JP5999415B2 - 留置針装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軟質の外針と硬質の内針とを備え、外針の先端から内針の先端を突出させた状態で患者に穿刺し、その後、内針を外針から後退させることができるように構成された留置針装置に関する。
留置針装置は、輸液、輸血、体外血液循環などの処置に広く使用される。このような処置において、金属針を血管内に留置すると血管が傷付けられる可能性がある。そこで、軟質の外針と硬質の内針とを備えた留置針装置が知られている。外針の先端から内針の先端を突出させた状態で外針及び内針を患者の血管に穿刺し、その後、内針を外針から後退させ、外針のみを患者に留置する。留置された軟質の外針は患者の血管を傷付ける可能性は低い。
図16は、このような従来の留置針装置900(例えば特許文献1参照)の一例の上方から見た斜視図、図17は、図16の17−17線を含む垂直面に沿った従来の留置針装置900の矢視断面図である。説明の便宜のため、患者に穿刺する側(図16、図17の紙面の左側)を「前側」、これと反対側を「後ろ側」と呼ぶ。
留置針装置900は、略円筒形状を有するシールド筒921と、その一端(前端)に固定された外ハブ925とを含むシールド920を備える。外ハブ925の前端に軟質の外針930が固定されている。シールド筒921の外ハブ925側端近傍の外周面に一対の翼929a,929bが設けられている。翼929a,929bは柔軟性を有しており、上下に揺動可能である。
シールド920の内腔内には内ハブ940が挿入されている。内ハブ940の前端には金属製の硬質の内針950が固定され、内ハブ940の後端には柔軟なチューブ960の一端が接続されている。内針950とチューブ960とは、内ハブ940を前後方向に貫通する縦貫路943を介して連通している。
シールド筒921、外ハブ925、外針930、及び翼929a,929bは、留置針装置900の外ユニット901を構成する。一方、内ハブ940、内針950、及びチューブ960は、留置針装置900の内ユニット902を構成する。内ユニット902は、外ユニット901に対して、シールド920の長手方向(即ち、前後方向)に移動可能に挿入されている。
図16、図17では、内ハブ940はシールド920の内腔の前端側に位置し、内ハブ940に保持された内針950は外針930を貫通し、内針950の先端は外針930の先端から外部に突出している。外ユニット901に対する内ユニット902のこの位置を「初期位置」と呼ぶ。
内ユニット902を初期位置に保持するために、ストッパー970が用いられる。図18はストッパー970の斜視図である。略半円筒形状の基部971から、略半円筒形状の挿入部972及び一対の固定部973が延びている。挿入部972は一対の固定部973の間に配置され、これらは互いに平行である。
図17に示されているように、シールド筒921の後端から、ストッパー970の挿入部972を挿入する。挿入部972の先端を内ハブ940の後端に衝突させて内ハブ940を前側に押し込むことにより、内ユニット902を初期位置に配置することができる。
留置針装置900は、以下のように使用される。
最初に、内ユニット902を初期位置に保持したまま、内針950及び外針930を患者の血管に穿刺する(穿刺作業)。穿刺する際に内針950が患者から受ける反力によって、内針950が外針930内に収納されてしまうのを防止する必要がある。このため、穿刺作業は、ストッパー970を保持して行う必要がある。これにより、ストッパー970及び内ユニット902は外ユニット901に対して変位せず、内ユニット902は初期位置に維持される。
内針950及び外針930を患者の血管に穿刺した後、シールド920からストッパー970を抜き去り、続いてシールド920からチューブ960を引き出す(後退作業)。チューブ960を引き出しながら同時にストッパー970をシールド920から抜き去ってもよい。チューブ960を引き出すことにより内ユニット902が外ユニット901に対して後方に移動し、図19に示すように、内針950がシールド920内に収納される。図19に示した外ユニット901に対する内ユニット902の位置を「後退位置」と呼ぶ。この状態で粘着テープ等を用いて留置針装置900を患者に固定する。軟質の外針930のみが患者に穿刺された状態で留置される。
特開2011−251081号公報
上記の留置針装置900では、ストッパー970は、内針950及び外針930を患者に穿刺する穿刺作業において、内ユニット902を初期位置に維持するためにのみ用いられる。ストッパー970は、その後の内ユニット902を後退位置に向かって移動させる後退作業に先立って又は後退作業とともにシールド920から抜き去られる。
ところが、ストッパー970のみをシールド920から抜き去ったことにより、内ユニット902を後退位置に移動させたと勘違いし、チューブ960を引っ張るのを忘れてしまうという誤操作をする危険がある。その結果、外針930の先端から内針950が突出した状態で留置針装置900が患者に留置されるので、硬質の内針950の先端が患者の血管を傷付けてしまう可能性がある。
また、ストッパー970を備えることにより、留置針装置900を構成する部品数が増大し、留置針装置900のコストが増大する。
更に、シールド920内に挿入されたストッパー970が、留置針装置900の移送中に振動などによりシールド920から抜け落ちる可能性がある。
従って、穿刺作業においてストッパー970を用いることなく内ユニット902を初期位置に維持することを可能にし、ストッパー970を省略することが望ましい。
本発明の目的は、穿刺作業においてストッパーを用いることなく内ユニットを初期位置に維持することができ、その結果、ストッパーが省略された留置針装置を提供することにある。
本発明の留置針装置は、内腔を有するシールド、及び、前記シールドの前端に固定された軟質の外針を含む外ユニットと、前記シールドの前記内腔内に配置された内ハブ、前記内ハブに装着された弾性的に変形可能なOリング、前記内ハブの前端に固定された硬質の内針、及び、前記内ハブの後端に接続されたチューブを含む内ユニットとを備える。前記内針が前記外針を貫通して前記外針の先端から突出する初期位置から、前記内針が前記シールドの前記内腔内に収納される後退位置へ、前記Oリングが前記シールドの内周面上を摺動しながら、前記内ユニットが前記外ユニットに対して変位する。前記シールドの前記内周面に係合凸部が形成されている。前記内ユニットを前記初期位置に配置して穿刺したときに前記内針が受ける反力によって前記内ユニットが前記後退位置に向かって移動しないように、前記内ユニットが前記初期位置にあるときに前記Oリングは前記シールドに形成された前記係合凸部に係合される。
本発明によれば、内ユニットが初期位置にあるときに、Oリングはシールドに形成された係合凸部に係合される。これにより、内ユニットを初期位置に配置して穿刺したときに内針が受ける反力によって内ユニットが後退位置に向かって移動しない。従って、従来の留置針装置において必要であったストッパーを省略することができる。
図1は、内ユニットが初期位置にある、参考実施形態1にかかる留置針装置の上方から見た斜視図である。 図2は、図1の2−2線を含む垂直面に沿った、参考実施形態1にかかる留置針装置の矢視断面図である。 図3Aは、参考実施形態1にかかる留置針装置に用いられる内ハブの斜視図、図3Bは図3Aの3B−3B線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図、図3Cは図3Aの3C−3C線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図である。 図4は、内ユニットが後退位置にある、参考実施形態1にかかる留置針装置の上方から見た斜視図である。 図5は、図4の5−5線を含む垂直面に沿った、参考実施形態1にかかる留置針装置の矢視断面図である。 図6は、参考実施形態1にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した水平方向断面図である。 図7Aは、参考実施形態2にかかる留置針装置に用いられる内ハブの斜視図、図7Bは図7Aの7B−7B線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図、図7Cは図7Aの7C−7C線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図である。 