JP2016182188A - 留置針装置 - Google Patents

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【課題】内針と外針とが固着していた場合にも、患者に穿刺した状態でその固着を容易且つ安全に解除することを可能にする。【解決手段】内針50が外針30の先端から突出する初期位置から、内針がシールド20内に収納される後退位置へ、内ユニット3を外ユニット2に対して移動させることができる。ストッパー70は、シールド内に挿入可能な挿入部71と、挿入部の後端に設けられた基部72とを備える。基部72は弾性的に曲げ変形可能なアーム75と、アームに設けられた押部76とを含む。挿入部をシールド内に挿入し且つ挿入部の前端71aを初期位置にある内ユニットの内ハブ40に当接させた初期状態において、アームを弾性的に変形させると、押部が外ユニットを前方に向かって押し出す。【選択図】図1A

Description

本発明は、軟質の外針と硬質の内針とを備え、外針の先端から内針の先端を突出させた状態で患者に穿刺し、その後、内針を外針から後退させることができるように構成された留置針装置に関する。
輸液、輸血、体外血液循環などの処置では、患者の血管に針を穿刺した状態で留置する。鋭利な先端を有する硬質の金属針を血管内に留置すると血管が傷付けられる可能性がある。そこで、軟質の外針と鋭利な先端を有する硬質の内針とを備えた留置針装置が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
この留置針装置は、以下のようにして使用される。
最初に、外針の先端から内針の鋭利な先端が突出した状態で外針及び内針を患者の血管に向かって穿刺する(穿刺作業)。内針が患者の血管内に挿入されたことは、血液が内針を通って留置針装置内に流入することで視認することができる。この現象は、一般に「フラッシュバック」と呼ばれる。
フラッシュバックを確認した後、外針及び内針を患者に更にわずかに(例えば数mm程度)挿入(追加挿入)する。内針のみならず、外針も血管内に挿入するためである。
その後、内針を血管から後退させながら(後退作業)、外針を血管内に更に挿入する。
硬質の内針は外針から引き抜かれ、軟質の外針のみが血管内に挿入される。この状態で、留置針装置は患者に留置される。留置された軟質の外針は患者の血管を傷付ける可能性は低い。
特許第4506834号明細書 特開2012−254117号公報 特開2013−169218号公報
留置針装置は、一般に、内針の先端を外針の先端から突出させた状態で滅菌処理した後、病院等の医療機関に納入される。この滅菌処理時の熱処理によって、樹脂材料からなる外針が、金属材料からなる内針に密着して両者が固着してしまうことがある。
この場合、内針及び外針を患者の血管に穿刺した後、内針を後退させる後退作業を行うために、内針と外針との間の固着を解除するために内針及び外針に互いに逆向きの大きな力を加える必要がある。その結果、内針と外針との固着が解除された直後に、勢い余って外針を必要以上に血管内に挿入してしまい、外針の先端が血管を突き破って血管外に出てしまうという事故(誤操作)が生じる可能性がある。
上記の特許文献3に記載された留置針装置は、穿刺作業から後退作業までの一連の作業を片手のみで行うことを可能にする。このような片手作業では、内針と外針との固着を解除するために内針及び外針にそれぞれ印加する力の微調整が困難である。従って、内針と外針との固着を解除するために両手作業が必要になり、作業が煩雑になる。あるいは、内針と外針との固着の解除を片手のみで無理に行おうとすると、上記の事故が起こる可能性が高くなる。
留置針装置を患者に穿刺する前に内針と外針との固着を解除すれば、上記の事故が生じる可能性はほとんどなくなる。しかしながら、これは作業工程を増大させ、作業が煩雑になる。また、この固着解除作業をすることを忘れてしまうこともありうる。
本発明は、上記の従来の留置針装置の課題を解決するものである。本発明は、内針と外針とが固着していた場合にも、患者に穿刺した状態でその固着を容易且つ安全に解除することができる留置針装置を提供することを目的とする。
本発明の留置針装置は、内腔を有するシールド、及び、前記シールドの前端に固定された軟質の外針を含む外ユニットと、前記シールドの前記内腔内に配置された内ハブ、前記内ハブの前端に固定された硬質の内針、及び、前記内ハブの後端に接続されたチューブを含む内ユニットと、前記シールドの前記内腔内に、前記シールドの後端の開口から挿抜可能なストッパーとを備える。前記内針が前記外針を貫通して前記外針の先端から突出する初期位置から、前記内針が前記シールドの前記内腔内に収納される後退位置へ、前記内ユニットを前記外ユニットに対して移動させることができる。前記ストッパーは、前記シールドの前記内腔内に挿入可能な挿入部と、前記挿入部の後端に設けられ、前記挿入部を前記シールドの前記内腔内に挿入したとき前記シールドの外に位置する基部とを備える。前記基部は、弾性的に曲げ変形可能なアームと、前記アームに設けられた押部とを含む。前記挿入部を前記シールドの前記内腔内に挿入し且つ前記挿入部の前端を前記初期位置にある前記内ユニットの前記内ハブに当接させた初期状態において、前記アームを弾性的に変形させると、前記押部が前記外ユニットを前方に向かって押し出す。
本発明によれば、留置針装置が初期状態にあるときにアームを弾性的に変形させると、押部が外ユニットを前方に向かって押し出す。従って、滅菌処理時の熱処理によって外針と内針とが固着していたとしても、当該固着を解除することができる。また、この固着解除作業は、内針及び外針を患者に穿刺した状態で行うことができる。更に、固着解除作業によって、外針の先端が血管を突き破って血管外に出てしまうという事故が生じる可能性は低い。
