JP6000634B2 - 防振性シリコーン組成物 - Google Patents

防振性シリコーン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6000634B2
JP6000634B2 JP2012111495A JP2012111495A JP6000634B2 JP 6000634 B2 JP6000634 B2 JP 6000634B2 JP 2012111495 A JP2012111495 A JP 2012111495A JP 2012111495 A JP2012111495 A JP 2012111495A JP 6000634 B2 JP6000634 B2 JP 6000634B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
sio
group
silicone composition
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012111495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013237775A (ja
Inventor
伊東 洋
洋 伊東
昭宏 中村
昭宏 中村
斉藤 浩二
浩二 斉藤
正顕 小川
正顕 小川
斎 宮田
斎 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Toray Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Dow Corning Toray Co Ltd
Priority to JP2012111495A priority Critical patent/JP6000634B2/ja
Publication of JP2013237775A publication Critical patent/JP2013237775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6000634B2 publication Critical patent/JP6000634B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、防振性シリコーン組成物に関し、詳しくは優れた振動減衰性能を有する防振性シリコーン組成物に関し、さらに詳しくは、振動を発生する機器の異音発生抑止のために使用される防振性シリコーン組成物に関する。
自動車のブレーキシステムとして現在一般的に使用されているディスクブレーキは、車輪と一体に回転するディスクロータを、ピストンの作動により移動するブレーキパッドにより、ディスクロータの両側から押圧する構造となっている。このディスクブレーキは、制動時(ブレーキパッドがディスクロータに押圧されたとき)、一般的に「鳴き」と呼ばれる異音が発生することがある。この「鳴き」現象は、特にブレーキの制動性能に影響を与えるものではないが、ドライバーには不快な音と感じられる。また、近年の環境に配慮した自動車開発において、自動車の動力源がガソリンエンジン単独のものから、ガソリンエンジンと電気モータを併用したいわゆるハイブリッド自動車や、動力源がすべて電気モータであるいわゆる電気自動車にシフトしている。これに伴って動力源が静粛化し、従来の自動車では気にならない程度の異音まで感じ取れるようになってきているため、このブレーキ鳴きを減少させる技術はますます重要となってきている。
ブレーキ鳴きのメカニズムは、制動時にブレーキパッドがディスクロータに押圧されたときに発生する摩擦振動が、ブレーキを構成する他の部品と共振して発生するものと推定されている。したがって、ブレーキ鳴きを防止または低減するためには、この摩擦振動を発生させないこと、あるいは摩擦振動が発生したとしても、共振させないようにすることが考えられる。そのための一つの方法として、ブレーキパッドとピストンの間に振動減衰性能が高いシム(たとえばゴム製シム)を介することが提案されているが、シムの存在だけでは充分な効果が得られないこともあった。
さらにブレーキ鳴きを低減する方法として、シムの片面または両面にグリースを塗布して振動減衰性能をさらに高めることが提案されている。従来のブレーキ鳴き防止用グリースとしては、シリコーン粘着グリースに六方晶ボロンナイトライド粉末を添加したディスクブレーキ鳴き音防止グリース(特許文献1参照)や、シリコーン油に炭酸カルシウムを配合したグリース組成物(特許文献2参照)などが提案されている。
特開2001−226687号公報 特開2012−1680号公報
シリコーン粘着グリースに六方晶ボロンナイトライド粉末を添加したグリースは、配合される式:((CHSiO1/2)で表されるシロキサン単位と式:(SiO4/2)で表されるシロキサン単位のみからなるシリコーンレジンがその構造上、発生した振動を吸収する性能が弱く、ブレーキ鳴きを低減することが難しかった。
また、シリコーン油に炭酸カルシウムを配合したグリースは、ディスクブレーキにおいて発生した振動エネルギーを炭酸カルシウムのへき開で吸収させることを目的としているが、炭酸カルシウムのへき開にも限界があるため、特に長期的なブレーキ鳴き防止には依然改善の余地があった。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、振動減衰性能が高い防振性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明の目的は、
(A)ジオルガノポリシロキサンと、
(B)平均単位式:
(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2
(式中、Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基、水酸基、またはアルコキシ基であり、a、b、およびcは、0≦a、0≦b、0<c、a+b+c=1の関係を満たす数である)で表されるオルガノポリシロキサンと、
(C)比重3.0以上の無機微粒子と
を含む防振性シリコーン組成物によって達成される。
(A)成分の前記ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(B)成分の前記オルガノシロキサンを20〜200質量部、および(C)成分の前記無機微粒子を20〜400質量部の含有量で含むことが好ましい。