図8は、参考実施形態2にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した垂直方向断面図である。 図9は、本発明の実施形態にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した水平方向断面図である。 図10は、本発明の実施形態にかかる別の留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した水平方向断面図である。 図11は、本発明の実施形態にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した水平方向断面図である。 図12は、本発明の実施形態にかかる別の留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した水平方向断面図である。 図13は、参考実施形態にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ、内ハブ、及びその近傍を示した垂直方向断面図である。 図14は、参考実施形態にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの内針及び外針の先端及びその近傍を示した断面図である。 図15は、参考実施形態にかかる留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ及びその近傍を示した断面図である。 図16は、内ユニットが初期位置にある、従来の留置針装置の上方から見た斜視図である。 図17は、図16の17−17線を含む垂直面に沿った従来の留置針装置の矢視断面図である。 図18は、図16に示した従来の留置針装置に使用されるストッパーの斜視図である。 図19は、内ユニットが後退位置にある、図16に示した従来の留置針装置の、図17と同じ面に沿った断面図である。
本発明の留置針装置は、内腔を有するシールド、及び、前記シールドの前端に固定された軟質の外針を含む外ユニットと、前記シールドの前記内腔内に配置された内ハブ、前記内ハブに装着された弾性的に変形可能なOリング、前記内ハブの前端に固定された硬質の内針、及び、前記内ハブの後端に接続されたチューブを含む内ユニットとを備える。前記内針が前記外針を貫通して前記外針の先端から突出する初期位置から、前記内針が前記シールドの前記内腔内に収納される後退位置へ、前記Oリングが前記シールドの内周面上を摺動しながら、前記内ユニットが前記外ユニットに対して変位する。前記シールドの前記内周面に係合凸部が形成されている。前記内ユニットを前記初期位置に配置して穿刺したときに前記内針が受ける反力によって前記内ユニットが前記後退位置に向かって移動しないように、前記内ユニットが前記初期位置にあるときに前記Oリングは前記シールドに形成された前記係合凸部に係合される。
上記の留置針装置において、前記シールドは、前記外針を保持する外ハブと、前記外ハブが一端に固定された筒状のシールド筒とを備えていてもよい。この場合、前記係合凸部は前記シールド筒の内周面に形成されていてもよい。あるいは、前記係合凸部は前記外ハブの内周面に形成されていてもよい。これにより、簡単な構造でOリングをシールドに係合させることができる。
上記の留置針装置において、前記Oリングに係合する係合凸部が、前記シールドの前記内周面に形成されている。これにより、簡単な構造でOリングをシールドに係合させることができる。
上記の留置針装置において、前記係合凸部は、周方向に沿って連続していることが好ましい。これは、Oリングとシールドとの間に高い液密性を確保するのに有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
参考実施形態1)
図1は、内ユニットが初期位置にある、参考実施形態1にかかる留置針装置100の上方から見た斜視図である。以下の説明の便宜のため、留置針装置100の長手方向をZ軸、Z軸と直交する水平方向軸及び上下方向軸をそれぞれX軸及びY軸とする直交座標系を設定する。Y軸の矢印の側(即ち、図1の紙面の上側)を「上側」、これと反対側を「下側」と呼ぶ。但し、「水平方向」及び「上下方向」は、留置針装置100の実際の使用時の向きを意味するものではない。更に、患者に穿刺する側(Z軸の矢印の側、即ち、図1の紙面の左側)を「前側」、これと反対側を「後ろ側」と呼ぶ。図2は、図1の2−2線を含む垂直面(YZ面)に沿った留置針装置100の矢視断面図である。
留置針装置100は、シールド20を備える。シールド20は、シールド筒21と、シールド筒21の一端(前端)に固定された外ハブ25とを有する。シールド筒21は、内径が一定の略円筒形状を有する。シールド筒21の外ハブ25とは反対側端(後端)近傍の内周面には、周方向に連続する係止突起22が形成されている。外ハブ25は略漏斗形状を有し、そのシールド筒21とは反対側端(前端)に軟質の外針30が固定されている。外針30は略円筒形状を有する。シールド筒21及び外ハブ25の材料としては、特に制限はないが、硬質材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン等を用いることができる。シールド筒21及び外ハブ25が透明又は透光性を有すると、シールド20の内腔24内の液体(薬液又は血液など)や内ハブ40を透視することができるので好ましい。外針30の材料としては、特に制限はないが、軟質材料が好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン系エラストマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等を用いることができる。外針30が透明又は透光性を有すると、その内腔内の液体(薬液又は血液など)や内針50を透視することができるので好ましい。なお、外ハブ25及び外針30を、上記の軟質材料を用いて一体に形成してもよい。
参照符号29a,29bは、X軸と略平行に延びた翼である。翼29a,29bは、略円筒形状の固定部材28に設けられている。固定部材28をシールド筒21の外ハブ25側端近傍の外周面に外装することにより、翼29a,29bがシールド20に装着されている。翼29a,29bの材料としては、特に制限はないが、軟質材料が好ましく、例えば、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレン、オレフィン系又はポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。なお、翼29a,29bは、シールド20に一体に成形されていてもよい。
シールド20の内腔24内には内ハブ40が、シールド20の長手方向(即ち、Z軸方向)に移動可能に挿入されている。内ハブ40の前端には金属製の硬質の内針50が固定されている。内針50は略円筒形状を有し、その先端は鋭利に加工されている。内ハブ40の後端には柔軟なチューブ60の一端が接続されている。チューブ60の他端は、例えば輸液を行うための点滴回路に接続されている。内ハブ40の外周面にOリング49が装着されている。Oリング49はシールド筒21の内周面に密着し、シールド20の内腔24において、Oリング49よりも外針30側の薬液又は血液がOリング49よりもチューブ60側に漏洩するのを防ぐ。内ハブ40の材料としては、特に制限はないが、硬質材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。チューブ60の材料としては、特に制限はないが、軟質材料が好ましく、例えば、塩化ビニル等の樹脂材料を用いることができる。Oリング49の材料としては、特に制限はないが、柔軟性を有し弾性的変形可能な材料が好ましく、例えば、ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
図3Aは内ハブ40の斜視図、図3Bは図3Aの3B−3B線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図、図3Cは図3Aの3C−3C線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図である。図3Bの断面と図3Cの断面とは互いに直交する。内ハブ40は、一端(前端)に、円錐面状の外面を有する前部41を有し、他端に円筒面状の外面を有する後部42を有する。縦貫路43が、内ハブ40の中心軸40aに沿って前部41から後部42まで内ハブ40を縦貫している。図2に示されているように、内針50は、前部41側から縦貫路43内に挿入されて、内ハブ40に保持される。後部42がチューブ60内に挿入されて、内ハブ40とチューブ60とが接続される。かくして、内針50とチューブ60とは、内ハブ40の縦貫路43を通じて連通される。
