形成されている。第1空間部34は、ガバナロープ102が接触することなく通過することができる大きさに形成されている。
ねじ穴形成部32,33は、本体部31の幅方向における両端部に形成されている。本実施形態におけるねじ穴形成部32,33は、本体部31との間で段差3a,3bが形成されており、本体部31よりも高さ方向における床部200側、すなわち第2プレート4と反対側に位置している。つまり、ねじ穴形成部32,33は、床部200を通過したガバナロープ102がガバナシーブ101側で露出を開始する位置である筒状部108bのガバナシーブ101側の端部よりも、段差高さH1だけ低くなる。ねじ穴形成部32,33は、雌ねじ穴35,36がそれぞれ形成されている。雌ねじ穴35,36は、ボルト2A,2Bの軸部22A,22Bが挿入されることで、ボルト2A,2Bの雄ねじが螺合するものである。従って、ボルト2A,2Bは、第1プレート3に対して回転しない限り、高さ方向における第1プレート3に対する相対移動が規制されている。なお、本実施形態におけるボルト2A,2Bは、頭部21A,21Bが第2プレート4と反対側、すなわち床部200側となるように、雌ねじ穴35,36に挿入されている。
第1プレート3は、突出部37が形成されている。本実施形態の突出部37は、本体部31およびねじ穴形成部32,33とは別部材で形成されており、これらを形成する板材と同一厚さの金属製の板材で構成されており、溶接などにより本体部31に固定されている。突出部37は、奥行き方向のうち第1空間部34が形成されている側と反対側の方向に突出して本体部31に固定されている。突出部37は、2つのボルト2A,2Bが雌ねじ穴35,36に螺合し、後述する雄ねじ部材挿入穴42,43に挿入された状態で、高さ方向において第2プレート4と重ならないように、本体部31に固定されている。突出部37は、2つの第3空間部38,39が形成されている。本実施形態における第3空間部38,39は、フレーム103の床部200側の幅方向における両端部のうち、一方の端部に位置する2つのカバー用固定具109にそれぞれ対応するものであり、第1プレート3をU字状に切り欠くことで形成されている。第3空間部38,39は、各カバー用固定具109のカバー用ボルト109aがそれぞれ挿入されるものである。カバー用固定具109は、カバー用ボルト109aとカバー用ナット109bとの間に、突出部37をフレーム103とともに挟み込み、これらを一緒に締結することで、ガバナ100に対してガバナロープ引き上げ治具1Aを固定する。
第2プレート4は、2つのボルト2A,2Bが高さ方向に移動自在に挿入され、床部200とガバナシーブ101との間に配置されるものである。第2プレート4は、金属製の板材により構成されている。なお、板厚は、把持具6により把持されているガバナロープ102の荷重を支持することができる厚さであり、例えば、3mm程度である。本実施形態における第2プレート4は、第1プレート3よりも高さ方向においてガバナシーブ101側に配置されている。第2プレート4は、第2空間部41と、2つの雄ねじ部材挿入穴42,43とを有する。第2空間部41は、第1空間部34を通過するガバナロープ102が通過する、すなわち筒状部108bとガバナシーブ101との間に位置するガバナロープ102が通過するものであり、第2プレート4をU字状に切り欠くことで形成されている。第2空間部41は、ガバナロープ102が接触することなく通過することができる大きさに形成されている。なお、第2空間部41は、第2プレート4の幅方向における中央部に形成されており、2つのボルト2A,2Bが雌ねじ穴35,36に螺合し、雄ねじ部材挿入穴42,43に挿入された状態で、第1空間部34と高さ方向において対向する。雄ねじ部材挿入穴42,43は、ボルト2A,2Bの軸部22A,22Bが移動自在に挿入されるものである。従って、ボルト2A,2Bは、高さ方向における第2プレート4に対する相対移動を行うことができる。