(A)成分の前記ジオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、1,000〜5,000,000mm/sであることが好ましい。
本発明の防振性シリコーン組成物は、さらに、(D)平均単位式:
(R SiO1/2(SiO4/2
(式中Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基、水酸基、またはアルコキシ基であり、d、およびeは、d>0、e>0、d+e=1の関係を満たす数である)で表されるオルガノポリシロキサンを含むことができる。
前記(D)成分は、平均単位式:
(R SiO1/2)(SiO4/2)
(式中Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基、d、およびeは、d>0、e>0、d+e=1の関係を満たす数である)で表される、オルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応混合物であることが好ましい。
(C)成分の前記無機微粒子は、フッ化カルシウム、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、およびチタン酸ストロンチウムからなる群から選択される一つまたは二つ以上の組み合わせからなることが好ましい。
本発明の防振性シリコーン組成物は、振動発生機器の異音発生抑止用であってもよい。
本発明の防振性シリコーン組成物は、自動車のディスクブレーキの鳴き音防止用であってもよい。
本発明の防振性シリコーン組成物は、長期にわたり優れた振動減衰性能を発揮し、振動を発生する機器の振動抑止や異音発生抑止に好適に使用される。例えば、ディスクブレーキなどの車両のブレーキ装置に適用した場合、優れた異音発生抑止を示す。
本発明組成物の防振特性評価装置の側面図である。 本発明組成物の防振特性評価装置の上面図である。
本発明に使用する(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本発明組成物のマトリックス成分であり、後述する(B)成分および(C)成分を分散させるための媒体である。ジオルガノポリシロキサン中、ケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、およびプロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、およびブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、およびトリル基等のアリール基;ならびに3,3,3,−トリフロロプロピル基等の置換または非置換の一価炭化水素基が例示される。また、少量の水酸基、ならびにメトキシ基、およびエトキシ基等のアルコキシ基を含んでもよい。これらのケイ素原子に結合する基は同一でも異なってもよい。中でも、粘度変化の温度依存性が小さく、本発明組成物の保存安定性が良好であることから、アルキル基であることが望ましく、特にメチル基であることが好ましい。また、その分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、および環状が例示される。このような(A)成分の具体的な例としては、トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシ基封鎖メチルオクチルポリシロキサン、シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、およびトリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。
上記の一価炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)、水酸基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、およびイソシアネート基からなる群から選択される。
また、(A)成分は25℃で液状であり、25℃における動粘度が1,000〜5,000,000mm/sの範囲であることが好ましく、10,000〜1,000,000mm/sの範囲であることがさらに好ましい。25℃における動粘度が上記下限未満であると、後述する(B)成分や(C)成分を分散状態で保持することができなくなり、減衰性能が発現しにくくなる。一方、25℃における動粘度が上記上限を超えると取り扱い作業性が低下して、(B)成分や(C)成分を分散させることが困難になる。動粘度はウベローデ管を使用することで測定することができる。
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、後述する(C)成分とともに本発明組成物に防振特性を付与するための成分であり、平均単位式:(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2で表される。式中、Rは、同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基であり、a、b、およびcは、0≦a、0≦b、0<c、a+b+c=1の関係を満たす数である。a、b、およびcは、好ましくは0.60≦c/(a+b+c)≦1.00であり、より好ましくは0.95≦c/(a+b+c)≦1.00であり、最も好ましくはa=0、b=0、c=1、すなわち(B)成分がシロキサン単位(RSiO3/2)のみからなるシルセスキオキサンであることが好ましい。好ましいRとしては、メチル基、エチル基、およびプロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、およびブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、およびトリル基等のアリール基;ならびに3,3,3,−トリフロロプロピル基等の置換または非置換の一価炭化水素基が例示され、少量の水酸基、メトキシ基、およびエトキシ基等のアルコキシ基、ならびに塩素原子などのハロゲン原子等を含んでもよい。これらの中でも、粘度変化の温度依存性が小さく、本発明組成物の保存安定性が良好であることから、アルキル基であることが望ましく、特に少なくとも50%以上がメチル基であることが好ましい。