前部41と後部42との間の、内ハブ40の外周面に、周方向に連続する環状溝44が形成されている。図2に示されているように、環状溝44にOリング49が装着される。
内ハブ40の外周面に、環状溝44と前部41との間に、環状溝44側から径大部45及び径小部46がこの順に形成されている。径小部46は前部41に隣接し、径小部46の外径は、前部41の最大径より小さく、且つ、径大部45の外径よりも小さい。図3Cに示されているように、前部41の最大径部分、即ち前部41の径小部46側の端縁41aは、径小部46よりも半径方向の外向きに突出している。前部41、径小部46、及び径大部45には、これらを直径方向(中心軸40aに直交する方向)に横貫する横貫路47が形成されている。横貫路47は、縦貫路43と交差し且つ連通している。
後部42の周囲に、片持ち支持された4つの弾性片48が、内ハブ40の中心軸40aに対して等角度間隔で配置されている。弾性片48は、内ハブ40の中心軸40aに対して略平行に延びている。弾性片48の後部42とは反対側の面には、嵌合溝48aとテーパ面48bとが形成されている。嵌合溝48aは、内ハブ40の周方向に沿った凹部(溝)である。テーパ面48bは、嵌合溝48aに対して弾性片48の自由端側に隣接し、嵌合溝48a側で外径が大きな円錐面の一部をなす。
シールド20と、シールド20に固定された外針30、翼29a,29b、及び固定部材28は留置針装置100の外ユニット101を構成する。一方、内ハブ40、内針50、及びチューブ60は、留置針装置100の内ユニット102を構成する。内ユニット102は、外ユニット101に対して、シールド20の長手方向(即ち、前後方向)に移動可能に挿入されている。
図1、図2では、内ハブ40はシールド20の内腔24の前端側に位置し、内ハブ40に保持された内針50は外針30を貫通し、その先端は外針30の先端から外部に突出している。外ユニット101に対する内ユニット102のこの位置を本発明では「初期位置」と呼ぶ。
図4は、内ユニット102が後退位置にある留置針装置100の上方から見た斜視図である。図5は、図4の5−5線を含む垂直面(YZ面)に沿った留置針装置100の矢視断面図である。
図5に示されているように、内ユニット102が「後退位置」にあるとき、内ハブ40の嵌合溝48a(図3A、図3B、図3Cを参照)とシールド筒21の係止突起22とが嵌合している。また、内ハブ40に保持された内針50は外針30から抜き去られ、シールド20の内腔24内に収納されている。
初期位置(図1、図2参照)に比べると、後退位置では、外針30内の流路の断面積は内針50の断面積分だけ増大するので、薬液又は血液の流量が増大する。また、後退位置では、外針30からチューブ60に至る流路としては、内針50の内腔及び内ハブ40の縦貫路43を順に通る第1流路と、シールド20の内面と内針50及び内ハブ40の各外面との間の空間、内ハブ40の横貫路47、及び内ハブ40の縦貫路43を順に通る第2流路の2つがあるので、大きな流量で薬液又は血液を流すことができる。
以上のように、本参考実施形態1の留置針装置100では、内ユニット102は、図1及び図2に示す初期位置から図4及び図5に示す後退位置に、外ユニット101に対して前後方向に移動することができる。
留置針装置100を患者に穿刺する際には、内ユニット102は初期位置に保持されなければならない。本参考実施形態1の留置針装置100では、初期位置にある内ユニット102が後退位置に向かって移動しないように内ハブ40は外ハブ25に係合される。
内ハブ40と外ハブ25との係合について説明する。
図6は、内ユニット102が初期位置にあるときの外ハブ25、内ハブ40、及びその近傍を示した、水平面(XZ面)に沿った断面図である。図6に示されているように、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
内ハブ40の径小部46が対向する外ハブ25の内周面の領域に、径小部46に向かって突出した係合凸部26aが形成されている。係合凸部26aは、外ハブ25の内周面に、内ハブ40を取り囲むように周方向に連続している。係合凸部26aが内ハブ40の径小部46に嵌入することにより、内ハブ40と外ハブ25とが係合している。初期位置にある内ユニット102を後退位置に移動させようとすると、外ハブ25の係合凸部26aが内ハブ40の端縁41aに衝突する。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、係合凸部26aが内ハブ40の端縁41aを乗り越えて前部41側に移動する必要がある。このためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
以上のように構成された本参考実施形態1の留置針装置100の使用方法及び作用を説明する。
参考実施形態1の留置針装置100は、内ユニット102が初期位置(図1、図2、図6)に配置された状態で病院などの医療機関に納入される。
医療機関では、作業者は、図1及び図2に示すように、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する(穿刺作業)。穿刺作業は、外ユニット101を指で把持して行うことができる。このとき、内針50は、穿刺する向きとは逆向きの反力を受ける。この反力は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させるように作用する。ところが、上述したように、内ハブ40は外ハブ25に係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次に、外針30を患者に穿刺した状態で、内ユニット102を後退させる(後退作業)。例えば、外ユニット101が患者に対して変位しないように一方の手(例えば穿刺作業で外ユニット101を把持していたのとは異なる手)で外ユニット101を保持しながら、他方の手でチューブ60を把持して外ユニット101からチューブ60を引き出せばよい。外ハブ25の係合凸部26aが内ハブ40の端縁41aを乗り越えさせるためにチューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、係合凸部26aが内ハブ40の端縁41aを乗り越えて前部41側に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。内ユニット102はチューブ60とともに後方に移動する。Oリング49は、シールド筒21との間の液密性を維持しながら、シールド筒21の内周面上を摺動する。
シールド筒21の後端近傍の内周面には係止突起22が形成されている。内ハブ40が係止突起22まで移動し、内ハブ40の弾性片48の外面に形成されたテーパ面48b(図3A、図3B、図3Cを参照)が係止突起22上を摺動する。このとき弾性片48は後部42側に弾性変形する。次いで、テーパ面48bが係止突起22を乗り越えると、弾性片48が弾性回復し、嵌合溝48aに係止突起22が嵌入する。かくして、内ユニット102は図4及び図5に示した後退位置に移動する。
この状態で外ユニット101の上から粘着テープを患者の皮膚に貼り付け、留置針装置100を患者に固定する。外針30のみが患者に穿刺された状態で留置される。内ユニット102が後退位置にあるとき、柔軟な外針30内に硬質の内針50が存在しないので、患者が動くなどにより、患者に対する留置針装置100の姿勢が仮に変化しても、外針30が患者の血管等を傷付けることはない。
必要な処置が終了すると、外ユニット101を固定する粘着テープを患者から剥がし、外針30を患者から引き抜く。外ユニット101に対してチューブ60を押し引きしても、内ハブ40の嵌合溝48aとシールド筒21の係止突起22との嵌合状態は解除されない。即ち、内針50を外針30の先端から再度突出させたり、内ユニット102を外ユニット101から引き出したりすることはできない。従って、硬質の内針50を誤って穿刺したり、使用済みの留置針装置100を誤って再使用したりするのを防止している。使用済みの留置針装置100は廃棄される。