2つのナット5A,5Bは、図示しない雌ねじ穴をそれぞれ有している。ナット5A,5Bは、本実施形態では、六角柱形状であり、高さ方向におけるナット高さが段差高さH1よりも低く形成されている。ナット5A,5Bは、第1プレート3と第2プレート4との間に配置されており、ボルト2A,2Bの軸部22A,22Bが挿入されることで、ボルト2A,2Bの雄ねじが螺合するものである。従って、ナット5A,5Bは、ボルト2A,2Bに対して回転しない限り、高さ方向におけるボルト2A,2Bに対する相対移動が規制されている。これにより、ナット5A,5Bは、ボルト2A,2Bが雄ねじ部材挿入穴42,43に挿入された状態で、第2プレート4を高さ方向において第1プレート3側から支持する。なお、ナット5A,5Bは、軸方向における高さが上記段差高さH1よりも低く形成されている。
把持具6は、図3に示すように、ガバナロープ102を把持するものである。把持具6は、ガバナロープ102を把持した状態で、ガバナロープ102と高さ方向において相対移動しなければ、いずれの構造のものを用いてもよい。本実施形態における把持具6は、公知のクランプ型の把持具であり、2つの把持部61,62にそれぞれ形成された把持穴63,64において、ガバナロープ102に対して把持力を作用させ、把持するものである。なお、把持具6は、把持状態を維持するため、把持穴63,64が互いに離間することを規制する図示しないロック機構が設けられている。把持具6は、ガバナロープ102を把持した状態で、第2プレート4の第1プレート3側と反対側の把持具載置面4に載置される。
次に、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具1Aによるガバナロープ102の引き上げについて説明する。まず、ガバナ100を点検する場合、かごを停止させる。次に、図1に示すように、ガバナ100からカバー104を取り外す。このとき、カバー用固定具109によるフレーム103に対するカバー104の固定を解除する。具体的には、各カバー用固定具109のカバー用ボルト109aおよびカバー用ナット109bによる締結を解除する。次に、カバー用ボルト109aおよびカバー用ナット109bによる締結が解除され、カバー104がガバナ100に対して取り外された状態で、第1プレート3を筒状部108bに載置し(図5参照)、第1プレート3の各第3空間部38,39を各カバー用ボルト109aにそれぞれ挿入する。次に、カバー用固定具109は、カバー用ボルト109aとカバー用ナット109bとの間で、突出部37をフレーム103とともに挟み込み、これらを一緒に締結する。これにより、ガバナロープ引き上げ治具1Aは、ガバナ100に対して、第1プレート3が基部、すなわち筒状部108bに高さ方向において支持された状態で固定される。従って、第1プレート3をガバナ100に固定することで、基部、すなわち筒状部108bとガバナシーブ101との間に配置される第1プレート3を筒状部108bに対して確実に支持することができる。また、筒状部108bに対して、第1プレート3が相対移動することを確実に規制することができるので、ガバナロープ102の引き上げ作業中に、第1プレート3が筒状部108bから外れることを抑制でき、ガバナロープ引き上げ治具1Aによる引き上げ作業が困難な状態となることを抑制することができる。
次に、図3および図4に示すように、第2プレート4が第1プレート3に最も接近する位置となる待機位置に位置していない場合は、第2プレート4を待機位置に位置させる。ここでは、第2プレート4を高さ方向において支持しているナット5A,5Bをボルト2A,2Bに対して、第1プレート3側に移動する方向にそれぞれ、第2プレート4が第1プレート3と接触するまで回転させる。このとき、ナット5A,5Bは、第1プレート3と第2プレート4とが接触した状態であっても、段差高さH1よりも軸方向における高さが低いので、第1プレート3と第2プレート4との間の段差高さH1分の隙間に位置することとなる。これにより、ガバナロープ102を把持する把持具6が支持される第2プレート4の待機位置を最も床部200側、すなわち最も低くすることができる。