(B)成分は、25℃で液状であっても固体状であってもよい。(B)成分が固体状である場合は各種粉砕機で粉末状として使用することが好ましい。粉末状の(B)成分の平均粒子径は0.1〜100μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。平均粒子径はレーザー光回折法を用いた質量メジアン径として測定できる。またその形状としては、特に限定されないが、球状、偏平上、および不定形状が例示される。
(B)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は、1,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、2,000〜7,000の範囲内であることがより好ましく、4,000〜6,000の範囲であることがさらに好ましい。また、(B)成分は、トリアルコキシオルガノシランの加水分解物のようにゲル状に高度に架橋した樹脂の粉砕物と同様に、トルエンなどの溶剤に不溶で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いた分子量が測定できないものであってもよい。なお、(B)成分の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができ、試料濃度1質量%のトルエン溶液を用い、RI検出器を用いて、較正曲線用ポリマーとして標準ポリスチレンを使用するという標準的な方法で、ポリスチレン換算の分子量として測定できる。
(B)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して20〜200質量部が好ましい。これは、(B)成分の配合量が20質量部未満であると、本発明の組成物の振動減衰性能が低下する傾向にあり、200質量部を超えると作業性が低下したり、ちょう度が小さくなって塗布しにくくなるからである。
(C)成分の比重3.0以上の無機微粒子は振動を吸収し、振動減衰性能を向上させる成分である。また、その性状は通常、常温で固体粉末であるが、粉末状のまま使用されてもよく、(A)成分等のジオルガノシロキサンと予め混合したマスターバッチの形態にしてから配合されてもよい。(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して20質量部〜300質量部が好ましい。(C)成分の配合量が20質量部未満であると、本発明の組成物の振動減衰性能が低下する傾向にあり、300質量部を超えると作業性が低下したり、ちょう度が小さくなって塗布しにくくなるからである。
好ましい(C)成分としては、フッ化カルシウム、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、およびチタン酸ストロンチウムが例示される。(C)成分の形状は、特に限定されず、球状、麟片状、および不定形形状などであってもよい。(C)成分の平均粒子径は、特に限定されないが、取り扱い作業性や保存安定性の点から、0.1〜100μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。平均粒子径はレーザー光回折法を用いた質量メジアン径として測定できる。
本発明組成物は上記(A)〜(C)成分を少なくとも含むものであるが、これらの成分に加えて、(D)平均単位式:(R SiO1/2(SiO4/2で表されるオルガノポリシロキサンを含むことができる。式中、Rとしては上記Rと同様な基が例示され、最も好ましくはメチル基である。式中d、およびeはd>0、e>0、d+e=1の関係を満たす数であり、0.5≦d/e≦1.0であることが好ましく、0.6≦d/e≦0.9であることがより好ましい。
また、(D)成分は、シロキサン単位式:(R SiO1/2(SiO4/2で表されるオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応混合物であることがより好ましい。この場合、シロキサン単位式:(R SiO1/2(SiO4/2で表されるオルガノポリシロキサンは、分子中にケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を0.2〜5.0質量%含むことが好ましい。ケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有するジオルガノポリシロキサンとしては、(A)成分と同様のジオルガノポリシロキサンが例示されるが、分子中に平均で1個以上のケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有することが好ましい。水酸基およびアルコキシ基以外のケイ素原子に結合する基としては、(A)成分と同じ基であることが好ましく、中でもメチル基であることが好ましい。
平均単位式:(R SiO1/2(SiO4/2で表されるオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有するジオルガノポリシロキサンを混合、または、これらを部分縮合する際、それぞれの質量比が2:8〜8:2の範囲内であることが好ましく、3:7〜7:3の範囲内であることがより好ましい。部分縮合の方法としては、例えば、これらの成分を加熱する方法、これらの成分を水酸化カリウム、および水酸化バリウム等の塩基;アンモニア水;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等のアミン類;テトラブチルチタネート、およびテトライソブチルチタネート等のチタン化合物;オクチル錫ジアセテート等の錫化合物;あるいはヘキサメチルジシラザン等の触媒の存在下で縮合反応させる方法が挙げられる。
また(D)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は、1,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、2,000〜7,000の範囲内であることがより好ましく、4,000〜6,000の範囲であることがさらに好ましい。また、(D)成分は、トルエンなどの溶剤に不溶で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いた分子量が測定できないものであってもよい。なお、(D)成分の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができ、試料濃度1質量%のトルエン溶液を用い、RI検出器を用いて、較正曲線用ポリマーとして標準ポリスチレンを使用するという標準的な方法でポリスチレン換算の分子量として測定できる。