図1Aは、初期状態にある本発明の一実施形態にかかる留置針装置の上方から見た斜視図である。 図1Bは、図1Aの1B−1B線を含む垂直面に沿った、本発明の一実施形態にかかる留置針装置の矢視断面図である。 図1Cは、シールドの後端に設けられた突起を示した拡大斜視図である。 図2Aは、本発明の一実施形態にかかる留置針装置に用いられる内ハブの斜視図、図2Bは図2Aの2B−2B線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図、図2Cは図2Aの2C−2C線を含む面に沿った内ハブの矢視断面図である。 図3Aは、本発明の一実施形態にかかる留置針装置に用いられるストッパーの上方から見た斜視図である。 図3Bは、ストッパーの下方から見た斜視図である。 図3Cは、ストッパーの断面斜視図である。 図3Dは、ストッパーの平面図である。 図3Eは、ストッパーの側面図である。 図4Aは、初期状態にある本発明の一実施形態にかかる留置針装置のストッパーの基部及びその周辺部分を示した斜視図である。 図4Bは、初期状態にある本発明の一実施形態にかかる留置針装置のストッパーの基部及びその周辺部分を示した平面図である。 図5Aは、内ユニットが後退位置にある、本発明の一実施形態にかかる留置針装置の上方から見た斜視図である。 図5Bは、図5Aの5B−5B線を含む垂直面に沿った、本発明の一実施形態にかかる留置針装置の断面図である。 図6は、固着解除作業を行った直後の本発明の一実施形態にかかる留置針装置を示した平面図である。
上記の本発明の留置針装置において、前記初期状態において前記アームは外側に突出するように湾曲していてもよい。この場合、前記押部は、前記アームの湾曲した部分より前側に設けられうる。前記アームを、真っ直ぐになるように弾性的に変形させると、前記押部が前方に向かって移動することが好ましい。これにより、アームを変形させると押部が外ユニットを前方に向かって押し出す機構を、簡単な構成で実現することができる。
前記初期状態において、前記アーム及び前記押部が前記チューブに対して対称に配置されうる。これにより、より小さな力で固着解除作業を行うことができる。
前記ストッパーの前記基部は、前記初期状態において前記チューブに対向する把持部を含みうる。この場合、前記アームは、前記把持部に設けられうる。前記アームを弾性的に変形させると、前記把持部は前記チューブに向かって変位して前記チューブを把持することが好ましい。これにより、ストッパーの把持部でチューブを把持しながら、押部で外ユニットを前方に向かって押し出すことができる。このため、外針と内針との固着を確実に解除することができる。また、アームを片方の手(例えば右手)で把持したまま、固着解除作業と、これに続く、内ユニットを後退位置に移動させる後退作業とを連続的に行うことができる。
前記ストッパーの前記基部は、爪を含みうる。この場合、前記初期状態において、前記挿入部が前記シールドから抜け出ることがないように前記爪は前記シールドに係合しうる。前記爪と前記シールドとの係合が解除されるように、前記爪を変位させることができることが好ましい。これにより、外ユニット又はストッパーのアームを把持して穿刺作業を行うことができる。また、留置針装置を搬送中に振動等によってストッパーがシールドから抜け出るのを防ぐことができる。
前記ストッパーの前記基部は、弾性的に曲げ変形可能な支柱に支持されたロックレバーを含みうる。この場合、前記ロックレバーに前記爪が設けられうる。前記ロックレバーを回動させることにより前記爪を変位させることができることが好ましい。これにより、ロックレバーを回動させるという簡単な操作で爪とシールドとの係合を解除することができる。
前記アームが弾性的に変形するのとは独立して、前記爪を変位させることができることが好ましい。これにより、例えばフラッシュバックを確認するよりも前に、誤って爪とシールドとの係合を解除してしまうという誤操作をする可能性は低い。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。
図1Aは、初期状態にある本発明の一実施形態にかかる留置針装置1の上方から見た斜視図である。以下の説明の便宜のため、図示したように、留置針装置1の長手方向に沿った軸をZ軸、Z軸と直交する水平方向軸及び上下方向軸をそれぞれX軸及びY軸とする直交座標系を設定する。Y軸の矢印の側(即ち、図1Aの紙面の上側)を「上側」、これと反対側を「下側」と呼ぶ。但し、「水平方向」及び「上下方向」は、留置針装置1の実際の使用時の向きを意味するものではない。更に、患者に穿刺する側(Z軸の矢印の側、即ち、図1Aの紙面の左側)を「前側」、これと反対側を「後ろ側」と呼ぶ。図1Bは図1Aの1B−1B線を含む垂直面に沿った留置針装置1の矢視断面図である。
留置針装置1は、シールド20を備える。シールド20は、シールド筒21と、シールド筒21の一端(前端)に固定された外ハブ27とを有する。外ハブ27は略漏斗形状を有し、そのシールド筒21とは反対側端(前端)に軟質の外針30が固定されている。外針30は略円筒形状を有する。
シールド筒21の外周面から、突起25,26が上方に向かって突出している。
図1Cに、突起(第1突起)25を拡大して示す。2つの突起25が、シールド筒21の側面(X軸方向に最も突出した部分)から、上方に向かって延びている。2つの突起25は、X軸方向に離間し且つ対向して配置されている。突起25は、シールド筒21の後端に設けられている。図1Cは、図面を簡単化するために、シールド筒21以外の部材(例えばストッパー70)の図示を省略している。
図1Aに戻り、突起(第2突起)26は、シールド筒21の上面であって、外ハブ27の近傍の位置に配置されている。
一対の翼29が、略円筒形状の固定部材28に一体的に設けられている。固定部材28をシールド筒21の外ハブ27側端近傍の外周面に外装することにより、翼29がシールド20に装着されている。翼29は、X軸と略平行に延びている。シールド筒21の突起26を固定部材28に設けられた略U字状の切り欠きに嵌入させることにより、固定部材28及び翼29がシールド筒21に対して位置決めされている。翼29は柔軟性を有し、上下に揺動可能である。
図1Bから理解できるように、シールド筒21は、内径が一定の略円筒形状を有する。シールド筒21の外ハブ27とは反対側端(後端)近傍の内周面には、周方向に連続する係止突起22が形成されている。