次に、図3に示すように、把持具6によりガバナロープ102を把持し、ガバナロープ102を把持した状態の把持具6を第2プレート4の把持具載置面4aに載置する。これにより、把持具6は、第2プレート4に高さ方向において支持される。また、ガバナシーブ101を挟んで、筒状部108b側のガバナロープ102と反対側である筒状部108c側のガバナロープ102が床部200側に移動することを図示しない規制部材により規制する。規制部材は、例えば、把持具6と同じであり、筒状部108c側のガバナロープ102を把持し、把持した規制部材を筒状部108cに載置する。
次に、図5および図2に示すように、待機位置の第2プレート4を第1プレート3に対してガバナシーブ101側に移動させる。ここでは、把持具6を支持している第2プレート4を高さ方向において支持しているナット5A,5Bをボルト2A,2Bに対して、ガバナシーブ101側に移動する方向にそれぞれ回転させる。従って、第2プレート4は、ガバナロープ102を把持した把持具6を支持した状態で、待機位置からガバナシーブ101側に移動するので、把持具6とガバナシーブ101との高さ方向における距離が小さくなる。従って、ガバナシーブ101に巻き掛けられたガバナロープ102がガバナシーブ101から離間、すなわち引き上げを開始する。
さらに、ガバナロープ102をガバナシーブ101に対して非接触状態、すなわちガバナシーブ101に対してガバナロープ102を引き上げることができる引き上げ位置まで、第2プレート4を第1プレート3に対してガバナシーブ101側に移動させる。従って、ガバナロープ102により自由回転が規制されていたガバナシーブ101が自由回転可能となる(図1の二点鎖線参照)。これにより、ガバナ100の点検作業を確実に行うことができる。
なお、点検作業の終了時は、第2プレート4を待機位置まで移動させることで、ガバナロープ102をガバナシーブ101に接触させる。そして、把持具6によるガバナロープ102の把持を解除するとともに、規制部材によるガバナロープ102の床部200側に移動することの規制を解除する。
以上のように、ナット5A,5Bのボルト2A,2Bに対する回転動作により、第1プレート3と第2プレート4との間隔を待機位置から引き上げ位置と間で調整するので、ナット5A,5Bの回転動作という簡単な動作で、第2プレート4に支持された把持具6が把持するガバナロープ102をガバナシーブ101側に引き上げることができる。また、第2プレート4の待機位置を板材の第2プレート4が板材の第1プレート3に接触する位置とすることができるので、ガバナロープ102が基部から露出する位置、本実施形態では筒状部108bの先端部から把持具6までの高さ方向における距離を第1プレート3と第2プレート4との厚みを合計した値とすることができる。従って、第2プレート4のガバナシーブ101までの高さ方向における距離を長く、すなわち第2プレートの位置を低くするので、待機位置から第2プレート4を第1プレート3に対して離間する距離、すなわち引き上げ距離H2を長くすることができる(図2参照)。また、ガバナロープ102を挟んで、ボルト2A,2Bおよびナット5A,5Bにより、第2プレート4を第1プレート3に対して高さ方向に移動させるので、2つのボルト2A,2Bにより、第2プレート4に作用する荷重、すなわち把持具6および把持具6が把持するガバナロープ102の荷重を支持することができる。従って、安定して第2プレート4を待機位置から引き上げ位置まで移動させることができる。
なお、上記実施形態では、第2プレート4を第1プレート3に対して高さ方向に移動させる際に、ナット5A,5Bを回転させたが、これに限定されるものではなく、ボルト2A,2Bを回転させてもよい。この場合は、ボルト2A,2Bの頭部21A,21Bを第1プレート3に対して床部200側に離間させて第2プレート4を待機位置とし、ボルト2A,2Bを第1プレート3に接近させて引き上げ位置とする。把持具6を第2プレート4が支持した状態で、ボルト2A,2Bを第1プレート3に対して、第1プレート3側に移動する方向にそれぞれ回転させ、ガバナロープ102をガバナシーブ101に対して引き上げる。このとき、ナット5A,5Bがボルト2A,2Bの回転に伴って回転しないように規制することが好ましい。また、ボルト2A,2Bおよびナット5A,5Bをそれぞれ回転させてもよい。