(D)成分を配合することにより本発明組成物の流動性を調整することができるので、高温、高圧下での使用や垂直面への適用など使用用途に応じて適宜(D)成分を配合することができる。好ましい(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して20〜200質量部が好ましく、50〜150質量部であることがより好ましい。
本発明の防振性シリコーン組成物の混和ちょう度は、200以上300以下が好ましい。混和ちょう度が200未満であると、組成物を塗布しにくくなり、混和ちょう度が300より大きいと、組成物が軟らかくなりすぎて漏出する可能性がある。
また、本発明の防振性シリコーン組成物では、添加剤として、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、防錆剤、腐食防止剤、金属不活性剤、染料、色相安定剤、増粘剤、構造安定剤、および紫外線吸収剤等といった種々の添加剤を、使用される用途に応じて使用することもできる。
本発明の防振性シリコーン組成物組成物を製造する方法は、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、(A)〜(C)成分およびその他の添加剤を混合することにより得ることができる。
さらに、上記操作後に必要に応じて濾過、減圧、加圧、加熱、冷却、および不活性ガス置換等を単独、あるいは複合して行ってもよい。
本発明の防振性シリコーン組成物は振動減衰性能に優れ、その振動減衰性能が長期間にわたり高水準に維持されるという特徴を有する。このことから、振動の伝播を除去するなどの目的で振動減衰性能が必要とされる部位のコンパウンドとして好適に使用される。例えば、自動車のディスクブレーキの音鳴き防止コンパウンドとして好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、表中の数値は質量部を表し、動粘度は25℃における測定値である。防振特性は以下に示すように、実機の鳴き現象の代替となる方法で減衰比を測定することにより評価した。
(防振性シリコーン組成物の防振性評価)
防振性シリコーン組成物の防振性評価の方法を、図1及び2を参照して説明する。JIS K−2246に規定された試験片4(材質:SPCC−SB、サイズ:厚さ1.2mm×縦60mm×横80mm、2ヶ所に直径3mmの孔を有する)を2枚用意し、1枚の片面に、100μmのスペーサ−を用いて、防振性シリコーン組成物5をアプリケーターで塗布する。その後もう一枚の試験片を載せて、測定用試験片を作製した。図1に示すとおり、この測定用試験片を万力1で固定し、高さ155cmから1/2インチのSUJ−2鋼球2を上記測定用試験片に対して垂直方向に自由落下させ、振動ピックアップ3を介して、時間軸波形を得た。さらに得られた時間軸波形を小野測器(株)製のFFT解析ソフトDS−0221を用いてヒルベルト変換を行い、約5kHz減衰比を求めた。図2に示すとおり、振動ピックアップ3は、測定用試験片上面の固定しない端から10mm、孔のない端から15mmの位置に取り付けた。また、鋼球の測定用試験片上での落下点2aは、測定用試験片上面で固定しない端から35mm、孔のある端から10mmの位置とした。なお、測定は25℃で行った。
(混和ちょう度の評価)
混和ちょう度(60回)は、JIS K2220 7.に規定された方法で測定した1/2スケールでの測定結果である。
[調製例1]
(シリコーンベースの調製)
3Lのセパラブルフラスコに、((CHSiO1/20.72(SiO4/21.0で表されるオルガノポリシロキサンの70質量%キシレン溶液47質量部と、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有し、粘度2200mPa・sのジメチルポリシロキサン15質量部とをキシレン38質量部に均一に混合した系に、アンモニア水を添加した。この系を40℃に保温しながら6時間撹拌した後、系内に窒素ガスを流しながら140℃で2時間加熱撹拌してアンモニアと水を除去した。その後、系内に窒素ガスを流したまま140℃で2時間加熱混合し、減圧下でキシレンを留去して、シリコーンベースを得た。
(実施例1〜4)
ミキサーに、表1に示す(A)成分:ジメチルポリシロキサンおよび/またはシリコーンベース、ならびに(B)成分と(C)成分を投入し均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、防振性シリコーン組成物を得た。それぞれ得られた防振性シリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンB、シリカおよび六方晶窒化ホウ素を投入し均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサン、フッ化カルシウムおよび硫酸バリウムを投入し、均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。実施例2から分岐状オルガノポリシロキサンを除き、その分ジメチルポリシロキサンを加えた以外は実施例2と同様にして、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサンと硫酸バリウムを投入し、均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサンと分岐状オルガノポリシロキサンAを投入し均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例5)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンAと六方晶窒化ホウ素を投入し均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例6)
ミキサーに、表1に示すジメチルポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンAと炭酸カルシウムを投入し均一になるまで充分撹拌した後、3本ロールミルを用いてミル仕上げし、さらに混合・攪拌・脱泡を行い、シリコーン組成物を得た。得られたシリコーン組成物の減衰比、および混和ちょう度を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006000634