シールド筒21及び外ハブ27の材料としては、制限はなく、硬質材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン等を用いることができる。シールド筒21及び外ハブ27が透明性又は透光性を有すると、シールド20の内腔24内の液体(薬液又は血液など)や内ハブ40を透視することができるので好ましい。
外針30の材料としては、制限はなく、軟質材料が好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン系エラストマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等を用いることができる。外針30が透明性又は透光性を有すると、その内腔内の液体(薬液又は血液など)や内針50を透視することができるので好ましい。なお、外ハブ27及び外針30を、上記の軟質材料を用いて一体に形成してもよい。
翼29の材料としては、制限はなく、軟質材料が好ましく、例えば、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレン、オレフィン系又はポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。なお、翼29は、シールド20に一体に成形されていてもよい。
シールド20の内腔24内には内ハブ40が、シールド20の長手方向(即ち、Z軸方向)に移動可能に挿入されている。内ハブ40の前端には金属製の硬質の内針50が固定されている。内針50は略円筒形状を有し、その先端は鋭利に加工されている。内ハブ40の後端には柔軟なチューブ60の一端が接続されている。チューブ60の他端は、例えば輸液を行うための点滴回路(図示せず)に接続することができる。内ハブ40の外周面にOリング49が装着されている。Oリング49はシールド筒21の内周面に密着し、シールド20の内腔24において、Oリング49よりも外針30側の液体がOリング49よりもチューブ60側に漏洩するのを防ぐ。
内ハブ40の材料としては、制限はなく、硬質材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。チューブ60の材料としては、制限はなく、軟質材料が好ましく、例えば、塩化ビニル等の樹脂材料を用いることができる。Oリング49の材料としては、制限はなく、柔軟性を有し弾性的変形可能な材料が好ましく、例えば、ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
図2Aは内ハブ40の斜視図、図2Bは図2Aの2B−2B線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図、図2Cは図2Aの2C−2C線を含む面に沿った内ハブ40の矢視断面図である。図2Bの断面と図2Cの断面とは互いに直交する。内ハブ40は、一端(前端)に、円錐面状の外面を有する前部41を有し、他端に円筒面状の外面を有する後部42を有する。縦貫路43が、内ハブ40の中心軸40aに沿って前部41から後部42まで内ハブ40を縦貫している。図1Bに示されているように、内針50は、前部41側から縦貫路43内に挿入されて、内ハブ40に保持される。後部42がチューブ60内に挿入されて、内ハブ40とチューブ60とが接続される。かくして、内針50とチューブ60とは、内ハブ40の縦貫路43を通じて連通される。
前部41と後部42との間の、内ハブ40の外周面に、周方向に連続する環状溝44が形成されている。図1Bに示されているように、環状溝44にOリング49が装着される。
環状溝44と前部41との間の、内ハブ40の外周面に、環状溝44側から径大部45及び径小部46がこの順に形成されている。径大部45の外径は、径小部46の外径及び前部41の最大径より大きい。環状溝44より前部41側の位置に、内ハブ40を直径方向(中心軸40aに直交する方向)に横貫する横貫路47が形成されている。横貫路47は、縦貫路43と交差し且つ連通している。
後部42の周囲に、片持ち支持された4つの弾性片48が、内ハブ40の中心軸40aに対して等角度間隔で配置されている。弾性片48の後部42とは反対側の面には、嵌合溝48aとテーパ面48bとが形成されている。嵌合溝48aは、内ハブ40の周方向に沿った凹部(溝)である。テーパ面48bは、嵌合溝48aに対して弾性片48の自由端側に隣接し、嵌合溝48a側で外径が大きな円錐面の一部をなす。
シールド20、シールド20に固定された外針30、翼29、及び固定部材28は留置針装置1の外ユニット2を構成する。一方、内ハブ40、内針50、及びチューブ60は、留置針装置1の内ユニット3を構成する。内ユニット3は、外ユニット2に対して、シールド20の長手方向(即ち、前後方向)に移動可能に挿入されている。
図1A及び図1Bでは、内ハブ40はシールド20の内腔24の前端側に位置し、内ハブ40に保持された内針50は外針30を貫通し、その先端は外針30の先端から外部に突出している。外ユニット2に対する内ユニット3のこの位置を本発明では「初期位置」と呼ぶ。
内ユニット3を初期位置に保持した状態で、内針50及び外針30を患者に穿刺する。内ユニット3を初期位置に配置するためにストッパー70が用いられる。図3Aは、ストッパー70の上方から見た斜視図、図3Bはストッパー70の下方から見た斜視図、図3Cはストッパー70の断面斜視図、図3Dはストッパー70の平面図、図3Eはストッパー70の側面図である。ストッパー70は、挿入部71と、挿入部71の後端に設けられた基部72とを備える。
挿入部71は、略「U」字状の断面形状を有し、Z軸と平行に延びる。図3Bに示されているように、挿入部71の下面に、Z軸方向に沿って連続した溝79が形成されている。
挿入部71は、シールド20の後ろ側の開口からシールド20の内腔24内に挿抜可能である(図1B参照)。挿入部71をシールド20の内腔24内にもっと深くまで挿入したとき、基部72はシールド20の外に位置する(図1A参照)。基部72は、弾性部73、把持部74、アーム75、支柱81、ロックレバー80を含む。以下にこれらを説明する。
図3Bに示されているように、挿入部71の後端から一対の弾性部73がZ軸と略平行に延び、一対の弾性部73の後端に一対の把持部74が設けられている。一対の弾性部73及び一対の把持部74は、それぞれX軸方向に離間し且つ対向している。一対の弾性部73間の隙間、及び、一対の把持部74間の隙間は、挿入部71の下面に形成された溝79とZ軸方向に連続している。