また、第1プレート3および第2プレート4に対するボルト2A,2Bの挿入向きは、実施形態に限定されるものではない。図6は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)の変形例1を示す斜視図である。図6に示すように、変形例1のガバナロープ引き上げ治具1Bでは、頭部21A,21Bが第2プレート4の把持具載置面4aに対向するように、第1プレート3および第2プレート4に対してボルト2A,2Bが挿入されている。この場合は、ボルト2A,2Bを第1プレート3に対して回転させることで、頭部21A,21Bを第1プレート3に対して接近させて第2プレート4を待機位置とし、頭部21A,21Bを第1プレート3に対して離間させて引き上げ位置とする。このとき、ナット5A,5Bもボルト2A,2Bの回転に伴って回転させる。あるいは、ナット5A,5Bをボルト2A,2Bに対して回転させることで、ナット5A,5Bを第1プレート3に対して接近させて第2プレート4を待機位置とし、ナット5A,5Bを第1プレート3に対して離間させて第2プレート4を引き揚げ位置とする。
また、ボルト2A,2Bの数は、実施形態に限定されるものではない。例えば、第2プレート4に作用する荷重を1つのボルト2Aで支持できる場合は、上記ガバナロープ引き上げ治具1A,1Bにおいてボルト2Bおよびナット5Bは取り外してもよい。この場合は、第1プレート3と第2プレート4との間隔の調整を1つのボルト2Aあるいはナット5Aにより行うことができるので、第2プレート4を待機位置と引き上げ位置との間で移動させる際の作業性を向上することができる。
図7は、実施形態に係るガバナロープ引き上げ治具(引き上げ位置)の変形例2を示す斜視図である。図7に示すように、変形例2のガバナロープ引き上げ治具1Cでは、ボルトおよびナットが1つのボルト2Cと1つのナット5Cである。変形例2のガバナロープ引き上げ治具1Cにおけるボルト2C、ナット5C、第1プレート7、第2プレート8の基本的な機構は、ガバナロープ引き上げ治具1Aのボルト2A,2B、ナット5A,5B、第1プレート3、第2プレート4とほぼ同様なので、その説明は簡略化あるいは省略する。
第1プレート7は、1つのボルト2Cに螺合し、床部200とガバナシーブ101との間に配置されるものである。第1プレート7は、基部に固定されているガバナロープ通過部材108の筒状部108bに載置されることで、床部200に対して高さ方向において支持されている。第1プレート7は、本体部71と、1つのねじ穴形成部72とを有する。本体部71は、第1空間部73が形成されている。変形例2における第1空間部73は、第1プレート7の幅方向においてねじ穴形成部72と反対側をU字状に切り欠くことで形成されている。ねじ穴形成部72は、本体部71の幅方向における一方の端部に形成されている。本実施形態におけるねじ穴形成部72は、本体部71との間で段差7aが形成されており、筒状部108bのガバナシーブ101側の端部よりも、段差高さH1だけ低くなる。ねじ穴形成部72は、雌ねじ穴74が形成されている。第1プレート7は、突出部75,76がそれぞれ形成されている。本実施形態の突出部75,76は、本体部71の奥行き方向のうち、第1空間部73側に固定されている。突出部75,76は、奥行き方向のうち、本体部71に固定されている側と反対側の端部に第3空間部77,78がそれぞれ形成されている。本実施形態における第3空間部77,78は、フレーム103の床部200側の幅方向における両端部のうち一方の端部に位置する2つカバー用固定具109にそれぞれ対応するものであり、カバー用固定具109により挟み込まれ、ガバナ100に対してガバナロープ引き上げ治具1Cを固定する。
第2プレート8は、ボルト2Cが高さ方向に移動自在に挿入され、第1プレート7とガバナシーブ101との間に配置されるものである。第2プレート8は、第2空間部81と、1つの雄ねじ部材挿入穴82とを有する。第2空間部81は、第1空間部73を通過するガバナロープ102が通過するものであり、第2プレート8をU字状に切り欠くことで形成されている。