市販されているディスクパッドグリースの一つである、(株)和光ケミカル製「ブレーキプロテクター ディスクパッドグリース V−160」の減衰比を、前記防振性評価により測定したところ、0.25%であった。また、混和ちょう度(60回)は280であった。
市販されているディスクパッドグリースの一つである、日本バーズ(株)製「ディスクブレーキグリース(カッチン音防止剤)」の減衰比を、前記防振性評価により測定したところ、0.26%であった。また、混和ちょう度(60回)は280であった。
表1に示した各成分は、
(A)成分:ジメチルポリシロキサン(いずれも、東レ・ダウコーニング(株)製)
SH−200 Fluid 12,500CS(25℃の動粘度:12,500mm/s)
SH−200 Fluid 30,000CS(25℃の動粘度:30,000mm/s)
SH−200 Fluid 300,000CS(25℃の動粘度:300,000mm/s)
(B)成分
分岐状オルガノポリシロキサンA:レーザー回折散乱式粒度分布測定によるメジアン径が3μmで軟化点を有さない(CH)SiO3/2で表されるシロキサン単位からなる不定形シリコーンレジン粉末。ケイ素原子結合水酸基を5質量%含有する。比重1.33。
分岐状オルガノポリシロキサンB:((CHSiO1/20.72(SiO4/21.0で表されるシリコーンレジン粉末。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の質量平均分子量 4,600。ケイ素原子結合水酸基を約2質量%含有する。
(C)成分
フッ化カルシウム:森田化学工業(株)製、比重:3.2
硫酸バリウム:堺化学工業(株)製、BMH−100、比重:4.5
酸化亜鉛:東京化精(株)製、酸化亜鉛2級、比重:5.6
酸化マグネシウム:タテホ化学工業(株)製、タテホマグ#500、比重:3.6
シリカ:日本アエロジル工業(株)製、アエロジルR−972、比重:2.0
六方晶窒化ホウ素:電気化学工業(株)製、デンカビーエヌ HGP、比重:2.3
炭酸カルシウム:太陽化学工業(株)製、SL−101、比重:2.6
シリコーンベース:上記調製例1で調製した部分加水分解縮合物
をそれぞれ示す。
本発明の組成物は高い振動減衰性能を有することから、防振や異音発生を抑制することを目的として各種用途に使用でき、また、長期にわたってその特性を維持できるという特徴を有する。具体的には、例えば、車両のブレーキ装置、家電製品の振動や騒音の低減、および建築物の振動や騒音の低減が例示される。
1 万力
2 1/2インチ鋼球
2a 1/2インチ鋼球の落下点
3 振動ピックアップ
4 JIS K−2246に規定された試験片
5 防振性シリコーン組成物

Claims (6)

  1. (A)25℃における動粘度が、1,000〜5,000,000mm /sであるジオルガノポリシロキサンと、
    (B)平均単位式:
    (R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2
    (式中、Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基、水酸基、またはアルコキシ基であり、a、b、およびcは、0≦a、0≦b、0<c、a+b+c=1の関係を満たす数である)で表されるオルガノポリシロキサンと、
    (C)0.1〜100μmの範囲の平均粒子径を有し、フッ化カルシウム、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、およびチタン酸ストロンチウムからなる群から選択される一つまたは二つ以上の組み合わせからなる比重3.0以上の無機微粒子と
    を含む防振性シリコーン組成物。
  2. (A)成分の前記ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(B)成分の前記オルガノポリシロキサンを20〜200質量部、および(C)成分の前記無機微粒子を20〜400質量部の含有量で含む、請求項1に記載の防振性シリコーン組成物。
  3. さらに、(D)平均単位式:
    (R SiO1/2(SiO4/2
    (式中Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基、水酸基、またはアルコキシ基であり、d、およびeは、d>0、e>0、d+e=1の関係を満たす数である)で表されるオルガノポリシロキサンを含む、請求項1または2に記載の防振性シリコーン組成物。
  4. さらに、(D)平均単位式:
    (R SiO1/2)(SiO4/2)
    (式中Rは、それぞれ同一または異なる、置換または非置換の一価炭化水素基であり、d、およびeは、d>0、e>0、d+e=1の関係を満たす数である)で表されるオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合アルコキシ基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応混合物を含む、請求項1または2に記載の防振性シリコーン組成物。
  5. 振動発生機器の異音発生抑止用である、請求項1〜のいずれか一項に記載の防振性シリコーン組成物。
  6. 自動車のディスクブレーキの鳴き音防止用である、請求項1〜のいずれか一項に記載の防振性シリコーン組成物。
JP2012111495A 2012-05-15 2012-05-15 防振性シリコーン組成物 Expired - Fee Related JP6000634B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111495A JP6000634B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 防振性シリコーン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111495A JP6000634B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 防振性シリコーン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013237775A JP2013237775A (ja) 2013-11-28