以上のように本参考実施形態1の留置針装置100は、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40は外ハブ25に係合される。従って、穿刺作業において内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、初期位置にある内ユニット902が穿刺作業時に後退位置に向かって移動するのを防止するために従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本参考実施形態1の留置針装置100では不要である。
上述したように、従来の留置針装置900では、ストッパー970をシールド920から抜き去ったことにより、内ユニット902が後退位置に移動したと勘違いするという誤操作をする危険があった。これに対して、本参考実施形態1では、ストッパーは存在しない。内ユニット101を初期位置から後退位置に移動させるためには、チューブ60を外ユニット101から引き出さなければならない。従って、誤操作をする危険が低減される。
また、ストッパーを用いないので、留置針装置100を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置100の低コスト化が可能である。
更に、内ユニット102が初期位置にあるときに内ハブ40は外ハブ25に係合されているので、留置針装置100が内ユニット102を初期位置にして出荷された後に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
初期位置にある内ユニット102は、外ハブ25に設けられた係合凸部26aに係合される。外ハブ25には外針30が保持されている。この構成は、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度を向上させるのに有利である。
上記の例のように、内ハブ40に外ハブ25の係合凸部26aを係合させることに加えて、内ハブ40の径大部45の前側の端縁を外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突させることで内ユニット102の初期位置を規制することは、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度を更に向上させるのに有利である。
初期位置にある内ユニット102の外針30に対する位置精度が向上することにより、内ユニット102が初期位置にあるときの、内針50の外針30からの突出長さを高精度に管理することができる。
係合凸部26は周方向に連続しているので、中心軸40a回りの内ハブ40の回転方向の姿勢に関わらず、内ハブ40を外ハブ25に係合させることができる。
上記の例では、係合凸部26aは周方向に沿って連続していたが、係合凸部26aは周方向に連続していなくてもよい。例えば、複数の係合凸部26aが周方向に沿って離散的に配置されていてもよい。あるいは、周方向に不連続な係合凸部26aがただ1つのみ配置されていてもよい。
参考実施形態2)
上述した参考実施形態1では、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径小部46に外ハブ25の係合凸部26aが嵌入することにより内ハブ40と外ハブ25とが係合した。本参考実施形態2では、これに代えて、内ハブ40の横貫路47に外ハブ25の係合凸部26bが嵌入することにより内ハブ40と外ハブ25とが係合する。以下、参考実施形態1との相違点を中心に、本参考実施形態2の留置針装置を説明する。
図7Aは本参考実施形態2の留置針装置に使用される内ハブ40の斜視図、図7Bは図7Aの7B−7B線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図、図7Cは図7Aの7C−7C線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図である。本参考実施形態2の内ハブ40では、前部41と径大部45との間の径小部46の外径は、前部41の最大径とほぼ同じである。本参考実施形態2の内ハブ40は、上記を除いて、参考実施形態1の内ハブ40と同じである。
図8は、内ユニット102が初期位置にあるときの外ハブ25、内ハブ40、及びその近傍を示した、垂直面(YZ面)に沿った断面図である。図8に示されているように、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
内ハブ40の横貫路47が対向する外ハブ25の内周面の領域に、横貫路47に向かって突出した係合凸部26bが形成されている。係合凸部26bは、上下方向に対向するように一対形成されている。
係合凸部26bが内ハブ40の横貫路47に嵌入することにより、内ハブ40と外ハブ25とが係合している。初期位置にある内ユニット102を後退位置に移動させようとすると、外ハブ25の係合凸部26bが内ハブ40の横貫路47の前側の端縁41bに衝突する。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、係合凸部26bが内ハブ40の端縁41bを乗り越えて前部41側に移動する必要がある。このためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
参考実施形態2の留置針装置の使用方法は、参考実施形態1と概略同じである。
穿刺作業では、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態(図1、図2、図8)で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する。このとき、内針50は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させる向きの反力を受ける。ところが、上述したように、内ハブ40は外ハブ25に係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次の後退作業では、外針30を患者に穿刺した状態で、チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退させる。外ハブ25の係合凸部26bが内ハブ40の端縁41bを乗り越えさせるためにチューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、係合凸部26bが内ハブ40の端縁41bを乗り越えて前部41側に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退位置(図4、図5を参照)に移動させる。
以上のように本参考実施形態2の留置針装置は、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40は外ハブ25に係合される。従って、参考実施形態1と同様に、穿刺作業において、内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本参考実施形態2の留置針装置では不要である。
ストッパーが不要であるので、ストッパー970を備えた従来の留置針装置900で起こりうる誤操作の危険性が低減される。また、留置針装置を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置の低コスト化が可能である。更に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
初期位置にある内ユニット102は、外針30を保持する外ハブ25に設けられた係合凸部26bに係合される。従って、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度が向上する。更に、内ユニット102が初期位置にあるときの、内針50の外針30からの突出長さを高精度に管理することができる。
係合凸部26bが周方向に離散的に形成されている。従って、本参考実施形態2によれば、内ハブ40と外ハブ25との係合構造は、内ハブ40の外ハブ25に対する回転方向の姿勢をも規制することができる。
参考実施形態2に示した外ハブ25と内ハブ40とが係合する構成を、参考実施形態1に組み合わせることができる。
上記の例では、2つの係合凸部26bが上下方向に対向して配置されていたが、2つの係合凸部26のうちのいずれか一方を省略してもよい。
(実施形態
上述した参考実施形態1,2では、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40と外ハブ25とが係合した。本実施形態では、これに代えて、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40に装着されたOリング49がシールド筒21に係合される。以下、参考実施形態1との相違点を中心に、本実施形態の留置針装置を説明する。
図9は、本実施形態の留置針装置において、内ユニット102が初期位置にあるときの外ハブ25、内ハブ40、及びその近傍を示した水平方向面(XZ面)に沿った断面図である。参考実施形態1で説明した図6と比較すれば容易に理解できるように、本実施形態では、参考実施形態1において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26a(図6参照)が形成されていない。更に、図示を省略するが、本実施形態では、参考実施形態2において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26b(図8参照)も形成されていない。図9に示された内ハブ40は参考実施形態1の内ハブ40(図3A〜図3C参照)と同じであるが、本実施形態の留置針装置に使用される内ハブ40として、参考実施形態2の内ハブ40(図7A〜図7C参照)を使用することもできる。参考実施形態1と同様に、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
図9に示されているように、シールド筒21の外ハブ25の近傍の内周面には、周方向に連続したリブ状の係合凸部23aが形成されている。内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40に装着されたOリング49は、シールド筒21の内周面の係合凸部23aよりも前側の領域に接触している。係合凸部23aは、Oリング49よりも後ろ側においてOリング49に接近(好ましくはOリング49に接触)している。このように、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49と係合凸部23aとが係合している。
内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、Oリング49が係合凸部23aを乗り越えて、係合凸部23aよりも後ろ側に移動する必要がある。Oリング49が係合凸部23aを乗り越える際、Oリング49を半径方向に縮径させる必要がある。従って、内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
本実施形態の留置針装置の使用方法は、参考実施形態1と概略同じである。
穿刺作業では、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態(図1、図2、図9を参照)で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する。このとき、内針50は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させる向きの反力を受ける。ところが、上述したように、Oリング49は係合凸部23aに係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次の後退作業では、外針30を患者に穿刺した状態で、チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退させる。Oリング49を、係合凸部23aを乗り越えさせて係合凸部23aよりも後ろ側に移動させるために、チューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、Oリング49が係合凸部23aよりも後ろ側に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退位置(図4、図5を参照)に移動させる。内ユニット102が初期位置から後退位置に移動する過程で、Oリング49は、シールド筒21との間の液密性を維持しながら、シールド筒21の内周面上を摺動する。
以上のように本実施形態の留置針装置は、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49はシールド筒21に係合される。従って、参考実施形態1と同様に、穿刺作業において、内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本実施形態の留置針装置では不要である。
ストッパーが不要であるので、ストッパー970を備えた従来の留置針装置900で起こりうる誤操作の危険性が低減される。また、留置針装置を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置の低コスト化が可能である。更に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
Oリング49は周方向に連続しているので、中心軸40a回りの内ユニット102の回転方向の姿勢に関わらず、Oリング49と係合凸部23aとを係合させることができる。
図9では、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49に対して係合凸部23aが後ろ側に配置されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、内ユニット102が初期位置にあるとき内ハブ40の中心軸40a(図3B、図3C、図7B、図7C参照)に直交する方向(即ち、半径方向)にOリング49に対向する位置に、係合凸部23aが形成されていてもよい。この場合、係合凸部23aはOリング49を半径方向に圧縮させながらOリング49と係合する。係合凸部23a及びOリング49は互いに相手方に対して大きな押力を印加している。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、この大きな押力に打ち勝ってOリング49を係合凸部23aに対して相対的に移動させる必要がある。従って、図10の場合も、図9の場合と同様の効果を奏する。
図10において、Oリング49の外周面に、係合凸部23aが嵌入する係合凹部が形成されていてもよい。この場合、内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、Oリング49を変形させて、Oリング49の係合凹部と係合凸部23aとの係合(嵌合)を解除する必要がある。このためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。従って、この場合も、図9の場合と同様の効果を奏する。Oリング49の係合凹部と係合凸部23aとを確実に係合させるために、Oリング49に形成される係合凹部は周方向に連続していることが好ましい。
本実施形態に示したOリング49とシールド筒21とが係合する構成を、参考実施形態1,2に組み合わせることができる。
上記の例では、係合凸部23aは周方向に連続していたが、周方向に不連続であってもよい。即ち、複数の係合凸部23aが周方向に離散的に配置されていてもよく、あるいは、周方向に不連続なただ1つの係合凸部23aが配置されていてもよい。但し、Oリング49とシールド20(特にシールド筒21)との液密性を確保する観点からは、係合凸部23aは周方向に連続していることが好ましい。
(実施形態
内ユニット102が初期位置にあるとき、上述した参考実施形態1,2では内ハブ40と外ハブ25とが係合し、上述した実施形態では内ハブ40に装着されたOリング49とシールド筒21とが係合した。本実施形態では、これらに代えて、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40に装着されたOリング49が外ハブ25に係合される。以下、参考実施形態1及び実施形態1との相違点を中心に、本実施形態の留置針装置を説明する。
図11は、本実施形態の留置針装置において、内ユニット102が初期位置にあるときの外ハブ25、内ハブ40、及びその近傍を示した水平方向面(XZ面)に沿った断面図である。実施形態で説明した図9と比較すれば容易に理解できるように、本実施形態では、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40に装着されたOリング49が外ハブ25に密着するように、外ハブ25が後ろ側に延長されている。外ハブ25の内周面には、内径が変化することによって形成された段差25sが形成されている。外ハブ25の段差25sより後ろ側の領域は、段差25sより前側の領域よりも内径が相対的に大きな延長部25eである。延長部25eの内周面(内ハブ40に対向する側の面)は、シールド筒21の延長部25eより後ろ側の領域の内径と実質的に同じ内径を有する円筒面である。図11に示された内ハブ40は参考実施形態1の内ハブ40(図3A〜図3C参照)と同じであるが、本実施形態の留置針装置に使用される内ハブ40として、参考実施形態2の内ハブ40(図7A〜図7C参照)を使用することもできる。内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の段差25sに衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
本実施形態では、参考実施形態1において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26a(図6参照)も、参考実施形態2において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26b(図8参照)も、更には、実施形態においてシールド筒21の内周面に形成した係合凸部23a(図9、図10参照)も形成されていない。これらの代わりに、外ハブ25の延長部25eの内周面に、周方向に連続したリブ状の係合凸部23bが形成されている。内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40に装着されたOリング49は、延長部25eの内周面の係合凸部23bよりも前側の領域に接触している。係合凸部23bは、Oリング49よりも後ろ側においてOリング49に接近(好ましくはOリング49に接触)している。このように、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49と係合凸部23bとが係合している。
内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、Oリング49が係合凸部23bを乗り越えて、係合凸部23bよりも後ろ側に移動する必要がある。Oリング49が係合凸部23bを乗り越える際、Oリング49を半径方向に縮径させる必要がある。従って、内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
本実施形態の留置針装置の使用方法は、参考実施形態1と概略同じである。
穿刺作業では、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態(図1、図2、図11を参照)で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する。このとき、内針50は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させる向きの反力を受ける。ところが、上述したように、Oリング49は係合凸部23bに係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次の後退作業では、外針30を患者に穿刺した状態で、チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退させる。Oリング49を、係合凸部23bを乗り越えさせて係合凸部23bよりも後ろ側に移動させるために、チューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、Oリング49が係合凸部23bよりも後ろ側に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退位置(図4、図5を参照)に移動させる。内ユニット102が初期位置から後退位置に移動する過程で、Oリング49は、シールド20(即ち、延長部25e及びシールド筒21)との間の液密性を維持しながら、シールド20の内周面上を摺動する。
以上のように本実施形態の留置針装置は、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49は外ハブ25に係合される。従って、参考実施形態1と同様に、穿刺作業において、内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本実施形態の留置針装置では不要である。
ストッパーが不要であるので、ストッパー970を備えた従来の留置針装置900で起こりうる誤操作の危険性が低減される。また、留置針装置を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置の低コスト化が可能である。更に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
初期位置にある内ユニット102は、外ハブ25に設けられた係合凸部23bに係合される。従って、参考実施形態1と同様に、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度が向上する。更に、内ユニット102が初期位置にあるときの、内針50の外針30からの突出長さを高精度に管理することができる。
Oリング49は周方向に連続しているので、中心軸40a回りの内ユニット102の回転方向の姿勢に関わらず、Oリング49と係合凸部23bとを係合させることができる。
図11では、内ユニット102が初期位置にあるとき、Oリング49に対して係合凸部23bが後ろ側に配置されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、内ユニット102が初期位置にあるとき内ハブ40の中心軸40a(図3B、図3C、図7B、図7C参照)に直交する方向(即ち、半径方向)にOリング49に対向する位置に、係合凸部23bが形成されていてもよい。この場合、係合凸部23bはOリング49を半径方向に圧縮させながらOリング49と係合する。係合凸部23b及びOリング49は互いに相手方に対して大きな押力を印加している。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、この大きな押力に打ち勝ってOリング49を係合凸部23bに対して相対的に移動させる必要がある。従って、図12の場合も、図11の場合と同様の効果を奏する。
図12において、Oリング49の外周面に、係合凸部23bが嵌入する係合凹部が形成されていてもよい。この場合、内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、Oリング49を変形させて、Oリング49の係合凹部と係合凸部23bとの係合(嵌合)を解除する必要がある。このためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。従って、この場合も、図11の場合と同様の効果を奏する。Oリング49の係合凹部と係合凸部23bとを確実に係合させるために、Oリング49に形成される係合凹部は周方向に連続していることが好ましい。
本実施形態に示したOリング49と外ハブ25とが係合する構成を、参考実施形態1,2に組み合わせることができる。
上記の例では、係合凸部23bは周方向に連続していたが、周方向に不連続であってもよい。即ち、複数の係合凸部23bが周方向に離散的に配置されていてもよく、あるいは、周方向に不連続なただ1つの係合凸部23bが配置されていてもよい。但し、Oリング49とシールド20(特に延長部25e)との液密性を確保する観点からは、係合凸部23bは周方向に連続していることが好ましい。
上記の例では延長部25eは係合凸部23bよりも更に後ろ側に延びていたが、前後方向において、延長部25eの後ろ側端の位置が係合凸部23bの位置と一致していてもよい。
参考実施形態
内ユニット102が初期位置にあるとき、上述した参考実施形態1,2では内ハブ40と外ハブ25とが係合し、上述した実施形態1,2ではOリング49とシールド20とが係合した。本参考実施形態では、これらに代えて、内ユニット102が初期位置にあるとき、内針50が外針30に係合される。以下、参考実施形態1との相違点を中心に、本参考実施形態の留置針装置を説明する。