弾性部73は、薄く且つ狭幅の板状の部材であり、XZ面内で弾性的に曲げ変形可能である。把持部74は、弾性部73よりも厚く、このため、実質的に変形しない。一対の把持部74間の隙間は、一対の弾性部73間の隙間より狭い。
一対の把持部74の互いに対向する面の一方にはリブ74aが設けられ、他方には溝74bが設けられている。リブ74a及び溝74bは、互いに対向して配置され、上下方向(Y軸方向)に沿って延びている。リブ74aは溝74bに向かって突出した突起である。図3Cに最もよく示されているように、一対の把持部74の互いに対向する面の下端には、Z軸方向に延びた突起74cが設けられている。突起74cは、対向する把持部74に向かって突出している。
一対の把持部74の後端から、一対のアーム75が前方に向かって延びている。図3Dに最もよく示されているように、一対のアーム75は、一対の弾性部73及び一対の把持部74よりもX軸方向において外側に配置されている。アーム75は、X軸方向において外側に向かって突出するように、略円弧状に湾曲している。アーム75の略円弧状に湾曲した部分は、弾性部73及び把持部74に対してX軸方向に離間し且つこれらと対向している。アーム75は、湾曲した部分より前側に前部75aを有する。前部75aは、Z軸と略平行に延び、挿入部71とX軸方向に対向している。湾曲した部分と前部75aとの境界の位置に、押部(押爪)76が設けられている。Z軸方向において、押部76は、挿入部71の後端とほぼ同じ位置にある。押部76は、挿入部71に向かって突出している。
図3Bに示されているように、アーム75の後端近傍に保持部75bが設けられている。保持部75bは、YZ面に略平行な、比較的大面積の平坦面である。保持部75bは、把持部74と、Z軸方向の位置が略一致する。
図3A及び図3Cに示されているように、挿入部71の後端から支柱81が上方に向かって延びている。支柱81は、XY面に平行な薄板状の部材であり、YZ面内で弾性的に曲げ変形可能である。
支柱81の上端にロックレバー80が設けられている。ロックレバー80はZ軸方向に沿って延びている。ロックレバー80のうち、支柱81に対して前側の部分は2つに分岐したロック部82であり、支柱81に対して後ろ側の部分は操作部84である。一対のロック部82は、X軸方向に離間し且つ対向している。ロック部82は、棒状の部材であって、その先端が互いに接近するように弾性的に曲げ変形可能である。各ロック部82の先端に爪(係合爪)83が設けられている。爪83は、X軸方向に沿って外向きに突出している。図3Dに示すように、爪83は、YZ軸方向に対して傾斜した傾斜面83aと、Z軸に対して略垂直な係合面83bとを備える。爪83の頂部(X軸方向に最も突出した部分)83cに対して前側に傾斜面83aが位置し、後ろ側に係合面83bが位置している。
操作部84は、支柱81に比べて機械的強度が高く、実質的に剛体と見なしうる。従って、図3Eに示すように、操作部84に下向きの力F2を印加すると、支柱81が弾性的に曲げ変形して、操作部84が下降し且つロック部82が矢印A2の向きに上昇するように、ロックレバー80が回動する。
ストッパー70の材料としては、制限はなく、硬質材料でありながら、弾性部73、アーム75、支柱81、ロック部82が弾性的に曲げ変形できる程度の柔軟性を有していることが好ましい。例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン等を用いることができる。好ましくは、ストッパー70は、このような樹脂材料を用いて、射出成形法等により一部品として一体的に作成される。
図1A及び図1Bに示されているように、シールド20の後ろ側の開口からシールド20の内腔24内に、内ユニット3を挿入し、続いてストッパー70の挿入部71を挿入する。挿入部71の前端71a(図3A参照)が内ハブ40の弾性片48(図2A参照)の後端に衝突する。ストッパー70をシールド20内に挿入することにより、挿入部71を介して内ユニット3を外ユニット2に対して前方に向かって移動させることができる。
挿入部71をシールド20内に挿入する過程で、シールド筒21の突起25(図1C参照)が、ストッパー70の爪83の傾斜面83a(図3D参照)に衝突する。ストッパー70を更に押し込むと、突起25は、傾斜面83a上を摺動しながら、一対のロック部82の先端が互いに接近するようにロック部82を弾性的に曲げ変形させる。突起25が頂部83cを通り過ぎると、ロック部82は直ちに弾性復帰し、爪83(特にその係合面83b)が突起25に係合する。これと同時に、内ユニット3は「初期位置」に配置される。初期位置では、内ハブ40の径大部45が外ハブ27の後端に衝突またはその近傍に配置される。内ハブ40に接続されたチューブ60は、ストッパー70の下面の溝79、弾性部73間の隙間、及び、把持部76間の隙間に収納される(図3B参照)。把持部76から突出した突起74cが、チューブ60が把持部76間に位置するようにチューブ60を保持する。
図4Aは、爪83が突起25に係合した状態の基部72及びその周辺部分を示した斜視図であり、図4Bはその平面図である。一対のロック部82が一対の突起25間に挿入され、ロック部82の先端から突出した爪83が突起25の前側端縁に係合している。アーム75の内側面から突出した押部76は、シールド20の後端より後ろ側に位置し、シールド20の後端にZ軸方向に対向している。アーム75の前部75a間にシールド20が位置している。好ましくは、アーム75の前部75aはシールド20の外周面に当接する。これにより、押部76をX軸方向に正確に位置決めすることができるので、押部76をシールド20の後端に確実に対向させることができる。
本発明では、上記のように内ユニット3が初期位置に配置され、初期位置にある内ユニット3の内ハブ40の後端(弾性片48)にストッパー70の挿入部71の前端71aが当接した状態を「初期状態」という。