JP6000634B2 true JP6000634B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=49763085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012111495A Expired - Fee Related JP6000634B2 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 防振性シリコーン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6000634B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113166547B (zh) * 2018-12-25 2023-07-14 美国陶氏有机硅公司 氟硅橡胶组合物
WO2020132847A1 (en) * 2018-12-25 2020-07-02 Dow Silicones Corporation Silicone rubber compositions

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000080277A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Ge Toshiba Silicones Co Ltd シリコーンオイルコンパウンド組成物
JP4399043B2 (ja) * 1998-10-07 2010-01-13 東レ・ダウコーニング株式会社 防振性シリコーン組成物
JP2000313806A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Dow Corning Toray Silicone Co Ltd 防振性シリコーン組成物
JP4477764B2 (ja) * 2000-09-27 2010-06-09 東レ・ダウコーニング株式会社 防振性シリコーン組成物
JP4723080B2 (ja) * 2000-11-28 2011-07-13 東レ・ダウコーニング株式会社 防振性シリコーンコンパウンド
JP2002242977A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Polymatech Co Ltd 防振媒体及びこれを備える防振ダンパー
JP2006206885A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Dow Corning Toray Co Ltd 防振性シリコーンコンパウンド
JP2010024420A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Toyota Motor Corp ダイラタント組成物、その製造方法、振動防止剤及びアンチスキールシム用振動防止剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013237775A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7134582B2 (ja) 熱伝導性ポリオルガノシロキサン組成物
TWI454564B (zh) Thermal conductive silicone grease composition
KR102537150B1 (ko) 열전도성 실리콘 조성물 및 반도체 장치
JP5365572B2 (ja) 室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物
JP5300408B2 (ja) 熱伝導性シリコーングリース組成物
JP6727471B1 (ja) 二液硬化型組成物セット、熱伝導性硬化物及び電子機器
WO2013161436A1 (ja) 加熱硬化型熱伝導性シリコーングリース組成物
WO2018131486A1 (ja) 熱伝導性樹脂組成物、放熱シート、放熱部材及びその製造方法
JP2010126568A (ja) 放熱用シリコーングリース組成物
JP7325324B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物
JP2016089127A (ja) 紫外線増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物
JP7047199B1 (ja) 熱伝導性グリース組成物
WO2022009486A1 (ja) 熱伝導性シリコーンゲル組成物、熱伝導性シリコーンゲルシート及びその製造方法
JP2012224834A (ja) グリース組成物
JP6000634B2 (ja) 防振性シリコーン組成物
JP6942907B1 (ja) 熱伝導性シリコーンゲル組成物、熱伝導性シリコーンゲルシート及びその製造方法
JP4809518B2 (ja) 防振性シリコーン組成物
JP6939914B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物、硬化物、半導体装置、及び半導体装置の製造方法
JP6027831B2 (ja) トルク発生機構用の粘性組成物
JP6187349B2 (ja) 室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物
JP4477764B2 (ja) 防振性シリコーン組成物
JP3167954B2 (ja) 防振性組成物
WO2021084787A1 (ja) 熱伝導性グリース及びその製造方法
JP2010024420A (ja) ダイラタント組成物、その製造方法、振動防止剤及びアンチスキールシム用振動防止剤
JP2000080277A (ja) シリコーンオイルコンパウンド組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6000634

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees