JP5999589B2 - 茶の製造方法 - Google Patents
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Description
ユニークな形態の茶の製造方法として、仕上げ茶を所定時間圧縮成形することにより、固形茶を製造する方法が知られている(特許文献1)。
ところで、近年、茶に含まれる成分の様々な効能が注目されている。
他方、近年では、茶の嗜好性に着目した様々な商品が開発されており、風味、食感、外観等の観点からユニークな商品の開発も求められている。
また、本発明は、簡単に持ち運びでき、好きなときにマグカップやペットボトル等手持ちの容器や食器を用いて簡単に飲食用に供することが出来る形態の茶を提供することを課題とする。
前記火入れ乾燥工程の後に茶葉に押圧力をかけて粉砕する粉砕工程と、を有し、前記火入れ乾燥工程を、75〜95℃で、40〜100分行うことを特徴とする。
このような製造方法により製造した茶は、水や湯に溶くことにより、茶葉ごと飲食することができ、嗜好性が高い。特に、火入れ乾燥工程の条件が、従来の煎茶等の茶の製造方法に比べて低温で長時間であることから、続く粉砕工程で広い粒度分布の粉砕物を得ることができ、水や湯に溶いて口に入れたときに、茶葉の適度な食感と、水や湯に抽出された茶の成分由来の風味を同時に味わうことができる。
また、茶葉に含まれる成分を余すことなく摂取することができるため、茶、乃至は茶に含まれる各種成分の様々な効能を享受できる機能性食品の製造方法としても有用である。
このような条件で蒸し工程を行うことにより、茶葉の形をある程度保持した状態の荒茶を製造することができ、茶葉の粉砕工程において、より広い粒度分布の粉砕物、特に大きい粒度の粉砕物を適度な割合で含む粉砕物を得やすく、ユニークな食感、良好な風味を実現することができる。
押し捻り工法による粉砕工程を行うことにより、ひとつひとつの茶葉の粒度を一様に小さくしなくても、表面積を大きくすることができるので、適度な食感を残しながら、水や湯に溶かした時に茶葉の成分が抽出されやすくなるという利点がある。
このような粉砕は、好ましくは、臼を用いて行う。
臼を用いることにより、茶葉を、押圧力をかけながら捻り砕くことができるので、様々な粒度、形状の粉砕物の混合物を得やすくなり、よりユニークな食感、良好な風味を実現することができる。
このような臼を用いることにより、一定レベルに捻り砕かれた茶葉は、傾斜面を沿って落下することにより、速やかに臼の押圧力から解放される。これにより、適度な食感を残した状態で茶葉を粉砕することが容易となる。
上臼の表面及び下臼の表面の何れか一方又は両方に凹凸面を設けることにより、相対する上臼と下臼の領域毎に、押圧力を変えることができるので、様々な粗さの粉砕物を同時に製造することが可能となる。また、凸部の表面を曲面に形成することにより、茶葉に過度なせん断力を与えることを防ぎ、適度に食感を残した状態で茶葉を粉砕することがより容易になる。即ち、茶葉の粉砕時に揉捻の様な作用を加えることが可能になり、ユニークな食感の粉砕物を得ることができる。
このように大きさの異なる凸部を設けることで、相対する上臼と下臼の領域毎に、押圧力を変え、さらに茶葉が凸部にとどまる時間も変えることができるので、上記のように茶葉に捻りを加えながら粉砕する機能に加えて、より様々な粗さの粉砕物を同時に製造することが可能となる。
また、このようにして製造された茶は、茶葉に含まれる成分を余すことなく食するのに適しているため、本発明は、茶、乃至は茶に含まれる各種成分の様々な効能を享受できる機能性食品の製造方法としても有用である。
また、本発明の製造方法により製造された茶は、簡単に持ち運びでき、好きなときにマグカップやペットボトル等手持ちの容器や食器を用いて簡単に飲食用に供することが出来る。