図5Aは、内ユニット3が「後退位置」に移動した留置針装置1の上方から見た斜視図である。図5Bは、その断面図である。図5Bの断面は、図1Bの断面と同じである。ストッパー70は、シールド20から抜き出され取り除かれている。図5Bに示されているように、内ユニット3が後退位置にあるとき、内針50は外針30から抜き去られ、シールド20の内腔24内に収納されている。内ハブ40の嵌合溝48a(図2A、図2B、図2Cを参照)とシールド筒21の係止突起22とが嵌合している。
初期位置(図1B参照)に比べると、後退位置では、外針30内の流路の断面積は内針50の断面積分だけ増大するので、薬液又は血液の流量が増大する。また、後退位置では、外針30からチューブ60に至る流路としては、内針50及び内ハブ40の縦貫路43を順に通る第1流路と、シールド20の内面と内針50及び内ハブ40の各外面との間の空間、内ハブ40の横貫路47、及び内ハブ40の縦貫路43を順に通る第2流路の2つがあるので、大きな流量で薬液又は血液を流すことができる。
以上のように、内ユニット3を外ユニット2に対して、初期位置(図1A、図1B)から後退位置(図5A、図5B)へ移動させることができる。
留置針装置1は、図1A及び図1Bに示されているように内ユニット3が初期位置にあり、且つ、ストッパー70の挿入部71の前端71aが内ハブ40に当接した「初期状態」に組み立てられた状態で、病院等の医療機関に納入される。納入に先立ち、留置針装置1は、内ユニット3が初期位置にある状態で滅菌処理される。上述したように、この滅菌処理時の熱処理によって外針30の内周面が内針50の外周面に密着して、外針30と内針50とが固着してしまうことがある。
病院等の医療機関では、留置針装置1は以下のようにして使用される。
最初に、内ユニット3が初期位置にある初期状態の留置針装置1(図1A、図1B)の内針50及び外針30を患者の血管に穿刺する(「穿刺作業」)。このとき、留置針装置1の下側の面(突起25,26が突出したのと反対側の面)を患者に対向させる。
穿刺作業では、内針50及び外針30は患者から後ろ向きの反力を受ける。この反力は、内ユニット3を外ユニット2に対して後退位置に向かって移動させるように作用する。しかしながら、本実施形態では、ストッパー70の爪83がシールド20の突起25に係合しているので(図4A、図4B参照)、内ユニット3は初期位置に保持され続ける。このため、作業者は留置針装置1の任意の位置を把持して穿刺作業を行うことができる。例えば、右手の親指と中指とでストッパー70の保持部75bを把持して行うことができる。このとき、右手の人差し指は、シールド筒21の突起26に添えることができる。
内針50の先端が患者の血管内に挿入されると、血液がシールド20の内腔24及びチューブ60内に流入する(フラッシュバック)。作業者は、これを確認した後、内針50及び外針30を更にわずかに(例えば数mm程度)追加挿入する。これにより、内針50に加えて外針30も血管内に確実に挿入される。
次いで、外針30と内針50との固着を解除する(「固着解除作業」)。具体的には、図4Aに示すように、ストッパー70の一対の保持部75b間の距離が縮小するように保持部75bに力F1を加えながら、操作部84に下向きの力F2を加える。この固着解除作業は、例えば、右手の親指と中指とで保持部75bを把持し、当該右手の人差し指で操作部84を押下することにより行うことができる。
図3Eで説明したように、操作部84に下向きの力F2を印加すると、ロック部82が矢印A2の向きに上昇する。その結果、爪83と突起25との係合が解除される。
図6は、保持部75bに力F1を加えながら爪83と突起25との係合を解除した直後の留置針装置1の平面図である。一対の保持部75bに加えられた力F1は、一対の把持部74間の距離が縮小するように一対の弾性部73を弾性的に曲げ変形させる。この結果、一対の把持部74間にチューブ60が挟持される。これと同時に、力F1は、アーム75を弾性部73及び把持部74に接近させ、アーム75を、アーム75の曲率が小さくなるように弾性的に曲げ変形させる(即ち、アーム75が真っ直ぐに延ばされる)。アーム75の後端は把持部74に接続されているので、アーム75の曲率が小さくなることにより、アーム75の湾曲した部分より前側に設けられた押部76は前方に向かって移動する。この際、押部76はシールド20の後端に当接し、シールド20を前方に向かって押し出す。把持部74がチューブ60を挟持しているので、図6に示されているように、シールド20を含む外ユニット2が、内ユニット3に対して前方に押し出される。これにより、外針30と内針50との固着は解除される。血管に対して、内針50はほとんど変位せず、外針30のみがわずかに深く挿入される。
次いで、外針30を患者の血管内に挿入したまま、内ユニット3を外ユニット2に対して後方に移動させる(「後退作業」)。後退作業は、保持部75b及び把持部74を介してチュ−ブ60を把持しながら、シールド20からストッパー70を抜き出すことにより行うことができる。例えば親指及び中指とで保持部75bを把持し、人差し指を突起25又は突起26に添えることができる。患者に対して外ユニット2が移動しないように人差し指で突起25又は突起26を前方に向かって押しながら、ストッパー70をシールド20から後方に引き出す。チューブ60は一対の把持部74で挟持されているから、ストッパー70とともにチューブ60を含む内ユニット3が後方に移動される。
あるいは、後退作業を、ストッパー70の保持部75bを把持するのではなく、チューブ60を把持して行うこともできる。即ち、一方の手(例えば左手)でシールド20を移動しないように保持し、他方の手(例えば右手)でチューブ60を引っ張って内ユニット3をシールド20から引き出してもよい。
図1Bに示したように、シールド筒21の後端近傍の内周面には係止突起22が形成されている。内ハブ40の弾性片48の外面に形成されたテーパ面48b(図2A参照)が係止突起22に衝突しこの上を摺動する。弾性片48は、係止突起22によって後部42側に弾性変形される。テーパ面48bが係止突起22を乗り越えると、弾性片48が弾性回復し、嵌合溝48aに係止突起22が嵌入する。かくして、内ユニット3は後退位置に到達する。
このとき、ストッパー70のほぼ全部がシールド20から引き出されている。ストッパー70を外ユニット2及び内ユニット3から取り除く。