ガバナロープ引き上げ治具1Cは、第1プレート7と第2プレート8との間隔の調整を1つのボルト2Cあるいはナット5Cにより行うことができるので、第2プレート8を待機位置と引き上げ位置との間で移動させる際の作業性を向上することができる。
なお、上記実施形態および変形例1,2では、突出部37,75,76は、別部材として構成したが、第1プレート3,7の本体部31,71と同一部材で構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1A〜1C ガバナロープ引き上げ治具、2A〜2C ボルト(雄ねじ部材)、3,7 第1プレート、31,71 本体部、32,33,72 ねじ穴形成部、34,73 第1空間部、35,36,74 雌ねじ穴、38,39,77,78 第3空間部、4,8 第2プレート、4a、8a 把持具載置面、41,81 第2空間部、42,43,82 雄ねじ部材挿入穴、5A〜5C ナット、6 把持具、100 ガバナ、101 ガバナシーブ、102 ガバナロープ、108b 筒状部(基部)、カバー用固定具109(対象部材用固定具)、カバー用ボルト(対象部材用ボルト)109a、カバー用ナット(対象部材用ナット)109b、200 床部(基部)

Claims (3)

  1. 基部に対して回転自在に設置されたガバナシーブに巻き掛けられたガバナロープを前記ガバナシーブから引き上げるロープ引き上げ治具であって、
    少なくとも1以上の雄ねじ部材と、
    前記雄ねじ部材が螺合する雌ねじ穴と、前記基部と前記ガバナシーブとの間に位置する前記ガバナロープが通過する第1空間部とを有し、前記基部と前記ガバナシーブとの間において前記基部に対して支持される第1プレートと、
    前記第1プレートよりも前記ガバナシーブ側に配置され、かつ、前記雄ねじ部材が移動自在に挿入される雄ねじ部材挿入穴と、前記第1空間部を通過する前記ガバナロープが通過する第2空間部とを有する第2プレートと、
    前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置された状態で、前記雄ねじ部材に螺合し、前記第2プレートを前記第1プレート側から支持するナットと、
    前記ガバナロープを把持する把持具と、
    を備え、
    前記把持具は、前記ガバナロープを把持した状態で、前記第2プレートの前記第1プレート側と反対側の把持具載置面に載置され、
    前記雄ねじ部材の前記第1プレートに対する回転動作、あるいは前記ナットの前記雄ねじ部材に対する回転動作の少なくともいずれかにより、前記第1プレートと前記第2プレートとの間隔を調整し、
    前記第1プレートは、第1空間部が形成される本体部と、前記雌ねじ穴が形成されるねじ穴形成部とを有し、
    前記本体部と前記ねじ穴形成部との間は、段差が形成され、
    前記ねじ穴形成部は、前記本体部よりも、前記第2プレートと反対側に位置するガバナロープ引き上げ治具。
  2. 請求項に記載のガバナロープ引き上げ治具において、
    前記ガバナシーブおよび前記ガバナロープを含むガバナは、前記ガバナに対して対象部材を固定する対象部材用ボルトと対象部材用ナットとで構成される対象部材用固定具を有し、
    前記第1プレートは、前記対象部材用ボルトが挿入される第3空間部が形成され、
    前記対象部材用固定具は、前記ガバナに対して前記第1プレートを固定するガバナロープ引き上げ治具。
  3. 請求項1または2に記載のガバナロープ引き上げ治具において、
    前記雄ねじ部材は、2つであり、
    前記雌ねじ穴は、前記第1空間部を挟んで2つ形成され、
    前記雄ねじ部材挿入穴は、前記第2空間部を挟んで2つ形成され、
    前記ナットは、前記雄ねじ部材にそれぞれ螺合されているガバナロープ引き上げ治具。
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