茶(日本茶)の一般的な製造方法は、蒸し工程、荒茶調製工程、火入れ乾燥工程を含む。
本発明は、上記の一般的な茶の製造方法において、火入れ乾燥工程の後に、茶葉を押圧力をかけながら粉砕する粉砕工程、好ましくは押し捻りながら粉砕する工程を含む点に、第一の特徴がある(図1参照)。そして、本発明においては、この粉砕工程によって、微粉砕された粉茶(粉末)とせずに、一定の食感を残しつつ湯に溶いた部分も良好な風味が得られるように、上記火入れ乾燥工程の条件を、75〜95℃で、40〜100分行うことに第二の特徴がある。
以下、本発明の製造方法の各工程について説明する。
蒸し工程は、茶摘みした生の茶葉を蒸す工程である。蒸し工程は、通常の方法、条件で行うことができる。本発明においては、深蒸しに対して普通蒸しといわれる条件にて行うことがより好ましい。蒸し工程における蒸気量は、茶葉に対して好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。また、蒸し時間は、好ましくは20〜60秒、さらに好ましくは25〜50秒、より好ましくは30〜40秒である。
荒茶調製工程は、上記蒸した茶葉から荒茶を調製する工程である。荒茶調製工程は、荒茶製造装置を用いて、通常の方法、条件で行うことができる。なお、荒茶の調製は、茶葉の水分量が通常3〜6質量%、好ましくは4〜5質量%になるように行う。
当該工程は、既存の荒茶製造装置を用いて行うことができる。
火入れ乾燥工程は、荒茶調製工程により得られた荒茶を乾燥させる工程である。
火入れ乾燥工程は、75〜95℃、好ましくは80〜95℃、さらに好ましくは90〜95℃で行う。また、当該工程は、40〜100分、好ましくは45〜80分、さらに好ましくは50〜60分行うことを特徴とする。
火入れ乾燥は、上記の条件で、水分量が好ましくは2〜4質量%、さらに好ましくは2〜3質量%になるように行う。このような水分量は、従来の茶に比して相対的に低いものである。上記の条件により、このような水分量とすることで、後述する粉砕により広い粒度分布の茶の粉砕物を得ることができ、良好な食感を実現できる。また、茶を食することを前提とした場合の風味も良好なものとなる。
粉砕工程は、火入れ乾燥により得られた茶葉を押圧力をかけながら粉砕する工程である。粉砕は、臼を用いて行うことができる。臼を用いることにより、茶葉を、押圧力をかけながら捻り砕くことができるので、様々な粒度、形状の粉砕物の混合物を得やすくなる。
また、この場合、臼を冷却しながら粉砕を行うことも、茶葉の色を鮮やかに維持し、風味の変化を防ぐ観点から、好ましい。
図2の符号1は、粉砕機を示す。図2に示すように、粉砕機1は、支持台を兼ねた本体2と、本体2の上部に配置された臼3と、臼3の上に配置された茶葉投入口としてのホッパー4と、臼3により粉砕された茶葉を排出する排出口5とを備える。臼3は、図3に示すように、水平に配置される上臼31と下臼32とを備え、全体または少なくとも歯の部分が耐摩耗性の金属で形成されている。上臼31には、冷却水等を循環させるジャケット33が設けられている。
上述した方法により火入れ乾燥を終えた茶葉を、粉砕機1のホッパー4から臼3内に投入する。臼3内に投入された茶葉は、上臼31と回転する下臼32とにより押圧力を受け、捻られながら、粉砕される。
なお、下臼32の回転速度を変化させたり、上臼31と下臼32の間隔を経時的に変化させたりすることにより、茶葉にかかる押圧力、捻りの度合いを部分的に変化させることができ、茶葉に対し、押し捻りの作用を効果的に与えることができる。
また、本発明の方法により製造された茶は、100gの水又は湯に、例えば1〜5g程度の割合で分散乃至は溶かすことで、茶葉を含めて飲食することができる。もちろん、茶の使用割合は、嗜好性に応じて適宜調節できる。