かくして、図5A及び図5Bに示した状態となる。
この状態でシールド20又は翼29の上から粘着テープを患者の皮膚に貼り付け、留置針装置1を患者に固定する。外針30のみが患者に穿刺された状態で留置される。内ユニット3が後退位置にあるとき、柔軟な外針30内に硬質の内針50が存在しないので、患者が動くなどにより、患者に対する留置針装置1の姿勢が仮に変化しても、外針30が患者の血管等を傷付けることはない。
必要な処置が終了すると、粘着テープを患者から剥がし、外針30を患者から引き抜く。シールド20に対してチューブ60を押し引きしても、内ハブ40の嵌合溝48aとシールド筒21の係止突起22との嵌合状態は解除されない。このため、内針50を外針30の先端から再度突出させたり、内ユニット3をシールド20から抜き出したりすることはできない。従って、使用済みの留置針装置1を誤って再使用したり、硬質の内針50で指等を誤穿刺したりするのを防止している。使用済みの留置針装置1は廃棄される。
以上のように、本実施形態の留置針装置1では、ストッパー70は、押部76が設けられたアーム75を備える。挿入部71をシールド20の内腔24内に挿入し且つ挿入部71の前端71aを初期位置にある内ユニット3の内ハブ40に当接させた初期状態において、アーム75を弾性的に変形させると、押部76が外ユニット2を前方に向かって押し出す。このため、滅菌処理時の熱処理によって外針30と内針50とが固着していたとしても、当該固着は確実に解除される。
押部76による外ユニット2の前方への移動量は、アーム75に外力が加えられていない状態(図3D)から、アーム75に外力F1を印加した状態(図6)へのアーム75の変形量に依存する。アーム75の変形量は、例えばアーム75に外力が加えられていない状態(図3D)でのアーム75の曲率を調整することにより変更しうる。従って、固着解除作業による外ユニット2の移動量(即ち、外針30の血管内へ挿入量)を小さくすることができる。また、内針50と外針30との間の摩擦力、及び、Oリング49とシールド20との間の摩擦力が、固着解除作業を行ったときに外ユニット2が勢いよく前方に向かって飛び出すのを抑える。これらによって、外針30と内針50との固着が解除された時に、外針30が必要以上に血管内に挿入されてしまい、外針30の先端が血管を突き破って血管外に出てしまうという事故が生じる可能性は極めて低い。
本実施形態の留置針装置1によれば、外針30と内針50との固着を解除する操作は、内針50及び外針30を血管に穿刺した後に行うことができる。即ち、穿刺する前に外針30と内針50との固着を解除する操作が不要である。従って、作業が煩雑になることはなく、また、固着解除作業を忘れるという作業ミスが生じる可能性もない。
アーム75は、X軸方向の外側に突出するように略円弧状に湾曲しており、アーム75の湾曲した部分より前側に押部76が設けられている。このため、アーム75(特にその保持部75b)をX軸方向に沿って把持すれば、アーム75の湾曲した部分が真っ直ぐになるように弾性的に曲げ変形し、押部76は前方に向かって移動する。従って、押部76が外ユニット2を前方に向かって押し出す機構を、簡単な構成で実現することができる。
チューブ60に対してアーム75及び押部76が対称に配置されている。このため、2つの押部76がシールド20の後端を等しく押し出す。従って、内ユニット3に対して外ユニット2が傾いたりすることなく、押部76の押力を、外針30と内針50との固着の解除のために使用することができる。よって、より小さな力F1で固着解除作業を行うことができる。
アーム75の後端は把持部74に接続されている。このため、アーム75(特にその保持部75b)をX軸方向に沿って把持すれば、把持部74でチューブ60を挟持することができる。従って、穿刺作業から、固着解除作業、後退作業までの一連の作業を、アーム75(特にその保持部75b)を片方の手(例えば右手)で把持したままで行うことができる。
把持部74にリブ76a及び溝76bが設けられているので、保持部75bに力F1を印加したときに、チューブ60に局所的な力を印加することができる。このため、固着解除作業及び後退作業時にチューブ60がストッパー70に対して滑ることがない。従って、固着解除作業及び後退作業を確実に行うことができる。
初期状態において、ストッパー70の爪83がシールド20に係合する。爪83がシールド20に係合している限り、外ユニット2に対するストッパー70及び内ユニット3の位置は不変である。これは以下のような効果を奏する。
第1に、留置針装置1を任意の位置で把持して穿刺作業を行うことができる。
例えば、一対の翼29を上方に持ち上げ重ね合わせた状態で把持する、または、シールド筒21を把持する等、ストッパー70ではなく、外ユニット2を把持して穿刺作業を行うことができる。爪83がシールド20に係合していない場合には、外ユニット2を把持して穿刺作業を行うと、穿刺時に内針50が反力を受けることによって外針30と内針50との固着が解除され、内針50が血管に到達する前に内針50が外針30内に後退してしまう事態が起こりうる。爪83がシールド20に係合していれば、このような事態が起こることはない。このため、従来の留置針装置と同様の把持方法で穿刺作業を行うことができる。
あるいは、ストッパー70の保持部75bを把持して穿刺作業を行うこともできる。爪83がシールド20に係合していない場合には、穿刺作業時に保持部75bを把持することによって、アーム75が変形され、外針30と内針50との固着が解除され、外ユニット2が内ユニット3に対して前方に押し出されてしまう事態が起こりうる。この場合には、例えば内針50を患者に穿刺する前や、内針50を患者に穿刺後であって内針50が血管に到達する前に、内針50が外針30内に後退してしまいうる。爪83がシールド20に係合していれば、このような事態が起こることはない。このため、穿刺作業を安定して行うことができる。
第2に、留置針装置1を搬送中に振動等によってストッパー70(更には内ユニット3)がシールド20から抜け出ることはない。