図13は、本参考実施形態の留置針装置において、内ユニット102が初期位置にあるときの外ハブ25、内ハブ40、及びその近傍を示した、垂直面(YZ面)に沿った断面図である。参考実施形態2で説明した図8と比較すれば容易に理解できるように、本参考実施形態では、参考実施形態2において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26b(図8参照)が形成されていない。更に、本参考実施形態では、参考実施形態1において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26a(図6参照)も、実施形態においてシールド筒21の内周面に形成した係合凸部23a(図9、図10参照)も、更には、実施形態において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部23b(図11、図12参照)も形成されていない。本参考実施形態の留置針装置に使用される内ハブ40は、参考実施形態1の内ハブ40(図3A〜図3C参照)及び参考実施形態2の内ハブ40(図7A〜図7C参照)のいずれであってもよい。参考実施形態1と同様に、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
図14は本参考実施形態の留置針装置において、内ユニット102が初期位置にあるときの内針50及び外針30の先端及びその近傍を示した断面図である。図14では、外針30のみを断面として示している。図14に示されているように、内針50の先端近傍の外周面には、周方向に連続したリブ状の係合凸部51が形成されている。内針50の外周面は、係合凸部51を除いて、内針50の長手方向(Z軸方向)において外径が一定である円筒面である。一方、外針30の内径は、外針30の長手方向において一定ではなく、外針30の先端から所定の距離の領域(径小領域)33で小さく、この径小領域33よりも後ろ側ではこれより大きい。径小領域33の内周面には、周方向に連続した溝状の係合凹部31が形成されている。内ユニット102が初期位置にあるとき、外針30の係合凹部31に内針50の係合凸部51が嵌入する。径小領域33での外針30の内径(係合凹部31を除く)は、内針50の外径(係合凸部51を除く)と同じか若しくはこれよりわずかに小さいことが好ましい。従って、径小領域33では、外針30は内針50に密着している。一方、径小領域33より後ろ側では、外針30と内針50との間に隙間13が形成される。
内ユニット102が初期位置にあるとき、係合凸部51が係合凹部31に嵌入することにより、内針50と外針30とが係合している。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、係合凸部51が係合凹部31から脱出し、更に径小領域33を通過して外ハブ2側に移動する必要がある。係合凸部51が径小領域33を通過する際、係合凸部51は外針30の径小領域33を拡径させる必要がある。従って、内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
参考実施形態の留置針装置の使用方法は、参考実施形態1と概略同じである。
穿刺作業では、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態(図1、図2、図13、図14)で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する。このとき、内針50は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させる向きの反力を受ける。ところが、上述したように、内針50は外針30に係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次の後退作業では、外針30を患者に穿刺した状態で、チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退させる。内針50の係合凸部51を外針30の係合凹部31から脱出させ、更に外針30の径小領域33を通過させるために、チューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、係合凸部51が外針30の径小領域33から抜け出して外針30と内針50との間の隙間13内に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退位置(図4、図5を参照)に移動させる。
以上のように本参考実施形態の留置針装置は、内ユニット102が初期位置にあるとき、内針50は外針30に係合される。従って、参考実施形態1と同様に、穿刺作業において、内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本参考実施形態の留置針装置では不要である。
ストッパーが不要であるので、ストッパー970を備えた従来の留置針装置900で起こりうる誤操作の危険性が低減される。また、留置針装置を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置の低コスト化が可能である。更に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
初期位置にある内ユニット102は、外針30に設けられた係合凹部31に係合される。従って、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度が向上する。更に、内針50が外針30に係合されるので、内ユニット102が初期位置にあるときの、内針50の外針30からの突出長さを高精度に管理することができる。
係合凹部31及び係合凸部51はいずれも周方向に連続しているので、中心軸40a回りの内ユニット102の回転方向の姿勢に関わらず、内針50を外針30に係合させることができる。
参考実施形態に示した外針30と内針50とが係合する構成を、参考実施形態1,2及び実施形態1,2に組み合わせることができる。
上記の例では、係合凹部31及び係合凸部51はいずれも周方向に連続していたが、両者の少なくとも一方が周方向に不連続であってもよい。即ち、複数の係合凹部31及び/又は複数の係合凸部51が周方向に離散的に配置されていてもよく、あるいは、周方向に不連続なただ1つの係合凹部31及び/又は周方向に不連続なただ1つの係合凸部51が配置されていてもよい。
参考実施形態
内ユニット102が初期位置にあるとき、上述した参考実施形態1,2では内ハブ40と外ハブ25とが係合し、上述した実施形態1,2ではOリング49とシールド20とが係合し、参考実施形態では内針50と外針30とが係合した。本参考実施形態では、これらに代えて、内ユニット102が初期位置にあるとき、内針50が外ハブ25に係合される。以下、参考実施形態1との相違点を中心に、本参考実施形態の留置針装置を説明する。
図示を省略するが、参考実施形態と同様に、本参考実施形態では、参考実施形態1において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26a(図6参照)も、参考実施形態2において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部26b(図8参照)も、実施形態においてシールド筒21の内周面に形成した係合凸部23a(図9、図10参照)も、更には、実施形態において外ハブ25の内周面に形成した係合凸部23b(図11、図12参照)も形成されていない。本参考実施形態の留置針装置に使用される内ハブ40は、参考実施形態1の内ハブ40(図3A〜図3C参照)及び参考実施形態2の内ハブ40(図7A〜図7C参照)のいずれであってもよい。参考実施形態1と同様に、内ユニット102が初期位置にあるとき、内ハブ40の径大部45の前側の端縁が、外ハブ25の後ろ側の端縁に衝突することで、内ユニット102は、外ユニット101に対して前後方向(Z軸方向)に位置決めされる。
図15は、本参考実施形態の留置針装置において、内ユニットが初期位置にあるときの外ハブ25及びその近傍を示した断面図である。図15に示されているように、内針50の外周面に、周方向に連続したリブ状の係合凸部52が形成されている。係合凸部52は、内ユニット102が初期位置にあるときに外針30よりも内ハブ40側に位置する内針50の領域であって、内ハブ40の前側端から僅かに前方に離れた位置に形成されている。内針50の外周面は、係合凸部52を除いて、内針50の長手方向(Z軸方向)において外径が一定である円筒面である。一方、外ハブ25には、外針30を前後方向に位置決めするために、外針30を保持する部分に隣接して、内径が相対的に小さな径小領域25aが形成されている。そして、径小領域25aの内周面に、周方向に連続した溝状の係合凹部27が形成されている。