火入れ乾燥工程の条件が、茶葉の食感や風味に与える影響を評価するために以下の試験を行った。
静岡産の生の茶葉を洗浄し、釜を用いて、蒸気量30質量%(茶葉に対し)、30〜40秒蒸した。続いて、荒茶調製装置を用いて、水分量が概ね5〜6%となるように荒茶を調製した。
調製した荒茶に対して、以下の条件で火入れ乾燥を行い、水分量を概ね3%程度とした。得られた茶葉をすり鉢内に投入し、スプーンの湾曲した背面により茶葉に押圧力をかけながらすり鉢を回転させつつ捻りながら粉砕し、サンプル1及びサンプル2を得た。
一方、サンプル2は、全体として茶葉が切断されたような中間的な粒度のものが殆どを占めていた。
これより、火入れ工程を、比較的低い温度で、比較的長い時間行うことにより、その後の粉砕工程で、幅広い粒度分布の粉砕物を得られることが分かった。
その結果サンプル1は、茶葉をかみ砕く食感を楽しむことができ、しかも、液体部分の味も茶の良好な甘みと苦みのバランスを味わうことができ、極めて美味であった。
一方、サンプル2は、茶葉をかみ砕くことが困難であり、口の中に残る傾向にあった。また、液体部分の味も若干薄く感じられた。
蒸し工程の条件が、茶葉の食感や風味に与える影響を評価するために以下の試験を行った。
静岡産の生の茶葉を洗浄し、釜を用いて、蒸気量30質量%(茶葉に対し)で、表2に記載の時間、蒸し工程を行った。続いて、荒茶調製装置を用いて、水分量が概ね5〜6%となるように荒茶を調製した。
調製した荒茶に対して、以下の条件で火入れ乾燥を行い、水分量を概ね3%程度とした。得られたサンプル3及びサンプル4について、試験例1と同様に茶葉を粉砕した。
更に詳細には、サンプル3の方が、粒度の比較的大きいものの茶葉の針状の形状が維持されており、外観的にもきれいなものであった。
その結果サンプル3、サンプル4ともに、茶葉をかみ砕く食感を楽しむことができ、しかも、液体部分の味も茶の良好な甘みと苦みのバランスを味わうことができ、極めて美味であった。
特に、サンプル3は、茶葉の食感をしっかり感じることができ、より嗜好性の高いものであった。また、液体部分の味も甘みが大きく感じられた。
Claims (5)
- 生の茶葉を蒸す蒸し工程と、
蒸した茶葉から荒茶を得る荒茶調整工程と、
荒茶をさらに乾燥させる火入れ乾燥工程と、
前記火入れ乾燥工程の後に茶葉に押圧力をかけながら粉砕する粉砕工程と、を有し、
前記火入れ乾燥工程を、75〜95℃で、40〜100分行い、
前記粉砕工程では、臼を用いて茶葉を捻りながら粉砕し、
前記臼は、上臼と、回転する下臼とを備え、上臼及び下臼の相対する表面を傾斜面に形成し、
前記上臼の表面及び下臼の表面の少なくとも一方に凹凸面を設け、該凹凸面の凸部の表面を曲面に形成し、
前記上臼と下臼の間隔を、茶葉の直径をαとしたとき、α/2前後に設定することを特徴とする、茶の製造方法。 - 前記蒸し工程を、20〜60秒行うことを特徴とする、請求項1に記載の茶の製造方法。
- 前記凹凸面には、互いに大きさの異なる複数の凸部を設けることを特徴とする、請求項3に記載の茶の製造方法。
- 前記上臼の表面の凸部の幅Wを、下臼の表面の凸部の幅wよりも大きく設定し、上臼の凸部の高さHを下臼の凸部の高さhと同程度に設定することを特徴とする、請求項3に記載の茶の製造方法。
- 前記下臼の凸部の表面形状を、前記下臼の回転方向前側の部分が後ろ側の部分よりも鋭角になるように形成し、前記上臼の凸部の表面形状を、前記下臼の凸部の表面形状よりも緩い湾曲面に形成することを特徴とする、請求項4に記載の茶の製造方法。
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