本実施形態では、爪83は、ロックレバー80の一端(前側端)に設けられている。ロックレバー80は、シーソー状に弾性的に回動可能に支柱81に保持される。このため、ロックレバー80の他端(後ろ側端)の操作部84を押下するという簡単な操作で、爪83を変位させて、爪83とシールド20との係合を解除することができる。また、爪83を変位させるための操作は、アーム75、押部76、及び把持部74の動きとは独立しているので、ロックレバー80に触れない限り爪83とシールド20との係合が解除されることはない。このため、例えばフラッシュバックを確認するよりも前に、誤って爪83とシールド20との係合を解除してしまうという誤操作をする可能性は低い。
上記の実施形態は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態では、押部76はシールド20の後端を押し出すように配置されたが、押部76が押し出す外ユニット2の位置は任意に設定することができる。例えば、シールド20の外周面に突起を設け、押部76が当該突起を押し出してもよい。この場合、押部76が押す突起は、突起25であってもよいし。突起25以外の突起であってもよい。
押部76の位置や形状は任意である。但し、アーム75が変形されたとき押部76は前方に向かって移動する必要があるので、アーム75の変形する部分(上記の実施形態では円弧状に湾曲した部分)より前側に配置されることが好ましい。例えば、アーム75の前部75aの内側面(挿入部71に対向する面)の任意の位置に内側(挿入部71側)に向かって突出して設けることができる。押部76は内側に向かって突出した突起(又は爪)である必要はなく、例えばアーム75の前端の前方を向いた端面が押部76であってもよい。
アーム75の形状は、任意である。弾性的に変形される部分は、略円弧状である必要はなく、台形状、三角形状などであってもよい。前部75aを省略してもよい。
上記の実施形態では、ストッパー70の爪83はシールド20の突起25に係合した。これは、後退作業時に利用しうる突起25を爪83が係合する箇所としても利用するので、シールド20の構成を簡単化するのに有利である。但し、本発明はこれに限定されない。例えば、後退作業時に利用しうる突起25とは別に突起を設け、当該突起に爪83を係合させてもよい。あるいは、シールド20の外周面に凹部を設け、爪83がこの凹部に係合(嵌入)してもよい。これらの場合、例えば後退作業時に人差し指を添えるのにより適するように突起25の形状、位置、大きさ等を変更するなど、突起25の設計の自由度が大きくなる。
爪83の数は2つである必要はなく、1つ又は3つ以上であってもよい。複数の爪83が設けられる場合、複数の爪83とシールド20との係合を解除する際に、一部の爪83の係合のみが解除され、残りの爪83の係合が解除されないという事態が起こりうる。爪83が1つのみである場合には、このような事態は起こり得ず、爪83とシールド20との係合を解除する作業を容易且つ確実に行える可能性がある。
爪83の数及び爪83が係合するシールド20の位置に応じて、爪83が設けられるロック部82の数や形状を適宜変更しうる。
爪83が設けられるロックレバー80の形状は任意である。例えば、操作部84が後方に向かって延びるのではなく、支柱81の上端から上方に向かって延びていてもよい。この場合、操作部84の上端を後方に向かって押す(または引く)ことにより、爪83とシールド20との係合を解除することができる。あるいは、操作部84を省略してもよい。この場合、ロック部82の前端を持ち上げることにより、爪83とシールド20との係合を解除することができる。ロック部82が上方に向かって曲げ変形することができれば、支柱81は実質的に曲げ変形しなくてもよい。
爪83を省略してもよい。この場合、アーム75(特にその保持部75b)に力F1を印加すれば固着解除作業を行うことができる。このため、例えば穿刺作業を行う前又は穿刺作業中に保持部75bを大きな力で把持すると、アーム75が変形して外ユニット2が内ユニット3に対して前方に向かって押し出されてしまう場合が起こりうる。しかしながら、外ユニット2が押し出された後にも内針50の先端が外針30の先端よりも突き出すように設計されていれば、その後に穿刺作業を問題なく行うことは可能である。
把持部74の互いに対向する面には、リブ76a及び溝76b以外の任意の形状を設けうる。例えば、把持部74の互いに対向する面の両方にリブ76aを設けてもよい。リブ76a及び/又は溝76bが複数設けられてもよい。把持部76の互いに対向する面は、Z軸に平行に延びている必要はなく、Z軸に対して傾斜していてもよいし、また、屈曲又は湾曲した部分を有していてもよい。把持部76の互いに対向する面の一方又は両方に、上下方向に離間して2つの突起74cを設けてもよい。この場合、チューブ60は、2つの突起74cの間に配置され、2つの突起74cによって上下方向の位置が規制される。あるいは、突起74cを省略してもよい。
保持部75bの外側面(指が触れる面)に、滑りを防止するための凸部、凹部、凹凸などが設けられていてもよい。あるいは、大面積の保持部75bを省略してもよい。この場合、アーム75のX軸方向に最も外側に突出した部分に力F1を印加して固着解除作業を行うことができる。
上記の実施形態では、保持部75bに力F1を印加したときにのみ、把持部74がチューブ60を把持した。しかしながら、力F1を印加していない状態であっても、把持部77がチューブ60を把持するように構成してもよい。この場合、把持部74に力F1を印加して外針30と内針50との固着を解除する固着解除作業を行った後は、把持部77に印加する力を力F1よりも弱めてもストッパー70とともにチューブ60を容易に引き出すことができる。
上記の実施形態では、チューブ60の中心を通るYZ面に対して対称に、一対の弾性部73、一対の把持部74、一対のアーム75が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ストッパー70が、弾性部73、把持部74、アーム75をそれぞれただ一つのみ有していてもよい。この場合、弾性部73、把持部74、アーム75は、上記の実施形態と同様に、チューブ60に対して一方の側に配置される。チューブ60を挟んで弾性部73及び把持部74に対向するように、「不動把持部」が設けられる。不動把持部は、挿入部71の後端から後方に向かって延び、実質的に変位しない。固着解除作業を行う場合には、アーム75(特にその保持部75b)と不動把持部とを把持する。上記の実施形態と同様に、アームは曲率が小さくなるように変形されて、押部76が外ユニット2を前方に向かって押し出す。これと同時に、チューブ60は把持部76と不動把持部との間に挟持される。このように、ストッパー70が弾性部73、把持部74、アーム75をそれぞれただ1つのみ備える場合でも、本発明の留置針装置を構成することができ、本発明の効果を奏することができる。