内ユニット102が初期位置にあるとき、内針50の係合凸部52が外ハブ25の係合凹部27に嵌入することにより、内針50と外ハブ25とが係合している。内ユニット102を初期位置から後退位置に向かって移動させるためには、係合凸部52が係合凹部27から脱出し、更に径小領域25aを通過する必要がある。従って、比較的大きな力を、外ユニット101と内ユニット102との間に印加する必要がある。
参考実施形態の留置針装置の使用方法は、参考実施形態1と概略同じである。
穿刺作業では、内ユニット102が初期位置にあり且つ内針50が外針30の先端から突出した状態(図1、図2、図15)で、内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する。このとき、内針50は、内ユニット102を外ユニット101に対して後退位置の側に移動させる向きの反力を受ける。ところが、上述したように、内針50は外ハブ25に係合されているので、内ユニット102は、外ユニット101に対して初期位置から移動することはない。
次の後退作業では、外針30を患者に穿刺した状態で、チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退させる。内針50の係合凸部52を外ハブ25の係合凹部27から脱出させ、更に外ハブ25の径小領域25aを通過させるために、チューブ60に大きな張力を印加する必要がある。その後、係合凸部52が外ハブ25の径小領域25aから抜け出してシールド20の内腔24内に移動すると、相対的に小さな張力でチューブ60を引き出すことができる。チューブ60を引っ張って内ユニット102を後退位置(図4、図5を参照)に移動させる。
以上のように本参考実施形態の留置針装置は、内ユニット102が初期位置にあるとき、内針50は外ハブ25に係合される。従って、参考実施形態1と同様に、穿刺作業において、内針50が反力を受けても、内ユニット102は、後退位置に向かって移動することはなく初期位置のままである。よって、従来の留置針装置900(図16〜図19)では必須であったストッパー970(図18)が、本参考実施形態の留置針装置では不要である。
ストッパーが不要であるので、ストッパー970を備えた従来の留置針装置900で起こりうる誤操作の危険性が低減される。また、留置針装置を構成する部品点数が少なくなり、留置針装置の低コスト化が可能である。更に、移送中の振動などにより内ユニット102が初期位置から位置ずれすることもない。
初期位置にある内ユニット102は、外針30を保持する外ハブ25に設けられた係合凹部27に係合される。従って、初期位置にある内ユニット102の外針30に対する前後方向の位置精度が向上する。更に、内ユニット102が初期位置にあるときの、内針50の外針30からの突出長さを高精度に管理することができる。
係合凹部27及び係合凸部52はいずれも周方向に連続しているので、中心軸40a回りの内ユニット102の回転方向の姿勢に関わらず、内針50を外ハブ25に係合させることができる。
参考実施形態に示した外ハブ25と内針50とが係合する構成を、参考実施形態1〜3及び実施形態1,2に組み合わせることができる。
上記の例では、係合凹部27及び係合凸部52はいずれも周方向に連続していたが、両者の少なくとも一方が周方向に不連続であってもよい。即ち、複数の係合凹部27及び/又は複数の係合凸部52が周方向に離散的に配置されていてもよく、あるいは、周方向に不連続なただ1つの係合凹部27及び/又は周方向に不連続なただ1つの係合凸部52が配置されていてもよい。
上記の実施形態1,2及び参考実施形態1〜4は例示に過ぎない。本発明は上記の実施形態1,2及び参考実施形態1〜4に限定されず、適宜変更することができる。
内ユニット102が初期位置にあるときに外ユニット101及び内ユニット102にそれぞれ設けられる、互いに係合し合う係合構造は、上記の実施形態1,2及び参考実施形態1〜に限定されない。係合構造を設ける位置や、その形状、数などは任意に変更しうる。上記の参考実施形態1,2では、外ユニット101に係合凸部を設け、内ユニット102に当該係合凸部と係合する凹状の係合構造を設けたが、内ユニット102に係合凸部を設け、外ユニット101に当該係合凸部と係合する凹状の係合構造を設けてもよい。また、参考実施形態3,4では、内針50に係合凸部を設け、外ユニット101に当該係合凸部と係合する凹状の係合構造を設けたが、内針50に凹状の係合凹部を設け、外ユニット101に当該係合凹部と係合する凸状の係合構造を設けてもよい。
係合凸部23a,23b,26a,26b,51,52の断面形状は、上記の実施形態に限定されない。係合凸部23a,23b,26a,26b,51,52の断面形状やその突出高さ(突出量)は穿刺作業で内針50が受ける反力や、後退作業で内ユニット102を移動させるために必要な力等を考慮して設定することができる。
内ユニット102が初期位置にあるときに内ユニット102と外ユニット101とが複数の部分で係合してもよい。
外ユニット101及び内ユニット102の構成は、本発明の範囲内において任意に変更することができる。
例えば、シールド20の外面に、留置針装置を把持しやすいように大面積の平面部を設けてもよく、また、滑りを防止するための凹凸形状を形成してもよい。
後退位置にあるハブ40とシールド20との嵌合構造は、上記以外の構成を有していてもよい。あるいは、当該嵌合構造を省略してもよい。
外ユニット101に装着されていた翼29a,29b及び固定部材28を省略してもよい。
上記の実施形態1,2及び参考実施形態1〜4では、内ハブ40の径大部45の前側の端縁を、外ハブ25に衝突させることで、外ユニット101に対する内ユニット102の前向きの位置を規制した。しかしながら、内ユニット102及び外ユニット101を、上記以外の箇所で当接させることにより、初期位置の内ユニット102の前向きの位置を規制してもよい。外ユニット101及び内ユニット102にそれぞれ設けられる、互いに係合し合う係合構造を利用して初期位置での内ユニット102の前向き及び後ろ向きの両方向の位置を規制してもよい。
上記の説明では本発明の留置針装置を血液透析に用いたが、本発明の留置針装置の用途はこれに限定されず、輸液や輸血等の留置針装置が使用される任意の用途に利用することができる。
本発明の利用分野は特に制限はなく、輸液、輸血、体外血液循環などの処置を行う際の留置針装置として広範囲に利用することができる。中でも、血液透析用の留置針装置として好ましく利用することができる。
100 留置針装置
101 外ユニット
102 内ユニット
20 シールド
21 シールド筒
23a 係合凸部
24 シールドの内腔
25 外ハブ
26a,26b 係合凸部(係合構造)
27 係合凹部(係合構造)
30 外針
31 係合凹部(係合構造)
40 内ハブ
46 径小部(係合構造)
47 横貫路(係合構造)
49 Oリング
50 内針
51,52 係合凸部(係合構造)
60 チューブ

Claims (4)

  1. 内腔を有するシールド、及び、前記シールドの前端に固定された軟質の外針を含む外ユニットと、
    前記シールドの前記内腔内に配置された内ハブ、前記内ハブに装着された弾性的に変形可能なOリング、前記内ハブの前端に固定された硬質の内針、及び、前記内ハブの後端に接続されたチューブを含む内ユニットとを備え、
    前記内針が前記外針を貫通して前記外針の先端から突出する初期位置から、前記内針が前記シールドの前記内腔内に収納される後退位置へ、前記Oリングが前記シールドの内周面上を摺動しながら、前記内ユニットが前記外ユニットに対して変位する留置針装置であって、
    前記シールドの前記内周面に係合凸部が形成されており、
    前記内ユニットを前記初期位置に配置して穿刺したときに前記内針が受ける反力によって前記内ユニットが前記後退位置に向かって移動しないように、前記内ユニットが前記初期位置にあるときに前記Oリングは前記シールドに形成された前記係合凸部に係合されることを特徴とする留置針装置。
  2. 前記シールドは、前記外針を保持する外ハブと、前記外ハブが一端に固定された筒状のシールド筒とを備え、
    前記係合凸部は前記シールド筒の内周面に形成されている請求項に記載の留置針装置。
  3. 前記シールドは、前記外針を保持する外ハブと、前記外ハブが一端に固定された筒状のシールド筒とを備え、
    前記係合凸部は前記外ハブの内周面に形成されている請求項に記載の留置針装置。
  4. 前記係合凸部は、周方向に沿って連続している請求項1〜3のいずれか一項に記載の留置針装置。
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