上記の実施形態では、アーム75に力F1を印加したとき、アーム75が真っ直ぐになるように変形すると同時に、把持部74がチューブ60に向かって変位してチューブ60を把持した。しかしながら、本発明は、力F1を印加したときに把持部74が変位しない構成も含む。例えば、対向する把持部77間の間隔をチューブ60の外径より小さくする等、力F1を印加していない状態でも把持部77がチューブ60を常に把持してもよい。この場合、上記の実施形態と同様に、ストッパー70を把持して固着解除作業及び後退作業を行うことができる。あるいは、ストッパー70がチューブ60を保持しなくてもよい。この場合、チューブ60を把持しながら固着解除作業及び後退作業を行うことができる。
上記の実施形態では、突起25はシールド20の後端に形成されていたが、突起25の形成位置は、シールド20の後端である必要はなく、後端よりも前側の位置であってもよい。但し、シールド20の後端から前側に遠く離れた位置に突起25を形成すると、後退作業において人差し指が突起25に届かなくなるので、後退作業の作業性が低下する。従って、突起25は、シールド20の後端又はその近傍に形成されていることが好ましい。具体的には、シールド20の後端から突起23aまでの距離は、20mm以下、更には10mm以下、特に5mm以下にすることができる。
上記の実施形態では、2つの突起25及び2つの突起26がそれぞれX軸方向に対向して形成されていたが、突起25及び突起26の数はいずれも1つであってもよいし、突起25及び突起26がX軸方向に3つ以上並んでいてもよい。突起25及び突起26の形状や寸法は任意である。人差し指で力を加えやすいように、突起25及び突起26の人差し指が当たる部分の面積を大きくしてもよく、人差し指が滑るのを防止するために、人差し指が当たる部分に凹凸形状を形成してもよい。
内ユニット3が後退位置にあるときの内ハブ40とシールド20との嵌合構造は、上記以外の構成を有していてもよい。あるいは、当該嵌合構造を省略してもよい。
翼29及び固定部材28を省略してもよい。
本発明の利用分野は特に制限はなく、輸液、輸血、体外血液循環などの処置を行う際の留置針装置として広範囲に利用することができる。中でも、輸液又は血液透析に用いられる留置針装置として好ましく利用することができる。
1 留置針装置
2 外ユニット
3 内ユニット
20 シールド
24 シールドの内腔
25 第1突起
26 第2突起
30 外針
40 内ハブ
50 内針
60 チューブ
70 ストッパー
71 挿入部
71a 挿入部の前端
72 基部
74 把持部
75 アーム
76 押部
80 ロックレバー
81 支柱
83 爪

Claims (7)

  1. 内腔を有するシールド、及び、前記シールドの前端に固定された軟質の外針を含む外ユニットと、
    前記シールドの前記内腔内に配置された内ハブ、前記内ハブの前端に固定された硬質の内針、及び、前記内ハブの後端に接続されたチューブを含む内ユニットと、
    前記シールドの前記内腔内に、前記シールドの後端の開口から挿抜可能なストッパーとを備え、
    前記内針が前記外針を貫通して前記外針の先端から突出する初期位置から、前記内針が前記シールドの前記内腔内に収納される後退位置へ、前記内ユニットを前記外ユニットに対して移動させることができる留置針装置であって、
    前記ストッパーは、前記シールドの前記内腔内に挿入可能な挿入部と、前記挿入部の後端に設けられ、前記挿入部を前記シールドの前記内腔内に挿入したとき前記シールドの外に位置する基部とを備え、
    前記基部は、弾性的に曲げ変形可能なアームと、前記アームに設けられた押部とを含み、
    前記挿入部を前記シールドの前記内腔内に挿入し且つ前記挿入部の前端を前記初期位置にある前記内ユニットの前記内ハブに当接させた初期状態において、前記アームを弾性的に変形させると、前記押部が前記外ユニットを前方に向かって押し出すことを特徴とする留置針装置。
  2. 前記初期状態において前記アームは外側に突出するように湾曲し、
    前記押部は、前記アームの湾曲した部分より前側に設けられており、
    前記アームを、真っ直ぐになるように弾性的に変形させると、前記押部が前方に向かって移動する請求項1に記載の留置針装置。
  3. 前記初期状態において、前記アーム及び前記押部が前記チューブに対して対称に配置される請求項1又は2に記載の留置針装置。
  4. 前記ストッパーの前記基部は、前記初期状態において前記チューブに対向する把持部を含み、
    前記アームは、前記把持部に設けられており、
    前記アームを弾性的に変形させると、前記把持部は前記チューブに向かって変位して前記チューブを把持する請求項1〜3のいずれか一項に記載の留置針装置。
  5. 前記ストッパーの前記基部は、爪を含み、
    前記初期状態において、前記挿入部が前記シールドから抜け出ることがないように前記爪は前記シールドに係合し、
    前記爪と前記シールドとの係合が解除されるように、前記爪を変位させることができる請求項1〜4のいずれか一項に記載の留置針装置。
  6. 前記ストッパーの前記基部は、弾性的に曲げ変形可能な支柱に支持されたロックレバーを含み、
    前記ロックレバーに前記爪が設けられており、
    前記ロックレバーを回動させることにより前記爪を変位させることができる請求項5に記載の留置針装置。
  7. 前記アームが弾性的に変形するのとは独立して、前記爪を変位させることができる請求項5又は6に記載の留置針装置。
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